JP2005090717A - 玉軸受及び軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保持器音及び回転非同期振れを、有効に抑える。
【解決手段】 保持器15aを内輪案内とすると共に、内輪8に対するこの保持器15aの案内隙間の直径分をcとする。又、保持器15a及び複数の玉12、12のみを組み合わせた状態での、この保持器15aのポケット17内での各玉12、12の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量をδとする。そして、c≦1.9δの関係を満たす様に、c、δを規制する。
【選択図】 図1

Description

本発明の玉軸受及び軸受装置は、ハードディスクドライブ装置(HDD)やビデオテープレコーダ(VTR)、レーザビームプリンタ(LBP)用のスピンドルモータ、ロータリアクチュエータ、ロータリエンコーダ等、各種精密回転部分や精密工作機械の回転部分に組み込んでこの回転部分を支持する為に利用する。
コンピュータ等の記憶装置として使用するHDDは、例えば特許文献1に記載されている様に、図11に示す様な構造を有する。HDDの使用時にハードディスク1は、ダイレクトドライブ型のスピンドルモータにより高速で回転する。又、先端部にヘッド2を設けたスイングアーム3の基端部は、例えば図12に示す様な複列玉軸受ユニット4により、基板5上に植設した、上記ハードディスク1(図11)の回転軸と平行な支持軸6に対し、揺動変位自在に支持している。
上記複列玉軸受ユニット4を構成する為に、内側部材である円筒状の内筒7の外周面のうちで軸方向に離隔した2個所位置に内輪8、8を、締り嵌めで外嵌固定している。又、これら各内輪8、8の外周面には、それぞれ深溝型若しくはアンギュラ型の内輪軌道9、9を形成している。又、上記各内輪8、8の周囲に外輪10、10を、これら各内輪8、8と同心に配置している。これら各外輪10、10の内周面には、それぞれ深溝型若しくはアンギュラ型の外輪軌道11、11を形成している。そして、上記各内輪軌道9、9とこれら各外輪軌道11、11との間に、それぞれ複数個ずつの玉12、12を転動自在に設けて、1対の玉軸受13、13としている。
又、上記各外輪10、10の両端部内周面には、それぞれ円輪状のシールド板14、14の外周縁を係止し、これら両シールド板14、14によって、上記玉12、12設置部分に存在するグリースが外部に漏洩したり、或は外部に浮遊する塵芥がこの設置部分に進入する事を防止している。又、上記各玉12、12は、円環状に形成した保持器15、15により転動自在に保持している。尚、密封装置として、上記非接触型のシールド板14、14に代えて、接触型や非接触型のシール板を使用する場合もある。
上記各保持器15、15としては、例えば、図13に示す様に、冠型保持器と呼ばれるものを使用する。この図13に示した保持器15は、円環状の主部16と、この主部16の軸方向片面に等間隔に設けられた複数のポケット17、17とを備える。これら各ポケット17、17は、互いに間隔をあけて配置した1対の弾性片18、18と、上記主部16の片面(図13の上面)でこの1対の弾性片18、18の間部分に設けた凹面部19とから構成する。そして、各ポケット17に玉12(図12)を1個ずつ、転動自在に保持する。この様に構成する各ポケット17、17の内面は、その全体を球状凹面としている。この球状凹面の曲率半径は、上記玉12の転動面の曲率半径よりも僅かに大きくしている。この様な保持器15は、例えば合成樹脂を射出成形する事により、一体に形成している。
上記各玉12、12は、各ポケット17、17を構成する1対ずつの弾性片18、18の先端部同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片18、18の間に押し込む。そして、上記各玉12、12を各ポケット17、17の内側に、転動自在に保持する。この状態で、上記各玉12、12の転動面と上記各ポケット17、17の内面との間には、微小な隙間が存在する。従って、上記各玉12、12をこれら各ポケット17、17に保持した状態では、上記保持器15がこれら各玉12、12を円周方向に亙って等間隔に保持すると共に、各玉12、12により上記保持器15のラジアル方向位置を規制する。又、これら各玉12、12の転動面と上記各ポケット17、17の内面との間の微小な隙間の存在により、これら各玉12、12の転動を円滑に行なえる。
