JP2005091492A - スクリーン装置、プロジェクタ、及びスクリーン装置の保持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スクリーンを構成するレンチキュラーレンズ等のシート部分の伸縮率差を簡単に逃がすことができ、組立の作業性に優れる透過型スクリーンを提供すること。
【解決手段】 スクリーン本体33を構成する各部材33c、33d、33eの熱膨張係数の差や経時変化等に起因して各部材33c、33d、33e間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差をフィルム部材37の存在、特にスクリーン本体33の各辺部分33aとフィルム部材37の当接部37bとの摺動変位によって逃がすことができるので、全体としてのスクリーン本体33に反りや歪みが発生することを防止でき、長期に亘って透過型スクリーン部材18の投射性能を維持することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 スクリーン本体33を構成する各部材33c、33d、33eの熱膨張係数の差や経時変化等に起因して各部材33c、33d、33e間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差をフィルム部材37の存在、特にスクリーン本体33の各辺部分33aとフィルム部材37の当接部37bとの摺動変位によって逃がすことができるので、全体としてのスクリーン本体33に反りや歪みが発生することを防止でき、長期に亘って透過型スクリーン部材18の投射性能を維持することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示パネル等を用いて画像を投射するプロジェクタに組み込まれるスクリーン装置及びその保持方法等に関する。
例えば背面投射型のプロジェクタ(リア型プロジェクタ)においては、透過型スクリーンが用いられており、透過型スクリーンの透過率を増加させるためにスクリーンの薄型化が図られている。このような透過型スクリーンでは、シート材の片面や両面にレンチキュラーレンズやフレネルレンズ等を付けることによって形成した薄型スクリーンの周囲を樹脂枠で固め、このような樹脂枠を矩形に形成された取付カバーに引っ掛けた状態で、同様に矩形に形成された枠に対し取付カバーを爪係合等で固定する。このような固定方法では、薄型スクリーンの角部分が枠の角部分にかからないようにしているので、薄型スクリーンをたるみやしわなく貼り付けることができる(特許文献1参照)。
また、例えばレンチキュラーレンズ等である第1のスクリーンシートと、フレネルレンズ等である第2のスクリーンシートとを、両者の側端面において接合部材を介して間接的に接合した透過型スクリーンが存在する。このような透過型スクリーンでは、接合部材が例えば可撓性を有するフィルム状のもので形成されており、両スクリーンシートの伸縮量差に追従できるようにしている(特許文献2参照)。
特開平5−72632号公報
特開平5−273658号公報
しかし、前者のような薄型スクリーンの周囲を樹脂枠で固める方法では、薄型スクリーンの周囲を一旦接着してしまうと、レンチキュラーレンズやフレネルレンズ等の各シート部分の伸縮率差を逃がすことができなくなり、薄型スクリーンに反りや歪みを発生させる場合がある。また、薄型スクリーンの周囲に樹脂枠を接着剤等によって固定することは容易でなく、スクリーンの製造に際しての作業性が低下し製造コストを増加させることになる。
一方、後者のようなスクリーンでも、薄型化の進展にともなって両スクリーンシートの伸縮量差に十分に対応できなくなる傾向が生じている。また、かかるスクリーンにおいて、両スクリーンシートの端面に接合部材を接着剤によって固定することは容易でなく、スクリーンの製造に際しての作業性が低下し製造コストを増加させることになる。
そこで、本発明は、ごみ、ほこり等の侵入を容易に防止することができるスクリーンであって、スクリーンを構成するレンチキュラーレンズ等のシート部分の伸縮率差を簡単に逃がすことができ、組立等の作業性に優れるスクリーンを提供することを目的とする。
また、本発明は、かかるスクリーンにおけるスクリーンの保持方法やかかるスクリーンを組み込んだプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るスクリーン装置は、(a)複数の部材を重ね合わせることによって形成されるスクリーンと、(b)スクリーンの外周を形成する各辺部分の端面を包むように覆うとともに、各辺部分の前面及び後面にそれぞれ当接する一対の当接部をそれぞれ有する複数の保護部材と、(c)複数の保護部材に覆われたスクリーンの各辺部分を前面側及び後面側から挟持することによって保持するとともに、一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することによって当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させる保持部材を有するフレーム部材とを備える。なお、重ね合わされる複数の部材は、例えばシート状で略同一の矩形輪郭をそれぞれ有するものとすることができる。
