JP2005089782A - 板状体のエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エッチングの前段階に行われるレジスト型取り作業を簡易化するための技術、および脆性な薄板を破壊することなくレジスト型取り作業を行うための技術を提供する。
【解決手段】所望形状にパターン形成された粘着シート11を薄板(板状体)12の表面12aに貼着した状態で、薄板12の表面12aに所定パターンで第1レジストR1を配設する。次いで、薄板12の裏面12bの第1レジストR1に対応する領域および対応しない領域に第2レジストR2を配設する。そして、粘着シート11が除去され、かつ第1レジストR1が配設された薄板12の表面12aにエッチング液を作用させてエッチングを行うようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は板状体のエッチング方法に関する。本発明のエッチング方法は、エッチング対象が脆性な薄板の場合に特に好適である。
従来より、金属材料の加工方法の1つとしてエッチング加工が用いられている。エッチング加工は、被加工対象のワークに与える応力を低減することができる点で、切削工具を使用した機械的な加工方法よりも有利である。
エッチング加工では、不必要な部分のみを薬品で溶解除去し必要な部分を残すために、必要な部分にはレジスト(例えば熱硬化性樹脂)によるマスキングがなされる。例えば、特許文献1に記載されているように、銅張積層板を使用して所望の導体パターンを備えたプリント基板を得たい場合には、導体パターンとして残したい部分にマスキングをし、銅箔のうち不必要な部分を除去する。
ところで、レジストによるマスキングに先立ち、ワークに対して所望パターンにレジストを配設するためにレジストの型取りが行われる。レジストの型取りとしては、例えば、予め必要形状にパターン形成されたレジスト型取り用マスクをスクリーン印刷機に取り付け、レジスト樹脂を印刷する手法が広く用いられている。
通常、レジスト型取り用マスクは、ステンレスを用いて作製される。そして、このようなレジスト型取り用マスクを用いて、図7に示すようにワークの表裏面にはレジスト樹脂がそれぞれ同一パターンで配設される。
特開平5−29753号公報(第2頁)
ワークの表裏面に同一パターンでレジスト樹脂を配設した後にエッチングを行うことで、最終的に所望形状の素子を得るには、レジスト型取り用マスクの位置決めが重要となる。近年、素子の小型化が急速に進んでおり、求められる位置決めの精度も高くなっているが、ワークの表面に配設されるレジスト樹脂のパターンと、ワークの裏面に配設されるレジスト樹脂のパターンとをx軸およびz軸方向で完全に一致させることは容易ではない。
また、希土類−鉄合金を用いて作成された薄板は脆性であり、従来と同様の方法でステンレス製のレジスト型取り用マスクを用いてレジスト樹脂を印刷しようとしても、レジスト型取り用マスクが薄板に接触するときに付加される応力に脆性な薄板が耐えられずに割れてしまう。
そこで本発明は、エッチングの前段階に行われるレジスト型取り作業を簡易化するための技術、および脆性な薄板を破壊することなくレジスト型取り作業を行うための技術を提供することを課題とする。
かかる目的のもと、本発明者は様々な検討を行った。その結果、希土類−鉄合金のようにエッチングされやすい材料からなる薄板の場合には、表面(または裏面)にはレジストを所定パターンで配設し、裏面(または表面)には特にパターン形成することなくレジストを配設した状態でエッチングを行うことによってもエッチングを精度よく行うことができることを知見した。すなわち、本発明は、所定の間隔を持って対向する表裏面を有する板状体をエッチングする方法であって、所望形状にパターン形成された粘着シートを板状体の表面に貼着した状態で、板状体の表面に所定パターンで第1レジストを配設する工程
と、板状体の裏面の第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設する工程と、粘着シートが除去され、かつ第1レジストが配設された板状体の表面にエッチング液を作用させてエッチングを行う工程とを含むことを特徴とする板状体のエッチング方法を提供する。
