JP2005087952A - 模様形成治具およびこれを用いた模様塗膜付き容器の製造方法 - Google Patents

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孝志 清水
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泰洋 湯川
Makoto Tsunoda
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Abstract

【課題】 塗料中に含有させた粉末状の磁性材料を磁石による磁界で配向させて形成する模様塗膜を缶等の容器の表面に形成することができる模様形成治具およびこれを用いた模様塗膜付き容器の製造方法を提供すること。
【解決手段】 容器本体31の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布し、この液状塗料の塗布前または塗布後に、模様に対応する磁石21を前記容器本体31の内表面に対して接近離反可能に備えた模様形成治具10を容器本体31内に挿入し、この模様形成治具10の磁石21の磁界により前記磁性材料を配向させたのち、前記磁石21を前記容器本体31の内表面から離反させて前記模様形成治具10を取り出し、硬化するようにする。
これにより、模様形成治具10の磁石21を容器本体31の内表面から離反させて取り出すことで、磁石21を取り外すことによる模様の崩れを回避して容器30に磁性材料による模様塗膜32を形成できるようにしている。
【選択図】 図3

Description

この発明は模様形成治具およびこれを用いた模様塗膜付き容器の製造方法に関し、塗料中に含有させた粉末状の磁性材料を磁石による磁界で配向させて形成する模様塗膜を容器の表面に形成できるようにしたもので、特に缶の表面に形成できるようにしたものである。
被塗物の表面に、文字やマークあるいは図柄などの模様を形成する方法として、従来の模様を印刷した粘着テープを表面に貼着したり、あるいは、所定の模様部分を切り取ったマスキング紙を表面に被せてその上から塗料を塗布する方法などに代わり、粉末状の磁性材料を含有させた塗料を塗布し、磁石による磁界で粉末状の磁性材料を配向させて模様を被塗物の表面に形成する方法が種々提案されている。
このような粉末状の磁性材料を含有させた塗料を用い、磁界により磁性材料を配向させて模様塗膜を形成する方法として、例えば特許文献1に開示されたものがある。
この模様塗膜の形成方法では、図7(a)にその工程を、図7(b)に被塗物と磁石の配置をそれぞれ示すように、被塗物Wの裏面にスペーサ1を介して模様に対応した形状の磁石2を配置した状態とし、この状態のもとで粉末状磁性材料3が含有されたベース塗料4を被塗物Wの表面である塗布面に乾燥膜厚で15〜35μmとなるように塗布する。
すると、磁石2から発せられた磁力がベース塗料4中の粉末状磁性材料3に作用し、この粉末状磁性材料3が流動性を有するベース塗料4中で配向を開始する。
この粉末状磁性材料3の配向作用は、図8に示すように、磁力が作用していないか、あるいは磁力の作用が比較的弱い部位については、磁石2を取り付けずに塗装した場合と同様に、粉末状磁性材料3はベース塗料4中でランダムに配列するのに対して、磁石2が取り付けられて磁力が作用している部位についてはこの磁力線に沿って粉末状磁性材料3が配向する。
特に、磁石2の周辺部は磁力が強いことから、この周辺部の近傍に粉末状磁性材料3が吸引されて粉末の密度が高くなる一方、磁石2の中央部は磁力線が塗膜に対してほぼ垂直に作用するため、粉末状磁性材料3が直立することとなる。
したがって、形成された模様塗膜を観察すると、磁石2の周辺部に沿って粉末状磁性材料3が高密度となる部分は磁性材料の色彩が強くなる一方、磁石2の中央部は磁性材料3が直立しているために反射光が弱くなって黒っぽい色彩となるグラデーションが生じ、模様が立体的に浮き出て見えることになる。
なお、この模様塗膜の形成方法では、ベース塗料4を塗布した後に、所定の間隔(3〜5分程度が好ましい)をおいて、このベース塗料4上にクリヤ塗料5を乾燥膜厚が15〜35μmとなるように塗布し、このクリヤ塗料5を塗布した後、一定時間経過後(例えば5分)に被塗物Wの裏面に配置された磁石2をスペーサ1と共に取り外して、被塗物Wを熱風乾燥炉等に搬送し、ベース塗料4およびクリヤ塗料5を所定の乾燥条件で焼き付けることで、板状の被塗物W上に模様塗膜を硬化するようにしている。
特開平5−329436号公報
ところが、このような模様塗膜の形成方法を板状の被塗物Wと異なり、立体状の缶等の容器に適用しようとすると、図9に示すように、模様に対応する磁石6を備えたマンドレル7を用意し、このマンドレル7に被塗物である容器8を装着した状態とする。
そして、容器8の外表面に粉末状の磁性材料を含有した塗料を塗布し、塗布した粉末状の磁性材料を、容器8の内側に入れた磁石6で配向して模様を形成する。
この後、乾燥焼付けのため、磁石6を取り外そうとすると、板状の被塗物のように塗布面に対して直角に移動できず、マンドレル7ごと磁石6を容器8の中心軸方向に取り出すしかなく、この磁石6の取り外しに伴って粉末状の磁性材料が引きずられるように移動して筋状になって模様が崩れてしまうという問題がある。
特に、飲料用の缶等のように、高速で大量生産する小径の円筒形の容器の場合には、容器にマンドレルを入れて支持するとともに、このマンドレルに配向用の磁石を取り付けておく必要があり、一層磁石の取り出しに伴う模様の崩れを回避することが難しいという問題がある。
