JP2005090694A - スプライン結合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高剛性のスプライン軸とスプライン孔との間の相対的な微動を防止し、簡略な構造により油脂の漏洩を防止でき、広範な条件下で使用可能なスプライン結合構造の提供。
【解決手段】 スプライン孔14とスプライン軸11とのスプライン結合構造において、スプライン軸11の基端側12に第1のテーパ面16を形成し、スプライン孔14縁に第1のテーパ面16と面接触する第2のテーパ面17を形成し、スプライン軸11をスプライン孔14にボルト31によって軸方向に締結する。そして、スプライン孔14とスプライン軸11との間の間隙を、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17とが面接触することで形成されるシール及びボルト31とボルト孔25との間のOリング30cによるシールによって外部から密閉する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、駆動側部分から被駆動側部分へトルクを伝達する軸継手等において使用されるスプライン結合構造に関するものである。
従来、駆動側部分から被駆動側部分へトルクを伝達する軸継手等において、駆動側部分と被駆動側部分とを結合するものの1つにスプライン結合がある。スプライン結合においては、駆動側部分と被駆動側部分とにスプライン軸とスプライン孔とをそれぞれ形成し、スプライン軸をスプライン孔に嵌合して、駆動側部分と被駆動側部分とを結合している。
駆動側部分又は被駆動側部分に設けられるスプライン軸の基端側には、駆動側部分又は被駆動側部分の端面とスプライン軸との間で略直角のコーナー部分が形成されている。
また、スプライン軸とスプライン孔は嵌め合い公差を有して形成されており、バックラッシ等の間隙がスプライン軸とスプライン孔との間のスプライン結合に存在する。この間隙には油脂が充填されており、スプライン軸やスプライン孔の酸化を防止している。
このようなスプライン結合では、バックラッシがあるために、駆動側部分と被駆動側部分との間に両者の同軸度の違いが存在したり、両者の回転に不釣合いが存在したりすると、曲げ荷重をスプライン結合部分が受け、スプライン軸とスプライン孔との間で振動等の相対的微動が生じ、フレッチング腐食等の損傷の原因となったりする。
したがって、スプライン軸とスプライン孔との間の相対的微動が許容されず、バックラッシをなくなさなければならない場合には、スプライン軸をスプライン孔内に固定することが行われている。
スプライン軸をスプライン孔内に固定するために、スプライン結合部分の一部又は全部を変形させる方法がある。このうち、スプライン孔の一部を変形させるものとして、例えば、スプライン孔を有する円筒ボスの本体に、先端から基端にかけて、ボスの半径方向を直交して横切る方向へ左右の真円孔を対向配置すると共に各真円孔の中心部を連通孔により貫通接続した軸方向の変形長孔を穿設し、また、円筒ボスの本体には、ボスの半径方向沿いに前記変形長孔の中央底面と連通する螺子孔を設け、この螺子孔に螺挿された螺子の先端がスプライン孔の内周面を押圧し、スプライン孔の内周面を変形させ、スプライン軸をスプライン孔内に固定装着するスプライン軸の固定装置がある(特許文献1を参照)。
また、スプライン軸の一端をこのスプライン軸に対して垂直なスプライン孔側部分の面に当接させるとともに、スプライン軸の他端から軸方向にボルト等を挿通し、このボルト等によってスプライン孔側部分とスプライン軸とを螺子結合し、スプライン軸をスプライン孔内に固定する方法もある。
実公昭55―48823号公報