従来は図7に示すように第1レジストに対応する領域に第2レジストを精密に位置決めして配設していたのに対して、本発明によれば板状体の表裏両面のうちいずれか一方の面に所定パターンで第1レジストを配設し、第2レジストは特別な位置決めを行う必要がなくなり、レジスト型取り作業を簡易化することができる。
本発明のように、所定パターンの第1レジストを板状体の表面のみに配設した場合、エッチングが片面(表面)からしか進行しないためエッチング精度が懸念される。ところが、希土類−鉄合金のようにエッチングされやすい材料からなる薄板をエッチングの対象とする場合には、そのエッチングのされやすさおよび厚さが薄いことから、片面(表面)からのエッチングであってもその精度は十分担保される。したがって、本発明は希土類−鉄合金のようにエッチングされやすい材料から構成され、かつ薄板状のものに対して特に有効である。なお、板状体の第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設するには、例えば板状体の裏面全面に第2レジストを配設すればよい。
ところで、希土類−鉄合金は前述したように脆い材料である。そこで本発明では、レジスト型取り用マスクとして粘着テープを用いることとした。また、本発明は第2レジスト配設の際には型取りが不要であるから、第2レジストの配設に伴う板状体への応力の付加を考慮する必要がない。ここで、粘着シートのパターン形成は、例えば所望形状の貫通孔を1以上、粘着シートに穿孔することで行うことができる。そして、この貫通孔を介して第1レジストを板状体の表面に配設することができる。なお、本発明は板状体の表裏面のうちいずれか一方の面に所定パターンで第1レジストを配設し、他方の面にはパターン形成することなく第2レジストを配設するという技術的思想に基づくものである。よって、板状体の裏面に所定パターンで第1レジストを配設し、板状体の表面にパターン形成することなく第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設してもよいことはもちろんである。
本発明において、第2レジストは透明のものが望ましい。そうすることにより、第2レジスト側が配設された側からエッチングの進行状況を目視確認することができる。
本発明において、エッチングは、第1レジストがエッチング液に対向するように板状体を浸漬させて行うことができる。ここでの浸漬には、第1レジストが完全にエッチング液内に位置している場合、第1レジストの一部がエッチング液内に位置している場合の双方を含むものとする。
所望形状にパターン形成した粘着シートをレジスト型取り用マスクに使用する本発明では、板状体が脆性な薄板、例えば厚さ100μm以下であり、希土類−鉄合金からなるものであっても、薄板を破壊することなくレジスト型取り作業を行うことができる。これは、柔軟な粘着シートをレジスト型取り用マスクとして用いることで、薄板にレジスト型取り用マスクが接触するときに付加される応力を低減することができるからである。
さらに本発明において、エッチングを行った後に第1レジストおよび第2レジストを除去する工程をさらに備えることができる。この工程を経ることで、粘着シートに形成されたパターンに対応した形状の素子を得ることができる。
本発明によれば、エッチングの前段階に行われるレジスト型取り作業を簡易化することができる。また、エッチング対象が脆性な薄板であっても、薄板を破壊することなくレジ
スト型取り作業を行うことができる。そして、レジスト型取り作業の後、エッチングを行うことで、最終的に所望形状の素子を得ることができる。
本発明におけるエッチング方法は、所望形状にパターン形成された粘着シートを板状体の表面に貼着した状態で第1レジストを配設するとともに、板状体の裏面には第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設することを特徴とする。本発明は、板状体、特に厚さ100μm以下であり、希土類−鉄合金からなる脆性な薄板に好適である。以下では、このような薄板をエッチング対象とする場合を例にして、本発明のエッチング方法を説明する。