それぞれが上述の様に構成する1対の保持器15、15により玉12、12を保持した1対の玉軸受13、13を用いて複列玉軸受ユニット4(図12)を構成するには、前記1対の外輪10、10を、互いに対向する端面同士を間座20(図12)を介して突き合わせると共に、前記1対の内輪8、8を前記内筒7(図12)の軸方向両端部に、締まり嵌め或は接着により外嵌固定する。この様に構成した複列玉軸受ユニット4により前記スイングアーム3(図11)の基端部を、前記支持軸6に対して揺動自在に支持するには、この支持軸6の周囲に上記内筒7を配置する。そして、この内筒7を、上記支持軸6の基端部に設けた段部21と、上記支持軸6の先端面にねじ22により結合固定した抑え板23との間で挟持する。図示の例では、上記1対の内輪8、8を、上記段部21と上記抑え板23とにより互いに近づき合う方向に押圧して、上記1対の玉軸受13、13に所定の接触角を持たせつつ、所定の予圧を付与している。又、これら各玉軸受13、13を組み付ける前の状態、即ち、各玉12、12を単列のみ設けた状態では、これら各玉軸受13、13にラジアル方向の正の内部隙間を設けている。
又、上記各外輪10、10及び間座20の外周面に、上記スイングアーム3の基端部を構成するEブロック24を、締り嵌め或は接着により外嵌固定する。そして、このEブロック24の一部分に、前記スイングアーム3を駆動する(揺動させる)為の、ボイスコイルモータ(VCM)25を取り付けている。
上述の様に組み立てた状態で、上記スイングアーム3の先端部に支持した前記ヘッド2(図9)は、このスイングアーム3の揺動に伴って、前記ハードディスク1(図9)の表面に近接した状態のまま、この表面を倣う様に移動しつつ、信号の読み取り並びに書き込みを行なう。尚、HDDやFDD等の磁気ディスクドライブ装置やVTR等の各種AV機器の回転支持部を構成するのにも、ほぼ同様の複列玉軸受ユニットが使用されている。
近年、HDD等の記憶装置の高密度化が進み、ハードディスク1やフレキシブルディスクに信号を記録するトラックの幅が益々狭くなっている。又、磁気記録の読み取り並びに書き込みの高速化も図られている。そして、この様に極端に幅が狭くなっているトラックを、ヘッド2により忠実に、しかも高速でトレースする必要上、上記スイングアーム3の揺動変位に伴う位置決め精度並びに揺動速度の向上、及び、ハードディスク1を高速で回転するスピンドルモータの回転精度の向上が求められている。そして、この様な要求に応じるべく、上記複列玉軸受ユニット4として、高い回転精度を有するものが求められている。又、この複列玉軸受ユニット4は、室内で使用される事が多く、高い静粛性を有する事も求められている。ところが、図12に示した従来の複列玉軸受ユニット4の場合には、この様な要求に応える事が難しい。
即ち、上述した複列玉軸受ユニット4を構成する玉軸受13、13の場合、各玉12、12の転動を円滑に行なわせる為に、これら各玉12、12の転動面と各保持器15、15を構成するポケット17、17の内面との間に存在する隙間(ポケット隙間)を、或る程度大きくしている。但し、この隙間の存在に基づいてこれら各保持器15、15が、ラジアル方向に亙って変位する事が避けられない。この様な変位が発生すると、所謂保持器音と呼ばれる騒音を伴う振動が発生する。この保持器15、15の振動は、各玉12、12に対する各保持器15、15の動き量が大きくなる事に起因して、これら各玉12、12と保持器15、15との間の滑り摩擦に基づいて発生する。又、これら各保持器15、15に対する各玉12、12の動き量が大きくなる為、これら各玉12、12の円周方向に亙る不等配(円周方向に亙る配置のばらつき)が大きくなる。そして、この様に各玉12、12の円周方向に亙る不等配が大きくなる事に起因して、上記各保持器15、15がラジアル方向に大きく変位して、これら各保持器15、15のポケット17、17の内径側又は外径側の開口端縁に各玉12、12が強く衝合する事により保持器音が生じ易くなる。又、この場合には、上記玉軸受13、13に、回転非同期振れ(Non Repeatable Run-out=NRRO)と呼ばれる、1回転毎に繰り返されないラジアル方向の微小変位が発生する事が知られている。HDD等の高精度機器の回転支持部に組み込む玉軸受13、13にこの様な微小変位が発生すると、この高精度機器の性能を悪化させる原因となる。特に、上記回転非同期振れのうちでも、保持器回転成分NRR−fC はこの性能を大きく悪化させる原因となる。
これに対して、従来から、特許文献2に記載された玉軸受の様に、上記各玉12、12の転動面と上記各ポケット17、17の内面との間の隙間(ポケット隙間)を小さくする事により、上記保持器音及び回転非同期振れの保持器回転成分NRR−fC を抑える事が考えられている。但し、上記隙間を小さくし過ぎると、軸受トルクが増大したり、潤滑不良により音響特性が悪化し易くなる。この為、この隙間を小さくする事には限界がある。
