JP2005087190A - 還元性豆乳及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型の製造装置で、経済的に製造し酸化還元電位が低く、還元性が非常に強い豆乳を得ること。
【解決手段】 0℃〜100℃の豆乳に−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜1000気圧に加圧して溶解せしめ、その後常温常圧に戻すことにより本発明の還元性豆乳を得る。
本発明の豆乳は非常に低い酸化還元電位を有しているので、何らの健康問題を引き起こすことなく、還元性豆乳として通常的に使用することができる。

Description

この出願の発明は、新規な還元性豆乳及びその製造方法に関する。
従来から、豆乳は健康促進を考えて一般的に広く飲用されるものであるが、その豆乳を酸化還元という立場から検証する考え方はない。通常いろいろな豆乳が、通常の生活の中で取り入れられているが、その飲用する豆乳の酸化還元電位を問題視し、豆乳に還元性を持たせようとする考え方はあまり取り入れられてこなかった。
そこで、発明者は、還元性の豆乳を得るべくいろいろな実験を重ねた結果、豆乳に加圧下で常温ないし冷却した水素ガスを平衡状態となるまで溶解させ、この状態で加圧圧力を取り除いて常温常圧に戻すと、溶解していた水素ガスの一部分が気化するとはいえ、通常の溶解度の数倍ないし数千倍近い水素ガスが溶解していること、この溶解した水素ガスは、ほとんど気化することなく安定して溶解しているため、非常に低い酸化還元電位を有することを見出し、本願発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、十分な還元性を有する豆乳及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明のかかる目的は以下の構成により達成し得る。
本発明の一態様によれば、常温常圧下で酸化還元電位が−10mv以下の豆乳が提供される。この還元性の豆乳はこれまでに飲用に供されてきた豆乳と違い、十分に低い−10mv以下の酸化還元電位を有しているため、何らの健康問題を引き起こすこともなく、還元性豆乳として通常的に飲用することができることになる。
また、本発明の別の態様によれば、0℃〜100℃の豆乳に−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜1000気圧に加圧して溶解せしめ、常温常圧に戻すことにより得られた還元性豆乳及びその製造方法が提供される。
なお、本発明における還元性豆乳の製造に際し、水素ガスの温度の上限を90℃としたのは、水素ガスは通常水素ガスボンベ内に入れられて供給されるが、室外に放置されていた水素ガスボンベの温度が太陽光により90℃となることはよくあることであり、この程度の水素ガスでも十分に豆乳に溶解させることができるが、あまり温度が高いものでは豆乳の温度の著しい上昇につながって溶解度が減少するので好ましくないためである。水素ガスの温度の下限を−180℃としたのは、水素ガスは−253℃以下に冷却された液体水素の形で供給される場合もあるが、この液体水素を気化させて豆乳に溶解させる際、もとの豆乳の温度、水素ガスの供給圧力及び流量にも依存するが、実験的に豆乳が凝固しないように溶解させ得る温度を確認して限定したものである。しかしながら、得られる還元性豆乳は最終的には常温常圧に戻されるものであるから、経済性及びエネルギー効率の観点からは、液体水素の有する低温を他の目的に利用して、豆乳に溶解させる際の水素温度は0℃以上となしたほうがよい。
なお、豆乳に水素ガスを溶解させる際の圧力は0.1気圧〜1000気圧(ゲージ圧)とする。圧力が高ければ高いほど豆乳に溶解する水素ガス量は多くなるが、得られる還元性豆乳は最終的には常温常圧に戻されるものであるから、あまり圧力が高くても常圧に戻した際に気化してしまう水素量が多くなるために経済的及びエネルギー的には無駄になる。好ましくは0.1気圧〜10気圧、更に好ましくは1気圧〜8気圧が使用される。
このとき、豆乳への水素ガスの溶解割合は、水素ガスを溶解させた際の温度及び圧力により変化するが、常温常圧に戻した際に約0.001〜0.5wt%程度が安定して溶解している。常温常圧下における水素ガスの豆乳への溶解度は約2ml/100ml(約1.8×10−4wt%)であるから、本発明で得られる還元性豆乳中の水素ガス量は単に常温常圧下で水素ガスを溶解させた場合と比すると約5〜2500倍もの水素ガスが溶解していることになる。
