JP2005091320A - 光ファイバケーブルの劣化検知システム - Google Patents

光ファイバケーブルの劣化検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバケーブル内への浸水の有無を適切に検出する。
【解決手段】 制御装置16の距離方向データ処理部31は、第1光パルス試験器13から出力される光ファイバの長手方向における距離に応じた温度分布の検出データに対して、距離に関する所定のデータ処理として、例えば移動中央値取得処理を行い、検出データから距離処理データを生成する。時間方向データ処理部32は、距離方向データ処理部31から出力される距離処理データに対して、時間に関する所定のデータ処理として、例えば移動平均処理を行い、距離処理データから時間処理データを生成する。温度変化量算出部33は、時間方向データ処理部32から出力される時間処理データに対して、温度の時間変化量を算出する所定の処理として、例えば1ポイント以前の時間のポイントでの時間処理データを基準温度に設定し、基準温度に対する差を各時間処理データ毎に算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバケーブルの劣化検知システムに関する。
従来、管路網等へ布設される光ファイバケーブル内への浸水の有無を検出する方法として、例えば水を吸収して体積膨張あるいは体積収縮する吸水材を光ファイバケーブル内に備え、この吸水材の体積膨張あるいは体積収縮によって光ファイバが局所的に屈曲変形することに伴う光伝送損失の増大を光パルス試験器により検出する方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。
また、例えば水と反応して発熱あるいは吸熱する反応材を光ファイバケーブル内に備え、この反応材の発熱あるいは吸熱によって光ファイバに発生した局所的な温度変化を光パルス試験器により検出する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開昭62−28703号公報 特開平6−18754号公報
しかしながら、上述したような従来技術に係る浸水検知方法においては、光ファイバケーブル内への浸水によって、光ファイバが屈曲変形させられたり、光ファイバが冷却または加熱されることで、光ファイバケーブルの劣化状態が助長されてしまう虞がある。
このように光ファイバケーブルの劣化状態が助長されると、例えば浸水検知後であっても保守作業等が実行されるまでの期間において、この光ファイバケーブルにより通信を行う必要がある場合等に通信特性が過剰に劣化してしまったり、例えば浸水検知後に実行される保守作業等に要する手間が煩雑化してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバケーブルの劣化状態を助長することを防止しつつ、例えば光ファイバケーブル内への浸水の有無等の劣化状態を適切かつ精度良く検出することが可能な光ファイバケーブルの劣化検知システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムは、光ファイバケーブル(11)内の光ファイバに入射端から光パルスを入射し、前記入射端に戻ってきた戻り光に含まれる所定の散乱光により前記光ファイバケーブルの長手方向における温度分布を時系列データとして検出する光パルス試験器(13)と、前記光パルス試験器から出力される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の前記時系列データからなる検出データあるいは該検出データに係るデータを処理対象データとして、前記処理対象データに対し、前記光ファイバケーブルの長手方向の所定範囲の距離に関する平滑化処理を行い、距離平滑化データを生成する距離平滑化手段(31)と、前記処理対象データに対し、前記時系列データの所定範囲の時間に関する平滑化処理を行い、時間平滑化データを生成する時間平滑化手段(32)と、前記処理対象データに対し、前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータを算出する温度変化量算出手段(33)と
を備えることを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、戻り光に含まれる所定の散乱光、例えばラマン散乱光やブリルアン散乱光等を検出して得た、光ファイバケーブルの長手方向における温度分布の時系列データからなる検出データに対し、適宜の順序で以下の各処理つまり所定範囲の距離に関する平滑化処理、所定範囲の時間に関する平滑化処理、温度分布の時間変化量を算出する処理を実行することにより、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態(例えば、過冷却現象による温度変化等)を精度良く検知することができる。
さらに、請求項2記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記距離平滑化手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記所定範囲の距離を設定することを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、処理対象データの距離の情報に応じて、平滑化処理を行う所定範囲の距離を適切に設定することができ、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項3記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記時間平滑化手段は、前記処理対象データに対し、複数回の前記平滑化処理を行うことを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、複数回の平滑化処理を行うことによって、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項4記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記時間平滑化手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記平滑化処理の実行回数を設定することを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、処理対象データの距離の情報に応じた適切な回数の平滑化処理を行うことによって、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項5記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記平滑化処理は、平均値算出処理または移動平均値算出処理または中央値算出処理または移動中央値算出処理であることを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、平滑化処理を平均値算出処理または移動平均値算出処理または中央値算出処理または移動中央値算出処理とすることで、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項6記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記温度変化量算出手段は、所定の基準温度に対する前記処理対象データの差を算出することを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、複数の処理対象データに対して、例えば時間の情報が同等の処理対象データ毎に、所定の基準温度に対する処理対象データの差を算出することで、光ファイバケーブルの長手方向における温度分布の時間変化量を容易に算出することができる。
さらに、請求項7記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記温度変化量算出手段は、時系列をなす複数の前記処理対象データのうち、前記差の算出対象となる前記処理対象データに対して所定時間あるいは所定数だけ以前の前記処理対象データを前記所定の基準温度として設定することを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態を容易に精度良く検知することができる。
