JP2004212325A - Otdr測定装置およびotdr測定方法 - Google Patents

Otdr測定装置およびotdr測定方法 Download PDF

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Takayuki Kubo
隆之 久保
Tomoji Morimoto
朋治 森本
Toru Takashima
徹 高嶋
Hirobumi Ito
博文 伊藤
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Chubu Electric Power Co Inc
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Fujikura Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】本発明は、レイリー後方散乱光の特性を利用して、任意のケーブル心線を識別することができるOTDR測定装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ13に加わった振動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともにこの偏光角を有するレイリー後方散乱光を偏光子25に透過させ、偏光子25を透過したレイリー後方散乱光をビームスプリッタ23介して受光器29に与えて光電変換し、信号処理部31によりレイリー後方散乱光の受光レベルの変動を表すOTDR波形に生成して表示部33に表示する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レイリー後方散乱光を利用して光ケーブルに収容された複数の光ファイバから特定の光ファイバを対照することができるOTDR測定装置およびOTDR測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ対照装置としては、特許文献1に記載された「光ファイバの環境可変装置、その摘出装置及び、その摘出システム」が報告されている。
【0003】
従来の光ファイバ対照装置では、光ファイバケーブルを加熱し、光ファイバ中で発生するラマン散乱光の二成分のうち、温度変化率の大きいアンチストークス光の強度変化を検出し、光ファイバケーブルの対照を行っていた。
【0004】
詳しくは、図13に示すように、光ファイバ1の所定部位に温度差をもたせる環境可変装置10と、その光ファイバ1の一端から入射した光の散乱光を検出し、多数本の中から該当する光ファイバを摘出する摘出装置20と、光ファイバ1に温度差が与えられたことを環境可変装置10から摘出装置20に送信し、その光ファイバ1が摘出すべきものであるか否かの判定信号を摘出装置20から環境可変装置10に送信する同期装置30A,30Bを備えることで、複数本の光ファイバの中から特定の1本を離れた位置で摘出することができるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−197398
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のOTDR測定装置は、光ファイバ1の所定部位に生じた温度変化によるアンチストークス光の強度変化を計測する専用の摘出装置20と、対照ケーブルを加熱するための環境可変装置10が必要であり、どちらも汎用品ではなかった。
【0007】
また、摘出装置20が検出できる温度変化を光ファイバ1に付与する必要があり、光ファイバが加熱するまでの所要時間がかかるため、即応性が低く作業効率が低いといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、レイリー後方散乱光の特性を利用して、任意のケーブル心線を識別することができ、即応性と作業効率の向上に寄与することができるOTDR測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、光ケーブルに収容された複数の光ファイバのうちの1本に送光器からパルス光を出射し、該光ファイバから入射する後方散乱光を受光器により受光してOTDR波形を表示するOTDR測定装置であって、前記送光器からのパルス光を最大になる偏光角で透過して前記光ファイバの端部に出射するとともに、該光ファイバの端部から該偏光角を有する後方散乱光のみを透過して前記受光器に出射する偏光子を備え、前記光ファイバに加わった振動、側圧および回転運動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともに前記偏光角を有するレイリー後方散乱光を前記偏光子に透過させて前記受光器に与え、該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することを要旨とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、光ケーブルに収容された複数の光ファイバのうちの1本に送光器からパルス光を出射し、該光ファイバから入射する後方散乱光を受光器により受光してOTDR波形を表示するOTDR測定方法であって、前記送光器からのパルス光を最大になる偏光角で透過して前記光ファイバの端部に偏光子から出射するとともに、該光ファイバの端部から該偏光角を有する後方散乱光のみを透過して前記偏光子から前記受光器に出射し、