上記スクリーン装置では、各保護部材がスクリーンの外周を覆うので、スクリーンを構成する複数の部材間の隙間にホコリやゴミが混入することを防止できる。また、このスクリーン装置では、フレーム部材に設けた保持部材が、スクリーンの各辺部分を保持するだけでなく、一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することによって当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させるので、スクリーンの各辺部分のうち少なくとも一方の当接部に対向する部分は、スクリーンの法線に垂直な方向に関して一定以上の応力で可動な状態となる。よって、重ね合わせた複数の部材の熱膨張係数の差等に起因して各部材間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差を逃がすことができる。つまり、スクリーンの各辺部分のうち少なくとも一方の当接部に対向する部分が、保持部材に挟持された状態でスクリーンの法線に垂直な方向に移動し得るので、スクリーンを構成する各部材間に生じた伸縮量の差を特に縁部分に逃がすことができ、スクリーンに反りや歪みが発生することを防止できる。なお、上記のようなスクリーン装置では、スクリーンの各辺部分の端面を接着剤等によって完全に接着・固定しないので、スクリーン装置の製造が簡易なものとなりその作業性が向上する。
本発明の具体的態様において、スクリーン装置は、一対の当接部の他方をスクリーンの各辺部分の前面に接着して固定する接着手段をさらに備え、保持部材が、スクリーンの各辺部分の後面側を一方の当接部を介して押圧することを特徴とする。この場合、一対の当接部の他方をスクリーンの各辺部分に固定することができ、スクリーンの各辺部分のうち少なくとも一方の当接部に対向する後面側部分の可動性を確保しつつ、スクリーン装置を簡易に組み立てることができる。
また、本発明の別の具体的態様において、スクリーン装置は、一対の当接部の他方をスクリーンの各辺部分の後面に接着して固定する接着手段をさらに備え、保持部材が、スクリーンの各辺部分の前面側を一方の当接部を介して押圧することを特徴とする。この場合、一対の当接部の他方をスクリーンの各辺部分に固定することができ、スクリーンの各辺部分のうち少なくとも一方の当接部に対向する前面側部分の可動性を確保しつつ、スクリーン装置を簡易に組み立てることができる。
また、本発明の別の具体的態様において、スクリーン装置は、一対の当接部の他方をフレーム部材側に接着して固定する接着手段をさらに備え、保持部材が、スクリーンの各辺部分の前面側及び後面側を一対の当接部を介して押圧することを特徴とする。この場合、一対の当接部の他方をフレーム部材側に固定することができ、スクリーンの各辺部分において前面側部分及び後面側部分の可動性を確保しつつ、スクリーン装置を簡易に組み立てることができる。
また、本発明の別の具体的態様において、スクリーンが、透過型であり、複数の部材としてフレネルレンズシートとレンチキュラレンズシートとフロントパネルとを有することを特徴とする。この場合、フレネルレンズシートによって像光の入射角度を調整しつつ、レンチキュラレンズシートによって像光の散乱状態を調節することができる。
また、本発明の別の具体的態様において、複数の保護部材が、フィルムからなり、当該フィルムが、表面に光沢防止処理を施されていることを特徴とする。この場合、保護部材であるフィルムに入射した光が散乱されるので、スクリーンの端部に入射した像光が保護部材で反射されて迷光を発生することを防止できる。
また、本発明の別の具体的態様において、複数の保護部材が、フィルムからなり、当該フィルムが、内面にマット加工を施されていることを特徴とする。この場合、スクリーンの端部に入射した像光が保護部材で反射されて迷光を発生することを防止できるだけでなく、一方の当接部の内面と各辺部分の表面との摩擦を緩和することができる。これにより、スクリーンの各辺部分を保持部材によって適当な強度で確実に把持しつつも、各辺部分の保持部材に対する所定方向の確実な可動性を確保することができる。
また、本発明の別の具体的態様において、複数の保護部材が、フィルムからなり、当該フィルムが、光吸収性の材料で形成されていることを特徴とする。この場合、保護部材であるフィルムに入射した光が吸収されるので、スクリーンの端部に入射した像光が保護部材で反射されて迷光を発生することを防止できる。
また、本発明に係るプロジェクタは、(a)光源から射出された光源光を各色の照明光に分割する色分割光学系と、(b)各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに各色の照明光を個別に変調する各色の液晶ライトバルブ等の空間光変調装置と、(c)各色の空間光変調装置からの各色の像光を合成して射出する光合成部材と、(d)光合成部材を経て合成された像光を投射する投射光学系と、(e)投射光学系からの像光が投射される上述のスクリーン装置とを備える。
