JPH07218353A - Otdrによる温度分布計測方法及び装置 - Google Patents

Otdrによる温度分布計測方法及び装置

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JPH07218353A
JPH07218353A JP6012567A JP1256794A JPH07218353A JP H07218353 A JPH07218353 A JP H07218353A JP 6012567 A JP6012567 A JP 6012567A JP 1256794 A JP1256794 A JP 1256794A JP H07218353 A JPH07218353 A JP H07218353A
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JP
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light
temperature
temperature distribution
signal
region
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Application number
JP6012567A
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English (en)
Inventor
Kazunari Inokuchi
一成 井ノ口
Koichi Tezuka
浩一 手塚
Toshiya Maekawa
俊哉 前川
Akio Nagamune
章生 長棟
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度分布を短時間に精度よく計測できるよう
にしたOTDRによる温度分布計測方法及び装置を提供
する。 【構成】 被測定領域に敷設される被測定光ファイバ4
と、被測定光ファイバ4に入射するためのレーザ光を発
生する光パルス光源1と、光パルス光源1からのレーザ
光を被測定光ファイバ4に入射させるとともに、被測定
光ファイバ4に発生するラマン散乱光の内、ストークス
光又はアンチ・ストークス光のいずれか一方の信号を出
力する散乱光分離抽出用光分岐結合器3と、散乱光分離
抽出用光分岐結合器3からの信号に基いて被測定領域の
温度分布を求める演算・表示用計算機7とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバ、光導波管等
の光導波部にレーザ光を入射し、光導波部に伝送する光
信号の反射散乱光を検出することにより光導波部の特性
検査等を行うOTDR(Optical Time Domain Reflectm
etry)による温度分布計測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の熱電対を始めとする一点の
温度計測を行う温度センサに対して、光ファイバ中に発
生する後方散乱光を計測することによって、敷設した光
ファイバの温度分布を計測する分布型の温度センサが注
目されている(OTDRによる温度分布計測装置)。こ
のOTDRによる分布型温度センサはわずか一本の光フ
ァイバを敷設するだけで10km先までの温度分布情報
が数十秒から数分で計測できることから、電線ケーブル
のホットスポットの検出、トンネルやビル内の火災検
知、プラントの温度管理等これまで多数の温度センサを
敷設しなければならなかった箇所に適用されている。特
に、製鉄所を始めとするプラントの温度管理においては
光ファイバの耐熱性や高い距離分解能が要求されてお
り、耐熱用の光ファイバや距離分解能向上に有利な擬似
ランダム信号を用いた計測方法(特開平5−45250
号公報)等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現状の光フ
ァイバ分布型温度センサにおいては計測に要する時間が
数十秒から数分もかかってしまうために、例えば火災検
知であるとかプラントにおける異常検知など高い応答性
が要求されるものには適用できない。これは、一般に用
いられている後方散乱光による計測方法が、ラマン散乱
光であるストークス光とアンチ・ストークス光との強度