この発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、塗料中に含有させた粉末状の磁性材料を磁石による磁界で配向させて形成する模様塗膜を缶等の容器の表面に形成することができる模様形成治具およびこれを用いた模様塗膜付き容器の製造方法を提供しようとするものである。
上記従来技術の有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載の模様形成治具は、容器の中心軸部に配置される操作部材と、この操作部材の操作により前記容器の内表面に接近離反される複数のマンドレル部材と、これらマンドレル部材に設けられ模様の形状に対応する磁石とを備えることを特徴とするものである。
この模様形成治具によれば、容器の中心軸部に配置される操作部材と、この操作部材の操作により前記容器の内表面に接近離反される複数のマンドレル部材と、これらマンドレル部材に設けられ模様の形状に対応する磁石とを備えており、操作部材の操作で複数のマンドレル部材を容器の内表面に対して接近離反させることで、マンドレル部材に取り付けた磁石を容器内表面から退避させることができ、板状でなく立体状の容器であっても、磁石によって磁性材料を配向させた模様が形成できるようになる。
また、この発明の請求項2記載の模様形成治具は、請求項1記載の構成に加え、前記操作部材を、前記容器の中心軸方向に往復操作可能とし、これと直交する方向に前記マンドレル部材を接近離反可能に構成したことを特徴とするものである。
この模様形成治具によれば、前記操作部材を、前記容器の中心軸方向に往復操作可能とし、これと直交する方向に前記マンドレル部材を接近離反可能に構成してあり、操作部材を中心軸方向に往復操作することでマンドレル部材を直交する方向に接近離反させることができ、マンドレル部材に取り付けた磁石を容器内表面から退避させることができ、板状でなく立体状の容器であっても、磁石によって磁性材料を配向させた模様が形成できるようになる。
さらに、この発明の請求項3記載の模様塗膜付き容器は、請求項1または2記載の構成に加え、前記マンドレル部材の外側に、前記容器内に挿脱可能な樹脂スリーブを被せて構成したことを特徴とするものである。
この模様形成治具によれば、前記マンドレル部材の外側に、前記容器内に挿脱可能な樹脂スリーブを被せて構成しており、マンドレル部材に樹脂スリーブを被せることでマンドレル部材が容器内面と直接接触することなく、模様塗膜を形成できるようになる。
また、この発明の請求項4記載の模様形成治具は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記マンドレル部材同士を互いに接近するよう付勢する付勢部材を設けて構成したことを特徴とするものである。
この模様形成治具によれば、前記マンドレル部材同士を互いに接近するよう付勢する付勢部材を設けて構成しており、マンドレル部材の接近を付勢部材によって容易とし、磁石の退避を簡単にできるようにしている。
さらに、この発明の請求項5記載の模様形成治具は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記操作部材と前記マンドレル部材との間に傾斜接触面を形成して操作機構を構成するとともに、これら傾斜接触面間を潤滑可能に構成したことを特徴とするものである。
この模様形成治具によれば、前記操作部材と前記マンドレル部材との間に傾斜接触面を形成して操作機構を構成するとともに、これら傾斜接触面間を潤滑可能に構成しており、傾斜面を接触させることで操作部材の操作によってマンドレル部材を接近離反することができ、接触面を潤滑することで高速大量生産にも対応できるようになる。
また、この発明の請求項6記載の模様塗膜付き容器の製造方法は、容器の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布し、この液状塗料の塗布前または塗布後に、模様に対応する磁石を前記容器の内表面に対して接近離反可能に備えた模様形成治具を容器内に挿入し、この模様形成治具の磁界により前記磁性材料を配向させたのち、前記磁石を前記容器の内表面から離反させて前記模様形成治具を取り出し、硬化するようにしたことを特徴とするものである。
この模様塗膜付き容器の製造方法によれば、容器の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布し、この液状塗料の塗布前または塗布後に、模様に対応する磁石を前記容器の内表面に対して接近離反可能に備えた模様形成治具を容器内に挿入し、この模様形成治具の磁界により前記磁性材料を配向させたのち、前記磁石を前記容器の内表面から離反させて前記模様形成治具を取り出し、硬化するようにしており、容器の表面に塗布した液状塗料に含有する粉末状の磁性材料を容器内に挿入した模様形成治具の磁界で配向させることができ、この模様形成治具の磁石を容器の内表面から離反させて取り出すことで、磁石を取り外すことによる模様の崩れを回避して容器に磁性材料による模様を形成できるようにしている。
さらに、この発明の請求項7記載の模様塗膜付き容器の製造方法は、請求項6記載の構成に加え、前記液状塗料を、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂で構成し、前記磁性材料を配向させて前記模様形成治具を取り出した後の硬化を、紫外線または電子線の照射で行うようにしたことを特徴とするものである。