上記プロジェクタでは、光源からの光源光が色分割光学系を経て各色の照明光に分割され、各色の空間光変調装置で各色の像光に変調された後に光合成部材によって各色が合成され、投射光学系を経て合成後の像光がスクリーン装置上に投射される。この際、合成像の被投射用のスクリーン装置として上述の本発明に係るスクリーン装置を用いているので、スクリーンを構成する複数の部材間の隙間にホコリやゴミが混入することを防止できる。さらに、スクリーンの構成要素として重ね合わせた複数の部材の熱膨張係数の差等に起因して各部材間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差を逃がすことができ、スクリーンに反りや歪みが発生することを防止できる。
また、本発明に係るプロジェクタは、(a)照明光を形成する照明装置と、(b)照明装置によって形成された照明光によって照明される空間光変調装置と、(c)空間光変調装置からの像光を投射する投射光学系と、(d)投射光学系からの像光が投射される上述のスクリーン装置とを備える。
上記プロジェクタでは、スクリーン装置として上述の本発明に係るスクリーン装置を用いているので、スクリーンを構成する複数の部材間の隙間にホコリやゴミが混入することを防止できるとともに、複数の部材の熱膨張係数の差等に起因して各部材間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差を逃がすことができ、スクリーンに反りや歪みが発生することを防止できる。
また、本発明に係るスクリーンの保持方法は、(a)シート状で略同一の矩形輪郭をそれぞれ有する複数の部材を重ね合わせてなるスクリーンを準備する工程と、(b)スクリーンの外周を形成する各辺部分の前面及び後面にそれぞれ当接する一対の当接部をそれぞれ有する複数の保護部材によって、各辺部分の前面及び後面を包むように覆う工程と、(c)フレーム部材に設けた保持部材によって複数の保護部材に覆われたスクリーンの各辺部分を前面側及び後面側から挟持するとともに、一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することによって当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させる工程とを備える。
上記スクリーンの保持方法では、一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することにより、当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させるので、フレーム部材に設けた保持部材が、スクリーンの各辺部分を保持するだけでなく、スクリーンの各辺部分のうち少なくとも一方の当接部に対向する部分は、スクリーンの法線に垂直な方向に関して一定以上の応力で可動な状態となる。よって、スクリーンとして重ね合わせた複数の部材の熱膨張係数の差等に起因して各部材間で伸縮量の差が生じる場合であっても、かかる伸縮量の差を逃がすことができ、スクリーンに反りや歪みが発生することを防止できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクタの全体構造を説明する側面図である。このプロジェクタ10は、背面投射によって画像を表示するリヤプロジェクションタイプの装置であり、筐体であるケース12の底部にプロジェクタ本体14を備え、ケース12内の背面側上部に反射ミラー16を備え、ケース12正面に透過型スクリーン部材18を備える。プロジェクタ本体14から射出された像光は、光軸OA1に沿って後方斜め上に進行し、反射ミラー16で水平な光軸OA2方向に折り曲げられて透過型スクリーン部材18に設けたスクリーン部分に入射する。なお、これらプロジェクタ本体14、反射ミラー16、及び透過型スクリーン部材18は、不図示の手段によってケース12内に位置決めして固定されている。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクタの全体構造を説明する側面図である。このプロジェクタ10は、背面投射によって画像を表示するリヤプロジェクションタイプの装置であり、筐体であるケース12の底部にプロジェクタ本体14を備え、ケース12内の背面側上部に反射ミラー16を備え、ケース12正面に透過型スクリーン部材18を備える。プロジェクタ本体14から射出された像光は、光軸OA1に沿って後方斜め上に進行し、反射ミラー16で水平な光軸OA2方向に折り曲げられて透過型スクリーン部材18に設けたスクリーン部分に入射する。なお、これらプロジェクタ本体14、反射ミラー16、及び透過型スクリーン部材18は、不図示の手段によってケース12内に位置決めして固定されている。