比から温度分布を計測しているためである。ラマン散乱
光の強度はレイリー散乱光に比べて3桁から4桁小さい
ため、例えば距離分解能1mの計測を行うためには入射
光に対して1億分の1以下の微弱な信号を受信しなけれ
ばならない。しかも温度計測値はこれら微弱なストーク
ス光とアンチ・ストークス光の強度比から求められるた
め、ノイズ分が増幅されてしまう。通常、高いS/Nを
得るためには平均化などの処理が行われるが、数万から
数百万回の平均化処理を行う必要があるため計測には多
大な時間を要してしまう。また、光ファイバの障害点を
検知するOTDRがレイリー散乱光のみを計測すればよ
いのに対し、温度分布センサの場合にはストークス光と
アンチ・ストークス光の2種類の光を計測しなければな
らず、2倍以上の計測時間がかかってしまう、という問
題点があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、温度分布を短時間に精度よく
計測できるようにしたOTDRによる温度分布計測方法
及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様によ
るOTDRによる温度分布計測方法は、被測定領域に敷
設された光導波部にレーザ光を入射し、光導波部に発生
するラマン散乱光の内、ストークス光及びアンチ・スト
ークス光のいずれか一方の信号を抽出し、その信号に基
いて温度分布を求める。また、本発明の他の態様による
OTDRによる温度分布計測方法は、上記の計測方法に
おいて、光導波部の伝送損失をレイリー散乱光又はラマ
ン散乱光により予め又は定期的に計測し、又は予測する
ことによって伝送損失による散乱光の強度変化を補正す
る。また、本発明の他の態様によるOTDRによる温度
分布計測方法は、上記の計測方法において、少なくとも
1区域以上の基準温度領域を設けるか、或いは温度計測
手段を備えた少なくとも1区域以上の温度計測領域を設
け、温度校正用光ファイバ又は被測定光ファイバの一部
を基準温度領域又は温度計測領域に設置し、基準温度の
信号強度を基準として、被測定領域の温度分布を求め
る。
【0006】本発明の他の態様によるOTDRによる温
度分布計測装置は、被測定領域に敷設される光導波部
と、光導波部に入射するためのレーザ光を発生する光源
と、光源からのレーザ光を光導波部に入射させるととも
に、光導波部に発生するラマン散乱光の内、ストークス
光及びアンチ・ストークス光のいずれか一方の信号を出
力する光分岐分光手段と、光分岐分光手段からの信号に
基いて温度分布を求める演算手段とを有する。また、本
発明の他の態様によるOTDRによる温度分布計測装置
は、被測定領域に敷設される光導波部と、第1のクロッ
ク信号を発生する第1のクロック信号発生手段と、第1
のクロック信号により駆動され、第1の擬似ランダム信
号を発生する第1の擬似ランダム信号発生手段と、第1
のクロック信号と周波数が僅かに異なる第2のクロック
信号を発生する第2のクロック信号発生手段と、第1の
擬似ランダム信号発生手段と同一構成からなり、第2の
クロック信号により駆動され、第2の擬似ランダム信号
を発生するる第2の擬似ランダム信号発生手段と、第1
の擬似ランダム信号により変調されたレーザ光を発生す
るレーザ発振手段と、変調されたレーザ光を光導波部に
入力させるとともに、光導波部に発生するラマン散乱光
の内、ストークス光及びアンチ・ストークス光のいずれ
か一方の信号を出力する光分岐分光手段と、光分岐分光
手段より得られた光導波部からの信号を入力する受光手
段と、受光手段の出力信号と第2の擬似ランダム信号と
を乗算する第1の乗算手段と、第1の乗算手段により乗
算された信号の帯域制限を行う第1の帯域制限手段と、
第1の帯域制限手段の出力に基いて被測定領域の温度分
布を求める演算手段とを有する。
【0007】また、本発明の他の態様によるOTDRに
よる温度分布計測装置は、上記の計測装置において、光
導波部の伝送損失をレイリー散乱光又はラマン散乱光に
より予め又は定期的に計測し、又は予測することによっ
て伝送損失による散乱光の強度変化を補正する。また、
本発明の他の態様によるOTDRによる温度分布計測装
置は、上記の計測装置において、少なくとも1区域以上
の基準温度領域を設けるか、或いは温度計測手段を備え
た少なくとも1区域以上の温度計測領域を設け、温度校