この模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記液状塗料を、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂で構成し、前記磁性材料を配向させて前記模様形成治具を取り出した後の硬化を、紫外線または電子線の照射で行うようにしており、液状塗料を紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂とすることで、磁性材料を配向させた模様を、紫外線または電子線を照射してごく短時間に硬化でき、一層容易に缶等の容器に粉末状の磁性材料を配向させた模様を形成でき、高速大量生産にも対応できるようになる。
また、この発明の請求項8記載の模様塗膜付き容器の製造方法は、請求項6または7記載の構成に加え、前記磁性材料による模様の外側、あるいは当該模様に重ねて前記容器表面に印刷を施すようにしたことを特徴とするものである。
この模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記磁性材料による模様の外側、あるいは当該模様に重ねて前記容器表面に印刷を施すようにしており、磁性材料による模様に加えて印刷を施すことで、一層容器の装飾性、意匠性を高めることができるようになる。
さらに、この発明の請求項9記載の模様塗膜付き容器の製造方法は、請求項6〜8のいずれかに記載の構成に加え、前記容器を、非磁性材料の缶としたことを特徴とするものである。
この模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記容器を、非磁性材料の缶としており、アルミ缶などに対して磁性材料による模様が形成できるようになる。
この発明の請求項1記載の模様形成治具によれば、容器の中心軸部に配置される操作部材と、この操作部材の操作により前記容器の内表面に接近離反される複数のマンドレル部材と、これらマンドレル部材に設けられ模様の形状に対応する磁石とを備えているので、操作部材の操作で複数のマンドレル部材を容器の内表面に対して接近離反させることで、マンドレル部材に取り付けた磁石を容器内表面から退避させることができ、板状でなく立体状の容器であっても、磁石によって磁性材料を配向させた模様を形成することができる。
また、この発明の請求項2記載の模様形成治具によれば、前記操作部材を、前記容器の中心軸方向に往復操作可能とし、これと直交する方向に前記マンドレル部材を接近離反可能に構成したので、操作部材を中心軸方向に往復操作することでマンドレル部材を直交する方向に接近離反させることができ、マンドレル部材に取り付けた磁石を容器内表面から退避させることで、板状でなく立体状の容器であっても、磁石によって磁性材料を配向させた模様を形成することができる。
さらに、この発明の請求項3記載の模様塗膜付き容器によれば、前記マンドレル部材の外側に、前記容器内に挿脱可能な樹脂スリーブを被せて構成したので、マンドレル部材に樹脂スリーブを被せることでマンドレル部材が容器内面と直接接触することなく、磨耗粉などを入れることなく模様塗膜を形成することができる。
また、この発明の請求項4記載の模様形成治具によれば、前記マンドレル部材同士を互いに接近するよう付勢する付勢部材を設けて構成したので、マンドレル部材の接近を付勢部材によって容易とし、操作機構を簡素化することができるとともに、磁石の退避を簡単に行なうことができる。
さらに、この発明の請求項5記載の模様形成治具によれば、前記操作部材と前記マンドレル部材との間に傾斜接触面を形成して操作機構を構成するとともに、これら傾斜接触面間を潤滑可能に構成したので、傾斜面を接触させることで操作部材の操作によってマンドレル部材を接近離反することができ、接触面を潤滑することで高速大量生産にも対応することができる。
また、この発明の請求項6記載の模様塗膜付き容器の製造方法によれば、容器の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布し、この液状塗料の塗布前または塗布後に、模様に対応する磁石を前記容器の内表面に対して接近離反可能に備えた模様形成治具を容器内に挿入し、この模様形成治具の磁界により前記磁性材料を配向させたのち、前記磁石を前記容器の内表面から離反させて前記模様形成治具を取り出し、硬化するようにしたので、容器の表面に塗布した液状塗料に含有する粉末状の磁性材料を容器内に挿入した模様形成治具の磁界で配向させることができ、この模様形成治具の磁石を容器の内表面から離反させて取り出すことで、磁石を取り外すことによる模様の崩れを回避して容器に磁性材料による模様を形成することができる。
さらに、この発明の請求項7記載の模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記液状塗料を、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂で構成し、前記磁性材料を配向させて前記模様形成治具を取り出した後の硬化を、紫外線または電子線の照射で行うようにしたので、液状塗料を紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂とすることで、磁性材料を配向させた模様を、紫外線または電子線を照射してごく短時間に硬化でき、一層容易に缶等の容器に粉末状の磁性材料を配向させた模様を形成でき、高速大量生産にも対応することができる。
また、この発明の請求項8記載の模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記磁性材料による模様の外側、あるいは当該模様に重ねて前記容器表面に印刷を施すようにしたので、磁性材料による模様に加えて印刷を施すことで、一層容器の装飾性、意匠性を高めることができる。
