JP2005085699A - 透明電極用基板の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原料溶液の利用効率が高く、かつ、膜厚分布の小さな透明導電膜を基板上に安定して形成できる透明電極用基板の製造装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る透明電極用基板の製造装置1は、基板11の被成膜面11a上に透明導電膜12を設けてなる透明電極用基板10をスプレー熱分解
法を用いて形成する装置であって、基板11を載置する支持手段20と、透明導電膜12の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段30と、この吐出手段30と対向する位置に配される基板11との間の空間を包み込むように配置されるフード50を具備したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スプレー熱分解(Spray Pyrolysis Deposition;SPD)法により、透明電極用基板を構成する透明導電膜を基板上に形成するために用いられる製造装置に関する。
液晶表示素子や太陽電池等に利用される透明電極用基板としては、ガラス板等からなる透明な基板の表面上に、導電性を備えた透明な薄膜(以下、透明導電膜という)を、例えば50〜1000nm程度の厚さで設けたものが広く使用されている。このような透明導電膜の例としては、酸化インジウムに数%のスズを添加してなる薄膜;インジウム・スズ・オキサイド膜[以下、ITO(Indium-Tin-Oxide)膜という]や、酸化スズに数%のフッ素を添加してなる薄膜;フッ素ドープ酸化スズ膜[以下、FTO(Fluorine-doped-Tin-Oxide)膜という]が挙げられる。
上記ITO膜では、3価のインジウム(In3+)席に置換した4価のスズ(Sn4+)がキャリア電子を発生するため、ITO膜は電気をよく通す性質を備えている。また、ITO膜は、エネルギー・ギャップが紫外域に対応するため可視光をほとんど吸収しないので、太陽光を構成する可視光スペクトルの大部分を透過させる能力も備えている。
従来、このような優れた導電性と透過性とを併せ持つITO膜に代表される透明導電膜は、減圧雰囲気を要する真空成膜法、例えばスパッタ法や蒸着法、CVD法等に代表される方法によって形成されている。
上記方法によれば、透明性に優れ、かつ高い導電性を備えた膜が得られる反面、減圧雰囲気で薄膜形成を行う装置は、導入コストが高く、その後の運転コストも高くなる傾向が強く、さらには広い面積に渡って均一な厚さの膜を形成しにくいという課題があった。
近年、減圧雰囲気が不要で、装置構成が簡易なことから、製造コストを安く抑えることが可能な成膜法として、スプレー熱分解法が注目されている。スプレー熱分解法とは、霧吹きの原理に基づき原料溶液を加熱された基板に向けて噴霧すると、溶媒の蒸発と溶質の変化が生じて薄膜形成が進行する技術である。出発原料には金属無機塩の水またはアルコール溶液、あるいは有機金属化合物や有機酸塩の有機溶剤系溶液が用いられる。基板温度は出発原料、原料溶液によって異なるが、250〜700℃の範囲で設定される。
しかしながら、このスプレー熱分解法を用いた透明導電膜の作製には、次のような問題があった。
(1)スプレーを用いて原料溶液を、250〜700℃の範囲で加熱した基板に吹き付けるため、基板上で原料溶液が瞬時に蒸発し、空気中に飛散し易い。このため、スプレーを用いて放出した原料溶液の総量に対して、基板上に付着して膜を形成する量の割合(以下、成膜量と呼ぶ)が非常に少なく、原料溶液の利用効率が低い。
(2)スプレーで吹き付けるため、基板上に付着した膜は、膜厚分布が大きくなり易い。例えば、基板中央部において膜が厚くなり、基板周辺部では膜が薄くなる傾向があった。
特に、上記(2)は、成膜するバッチ毎に、あるいは大面積に成膜した際には局所的に、透明導電膜の透過率及び/又は比抵抗を増大させる要因となっていた。その理由として、透明導電膜を構成する結晶粒子の成長にバラツキが生じた結果、透明導電膜の性状が変動するためではないかと、本発明者らは考えている。