正用光ファイバ又は被測定光ファイバの一部を基準温度
領域又は温度計測領域に設置し、基準温度の信号強度を
基準として、被測定領域の温度分布を求める。
【0008】
【作用】本発明の作用を、ストークス光又はアンチスト
ークス光のみに基いて温度分布を計測することの意義、
光導波部の伝送損失、温度分布の計測方法、異常検知の
高速化、及び疑似ランダム信号による高速化・距離分解
能向上、という観点から説明する。 A.ストークス光又はアンチストークス光のみに基いて
温度分布を計測することの意義について: 通常、2種類の信号を計測すると処理時間が2倍以上
になってしまう。並列に処理しても装置が高価になるだ
けでなく処理時間の点で不利である。 温度を計算するためには通常次の式を基本にして計算
されるが、演算のために時間を要するため応答速度が遅
くなる。 T=−hcν/[k・log{(Ia /Is )・(λa /λs 4 }] Ia :アンチ・ストークス光強度 Is :ストークス光強度 λa :アンチ・ストークス光波長 λs :ストークス光波長 h:プランク定数 c:ファイバ中の光速度 k:ボルツマン定数 ν:ラマンシフト量 いずれか一方の光だけであれば処理時間、計算時間が
省略されるため、極めて高速に温度分布情報が得られ
る。 一般的に、アンチ・ストークス光の方が温度依存性は
大きいのでアンチ・ストークス光を計測するのが望まし
い。ストークス光の温度依存性はアンチ・ストークス光
に比べて小さいが、強度が大きいのでS/Nの点では有
利である。
【0009】B.光導波部の伝送損失について: 光導波部(例えば光ファイバ)中を光が伝搬するとき
に生じる伝送損失やファイバの欠陥などによる損失は、
通常、ストークス光とアンチ・ストークス光の比をとっ
ているため相殺されてしまい殆ど問題とならない。とこ
ろが、一方の信号のみを計測する場合にはその点が問題
となる。 この問題を解決するために、伝送損失を予め又は定期
的にチェックし補償する機能を設ける。元から存在して
いる伝送損失は予め計算機に入力しておけばよく、経時
変化などで局部的に伝送損失が大きくなっても定期的に
補正することによって伝送損失の問題は解決することが
できる。伝送損失の計測及び補正は非運転時が望ましい
が、運転中でもレイリー散乱光であれば短時間にチェッ
クできる。 補償する際の信号はレイリー散乱光でもラマン散乱光
でもよい。 上記補正を行うための計測には光スイッチ等を用いる
ことにより光の損失を最小限に抑えればよい。
【0010】C.温度分布の計測方法について: 予めストークス光やアンチ・ストークス光の温度校正
曲線をとっておき、実験式から温度を求めればよい。 必要に応じて伝送損失を補正する。 異常検知であれば相対的な強度変化だけを捕らえれば
よいのでさらにアルゴリズムを簡略化することができ
る。 恒温槽等により基準温度部を設けておくと、恒温槽内
で発生した散乱光の強度により温度校正ができるのでよ
り正確な温度測定が可能になる。特に、複数の温度設定
を行った恒温槽を有する場合にはより温度精度が向上す
る。
【0011】D.異常検知の高速化について:異常検知
の場合応答速度は数秒から数十秒が要求されるので、デ
ータの読み込みや演算も特定の場所だけに限定して行え
ばさらに時間を短縮できる。
【0012】E.疑似ランダム信号による高速化・距離
分解能向上について: S/Nの向上のためには疑似ランダム信号による方式
(例えばM系列信号による方式)は有効な方式であり、
通常の単一パルスを送る方法に比べて効率よくパルスを
送信できると共に、アナログ処理を行えば信号を無駄な
く処理できるので測定の高速化にも有効である。 疑似ランダム信号による方式は時間軸が拡大されるの
で読み取り分解能が飛躍的に向上でき、異常検知の場合
局部的に温度が変化した箇所を的確に捕らえることがで
きる。単一パルスを送る方式では光の伝搬時間に依存す
るのでA/D変換器をできる限り高速にしなければなら
ず、経済的に不利である。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る光ファイバ分
布型温度センサの構成を示すブロック図である。図にお
いて、1は光パルス光源、2は光ファイバ、3は散乱光
分離抽出用光分岐結合器、4は被測定光ファイバ、5は
光/電変換器、6は信号処理回路、7は演算・表示用計