さらに、この発明の請求項9記載の模様塗膜付き容器の製造方法によれば、前記容器を、非磁性材料の缶としたので、アルミ缶などに対して磁性材料による模様を形成することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1はこの発明の模様塗膜付き容器の製造に用いる模様形成治具の一実施の形態にかかる縦断面図、横断面図、および左側面図である。
この模様形成治具10は、容器である非磁性材料の缶などに対して、その外表面に粉末状の磁性材料を含有した液状塗料を塗布し、容器内の磁石により粉末状の磁性材料を配向して模様塗膜を形成した後、磁石を容器の内表面から離反するように退避させて容器外に取り出すことができるようにするものである。
これまでのように磁石を取り出すため容器の内表面に沿って移動すると、磁性材料が引きずられて配向された模様が筋状に崩れてしまうが、この発明では、模様形成治具10を用いることで、磁石を内表面から離反するようにして退避させることができ、この状態で磁石を取り出すことで、磁石を容器外へ取り出すことによる模様塗膜への影響を回避できるようにする。
そして、磁石を取り出した後、模様塗膜および塗料の硬化を行うことで、模様塗膜付きの容器を完成する。
この模様形成治具10は、図1に示すように、容器に挿入・脱出可能とされた治具本体11を備えており、この治具本体11は、上下の円板部12、13と、これらを連結する2つの側板部14、15とを備えて構成されている。
上下の円板部12、13は、容器の内径よりわずかに小径の円形とされ、その中心部には、操作部材16が中心軸方向に往復動される際のガイドとなるガイド孔12a、13aが形成してある。また、2つの側板部14、15は、円板部12、13の外周のそれぞれ4分の1程度の円弧面を外側に備え、内側が平坦な板状に形成され、内側の平坦面の中央部に上下に伸びる溝14a、15aが形成されて平行に対向するよう配置される。
そして、これら2つの側板部14、15の内側に外周の4分の1程度の幅の空間が形成されて上下に円板部12、13が連結されて治具本体11が構成され、上下の円板部12、13の外周面および2つの側板部14、15の円弧面が容器の内側形状に沿うような枠状に組み立てられて治具本体11が構成されている。
この治具本体11には、2つの側板部14、15の間に複数のマンドレル部材、例えば2つのマンドレル部材17,18が配置され、容器の内表面に対して接近したり、離反することができるように装着してある。
これらマンドレル部材17、18は、外側面が円板部12、13の外周のそれぞれ4分の1程度の円弧面を外側に備え、両側面が治具本体11の2つの側板部14、15の平坦面に沿って往復動するようになっており、両側面の端部から外側に突き出す突出部17a、18aが治具本体11の側板部14、15の溝14a、15a内に位置し、脱落が防止されるとともに、往復移動範囲が規制されるようになっている。
そして、これらマンドレル部材17、18には、互いを引き寄せるように付勢する付勢部材19として引っ張りコイルばねが設けてある。
また、このマンドレル部材17、18の内側には、操作機構20を構成する傾斜接触面20aが上下2段にのこぎり状に形成され、先端部に行くにしたがって中心軸側に接近する傾斜面としてある。
さらに、治具本体11の中心部には、操作部材16が配置されて上下の円板部12、13のガイド孔12a、13aに上下のガイド部16aが装着されて中心軸上を上下に往復移動できるように装着してある。
そして、この操作部材16の外側に、操作機構20を構成する傾斜接触面20bが上下2段にのこぎり状に形成され、先端部に行くにしたがって中心軸側に接近する傾斜面としてあり、マンドレル部材17、18の内側の傾斜接触面20aと接触するようになっている。
したがって、操作部材16を下に押しこむようにすることで、傾斜接触面20a、20b同士で接触しているマンドレル部材17、18が付勢手段19のコイルばねに抗して左右外側に移動される一方、操作部材16を上に引き上げるようにすると、傾斜接触面20a、20b同士で接触しているマンドレル部材17、18が付勢手段19のコイルばねによって引き付けられて左右内側に移動されることになる。
このように往復移動されるマンドレル部材17、18の外側には、模様の形状に対応する磁石21が取り付けられ、例えば文字「A」の輪郭の磁石が取り付けられる。この磁石21としては、永久磁石で構成され、例えば可撓性を有する永久磁石であるマグネットラバー(ニトリルゴムを基材としたフェライト磁石)等を用いることで、容器の外表面の形状が湾曲して複雑である場合でも所定の形状の模様を形成することが可能となる。
そして、この模様形成治具10では、磁石21により容器表面に塗布された粉末状の磁性材料を配向させて模様塗膜を形成するが、この模様塗膜形成後に磁石21をマンドレル部材17、18とともに退避させ、この退避状態の磁石21を容器から取り出す場合に、模様塗膜の配向された磁性材料を崩さないところまで磁石21を退避できるようにマンドレル部材17、18の移動範囲が設定してある。
また、この模様形成治具10では、容器への挿入・脱出の際の空気抜きを円滑に行うため、操作部材16の中心部に空気抜き孔22が貫通して形成してある。
さらに、模様形成治具10の操作機構20を構成する操作部材16の傾斜接触面20aと、これと接触するマンドレル部材17、18の傾斜接触面20bとの間に摩擦を小さくするため、4フッ化エチレン樹脂などの摩擦低減材を取り付けるようにしても良い。