しかしながら、従来のスプライン孔の内周面を変形させる方法では、螺挿された螺子の先端がその螺挿方向の押圧をスプライン孔の内周面に加えることとなり、スプライン孔の内周面がいびつに変形する。スプライン孔の内周面がいびつな形状になると、スプライン軸の外周面とスプライン孔の内周面とが均一に接触せず、両者間の密着が不充分なものとなり、緊密にスプライン軸をスプライン孔に固定することが困難となり、スプライン軸とスプライン孔との間の相対的微動を完全に防止できない。また、スプライン孔の内周面がいびつな形状になるためにスプライン軸が撓んで軸心にずれを生じ、スプライン結合部分に曲げ荷重が働く場合に、スプライン軸の基端側は大きな引張り応力を受け、スプライン軸の基端側のコーナー部に引張り応力が局所的に集中し、割れ等の損傷を生じやすい。
従来の螺子結合で固定する方法で締めつけトルクを大きくして、スプライン軸をスプライン孔に緊密に固定し、相対的微動を防止しようとする場合でも、以下の問題が生じて好ましくない。すなわち、駆動側部分と被駆動側部分との間に両者の同軸度の違いが存在する場合、締めつけトルクを大きくしてそのまま固定すると、スプライン結合部分に曲げ荷重が働くときに、スプライン軸の基端側のコーナー部に引張り応力が集中して損傷を生じやすく、締めつけトルクを大きくすることには限度があり、スプライン軸とスプライン孔との間の相対的微動を完全になくすことができない。
また、従来のスプライン結合では、油脂がスプライン結合部分から漏洩することを防止するために、スプライン軸やスプライン孔に特殊なシール加工を施す必要があり、その加工が煩雑なものとなっていた。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、スプライン軸とスプライン孔との間の相対的微動を防止し、スプライン軸に高い剛性を付与し、簡略な構造によりスプライン結合部分から油脂が漏洩することを防止でき、広範な条件下で使用できるスプライン結合構造を提供することである。
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係るスプライン結合構造は、駆動側部分と被駆動側部分のうちの一方に形成したスプライン孔と、他方に形成したスプライン軸とのスプライン結合構造であって、スプライン軸は一端にテーパを形成した第1のテーパ面を有し、スプライン孔はスプライン軸の第1のテーパ面と面接触するテーパを形成した第2のテーパ面を有し、スプライン軸とスプライン孔とを軸方向に締結する締結手段を備える。
請求項1の発明によると、スプライン軸とスプライン孔は、第1のテーパ面と第2のテーパ面とが嵌合し、締結手段がスプライン軸とスプライン孔とを軸方向に締結している。締結手段がスプライン孔の第2のテーパ面をスプライン軸の第1のテーパ面に押圧しており、スプライン孔の内径を押し広げる方向の力がスプライン軸の第1のテーパ面からスプライン孔の第2のテーパ面に働く。同時に、第2のテーパ面とは反対側で、スプライン孔の内周面には、径方向内側向きの力が全周にわたって均一に働く。この径方向内側向きの力によってスプライン孔の内周面が全周にわたって均一に変形し、スプライン孔の内径が絞られて狭まる。そして、スプライン孔の内周面の内径が狭まった部分が、スプライン軸の外周面と全周にわたって均一に密着し、スプライン軸がスプライン孔と軸心を一致させて固定される。スプライン軸がスプライン孔に対して相対的に動くことはできなくなり、スプライン結合において相対的微動が生じることはない。
請求項2の発明に係るスプライン結合構造は、請求項1に記載のスプライン結合構造であって、スプライン軸がその基端側に第1のテーパ面を有する。
請求項2の発明によると、スプライン軸の基端側に第1のテーパ面が形成されているので、スプライン軸に働く応力はこのテーパ部分で分散される。したがって、スプライン軸の基端側が応力集中により損傷することは防止され、スプライン軸の剛性も高まる。
請求項3の発明に係るスプライン結合構造は、請求項2に記載のスプライン結合構造であって、駆動側部分と被駆動側部分のうちスプライン孔を形成された方は、スプライン軸の先端側にあるスプライン孔の端部の周囲に、スプライン孔の径方向外側を向く被押圧面を有し、スプライン軸とスプライン孔とを軸方向に締結する締結手段が、スプライン孔の径方向内側を向いて被押圧面と対向する押圧面を有し、被押圧面と押圧面のうちの一方がテーパを形成した第3のテーパ面を有し、締結手段が押圧面を被押圧面に押圧する。