前記光ファイバに加わった振動、側圧および回転運動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともに前記偏光角を有するレイリー後方散乱光を前記偏光子に透過させて前記受光器に与え、該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(原理)
図1は、光ファイバ内で後方散乱光が発生する様子を説明するための図である。
【0013】
図1において、OTDR(Optical fiber Time Domain Reflectometer )測定装置11では光ファイバ13の例えば左端部から光パルスを入射させ、光ファイバ内で発生した散乱光(戻り光)を入射端部側でAPD(avalanche photodiode)などを用いて受光し、戻り光の強度を観察する。入射端部近傍で発生した戻り光は遠端で発生したものより早く入射端部に戻ってくる。
【0014】
ここで、光ファイバ13の各地点で発生する戻り光は、入射端部から戻り光の発生地点までの往復距離に応じた時間だけ遅れて入射端部に戻ってくる。すなわち、光パルスは、速度vで散乱光を発生させがら光ファイバの中を伝搬していき散乱光の一部は、後方散乱光として遅延時間t後に入射端部に戻ってくることから、発生位置x(=v・t/2)を算出することができる。なお、この位置は光ファイバ13中の光の速度で往復時聞10nsで1mに換算することができる。
【0015】
一方、散乱光の種類としては、図2に示す散乱光スペクトラムのように、レイリー後方散乱光、ブリリアン後方散乱光(図示しない)、およびラマン後方散乱光の3種類に分類される。
【0016】
波長でみると、入射光の基本波長と同じ波長のレイリー後方散乱光、その近傍にブリリアン後方散乱光が存在し、さらにガラスの固有振動数だけシフトした位置に、ラマン後方散乱光の2成分であるストークス後方散乱光とアンチストークス後方散乱光のピークが見られる。この2成分は波長シフト量が大きいため干渉膜フィルターを用いることで他の散乱光との分離が可能である。
【0017】
ガラスにおけるレイリー後方散乱光は、伝搬する平面波の波長に比べて非常に小さい局所的な密度ゆらぎによる散乱として求められ、損失α は、成分がSiO のガラスにおいては次式で与えられる。
【0018】
【数1】
Figure 2004212325
ただし、nは屈折率、C は光弾性定数、k はボルツマン定数、T は固化温度、βは等温圧縮率を表す。
【0019】
式1から明らかなように、レイリー散乱損失は波長の四乗に逆比例することと、光の弾性定数に依存することがわかる。
【0020】
光ファイバ13の入射端部側に戻ってくる後方散乱光の強度比であるレイリー後方散乱係数ηは、式1で示したレイリー散乱損失αを用いると式2のようになる。
【0021】
【数2】
Figure 2004212325
ここで、cは真空中の光速、n1 はコアの屈折率、Δは光ファイバ13のコアとクラッドの比屈折率差、Wは送出光パルスのパルス幅を示す。
【0022】
この結果、レイリー後方散乱光の特性は、式1,2により媒質の特性(屈折率、光弾性定数)と入射光波長に依存することがわかる。
【0023】
媒質の特性のうち、光弾性定数については、圧力や振動による偏光面の変動性に関連する定数であり、石英ガラスは、ガラス中でも比較的変動を生じ易い特性を有している。
【0024】
OTDR測定装置11が受光するレイリー後方散乱光は、本来、光弾性定数に依存し、圧力や振動などの外乱で偏波面の変動を生じ易い特性を有している。
【0025】
従って、外乱によって生じる偏波面の変動を検出することができれば、光ケーブルの対照技術に応用ができると考えられる。
【0026】
次に、図3は、光ファイバ13に外力を与えた時に生じる伝搬光の特性変動の概念図である。
【0027】
図3においては、Y軸に平行な応力を光ファイバ13に加えた場合を想定している。この場合、Y軸方向には圧縮力が働き、X軸方向には引張力が働く。光ファイバのような円筒形の媒質に対して、軸方向に異なった力が働く時には、各々の軸方向(Y−Z面とX−Z面)の屈折率に相違が生じる。
【0028】
ここで、光ファイバ13内を進行する光の速度をVとすると、V=C/N(C:真空中の光速、N:屈折率)という関係があるため、Y−Z面を進行する光とX−Z面を進行する光の速度が異なり、位相遅延が生じ、偏波面が変動する。
【0029】