このような透明導電膜を基板上に設けてなる透明電極用基板を用いて、例えば色素増感太陽電池を構成する場合には、この透明電極用基板を構成する透明導電膜上に、光電変換層として機能する酸化チタンなどの酸化物半導体の微粉末からなるペーストを塗布し、次いで焼成することにより、多孔質の酸化物半導体膜を形成する。
しかしながら、透明導電膜を構成する結晶粒子の成長のバラツキは、当然にその表面性状のバラツキも招くことになる。その結果、例えば太陽光の入射により光電変換層で生じた電子あるいはホールが透明導電膜側へ伝導するのを阻害する要因となってしまい、ひいては得られた色素増感太陽電池の光電変換効率の低下を引き起こしてしまう恐れがあった。これは、太陽電池等における初期特性の不安定性や長期信頼性の低下に繋がるので、その対応策の開発が期待されていた。
このような透明電極用基板に関する先行技術文献としては、以下に挙げるものが知られている。
特開平10−53418号公報 特開2000−212514号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、原料溶液の利用効率が高く、かつ、膜厚分布の小さな透明導電膜を基板上に安定して形成できる透明電極用基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る透明電極用基板の製造装置は、基板の被成膜面上に透明導電膜を設けてなる透明電極用基板をスプレー熱分解法を用いて形成する装置であって、
前記透明導電膜の原料溶液をスプレー状に噴射(噴霧)する吐出手段と、該吐出手段と対向する位置に配される前記基板との間の空間を包み込むように配置されるフードを具備したことを特徴としている。
かかる構成によると、フードが吐出手段と対向する位置に配される前記基板との間の空間を包み込むように配置されているので、吐出手段からスプレー状に噴射(噴霧)された透明導電膜の原料溶液は、前記フード内の空間から外に飛散することなく、基板の被成膜面に向かって進むことになる。これにより、原料溶液は従来より透明導電膜の形成に有効に使われることになる。
前記フードは、円筒状、半球状、円錐状または角錐状をなすことにより、吐出手段から基板の被成膜面に向かって、フード内の断面積が同一または広がるように設定される。これにより、吐出手段からスプレー状に噴霧された原料溶液は、基板の被成膜面の中心部はおろか周辺部に対しても均一に降り注ぐことが可能となる。
前記フードの内面側に長尺状のヒダを設けることにより、フード内の空間において、吐出手段から基板の被成膜面に向かう方向の気流を発生させることが可能となり、この気流は噴霧された原料溶液を、基板の被成膜面に対してより均一に降り注ぐように作用する。また、このヒダを前記フードの内面に沿って螺旋状をなす形態とすれば、吐出手段から基板の被成膜面に向かう方向の気流を、さらに安定して発生させることが可能となるので好ましい。
かかる構成において、前記吐出口から前記基板の被成膜面を臨む方向において、前記ヒダが前記基板の被成膜面を覆い隠す位置に存しない位置に設けることにより、吐出口から噴霧された原料溶液は、少なくとも直線的には基板の被成膜面に向かって進むことができるので、吐出口から噴霧された原料溶液がヒダにより遮蔽されて、基板の被成膜面に到達する量が局所的に偏りが生じ、膜厚分布が乱れるという不具合が抑制される。したがって、基板の被成膜面に形成される膜の厚さの均一化が図れる。
また、前記吐出手段を構成する吐出口の中心と前記基板の被成膜面の中心とを結ぶ直線を回転軸として、前記フードを自転させる手段を備える構成とすることにより、フード内の空間には、この回転軸に沿って周回する気流が発生する。すると、吐出口から噴霧された原料溶液は、この気流の影響を受けつつ基板の被成膜面に向かって進むことができる。ゆえに、前記フードを自転させる手段を用いることにより、吐出口から噴霧された原料溶液が基板の被成膜面へ到達する量や分布を制御できるので、基板の被成膜面に形成される膜の厚さを一段と均一化させることが可能となる。
さらに、前記基板の被成膜面と前記フードの下端部との間に隙間を設けた場合は、この隙間を通して上記気流やこの気流に乗った原料溶液うち、成膜に実質的に使われた分を除いた残分はほぼ全て、フード内の空間から外部へ向かって規則的に安定して放出されることになる。