希土類−鉄合金から構成される薄板の組成および製造方法は特に限定されるものではないが、最終的に磁歪素子を得たい場合には、以下に示すような組成および製造方法を採用することができる。
<薄板>
薄板は、RTyで示す組成の合金(以下、「RTy合金」という)を用いて作製することができる。
ここで、Rは1種類以上の希土類金属元素を表している。希土類金属元素Rとしては、例えばNd、Pr、Sm、Tb、Dy、Ho等を用いることができる。Tは、1種以上の遷移金属元素を表している。遷移金属元素Tとしては、例えばFe、Co、Ni、Mn、Cr、Mo等を用いることができる。
RTy合金において、yは1<y<4とすることができる。y=2のときにRとTとが
形成するRT2ラーベス型金属間化合物はキュリー温度が高く、磁歪値が大きいため磁歪
素子に適する。ここで、yが1以下では、焼結後の熱処理でRT相が析出して磁歪値が低下する。また、yが4以上では、RT3相またはRT5相が多くなり磁歪値が低下する。よって、RT2相を多くするには、yは1<y<4の範囲とすればよい。
RTy合金としては、具体的には(TbaDy(1-a))Tyが挙げられる。ここで、aは0.27<a≦0.50の範囲とすることができる。0.27<a≦0.50とすることにより、飽和磁歪定数を大きくすることができ、大きな磁歪値が得られる。一方、aが0.27以下では、室温以下の環境で十分な磁歪値を示さず、0.50を超えると室温付近では十分な磁歪値を示さない。
(TbaDy(1-a))TyにおけるTとして、Tb、Dyと(Tb、Dy)Fe2金属間化合物を形成するFeを選択することで、大きな磁歪値を有し磁歪特性の高い焼結体を得ることができる。ここで、Feの一部をCo、Niで置換するものであってもよい。Co、Niによる望ましい置換量は30wt%未満(Fe量:70wt%以上)、望ましくは20wt%未満(Fe量:80wt%以上)である。
以上の組成を有する合金を溶融し、いわゆる急冷ロール法を用いて液体状態から急冷凝固させることにより、厚さ100μm以下の薄板を得ることができる。合金の溶融および急冷凝固はArガスの不活性雰囲気中で行うことが望ましい。なお、薄板の厚さは最終的に得たい素子の形状に応じて適宜決定すればよい。
次に、本発明におけるエッチング方法について詳述する。
図1は、本実施の形態におけるエッチング方法のフローチャートである。図2は本発明で使用する粘着シートの構造を示す斜視図、図3は粘着シートのパターン形成の一例を示す粘着シートの平面図、図4は図1に示したシート貼着工程、第1レジスト配設工程、シート除去工程および第2レジスト配設工程を模式的に示した部分断面図、図5は図1に示したエッチング工程を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施の形態におけるエッチング方法は、粘着シートを所望形状にパターン形成する粘着シート加工工程、所望形状にパターン形成された粘着シートを薄板の表面かつエッチング対象となる領域に貼着するシート貼着工程、薄板のエッチング対象とならない領域に第1レジストを所定パターンで配設する第1レジスト配設工程、薄板に貼り付けられた粘着シートを薄板から除去するシート除去工程、薄板の裏面であって第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設する第2レジスト配設工程、粘着シートが除去され、第1レジストが配設された状態の薄板の表面にエッチング液を作用させてエッチングを行うエッチング工程、エッチングを行った後にレジストを除去するレジスト除去工程を含む。なお、シート除去工程は、エッチング工程に先だって行えばよい。よって、第2レジスト配設工程後にシート除去工程を行ってもよい。
まず、粘着シートについて説明した後、図1に示した各工程について詳述する。
<粘着シート>
本発明におけるエッチング方法において粘着シートを用いる理由は以下の通りである。