さらに、請求項8記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムでは、前記温度変化量算出手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記所定時間あるいは前記所定数を設定することを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、所定の基準温度を設定する際の所定時間あるいは所定数を処理対象データの距離の情報に応じた適切な値に設定することができ、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項9記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムは、前記温度変化量算出手段にて算出される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータにおいて、前記光ファイバケーブルの長手方向における比熱あるいは該比熱に係る状態量の分布に応じて適宜の温度変化に対する時間遅れが発生しているか否かを判定することによって、前記光ファイバケーブル内への浸水の有無を判定する劣化判定手段(34)を備えることを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態(例えば、過冷却現象による温度変化等)を精度良く検知することができることに加えて、浸水部と非浸水部との比熱差に応じて適宜の温度変化に対する時間遅れが発生しているか否かを判定することによって、光ファイバケーブル内への浸水の有無を容易に判定することができ、さらに、この判定精度を向上させることができる。
さらに、請求項10記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムは、前記温度変化量算出手段にて算出される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータにおいて、過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定することによって、前記光ファイバケーブル内への浸水の有無を判定する劣化判定手段(34)を備えることを特徴としている。
上記構成の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルに生じる所定の温度変化状態として、過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定することによって、光ファイバケーブル内への浸水の有無を容易に判定することができると共に、判定精度を向上させることができる。
本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、戻り光に含まれる所定の散乱光を検出して得た検出データに対し、順次、所定範囲の距離に関する平滑化処理、所定範囲の時間に関する平滑化処理、温度分布の時間変化量を算出する処理を実行することにより、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態(例えば、過冷却現象による温度変化等)を精度良く検知することができる。
さらに、請求項2記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、検出データの距離の情報に応じて、平滑化処理を行う所定範囲の距離を適切に設定することができ、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項3記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、複数回の平滑化処理を行うことによって、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項4記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、距離平滑化データの距離の情報に応じた適切な回数の平滑化処理を行うことによって、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項5記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項6記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における温度分布の時間変化量を容易に算出することができる。
さらに、請求項7記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態を容易に精度良く検知することができる。
さらに、請求項8記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、所定の基準温度を設定する際の所定時間あるいは所定数を時間平滑化データの距離の情報に応じた適切な値に設定することができ、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態の検知精度を向上させることができる。
さらに、請求項9記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルの長手方向における適宜の位置での所望の温度変化状態(例えば、過冷却現象による温度変化等)を精度良く検知することができることに加えて、浸水部と非浸水部との比熱差に応じて適宜の温度変化に対する時間遅れが発生しているか否かを判定することによって、光ファイバケーブル内への浸水の有無を容易に判定することができ、さらに、この判定精度を向上させることができる。
さらに、請求項10記載の本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムによれば、光ファイバケーブルに生じる所定の温度変化状態として、過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定することによって、光ファイバケーブル内への浸水の有無を容易に判定することができると共に、判定精度を向上させることができる。
以下、本発明の光ファイバケーブルの劣化検知システムの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による光ファイバケーブルの劣化検知システム10は、検知対象とされる光ファイバケーブル11の劣化状態として、例えば光ファイバケーブル11内部への浸水の有無を検知するものであって、例えば図1に示すように、検知側端末装置10aと、制御側端末装置10bとを備えて構成され、検知側端末装置10aは、光スイッチ12と、第1光パルス試験器13と、第2光パルス試験器14と、第3光パルス試験器15と、制御装置16と、入力装置17と、出力装置18と、検知側通信装置19とを備えて構成され、制御側端末装置10bは、例えば、制御側通信装置21と、制御装置22と、入力装置23と、出力装置24とを備えて構成されている。
検知側端末装置10aと制御側端末装置10bとは、検知側通信装置19および制御側通信装置21を介して相互に通信接続可能とされており、制御側端末装置10bによって検知側端末装置10aの動作、例えば後述する光スイッチ12の切替接続の動作や各光パルス試験器13,14,15の検出動作等が制御可能とされ、例えば浸水の有無等の劣化状態の検知結果を制御側端末装置10bに具備される出力装置24に出力可能とされている。
検知対象とされる光ファイバケーブル11は、例えば複数の光ファイバからなる多心の光ファイバケーブルであって、光スイッチ12に接続されている。
なお、本実施の形態による光ファイバケーブル11は、例えば光ファイバを架空地線に収容したOPGW(composite fiber OPtical overhead Ground Wire)であって、このOPGWは、複数(例えば、18心等)の光ファイバを金属管の中に収納したOPユニット(OPtical cable unit)の周囲に、アルミ覆鋼線等の金属素線を撚り合せたものであり、架空送電線路の避雷機能と光ファイバによる通信・情報管理機能を一体化した送電線である。
光スイッチ12は、光ファイバケーブル11の複数の光ファイバに対して、後述する各光パルス試験器13,14,15の各検知用光ファイバ13a,14a,15aを制御装置16の制御により選択的に接続する。
検知側端末装置10aの第1光パルス試験器13は、例えば戻り光に含まれるラマン散乱光の強度を時間軸上で測定することによって、光ファイバの長手方向におけるラマン散乱光の強度分布を検出するROTDR(Raman Optical Time Domain Reflectometry)装置をなすものであって、ラマン散乱光を構成する2成分、つまり入射光よりも低い周波数側へシフトしたストークス成分と入射光よりも高い周波数側へシフトした反ストークス成分との各強度の相対関係(例えば、強度比等)が光ファイバの温度に依存することに基づき、さらに、戻り光の戻り時間から光ファイバの長手方向における位置情報を検出して、光ファイバの長手方向における温度分布を検出する。