又、前述の図12に示した様に、組み付け前の状態、即ち、各玉12、12を単列のみ設けた状態で、ラジアル方向の内部隙間を有する玉軸受13、13とし、各玉12、12に予圧を付与して(0ではない)接触角を持つ状態で使用する玉軸受13、13の場合には、上記保持器音及び回転非同期振れが大きくなり易い事が分かった。この理由を、本発明者は次の様に考えた。即ち、前述の図12に示した様に予圧を付与して接触角を設けた構造の場合、各玉12、12の転動面と各内輪、外輪軌道9、11との接触部は、ヘルツの弾性接触により変形する。このとき、上記接触角が存在すると、この接触角に対応して、上記各玉12、12と各内輪、外輪軌道9、11との接触点に作用する分力が小さくなり、上記接触部での面圧が小さくなる。この様に、前述の図12に示した構造の場合には、この接触部での面圧が小さくなる為、この接触部に存在する油膜での滑りが大きくなり、この接触部に作用するトラクション力が小さくなる。この為、上記各玉12、12が保持器15に押される事により、これら各玉12、12の円周方向に亙る不等配が大きくなり易い。そして、この不等配が大きくなる事により上記保持器15がラジアル方向に大きく変位して、保持器15の回転非同期振れ成分NRR−fC と保持器音とが大きくなり易い。
又、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜2の他に、特許文献3〜8がある。
特開平7−111053号公報 特開2000−205269号公報 特開20002−155953号公報 特開平10−159843号公報 特開2002−235739号公報 特開2001−12464号公報 特開平6−221326号公報 特開2000−97243号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、保持器音及び回転非同期振れを有効に抑えるべく発明したものである。
本発明の玉軸受は、内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器とを備える。又、この保持器は、全体が円環状若しくは円筒状で、複数のポケットを円周方向に亙り間欠的に形成すると共に、上記内輪相当部材又は外輪相当部材により案内したものである。又、上記保持器及び複数の玉のみを組み合わせた状態で、この保持器の中心軸をその中心とし、上記外輪軌道の底部の直径と内輪軌道の底部の直径との和の1/2をその直径とした円周上に上記各玉を配置した状態からの、これら各玉の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量をδとし、上記内輪相当部材又は外輪相当部材に対する上記保持器の案内隙間の直径成分をcとした場合に、c≦1.9δを満たしている。
又、請求項2に記載した、本発明の軸受装置は、上述の玉軸受を備え、各玉を単列のみ設けた状態でこの玉軸受の内部にラジアル方向の正の内部隙間を設けており、各玉と外輪軌道及び内輪軌道とを所定の大きさの接触角で接触させつつ、これら各玉に予圧を付与している。
上述の様に構成する本発明の玉軸受及びこの玉軸受を組み込んだ軸受装置によれば、保持器音及び回転非同期振れを有効に抑える事ができる。又、各玉の転動面と各ポケットの内面との間の隙間を徒に小さくする必要がない為、軸受トルクが徒に増大したり、潤滑不良により音響特性が徒に悪化する事を防止できる。
尚、特許文献3には、内輪又は外輪に対する案内隙間の、玉軸受の内径に対する割合を所定の範囲に規制した玉軸受が記載されている。そして、この特許文献3に記載された玉軸受によれば、各玉の円周方向に亙る不等配を生じにくくする事により、保持器の回転非同期振れ成分を抑える事ができる。これに対して、本発明の場合には、保持器及び複数の玉のみを組み合わせた状態で、この保持器の中心軸をその中心とし、外輪軌道の底部の直径と内輪軌道の底部の直径との和の1/2をその直径とした円周上に各玉を配置した状態からの、これら各玉の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量δと、上記内輪相当部材又は外輪相当部材に対する上記保持器の案内隙間の直径分cとを、所定の関係を満たす様に規制している。この為、本発明で規制するパラメータは、特許文献3に記載された発明の場合と異なる。そして、本発明の場合には、各玉の円周方向に亙る不等配が大きくなった場合でも、これら各玉が保持器のポケットの内径側又は外径側の開口端縁に強く衝合する事を防止して、保持器音及び回転非同期振れを有効に抑える事ができると言った、特許文献3に記載された玉軸受によっては得られない作用・効果を得られる。
本発明の軸受装置を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、外輪相当部材又はこの外輪相当部材を内嵌固定する外側部材を構成する材料の線膨張係数を、内輪相当部材又はこの内輪相当部材を外嵌固定する内側部材を構成する材料の線膨張係数よりも大きくすると共に、各玉に定位置予圧法により予圧を付与する。より好ましくは、上記外側部材を構成する材料の線膨張係数を、(20〜50)×10-6{更に好ましくは(20〜25)×10-6}とし、上記内側部材を構成する材料の線膨張係数を、(10.1〜16.8)×10-6とする。更に好ましくは、玉軸受の外輪相当部材及び内輪相当部材を構成する材料の線膨張係数を、(10.1〜16.8)×10-6{更に好ましくは(10.1〜13.5)×10-6}とする。