柔軟なシート状部材である粘着シートを第1レジストの型取り用マスクに使用することで、レジスト型取り用マスクが薄板に接触する際に付加される応力を低減することができる。また、粘着シート中の粘着層の存在により、非エッチング領域に所定パターンで配設された第1レジストがエッチング領域に侵入することを抑止することができる。
図2(a)は、本発明で使用する粘着シートの構造を示す斜視図である。図2(a)に示すように、粘着シート11は3層構造をなしており、基材Bの片側に粘着層Aを備え、粘着層Aの片側にさらにセパレータSを備えている。
基材Bは、後述する第1レジストの硬化処理の際の加熱により機械的物性を損なわず、かつ適宜な耐熱性を有するフィルムまたはシート状部材により形成することができる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等から構成されるフィルムまたはシート状部材を基材Bとして用いることができる。
基材Bの厚さは200μm以下、望ましくは20〜150μmとすればよい。
粘着層Aは、アクリル系粘着剤により構成することができる。アクリル系粘着剤としては、エステル基中の炭素数が2ないし8個のアクリル酸エステル重合物および酢酸ビニル、塩化ビニリデン、メタクリル酸エステル等のビニル系モノマーとの共重合物を主成分としたものを挙げることができる。
粘着層Aの厚さは80μm以下、望ましくは10〜60μm程度とすればよい。
セパレータSは、粘着層Aの保護材として機能し、粘着シート11を薄板に貼着する際に剥離される。セパレータSとしては、硬質あるいは軟質プラスチックフィルム、紙、不織布、金属箔等を用いることができる。
以上の構成を備えた粘着シート11の総厚さは300μm以下、望ましくは50〜200μmである。
なお、粘着シート11として基材B、粘着層AおよびセパレータSから構成される3層構造のものを示したが、必要に応じて基材Bと粘着層Aとの間に他の層(例えば、ゴム状の有機弾性層等)を介在させてもよい。
続いて、図1に示した各工程について詳述する。
(粘着シート加工工程)
粘着シート加工工程では、図2(a)に示した構造を備えた粘着シート11を所望形状にパターン形成する。このパターンは、最終的に得たい素子の形状に基づき決定する。例
えば、最終的に得たい素子の形状が円柱状のものであれば、図2(b)に示すように、粘着シート11に円形の貫通孔hを形成すればよい。
また、1枚の薄板から複数の素子を得たい場合には、粘着シート11に所望形状の複数の貫通孔hを形成すればよい。例えば、最終的に円柱状の素子を複数得たい場合には、図3(a)に示すように、粘着シート11に円形の貫通孔hを複数形成すればよい。同様に、最終的に直方体状の素子を複数得たい場合には、図3(b)に示すように、粘着シート11に矩形の貫通孔hを複数形成すればよい。
粘着シート11に貫通孔hを形成する際の穿孔方法は特に限定されるものではないが、例えばパンチを用いて穿孔することができる。
(シート貼着工程)
続くシート貼着工程では、図2(b)に示したように所望形状にパターン形成された粘着シート11を図4(a)に示すように薄板12の表面12aかつエッチング対象となる領域に貼着する。
(第1レジスト配設工程)
第1レジスト配設工程では、まず、図4(b)に示すように粘着シート11の貫通孔h内に第1レジストR1を配設することで、薄板12の表面12aかつエッチング対象とならない領域に第1レジストR1を配設する。第1レジストR1としては、薄板(板状体)12に貼着された粘着シート11を溶解腐食しにくいものを選択する。第1レジストR1としては、例えば熱硬化性樹脂を用いることができる。
ここで、第1レジストR1として好適な熱硬化性樹脂は不活性炭化水素誘導体(例えば(株)シミズ製 NEWレジストインキE)、ピッチ系合成樹脂(例えば(株)シミズ製 レジストインキNEW−E)等である。
第1レジストR1を配設後、第1レジストR1の硬化処理を行う。硬化処理の際の保持温度および保持時間は第1レジストR1の種類に依存する。例えば第1レジストR1が樹脂である場合には保持温度を80〜120℃、保持時間を0.1〜2時間程度に設定すればよい。