算機であり、8a〜8cは光ファイバコネクタである。
23は温度をT1 ℃に設定した恒温槽、24は温度をT
2 ℃に設定した恒温槽25,26は基準温度計測用光フ
ァイバである。光パルス光源1は0.9μm帯の半導体
レーザで、パルス繰返し周波数10kHz、光パルスの
ピーク出力は5W、パルス幅10nsecのものを使用
している。光パルス光源1で発生した光パルスは光ファ
イバ2を伝搬して散乱光分離抽出用光分岐結合器3に光
ファイバコネクタ8aを介して入射する。散乱光分離抽
出用光分岐結合器3の構成は図2に示される構成になっ
ている。
【0014】図2は散乱光分離抽出用光分岐結合器3の
一実施例の構成を示した図である。図において、9a,
9bは光分岐結合器(光カプラ)、10は誘電体多層膜
フィルタ(レイリー散乱光用)、11は誘電体多層膜フ
ィルタ(アンチ・ストークス光用)、12は光スイッ
チ、13a〜13dはコリメータレンズである。
【0015】散乱光分離抽出用分岐結合器3に入射した
光は、光分岐結合器(光カプラ)9aを通過して恒温槽
23内及び恒温槽24内の光ファイバ25,26を経由
した後に、光ファイバコネクタ8bを介して被測定光フ
ァイバ4に入射する。被測定光ファイバ4はグレーデッ
ド・インデックス(GI)光ファイバであり、コア径5
0μmのものを使用している。被測定光ファイバ4で発
生した後方散乱光は、再び光ファイバコネクタ8を介し
て光ファイバ25,26を経由して散乱光分離抽出用分
岐結合器3に入射する。入射した光は光分岐結合器(方
向性結合器)9aで分岐され、分岐された一方の光は他
の光分岐結合器(分岐用)9bに入射し、そこで分岐さ
れた光はそれぞれコリメータレンズ13a,13bで平
行ビームにされた後に誘電体多層膜フィルタ10,11
へ入射される。なお、誘電体多層膜フィルタ10は必ず
しも必要ではないが、これはレイリー散乱光のみを透過
させるためのものであり、透過波長が0.9μm付近で
最大となるものを使用している。また、誘電体多層膜フ
ィルタ11はアンチ・ストークス光のみを透過させるた
めのものであり、透過波長が0.87μm付近で最大と
なるものを使用する。これらのフィルタ10,11を透
過した光は光スイッチ12を経由した後に、光ファイバ
コネクタ8cを介して出力される。
【0016】通常の計測時において、光スイッチ12は
誘電体多層膜フィルタ11側に切り替えられており、光
ファイバの伝送損失をチェックするときのみ誘電体多層
膜フィルタ10側に切り替えられる。出力された光は光
/電変換器5に入射されて電気信号に変換される。変換
された信号は信号処理回路6にて平均化処理された後に
演算・表示用計算機7により被測定領域の温度分布が計
算され、表示される。この時、恒温槽23内及び恒温槽
24内の光ファイバ25,26におけるアンチ・ストー
クス光の強度が温度演算時に基準信号として用いられ
る。基準信号を得る為の光ファイバ25,26は計測に
用いる光パルスのパルス幅から決定される距離分解能に
対して十分長い距離を有している。
【0017】図3は本実施例の距離と温度分布との関係
を示した図である。恒温槽23及び恒温槽24が設置さ
れている領域がキャリブレーション領域に相当し、この
領域のアンチ・ストークス光の強度を基準として、それ
に続く被測定領域の温度分布が求められる。
【0018】本実施例では恒温槽23,24内の光ファ
イバ25,26は被測定光ファイバ4とは種類が必ずし
も一致しないので、伝送損失は等しくなるとは限らない
が、レイリー散乱光を用いて伝送損失評価を行って補正
をするので、いかなる種類の光ファイバを接続しても温
度分布計測は可能である。光ファイバの伝送損失が予
め、又は定期的に測定されると、通常測定されるアンチ
・ストークス光の強度はその伝送損失に応じて補正する
ことができるので、従来、ストークス光とアンチ・スト
ークス光の2種類の信号強度の比で求めていた温度分布
がアンチ・ストークス光のみで計測することができる。
【0019】本実施例によれば、従来の光ファイバ分布
型温度センサに比べてデータの取り込み及び処理時間が
大幅に簡略化されるため、1/2以下の処理時間で温度
分布が求められる。また、光/電変換器やフィルタの数
を減らすことができるので、装置構成が簡略化され低価
格の測定器が実現できる。また、異常検知等で更に速い