この好ましい構成によれば、使用時の温度上昇に基づいて玉軸受での予圧抜けが生じ易くなっても、保持器の各ポケット内での内径側及び外径側への各玉の最大変位量のうちの小さい変位量δと、内輪相当部材又は外輪相当部材に対する保持器の案内隙間の直径分cとを所定の関係を満たす様に規制する事により、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができると言った効果が顕著になる。
図1〜2は、本発明の実施例1の玉軸受13aを示している。この玉軸受13aは、深溝型又はアンギュラ型のラジアル玉軸受で、内周面に外輪軌道11を有する外輪相当部材である、外輪10と、外周面に内輪軌道9を有する内輪相当部材である、内輪8と、上記外輪軌道11とこの内輪軌道9との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数個の玉12、12と、これら各玉12、12を転動自在に保持する保持器15aとを備える。又、この保持器15aは、合成樹脂を射出成形する事により全体を円環状に形成したもので、複数のポケット17を円周方向に亙り間欠的に形成している。又、この保持器15aの具体的な形状に就いては、前述の図13に示した従来構造とほぼ同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
特に、本例の玉軸受13aの場合には、上記保持器15aを、上記内輪8の外周面により案内した、内輪案内としている。又、図2に示す様に、この保持器15a及び上記複数個の玉12のみを組み合わせた状態で、上記保持器15aの中心軸o(図1)をその中心とし、上記外輪軌道11の底部の直径d1 と上記内輪軌道の底部の直径d2 との和の1/2をその直径d3 {=(d1 +d2 )/2}(図1)とした円周(以下、「軸受P.C.D.」とする。)上に位置する様に、上記各ポケット17内に上記各玉12を配置した状態を考える。そしてこの状態からの、これら各玉12の内径側及び外径側への最大変位量(各玉12が各ポケット17の開口端縁に接触する迄の間の変位量)のうちの小さい変位量を、δと定義する。又、本例の場合には、上記各ポケット17の凹面部19の曲率中心o´を、上記軸受P.C.D.上に位置させている。但し、本発明は、上記各ポケット17の凹面部19の曲率中心を、この軸受P.C.D.上に位置させる構造に限定するものではない。
又、上記内輪8に対する上記保持器15aの案内隙間の直径分を、cと定義する。即ち、この内輪8の外周面とこの保持器15aの主部16の内周面との間の隙間と、この隙間部分と直径方向反対側位置での、この内輪8の外周面とこの主部16の内周面との間の隙間との和を、上記案内隙間の直径分cと定義する。そして、この様にδ、cを定義した場合に、c≦1.9δを満たす様に、各部の寸法を規制している。又、上記案内隙間の直径分cを、好ましくは0.005mm(5μm)以上とし、より好ましくは0.010mm(10μm)以上とする。尚、本発明は、図示の様に、上記保持器15aを構成する主部16の内周面を、単なる円筒面とした構造に限定するものではなく、保持器を構成する主部の内周面に、内径側に突出する案内突部を設けて、この案内突部の先端面を内輪8の外周面に対向させる事もできる。
又、本例の玉軸受13aは、使用時に、外側部材であるEブロック24(図12参照)の内周面と、内側部材である内筒7(図12参照)の外周面との間に組み付ける。そして、上記玉軸受13aを上記Eブロック24の内周面とこの内筒7の外周面との間に組み付ける前の状態、即ち、各玉12、12を単列のみ設けた状態で、上記玉軸受13aに、ラジアル方向の正の内部隙間を設けている。この内部隙間は、この玉軸受13aの組立性の向上を図る面から、0.003mm(3μm )以上、より好ましくは、0.005mm(5μm )以上とする。
それぞれが上述の様に構成する本例の玉軸受13aは、前述の図12に示した様に、上記Eブロック24の内周面と内筒7の外周面との間に1対組み込んで、軸受装置である、複列玉軸受ユニット4とした状態で使用する。又、この複列玉軸受ユニット4は、上記各玉軸受13aを構成する外輪10の軸方向一端面を、間座20を介して突き合わせると共に、各内輪8を、基板5に設けた段部21及び抑え板23とにより、互いに近づき合う方向に押圧する。そして、上記各玉軸受13aを構成する各玉12、12と上記各内輪、外輪軌道9、11とを(0ではない)所定の大きさの接触角で接触させつつ、定位置予圧法により、これら各玉12、12に所定の予圧を付与する。この所定の大きさの接触角は、5〜30度が好ましい。この接触角が5度よりも小さいと、アキシアル剛性が小さくなり、回転精度に影響を及ぼし、逆に、この接触角が30度よりも大きいと、スピンが大きくなり、発熱等の問題が生じる。より好ましくは、この接触角の大きさを、10〜22度とする。