ここで、プロジェクタ本体14は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源光をRGBの3色に分割する色分割光学系23と、色分割光学系23から射出された各色の照明光によってそれぞれ照明される3つの液晶ライトバルブ(不図示)からなる光変調部25と、光変調部25からの各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズムである光合成光学系27と、光合成光学系27を経た像光を透過型スクリーン部材18に投射するためのレンズ系である投射光学系29とを備える。
図2(a)は、図1のプロジェクタ10を設けた透過型スクリーン部材18の背面図であり、図2(b)は、透過型スクリーン部材18のうちのスクリーン本体の裏面側すなわち後面の平面図である。図2(a)に示すように、透過型スクリーン部材18は、平板状で矩形輪郭を有するスクリーン本体33と、このスクリーン本体33の周囲を保持する枠状のフレーム部材35とからなる。ここで、スクリーン本体33は、同一の矩形輪郭を有する複数のシート部材を重ね合わせた3層構造を有しており、このスクリーン本体33外周の4つの辺部分33aは、保護部材である4つのフィルム部材37によって前面及び後面がそれぞれ包まれるように端面が覆われている。フレーム部材35は、その内側の開口周囲に設けられてスクリーン本体33の縁部分すなわち辺部分33aを前面側から支持する枠状の支持部35aと、フレーム部材35の枠に沿って設けられた矩形のリブRLに固定されてスクリーン本体33の辺部分33aを後面側から支持する4つの押え金具35bとを備える。つまり、スクリーン本体33の各辺部分33aは、保持部材である支持部35aと4つの押え金具35bとによって、フィルム部材37を介して前面側及び後面側から挟持される。これにより、スクリーン本体33は、その外縁が枠状のフレーム部材35によって一定の応力で確実に保持され、このフレーム部材35に特に前後方向に関して安定した状態で固定されることになる。なお、押え金具35bは、フレーム部材35のリブRL上端に適当な間隔でねじ込まれた多数の固定ビス35cによって固定されており、スクリーン本体33の辺部分33aの表面とフィルム部材37の内面との間にスクリーン本体33の法線方向に沿った一定の付勢力を与えることができる。
図3は、図2(a)に示す透過型スクリーン部材18の断面構造を概念的に説明する拡大図である。スクリーン本体33は、裏面側に配置されてこれに入射した像光をスクリーン本体33の法線にほぼ平行に折り曲げるフレネルレンズシート33cと、像光を適当な発散角で射出させるレンチキュラレンズシート33dと、表面側に配置される保護用のフロントパネル33eとを積層した構造となっている。これらフレネルレンズシート33c、レンチキュラレンズシート33d、及びフロントパネル33eは、メタクリル樹脂、ポリエチレン等の透過性の良い材料を熱成形等によって加工することによって得たものであり、それぞれ0.5〜2mm程度の厚さを有する。このスクリーン本体33の辺部分33aは、フィルム部材37によって前面及び後面が包まれるように覆われている。フィルム部材37は、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ化物系樹脂やこれにシリコンを添加した材料からなる600〜800μm程度厚みのフィルムを適当なサイズにカットすることによって得たものであり、一対の帯状の当接部37a,37bを備える。このうち一方の当接部37aは、接着手段である両面テープ38によって辺部分33aの前面に接着され、他方の当接部37aは、押え金具35bによって辺部分33aの後面に所定の付勢力で押圧されて、その内面が辺部分33aの後面に圧接した状態とされる。両当接部37a,37bのスクリーン本体33に対する重ねしろについては、例えば幅1cm程度から数cm程度までとスクリーン本体33のサイズや用途に応じて適宜設定することができる。ここで、フィルム部材37の内側面は、例えばマット面に加工しておくことができる。この場合、スクリーン本体33端部の辺部分33aに入射した像光がフィルム部材37等で正反射されて迷光が生じることを防止できるだけでなく、当接部37bの内面と辺部分33aの後面との摩擦を緩和することができる。よって、スクリーン本体33の各辺部分33aの端面をフィルム部材37によって保護しつつ適当な強度で確実に把持することができ、しかも、各辺部分33aのフィルム部材37に対してのスクリーン本体33に平行な方向の確実な可動性を確保することができる。なお、フィルム部材37は、透明に限らず、例えば黒等に着色して光吸収性を持たせることができる。このようにフィルム部材37を光吸収性材料で形成することにより、フィルム部材37に入射した不要な光が吸収されるので、スクリーン本体33端部の辺部分33aに意図せず入射した像光がフィルム部材37等で反射されて迷光を発生することを防止できる。