第1光パルス試験器13は、制御装置16の制御により、例えば所定の時間間隔毎等において、検知用光ファイバ13aを介して、この検知用光ファイバ13aに接続されている光ファイバケーブル11の光ファイバに試験光を入射し、この入射光に対する戻り光、つまり検知用光ファイバ13aの入射端に戻ってくる光を観測する。
検知側端末装置10aの第2光パルス試験器14は、例えば戻り光に含まれるブリルアン散乱光の強度を時間軸上で測定することによって、光ファイバの長手方向におけるブリルアン散乱光の強度分布を検出するBOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)装置をなすものであって、ブリルアン散乱光の入射光に対する周波数シフト量が光ファイバの伸び歪み量に依存することに基づき、さらに、戻り光の戻り時間から光ファイバの長手方向における位置情報を検出して、光ファイバの長手方向における伸び歪み変形の有無を検出する。
第2光パルス試験器14は、制御装置16の制御により、例えば所定の時間間隔毎等において、検知用光ファイバ14aを介して、この検知用光ファイバ14aに接続されている光ファイバケーブル11の光ファイバに試験光を入射し、この入射光に対する戻り光、つまり検知用光ファイバ14aの入射端に戻ってくる光を観測する。
検知側端末装置10aの第3光パルス試験器15は、例えば戻り光に含まれるレイリー散乱光や、例えば光ファイバの断線位置等からの反射光(例えば、フレネル反射光等)等の強度分布を検出するOTDR(Optical Time Domain Reflectometry)装置をなすものである。
制御装置16は、光スイッチ12の切替接続の動作や、各光パルス試験器13,14,15の検出動作を制御すると共に、各光パルス試験器13,14,15にて得られる検出データのデータ処理を行う。例えば、制御装置16は、第1光パルス試験器13から出力される光ファイバの長手方向における距離に応じた温度分布の検出結果を時系列データとして取得し、取得した検出データのデータ処理を行うものであって、距離方向データ処理部31と、時間方向データ処理部32と、温度変化量算出部33と、浸水判定部34とを備えて構成されている。
ここで、第1光パルス試験器13から出力される検出データA(n,m)は、例えば下記表1に示すように、光ファイバの長手方向に所定距離(サンプリング距離)をおいて設定される距離の各ポイントL,…,L(nは任意の自然数)と、第1光パルス試験器13から出力される時系列データの所定周期(サンプリング時間)毎に設定される時間の各ポイントT,…,T(mは任意の自然数)とによって指定される。
Figure 2005091320
距離方向データ処理部31は、第1光パルス試験器13から出力される検出データA(n,m)に対して、例えば、時間の各ポイントT,…,T毎に、距離に関する所定のデータ処理、例えば平均処理や、移動平均処理や、中央値取得処理や、移動中央値取得処理等を実行する。
例えば平均処理では、距離方向データ処理部31は、所定距離範囲Ljn〜Lkn(ただし、始点ポイントL≦下限ポイントLjn、上限ポイントLkn≦終点ポイントL)内の検出データA(jn,m),…,A(kn、m)の平均値を算出し、算出した平均値を所定距離範囲Ljn〜Lknの中心位置Lでのデータとして設定する。
なお、所定距離範囲Ljn〜Lkn内に含まれる距離のポイント数が奇数である場合には、距離方向データ処理部31は、算出した平均値を中心位置Lに対応する距離のポイントのデータとして設定する。一方、所定距離範囲Ljn〜Lkn内に含まれる距離のポイント数が偶数である場合には、距離方向データ処理部31は、算出した平均値を、中心位置Lを挟み込む2つの距離のポイントのうち、距離の長いほうあるいは短いほうのポイントのデータとして設定する。
また、例えば移動平均処理では、距離方向データ処理部31は、例えば、所定距離範囲Ljn〜Lkn(ただし、L≦Ljn、Lkn≦L)において、下限ポイントLjn=始点ポイントLとなる状態から上限ポイントLkn=終点ポイントLとなる状態に到るまで、順次、下限ポイントLjnを1ポイントずつ増大させることで、いわば所定距離範囲Ljn〜Lknを距離軸上で移動させる毎に、所定距離範囲Ljn〜Lkn内の検出データA(jn,m),…,A(kn、m)の平均値を算出し、算出した平均値を所定距離範囲Ljn〜Lknの中心位置Lでのデータとして設定する。
また、例えば中央値取得処理では、距離方向データ処理部31は、例えば、所定距離範囲Ljn〜Lkn(ただし、L≦Ljn、Lkn≦L)内の検出データA(jn,m),…,A(kn、m)の中央値を算出し、算出した中央値を所定距離範囲Ljn〜Lknの中心位置Lでのデータとして設定する。
また、例えば移動中央値取得処理では、距離方向データ処理部31は、例えば、所定距離範囲Ljn〜Lkn(ただし、L≦Ljn、Lkn≦L)において、下限ポイントLjn=始点ポイントLとなる状態から上限ポイントLkn=終点ポイントLとなる状態に到るまで、順次、下限ポイントLjnを1ポイントずつ増大させることで、いわば所定距離範囲Ljn〜Lknを距離軸上で移動させる毎に、所定距離範囲Ljn〜Lkn内の検出データA(jn,m),…,A(kn、m)の中央値を算出し、算出した中央値を所定距離範囲Ljn〜Lknの中心位置Lでのデータとして設定する。
例えば、距離方向データ処理部31は、サンプリング距離を2mに設定し、所定距離範囲Ljn〜Lkn内に含まれる距離のポイント数を10ポイント(20mの距離に相当)に設定して、上記表1に示す検出データ(n,m)に対して移動平均処理あるいは移動中央値取得処理を実行すると、例えば下記表2に示すように、距離処理データB(5≦a≦n−5,m)を出力する。
Figure 2005091320
時間方向データ処理部32は、距離方向データ処理部31から出力される距離処理データB(a,m)に対して、例えば、距離の各ポイントL毎に、時間に関する所定のデータ処理、例えば平均処理や、移動平均処理や、中央値取得処理や、移動中央値取得処理等を実行する。
例えば平均処理では、時間方向データ処理部32は、所定時間範囲Tjm〜Tkm(ただし、始点ポイントT≦下限ポイントTjm、上限ポイントTkm≦終点ポイントT)内の距離処理データB(a,jm),…,B(a、km)の平均値を算出し、算出した平均値を所定時間範囲Tjm〜Tkmの中心時刻Tでのデータとして設定する。
なお、所定時間範囲Tjm〜Tkm内に含まれる時間のポイント数が奇数である場合には、時間方向データ処理部32は、算出した平均値を中心時刻Tに対応する時間のポイントのデータとして設定する。一方、所定時間範囲Tjm〜Tkm内に含まれる時間のポイント数が偶数である場合には、時間方向データ処理部32は、算出した平均値を、中心時刻Tを挟み込む2つの時間のポイントのうち、時間の早いほうあるいは遅いほうのポイントのデータとして設定する。
また、例えば移動平均処理では、時間方向データ処理部32は、例えば、所定時間範囲Tjm〜Tkm(ただし、T≦Tjm、Tkm≦T)において、下限ポイントTjm=始点ポイントTとなる状態から上限ポイントTkm=終点ポイントTとなる状態に到るまで、順次、下限ポイントTjmを1ポイントずつ増大させることで、いわば所定時間範囲Tjm〜Tkmを時間軸上で移動させる毎に、所定時間範囲Tjm〜Tkm内の距離処理データB(a,jm),…,B(a、km)の平均値を算出し、算出した平均値を所定時間範囲Tjm〜Tkmの中心時刻Tでのデータとして設定する。
例えば、時間方向データ処理部32は、サンプリング時間を30秒に設定し、所定時間範囲Tjm〜Tkm内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、上記表2に示す距離処理データB(5≦a≦n−5,m)に対して移動平均処理を実行すると、例えば下記表3に示すように、時間処理データC(5≦a≦n−5,5≦b≦m−5)を出力する。
Figure 2005091320
温度変化量算出部33は、時間方向データ処理部32から出力される時間処理データC(a,b)に対して、例えば、初期時間データ基準処理や、所定ポイント前データ基準処理等を実行し、所定の基準温度に基づいた温度の時間変化量を算出する。
例えば初期時間データ基準処理では、温度変化量算出部33は、所定の時間のポイントTでの時間処理データC(a,b)(例えば、最も初期の時間処理データC(a,b)等)を基準温度に設定し、この基準温度に対する差を各時間処理データC(a,b)毎に算出する。