請求項3の発明によると、締結手段が、スプライン軸の押圧面をスプライン孔の被押圧面に押圧し、スプライン軸の先端側において、スプライン孔には径方向内側向きの力が働く。この径方向内側向きの力によって、スプライン孔の内周面が変形し、その内径が絞られて狭まる。したがって、スプライン孔の内径を絞って狭める力が、スプライン軸の先端側において、請求項2に記載のスプライン結合構造よりも、スプライン孔により大きく働くこととなり、スプライン軸の外周面とスプライン孔の内周面との密着が一層高まる。
請求項4の発明に係るスプライン結合構造は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のスプライン結合構造であって、スプライン軸の第1のテーパ面とスプライン孔の第2のテーパ面との面接触部分を気密化するとともに、スプライン軸とスプライン孔との間に形成される間隙を密閉するシール手段を有する。
請求項4の発明によると、スプライン軸とスプライン孔との間にできる間隙は、シール手段と、スプライン軸の第1のテーパ面とスプライン孔の第2のテーパ面との面接触部分とにより外部から密閉されるので、この隙間に充填された油脂が外部に漏洩することはない。
本発明のスプライン結合構造は、スプライン軸とスプライン孔との間の相対的微動を防止し、スプライン軸に高い剛性を付与し、簡略な構造によりスプライン結合部分から油脂が漏洩することを防止でき、広範な条件下で使用できるという効果がある。
本発明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係るスプライン結合構造の一部を破断して示す構成図である。
被駆動側部分をなす油圧ポンプ1と、駆動側部分の一部をなすカップリング3とがスプライン結合構造により結合されている。以下、このスプライン結合構造の構成を述べる。
マウント2に固定された油圧ポンプ1には、カップリング3側へ突出するスプライン軸11が形成されている。スプライン軸11の基端側12にはテーパを有する第1のテーパ面16が形成されており、第1のテーパ面16においてスプライン軸11の径がスプライン軸11先端に向かって徐々に小さくなっている。スプライン軸11はその外周面上に軸方向に延びる雄スプライン20の歯を有する。スプライン軸11先端にはボルト孔23が開口している。
カップリング3は円筒部材からなり、その内周面がスプライン孔14を形成している。カップリング3の一方の端面4にはフランジ27が形成されており、他方の端面5側のスプライン孔14の縁にはテーパを有する第2のテーパ面17が形成されている。第2のテーパ面17のテーパ角度は、第1のテーパ面16のテーパ角度と同じ大きさである。スプライン孔14の内周面上には、スプライン軸11の雄スプライン20と対応する雌スプライン21の歯が形成されている。
端面5側から、スプライン孔14内にスプライン軸11が挿入されており、雄スプライン20と雌スプライン21とが嵌合し、スプライン軸11の基端側12とカップリング3の端面5側のスプライン孔14の縁とが当接し、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17とが面接触してシールを形成している。雄スプライン20と雌スプライン21との間には、両者の嵌合のために必要なバックラッシが存在する。
スプライン孔14の端面4側はリテーナ28によって塞がれている。リテーナ28は段部29を外周面上に有する円柱状部材であり、リテーナ28の段部29がカップリング3のフランジ27上に着座し、リテーナ28の小径部分がスプライン孔14内に挿入されている。
リテーナ28はその軸方向中心を貫通するボルト孔24を有し、ボルト31がボルト孔24を通ってスプライン軸11のボルト孔23内に螺入されており、ボルト31がスプライン軸11とスプライン孔14とを軸方向に締結している。
そして、ボルト31、ボルト孔23、ボルト孔24及びリテーナ28が締結手段を構成している。