以上の説明から明らかなように、スクリーン本体33の各辺部分33aの後面は、スクリーン本体33の法線に垂直な方向すなわちスクリーン本体33に沿って一定以上の応力で可動な状態となっている。よって、スクリーン本体33を構成するフレネルレンズシート33c、レンチキュラレンズシート33d、及びフロントパネル33eの各部材が異なる材料で形成されている場合等において、各材料33c〜33eの熱膨張係数の差等に起因して各部材33c〜33e間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差をフィルム部材37の存在によって各部材33c〜33e端部の変位として逃がすことができるので、全体としてのスクリーン本体33に反りや歪みが発生することを防止できる。
また、以上のような保持に際して、4つのフィルム部材37がスクリーン本体33の外周をほぼ完全に覆うので、スクリーン本体33を構成するフレネルレンズシート33c、レンチキュラレンズシート33d、及びフロントパネル33eの各部材の隙間にホコリやゴミが混入することによって投射像の画質を低下させることを防止できる。
図4は、透過型スクリーン部材18の組み立てすなわちスクリーン本体33の保持方法を説明する図である。まず、フレネルレンズシート33c、レンチキュラレンズシート33d、及びフロントパネル33eの各部材を積層することによってスクリーン本体33を準備し、スクリーン本体33外縁の4つの辺部分33aの前面に、別に準備した4つのフィルム部材37のうち一方の当接部37aを例えば両面テープを利用してそれぞれ貼り付ける。次に、図4(a)に示すように、フィルム部材37を外縁に取り付けたスクリーン本体33をフレーム部材35の内枠部分の窪みに嵌め込んで、スクリーン本体33外縁の前面を支持部35aに支持させる。その後、図4(b)に示すように、自由端となっている当接部37bを折り曲げてスクリーン本体33外縁の後面に押し付けた状態で、押え金具35bをリブRL上端においてビス止めする。これにより、当接部37bが押え金具35bからの付勢力によって辺部分33aの後面に押圧されて、その内面が辺部分33aの後面に圧接した状態とされるので、スクリーン本体33の各辺部分33aがフィルム部材37によってカバーされるとともに、各辺部分33aがフィルム部材37に対して一定以上の応力で接触面に平行な方向に変位し得ることが分かる。なお、本実施形態の場合、フィルム部材37に対して固定されていない最後面のフレネルレンズシート33cの伸縮に対する許容性が高い状態となっているが、他のレンチキュラレンズシート33dやフロントパネル33eの伸縮も一定範囲で許容されることになる。ここで、反りや歪みを防止するために各シート33c,33d,33eを貼り合わせる際に端面を固定しないでフレームに組み込むことは可能であるが、この場合、各シート33c,33d,33e間に塵埃が入るおそれがあり防塵が必要となる。本実施形態では、上述のようなフィルム部材37を利用して塵等の隙間への侵入防止と歪み等の発生防止とを両立させている。
以下、図1のプロジェクタ10の動作について説明する。光源装置21からの光源光は、色分割光学系23によって色分割され、光変調部25に設けた各色の液晶ライトバルブに照明光としてそれぞれ入射する。各液晶ライトバルブは、画像信号によって変調されて2次元的屈折率分布を有しており、照明光を2次元空間的に画素単位で変調する。このように、光変調部25で各色ごとに変調された照明光すなわち像光は、光合成光学系27で合成されて投射光学系29に入射する。投射光学系29に入射した像光は、透過型スクリーン部材18のスクリーン本体33に投影される。ここで、スクリーン本体33が図3等に示す方法でフレーム部材35に固定されているので、スクリーン本体33を構成する各部材33c、33d、33eの熱膨張係数の差や経時変化等に起因して各部材33c、33d、33e間で伸縮量の差が生じた場合であっても、かかる伸縮量の差をフィルム部材37の存在、特にスクリーン本体33の各辺部分33aとフィルム部材37の当接部37bとの摺動変位によって逃がすことができるので、全体としてのスクリーン本体33に反りや歪みが発生することを防止でき、長期に亘って透過型スクリーン部材18の投射性能を維持することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係るプロジェクタにおける透過型スクリーン部材の組み立てを説明する部分拡大断面図である。第2実施形態の透過型スクリーン部材118は、第1実施形態における透過型スクリーン部材18を変形したものであり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係るプロジェクタにおける透過型スクリーン部材の組み立てを説明する部分拡大断面図である。第2実施形態の透過型スクリーン部材118は、第1実施形態における透過型スクリーン部材18を変形したものであり、同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