応答速度が要求される場合には、予め経験的に異常の発
生し易い箇所のデータのみをサンプリングし、温度分布
計算を行うことにより解決される。
【0020】ところで、散乱光分離抽出用分岐結合器3
の構造は図2に示されたものに限定されるものではな
く、例えば図4に示されるように光分岐結合器9aと、
誘電体多層膜フィルタ11を内蔵した光分岐結合器9c
とを設け、更に、2個の光スイッチ12a,12bを2
個設けた構造のものでもよい。本実施例において、通常
の計測状態において光スイッチ12a,12bは実線の
方に切り替えられており、は、光分岐結合器9cが使用
され、アンチ・ストークス光が抽出される。そして、校
正時においては、光スイッチ12a,12bは破線の方
に切り替えられ、光分岐結合器9aが使用されてそれに
より後方散乱光(レイリー散乱光を含む)が取り出さ
れ、その後方散乱光が校正用の信号として用いられる。
また、図5及び図6に示すようにレイリー散乱光による
伝送損失チェック機能を省略して簡略化した構造のもの
等多数考えられる。更に、誘電体多層膜フィルタ11は
必ずしもアンチ・ストークス光用である必要はなく、ス
トークス光を分離抽出して計測しても一向に差し支えな
い。
【0021】また、本実施例に置いては2種類の恒温槽
23,24を用いているが、恒温槽の数は1以上であれ
ばいくつ設置してもかまわない。恒温槽は特に設けなく
ても基準温度を精度良く測定できる機構を有していれば
よく、恒温槽23,24に相当する箇所に熱電対などを
設置することで正確な温度測定ができれば、より構造の
単純な温度校正機構を有する温度分布計測装置が実現で
きる。また、被測定光ファイバ4を接続する光ファイバ
コネクタ8を散乱光分離抽出用分岐結合器3と恒温槽2
3との中間に設置して、恒温槽23及び恒温槽24の内
部に被測定光ファイバ4を設置してもかまわない。
【0022】図7は本発明の他の実施例に係る光ファイ
バ分布型温度センサの構成を示すブロック図である。図
において、14は擬似ランダム信号発生用光源、15,
16はクロック発生器、17,18はM系列信号発生
器、19,20はかけ算器、21,22はローパスフィ
ルタである。擬似ランダム信号発生用光源14には高出
力半導体CWレーザが用いられ、連続的に光パルスが送
信される構造になっている。
【0023】クロック発生器15及びクロック発生器1
6はそれぞれクロック信号を発生し、そのクロック信号
の周波数は僅かに相違するものとし、クロック発生器1
5のクロック信号はM系列信号発生器17を駆動し、ク
ロック発生器16のクロック信号はM系列信号発生器1
8を駆動する。その結果、M系列信号発生器17及び1
8からは信号パターンが同一で周波数が僅かに異なるM
系列信号が繰返し発生する。M系列信号発生器17から
出力されるM系列信号は擬似ランダム信号発生用光源1
4に入力され、この光源から出力されるレーザ光に変調
が施される。擬似ランダム信号発生用光源14から変調
が施されたレーザ光が出力されると、そのレーザ光は散
乱光分離抽出用光分岐器3(図2、図4〜図6参照)を
介して被測定光ファイバ4に入射される。そして、反射
光が被測定光ファイバ4を介して散乱光分離抽出用光分
岐器3に入射され、上述の実施例と同様にしてアンチ・
ストークス光が抽出され、光/電変換器5を介してかけ
算器19に入力される。このかけ算器19にはアンチ・
ストークス光に基いた信号とM系列信号発生器18から
のM系列信号とが入力され、両信号が乗算されて、乗算
結果はローパスフィルタ20により帯域制限が加えられ
た後に、演算・表示用計算機7に入力される。
【0024】一方、M系列信号発生器17からのM系列
信号とM系列信号発生器18からのM系列信号とがかけ
算器20に入力され、両M系列信号が乗算されて、乗算
結果はローパスフィルタ21により帯域制限が加えられ
た後に、演算・表示用計算機7に入力される。演算・表
示用計算機7は、乗算器19の出力と乗算器20の出力
に基いて被測定領域の温度分布を求める。このように、
2つM系列信号の自己相関関係をとることにより温度分
布を求めているので、S/Nが向上するだけでなく、相
関処理により得られる散乱光信号の時間軸が拡大され、
読み取り分解能が飛躍的に高くなる特徴を持っている。
従って、従来の方式では見のがしていたホットスポット