外部応力によってY軸方向に圧縮応力が、X軸方向に引張り応力が生じ、軸方向によって屈折率に相違が生じる。光の速度は屈折率の逆数に比例関係があるため、Y−Z面を進行する光とX−Z面を進行する光の位相に遅延が生じる。
【0030】
次に、図4は、光ファイバ13の側方から外部応力が印加されているモデルである。図5は、光の電界ベクトルと偏光子の方向を示すグラフである。
【0031】
この場合、座標軸を図5に示すように、y軸方向を電界ベクトルEy、x軸方向を電界ベクトルExと考え、また受光部における偏光子の挿入角度を図5に示すようにx軸に対してγとする。
【0032】
図4において、外部応力が印加される信号印加部を通過する以前の光は式3で表される。
【0033】
【数3】
Figure 2004212325
ただし、ωは信号光の角周波数、またφは初期の位相差である。
【0034】
また、応力印加によって、光ファイバ13の直交方向でその伝搬定数が変化するので、信号印加部を通過した光は次の式4のように表される。
【0035】
【数4】
Figure 2004212325
ここで、α、βは側圧を印加したことにより変化するx軸方向、y軸方向での光の位相変化量である。角度γで挿入された偏光子を通過し受光素子に入る光振幅Eは、
【数5】
Figure 2004212325
で表される。ここで、Dは透過係数である。
【0036】
式5より、偏光子を使用することで、OTDR測定装置11に受光される光パワーWは、応カσの影響を受けることとなり、シングルモード型光ファイバケーブル、シングルモード型光ファイバ素線への衝撃、揺動によるOTDR測定装置11での受光レベルの揺らぎ(これは、偏波揺らぎと呼ばれ、対象となっている光ファイバ13の本質的特性である)に関する感度が良好になる。
【0037】
次に、図6は、OTDR測定装置11を局A側に配置し、複数の光ファイバのうちの1本にのみ外部応力を加えたことを表す図である。
【0038】
図6に示すように、OTDR測定装置11を配置してOTDR波形を表示することにより、受光レベルの揺らぎを検出することができ、安価で、即応性に優れたシングルモード型光ファイバ素線、シングルモード型光ファイバケーブルの対照が可能となる。
【0039】
(一実施の形態)
次に、図7は、本発明の一実施の形態に係るOTDR測定装置11のブロック構成を示す図である。
【0040】
図7において、送光器21は、パルス発生器と、位相がそろったコヒーレント光を発生する半導体レーザより構成され、光パルスをビームスプリッタ23に出力する。ビームスプリッタ23は、送光器21からの光を偏光子25ヘ向ける一方、偏光子25からの光を受光器29へ向ける。
【0041】
送光器21から出力された光パルスは、ビームスプリッタ23を通過し、偏光子25からコネクタ部27を介して光ファイバ13に入射される。この時、偏光子25は、ビームスプリッタ23を通過した光パルスが最も強い光レベルで偏光子25を透過するように偏光角が調整されていることとする。
【0042】
さらに、入射光パルスは、光ファイバ13内を伝送する。なお、光ファイバ13としては、シングルモード型光ファイバケーブル、シングルモード型光ファイバ素線などがよい。
【0043】
光ファイバ13内に入射された光パルスにより発生したレイリー後方散乱光やフレネル反射光は、コネクタ部27から偏光子25に入射し上述した偏光角を有する光のみがビームスプリッタ23により受光器29側へ伝送される。ビームスプリッタ23は、送光器21からの光を偏光子25ヘ向ける一方、偏光子25からの光を受光器29へ向ける。受光器29は、フォトダイオードを内蔵し、光の受光レベルに変換して信号処理部31に出力する。
【0044】
偏光子25は、所定の偏光角を有しており、入射光の入射角が偏光角に近い光を透過する素子である。なお、その透過率は一般に数10%程度である。
【0045】
信号処理部31は、制御プログラムに従って動作しており、受光器29で受信した光レベルを受信時間毎に管理し、入力された群屈折率の値より、受信時間よりレイリー散乱、あるいはフレネル反射(ファイバ内での反射光)が発生した距離を算出することで、受信時間が距離に変換され、光レベルと距離データを表示部33に出力する。また、信号処理部31は、信号対雑音比を向上させるため、時間軸上で平均化処理を行う。
【0046】
信号処理部31により平均化処理された光レベルと距離データ情報は、表示部33によりグラフ化してODTR波形が表示される。
【0047】
なお、本実施の形態においては、ビームスプリッタ23とコネクタ部27との間に偏光子25を配置するように構成したが、ビームスプリッタ23と受光器29との間に偏光子25を配置するように構成してもよい。
【0048】
次に、図8を参照して、信号処理部31の内部構成を説明する。
【0049】
CPU41は、ROM43に記憶されている制御プログラムに従って装置全体の動作を制御する。ROM43は、後述する本装置全体を制御するための制御プログラムを記憶している。RAM45は、ワークエリアを有し、制御データを記憶する。