次ぎに、この発明の模様形成治具の他の一実施の形態について、図2により説明するが、上記実施の形態と同一部分には、同一記号を記し説明は省略する。
この模様形成治具10Aは、図2に示すように、治具本体11の外側を囲むように合成樹脂製の円筒状、あるいは底付き円筒状の樹脂スリーブ23が設けられており、この樹脂スリーブ23の外径が容器の内径よりわずかに小さく形成され、容器内に挿入・脱出できるようにしてある。
このような樹脂スリーブ23を設けることで、容器として、例えば飲料用の缶を用いて模様塗膜を形成する場合でも、容器内に模様形成治具10Aによる磨耗分などが入ることを防止できる。
また、この模様形成治具10Aでは、操作機構20の傾斜接触面20a、20b間に潤滑剤を供給するための潤滑剤供給路24が上部の円板部12と2つのマンドレル部材17、18に形成してあり、図示しない潤滑材供給装置から潤滑油などの潤滑剤を供給できるようにしてある。このような潤滑剤を供給する場合には、底付き円筒状の樹脂スリーブ23を用いることで、潤滑剤が容器内に付着することを防止することができるようになる。
なお、この底付き円筒状の樹脂スリーブ23を用いる場合でも空気抜き孔を形成し、容器内の空気を外部に排出できるようにする。
なお、模様形成治具10Aの他の構成は、既に説明した模様形成治具10と同一であるので、説明は省略する。
このような模様形成治具10、10Aによれば、操作部材16を中心軸方向上下に往復操作することで2つのマンドレル部材17,18を直交する左右方向に接近離反させることができ、マンドレル部材17,18に取り付けた磁石21を容器内表面から退避させることができ、板状でなく立体状の容器であっても、磁石21によって磁性材料を配向させた模様を形成することができる。
さらに、この模様形成治具10Aによれば、マンドレル部材17,18の外側に、容器内に挿脱可能な樹脂スリーブ23を被せてあるので、マンドレル部材17,18が容器内面と直接接触させることなく模様塗膜を形成することができる。
また、 この模様形成治具10,10Aによれば、マンドレル部材17,18同士を互いに接近するよう付勢する付勢部材19を設けるようにしたので、マンドレル部材17,18の接近を付勢部材19によって簡単に行なうことができ、操作機構20を簡素化することができるとともに、磁石21の退避を容易に行なうことができる。
さらに、この模様形成治具10Aによれば、操作部材16と2つのマンドレル部材17,18との間に傾斜接触面20a、20bを形成して操作機構20を構成するとともに、これら傾斜接触面20a、20b間に潤滑剤供給路24から潤滑剤を供給可能としたので、傾斜接触面20a、20b同士を接触させることで操作部材16の操作によってマンドレル部材17,18を互いに接近離反することができるとともに、接触面を潤滑することで高速大量生産にも対応して円滑に動作させることができる。
次ぎに、このように構成した模様形成治具を用いて行う模様塗膜付き容器の製造方法について、図3により説明する。
図3は、この発明の模様形成治具を用いた模様塗膜付き容器の製造方法の一実施の形態にかかる工程図である。
この模様塗膜付き容器の製造方法では、例えば図3に示すように、容器となる非磁性体で成形され、トリミングされた容器本体31が用いられ、この容器本体31に、例えば模様形成治具10を用いて模様塗膜32を形成して模様塗膜付き容器30が完成される。
この容器本体31としては、例えば飲料用の円筒状のアルミニウム製の2ピース缶が用られ、特に断面積が小さい容器に有用であるが、飲料用のアルミニウム缶に限らず、他の金属やプラスチックなどの非磁性材料の容器を広く用いることができるとともに、断面形状も円形に限らず、矩形や多角形など底部から開口部まで一定断面の円筒状や角筒状など種々の形状であっても良く、あるいは断面が底部より開口部が大きく、模様形成治具10(10A)を開口部から挿脱可能であれば、一定断面でないものであっても良い。

この模様塗膜付き容器の製造方法では、まず、 図3(a)に示すように、模様形成治具10を2つのマンドレル部材17、18を操作部材16を引き抜くようにし、縮径して互いを接近させた状態として容器本体31に装着する。
この後、図3(b)に示すように、模様形成治具10を容器本体31に装着した状態で、操作部材16を押し込むようにして2つのマンドレル部材17、18を拡径して互いを引き離す状態としてマンドレル部材17、18の磁石21を容器本体31の内表面に接近させる。そして、容器本体31の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布する。
なお、この液状塗料の塗布は、模様形成治具10を容器本体31内に挿入した後であっても、模様形成治具10の挿入前に容器本体31に塗布するようにしても良い。また、模様形成治具10の挿入後、マンドレル部材17,18が容器本体31の内表面に接近する前でも良い。
この液状塗料は、ビヒクル成分と溶剤とを主成分とする塗料中に粉末状磁性材料を混入したものであって、ビヒクル成分としては通常の塗料用樹脂を用いることができ、加熱乾燥して硬化する樹脂あるいは紫外線や電子線などで反応硬化する樹脂などを挙げることができる。
具体的な熱硬化樹脂としては、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができ、紫外線硬化樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂、アクリレート樹脂などを用いることができる。さらに、いわゆる紫外線硬化塗料(UVC)や電子線硬化塗料(EBC)を用いることができる。