この場合、第1実施形態と同様に準備したスクリーン本体33外縁の各辺部分33aの後面に、各フィルム部材37の当接部37bを例えば両面テープを利用してそれぞれ貼り付ける。次に、フィルム部材37を外縁に取り付けたスクリーン本体33をフレーム部材35の内枠部分の窪みに嵌め込んで、スクリーン本体33外縁の前面を支持部35aに支持させた後、押え金具35b(図4等参照)をリブRL上端においてビス止めしてスクリーン本体33をフレーム部材35に固定する。これにより、当接部37aが押え金具35b及び支持部35aを介して辺部分33aの前面に押圧されて、その内面が辺部分33aの前面に圧接した状態とされるので、スクリーン本体33の各辺部分33aがフィルム部材37によってカバーされるとともに、各辺部分33aがフィルム部材37に対して一定以上の応力で接触面に平行な方向に変位し得る状態となる。なお、本実施形態の場合、フィルム部材37に対して固定されていない最前面のフロントパネル33eの伸縮に対する許容性が高い状態となっている。
〔第3実施形態〕
図6は、第3実施形態に係るプロジェクタにおける透過型スクリーン部材の組み立てを説明する部分拡大断面図である。第3実施形態の透過型スクリーン部材218は、第1実施形態における透過型スクリーン部材18を変形したものである。
図6は、第3実施形態に係るプロジェクタにおける透過型スクリーン部材の組み立てを説明する部分拡大断面図である。第3実施形態の透過型スクリーン部材218は、第1実施形態における透過型スクリーン部材18を変形したものである。
この場合、予めフレーム部材35の内側に設けた支持部35aの支持面にフィルム部材37の一方の当接部37aを例えば両面テープを利用して貼り付ける。次に、第1実施形態の場合と同様にして準備したスクリーン本体33をフレーム部材35の内枠部分の窪みに嵌め込んで、スクリーン本体33外縁の前面を支持部35a上に接着された当接部37a上に支持させた後、自由端となっている当接部37bを折り曲げてスクリーン本体33外縁の後面に押し付けた状態で、押え金具35b(図4等参照)をリブRL上端においてビス止めしてスクリーン本体33をフレーム部材35に固定する。この結果、押え金具35b及び支持部35aによって当接部37aが辺部分33aの前面に押圧され、さらに当接部37bが辺部分33aの後面に押圧されて、これらの内面が辺部分33aの表面に圧接した状態とされるので、スクリーン本体33の各辺部分33aがフィルム部材37によってカバーされるとともに、各辺部分33aがフィルム部材37に対して一定以上の応力で接触面に平行な方向に変位し得る状態となる。なお、本実施形態の場合、フィルム部材37に対して固定されていない各部材33c〜33eの伸縮に対する許容性がすべて高い状態となっている。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、押え金具35bの寸法調節によって、フィルム部材37を構成する一対の当接部37a,37bによるスクリーン本体33の辺部分33aの挟持に際しての付勢力を所望の値に設定しているが、押え金具35bの支持部分に所定の弾性を持たせたり、この支持部分に所定の押圧力を与える弾性体やバネ等の手段を設けることによっても、スクリーン本体33の辺部分33aの挟持に際しての圧力を調節することができる。
また、上記実施形態では、上述の透過型スクリーン部材18をRGBの3色ごと個別に設けた液晶ライトバルブを内蔵するリア型プロジェクタ10に組み込む場合について説明したが、カラー表示型の単一の液晶表示パネルからの画像を例えば背面投射する場合にも、上述のような透過型スクリーン部材18を用いることができる。さらに、デジタルミラーデバイス(DMD)等を含む反射型の表示装置(空間光変調装置)からの像光を背面投射する場合にも、上述のような透過型スクリーン部材18を用いることができる。
また、シート状或いは薄板状の複数の部材を重ねて枠に固定するタイプのスクリーンであれば、透過型に限らず反射型のスクリーンの保持に本発明の方法を適用することができる。
10 プロジェクタ、 14 プロジェクタ本体、 16 反射ミラー、 18 透過型スクリーン部材、 21 光源装置、 23 色分割光学系、 25 光変調部、 27 光合成光学系、 29 投射光学系、 33 スクリーン本体、 33a 辺部分、 33c フレネルレンズシート、 33d レンチキュラレンズシート、 33e フロントパネル、 35 フレーム部材、 35a 支持部、 35b 押え金具、 37 フィルム部材、 37a,37b 当接部
Claims (11)
- 複数の部材を重ね合わせることによって形成されるスクリーンと、
前記スクリーンの外周を形成する各辺部分の端面を包むように覆うとともに、各辺部分の前面及び後面にそれぞれ当接する一対の当接部をそれぞれ有する複数の保護部材と、