【0050】
タイマ47は、時間を計時してサンプリング時間間隔Δt毎に割込信号INTをCPUに出力する。A/D変換器49は、受光器29から出力された光の受光レベル信号をアナログ/デジタル変換してCPUに出力する。
【0051】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、OTDR測定装置11の動作を説明する。なお。本フローチャートは、図7に示すように信号処理部31に設けられたROM43に記憶されている制御プログラムによって動作する。
【0052】
いま、OTDR測定装置11が配置されている局Aからある距離だけ離れた中間部の地下のマンホール内やとう道において、集中して敷設されている光ケーブルから1本の光ファイバ13を選択して、この光ファイバ13に対して外部振動、側圧、回転運動を加えたこととする。
【0053】
まず、ステップS10では、タイマ47からCPU41に出力される割込信号INTの数を計数するための自然数からなる計数値kをk=0として初期化する。次いで、ステップS20では、タイマ47にサンプリング時間間隔Δtを設定して計時を開始させる。
【0054】
次いで、ステップS30では、信号処理部31に設けられたCPU41は、基準となる時刻t=0において、パルス発生指示信号を発生して送光器21に出力する。送光器21は、信号処理部31からのパルス発生指示信号に応じてパルス発生器によりパルス信号を発生し、さらに、このパルス信号に応じて半導体レーザが光パルスを出力する。
【0055】
送光器21より出力された光パルスは、ビームスプリッタ23を通過し、この光パルスを最も透過するようにその偏光角が調整された偏光子25からコネクタ部27を介して光ファイバ13に入射される。入射光パルスは、光ファイバ13内を伝送する。
【0056】
光ファイバ13内に入射された光パルスにより発生したレイリー後方散乱光やフレネル反射光は、コネクタ部27から偏光子25に到達する。偏光子25は、上述した偏光角に調整されており、コネクタ部27から入射されるレイリー後方散乱光やフレネル反射光のうち現在の偏光子25の偏光角を有する光のみが透過してビームスプリッタ23に到達し、さらに、ビームスプリッタ23により受光器29側へ伝送される。
【0057】
受光器29では、フォトダイオードにより光を受光レベルに変換して信号処理部31に出力する。受光器29で受信した光レベルは信号処理部31に設けられたA/D変換器49に入力される。
【0058】
次いで、ステップS40では、CPU41は、A/D変換器49からA/D変換された光レベルデータをレジスタに読み込む。さらに、ステップS50では、CPU41は、レジスタに読み込んだ光レベルデータに計数値kを付加してRAM45のワークエリアに記憶することで、光レベルデータを受信時間毎に管理することができる。
【0059】
次いで、ステップS60では、CPU41は、計数値kに基づいて現在受信した光の散乱位置までの距離sを算出する。すなわち、光ファイバ13の群屈折率Nと真空中の光速度cから光ファイバ13中の光速度vを求めると、
【数6】
v=c/N (6)
となる。さらに、求めたv、現在の計数値kおよびサンプリング時間間隔Δtに基づいて、距離sを求めると、
【数7】
s=v・k・Δt/2 (7)
となる。
【0060】
次いで、ステップS70では、CPU41は、RAM45のワークエリアに記憶されている現在の計数値kに対応させて求めた距離sを記憶する。この結果、ワークエリアには、スタート時点から現在までの計数値kに対応して光レベルデータと距離sが記憶される。
【0061】
次いで、ステップS80では、タイマ47からサンプリング時間間隔Δt毎に出力される割込信号INTがCPU41に入力されたか否かを判断する。割込信号INTがCPU41に入力された場合には、ステップS90に進み、現在の計数値kに1を加算して最新の計数値kを求め、ステップS40に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0062】
一方、割込信号INTがCPUに入力されていない場合には、ステップS100に進み、CPU41は、現在の計数値kが最大値kmax に到達したか否かを判断する。なお、最大値kmax は、本OTDR測定装置11によりレイリー後方散乱光を測定可能な位置までの距離をサンプリング時間間隔Δtの数で表している。
【0063】
現在の計数値kが最大値kmax に到達していない場合には、ステップS80に戻り、割込信号INTが発生するのを待つ。
【0064】
一方、現在の計数値kが最大値kmax に到達した場合には、ステップS110に進み、CPU41は、縦軸に受信レベルの大きさを表す数字、横軸に距離を表す数字からなる座標データを生成する。
【0065】