また、熱硬化樹脂の溶剤としては、有機溶剤や水が挙げられる。塗料の形態としては、有機溶剤型、非水ディスパージョン型、水溶液型、エマルジョン型などの液状が挙げられる。
なお、液状塗料には、必要に応じて着色顔料、染料、アルミニウム粉、パール状顔料、雲母等を配合することができる。
このような塗料中に混合される粉末状磁性材料は、磁力により配向が変化する粉末であって、例えば、ニッケルを蒸着した雲母、ニッケル、鉄含有率の高いステンレス、鉄などの粉末を用いることができる。また、磁性材料の形状は、鱗片状、薄板状、粒状など何れでも良く、一方、磁性材料の大きさは長手方向もしくは直径が1〜50μm、好ましくは20〜30μmである。この粉末状磁性材料の配合比は、前述したビヒクル成分100重量部(固形分)に対して1〜30重量部、特に10〜20重量部が好ましい。
このような粉末状の磁性材料が含有された液状塗料を模様形成治具10に装着した容器本体31の外表面に塗布すると、図3(c)に示すように、マンドレル部材17,18に取り付けてある磁石21から発せられた磁力が液状塗料中の粉末状磁性材料に作用し、この粉末状磁性材料が流動性を有する液状塗料中で配向を開始する。
この粉末状磁性材料の配向作用は、既に図7で説明したように、磁力が作用していないか、あるいは磁力の作用が比較的弱い部位については、磁石21を取り付けずに塗装した場合と同様に、粉末状磁性材料は液状塗料中でランダムに配列するのに対して、磁石21が取り付けられて磁力が作用している部位についてはこの磁力線に沿って粉末状磁性材料が配向し、磁石21の周辺部は磁力が強いことから粉末状磁性材料が吸引されて粉末の密度が高くなる一方、磁石21の中央部は磁力線が塗膜に対してほぼ垂直に作用するため、粉末状磁性材料が直立するように配向される。
これにより、形成された模様塗膜32を観察すると、磁石21の周辺部に沿って粉末状磁性材料が高密度となる部分は磁性材料の色彩が強くなる一方、磁石21の中央部は磁性材料が直立しているために反射光が弱くなって黒っぽい色彩となるグラデーションが生じ、模様である「A」が立体的に浮き出て見えることになる。
このようにして磁性材料による模様を容器本体31の外表面に形成した後、図3(d)に示すように、この模様形成治具10を容器本体31から取り外す。
このとき、模様形成治具10の操作部材16を引き抜くように操作して、2つのマンドレル部材17、18を互いに接近するようにし、磁石21を容器本体31の内表面から直交する方向に離反させるようにして縮径した後、容器本体31から取り外す。
これにより、小径の容器本体から磁石を取り出そうとすると、これまでは、磁石を容器本体31の外表面に沿って移動しなければならず、磁性材料が磁石の移動に引きずられて模様が筋状に崩れてしまったが、この発明では、模様形成治具10を用いて磁石21を容器本体31の内表面から離すように移動した後、取り外すことができ、磁石21を移動することによる磁性材料の配向模様への影響を回避することができる。
この後、容器本体31からの模様形成治具10を取り外した後、模様塗膜32および塗料の硬化が行われる。
この塗膜模様および塗料の硬化は、使用する液状塗料によって時間が異なり、飲料用缶の製造設備のように高速で大量生産する場合には、できるだけ短時間に硬化を行う必要がある。このため、加熱、あるいは紫外線や電子線の照射を行う硬化装置によって塗料の硬化が行われるように液状塗料を選定することが好ましく、特に、紫外線硬化塗料を用いることで、紫外線の数10秒〜数分の照射で完全に硬化させることができ、電子線硬化塗料を用いる場合には、さらに短い1〜2秒の電子線の照射で完全に硬化させることができる。
また、この程度の模様塗膜の硬化時間を確保することは、飲料用の缶の製造工程にほとんど影響を及ぼすことが無く、高速大量生産にもそのまま適用することができる。
したがって、このような模様塗膜付き容器30の場合でも、容器本体31において、模様形成のための磁石21の取り外し方向を模様塗膜形成面と直角方向に確保することができ、粉末状の磁性材料を配向して模様塗膜32を形成することが可能となる。
こうして容器本体31に粉末状の磁性材料を磁石21で配向した模様塗膜32を形成し、硬化した後、これまでの缶の製造方法と同様にして模様塗膜付き容器30を完成する。
例えば、模様塗膜32が形成された容器本体31の模様塗膜32を除く外表面に印刷を施したり、あるいは模様塗膜32の上にも重ねるように印刷を施すことが行われる。
これにより、立体的に見える模様塗膜32と印刷による模様とを組み合わせることができ、印刷だけの場合に比べ、意匠性および装飾性を高めることができる。
さらに、必要に応じて印刷後に、容器本体31の外表面全体にクリヤ塗料を硬化膜厚が2〜10μmとなるように塗布し、このクリヤ塗料を塗布した後、熱風乾燥炉等に搬送し、クリヤ塗料などを所定の乾燥条件で焼き付けることで、模様塗膜付き容器30を完成する。
次に、この発明の模様塗膜付き容器の製造方法を飲料缶の製造工程に適用した一実施の形態について、図4〜図6により具体的に説明する。
図4〜図6は、この発明の模様塗膜付き容器の製造方法の他の一実施の形態にかかり、図4は飲料缶製造工程中の一部分の概略工程図、図5は飲料缶製造設備の一部分の概略配置図、図6は粉末磁性材料の磁石による配向の説明図およびそのときの容器の塗膜構成を示す模式図である。
この発明の模様塗膜付き容器の製造、すなわち模様塗膜の形成が行われるのは、図4,5に示すように、飲料缶の製造工程中の印刷工程の上流側であり、飲料缶への模様塗膜の形成装置40としては、図5に示すように、成形されトリミングされたツーピース缶41の供給機構42が設けられ、この供給機構42によって模様形成用ターレット43にツーピース缶41を供給するようになっている。