第1レジストR1の硬化処理は、第1レジストR1が配設された側が下側になるように、図4(c)に示すように薄板12を上下反転させた状態で行う。粘着シート11中の粘着層Aの存在により第1レジストR1のエッチング領域への侵入が抑止されているのに加え、薄板12を上下反転させた状態で第1レジストR1を硬化させることで、第1レジストR1が所定の領域以外に侵入する不具合を回避することができる。
(シート除去工程)
続くシート除去工程では、薄板12に貼着された粘着シート11を有機溶剤により溶解除去する。有機溶剤としては、粘着シート11を溶解可能であり、かつ第1レジストR1および薄板12を溶解しないものを選択する。本実施の形態における有機溶剤としては、例えばアセトンを用いることができる。
粘着シート11が薄板12から除去された状態を図4(d)に示す。
(第2レジスト配設工程)
第2レジスト配設工程では、図4(e)に示すように薄板12の裏面12bの第1レジストR1に対応する領域および対応しない領域に第2レジストR2を配設する。ここで、裏面12bの第1レジストR1に対応する領域、裏面12bの第1レジストR1に対応しない領域は図4(d)に示した通りである。すなわち、裏面12bにおける第1レジストR1の投影面が「第1レジストR1に対応する領域」であり、裏面12bにおける第1レジストR1の投影面を除く領域が「第1レジストR1に対応しない領域」である。
図4(e)に示したように薄板12の裏面12b全面に第2レジストR2を配設するこ
とにより、裏面12bの第1レジストR1に対応する領域および対応しない領域に第2レジストR2を配設することができる。
第2レジストR2として第1レジストR1と同様のものを用いてもよいが、第2レジストR2には透明なレジストを用いることが望ましい。透明なレジストを薄板12の裏面12b全面に配設することで、後述するエッチング工程でエッチングの進行状況を目視確認しながらエッチングを行うことができる。時間管理を行いながらエッチングを行うことは当然であるが、時間管理と目視確認を併用することで、過度のエッチングを防止することができ、エッチングの精度を向上させることができる。
ここで、透明とは、無色透明のみならず、有色透明も含む。透明なレジストとしては、例えばアクリル系のラッカーを用いることができる。
(エッチング工程)
続くエッチング工程では、第1レジストR1が配設された薄板12の表面12aにエッチング液を作用させてエッチングを行う。このエッチング工程では、第1レジストR1および第2レジストR2が配設された薄板12をエッチング液に浸漬することで、薄板12のうち不要部分を溶解除去する。
エッチング工程では、例えば図5(a)に示すようにエッチング液Eを収容した容器Cを準備する。そして、第1レジストR1をエッチング液Eに対向させるように薄板12をエッチング液E中に浸漬させる。第2レジストR2として透明なレジストを選択するとともに、第1レジストR1をエッチング液Eに対向させるようにして浸漬させてエッチングを行うことで、エッチングの進行状況を第2レジストR2が配設された側から目視確認しながらエッチングを行うことが可能となる。なお、図5(a)では薄板12をエッチング液Eに浮かせた状態でエッチングを行っているが、薄板12をエッチング液E中に埋没させた状態でエッチングを行うこともできる。
図5(a)に示した状態でエッチングを行うと、薄板12の表面12aのうち、第1レジストR1が配設されていない領域に対応する薄板12は除去される。一方、薄板12の表面12aのうち、第1レジストR1が配設されている領域に対応する薄板12は除去されずに残る。
ここで、本発明におけるエッチング対象として希土類−鉄合金から構成される薄板12を選択した場合には、エッチング液Eとして例えば濃度5〜15%の塩酸溶液を用いることができる。
薄板12のうち、不要部分がエッチングにより除去された状態を図5(b)に示す。
(レジスト除去工程)
続くレジスト除去工程では、薄板12に配設された第1レジストR1および第2レジストR2が除去される。除去液は薄板12の材質および第1レジストR1および第2レジストR2の種類に応じて適宜選択する。具体的には、薄板12を腐食することなく、第1レジストR1および第2レジストR2の両者を溶解可能なものを除去液として選択すればよい。