次いで、ステップS120では、生成された座標データを表示部33に出力する。この結果、表示部33には縦軸に受信レベルの大きさを表す数字、横軸に距離を表す数字からなる座標が表示される。
【0066】
次いで、ステップS130では、CPU41は、RAM45のワークエリアに記憶されている原点から最大測定距離までの計数値k、光レベルデータ、距離sのうち光レベルデータに対応して時間軸上の平均化処理を実行し、平均値DAkと距離sを対応させてRAM45上の別のワークエリアに記憶する。すなわち、例えば計数値k−1,k,k+1の3点に対応する光レベルデータDk−1,Dk ,Dk+1に対して、平均値DAkを求めると、
【数8】
DAk=(Dk−1+Dk +Dk+1)/3 (8)
となる。この結果、光レベルデータの信号対雑音比が向上する。
【0067】
次いで、ステップS140では、CPU41は、RAM45上の別のワークエリアに記憶されている平均値DAkと距離sを順次に読み出し、表示部33に出力する。この結果、表示部33には距離sに対応する光レベルデータの平均値DAkが、図10に示すように、グラフ化してODTR波形が表示される。
【0068】
なお、図10に示すPはレイリー後方散乱光により形成された光レベルの最大値であり、Haは距離sに対応して取り得るレイリー後方散乱光の最高レベルであり、Hbは距離sに対応して取り得るバックグラウンドレベルである。図10に示すODTR波形のように、レイリー後方散乱光の光レベルの最大値Pが現われる条件は、光ファイバ13に対して外部応力が加わったときに、レイリー後方散乱光が有する角度が偏光子25の角度γに最も近い場合である。
【0069】
(実験例)
図11は、光ケーブル13を分岐するためのクロージャ61の構成を示す図である。このクロージャ61からある距離を隔てた位置にOTDR測定装置11が接続されていることとする。なお、図11に示すクロージャ61に代わって、光成端箱を接続してもよい。
【0070】
クロージャ61の内部では例えば光ファイバ13−1〜13−nがそれぞれ数mの余長を吸収するために、図11に示すように、略円形状の束63として余長収納トレイ(図示しない)に収納されている。
【0071】
OTDR測定装置11が配置されている局Aからある距離だけ離れた中間部の架線に、図11に示すようなクロージャ61が設けられているとする。そこで、光ケーブルから任意の1本の光ファイバを選択して、この光ファイバの略円形状の束63に対して、紙面左右方向を回転軸にして上下に回転を加え、束63に揺動を加えたこととする。
【0072】
次いで、図12は、クロージャ61内に収容された光ファイバの略円形状の束63に対して揺動を加えた場合に、OTDR測定装置11により表示されるOTDR波形を示すグラフである。
【0073】
この場合、OTDR測定装置11では図12に示すような波形が観測される。図12に示すP1 〜P5 は、束63に上述した揺動を加えた場合のレイリー後方散乱光により形成された光レベルであり、Haは距離sに対応して取り得るレイリー後方散乱光の最高レベルであり、Hbは距離sに対応して取り得るバックグラウンドレベルである。図12に示すODTR波形のように、レイリー後方散乱光の光レベルがP1 〜P5 が現われる条件は、光ファイバの束63に対して揺動を加えたときに、偏光子25の角度γが任意に設定されている場合である。
【0074】
(応用例1)
本発明の一実施の形態に係るOTDR測定装置11は、光ファイバを使った浸入検知システムに適用することができる。
【0075】
建造物や施設などの監視対象物の周囲に光ファイバを張り巡らしておき、侵入者が侵入したときに発生する振動を光ファイバに加わるようにしておき、揺動に応じて発生するレイリー後方散乱光をOTDR測定装置11で検知することで、施設内への浸入を検知することが可能になる。
【0076】
従来行われていた施設に対する監視カメラによる監視に比べて、施設全周に対しての侵入検知が可能であり、従来のようなカメラ死角をなくすことができる。光ファイバとOTDR測定装置を用いた侵入検知システムであるのでコスト低減に寄与することができる。
【0077】
(応用例2)
本発明の一実施の形態に係るOTDR測定装置11は、光ファイバを使った設備異常検知システムに適用することができる。
【0078】