などの検出が確実に行えるようになる。また異常検知を
行う際には微小な区間でも限定して集中的に計測でき
る。
【0025】なお、基準信号(ローパスフィルタ20の
出力信号)は光ファイバの接続位置がわかっていれば必
ずしも必要ではなく、計算機7への入力信号を減らすこ
とができればさらに応答性の速い計測が可能になる。ま
た、本実施例においては恒温槽や基準温度計測用センサ
が設置されていないが、異常診断のように温度の相対値
が得られれば充分その役目を果たすものであれば設置の
必要はない。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば次のような
効果が得られている。 (1)本発明によれば測定信号をストークス光又はアン
チ・ストークス光のいずれか一方のみとし、1種類に減
らすようにしたので、演算処理時間が飛躍的に短縮さ
れ、プラントの異常検知等高い応答速度が要求される箇
所の計測に適用することができる。 (2)また、測定信号が1種類に減ったので、光/電変
換器やフィルタの個数もそれに応じて減らせるので、装
置構造が簡単になり安価で小型の計測器が得られる。 (3)本発明は光ファイバ分布型温度センサとして機能
するだけではなく、光ファイバの障害点検知としての機
能を兼ね備えており、1個の計測器で2つの機能が得ら
れる。 (4)また、本発明によれば、光導波部の伝送損失をレ
イリー散乱光又はラマン散乱光により予め又は定期的に
計測し又は予測することによって伝送損失による散乱光
の強度変化を補正し、或いは、基準温度領域又は温度計
測手段を設けて、それを基準として被測定領域の温度分
布を求めるようにしたので、その計測精度は高いものと
なっている。 (5)また、本発明によれば、特定の必要な場所だけに
限定してデータを採取して温度分布を求めるようにした
ので、その計測処間が更に短縮されている。 (6)また、本発明によれば疑似ランダム信号を使用し
ているので、通常の単一パルスを送る方法に比べて効率
よくパルスを送信できると共に、アナログ処理を行えば
信号を無駄なく処理できるので測定の高速化にも有効で
ある。更に、時間軸が拡大されるので読み取り分解能が
飛躍的に向上でき、異常検知の場合局部的に温度が変化
した箇所を的確に捕らえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光ファイバ分布型温度
センサの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光ファイバ分布型温度センサにおける分
岐結合器の一構成例を示した図である。
【図3】図1の実施例における距離と温度との関係を示
した図である。
【図4】図1の光ファイバ分布型温度センサにおける分
岐結合器の他の構成例を示した図である。
【図5】図1の光ファイバ分布型温度センサにおける分
岐結合器の他の構成例を示した図である。
【図6】図1の光ファイバ分布型温度センサにおける分
岐結合器の更に他の構成例を示した図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る光ファイバ分布型温
度センサの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光パルス光源 2 光ファイバ 3 散乱光分離抽出用光分岐結合器 4 被測定光ファイバ 5 光/電変換器 6 信号処理回路 7 演算・表示用計算機 8a〜8a 光ファイバコネクタ 9a〜9c 光分岐結合器(光カプラ) 10 誘電体多層膜フィルタ(レイリー散乱光用) 11 誘電体多層膜フィルタ(ストークス光又はアンチ
・ストークス光用) 12,12a,12b 光スイッチ 13 コリメータレンズ 14 擬似ランダム信号発生用光源 15,16 クロック発生器 17,18 M系列信号発生器 19,20 かけ算器 21,22 ローパスフィルタ 23 恒温槽(温度T1 ) 24 恒温槽(温度T2 ) 25 基準温度測定用光ファイバ 26 基準温度測定用光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長棟 章生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定領域に敷設された光導波部にレー
