JP2005089519A - 木質系バイオマスガス化におけるタール除去方法と装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス化炉の中でタール分を酸化分解し、エンジン発電機等が駆動できるタール分をほとんど含まない可燃性ガスを製造する。
【解決手段】ガス化炉1の上部に木質系原料1−7を投入し、乾留ガスを生成し炭化物を作る燃焼層Xと、その下部にタール分を酸化分解する燃焼層Yを連続的に設け、通過した高温ガスをつづく還元層Zで改質し、タール分が除去された清浄な可燃性ガスを製造する。
【選択図】図1
【解決手段】ガス化炉1の上部に木質系原料1−7を投入し、乾留ガスを生成し炭化物を作る燃焼層Xと、その下部にタール分を酸化分解する燃焼層Yを連続的に設け、通過した高温ガスをつづく還元層Zで改質し、タール分が除去された清浄な可燃性ガスを製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は木質系バイオマスを原料とした、エンジンやバーナー燃料用可燃性ガスの製造方法と装置に関するものである。
木質系バイオマスガス化は部分酸化や蒸気加熱などにより可燃ガスを製造し同時に生成するタール分を後処理で触媒や、高温水蒸気などにより改質除去することが行われている。
特開2002−210444公報
しかしながら従来の触媒を用いた方法によると、タールを含んだ可燃ガスを触媒が作用する高温域まで加熱昇温したり、蒸気改質にしても1000℃程度の高温水蒸気を製造する装置が必要であり、簡単な構造の装置とすることは困難であった。そのため本出願人はこれらの事情に鑑みて、特開2003−238972公報に提案するごとく実験用のバイオマスガス化装置を製作し、送風量や原料の燃焼方法を変えながらタール分の少ない可燃性ガスの製造を種々試みたが、結果的にはタールの多いガスが生成し後処理で除去装置を附加せざるを得なかった。
そこで本出願人は上記課題を解決するために、さらに鋭意研究を重ね本発明を創案するに至ったものである。すなわち、以上のような問題を解決するための本発明の方法及び装置は、上側の燃焼層で燃焼用空気により原料を乾留炭化し、生成した可燃ガスやタールを含む乾留ガスを下側の燃焼層に誘引し、燃焼用空気により炭化物と共に高温で酸化分解すると下部の還元層で生成されたガスはガス化炉出口においてタール分を殆ど含まない可燃ガスとなることを特徴としている。
本発明は請求項1及び請求項2による複数の燃焼層から成り、タール分を殆ど含まない可燃ガスを複雑な機構を持たない廉価な装置として提供することができ、エンジンやバーナー等の質の良い燃料製造用として使用することができる。木質系バイオマスの利用促進が叫ばれる中、エネルギー利用を目的とした装置はコスト高であると共に運転を継続していく為の維持管理にも相当の費用がかかるとされている。しかし、本発明が木質系バイオマス利用の突破口となり、林業分野の将来展望に大きな期待が持てるものと確信している。
以下、実施例に関する図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の装置の構成を示すもので、ガス化炉1へ送風ファン等の送風手段2により燃焼用空気を供給し、ガス化炉1の下部から吸引ファン等の誘引手段3により可燃性ガス取り出す。
図1は本発明の装置の構成を示すもので、ガス化炉1へ送風ファン等の送風手段2により燃焼用空気を供給し、ガス化炉1の下部から吸引ファン等の誘引手段3により可燃性ガス取り出す。
ガス化炉1は、原料投入用のホッパー1−1と円筒容器1−2及び耐火断熱材1−3により構成されている。ガス化炉1下部の還元層Z、下部燃焼層Y及び上部燃焼層Xには粒状の炭化物(1〜5cm程度の木炭、竹炭等)を充填し、上部の未燃焼層Wにはチップ材等の木質系原料1−7(1〜5cm程度)が投入してある。