従って、このような構成をとることによって、基板の被成膜面の中心部から周辺部にかけて更に均一に原料溶液を行き渡らせることができるので、基板の被成膜面に形成される膜厚の面内分布を一段と改善できる。また、かかる構成を採用すると、成膜に要しなかった原料溶液の回収を効率に行うことができるので、この構成は製造コストの抑制にも寄与する。
以上説明したように、本発明に係る透明電極用基板の製造装置は、透明導電膜の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段と、これと対向する位置に配される前記基板との間の空間を包み込むように配置されるフードを備えたことにより、原料溶液から得られる成膜量の効率、いわゆる成膜効率を向上させることができる。
また、上記フードの内面側にヒダを設置したり、あるいは上記フードを自転させる回転手段を設けることにより、膜厚分布が改善されるので、厚さの均一な透明導電膜が安定して得られる。このような膜厚分布の改善は、上記フードの下端部に隙間を配置することによっても達成される。
従って、本発明によれば、適宜、上記の各構成を組み合わせることにより、高い成膜量と優れた膜厚分布を両立させることが可能な、透明電極用基板の製造装置の提供が可能となる。また、この高い成膜量は単位膜厚あたりの製造時間の短縮をもたらすので、ひいては透明電極用基板の製造コストの低減にも寄与する。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明に係る透明電極用基板の製造装置の一例を示す模式的な断面図であり、基板11の被成膜面11a上に透明導電膜12を設けてなる透明電極用基板10をスプレー熱分解法を用いて形成する装置1である。
この装置1は、基板11を載置する支持手段20と、透明導電膜12の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段30と、吐出手段30と対向する位置に配される基板11との間の空間40を包み込むように配置されるフード50を具備したことを特徴としている。なお、支持手段20は、基板11の被成膜面11aを所定の温度に保ちながら透明導電膜12を形成するため、基板11の加熱・保持・冷却機能を備えた温度制御手段21を内蔵している。
図1の装置では、フード50が吐出手段30と対向する位置に配される基板11との間の空間40を包み込むように配置されているので、吐出手段30の吐出口31からスプレー状に噴射された透明導電膜の原料溶液は外気の影響を受けることなく、吐出口31から基板11に向かう放射状空間41に噴霧された状態を安定に保つことができる。換言すると、フード50はその内部空間40から装置1の外部へ原料溶液が飛散し、無駄な使用量が増加するのを防ぐ働きもする。これにより、原料溶液は従来より透明導電膜の形成に有効に使われることになる。
図2は、異なる内形を有するフード50の一例を示す斜視図であり、(a)は円筒状の場合、(b)は半球状の場合、(c)は円錐状の場合、(d)は角錐状の場合、をそれぞれ示している。いずれの場合も、紙面においてフード50の上部に配された吐出手段30から基板の被成膜面を見た際に、下方に向かって同じ面積又はより広い面積をもつような内部空間を備えているので、原料溶液をスプレー状に噴射するのに好ましい。このようなフード50の内形は、吐出手段30からスプレー状に噴霧された原料溶液が、基板の被成膜面の中心部はおろか周辺部に対しても均一に降り注ぎやすくする。
図3は、フードの内面側にヒダを設けた状態を示すフードの部分断面図である。図3に示すように、フード50の内面51側に長尺状のヒダ52、すなわち内面51から内側に先端部52aが延びるとともに、支持部52bが内面51に沿って設けられ片屋根を成すような形状のヒダ52を設けてもよい。フード内の空間において、吐出手段から基板の被成膜面に向かう方向の気流を発生させることが可能となり、この気流は噴霧された原料溶液を、基板の被成膜面に対してより均一に降り注ぐように作用する。特に、図3に示すように、ヒダ52の支持部52bから先端部52aにかけて下方に傾斜をもたせた場合には、フード50の内面51やヒダ52に付着した原料溶液は、重力により下方に導かれるので望ましい。