又、本例の場合には、上記Eブロック24を構成する材料の線膨張係数を、上記内筒7を構成する材料の線膨張係数よりも大きくしている。具体的には、上記Eブロック24を構成する材料の線膨張係数を、(20〜50)×10-6とし、上記内筒7を構成する材料の線膨張係数を、(10.1〜16.8)×10-6としている。より好ましくは、上記玉軸受13aの外輪10及び内輪8を構成する材料の線膨張係数を(10.1〜16.8)×10-6{更に好ましくは(10.1〜13.5)×10-6}とする。例えば、上記Eブロック24を構成する材料として、線膨張係数が(20〜25)×10-6であるアルミニウム合金、線膨張係数が20.5×10-6である銅合金、線膨張係数が(20〜50)×10-6である合成樹脂等を使用する。又、このうちのアルミニウム合金は、最も汎用性が高い。この為、上記Eブロック24を構成する材料のより好ましい線膨張係数は、このアルミニウム合金の線膨張係数と同じ範囲である、(20〜25)×10-6とする。
又、上記内筒7と外輪10及び内輪8とを構成する材料として、線膨張係数が10.1×10-6であるマルテンサイトステンレス鋼、線膨張係数が12.5×10-6である軸受鋼、線膨張係数が13.5×10-6である中炭素鋼、線膨張係数が16.8×10-6であるオーステナイトステンレス鋼等を使用する。但し、上記外輪10及び内輪8を構成する材料として、オーステナイトステンレス鋼を使用する事は実際上少ない。この為、この外輪10及び内輪8を構成する材料の、より好ましい線膨張係数は、上記マルテンサイトステンレス鋼と、軸受鋼と、中炭素鋼との線膨張係数を含み、上記オーステナイトステンレス鋼の線膨張係数を除いた範囲である、(10.1〜13.5)×10-6とする。又、前記各玉12を構成する材料として、上記外輪10及び内輪8を構成する材料と同じものを使用できる他、線膨張係数が2.6×10-6である窒化珪素Si3N 4等も使用できる。
上述の様に構成する本例の玉軸受とこれを組み込んだ軸受装置の場合には、保持器音及び回転非同期振れを有効に抑える事ができる。次に、この理由を詳しく説明する。
即ち、本発明者は、次に説明する第一〜第二の計算結果から、保持器15aを構成する各ポケット17内での各玉12、12の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量δと、内輪8に対するこの保持器15aの案内隙間の直径分cとを、所定の関係を満たす様に規制する事により、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができる事を突き止めた。
先ず、第一の計算は、前述の図12に示した様な従来構造の玉軸受13で、保持器音の原因となる保持器15の運動を確認する為に行なったもので、この保持器15のラジアル方向の変位を、コンピュータにより計算(シミュレーション)した。又、上記第一の計算では、玉軸受13の内径を3mmとし、同じく外径を6.2mmとし、各玉12の直径を1.2mmとし、玉数を6個とし、各玉12のP.C.D.(軸受P.C.D.)を3.9mmとした。又、上記保持器15に設けた各ポケット17の内面と各玉12の転動面との間のポケット隙間を、0.035mmとした。又、上記玉軸受13の基本動ラジアル定格荷重Cr を300Nとし、2.9Nのアキシアル荷重を加えて、上記各玉12に予圧を付与した。又、これら各玉12と各内輪、外輪軌道9、11との接触部での最大接触面圧Pmax を、900〜1200MPaとした。そして、内輪8を固定し、外輪10を9000min-1 の速度で回転させた場合での、上記保持器15のラジアル方向の振れを計算により求めた。
図3は、この様にして行なった第一の計算結果を示している。この図3に於いて、横軸は保持器15の回転回数を、縦軸はこの保持器15のラジアル方向の変位を、それぞれ表している。又、この縦軸の数値は、この保持器15の中心軸が内輪8及び外輪10の中心軸と一致している場合を0とし、この保持器15が中心軸に直交する任意の方向で、この中心軸に関して両側に変位する場合を、それぞれ正及び負の符号で表している。図3に示した計算結果から明らかな様に、保持器15の内径側及び外径側への最大変位量は、保持器15の回転回数の増大に伴って徐々に大きくなり、或る回転回数で最大になった後、徐々に減少し、別の或る回転回数で最小になった。そして、この様なサイクルを、保持器15の回転回数が増大するのに従って繰り返した。又、本発明者が、玉12と保持器15との衝突力を求めたところ、この保持器15のラジアル方向の変位量が大きくなる場合に、大きな衝突力が発生する事が分かった。この衝突力が大きいと、保持器音及び回転非同期振れが大きくなる。例えば、図3に示す場合には、同図にα、βで示す範囲で、保持器音が大きくなる。従って、保持器15のラジアル方向の振れ量(変位量)を抑える事ができれば、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができる事が分かった。
