JP4657024B2 - 光ファイバの浸水判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバへの浸水の有無を判定する方法に関する。
光ファイバ内蔵型架空地線(以下、OPGW:OPtical Ground Wireという)は、架空送電線の架空地線の中心部にアルミ管を設けてこのアルミ管内に光ファイバを収容したものであり、既存の送電線網を利用して、光ファイバにより長距離かつ広範囲な大容量の通信システムを構築できる。このため、近年、電力会社においてOPGWは広く採用され、重要な通信回線として用いられるようになっている。
上記のOPGWを用いた通信線には冬季に通信障害が発生することがある。その原因は、OPGWに外力が繰り返し作用することによって上記アルミ管に疲労破断が生じ、そこからアルミ管内部に浸入した水が冬季に凍結するためであると考えられる。すなわち、アルミ管内へ浸入した水が凍結することにより膨張し、光ファイバに局部的に圧力がかかることに起因して生じた光ファイバの微小な曲げ(マイクロベンディング)によって通信障害が起きると考えられるのである。したがって、通信障害を未然に防止するには、OPGWへの浸水箇所を特定してケーブル交換などの対応をとることが必要である。
これに関連して、例えば、特許文献1には、光ファイバに光パルスを入射させることにより発生したラマン散乱光のストローク側と反ストローク側の強度比に基づいて光ファイバの浸水部分と非浸水部分の温度差を測定し、その測定結果に基づいて浸水の有無を検知する方法が開示されている。この方法は、非浸水部分と浸水部分とで日中の温度変動が異なるために両者間に温度差が生じることを前提とするものである。しかしながら、光ファイバに必ずしもそのような温度差が生ずるとは限らず、また、温度差の大きさも環境によって大きく変わるため、特許文献1の方法では、浸水の有無を高い信頼性で検知することは難しいと考えられる。
ところで、非特許文献1には、海底光ケーブルの破損時に、光ファイバ内へ水素分子が拡散することにより、特定波長帯域(1.24μm)の光の伝送損失が増大することが示されている。
特開2003−222565号公報 波平宣敬、「H2による損失増加現象と光海底ケーブルの長期信頼性」、NIKKEI ELECTRONICS 1984, 12.3, p.233−248
本発明者は、OPGWに浸水が生じた場合にも、水とアルミ管との反応によって水素が発生し、その水素が光ファイバ内へ拡散することにより、非特許文献1に開示されるように波長1.24μmでの伝送損失が発生すると考え、そのことを実験的に確かめた。本発明はかかる実験により得られた知見に基づいてなされたものであり、光ファイバへの浸水の有無を的確に判定できるようにすることを目的としている。
上記の目的を達成するため、光ファイバへの浸水の有無を判定する方法であって、
光ファイバの測定対象区間に波長帯域1.24μmの光を入射して伝送損失を測定し、この伝送損失が所定の基準値より大きい場合に、前記光ファイバに浸水が発生していると判定し、
前記伝送損失が前記所定の基準値以下である場合に、前記測定対象区間の光ファイバについて、過去の測定データが存在するか否かを判定し、存在すれば、当該過去の測定データ値を用いて、波長帯域1.24μmにおける伝送損失を表す理論式に従って伝送損失の将来の時間変化を予測して、当該予測値が所定値に達する時期に前記測定対象区間での伝送損失の再測定を行い、前記過去の測定データが存在しなければ、前記伝送損失の測定後、所定期間が経過した時期に前記測定対象区間での伝送損失の再測定を行い、
前記再測定により得られた伝送損失が、最初の測定により得られた伝送損失よりも増加していれば、前記光ファイバに浸水が発生していると判定することを特徴とする。
また、本発明者が行った試験によれば、前記所定値として、伝送損失初期値より大きく、8.9dB/km以下の値であることが好ましい。この伝送損失初期値は例えば、竣工時データなどから得られる。なお,竣工時測定データがない場合は、伝送損失初期値を例えば0.42dB/kmとすることができる。ただし、伝送損失初期値として、各ファイバーの波長特性から算出できる伝送損失値を採用することが望ましい。
また、前記光ファイバは、光ファイバ内蔵型架空地線(OPGW)に内蔵された光ファイバであってもよい。
また、本発明において、前記伝送損失の測定を、波長帯域1.24μmの光源を有する反射型故障点評定装置(OTDR)により行うこととしてもよい。OTDRを用いることにより、伝送損失の分布を測定できるので、浸水が発生した区間を特定することが可能となる。