また、所定ポイント前データ基準処理では、温度変化量算出部33は、所定のポイント数だけ以前の時間のポイントTでの時間処理データC(a,b)(例えば、1または2ポイント以前の時間のポイントTでの時間処理データC(a,b))を基準温度に設定し、この基準温度に対する差を各時間処理データC(a,b)毎に算出する。
例えば、温度変化量算出部33は、上記表3に示す時間処理データC(a,b)に対して、最も初期の時間処理データC(a,b)を基準温度とする初期時間データ基準処理あるいは1ポイント以前の時間のポイントTでの時間処理データC(a,b)を基準温度とする所定ポイント前データ基準処理を実行すると、例えば下記表4に示すように、温度処理データD(5≦a≦n−5,6≦b≦m−5)を出力する。
Figure 2005091320
浸水判定部34は、温度変化量算出部33から出力される温度処理データに基づき、所定の温度変化状態が発生しているか否かを判定し、この判定結果に応じて光ファイバケーブル11内への浸水の発生の有無を検知する。
例えば、光ファイバケーブル11内への浸水が発生した後に、浸水部では、浸水が発生していない非浸水部と比べて比熱が大きいことから、浸水部および非浸水部において適宜の温度変化が生じる際に、非浸水部での温度の時間変化に比べて、浸水部での温度の時間変化に時間遅れが生じる。
これにより、浸水判定部34は、温度変化量算出部33から出力される温度処理データの時間変化において、温度変化の時間遅れが生じているか否かを判定し、温度変化の時間遅れを検知したならば、光ファイバケーブル11内への浸水が発生していると判断する。
さらに、例えば、光ファイバケーブル11内への浸水が発生した後に、気温の低下等によって光ファイバケーブル11の温度が氷点下に低下すると、過冷却現象が生じる。過冷却現象は、液体や気体を冷やしていく時、相転移が起こるはずの温度以下になっても、なお凝固または凝縮が起こらない現象であり、この場合、水が凝固点以下になっても凍らない現象であって、水の凍り始めの段階において一時的に温度が凝固点近くまで上昇し、20分〜30分程度で再度温度が下降する現象が発生する。
これにより、浸水判定部34は、温度変化量算出部33から出力される温度処理データの時間変化において、過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定し、過冷却現象による温度変化の発生を検知した場合には、光ファイバケーブル11内への浸水が発生していると判断する。
本実施の形態による光ファイバケーブルの劣化検知システム10は上記構成を備えており、次に、この光ファイバケーブルの劣化検知システム10の動作、特に、第1光パルス試験器13から出力される検出データのデータ処理を行う処理について説明する。
先ず、図2に示すステップS01においては、第1光パルス試験器13から出力される光ファイバの長手方向における距離に応じた温度分布の検出結果を時系列データとして取得する。
次に、ステップS02においては、後述するように、第1光パルス試験器13から出力される検出データに対して、距離に関する所定のデータ処理として、例えば平均処理や、移動平均処理や、中央値取得処理や、移動中央値取得処理等のうち、何れかのデータ処理を選択する。
次に、ステップS03においては、距離に関するデータ処理を行う所定距離範囲(例えば、10mや、20mや、40m等)を距離方向のデータ処理範囲Rとして設定する。
そして、ステップS04においては、設定したデータ処理範囲Rにおいて、選択したデータ処理を実行し、検出データから距離処理データを出力する。
次に、ステップS05においては、後述するように、距離方向データ処理部31から出力される距離処理データに対して、時間に関する所定のデータ処理として、例えば平均処理や、移動平均処理等のうち、何れかのデータ処理を選択する。
次に、ステップS06においては、時間に関するデータ処理を行う所定時間範囲(例えば、5分や、10分等)を時間方向のデータ処理範囲Rとして設定する。
そして、ステップS07においては、設定したデータ処理範囲Rにおいて、選択したデータ処理を実行し、距離処理データから時間処理データを出力する。
次に、ステップS08においては、後述するように、時間方向データ処理部32から出力される時間処理データに対して、温度の時間変化量を算出する処理として、例えば初期時間データ基準処理や、所定ポイント前データ基準処理等のうち、何れかのデータ処理を選択する。
次に、ステップS09においては基準温度を設定する。
そして、ステップS10においては、設定した基準温度に基づき、選択したデータ処理を実行し、各時間処理データ毎に基準温度に対する差を算出する。
そして、ステップS11においては、ステップS10での算出結果を、例えば検知側端末装置10aの出力装置18や、制御側端末装置10bの出力装置24に出力する。
そして、ステップS12においては、ステップS10での算出結果とされる温度処理データに基づき、所定の温度変化状態、例えば過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定し、この判定結果に応じて光ファイバケーブル11内への浸水の発生の有無を検知する。
そして、ステップS13においては、ステップS10での判定結果を、例えば検知側端末装置10aの出力装置18や、制御側端末装置10bの出力装置24に出力して、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS02における、距離に関するデータ処理を選択する処理について説明する。
先ず、図3に示すステップS21においては、平均処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS22に進み、距離に関するデータ処理方法として平均処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS23に進む。
ステップS23においては、移動平均処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進み、距離に関するデータ処理方法として移動平均処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS25に進む。
ステップS25においては、中央値取得処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS26に進み、距離に関するデータ処理方法として中央値取得処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS27に進み、距離に関するデータ処理方法として移動中央値取得処理を設定し、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS05における、時間に関するデータ処理を選択する処理について説明する。
先ず、図4に示すステップS31においては、平均処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS32に進み、時間に関するデータ処理方法として平均処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS33に進む。
ステップS33においては、移動平均処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS34に進み、時間に関するデータ処理方法として移動平均処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS35に進む。
ステップS35においては、中央値取得処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS36に進み、時間に関するデータ処理方法として中央値取得処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS37に進み、時間に関するデータ処理方法として移動中央値取得処理を設定し、一連の処理を終了する。
以下に、上述したステップS08における、温度の時間変化量を算出する処理を選択する処理について説明する。
先ず、図5に示すステップS41においては、初期時間データ基準処理を選択するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS42に進み、温度の時間変化量を算出する処理方法として初期時間データ基準処理を設定し、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS43に進み、温度の時間変化量を算出する処理方法として所定ポイント前データ基準処理を設定し、一連の処理を終了する。