リテーナ28の小径部分の外周面には、Oリング30aが嵌められており、Oリング30aがリテーナ28の小径部分の外周面とスプライン孔14の内周面との間をシールしている。また、リテーナ28の大径側のボルト孔24の縁は切り欠かれており、この切り欠きにOリング30bが嵌められており、Oリング30bがボルト31の頭部とボルト孔24の前記切り欠きとの間に挟まれて、ボルト31とボルト孔24との間をシールしている。そして、Oリング30aがOリング30bとともにシール手段を構成している。
スプライン軸11の表面とスプライン孔14の内周面との間には油脂が充填されている。
次に、作用について説明する。
スプライン軸11の基端側12とカップリング3の端面5側のスプライン孔14の縁とが当接し、スプライン軸11の第1のテーパ面16とスプライン孔14の第2のテーパ面17とが面接触するとともに、ボルト31頭部がリテーナ28を介して、カップリング3のフランジ27を押圧し、さらにスプライン孔14の第2のテーパ面17をスプライン軸11の第1のテーパ面16に押圧している。この押圧によって、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17との間には摩擦力が働く。
また、スプライン孔14の第2のテーパ面17には、第2のテーパ面17に垂直な方向の力が、スプライン軸11の第1のテーパ面16から働いており、この力によって第2のテーパ面17におけるスプライン孔14の内径が押し広げられている。同時に、第2のテーパ面17とは反対側で、スプライン孔14の内周面には、径方向内側向きの力が全周にわたって均一に働く。この径方向内側向きの力によってスプライン孔14の内周面が変形し、スプライン孔14の内径が絞られて狭まる。スプライン孔14の内周面の変形は周方向に均一に生じ、内周面が部分的にいびつに変形することはない。そして、スプライン孔14の内周面の内径が狭まった部分が、スプライン軸11の外周面と周方向に均一して密着し、スプライン軸11の軸心とスプライン孔14の軸心とは互いに一致している(図2を参照)。なお、図2は、スプライン孔14の内周面の変形の概念図であり、変形量を誇張するとともに、内周面が変形する前のスプライン孔14の形状を一点鎖線で示す。
すなわち、軸方向にスプライン軸11とスプライン孔14とが締結されて、スプライン軸11の基端側12とカップリング3の端面5側のスプライン孔14の縁とが当接し、第2のテーパ面17と第1のテーパ面16との間に摩擦力が働くとともに、スプライン軸11はスプライン孔14の内周面と密着しているので、スプライン軸11がスプライン孔14と軸心を一致させて固定されることとなり、スプライン軸11とスプライン孔14との間に相対的微動が生じることはない。
第2のテーパ面17と第1のテーパ面16との間の摩擦力及びスプライン孔14の内周面を変形させる力は、適切な締め付けトルクによりボルト31をボルト孔23内に螺入させることにより得られ、締め付けトルクを過度に大きくする必要はない。
曲げ荷重がスプライン結合部分に働くと、スプライン軸11の基端側12近傍で応力を生じる。この応力は、第1のテーパ面16と油圧ポンプ1本体との境界近傍部分、及び、第1のテーパ面16とスプライン軸11の外側円筒面との境界近傍部分に分散される。
したがって、応力がスプライン軸11の基端側12近傍の一箇所に集中することが防止されており、スプライン軸11は応力により損傷しにくく、スプライン軸11の剛性が高まっている。
また、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17とが面接触してシールを形成しているので、前記油脂が、スプライン軸11の基端側12から外部に漏洩することはない。スプライン孔14とリテーナ28との間はOリング30aによりシールされ、ボルト31とリテーナ28との間はOリング30bによってシールされているので、前記油脂が、スプライン孔14とリテーナ28の間から外部へ漏洩したり、リテーナ28のボルト孔24から外部へ漏洩することもない。