又、上記保持器15の振れ量は、各玉12の円周方向に亙る不等配が大きくなる場合に大きくなると考えられる。即ち、図4に示す様に、各玉12、12が内輪8の内周面と外輪10の外周面との間で円周方向に均一に配置されている場合には、保持器15のラジアル方向の最大変位量L1 は、この保持器15の各ポケット17、17の内面と各玉12、12の転動面との間の円周方向のポケット隙間の大きさL2 よりも小さくなる。この場合、一部の玉12、12の転動面が上記各ポケット17、17の内面の径方向中間部(図4の点P、Q)に当接する事により、上記保持器15の変位が規制される。又、上記保持器15から上記一部の玉12、12に、図4に矢印イ、ロで示す方向に力が加わる。これに対して、この保持器15に回転アンバランスが存在する等に基づき、この保持器15は回転回数の増大に伴って徐々に振れ回り運動し易くなる。そして、図5に示す様に、上記各玉12、12の円周方向に亙る不等配が大きくなる可能性がある。この図5に示す場合には、同図の上半部で隣り合う2個の玉12、12同士の間隔が小さくなっており、同図の下半部で隣り合う2個の玉12、12同士の間隔が大きくなっている。この様に各玉12、12の円周方向に亙る不等配が大きくなった場合には、上記保持器15がラジアル方向に、上記ポケット隙間の大きさL2 よりも大きな寸法L1 ´分変位する可能性がある。そして、この保持器15がラジアル方向に大きく変位した場合には、この保持器15に設けた各ポケット17、17の開口端縁(図5の点P´、点Q´)に一部の玉12が強く衝合する事により、保持器音及び回転非同期振れが大きくなると考えられる。尚、図5に示す場合には、上記保持器15から上記一部の玉12に、同図に矢印イ´、ロ´で示す方向に力が加わる。これらの事情から、上記各玉12、12の円周方向に亙る不等配が大きくなり、上記保持器15がラジアル方向に大きく変位する傾向となった場合でも、上記各ポケット17、17の開口端縁に上記各玉12、12が衝合する以前に、上記内輪8の外周面又は外輪10の内周面に上記保持器15を当接させ、この保持器15をこの内輪8又は外輪10により案内させれば、上記保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができる事が分かった。
次に、本発明者は、第二の計算により、保持器15及び複数の玉12、12のみを組み合わせた状態で、軸受P.C.D.上に上記各玉12、12を配置した状態からの、これら各玉12、12の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量δと、保持器15を玉軸受13aに組み込んだ状態での、この保持器15のラジアル方向の変位の両振幅の限界値A(図3)との関係を求めた。又、上記第二の計算では、前述の図3にその計算結果を示した第一の計算で使用した玉軸受13と同様のもので、保持器15の外径及び内径と、各ポケット17、17の内面の曲率半径とを種々に異ならせたものを用いた。そして、内輪8を固定し、外輪10を9000min-1 の速度で回転させた。
図6は、この様な条件で行なった第二の計算結果を示している。尚、図6に示した直線Lは、上記第二の計算により得られた計算値を表す複数の点に関する近似直線であり、A=1.93δの関係にある。この様な第二の計算結果から明らかな様に、上記限界値Aと上記変位量δとは、ほぼA=1.93δの関係を満たしている。そこで、本発明では、内輪8又は外輪10に対する案内隙間の直径分cを考えて、この直径分cと上記変位量δとを、c≦1.9δの関係を満たす様に規制した。この様な本発明によれば、上記案内隙間の直径分cを、上記保持器15aのラジアル方向の変位の両振幅の限界値Aよりも小さくする事ができる。この為、各玉12、12を各ポケット17に組み込んだ状態から、これら各玉12、12がこれら各ポケット17の内径側又は外径側の開口端縁に衝合する以前に、上記保持器15aを上記内輪8又は外輪10の周面に当接させる事ができ、上記保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができる。又、本発明の場合には、上記各玉12、12の転動面と各ポケット17の内面との間のポケット隙間を徒に小さくする必要がない為、軸受トルクが徒に増大したり、潤滑不良により音響特性が徒に悪化する事を防止できる。