以下に、上述した本実施の形態による光ファイバケーブルの劣化検知システム10を使用して光ファイバケーブル11内への浸水の有無を検出した実施例について説明する。
以下に示す第1実施例〜第11実施例においては、例えば光ファイバケーブルの劣化検知システム10の検知側端末装置10aを屋内に配置し、光ファイバケーブル11として、屋外に架線したOPGW(composite fiber OPtical overhead Ground Wire)を検出対象とした。ここで、屋外に架線したOPGWは、例えば図6に示すように、光ファイバが浸水している浸水部11aと、光ファイバの浸水が生じていない非浸水部11bとが融着接続されて構成されている。
そして、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bの所定位置には、光ファイバケーブル11の表面温度または光ファイバケーブル11近傍の雰囲気温度を検出する熱電対等からなる各複数、例えば各4つの温度センサ41,…,41を配置した。また、光ファイバケーブルの劣化検知システム10の検知側端末装置10aを収容する屋内には、屋内の雰囲気温度を検出する内部温度センサ42を配置した。一方、屋外には、屋外の雰囲気温度を検出する外部温度センサ43と、屋外での日射量を検出する日射センサ44と、屋外での風速および風向を検出する風速風向センサ45とを配置した。
そして、第1光パルス試験器13から出力される検出データに対して、順次、距離に関するデータ処理と、時間に関するデータ処理と、温度の時間変化量を算出する処理とを実行し、温度処理データを算出した。
先ず、第1実施例では、距離に関するデータ処理において、サンプリング距離を2mに設定し、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を10ポイント(20mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した。
そして、時間に関するデータ処理において、サンプリング時間を30秒に設定し、データ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、先ず、距離処理データに対して第1の移動平均処理を実行し、第1の時間処理データを生成した。次に、第1の時間処理データに対して、サンプリング時間およびデータ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を第1の移動平均処理と同等の値に設定して、第2の移動平均処理を実行し、第2の時間処理データを生成した。
そして、温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データのうち1番初めの時間の温度を基準温度とする初期時間データ基準処理を実行し、温度処理データを生成した。
図7(a)〜(e)および図8(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
ここで、図7(a)および図8(a)は、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データの時間および距離に応じた変化を所定温度変化幅(例えば0.2℃)で分割した複数の異なる温度変化量領域毎に色分けして示すグラフ図である。
また、図7(b)および図8(b)は、図7(a)および図8(a)で示したグラフから所定距離の地点毎の温度処理データの時間変化を抜き出して表示させたグラフ図である。図7(b)および図8(b)において、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点(例えば、浸水部11aでの940m地点および1000m地点および1020m地点および1100m地点および1120m地点および1180m地点、および、非浸水部11bでの780m地点および840m地点および880m地点および1260m地点および1280m地点および1340m地点)における温度処理データの時間変化を示した。
さらに、図7(c)および図8(c)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,…,41による光ファイバケーブル11の表面温度の検出結果の時間変化を示した。さらに、図7(d)および図8(d)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,41による光ファイバケーブル11近傍の雰囲気温度の検出結果の時間変化を示した。
また、図7(e)および図8(e)には、日射センサ44と、風速風向センサ45との各検出結果の時間変化を示した。
なお、図7(a)〜(e)および図8(a)〜(e)において、時間は夜間に設定されていることから、図7(e)および図8(e)に示すように日射量はゼロである。また、風速の測定データは整数値で取得されているため、例えば1m/sよりも弱い風速に対しては、測定データが0m/sとなる。つまり、図7(e)および図8(e)においては、風速が0m/sとして表示されているが、実際には無風状態ではなく、1m/sよりも弱い風速の風が吹いている状態である。
これらの検出結果から、例えば図7(c)および図8(c)に示すように、温度センサ41,…,41の検出結果において観測される、光ファイバケーブル11の浸水部11aが凍結する際の過冷却現象、つまり水が凝固点以下になっても凍らない現象であって、凍り始めの段階において一時的に温度が凝固点近くまで上昇し、20分〜30分程度で再度温度が下降する現象が、例えば図7(a),(b)および図8(a),(b)に示すように、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データの時間および距離に応じた変化においても同様に観測されており、特に図7(a)および図8(a)においては、周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態から孤立するような島状の分布状態を示す島状領域αとして観測されることがわかる。
次に、第2実施例では、光ファイバケーブル11の距離が8km程度の位置で、過冷却現象が発生した時刻付近の検出データに対し、距離に関するデータ処理において、サンプリング距離を2mに設定し、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を10ポイント(20mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した。
そして、時間に関するデータ処理において、サンプリング時間を30秒に設定し、データ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、距離処理データに対して移動平均処理を実行し、時間処理データを生成した。
そして、温度の時間変化量を算出する処理において、時間処理データのうち1番初めの時間の温度を基準温度とする初期時間データ基準処理を実行し、温度処理データを生成した。
図9(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
さらに、この第2実施例での時間に関するデータ処理において、サンプリング時間を30秒に設定し、データ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、先ず、距離処理データに対して第1の移動平均処理を実行し、第1の時間処理データを生成し、次に、第1の時間処理データに対して、サンプリング時間およびデータ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を第1の移動平均処理と同等の値に設定して、第2の移動平均処理を実行し、第2の時間処理データを生成した場合を第3実施例とした。
図10(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
さらに、この第3実施例での温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データに対して、例えば温度変化の状態に応じて2ポイント(1分の時間に相当)程度以前の時間のポイントでの第2の時間処理データを基準温度とする所定ポイント前データ基準処理を実行し、温度処理データを生成した場合を第4実施例とした。
図11(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
ここで、図9(a)〜図11(a)は、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データの時間および距離に応じた変化を所定温度変化幅(例えば、図9(a)および図10(a)に対して0.2℃、図11(a)に対して0.08℃)で分割した複数の異なる温度変化量領域毎に色分けして示すグラフ図である。