第1のテーパ面16と第2のテーパ面17との面接触、Oリング30a及びOリング30bによるシールにより、前記油脂の漏洩を防止しているので、特別なシール機構を形成する必要はなく、スプライン結合は簡略な構造となる。
以上説明したように、スプライン軸11とスプライン孔14との間の相対的微動がなく、スプライン軸11の剛性が高く、スプライン結合部分から油脂が漏洩することもないので、スプライン結合構造の使用上の制約が小さくなる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図3を参照して説明する。図3は本実施の形態に係るスプライン結合構造の一部を破断して示す構成図である。
本実施の形態に係るスプライン結合構造は、リーテーナ28の段部29及びカップリング3のフランジ27の構成を除き、第1の実施の形態と同様の構成を有する。第1の実施の形態と同様の部分については、同じ符合を付する。
すなわち、被駆動側部分をなす油圧ポンプ1と、駆動側部分の一部をなすカップリング3とがスプライン結合構造により結合されており、油圧ポンプ1には、カップリング3側へ突出するスプライン軸11が形成されている。スプライン軸11は、その基端側12に第1のテーパ面16を有し、外周面上に雄スプライン20の歯を有し、先端にはボルト孔23を有する。
カップリング3は、その円筒内周面にスプライン孔14が形成され、カップリング3の一方の端面4にフランジ27を有し、他方の端面5側のスプライン孔14の縁に第2のテーパ面17を有する。スプライン孔14は、その内周面上に雌スプライン21の歯を有する。
端面5側から、スプライン孔14内にスプライン軸11が挿入されて、雄スプライン20と雌スプライン21とが嵌合し、スプライン軸11の基端側12とカップリング3の端面5側のスプライン孔14の縁とが当接し、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17とが面接触してシールを形成している。
スプライン孔14の端面4側はリテーナ28によって塞がれている。リテーナ28は段部29を境として小径部分と大径部分を外周面上に有する円柱状部材であり、リテーナ28の軸方向中心をボルト孔24が貫通している。
リーテーナ28の段部29の外側縁沿いには、断面が台形の環状の突起40がフランジ27側に向けて段部29から突設されている。突起40の径方向内側を向く内周面が押圧面41を形成している。押圧面41にはテーパが形成されており、押圧面41が第3のテーパ面をなしている。
カップリング3のフランジ27上には、スプライン孔14の開口の周りに、環状の溝50が形成されている。溝50の径方向内側の側壁面が被押圧面51を形成している。被押圧面51には、押圧面41のテーパと対応するテーパが形成されており、被押圧面51が第4のテーパ面をなしている。
被押圧面51とフランジ27表面との境界部分が描く円の直径は、突起40の先端側の押圧面41縁が描く円の直径よりもやや小さく、溝50内に突起40の先端部分が嵌合可能に構成されている。
リテーナ28の小径部分がスプライン孔14内に挿入されており、ボルト31がボルト孔24を通ってスプライン軸11のボルト孔23内に螺入され、ボルト31がスプライン軸11とスプライン孔14とを軸方向に締結している。
リーテーナ28の突起40の先端部分がフランジ27上の溝50内に嵌合し、押圧面41と被押圧面51とが、フランジ27側のスプライン孔14の開口の周りで環状に面接触している。
そして、ボルト31、ボルト孔23、ボルト孔24及びリテーナ28が締結手段を構成している。
また、リテーナ28の小径部分の外周面にはOリング30aが嵌められており、リテーナ28の大径側のボルト孔24の縁は切り欠かれて、この切り欠きにOリング30bが嵌められている。Oリング30aがリテーナ28の小径部分の外周面とスプライン孔14の内周面との間をシールし、Oリング30bがボルト31の頭部とボルト孔24の前記切り欠きとの間に挟まれて、ボルト31とボルト孔24との間をシールしている。
さらに、スプライン軸11の表面とスプライン孔14の内周面との間には油脂が充填されている。
次に、作用について説明する。