薄板12として上述した希土類−鉄合金を用い、かつ第1レジストR1として不活性炭化水素誘導体やピッチ系合成樹脂を、第2レジストR2としてラッカーを用いた場合には、例えばトルエンや芳香族溶媒を除去液として用いることができる。
以上の工程を経ることで、図5(c)に示したように、粘着シート11に形成されたパターンに対応した形状の素子10を得ることができる。図3(a)に示したパターンを採用した場合には、円柱状の素子10を得ることができる。一方、図3(b)に示したパターンを採用した場合には、直方体状の素子10を得ることができる。こうして得られた素子10は、加速度センサ、ショックセンサ等に好適に用いられる。
以上、詳述したように、本実施の形態では、所望形状にパターン形成された粘着シート11を第1レジストR1の型取り用マスクとして用いるようにした。これにより、レジスト型取り用マスクが薄板12に接触する際に付加される応力を低減することができる。よって、第1レジストR1の型取り作業時に薄板12が破壊されることを防止することができる。
また、本実施の形態では、第2レジストR2のパターン形成を行うことなく第2レジストR2を配設し、第1レジストR1が配設された薄板12の表面12aにエッチング液Eを作用させてエッチングを行うようにした。このため、従来よりもレジスト型取り作業の際の位置決めを厳密に制御する必要はなくなる。よって、レジスト型取り作業を簡易化することができる。
さらに本実施の形態では、第2レジストR2として透明なレジストを選択するとともに、第1レジストR1をエッチング液Eに対向させるようにして浸漬させてエッチングを行うようにした。これにより、エッチングの進行状況を第2レジストR2を介して目視確認しながらエッチングを行うことが可能となり、エッチングの精度を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、希土類−鉄合金から構成される薄板12をエッチング対象とする例を示した。但し、これはあくまで一例であって、本発明のエッチング方法は希土類−鉄合金以外の組成を有する脆性な薄板に広く適用することができる。
また、上記の実施形態では粘着シート11に貫通孔hを穿孔することでパターン形成する例を示したが、これはあくまで一例であって他の方法でパターン形成してもよい。例えば、最終的に直方体状の素子10を得たい場合には、図6(a)に示すように、矩形の粘着シートにコの字状の溝Gを形成することで、粘着シート11のパターン形成をしてもよい。そして、図6(b)に示すように、溝Gが互いに対向するようにしてパターン形成された粘着シート11a,11bを薄板12に貼着するようにしてもよい。
さらにまた、上記の実施形態では脆性な薄板12をエッチング対象とする例を示したが、本発明のエッチング方法の適用対象は脆性な薄板12に限定されるものではない。すなわち、板状体(薄板を含む)の表面12a(または裏面12b)にのみ第1レジストR1を所定パターンで配設し、裏面12b(または表面12a)には特にパターン形成することなく第2レジストR2を配設した状態でエッチングを行うという本発明の技術的思想は、エッチング対象が脆性な薄板以外の場合であっても広く適用することができる。
また、所望形状にパターン形成された粘着シート11を第1レジストR1の型取り用マスクとして用いるという本発明の技術的思想を、さらに展開させることもできる。例えば、所望形状にパターン形成された粘着シート11を、脆性な薄板12に対してメッキ処理を行う際に使用するようにしてもよい。
以下の条件で、希土類金属元素を含む素子を作製した。
まず、Tb、Dy、Feを秤量して、Arガスの不活性雰囲気中で溶融して、Tb0.3
Dy0.7Fe1.88の組成を有する合金を得た。この合金を溶融した後、急冷ロール法で厚
さ40〜80μmの薄板を得た。
そして、図1に示したフローチャートに基づき、薄板に対してエッチング加工を行った。使用した粘着シート、第1レジスト、第2レジストおよびエッチング液は以下の通りである。
粘着シート:日本加工製紙(株)製 エレクトロンテープ TR−5−1
第1レジスト:(株)シミズ製 NEWレジストインキE