また、図9(b)〜図11(b)は、図9(a)〜図11(a)で示したグラフから所定距離の地点毎の温度処理データの時間変化を抜き出して表示させたグラフ図である。図9(b)〜図11(b)において、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点(例えば、浸水部11aでの8600m地点および8660m地点および8680m地点、および、非浸水部11bでの8450m地点および8510m地点および8530m地点)における温度処理データの時間変化を示した。
さらに、図9(c)〜図11(c)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,…,41による光ファイバケーブル11の表面温度の検出結果の時間変化を示した。さらに、図9(d)〜図11(d)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,41による光ファイバケーブル11近傍の雰囲気温度の検出結果の時間変化を示した。
また、図9(e)〜図11(e)には、日射センサ44と、風速風向センサ45との各検出結果の時間変化を示した。
なお、図9(a)〜(e)および図10(a)〜(e)および図11(a)〜(e)において、時間は夜間に設定されていることから、図9(e)および図10(e)および図11(e)に示すように日射量はゼロである。また、風速の測定データは整数値で取得されているため、例えば1m/sよりも弱い風速に対しては、測定データが0m/sとなる。つまり、図9(e)および図10(e)および図11(e)においては、風速が0m/sとして表示されているが、実際には無風状態ではなく、1m/sよりも弱い風速の風が吹いている状態である。
これらの検出結果から、先ず、例えば図9(a),(b)と図10(a),(b)とに示すように、時間に関するデータ処理の実行回数が1回である第2実施例に比べて、時間に関するデータ処理の実行回数が2回である第3実施例の方が、過冷却現象等の相対的に急激な温度変化の状態を、より一層、明確に抽出することができることがわかる。特に、図9(a)および図10(a)において、周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態から孤立するような島状の分布状態を示す島状領域αに対して、図10(a)では図9(a)に比べて、島状領域αの周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態が、より平滑化されていることによって、島状領域αが相対的に強調されて観測されることがわかる。
さらに、例えば図10(a),(b)と図11(a),(b)とに示すように、温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データのうち1番初めの時間の温度を基準温度とする第3実施例に比べて、例えば温度変化の状態に応じて2ポイント(1分の時間に相当)程度以前の時間のポイントでの第2の時間処理データを基準温度とする第4実施例の方が、過冷却現象等の相対的に急激な温度変化の状態を、より一層、明確に抽出することができることがわかる。特に、図10(a)および図11(a)において、周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態から孤立するような島状の分布状態を示す島状領域αに対して、図11(a)では2ポイント前の温度を基準にして短時間の温度変化量を計算することにより、短時間に急激な温度変化が生じた部分のみを抜き出すことができる。このため、図10(a)よりも島状領域αが強調されて観測されることがわかる。
次に、第5実施例では、光ファイバケーブル11の距離が15km程度の位置で、過冷却現象が発生した時刻付近の検出データに対し、距離に関するデータ処理において、サンプリング距離を2mに設定し、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を10ポイント(20mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した。
そして、時間に関するデータ処理において、サンプリング時間を30秒に設定し、データ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、先ず、距離処理データに対して第1の移動平均処理を実行し、第1の時間処理データを生成した。次に、第1の時間処理データに対して、サンプリング時間およびデータ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を第1の移動平均処理と同等の値に設定して、第2の移動平均処理を実行し、第2の時間処理データを生成した。
そして、温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データのうち1番初めの時間の温度を基準温度とする初期時間データ基準処理を実行し、温度処理データを生成した。
図12(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
さらに、この第5実施例での距離に関するデータ処理において、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を30ポイント(60mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した場合を第6実施例とした。
図13(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
さらに、この第6実施例での温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データに対して、例えば温度変化の状態に応じて2ポイント(1分の時間に相当)程度以前の時間のポイントでの第2の時間処理データを基準温度とする所定ポイント前データ基準処理を実行し、温度処理データを生成した場合を第7実施例とした。
図14(a)〜(e)に、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データと共に、各センサ41,42,43,44,45による検出結果を示した。
ここで、図12(a)〜図14(a)は、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける、ROTDRの測定結果より生成した温度処理データの時間および距離に応じた変化を所定温度変化幅(例えば、図12(a)および図13(a)に対して0.2℃、図14(a)に対して0.08℃)で分割した複数の異なる温度変化量領域毎に色分けして示すグラフ図である。
また、図12(b)〜図14(b)は、図12(a)〜図14(a)で示したグラフから所定距離の地点毎の温度処理データの時間変化を抜き出して表示させたグラフ図である。図12(b)〜図14(b)において、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点(例えば、浸水部11aでの14970m地点および15030m地点および15050m地点、および、非浸水部11bでの14810m地点および14870m地点および14890m地点)における温度処理データの時間変化を示した。
さらに、図12(c)〜図14(c)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,…,41による光ファイバケーブル11の表面温度の検出結果の時間変化を示した。さらに、図12(d)〜図14(d)には、光ファイバケーブル11の浸水部11aおよび非浸水部11bにおける所定距離の地点に配置された温度センサ41,41による光ファイバケーブル11近傍の雰囲気温度の検出結果の時間変化を示した。
また、図12(e)〜図14(e)には、日射センサ44と、風速風向センサ45との各検出結果の時間変化を示した。
なお、図12(a)〜(e)および図13(a)〜(e)および図14(a)〜(e)において、時間は夜間に設定されていることから、図12(e)および図13(e)および図14(e)に示すように日射量はゼロである。また、風速の測定データは整数値で取得されているため、例えば1m/sよりも弱い風速に対しては、測定データが0m/sとなる。つまり、図12(e)および図13(e)および図14(e)においては、風速が0m/sとして表示されているが、実際には無風状態ではなく、1m/sよりも弱い風速の風が吹いている状態である。