運転は下部空気吹き出し部材2−3付近の炭化物に適宜な手段を用いて着火後、誘引手段3を起動しガス化炉1内部の空気を誘引する。次に送風手段2を起動し空気調整バルブ2−1を開にし、下部空気吹き出し部材2−3から燃焼用空気を供給する。下部空気吹き出し部材2−3は水平方向に空気を吹き出すよう放射状に複数の小孔2−4が穿設してあり、下部燃焼層Yへ均等に燃焼用空気を与えることができ炭化物を1000℃程度の温度で安定した燃焼をさせることができる。
下部燃焼層Yの酸化燃焼が充分に進み、還元層Zに作用して誘引手段3を経由し可燃性ガスが発生する程度になったら、上部空気吹き出し部材2−2付近の炭化物に適宜な手段を用いて着火し、空気調整バルブ2−1を開にして上部空気吹き出部材2−2から燃焼用空気を供給する。
上部酸化層Xは燃焼用空気の供給を受け燃焼が拡大してくるが、燃焼ガスの流れは誘引手段3によりガス化炉1内部が負圧となっていることで上部燃焼層Xで生成したタール分を含む乾留ガスは常に下方に引かれ、下部燃焼層Yへ至りここで燃焼用空気を供給されて高温に赤熱した炭化物に接触し酸化分解する。さらに高温ガスは還元層Zを通過し、可燃ガスに改質されガス化炉から誘引手段3により外部へ誘引される。空気調整バルブ2−1を調整し酸化燃焼が安定的且つ適正に進み、誘引手段3の誘引量を上回らない適量の燃焼用空気を上部空気吹き出し部材2−2及び下部空気吹き出し部材2−3へ供給する。
燃焼の進行につれて、還元層Zの炭化物がガス化により体積が減容すると下部燃焼層Yから炭化物が下降し、同様に下部燃焼層Yが減容すると上部燃焼層Xから乾留ガスを排出した炭化物が下降する。上部燃焼層Xが減容すると未燃焼層Wからチップ等の原料が下降し高温雰囲気の中で乾留ガスを生成し逐次炭化される。尚減容による空洞が生じないようにする為又、未燃焼層Wのチップ材等の木質系原料1−7等が連続して下降するようにする為上部から適宜加圧しながらホッパー1−1に原料を逐次投入する。燃焼により生成される灰は誘引手段3によるガス化炉1内の下向きのガス流で、上部燃焼層X、下部燃焼層Y及び還元層Zの粒状炭化物(1〜5cm程度)どうしのすき間を通り火格子1−4から灰回収部1−5へ落下する。
灰分を多く含む原料を使用する場合は、灰が燃焼層及び還元層に滞留せず灰回収部1−5へ容易に落下するようにする為、火格子1−4を適宜な手段を用いて揺動する。
灰分を多く含む原料を使用する場合は、灰が燃焼層及び還元層に滞留せず灰回収部1−5へ容易に落下するようにする為、火格子1−4を適宜な手段を用いて揺動する。
燃焼用空気は本発明ではガス化炉の中央部から炉壁方向へ1組の空気吹き出し部材2−2、2−3で水平且つ放射状に吹き出すものとしたが、複数組の空気吹き出し部材を組み込んでも良いし、炉壁から炉中心に向かって吹き込む方式でも良い。又、炉の大きさや形状により、この2方式の組み合わせや、燃焼層の段数をさらに増やすこともでき、ほぼ完全なタール除去が可能となる。原料となる木質チップが一定品質の場合、上部空気吹き出し部材2−2及び下部空気吹き出し部材2−3の空気吹き出し量を、予め小孔の径及び個数で設定しておけば燃焼用空気供給系統を1系統にまとめることもできる。空気吹き出し部材に耐熱性の材料を用いれば、燃焼用空気に廃熱回収などで加熱した空気を使用することができ、熱効率を高めることができる。
ガス化装置起動時に多少のタール発生を許容できる場合、上部空気吹き出し部材2−2付近に着火後、誘引手段3を起動すると同時に空気調整バルブ2−1を開放しガス化炉1内の負圧により上部空気吹き出部材2−2及び下部空気吹き出部材2−3から空気を流入させ又、未燃焼層Wからの空気流入も作用しガス化炉1内の中心部に下向きの空気流をつくる。上部空気吹き出し部材2−2付近の小さな燃焼部位は下方に向けて広がっていく。燃焼部位が下部空気吹き出し部材2−3付近に到達したら送風手段2を起動し燃焼用空気を送風し、燃焼部位を広げ上部燃焼層X及び下部燃焼層Yを形成する。