第1の実施の形態において述べたように、スプライン孔14の第2のテーパ面17にスプライン軸11の第1のテーパ面16から働く力によって、スプライン孔14の内周面が変形する。
また、ボルト31頭部がリテーナ28を押圧し、リテーナ28が突起40を介してフランジ27を押圧すると、溝50の被押圧面51は突起40の押圧面41により押圧される。突起40の押圧面41が溝50の被押圧面51を押圧する力は、溝50の全周にわたって均一に働いており、被押圧面51に垂直、且つ径方向内側向きの力である。この被押圧面51を押圧する力によって、フランジ27側でスプライン孔14の内周面が変形して内径が絞られて狭まる。この変形は周方向に均一に生じ、スプライン孔14の内周面が部分的にいびつに変形することはない。そして、フランジ27側でスプライン孔14の内周面の内径が狭まった部分が、スプライン軸11の先端側の外周面と周方向に均一して密着する。
したがって、スプライン軸11とスプライン孔14との固定がより強固なものとなる。
他の作用は、第1の実施の形態の作用と同様である。
次に、本発明の第3の実施の形態を図4を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分については、同じ符合を付する。
図4は本実施の形態に係るスプライン結合構造の一部を破断して示す構成図である。
マウント2に固定されて被駆動側部分をなす油圧ポンプ1と、駆動側部分の一部をなすカップリング3とがスプライン結合構造により結合されている。
油圧ポンプ1には、カップリング3側へ突出する円筒状突起7が形成されており、この円筒状突起7の内周面がスプライン孔14をなす。スプライン孔14の底面中央にはボルト孔25が形成されており、円筒状突起7の先端面8側のスプライン孔14の縁にはテーパを有する第2のテーパ面17が形成されている。スプライン孔14の内周面上には、軸方向に延びる雌スプライン21の歯が形成されている。
カップリング3は、フランジ27とその中央にあるスプライン軸11とからなる。スプライン軸11の基端側12には、テーパを有する第1のテーパ面16が形成されており、第1のテーパ面16においてスプライン軸11の径がスプライン軸11先端に向かって徐々に小さくなっている。第1のテーパ面16のテーパ角度は、第2のテーパ面17のテーパ角度と同じ大きさである。スプライン軸11はその外周面上にスプライン孔14の雌スプライン21と対応する雄スプライン20の歯が形成されている。スプライン軸11はボルト孔23を有し、ボルト孔23がスプライン軸11を軸方向に貫通している。
スプライン孔14内にスプライン軸11が挿入されており、雄スプライン20と雌スプライン21とが嵌合し、スプライン軸11の基端側12とスプライン孔14の縁とが当接し、第1のテーパ面16と第2のテーパ面17とが面接触してシールを形成している。雄スプライン20と雌スプライン21との間には、両者の嵌合のために必要なバックラッシが存在する。
ボルト31がフランジ27側からボルト孔23を通ってスプライン孔14のボルト孔25内に螺入されており、ボルト31がスプライン軸11とスプライン孔14とを軸方向に締結している。
そして、ボルト31、ボルト孔23及びボルト孔25が締結手段を構成している。
また、フランジ27側でボルト孔23の縁は切り欠かれており、シール手段をなすOリング30cが嵌められている。Oリング30cがボルト31の頭部と前記切り欠きとの間に挟まれて、ボルト31とボルト孔23との間をシールしている。
さらに、スプライン軸11の表面とスプライン孔14の内周面との間の間隙には油脂が充填されている。
次に、作用について説明する。