これらの検出結果から、先ず、例えば図12(a),(b)に示すように、距離に関するデータ処理においてデータ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数が10ポイントである第5実施例では、過冷却現象等の相対的に急激な温度変化の状態を明確に抽出することが困難となる。これは、ROTDRの測定距離が相対的に長くなったことに起因する測定誤差の増大が原因となっている。このため、図13(a),(b)に示すように、距離のポイント数を30ポイントに広げて、平滑化処理の効果を向上させた第6実施例の方が、過冷却現象等の相対的に急激な温度変化の状態を、より一層、明確に抽出することができることがわかる。特に、図12(a)および図13(a)において、周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態から孤立するような島状の分布状態を示す島状領域αに対して、図13(a)では図12(a)に比べて、島状領域αの周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態が、より平滑化されていることによって、島状領域αが相対的に強調されて観測されることがわかる。
さらに、例えば図13(a),(b)と図14(a),(b)とに示すように、温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データのうち1番初めの時間の温度を基準温度とする第6実施例に比べて、例えば温度変化の状態に応じて2ポイント(1分の時間に相当)程度以前の時間のポイントでの第2の時間処理データを基準温度とする第7実施例の方が、過冷却現象等の相対的に急激な温度変化の状態を、より一層、明確に抽出することができることがわかる。特に、図13(a)および図14(a)において、周囲における温度変化量領域に対する巨視的な分布状態から孤立するような島状の分布状態を示す島状領域αに対して、図14(a)では2ポイント前の温度を基準にして短時間の温度変化量を計算することにより、短時間に急激な温度変化が生じた部分のみを抜き出すことができる。このため、図13(a)よりも島状領域αが強調されて観測されることがわかる。
次に、第8実施例では、光ファイバケーブル11の距離が1km程度(例えば、1000m)および8.6km程度(例えば、8660m)および15km程度(例えば、15030m)の各位置で、過冷却現象による温度変化が発生した時刻付近の検出データに対し、距離に関するデータ処理を省略し、先ず、時間に関するデータ処理において、サンプリング時間を30秒に設定し、データ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を10ポイント(5分の時間に相当)に設定して、検出データに対して第1の移動平均処理を実行し、第1の時間処理データを生成した。次に、第1の時間処理データに対して、サンプリング時間およびデータ処理範囲R内に含まれる時間のポイント数を第1の移動平均処理と同等の値に設定して、第2の移動平均処理を実行し、第2の時間処理データを生成した。
そして、温度の時間変化量を算出する処理において、第2の時間処理データに対して、1ポイント以前の時間のポイントでの第2の時間処理データを基準温度とする所定ポイントデータ基準処理を実行し、温度処理データを生成した。
図15(a)〜(c)に、各距離毎に対して、検出データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部11aに配置された温度センサ41による検出結果を示した。
さらに、この第8実施例において距離に関するデータ処理を省略せずに、距離に関するデータ処理において、サンプリング距離を2mに設定し、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を10ポイント(20mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した場合を第9実施例とした。
図16(a)〜(c)に、各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部11aに配置された温度センサ41による検出結果を示した。
さらに、この第9実施例での距離に関するデータ処理において、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を30ポイント(60mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した場合を第10実施例とした。
図17(a)〜(c)に、各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部11aに配置された温度センサ41による検出結果を示した。
さらに、この第10実施例での距離に関するデータ処理において、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を40ポイント(80mの距離に相当)に設定し、検出データに対して移動中央値取得処理を実行し、距離処理データを生成した場合を第11実施例とした。
図18(a)〜(c)に、各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部11aに配置された温度センサ41による検出結果を示した。
これらの検出結果から、先ず、例えば図15(a)〜(c)に示すように、光ファイバケーブル11の距離が増大することに伴い、第1光パルス試験器13から出力される検出データの誤差が増大することがわかる。
また、例えば図16(a),(b),(c)〜図18(a),(b),(c)、特に、図16(c)および図18(c)に示すように、光ファイバケーブル11の距離が相対的に長い場合であっても、時間に関するデータ処理の実行回数を、例えば光ファイバケーブル11の距離等に応じた適切な回数に設定する(例えば、第9実施例〜第11実施例では1回ではなく2回に設定する)ことで、過冷却現象等の所望の温度変化の状態を、より明確に抽出することができることがわかる。
しかも、光ファイバケーブル11の距離が増大することに伴い、時間処理データの誤差が増大する場合であっても、距離に関するデータ処理において、データ処理範囲R内に含まれる距離のポイント数を、例えば光ファイバケーブル11の距離等に応じた適切な値に設定する(例えば、第9実施例〜第11実施例では増大させる)ことで、過冷却現象等の所望の温度変化の状態を、より明確に抽出することができることがわかる。
本実施の形態による光ファイバケーブルの劣化検知システム10によれば、光ファイバケーブル11内の各光ファイバに対して、第1光パルス試験器13からの入射光の戻り光を観測して得た検出データに対して、順次、距離に関するデータ処理と、時間に関するデータ処理と、温度の時間変化量を算出する処理とを実行し、温度処理データを算出することで、光ファイバケーブル11内の適宜の位置における所望の温度変化の状態を精度良く検知することができる。
これにより、例えば光ファイバケーブル11の劣化状態を助長することを防止しつつ、光ファイバケーブル11内の浸水の発生等の劣化状態を容易に検知することができる。しかも、光ファイバケーブル11内の劣化箇所は、第1光パルス試験器13への戻り光の戻り時間に基づいて把握することができ、光ファイバケーブル11の修復作業等を容易に行うことができる。
なお、上述した実施の形態においては、ラマン散乱光の強度分布を検出する第1光パルス試験器13から出力される検出データに基づき温度処理データを算出するとしたが、これに限定されず、例えば戻り光に含まれるブリルアン散乱光の強度分布を検出する第2光パルス試験器14から出力される検出データや、例えば戻り光に含まれるレイリー散乱の強度分布を検出する第3光パルス試験器15から出力される検出データに基づき処理データを算出してもよい。
なお、上述した実施の形態において、制御装置16は、第1光パルス試験器13から出力される光ファイバの長手方向における距離に応じた温度分布の検出結果を時系列データとして取得した検出データに対して、例えば図2に示すように、順次、距離方向データ処理部31での距離に関するデータ処理、時間方向データ処理部32での時間に関するデータ処理、温度変化量算出部33での温度変化に関するデータ処理を実行するとしたが、これに限定されず、各データ処理を適宜の順序で実行してもよい。
すなわち、第1光パルス試験器13から出力される検出データに対して、先ず、距離に関するデータ処理と時間に関するデータ処理と温度変化に関するデータ処理のうち、何れかの1つの処理を実行し、第1の処理データを生成する(ステップS31)。