図7は、本発明の効果を確認すべく行なった第三の計算結果を示している。この第三の計算は、前述の図3にその計算結果を示した、第一の計算と同様の計算を、本発明の玉軸受13aに就いて行なった。又、この第三の計算では、上記案内隙間の直径分cと上記変位量δとに関する寸法以外は、上記第一の計算で用いた玉軸受13と同様の寸法を有するものを用いた。上記図7に示した第三の計算結果を、前述の図3に示した第三の計算結果と比較すれば明らかな様に、本発明の場合には、保持器15aのラジアル方向の変位量を抑える事ができ、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができる。
更に、上記案内隙間の直径分cを0.005mm(5μm)以上とした場合には、本例の様に上記保持器15aを合成樹脂を射出成形する事により造る場合の様に、この保持器15aでの製造上不可避な寸法誤差が比較的大きくなる場合でも、外輪10と内輪8との間への保持器15aの組み付け性が悪化する事を防止できる。又、上記案内隙間の直径分cを0.010mm(10μm)以上とした場合には、内部を潤滑するグリースが上記案内隙間部分に入り込んで、回転トルクが徒に増大する事を防止できる。
又、本例の軸受装置の場合には、前記Eブロック24を構成する材料の線膨張係数を、前記内筒7を構成する材料の線膨張係数よりも大きくすると共に、上記各玉12、12に定位置予圧法により予圧を付与している。この為、使用時の温度上昇に基づいて、玉軸受13aでの予圧抜けが生じ易くなり、各玉12、12が円周方向に亙り不等配になり易くなる。この様な場合にも、本例の軸受装置の場合には、各ポケット17内での内径側及び外径側への各玉12、12の最大変位量のうちの小さい変位量δと、内輪8又は外輪10に対する保持器15aの案内隙間の直径分cとを、所定の関係を満たす様に規制する事により、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができると言った効果が顕著になる。尚、本例の場合には、上記保持器15aを内輪案内とした場合に就いて説明した。但し、本発明では、この保持器15aを外輪案内とする事もできる。又、この保持器15aの外周面に外径側に突出する案内突部を形成して、この案内突部の先端面を外輪10の内周面に対向させる事もできる。
又、本例の軸受装置の場合には、請求項3に係る発明として、外側部材である、上記Eブロック24を構成する材料の線膨張係数を、内側部材である、上記内筒7を構成する材料の線膨張係数よりも大きくすると共に、上記各玉12、12に定位置予圧法により予圧を付与している。但し、請求項3に係る発明は、この様なEブロック24と内筒7とを設けた軸受装置に適用する場合に限定するものではない。例えば、図8に示す様に、外周面に1対の内輪軌道9a、9aを形成した内輪相当部材である、軸26と、内周面に1対の外輪軌道11a、11aを形成した外輪相当部材である、外輪27とを、複数の玉12、12を介して組み合わせると共に、これら複数の玉12、12に予圧を付与した複列玉軸受28に、請求項3に係る発明を適用する事もできる。
又、図9に示す様に、軸26aの片半部(図9の右半部)に設けた小径部30に内輪29を外嵌固定すると共に、外輪27の内側にこの軸26a及び内輪29を、複数の玉12、12を介して組み合わせて成る複列玉軸受28aに、請求項3に係る発明を適用する事もできる。即ち、この複列玉軸受28aの場合、軸26aが、小径部30と大径部31とを段部32により連続させており、この大径部31の外周面に1対の内輪軌道9a、9aのうちの一方の内輪軌道9aを形成している。又、内輪29は、自由状態に於いて上記小径部30の外径よりも少し小さな内径を有する。又、この内輪29は外周面に、上記1対の内輪軌道9a、9aのうちの他方の内輪軌道9aを形成している。そして、上記小径部30にこの内輪29を外嵌した後に、上記軸26a及びこの内輪29を上記外輪27の内側に挿入し、次いで、上記各内輪軌道9a、9aと各外輪軌道11a、11aとの間に玉12、12を転動自在に組み付けている。又、この様に組み付けた後に、上記内輪29を上記段部32に向け、軸方向に変位させる事により、上記1対の内輪軌道9a、9aのピッチP1 を短くし、上記各玉12、12に所定の予圧を付与している。請求項3に係る発明は、この様な構造に適用する事もできる。