第1の実施の形態と同様に、スプライン軸11の基端側12とスプライン孔14の縁とが当接し、スプライン軸11の第1のテーパ面16とスプライン孔14の第2のテーパ面17とが面接触し、ボルト31頭部の座面がフランジ27を押圧し、スプライン孔14の第2のテーパ面17をスプライン軸11の第1のテーパ面16に押圧して、第2のテーパ面17と第1のテーパ面16との間に摩擦力が働く。また、スプライン孔14の第2のテーパ面17はスプライン軸11の第1のテーパ面16からスプライン孔14の内径を押し広げる方向の力を受け、同時に、第2のテーパ面17とは反対側のスプライン孔14の内周面は径方向内側向きの力を全周にわたって均一に受け、この径方向内側向きの力によってスプライン孔14の内径が絞られて狭まる。スプライン孔14の内周面の変形は周方向に均一に生じ、スプライン孔14の内周面の内径が狭まった部分が、スプライン軸11の外周面と周方向に均一して密着し、スプライン軸11の軸心とスプライン孔14の軸心とは互いに一致している。
すなわち、軸方向にスプライン軸11とスプライン孔14とが締結されて、スプライン軸11の基端側12とスプライン孔14の縁とが当接し、第2のテーパ面17と第1のテーパ面16との間に摩擦力が働くとともに、スプライン軸11はスプライン孔14の内周面と密着しているので、スプライン軸11がスプライン孔14と軸心を一致させて固定されることとなり、スプライン軸11とスプライン孔14との間に相対的微動が生じることはない。
第2のテーパ面17と第1のテーパ面16との間の摩擦力及びスプライン孔14の内周面を変形させる力は、適切な締め付けトルクによりボルト31をボルト孔25内に螺入させることにより得られる。
第1の実施の形態と同様、曲げ荷重がスプライン結合部分に働き、スプライン軸11の基端側12近傍に生じる応力は、第1のテーパ面16とフランジ27との境界近傍部分、及び、第1のテーパ面16とスプライン軸11の外側円筒面との境界近傍部分に分散される。すなわち、応力がスプライン軸11の基端側12近傍の一箇所に集中することが防止され、スプライン軸11は応力により損傷しにくく、スプライン軸11の剛性が高まっている。
また、第2のテーパ面17と第1のテーパ面16とによりシールが形成されて、前記油脂がスプライン軸11の基端側12から外部に漏洩することはない。ボルト31とボルト孔23との間はOリング30cによってシールされて、前記油脂がボルト孔23から外部へ漏洩することもない。
第1のテーパ面16と第2のテーパ面17との面接触及びOリング30cによるシールにより、前記油脂の漏洩を防止しているので、特別なシール機構を必要とせず、スプライン結合は簡略な構造となる。
第1の実施の形態と同様に、スプライン軸11とスプライン孔14との間の相対的微動がなく、スプライン軸11の剛性が高く、スプライン結合部分から油脂が漏洩することもないので、スプライン結合構造の使用上の制約が小さくなる。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、第1のテーパ面16とスプライン軸11の外側円筒面との境界部分、及び、第1のテーパ面16と油圧ポンプ1本体との境界部分をなだらかな湾曲面により形成すると、これらの境界部分に働く応力の分散効果を一層高めることができ、スプライン軸11の剛性も一層高まる。同様に、第3の実施の形態において、第1のテーパ面16とスプライン軸11の外側円筒面との境界部分、及び、第1のテーパ面16とフランジ27との境界部分をなだらかな湾曲面により形成し、スプライン軸11の剛性を一層高めることもできる。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、スプライン孔14とリテーナ28との間をOリング30aによりシールするが、代わりに、スプライン孔14の端面4側の縁を切り欠いてテーパ面とし、このテーパ面と対応するテーパ面をリテーナ28の外周面に形成し、両テーパ面を面接触させ、スプライン孔14とリテーナ28との間をシールすることも可能である。
第1の実施の形態において、カップリング3とリテーナ28とが別々の部材からなるが、代わりに、カップリング3とリテーナ28とを一体構造とすることも可能である。
第2の実施の形態において、環状の突起40を形成しているが、代わりに、段部29において周方向に一定の間隔をあけて並ぶ複数の突起を形成することも可能である。この場合、複数の各突起の先端が嵌合可能な複数の溝をフランジ27に形成することが可能である。