図4は、フードの内面側に螺旋状のヒダを設けた状態を示すフードの部分断面図である。図4に示すように、上述したヒダ52の少なくとも先端部52aが、フード50の内面51に沿って螺旋状をなす形態とすれば、吐出手段30から基板の被成膜面に向かう方向の気流の更なる安定化が図れるのでより好ましい。この螺旋状は、ヒダ52の支持部52bから先端部52aにかけて下方に傾斜させたとき、その有効性が一段と向上する。
図5は、本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す模式的な断面図であり、ヒダが基板の被成膜面を覆い隠さない位置に配置された場合を示す。
図5は、吐出口31から基板11の被成膜面を臨む方向において、ヒダ53(53a〜53d)が基板11の被成膜面を覆い隠す位置に存しない状態を表している。換言すると、吐出口31から噴射された原料溶液のうち最も外側が一点鎖線Aで表されるとき、ヒダ53(53a〜53d)の各先端部が一点鎖線Aより外側に位置するように設けることを意味する。ここで、一点鎖線Aは、吐出口31と基板11の外周端とを結ぶ直線である。このような配置を採ることにより、吐出口31から噴霧された原料溶液は、少なくとも直線的に基板11の被成膜面に向かって進むことができる。
したがって、吐出口31から噴霧された原料溶液がヒダ53(53a〜53d)により部分的に遮蔽されることにより、基板11の被成膜面に到達する量が局所的に偏りが生じて、ヒダ53(53a〜53d)の存在により基板11の被成膜面に得られる膜厚分布が特に基板の外周付近において乱れるという不具合の発生が抑えられるので、均一な厚みを有する面積の大きな薄膜を安定して作製することが可能となる。
図6は、本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す模式的な断面図であり、フードを自転させる回転手段を設けた場合である。
図6は、吐出手段30を構成する吐出口31の中心と基板11の被成膜面の中心とを結ぶ直線(二点鎖線B)を回転軸として、フード50を例えば図中のα方向に自転させる回転手段60を備えた状態を表している。この回転手段60を用いてフード50を回転させると、フード50内の空間には、この回転軸に沿って周回する気流が発生する。この気流の強さは、フード50が自転する速度や、上述したフード50の内形の相違、上述したフード50の内側に設けるヒダ52の形状、数量及び配置などにより調整できる。
このような気流が発生しているフード50内の空間に、吐出口31から原料溶液を噴出すると、原料溶液はこの気流の影響を受けながら、トルネード状に回転しながら基板11の被成膜面に向かって進むことになる。ゆえに、フード50を自転させる回転手段60を用いることにより、吐出口31から噴出された原料溶液が基板11の被成膜面へ到達する量や分布が局所的に偏る現象が解消されるので、基板11の被成膜面に形成される膜の厚さの均一化をより一層改善することが可能となる。
図7は、本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す模式的な断面図であり、フードの下端部に隙間をを設けた場合である。
図7に示すように、基板11の被成膜面とフード50の下端部との間に隙間70を配置すると、吐出口31から噴霧された原料溶液は、下方の基板11に向かうと共に、隙間70からフード50の外部へ漏れる方向(矢印βの方向)へも向かって移動するので、結果的に、点線Cで囲まれるような裾広がりの領域44に分散しながら基板11の被成膜面に到達することになる。また、上述した気流やこの気流に乗った原料溶液のうち、成膜に実質的に使われた分を除いた残分はほぼ全て、フード50内の空間から外部へ向かって、矢印βの方向に規則的に安定して放出される。
ゆえに、このような構成を採用すれば、基板11の被成膜面の中心部から周辺部にかけて、強制的にかつ均一に原料溶液を行き渡らせることが可能となる。従って、隙間70の存在は、基板11の被成膜面に形成される膜の厚さの均一化に貢献する。また、かかる構成を採用すると、成膜に要しなかった原料溶液を効率的に回収できるので、原料溶液の利用効率の向上に寄与する。
以上説明したように、本発明は、原料溶液の利用効率が高く、かつ、膜厚の面内分布が小さな透明導電膜を基板上に安定して形成できる透明電極用基板の製造装置をもたらす。
本例では、本発明に係る透明電極用基板の製造装置を用い、透明導電膜としてFTO膜を形成した場合について詳述する。