更に、図10に示す様に、外周面に1対の内輪軌道9a、9aを形成した軸26と、それぞれの内周面に外輪軌道11a、11aを形成した1対の外輪10、10とを複数の玉12、12を介して組み合わせると共に、これら各外輪10、10の間にばね33を設けた複列玉軸受28bに、請求項3に係る発明を適用する事もできる。このばね33の両端部は、これら各外輪10、10の端部内周面に形成した係止溝34、34に係止したばね座35、35の側面に当接させている。そして、上記ばね33の弾力により、各玉12、12に所定の予圧を付与する為の位置決めを行なっている。この様にして、図10に示す複列玉軸受28bは、外側部材に相当する、図示しないハウジングの内側に組み付けた状態で、定位置予圧法により上記各玉12、12に所定の予圧を付与する。即ち、図10に示す複列玉軸受28bを定位置予圧法により所定の予圧を付与した状態で使用する場合には、上記ハウジングの内側に組み付ける以前の状態で、予め上記ばね33により、所定の接触角を持たせた状態で、上記各玉12、12に所定の予圧を付与しておく。そして、上記ハウジングに上記各外輪10、10を、所定の位置に圧入若しくは接着等により内嵌する事により、上記各玉12、12に所定の予圧を付与する。請求項3に係る発明は、この様な定位置予圧法により各玉12、12に予圧を付与した状態で使用する複列玉軸受28bに適用した場合でも、保持器15の各ポケット内での内径側及び外径側への各玉12、12の最大変位量のうちの小さい変位量δと、軸26又は外輪10に対する保持器15の案内隙間の直径分cとを所定の関係を満たす様に規制する事により、保持器音及び回転非同期振れを抑える事ができると言った効果が顕著になる。尚、上記図10に示す複列玉軸受28bを組み立てた状態で、この複列玉軸受28bを構成する各玉軸受13b、13bの内部には、ラジアル方向の内部隙間が存在しないが、ばね33を装着する以前の、軸26と玉12、12と外輪10、10とを組み合わせた状態では、ラジアル方向の正の内部隙間が存在する。
本発明の実施例1の玉軸受を示す断面図。 内輪及び外輪を取り外した状態で示す、図1のX−X断面図。 第一の計算結果として、保持器の回転回数とこの保持器のラジアル方向の変位との関係を示す図。 玉軸受の断面を、各玉が円周方向に亙り均一に配置された状態で示す図。 同じく各玉が円周方向に亙り不等配になった状態で示す図。 第二の計算結果として、保持器の各ポケットに各玉を組み込んで軸受P.C.D.上に配置した状態からの、これら各玉の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量δと、上記保持器のラジアル方向の変位の両振幅の限界値Aとの関係を示す図。 本発明の効果を確認すべく行なった第三の計算結果を示す、図3と同様の図。 本発明の対象となる軸受装置の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。 本発明の対象となる玉軸受により支承するスイングアームを組み込んだHDDの1例を、カバーを外した状態で示す斜視図。 従来構造の1例の軸受装置を示す断面図。 図12から保持器のみを取り出して示す斜視図。
符号の説明
1 ハードディスク
2 ヘッド
3 スイングアーム
4 複列玉軸受ユニット
5 基板
6 支持軸
7 内筒
8 内輪
9 内輪軌道
10 外輪
11 外輪軌道
12 玉
13、13a、13b 玉軸受
14 シールド板
15、15a 保持器
16 主部
17 ポケット
18 弾性片
19 凹面部
20 間座
21 段部
22 ねじ
23 抑え板
24 Eブロック
25 ボイスコイルモータ
26、26a 軸
27 外輪
28、28a、28b 複列玉軸受
29 内輪
30 小径部
31 大径部
32 段部
33 ばね
34 係止溝
35 ばね座

Claims (3)

  1. 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら外輪軌道と内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器とを備え、この保持器は、全体が円環状若しくは円筒状で、複数のポケットを円周方向に亙り間欠的に形成すると共に、上記内輪相当部材又は外輪相当部材により案内したものであり、上記保持器及び複数の玉のみを組み合わせた状態で、この保持器の中心軸をその中心とし、上記外輪軌道の底部の直径と内輪軌道の底部の直径との和の1/2をその直径とした円周上に上記各玉を配置した状態からの、これら各玉の内径側及び外径側への最大変位量のうちの小さい変位量をδとし、上記内輪相当部材又は外輪相当部材に対する上記保持器の案内隙間の直径分をcとした場合に、c≦1.9δを満たす玉軸受。
  2. 請求項1に記載した玉軸受を備え、各玉を単列のみ設けた状態でこの玉軸受の内部にラジアル方向の正の内部隙間を設けており、各玉と外輪軌道及び内輪軌道とを所定の大きさの接触角で接触させつつ、これら各玉に予圧を付与した軸受装置。
  3. 外輪相当部材又はこの外輪相当部材を内嵌固定する外側部材を構成する材料の線膨張係数を、内輪相当部材又はこの内輪相当部材を外嵌固定する内側部材を構成する材料の線膨張係数よりも大きくすると共に、各玉に定位置予圧法により予圧を付与した、請求項2に記載した軸受装置。
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