JP2005090212A - 河床砂礫の間に水槽を設置する取水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】河川から直接に取水を行うに関わらず、常に安定した取水能力を有し、かつ取水にかかる水量を自由に設定できる取水装置を提供する。
【解決手段】取水管の先端位置に透水性の壁体からなる水槽1を設けて、その水槽の壁面が周囲の砂礫層から伏流水を集水する仕組みとした。次に、河川の外側に揚水の用に供する陸上井戸2を設置し、水槽1と陸上井戸2との間を取水パイプ3で接続した。この状態で取水パイプ3に充水を行うと、陸上井戸2は河川水位と同じ高さの水位を持つ井戸になる。利水は水槽1から陸上井戸2に安定して供給される伏流水を得て行われるものとした。
【選択図】図1
【解決手段】取水管の先端位置に透水性の壁体からなる水槽1を設けて、その水槽の壁面が周囲の砂礫層から伏流水を集水する仕組みとした。次に、河川の外側に揚水の用に供する陸上井戸2を設置し、水槽1と陸上井戸2との間を取水パイプ3で接続した。この状態で取水パイプ3に充水を行うと、陸上井戸2は河川水位と同じ高さの水位を持つ井戸になる。利水は水槽1から陸上井戸2に安定して供給される伏流水を得て行われるものとした。
【選択図】図1
Description
この発明は、河川等から常に安定した水量を取水する装置に関するものである。
河川等から取水を行うについては、流れ込み式水路による取水や河床砂礫の間に取水管を設置する方法、あるいは深井戸を掘削して流域の伏流水を集水する方法など、数種類の形態がある。しかし、流れ込み式水路は取水の際に河川の増水や河床変動などの影響を受ける恐れがあり、河床砂礫や深井戸からの取水は取水する水量が限定されるなどの構造的な弱点を有している。
この発明は上述したような事情に着目して研究されたもので、気象や河床の変動による影響を受けない安定した取水能力を有し、かつ取水にかかる水量を自由に設定することのできる取水装置を提供する。
この発明においては、気象や河床変動に影響されない常に安定した取水を可能とするために、河床砂礫の間から取水を行う方法を採用した。さらに、必要な取水量を確保するために、河床砂礫の間の取水を行う箇所に透水性の壁体からなる水槽を設置して、課題を解決するための手段とした。
この発明の実施例を[図−1]に参照して説明する。[図−1]はこの発明の取水装置を鳥瞰図によって示したものである。
河床砂礫の間に透水性の壁体からなる水槽(1)を設置する。(1)の壁体は水が透過する性格の材料であるから、(1)の内部は砂礫間の伏流水によって常に満水の状態に保たれる。次に、河川の外側に揚水の用に供する陸上井戸(2)を設置する。次に、(1)を取水源として、(2)と連絡する取水パイプ(3)を設置する。この状態で(3)に充水を行うと、(2)は常に河川水位と同じ高さに水位を持つ井戸になる。利水の用は(1)から(2)に対して安定して供給される伏流水を得て行われる。
水槽(1)は取水口の先端に位置し、その透水性の壁体が取水の用に供する装置となる。その大きさや形状は必要とする取水量や周囲の砂礫層、並びに(1)の壁体の透水率などの要件に従って(1)の外壁の面積を算出して決定する。この大きさ等を定めることによって(1)は必要な水量を取水して供給することができる。
水量の乏しい水源にあっては、(1)を貯水槽として利用することができる。この場合は、ピーク使用量に合わせて(1)の容積の決定を行い、低使用時に貯水が行われる仕組みとする。
(1)を設置する理由の一端を述べれば、取水を行う機能を求めるほか、水中に一定量の水を貯蔵できる間隙を確保することである。この点に従えば、(1)は必ずしも単一構造である必要はなく、[図−2]にその概念図を示すように、複数のブロックの集合体であることも許される。これは施工期間を短縮するためには有効な選択である。
水量の乏しい水源にあっては、(1)を貯水槽として利用することができる。この場合は、ピーク使用量に合わせて(1)の容積の決定を行い、低使用時に貯水が行われる仕組みとする。
(1)を設置する理由の一端を述べれば、取水を行う機能を求めるほか、水中に一定量の水を貯蔵できる間隙を確保することである。この点に従えば、(1)は必ずしも単一構造である必要はなく、[図−2]にその概念図を示すように、複数のブロックの集合体であることも許される。これは施工期間を短縮するためには有効な選択である。
陸上井戸(2)は河川水位と同じ高さの水位を有する井戸である。利水の用に供するためには、(2)から揚水ポンプやサイフォン等を用いて取水を行うが、送水先の土地の高さによっては(2)から直接に管路で給水することもできる。
取水パイプ(3)は[図−1]に示すように設置に要する大規模な土木工事を避けて、陸上井戸(2)の上端を迂回するサイフォン構造とすることができる。この場合は、発明の装置を稼働させる際に、(3)に充水して河川水位と(2)の水位とが同じ高さに保たれるようにする。
水槽(1)を設置する河床の砂礫層(4)について説明する。(4)に透水性が優れた砂礫層を確保すれば、(1)は豊富な伏流水を得て、高い取水機能を発揮することができる。砂礫層に求められる役割は塵や砂などが(1)に流入しないためのフィルターとしての機能にあるから、その効果を十分に発揮するために、粒度の異なる砂礫を数層に分けて敷設することが望ましい。