また、測定対象である光ファイバの縦断図に、浸水が起きていると判定された区間を重ねて表示させることで、浸水発生区間を一目で把握できるようにすることができる。
また、OTDRとしてR−OTDRを用い、このR−OTDRで測定した光ファイバの温度に基づいて伝送損失の測定値を補正することで、判定精度をより向上させることができる。
本発明によれば、波長帯域1.24μmの光の伝送損失に基づいて、光ファイバへの浸水の有無を的確に判定することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。先ず、本実施形態における光ファイバの浸水判定方法の原理について説明する。本実施形態の光ファイバの浸水判定方法は、波長帯域1.24μmの光の伝送損失に基づいて、OPGWに内蔵された光ファイバへの浸水の有無を判定するものである。上記したように、OPGWの中心部にはアルミ管が設けられ、このアルミ管の内部に光ファイバが保持されている。本発明者は、冬季に通信障害が発生した区間のOPGWについて、窒素ガス封入試験によりアルミ管の損傷の有無を確認すると共に、反射型故障点評定装置(OTDR)により波長1.24μmにおける光の伝送損失を測定した。なお、OTDRは、周知のとおり、特定波長の光パルスを光ファイバに入射し、後方散乱光の強度と、この後方散乱光が返ってくるまでの時間から光ファイバの伝送損失特性を測定する装置である。
図1は、OTDRによる波長1.24μmにおける伝送損失の測定結果の例を示す。図1において、横軸はOPGWに沿った距離、縦軸は後方散乱光の強度を示しており、グラフの傾きが伝送損失(単位距離当りの減衰量)を表している。このように、OTDRによれば、その測定結果から、光ファイバの長さ方向に沿った伝送損失の分布を求めることが可能である。本例では、地点Aと地点Bとの間の区間で通信障害が発生しており、図1(a)には地点Aでの測定結果(地点AにOTDRを設置して地点Bに向けて光を入射したときの測定結果)を、また、図1(b)には地点Bでの測定結果(地点BにOTDRを設置して地点Aに向けて光を入射したときの測定結果)を夫々示している。また、本測定は、OTDRの光パルス幅を1000nsと100nsの2通りで行っており、図1(a)及び(b)における上側の曲線が1000nsの測定結果を、下側の曲線が100nsの測定結果を夫々示している。
なお、地点Aと地点Bとの間には、複数のケーブル接続ボックスが設けられており、窒素封入ガス試験及びOTDRによる測定試験は、このケーブル接続ボックスを利用してOPGWへ窒素を封入し、また、OTDRを接続することにより行なった。各ケーブル接続ボックスにはA地点側からB地点側へ昇順に識別番号が付されており、図1には一部のケーブル接続ボックスの識別番号を該当位置に表示している。
図1から分かるように、No.7地点から約0.2kmだけ地点B側の地点Xと、No.16地点との間で測定結果の勾配(つまり伝送損失)が大きくなっており、この区間での伝送損失は約8.9dB/kmであった。正常な光ファイバでの波長1.24μmにおける伝送損失初期値は0.42dB/km程度であるから、8.9dB/kmもの伝送損失は明らかに異常である。一方、窒素ガス封入試験では、No.10地点とNo.16地点との間でアルミ管の損傷が検出された。すなわち、アルミ管の損傷が検出された区間(No.10〜No.16)は、8.9dB/kmの伝送損失が測定された区間(No.7地点〜No.16地点)に含まれている。このような結果から、波長1.24μmにおける8.9dB/kmという大きな伝送損失は、アルミ管の損傷箇所での浸水により発生した水素に起因するものと推測できる。
そこで本実施形態では、OPGWの伝送損失をOTDRで測定し、その伝送損失が所定の基準値以上である区間において浸水が発生していると判定する。ここで、基準値としては、例えば、上記測定結果で得られた8.9dB/kmを上限とし、正常な光ファイバにおける1.24μm帯域における伝送損失初期値を下限として、これらの間の値(0.42dB/kmより大きく、8.9dB/km以下の値)を適宜選択して用いる。なお、伝送損失初期値は、例えば、竣工時測定データなどから得られるが、竣工時測定データがない場合は、伝送損失初期値として、各ファイバの波長特性から算出できる伝送損失値を採用することが望ましい。本実施形態では、伝送損失初期値として0.42dB/kmを用いることとした。
ところで、OPGWに浸水が発生した場合には、アルミ管を構成するアルミニウムと水との反応により水素が発生し、この水素が光ファイバ内へ拡散して波長1.24μmにおける伝送損失が増大するという過程を経る。このため、浸水が発生してから波長1.24μmにおける伝送損失が増大し始めるまでには、ある程度の期間がかかる。