前記複数の保護部材に覆われた前記スクリーンの各辺部分を前面側及び後面側から挟持することによって保持するとともに、前記一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することによって当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させる保持部材を有するフレーム部材と
を備えるスクリーン装置。 - 前記一対の当接部の他方を前記スクリーンの各辺部分の前面に接着して固定する接着手段をさらに備え、前記保持部材は、前記スクリーンの各辺部分の後面側を前記一方の当接部を介して押圧することを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
- 前記一対の当接部の他方を前記スクリーンの各辺部分の後面に接着して固定する接着手段をさらに備え、前記保持部材は、前記スクリーンの各辺部分の前面側を前記一方の当接部を介して押圧することを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
- 前記一対の当接部の他方を前記フレーム部材側に接着して固定する接着手段をさらに備え、前記保持部材は、前記スクリーンの各辺部分の前面側及び後面側を前記一対の当接部を介して押圧することを特徴とする請求項1記載のスクリーン装置。
- 前記スクリーンは、透過型であり、前記複数の部材としてフレネルレンズシートとレンチキュラレンズシートとフロントパネルとを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載のスクリーン装置。
- 前記複数の保護部材は、フィルムからなり、当該フィルムは、表面に光沢防止処理を施されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載のスクリーン装置。
- 前記複数の保護部材は、フィルムからなり、当該フィルムは、内面にマット加工を施されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項記載のスクリーン装置。
- 前記複数の保護部材は、フィルムからなり、当該フィルムは、光吸収性の材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項記載のスクリーン装置。
- 光源から射出された光源光を各色の照明光に分割する色分割光学系と、
各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに各色の照明光を個別に変調する各色の空間光変調装置と、
各色の空間光変調装置からの各色の像光を合成して射出する光合成部材と、
前記光合成部材を経て合成された像光を投射する投射光学系と、
前記投射光学系からの像光が投射される請求項1から請求項8のいずれか一項記載のスクリーン装置と
を備えるプロジェクタ。 - 照明光を形成する照明装置と、
前記照明装置によって形成された照明光によって照明される空間光変調装置と、
前記空間光変調装置からの像光を投射する投射光学系と、
前記投射光学系からの像光が投射される請求項1から請求項8のいずれか一項記載のスクリーン装置と
を備えるプロジェクタ。 - 複数の部材を重ね合わせてなるスクリーンを準備する工程と、
前記スクリーンの外周を形成する各辺部分の前面及び後面にそれぞれ当接する一対の当接部をそれぞれ有する複数の保護部材によって、各辺部分の端面を包むように覆う工程と、
フレーム部材に設けた保持部材によって前記複数の保護部材に覆われた前記スクリーンの各辺部分を前面側及び後面側から挟持するとともに、前記一対の当接部の少なくとも一方を所定の付勢力で押圧することによって当該一方の当接部の内面を各辺部分の表面に圧接させる工程と
を備えるスクリーンの保持方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003321796A JP2005091492A (ja) | 2003-09-12 | 2003-09-12 | スクリーン装置、プロジェクタ、及びスクリーン装置の保持方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524079A (ja) * | 2006-01-17 | 2009-06-25 | トムソン ライセンシング | 適合性投影テレビジョンスクリーンマウンチングクランプ |
JP2017097261A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 旭硝子株式会社 | 透明スクリーン |
JP2020003812A (ja) * | 2019-08-23 | 2020-01-09 | Agc株式会社 | 透明スクリーン |
-
2003
- 2003-09-12 JP JP2003321796A patent/JP2005091492A/ja not_active Withdrawn
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