次に、第1の処理データに対して、距離に関するデータ処理と時間に関するデータ処理と温度変化に関するデータ処理のうち、未だ実行していない何れかの1つの処理を実行し、第2の処理データを生成する(ステップS32)。
次に、第2の処理データに対して、距離に関するデータ処理と時間に関するデータ処理と温度変化に関するデータ処理のうち、未だ実行していない何れかの1つの処理を実行し、第3の処理データを生成する(ステップS33)。
次に、第3の処理データに基づき、所定の温度変化状態、例えば過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定し、この判定結果に応じて光ファイバケーブル11内への浸水の発生の有無を検知する(ステップS34)。
次に、ステップS34での判定結果を、例えば検知側端末装置10aの出力装置18や、制御側端末装置10bの出力装置24に出力して(ステップS35)、一連の処理を終了する。
本発明の一実施形態による光ファイバケーブルの劣化検知システムの構成図である。 図1に示す光ファイバケーブルの劣化検知システムの動作を示すフローチャートである。 距離に関するデータ処理を選択する動作を示すフローチャートである。 時間に関するデータ処理を選択する動作を示すフローチャートである。 温度の時間変化量を算出する処理を選択する動作を示すフローチャートである。 第1〜第11実施例に係る光ファイバケーブルの劣化検知システムの構成図である。 第1実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第1実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第2実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第3実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第4実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第5実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第6実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第7実施例における温度処理データと、各センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第8実施例における各距離毎に対して、検出データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部に配置された温度センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第9実施例における各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部に配置された温度センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第10実施例における各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部に配置された温度センサによる検出結果を示すグラフ図である。 第11実施例における各距離毎に対して、距離処理データと第2時間処理データと温度処理データと共に、浸水部に配置された温度センサによる検出結果を示すグラフ図である。
符号の説明
10 光ファイバケーブルの劣化検知システム、11 光ファイバケーブル、13 第1光パルス試験器(光パルス試験器)、14 第2光パルス試験器(光パルス試験器)、15 第3光パルス試験器(光パルス試験器)、31 距離方向データ処理部(距離平滑化手段)、32 時間方向データ処理部(時間平滑化手段)、33 温度変化量算出部(温度変化算出手段)、34 浸水判定部(劣化判定手段)

Claims (10)

  1. 光ファイバケーブル(11)内の光ファイバに入射端から光パルスを入射し、前記入射端に戻ってきた戻り光に含まれる所定の散乱光により前記光ファイバケーブルの長手方向における温度分布を時系列データとして検出する光パルス試験器(13)と、
    前記光パルス試験器から出力される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の前記時系列データからなる検出データあるいは該検出データに係るデータを処理対象データとして、
    前記処理対象データに対し、前記光ファイバケーブルの長手方向の所定範囲の距離に関する平滑化処理を行い、距離平滑化データを生成する距離平滑化手段(31)と、
    前記処理対象データに対し、前記時系列データの所定範囲の時間に関する平滑化処理を行い、時間平滑化データを生成する時間平滑化手段(32)と、
    前記処理対象データに対し、前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータを算出する温度変化量算出手段(33)と
    を備えることを特徴とする光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  2. 前記距離平滑化手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記所定範囲の距離を設定することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  3. 前記時間平滑化手段は、前記処理対象データに対し、複数回の前記平滑化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  4. 前記時間平滑化手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記平滑化処理の実行回数を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  5. 前記平滑化処理は、平均値算出処理または移動平均値算出処理または中央値算出処理または移動中央値算出処理であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかひとつに記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  6. 前記温度変化量算出手段は、所定の基準温度に対する前記処理対象データの差を算出することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかひとつに記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  7. 前記温度変化量算出手段は、時系列をなす複数の前記処理対象データのうち、前記差の算出対象となる前記処理対象データに対して所定時間あるいは所定数だけ以前の前記処理対象データを前記所定の基準温度として設定することを特徴とする請求項6に記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  8. 前記温度変化量算出手段は、前記処理対象データの距離の情報に応じて前記所定時間あるいは前記所定数を設定することを特徴とする請求項7に記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  9. 前記温度変化量算出手段にて算出される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータにおいて、前記光ファイバケーブルの長手方向における比熱あるいは該比熱に係る状態量の分布に応じて適宜の温度変化に対する時間遅れが発生しているか否かを判定することによって、前記光ファイバケーブル内への浸水の有無を判定する劣化判定手段(34)を備えることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかひとつに記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。
  10. 前記温度変化量算出手段にて算出される前記光ファイバケーブルの長手方向における前記温度分布の時間変化量のデータにおいて、過冷却現象による温度変化が発生しているか否かを判定することによって、前記光ファイバケーブル内への浸水の有無を判定する劣化判定手段(34)を備えることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかひとつに記載の光ファイバケーブルの劣化検知システム。

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