図2は、このことを説明するための図であり、OPGWへの浸水量と波長1.24μmにおける伝送損失の時間変化を模式的に示している。同図に示すように、アルミ管の損傷等により浸水が始まった後、浸水量は次第に増加し、ある期間が経過すると、浸水箇所から外部へ水が抜けることなどにより浸水量は減少する。伝送損失は、このような浸水量の変化に対して遅れた変化を示し、OPGWへの浸水が起きてから、ある程度の日数経過した時点で伝送損失が増加し始める。
したがって、OPGWへの浸水発生直後に伝送損失を測定した場合には、浸水しているにもかかわらず伝送損失が小さく、伝送損失の絶対値のみでは浸水の発生を検知できないことがある。そこで、本実施形態では、以下に述べるように、伝送損失の絶対値を用いるだけでなく、伝送損失の測定値が基準値に達しない場合にも、浸水発生からの経過日数と伝送損失との関係を推測し、伝送損失が増加し始めると予測される時間が経過した後に再測定することにより、浸水発生の有無をより正確に判定できるようにしている。ここで、浸水発生からの経過日数と伝送損失との関係を推測するために本発明者が行った手法について説明する。
先ず、実験用のアルミ管(OPGWのアルミ管から光ファイバユニットを撤去したもの)に水を入れ、ガスクロマトグラフ分析により発生水素量を測定し、アルミ管寸法等に基づいて、アルミ管内面からの発生水素量を求めた。
この値を、水素発生量を示す式
Figure 0004657024
(ただし、C:定数,E:活性化エネルギー,R:気体定数:T:絶対温度,
t:時間,β:時定数である。)
に当てはめることにより、この式(1)における時定数β及び速度定数
Figure 0004657024
を決定した。
これらを式(1)に代入することにより、本試験において水素発生量を表す次式(2)を得た。
Figure 0004657024
一方、波長1.24μmにおける伝送損失を表す理論式は次式(3)の通りである。
Figure 0004657024
(ただし、R:気体定数,T:絶対温度,p:水素分圧(atm)である。)
式(3)における水素分圧pは、式(2)で求められる水素発生量λに比例し、その拡散状態に反比例するので、水素発生箇所、アルミ管への浸水量、及び水素の拡散長さについて幾つかのケースを仮定し、各ケースについて、式(3)に基づいて、浸水発生からの経過日数と波長1.24μmにおける伝送損失との関係を、各種温度ごとに計算で求めた。例えば23℃についての結果を図3に示す。
図3に示すように、仮定したケースによって伝送損失特性は大きく異なるが、最も損失増加の度合いが大きいケースVの場合、浸水から約30日で4dB/km、約50日で8dB/km程度に達している。したがって、現時点で浸水が起きているとすれば、例えば現時点から30〜50日後には、伝送損失は確実に増大していることになる。したがって、現時点で伝送損失の測定値が小さい場合にも、例えば30〜50日後に再測定することにより、浸水発生をより正確に検知できることになる。
なお、上記のように、波長1.24μmでの伝送損失は理論的には式(3)で計算できる。したがって、時期が異なる複数回の伝送損失の測定値が得られていれば、それらの測定値を式(3)に当てはめることにより、式(3)における各係数の値を算定し、将来の伝送損失の時間変化を推定できる。したがって、このように複数回の測定値が得られる場合には、それら測定値と理論式とに基づいて推測される伝送損失が所定値(例えば8dB/km)に達する時期を求めて、この時期に再測定を行うようにしてもよい。
以下、本実施形態におけるOPGWの浸水発生検知方法の具体的な内容を説明する。
図4は、本実施形態におけるOPGWの浸水発生検知方法のフローチャートである。また、図5は、本実施形態においてOPGWの浸水発生方法を実施している様子を示す図である。
先ず、図5に示すように、測定対象区間のOPGW50の光ファイバに、鉄塔52に設置された接続ボックス54から、延長用ファイバ56を介してOTDR58を接続し、このOTDR58により波長帯域1.24μmの光をOPGW50の光ファイバへ入射することにより伝送損失の測定を行う(図4のS100)。なお、電気所に設置された光ファイバ接続箇所から延長用ファイバを介してOTDRを接続してもよい。また、OTDR58はその測定距離範囲を選択できるようになっており、測定対象区間の長さに応じて測定範囲を適宜選択しておくものとする。次に、S100で得られた測定結果に基づいて、伝送損失が第1の所定の基準値S(例えば、正常な光ファイバの伝送損失初期値0.42dB/km)より大きい区間が存在するか否かを判定する(S102)。その結果、伝送損失が基準値Sよりも大きい区間が存在しなければ浸水は起きていないと判断する(S104)。一方、伝送損失が基準値Sよりも大きい区間が存在する場合は、その区間の伝送損失が第2の所定の基準値S(第1の基準値Sよりも大きく、かつ、上記測定試験で得られた8.9dB/km以下の値)よりも大きいか否かを判定する(S106)。その結果、伝送損失が基準値Sより大きければ、当該区間において浸水が発生していると判断する(S108)。