この模様形成用ターレット43には、周囲等間隔に多数の模様形成治具10が配置されて上からツーピース缶41を被せるように装着できるようになっており、各模様形成治具10は、既に説明したように、操作部材16で拡縮操作されるマンドレル部材17、18に模様の輪郭形状などの磁石21が取り付けられて構成され、図示しない機構により操作部材16を往復駆動するとともに、模様形成用ターレット43の搬送回転に伴って自転しながら公転するようになっている。
この模様形成用ターレット43の周囲の搬送回転方向上流側には、ツーピース缶41の外表面に下地塗料、例えば磁性材料が含有される液状塗料に比べて濃色の塗料を塗布する下地塗料塗布ユニット44が設けられ、その下流側に粉末状磁性材料を含有した液状塗料、例えば紫外線硬化塗料に粉末状磁性材料を含有した液状塗料を塗布する磁性塗料塗布ユニット45が設けてある。これら2つの塗布ユニット44,45は、例えばアプリケータローラを備えるローラコータで構成される。
そして、模様形成用ターレット43の周囲の搬送回転方向下流側には、トランスファー装置46が設けられ、模様塗膜が形成されたツーピース缶41を模様形成治具10から取り外して次工程に搬送するようにしてある。
このように構成した飲料缶製造設備中に設置した模様塗膜の形成装置40では、成形されトリミングされたツーピース缶41が供給機構42によって模様形成用ターレット43に供給され、模様形成用ターレット43の模様形成治具10の縮径状態としたマンドレル部材17、18に上から被せるようにツーピース缶41が順次装着され、装着後に操作部材16によってマンドレル部材17、18を拡径する。
こうして模様形成治具10に装着されて自転しながら公転されて搬送されるツーピース缶41は、まず、下地塗料塗布ユニット44に送られ下地塗料34がアプリケータローラを備えるローラコータで塗布され、例えば磁性材料が含有される液状塗料に比べて濃色に塗装される。
この後、さらに自転しながら公転されて磁性塗料塗布ユニット45に搬送されたツーピース缶41は、粉末状磁性材料を含有した液状塗料がアプリケータローラを備えるローラコータで塗布され、例えば紫外線硬化塗料に粉末状磁性材を含有したものを塗布する。
すると、模様形成治具10のマンドレル部材17、18に取り付けてある磁石21から発せられた磁力が液状塗料中の粉末状磁性材料33に作用し、この粉末状磁性材料が流動性を有する液状塗料中で配向を開始する。
これにより、既に説明したように、磁石21の周辺部に沿って粉末状磁性材料が高密度となって磁性材料の色彩が強くなる一方、磁石21の中央部は磁性材料が直立しているために反射光が弱くなって黒っぽい色彩となるグラデーションが生じ、立体的に浮き出て見える模様塗膜32が形成される。
こののち、立体的に見える模様塗膜32が形成されながらツーピース缶41は模様形成用ターレット43によって自転しながら公転されて搬送され、下流側のトランスファー装置46に至る前に、模様形成治具10の操作部材16が操作されてマンドレル部材17、18が縮径され、磁石21をツーピース缶21の模様塗膜32から垂直に引き離すように離反される。
こうして立体的な模様塗膜が硬化されたツーピース缶41は、模様形成用ターレット43のマンドレル部材17,18から取り外されてトランスファー装置46に移載される。
このとき、磁性材料の模様塗膜32に対して磁石21を予め直角方向に退避させてあるので、模様形成治具10をツーピース缶41から取り外すように移動しても、模様塗膜32が崩れることがなく、所望の模様塗膜がそのまま維持されて移載される。
こうしてトランスファー装置46に移載されたツーピース缶41は、模様塗膜32を硬化させるため、図示しない紫外線照射装置で紫外線が照射され、さらに、ピンオーブンに送られ、完全に硬化される。
これにより、模様形成治具10の磁石21により配向された立体的な模様塗膜32が乾燥硬化され、ツーピース缶41の外表面に粉末状の磁性材料を磁石で配向させて立体的などに見える模様塗膜を完成することができる。
この紫外線による乾燥硬化は、ごく短時間の紫外線照射で良く、通常のツーピース缶の製造速度を変更することなくそのままで行うようにしたり、僅かに変更するようにして行えば良い。また、液状樹脂として電子線硬化樹脂を用いるようにすれば、紫外線硬化樹脂よりも一層短時間に硬化させることができ、一層の製造速度の高速化に対応することもできる。
この後、ツーピース缶41を完成するため、次工程において、必要な印刷が施される。
この印刷は、通常のツーピース缶41に対するこれまでの印刷と同様に行われ、模様塗膜に対してはその周囲に印刷を施すようにしたり、あるいは模様塗膜に重ね、しかも印刷を透して模様塗膜は見えるように印刷が施される。
そして、さらに、ツーピース缶41全体に仕上げニス35が塗布された後、ピンオーブンに送られて焼き付けられ、模様塗膜付き容器が完成する。
なお、ツーピース缶41の製造設備において磁性材料による模様塗膜を形成する場合でも、飲料缶のように高速大量生産を行う必要がない場合には、図4(b)に示すように、磁性材料が含有される液状塗料として、紫外線硬化樹脂に代えて熱硬化樹脂などを用い、模様形成治具10から取り外してトランスファー装置46で次工程に搬送した後、ピンオーブンなどで加熱して磁性材料の模様塗膜の加熱乾燥を行い、完全な硬化を行うようにしても良い。
そして、この後行われる印刷は、既に説明した上記の場合と同様にして行えば良い。