しかるに本装置により実験をしてみると、チップ材を原料として製造したガスはタール分の殆ど無い極めて清浄なものが得られ、誘引手段3から排出したものを直接燃焼すると無色無煙の炎となった。この可燃ガスは一酸化炭素、水素を主成分としているがこれを除塵してボイラー等のバーナーの燃料にしたり、さらに冷却除湿してエンジン発電機の燃料とできる他、燃料電池や液体燃料製造用の原料として利用することができる。これは再生可能エネルギーである木質系バイオマスをエネルギー化する方法として、簡単で廉価な方法である。又このガス化方法は木質チップの他にRDF等粒状に加工された可燃物からの良質な可燃ガスの製造にも応用できる。
W 未燃焼層
X 上部燃焼層
Y 下部燃焼層
Z 還元層
1 ガス化炉
1−2 円筒容器
1−3 耐火断熱材
1−4 火格子
1−6 灰出し口
2 送風手段
2−1 空気調整バルブ
2−2 上部空気吹き出し部材
2−3 下部空気吹き出し部材
3 誘引手段
X 上部燃焼層
Y 下部燃焼層
Z 還元層
1 ガス化炉
1−2 円筒容器
1−3 耐火断熱材
1−4 火格子
1−6 灰出し口
2 送風手段
2−1 空気調整バルブ
2−2 上部空気吹き出し部材
2−3 下部空気吹き出し部材
3 誘引手段
Claims (2)
- 木質系バイオマス原料からエンジンやバーナー等の燃料として使用できる可燃性ガスを製造する縦型のガス化炉において、
(1)該ガス化炉の上部より原料を供給し、該原料を燃焼層で燃焼させてガスを発生させ、下部のガス吸出口から可燃ガスを取り出す方式にし、
(2)燃焼層を上下に複数箇所設け、それぞれの燃焼層に空気供給用送風手段で燃焼用空気を供給すると共に、
(3)上側の燃焼層で生成した乾留ガスを下側の燃焼層で酸化分解しタール及び煙分を除去することを特徴とする木質系バイオマスガス化におけるタール除去方法。 - 木質系バイオマス原料からエンジンやバーナー等の燃料として使用できる可燃性ガスを製造する縦型のガス化炉において、該ガス化炉の上部より原料を供給し、該原料を燃焼層で燃焼させてガスを発生させ、下部のガス吸出口から可燃ガスを取り出すのに、
(1)燃焼層への空気供給用送風手段と、還元層で生成したガスを誘引しエンジンやバーナー等に供給する誘引手段を設けること。
(2)燃焼層を上下に複数箇所設け、それぞれの燃焼層に空気供給用送風手段で燃焼用空気を供給すること。
(3)上側の燃焼層で生成した乾留ガスを下側の燃焼層で酸化分解しタール及び煙分を除去することを特徴とする木質系バイオマスガス化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003321441A JP2005089519A (ja) | 2003-09-12 | 2003-09-12 | 木質系バイオマスガス化におけるタール除去方法と装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007132254A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Mitsubishi Materials Techno Corp | 廃棄物ガス化発電システム |
JP2007298225A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Nitsushiyoo Kiko:Kk | ガス化燃焼装置 |
CN102433140A (zh) * | 2011-10-27 | 2012-05-02 | 苏州辰昌新能源技术有限公司 | 生物质炭化炉的焦油收集装置 |
JP2014001324A (ja) * | 2012-06-19 | 2014-01-09 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 可燃性の燃料ガスを生成するガス化炉、及び、その制御方法 |
-
2003
- 2003-09-12 JP JP2003321441A patent/JP2005089519A/ja active Pending
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