    ザ光を入射し、光導波部に発生するラマン散乱光の内、
    ストークス光又はアンチ・ストークス光のいずれか一方
    の信号を抽出し、その信号に基いて被測定領域の温度分
    布を求めることを特徴とするOTDRによる温度分布計
    測方法。
  2. 【請求項2】 光導波部の伝送損失をレイリー散乱光又
    はラマン散乱光により予め又は定期的に計測し、又は予
    測することによって伝送損失による散乱光の強度変化を
    補正することを特徴とする請求項1記載のOTDRによ
    る温度分布計測方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1区域以上の基準温度領域を
    設けるか、或いは温度計測手段を備えた少なくとも1区
    域以上の温度計測領域を設け、温度校正用光ファイバ又
    は被測定光ファイバの一部を前記基準温度領域又は前記
    温度計測領域に設置し、基準温度の信号強度を基準とし
    て被測定領域の温度分布を求めることを特徴とする請求
    項1記載のOTDRによる温度分布計測方法。
  4. 【請求項4】 データを採取する領域を前記光導波部の
    特定の区間に限定したことを特徴とする請求項1、2又
    3記載のOTDRによる温度分布計測方法。
  5. 【請求項5】 被測定領域に敷設される光導波部と、 該光導波部に入射するためのレーザ光を発生する光源
    と、 該光源からのレーザ光を前記光導波部に入射させるとと
    もに、前記光導波部に発生するラマン散乱光の内、スト
    ークス光又はアンチ・ストークス光のいずれか一方の信
    号を出力する光分岐分光手段と、 前記光分岐分光手段からの信号に基いて被測定領域の温
    度分布を求める演算手段とを有することを特徴とするO
    TDRによる温度分布計測装置。
  6. 【請求項6】 被測定領域に敷設される光導波部と、 第1のクロック信号を発生する第1のクロック信号発生
    手段と、 該第1のクロック信号により駆動され、第1の擬似ラン
    ダム信号を発生する第1の擬似ランダム信号発生手段
    と、 前記第1のクロック信号と周波数が僅かに異なる第2の
    クロック信号を発生する第2のクロック信号発生手段
    と、 前記第1の擬似ランダム信号発生手段と同一構成からな
    り、前記第2のクロック信号により駆動され、第2の擬
    似ランダム信号を発生するる第2の擬似ランダム信号発
    生手段と、 前記第1の擬似ランダム信号により変調されたレーザ光
    を発生するレーザ発振手段と、 変調されたレーザ光を前記光導波部に入射させるととも
    に、前記光導波部に発生するラマン散乱光の内、ストー
    クス光及びアンチ・ストークス光のいずれか一方の信号
    を出力する光分岐分光手段と、 該光分岐分光手段より得られた光導波部からの散乱光を
    入力する受光手段と、 該受光器の出力信号と前記第2の擬似ランダム信号とを
    乗算する第1の乗算手段と、 前記第1の乗算手段により乗算された信号の帯域制限を
    行う第1の帯域制限手段と、 前記第1の帯域制限手段の出力に基いて被測定領域の温
    度分布を求める演算手段とを有することを特徴とするO
    TDRによる温度分布計測装置。
  7. 【請求項7】 前記光導波部の伝送損失をレイリー散乱
    光又はラマン散乱光により予め又は定期的に計測し、又
    は予測することによって伝送損失による散乱光強度変化
    を補正することを特徴とする請求項5又は6記載のOT
    DRによる温度分布計測装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも1区域以上の基準温度領域を
    設けるか、或いは温度計測手段を備えた少なくとも区域
    以上の温度計測領域を設け、温度校正用光ファイバ又は
    被測定光ファイバの一部を前記基準温度領域又は前記温
    度計測領域に設置し、基準温度の信号強度を基準とし
    て、被測定領域の温度分布を求めることを特徴とする請
    求項5又は6記載のOTDRによる温度分布計測装置。
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