機械設備の周辺に光ファイバを布設し、異常振動が光ファイバに加わるようにしておき、この異常振動に応じて発生するレイリー後方散乱光をOTDR測定装置11で検知することで、異常振動の有無を検知することができる。特に、発電所のタービンなどの回転体を収容した施設に適用することで、保守・監視の省力化に寄与することができる。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバに加わった振動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともにこの偏光角を有するレイリー後方散乱光を偏光子に透過させて受光器に与え、該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することで、複数の光ファイバのうちの1本に振動が加わったか否かをOTDR波形から視認することができる。この結果、複数の光ファイバが輻輳している状態でも、任意のケーブル心線を識別することができる。また、光ファイバの端部にのみ本OTDR測定装置を配置して心線対照を行うので、従来の技術に比べて利便性と省力化に寄与することができ、即応性と作業効率の向上に寄与することができる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、光ファイバに加わった振動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともにこの偏光角を有するレイリー後方散乱光を偏光子に透過させて受光器に与え、該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することで、複数の光ファイバのうちの1本に振動が加わったか否かをOTDR波形から視認することができる。この結果、複数の光ファイバが輻輳している状態でも、任意のケーブル心線を識別することができる。また、光ファイバの端部にのみ本OTDR測定装置を配置して心線対照を行うので、従来の技術に比べて利便性と省力化に寄与することができ、即応性と作業効率の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ内で後方散乱光が発生する様子を説明するための図である。
【図2】3種類の後方散乱光の散乱光スペクトラムを表す図である。
【図3】光ファイバ13に外力を与えた時に生じる伝搬光の特性変動の概念図である。
【図4】光ファイバ13の側方から外部応力が印加されているモデルである。
【図5】光の電界ベクトルと偏光子の方向を示すグラフである。
【図6】OTDR測定装置11を局A側に配置し、複数の光ファイバのうちの1本にのみ外部応力を加えたことを表す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るOTDR測定装置11のブロック構成を示す図である。
【図8】信号処理部31の内部構成を示す図である。
【図9】OTDR測定装置11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】レイリー後方散乱光により形成された光レベルのピークを示すグラフである。
【図11】光ケーブル13を分岐するためのクロージャ61の構成を示す図である。
【図12】クロージャ61内に収容された光ファイバの略円形状の束63に対して揺動を加えた場合に、OTDR測定装置11により表示されるOTDR波形を示すグラフである。
【図13】従来のOTDR測定装置が適用されるシステムを示す図である。
【符号の説明】
11 OTDR測定装置
13 光ファイバ
21 送光器
23 ビームスプリッタ
25 偏光子
27 コネクタ部
29 受光器
31 信号処理部
33 表示部
41 CPU
43 ROM
45 RAM
47 タイマ
49 A/D変換器

Claims (2)

  1. 光ケーブルに収容された複数の光ファイバのうちの1本に送光器からパルス光を出射し、該光ファイバから入射する後方散乱光を受光器により受光してOTDR波形を表示するOTDR測定装置であって、
    前記送光器からのパルス光を最大になる偏光角で透過して前記光ファイバの端部に出射するとともに、該光ファイバの端部から該偏光角を有する後方散乱光のみを透過して前記受光器に出射する偏光子を備え、
    前記光ファイバに加わった振動、側圧および回転運動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともに前記偏光角を有するレイリー後方散乱光を前記偏光子に透過させて前記受光器に与え、該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することを特徴とするOTDR測定装置。
  2. 光ケーブルに収容された複数の光ファイバのうちの1本に送光器からパルス光を出射し、該光ファイバから入射する後方散乱光を受光器により受光してOTDR波形を表示するOTDR測定方法であって、
    前記送光器からのパルス光を最大になる偏光角で透過して前記光ファイバの端部に偏光子から出射するとともに、該光ファイバの端部から該偏光角を有する後方散乱光のみを透過して前記偏光子から前記受光器に出射し、
    前記光ファイバに加わった振動、側圧および回転運動に応じて偏波面が変動する特性を有するとともに前記偏光角を有するレイリー後方散乱光を前記偏光子に透過させて前記受光器に与え、
    該レイリー後方散乱光の受光レベルの変動をOTDR波形として表示することを特徴とするOTDR測定方法。
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