以上のように、缶等の容器でも、模様塗膜に対して直角方向に磁石を退避させることができ、容器内に装着する模様形成治具の磁石で配向した模様塗膜を、予め磁石を表面から離すように移動した後に模様形成治具ごと磁石を取り外すことで、模様塗膜を崩すことなく磁石を移動して取り出すことが可能となり、底部断面積の小さい容器の外表面に対しても磁性材料による模様塗膜を形成することが可能となる。
また、設備上も印刷工程の前に一工程を設けるだけで良く、これまでの設備を大幅に改造することなく対応することができる。
なお、上記飲料缶の製造設備に適用する場合に、模様形成治具10を用いる場合を例に説明したが、樹脂スリーブを備えた模様形成治具10Aを用いても良く、この場合には、容器内に磨耗粉や潤滑剤が入ることを防止することができる。
また、容器としては、アルミニウム製のツーピース缶に限らず、他の非磁性材料やこれらに熱可塑性樹脂などの有機被覆を設けたもの、合成樹脂等による缶などの容器に広く適用することができる。
この発明の模様塗膜付き容器の製造に用いる模様形成治具の一実施の形態にかかる縦断面図、横断面図、および左側面図である。 この発明の模様塗膜付き容器の製造に用いる模様形成治具の他の一実施の形態にかかる縦断面図および横断面図である。 この発明の模様形成治具を用いた模様塗膜付き容器の製造方法の一実施の形態にかかる工程図である。 この発明の模様塗膜付き容器の製造方法の他の一実施の形態にかかり、飲料缶製造の一部分の概略工程図である。 この発明の模様塗膜付き容器の製造方法の他の一実施の形態にかかり、飲料缶製造設備の一部分の概略配置図である。 この発明の模様塗膜付き容器の製造方法の他の一実施の形態にかかる粉末磁性材料の磁石によるは意向の説明図およびそのときの容器の塗膜構成を示す模式図である。 従来の板状の被塗物に模様塗膜を形成する方法の工程図および磁石などの配置図である。 液状塗料に含有した粉末状の磁性材料を磁石で配向する場合の原理説明図である。 従来の板状の被塗物に模様塗膜を形成する方法を用いて容器に模様塗膜を形成する場合の工程図である。
符号の説明
W 被塗物
1 スペーサ
2,6 磁石
3 粉末磁性材料
4 粉末磁性材料を含有したベース塗料
5 クリヤ塗料
7 マンドレル
8 容器
10、10A 模様形成治具
11 治具本体
12、13 上下の円板部
12a、13a ガイド孔
14、15 側板部
14a、15a 溝
16 操作部材
16a 上下のガイド部
17,18 マンドレル部材
17a、18a 突出部
19 付勢部材
20 操作機構
20a、20b 傾斜接触面
21 磁石
22 空気抜き孔
23 樹脂スリーブ
24 潤滑剤供給路
30 模様塗膜付き容器
31 容器本体
32 模様塗膜
33 粉末磁性材料
34 下地塗料
35 仕上げニス
40 飲料缶製造設備の模様塗膜の形成装置
41 ツーピース缶
42 供給機構
43 模様形成用ターレット
44 下地塗料塗布ユニット
45 磁性塗料塗布ユニット
46 トランスファー装置


Claims (9)

  1. 容器の中心軸部に配置される操作部材と、この操作部材の操作により前記容器の内表面に接近離反される複数のマンドレル部材と、これらマンドレル部材に設けられ模様の形状に対応する磁石とを備えることを特徴とする模様形成治具。
  2. 前記操作部材を、前記容器の中心軸方向に往復操作可能とし、これと直交する方向に前記マンドレル部材を接近離反可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の模様形成治具。
  3. 前記マンドレル部材の外側に、前記容器内に挿脱可能な樹脂スリーブを被せて構成したことを特徴とする請求項1または2記載の模様形成治具。
  4. 前記マンドレル部材同士を互いに接近するよう付勢する付勢部材を設けて構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の模様形成治具。
  5. 前記操作部材と前記マンドレル部材との間に傾斜接触面を形成して操作機構を構成するとともに、これら傾斜接触面間を潤滑可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の模様形成治具。
  6. 容器の表面に、粉末状の磁性材料を含有する液状塗料を塗布し、この液状塗料の塗布前または塗布後に、模様に対応する磁石を前記容器の内表面に対して接近離反可能に備えた模様形成治具を容器内に挿入し、この模様形成治具の磁界により前記磁性材料を配向させたのち、前記磁石を前記容器の内表面から離反させて前記模様形成治具を取り出し、硬化するようにしたことを特徴とする模様塗膜付き容器の製造方法。
  7. 前記液状塗料を、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂で構成し、前記磁性材料を配向させて前記模様形成治具を取出した後の硬化を、紫外線または電子線の照射で行うようにしたことを特徴とする請求項6記載の模様塗膜付き容器の製造方法。
  8. 前記磁性材料による模様の外側、あるいは当該模様に重ねて前記容器表面に印刷を施すようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の模様塗膜付き容器の製造方法。
  9. 前記容器を、非磁性材料の缶としたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の模様塗膜付き容器の製造方法。


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