第2レジスト:アトミクス(株)製 アクリル系ラッカー(無色透明) ラッカースプレーE クリヤー
粘着シートに対するパターン形成は、図3(a)に示したパターンで行った。また、第1レジストの硬化処理は、第1レジストを薄板の一側(表面)に配設した後、上下反転させて80℃で2時間、乾燥機内に載置することで行った。第1レジストの硬化処理の後、アセトンを使用して粘着シートを除去した。
その後、第2レジストを薄板の裏面全面に配設し、図5に示した状態でエッチングを行った。つまり、第1レジストをエッチング液に対向させるように浸漬させた。そして、第1レジストが配設された薄板の表面にエッチング液を作用させてエッチングを行った。エッチング液としては、濃度10%の塩酸溶液を使用した。エッチング終了後、純水で薄板を洗浄し、次いでトルエンで第1レジストおよび第2レジストを除去した。これにより、厚さ40〜80μm、直径2mmの円板状の素子を得ることができた。
(実験例)
本発明に好適に用いられる粘着シートを確認するための実験を、実験例として示しておく。上述した粘着シート11に代えて以下に示す粘着シートを使用する以外は、上述した実施例と同様の条件で希土類金属元素を含む素子を作製した。
粘着シート:
コクヨ(株)製 セロハンテープ(T−SSシリーズ、基材:セロハン、粘着剤:ゴム系)
コクヨ(株)製 布粘着テープ(TG−250)
コクヨ(株)製 ビニールテープ(T−319)
日東電工(株)製 ニトフロン ガラスクロス粘着テープ(No.973)
その結果、いずれのテープも、第1レジストにより溶解腐食され、第1レジストが非エッチング領域以外にも侵入してしまった。また、いずれのテープも、第1レジストの硬化処理の際の加熱により、変形してしまった。このため、最終的に所望形状の素子を得ることはできなかった。
本実施の形態における薄板のエッチング方法のフローチャートである。 本実施の形態における粘着シートの構造を示す斜視図であり、(a)はパターン形成する前の粘着シート、(b)はパターン形成した後の粘着シートを示している。 パターン形成された粘着シートの平面図である。 図1に示したシート貼着工程、第1レジスト配設工程、シート除去工程および第2レジスト配設工程を模式的に示した部分断面図である。 図1に示したエッチング工程を模式的に示した断面図である。 パターン形成の変形例を説明するための図である。 従来のパターン形成例を説明するための図である。
符号の説明
10…素子、11,11a,11b…粘着シート、12…薄板(板状体)、12a…表面、12b…裏面、A…粘着層、B…基材、C…容器、E…エッチング液、G…溝、h…貫通孔、S…セパレータ

Claims (5)

  1. 所定の間隔を持って対向する表裏面を有する板状体をエッチングする方法であって、
    所望形状にパターン形成された粘着シートを前記板状体の表面に貼着した状態で、前記板状体の前記表面に所定パターンで第1レジストを配設する工程と、
    前記板状体の裏面の前記第1レジストに対応する領域および対応しない領域に第2レジストを配設する工程と、
    前記粘着シートが除去され、かつ前記第1レジストが配設された前記板状体の前記表面にエッチング液を作用させてエッチングを行う工程と、
    を含むことを特徴とする板状体のエッチング方法。
  2. 前記第2レジストは透明であることを特徴とする請求項1に記載の板状体のエッチング方法。
  3. 前記エッチングは、前記第1レジストが前記エッチング液に対向するように前記板状体を浸漬させて行われることを特徴とする請求項2に記載の板状体のエッチング方法。
  4. 前記板状体は厚さ100μm以下の希土類−鉄合金からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の板状体のエッチング方法。
  5. 前記エッチングを行った後に前記第1レジストおよび前記第2レジストを除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の板状体のエッチング方法。
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