このように多量の水素ガスが安定的に豆乳中に溶解していることの理由は、水素ガスの一部分は過飽和状態で溶解していると考えることはできるが、それだけでは溶解水素ガス量が多すぎるために説明ができない。詳細な理由は今後の研究に待つ必要はあるが、本発明者は以下のような現象が生じているものと推定した。
すなわち、常温常圧下で豆乳に水素ガスを溶解させても、通常は何らの反応も生じない。しかしながら、加圧下で水素ガスを豆乳に溶解させると豆乳中の酸素原子と水素ガスの水素原子とが近づき、両者間に水素結合が生じ、そのため、加圧下では水素ガスは従来予測されているよりも多量に溶解する。この一旦生成した水素結合は常圧に戻しても幾分かは安定状態で残っているため、常圧下でも予測数量よりも数倍〜数千倍もの水素ガスが安定的に溶解しているものと推定される。
本発明における還元性豆乳の製造にあたっては、周知の気液接触装置を使用することができ、バッチ式であっても連続流通式であっても適宜使用し得る。高圧で水素ガスを吸収させた豆乳を常温常圧に戻したときに気化した水素ガスは、当然に回収して再利用することができる。以下、本発明の具体例により詳細に説明する。
(実施例)
まず、水素ガスを溶解させる前の豆乳のpH及び酸化還元電位を測定した。その結果を表にまとめて示した。
実施例として室温における豆乳に常温の水素ガスを入口圧力6気圧、出口圧力0.2気圧となるように調整し、気液接触装置を用い、計1リットルを200ml/分の割合で5分間流した。その後、得られた還元性豆乳を常温常圧下に保持し、酸化還元電位及びpHを測定した。その結果をまとめて表に示した。
Figure 2005087190
(酸化還元電位及びpH測定については、共に東亜DKK製ORP計測器及びpH計測器を用いた)
この表の結果から、本発明の還元性豆乳はpHがあまり変化しないにもかかわらず酸化還元電位が−541mvと非常に低い還元性を示しているのがわかる。
Figure 2005087190
この表2の結果によれば、本発明に従って得られた還元性豆乳を密閉容器内に保存すると徐々に酸化還元電位の値が低下して約24時間〜48時間後に極小値をとった後、徐々に上降する傾向がみられた。特にこのような電位変化が生じる理由については現在のところまだ解明されていないが、後半の酸化還元電位の上昇については容器内への周囲空気の進入の影響も考えられなくないので、別途、密閉容器を開放した場合の酸化還元電位の経時変化を確認することとした。
表1における酸化還元電位−541mvの還元性豆乳を室温下に放置し、経過時間と酸化還元電位及びpHの関係を測定した。その結果をまとめて表3に示す。
Figure 2005087190
この表3の結果によれば、本発明に従って得られた還元性豆乳は開放容器にて保存するとpHにほとんど変化を及ぼさずに、酸化還元電位のみ上昇することがわかる。以上の表から推測すると豆乳中に溶解していた水素ガスが気化してしまうというよりも、空気中の酸素が溶け込むことにより酸化還元電位が上昇すると考えられる。
発明の効果
以上述べたように、本発明によれば、常温常圧下で酸化還元電位が非常に低い豆乳が得られるので、何ら健康問題を引き起こすことなく、通常的に使用することができるようになる。

Claims (5)

  1. 常圧下で酸化還元電位が−10mv以下−2000mv以上である豆乳。
  2. 0℃〜100℃の豆乳に−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜1000気圧に加圧して溶解せしめ、常温常圧に戻すことにより得られた豆乳。
  3. 前記豆乳が水道水、浄化水道水、アルカリイオン水、ミネラル含有水、わき水、海水脱塩水、精製水、純水から選択された少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の豆乳。
  4. 以下の(1)及び(2)の行程からなる豆乳の製造方法。
    (1)0℃〜100℃の豆乳に−180℃〜90℃の水素ガスを0.1気圧〜1000気圧に加圧して溶解せしめる行程。
    (2)前記(1)の行程で得られた豆乳を常圧に戻す行程。
  5. 前記水素ガスをバッチ式又は連続流通式に供給することを特徴とする請求項4に記載の豆乳の製造方法。
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