[図−1]においては、河川の中に堰堤工(5)を配置して、土砂留め用のポケットとしての役割を持たせた。しかる後に、この堰堤の上流側のポケットの部分に十分な厚さを有し透水性の高い砂礫層(4)を敷設すれば、上述の取水機能の目的を向上することができる。この堰堤は、水制上、その上流部流域の河床変動を抑制して安定させる機能を有するので、先に敷設した砂礫層を健全な状態で保全することができる。
上述のように、この発明の取水能力を発揮する周辺環境の整備を行うことを目的として、[請求項2]においては、この発明の取水装置を現地に設置する際に、堰堤工(5)の配置と砂礫層(4)の置き換えを一体に施工する施設群としての取水装置を提供した。
流れ込み式水路やトンネルの取水口に向けて取水を行う場合は、[図−3]に示すように水路やトンネルの取水口を(2)に見立てて、取水パイプ(3)を直接に接続することができる。この場合は、異常気象時の影響に配慮して河川と取水口との間に表面水の流入を遮断する壁(6)を設置することが望ましい。
また、(3)を流れ込み式水路やトンネル取水口に接続する場合は、河川が定める河床の高さより低い位置に(3)を配置して、直接に導水路に接続する。
また、(3)を流れ込み式水路やトンネル取水口に接続する場合は、河川が定める河床の高さより低い位置に(3)を配置して、直接に導水路に接続する。
この発明は河川に堆積する自然状態の砂礫層からも取水を行うことが可能である。この場合には、河床変動の恐れがあることから、この発明の装置を設置する際に帯工や根固めブロックを配置してこの対策とすることが望まれる。
この発明の活用の一例として、既設の砂防堰堤に設置する取水装置について述べる。砂防堰堤とは、いわゆる、河川上流域の土砂崩壊を防止し、下流への流出を抑制する河川工作物である。この種の堰堤はその上流部に膨大な量の土砂を堆積し、その土砂の中は伏流水で充たされている。従って、堰堤の直近上流にこの発明の取水装置を設置し、場合においては[請求項2]の砂礫層の置換を一体に行うことで、簡単に伏流水を取り出す施設を提供することができる。
実施例に示すとおり、この発明が持つ最大の利点は全天候時において安定した水量を陸上井戸(2)から任意に取り出せることである。また、流れ込み式水路などの流入口付近に土砂が堆積しても取水能力には影響がないから取り除く必要はない。このように、この発明は維持管理においても有効な力を発揮するものである。
また、この発明の装置を貯水槽として使用する場合の利点を示す。陸上に貯水槽を設置する場合には、破壊や漏水を防止するために大掛かりな工作物を建設することになる。しかし、これを水中に求めるのであれば、砂礫の中の伏流水が流失しない仕組みとそれを貯水するだけの間隙を確保すれば事足りる。従って、この建設コストに大きな差が生じるのは試算するまでもないことである。
また、この発明の装置を貯水槽として使用する場合の利点を示す。陸上に貯水槽を設置する場合には、破壊や漏水を防止するために大掛かりな工作物を建設することになる。しかし、これを水中に求めるのであれば、砂礫の中の伏流水が流失しない仕組みとそれを貯水するだけの間隙を確保すれば事足りる。従って、この建設コストに大きな差が生じるのは試算するまでもないことである。
本発明の鳥瞰図である。
水槽が複数のブロックからなる場合の概念図である。
本発明を流れ込み式水路等に利用する場合の断面図である。
1は水槽 2は陸上井戸
3は取水パイプ 4は砂礫層
5は堰堤工 6は表面水を遮断する壁
3は取水パイプ 4は砂礫層
5は堰堤工 6は表面水を遮断する壁
Claims (2)
- 河床砂礫の間に透水性の壁体を有する水槽を設置して、陸上井戸、あるいは流れ込み式水路等に用水を導く取水装置
- 取水用の堰堤、及び砂礫層の置き換えと一体に施工する〔請求項1〕の取水装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003366697A JP2005090212A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 河床砂礫の間に水槽を設置する取水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003366697A JP2005090212A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 河床砂礫の間に水槽を設置する取水装置 |
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ID=34463646
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-09-19 JP JP2003366697A patent/JP2005090212A/ja active Pending
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