第2の実施の形態において、押圧面41と被押圧面51とが面接触するが、図5の変形例に示すように、押圧面41と被押圧面51とが線接触する構成とすることも可能である。
すなわち、フランジ27側のスプライン孔14の開口の縁沿いに、環状の突起52が軸方向に突出しており、突起52の内周面はスプライン孔14の内周面の一部をなしている。突起52の外周面の径は軸方向に変化せず一定しており、この外周面が被押圧面51をなしている。また、突起40の押圧面41は第2の実施の形態と同様に構成されており、第3のテーパ面をなしている。突起52の先端側の被押圧面51の縁部分が描く円の直径は、突起40の先端側の押圧面41の縁部分が描く円の直径よりもやや小さく、突起40の押圧面41とリテーナ28の小径部分の外周面との間に、突起52の先端部分が進入可能に構成されている。そして、突起40の押圧面41とリテーナ28の小径部分の外周面との間に突起52の先端部分が進入し、突起52の先端側の被押圧面51の縁部分が押圧面41に線接触している。
したがって、ボルト31頭部がリテーナ28を押圧すると、突起52の先端側の被押圧面51の縁部分が押圧面41により径方向内側に押圧され、フランジ27側におけるスプライン孔14の内周面が変形して内径が絞られて狭まる。
上記変形例において、突起40の押圧面41にテーパを形成する代わりに、突起52の被押圧面51にテーパを形成し、被押圧面51を第3のテーパ面とし、突起40の先端側の押圧面41の縁部分が被押圧面51に線接触する構成とすることも可能である。
第1の実施の形態に係るスプライン結合の一部を破断した構成図である。 スプライン孔の内周面に生じる変形の概念図である。 第2の実施の形態に係るスプライン結合の一部を破断した構成図である。 第3の実施の形態に係るスプライン結合の一部を破断した構成図である。 第2の実施の形態の変形例に係るスプライン結合の一部を破断した構成図である。
符号の説明
1 油圧ポンプ
2 マウント
3 カップリング
4、5 カップリングの端面
7 円筒状突起
8 円筒状突起の先端面
11 スプライン軸
12 スプライン軸の基端側
14 スプライン孔
16 第1のテーパ面
17 第2のテーパ面
20 雄スプライン
21 雌スプライン
23、24、25 ボルト孔
27 フランジ
28 リテーナ
29 リテーナの段部
30a、30b、30c Oリング
31 ボルト
40、52 突起
41 押圧面
50 溝
51 被押圧面

Claims (4)

  1. 駆動側部分と被駆動側部分のうちの一方に形成したスプライン孔と、他方に形成したスプライン軸とのスプライン結合構造であって、
    スプライン軸は一端にテーパを形成した第1のテーパ面を有し、スプライン孔はスプライン軸の第1のテーパ面と面接触するテーパを形成した第2のテーパ面を有し、
    スプライン軸とスプライン孔とを軸方向に締結する締結手段を備えることを特徴とするスプライン結合構造。
  2. スプライン軸がその基端側に第1のテーパ面を有することを特徴とする請求項1に記載のスプライン結合構造。
  3. 駆動側部分と被駆動側部分のうちスプライン孔を形成された方は、スプライン軸の先端側にあるスプライン孔の端部の周囲に、スプライン孔の径方向外側を向く被押圧面を有し、
    スプライン軸とスプライン孔とを軸方向に締結する締結手段が、スプライン孔の径方向内側を向いて被押圧面と対向する押圧面を有し、
    被押圧面と押圧面のうちの一方がテーパを形成した第3のテーパ面を有し、
    締結手段が押圧面を被押圧面に押圧することを特徴とする請求項2記載のスプライン結合構造。
  4. スプライン軸の第1のテーパ面とスプライン孔の第2のテーパ面との面接触部分を気密化するとともに、スプライン軸とスプライン孔との間に形成される間隙を密閉するシール手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスプライン結合構造。
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