また、上記S106において、伝送損失が第2の基準値Sより大きい区間が存在しない場合は、伝送損失の測定データを蓄積管理するデータベースを参照するなどにより、過去の測定データを取得し(S110)、測定対象区間についての過去の測定データが存在するかどうかを判定する(S112)。その結果、過去の測定データが存在すれば、過去の測定データと今回の測定データとを上記式(3)に当てはめることより将来の伝送損失の変化を推測し、その伝送損失が所定値(例えば8dB/kmなど)に達する時期を求めて、その時期に伝送損失を再測定する(S114)。一方、過去の測定データが存在しなければ、上記図3のように予測される各ケースについての伝送損失の時間変化のうち、伝送損失の上昇が最も速いケース(図3ではケースV)について伝送損失が所定値(例えば8dB/kmなど)に達する日数(図3の例では50日)を求め、この日数経過後に再測定を行う(S116)。そして、S100における最初の測定により得られた伝送損失と、S114又はS116における再測定により得られた伝送損失とを比較し(S118)、再測定時に伝送損失が増加している区間があれば、その区間に浸水が発生していると判定し(S120)、増加している区間がなければ測定対象区間において浸水は発生していないと判定する(S122)。
以上説明したように、本実施形態では、通信障害が発生したOPGWを用いた試験により、浸水が発生したOPGWでは波長1.24μmにおける光の伝送損失の増加が顕著であるとの知見に基づいて、この伝送損失の測定値が所定の基準値以上であるかどうかに基づいて、浸水発生の有無を判定することができる。さらに、浸水発生から伝送損失の増加までに時間遅れがあることを考慮して、伝送損失の測定値が基準値より小さい場合にも、伝送損失が所定値に達すると予測される時点で再測定を行って伝送損失が増加しているかどうかを判定することにより、浸水発生の有無をより的確に判断することができる。その際、伝送損失の過去の測定データが得られる場合には、式(3)を用いることにより、将来の伝送損失の変化予測をより正確に行うことができる。
図6は、本実施形態における浸水判定結果の表示方法の一例を示す。同図に示す例では、OPGWの縦断図のうえに、浸水が生じていると判定された区間を重畳して図示している。なお、同図の例では、表示の都合上、浸水区間を太線で表示しているが、実際には適宜なカラー表示でより見易く表示できる。OTDRによれば、光ファイバに沿った伝送損失の分布を測定できるので、上記した浸水判定手法により、OPGWのどの区間で浸水が発生しているかも判定できる。したがって、図6に示すように、OPGWの縦断図に浸水発生区間を重畳させて表示することにより、どの区間のOPGWに浸水が生じているかを一目で把握することができる。
なお、上記式(3)の右辺に絶対温度Tが含まれていることから分かるように、波長1.24μmにおける伝送損失は光ファイバの温度に依存して変化する。したがって、OTDRとして光ファイバの温度を測定可能なラマンOTDR(R−OTDR)を用い、光ファイバ温度に基づいて伝送損失の測定値を修正することにより、温度の影響を受けずにより正確に浸水を判定することが可能となる。
また、上記実施形態では、OTDRを用いることで、OPGWに沿った伝送損失の分布を測定し、これに基づいて、浸水発生箇所を特定することが可能となっている。しかしながら、測定区間内での水素発生の有無のみを検知できればよく、測定区間内における水素発生箇所まで特定する必要がなければ、OTDRに限らず、透過光の減衰量に基づいて浸水発生を検知することも可能である。すなわち、測定対象区間のOPGWの一端から1.24μm波長帯域の光を入射し、測定対象区間の他端で光強度を検出することにより減衰量を測定し、その減衰量を測定対象区間長で割ることにより伝送損失を求めて、この伝送損失に基づき上記実施形態と同様にして浸水の有無を判定するのである。
図7は、本発明に係るシステムの一実施形態であるOPGWの浸水判定システム10のブロック構成図である。同図に示すように、本実施形態の浸水判定システム10は、伝送損失測定部としてのOTDR12と、このOTDR12に接続された処理装置14とを備えている。OTDR12は波長1.24μmの光源を有しており、この波長帯域での光ファイバの伝送損失を測定する機能を有している。処理装置14は、ディスプレイ装置16を備えるコンピュータシステムにより構成されており、OTDR12から適宜な入出力インターフェイスを介して伝送損失の測定データを取得するデータ取得部18と、伝送損失の測定データに基づいて浸水の有無を判定する浸水判定部20と、浸水判定部20による判定結果を前記ディスプレイ装置16に表示する結果出力部22とを備えている。これらデータ取得部18、浸水判定部20、及び、結果出力部22は、処理装置14のCPUがプログラムを実行することにより実現される。浸水判定部20は、上記図4に示すフローチャートのS102〜S108と同様にして、伝送損失の測定値と所定の基準値とを比較し、伝送損失の測定値が基準値よりも大きい区間がある場合に、その区間で浸水が発生していると判定する。また、処理装置14は、その記憶装置にOPGWの縦断図のデータを記憶しており、結果出力部22はこの縦断図のデータを読み出してディスプレイ装置16に表示させると共に、浸水判定部20により浸水が発生していると判定された区間を縦断図に重畳させて表示させる。
OTDRによる波長1.24μmにおける伝送損失の測定結果の例を示す図である。 OPGWへの浸水量と波長1.24μmにおける伝送損失の時間変化を模式的に示す図である。 浸水発生からの経過日数と波長1.24μmにおける伝送損失との関係の例を示す図である。 本発明の一実施形態におけるOPGWの浸水判定方法のフローチャートである。 本実施形態においてOPGWの浸水発生方法を実施している様子を示す図である。 本発明による浸水判定結果の表示方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態であるOPGWの浸水判定システムの構成図である。
符号の説明
10 浸水判定システム
12 OTDR
14 処理装置
16 ディスプレイ装置
18 データ取得部
20 浸水判定部
22 結果出力部
50 OPGW
58 OTDR

Claims (7)

  1. 光ファイバへの浸水の有無を判定する方法であって、
    光ファイバの測定対象区間に波長帯域1.24μmの光を入射して伝送損失を測定し、この伝送損失が所定の基準値より大きい場合に、前記光ファイバに浸水が発生していると判定し、
    前記伝送損失が前記所定の基準値以下である場合に、前記測定対象区間の光ファイバについて、過去の測定データが存在するか否かを判定し、存在すれば、当該過去の測定データ値を用いて、波長帯域1.24μmにおける伝送損失を表す理論式に従って伝送損失の将来の時間変化を予測して、当該予測値が所定値に達する時期に前記測定対象区間での伝送損失の再測定を行い、前記過去の測定データが存在しなければ、前記伝送損失の測定後、所定期間が経過した時期に前記測定対象区間での伝送損失の再測定を行い、
    前記再測定により得られた伝送損失が、最初の測定により得られた伝送損失よりも増加していれば、前記光ファイバに浸水が発生していると判定することを特徴とする光ファイバの浸水判定方法。
  2. 前記所定の基準値は、伝送損失初期値より大きく、8.9dB/km以下の値であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの浸水判定方法。
  3. 前記光ファイバは、光ファイバ内蔵型架空地線(OPGW)に内蔵された光ファイバであることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの浸水判定方法。
  4. 前記伝送損失の測定を、波長帯域1.24μmの光源を有する反射型故障点評定装置(OTDR)により行うことを特徴とする請求項1〜のうち何れか1項記載の光ファイバの浸水判定方法。
  5. 前記OTDRとしてR−OTDRを用い、このR−OTDRで測定した光ファイバの温度に基づいて測定値を補正することを特徴とする請求項記載の光ファイバの浸水判定方法。
  6. 前記OTDRにより測定される伝送損失に基づいて、浸水が発生している区間を判定することを特徴とする請求項又は記載の光ファイバの浸水判定方法。
  7. 測定対象である光ファイバの縦断図に、浸水が起きていると判定された区間を重ねて表示させることを特徴とする請求項記載の光ファイバの浸水判定方法。
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