FTO膜作製用の原料溶液としては、塩化スズ五水和物(SnCl・5HO、Fw:350.60)4.206gをエタノール60mlに溶解させ、さらにフッ化アンモニウム(NHF、 Fw:37.04)3.552gを飽和水溶液にしたものを加えて超音波洗浄器に約20分かけて完全に溶解させたものを用いた。
(実施例1)
図1に示す円筒形のフードを備えた透明電極用基板の製造装置を用いて、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Aと呼ぶ)。その際、基板としては、コーニング社製のガラス基板(型番:#7059、10cm角、板厚1.1mm)を用いた。吐出手段をなすスプレーの噴出口から基板までの距離は60cmであり、円筒形フードの内径は20cmとした。表1に他の設定条件も纏めて示す。温度制御手段21を用い、基板の被成膜表面の温度は400℃を保持した。
Figure 2005085699
(比較例1)
円筒形のフードを設けなかった点の他は実施例1と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Bと呼ぶ)。
(比較例2)
吐出手段をなすスプレーの噴出口から基板までの距離を30cmに近づけた点の他は実施例1と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Cと呼ぶ)。
(実施例2)
図3に示すようにフードの内側にヒダ52を設けた他は、実施例1と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Dと呼ぶ)。その際、ヒダ52の幅(52aから52bまでの長さ)は2cmとし、ヒダが基板の被成膜面を覆い隠す位置に存しないように設けた。
(比較例3)
ヒダ52の幅(52aから52bまでの長さ)を5cmとした他は、実施例2と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Eと呼ぶ)。ヒダ52の幅を5cmとした場合は、ヒダが基板の被成膜面の外周域の一部を覆い隠す状態にあった。
(実施例3)
図6に示すように回転手段60を用いてフード50を自転させた点の他は実施例1と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Fと呼ぶ)。その際、フード50は一分間に360度回転する速度に設定した。
(実施例4)
図7に示すように基板11の被成膜面とフード50の下端部との間に隙間70を設けた点の他は実施例1と同様として、FTO膜を基板上に形成した(以下、試料Gと呼ぶ)。その際、隙間70は1cmに設定した。
表2は、上述した実施例および比較例において作製された各FTO膜の評価結果である。ここで、成膜量とは、FTO膜を形成する前後の基板重量の差分(mg)である。中心膜厚とは、基板の中心領域(半径1cmの円内の領域で測定した平均値)に形成されたFTO膜の厚さ(nm)である。端部膜厚とは、基板の周辺領域(外周端から1cm以内の領域で測定した平均値)である。
Figure 2005085699
表2から、以下の点が明らかとなった。
(a)吐出手段と対向する位置に配される前記基板との間の空間を包み込むようにフードを配置することで、成膜量がおよそ7倍となり、原料溶液の利用効率(成膜効率)を大幅に向上させることができる(試料Aと試料Bの比較)。
(b)吐出手段と基板との距離を半分に近づけると、膜厚の均一性は大きく改善する反面、成膜量は半減以下に落ち込む(試料Aと試料Cの比較)。
(c)フードの内側にヒダを設け、このヒダが基板の被成膜面を覆い隠す位置に存しないように配置することにより、成膜量を維持しながら、膜厚の均一性を大幅に改善できる(試料Aと試料Dの比較)。
(d)フードの内側にヒダを設けても、そのヒダが基板の被成膜面を覆い隠す位置に存在すると、膜厚の均一性が大きく損なわれ、成膜量も低下する(試料Dと試料Eの比較)。
(e)回転手段を用いてフードを自転させることにより、成膜量を微増させつつ、膜厚の最も高い膜厚の均一性が図れる(試料Aと試料Fの比較)。
(f)基板の被成膜面とフードの下端部との間に隙間を設けても、膜厚の高い均一性が実現できる。しかしながら、成膜量の低下も生じる(試料Aと試料Gの比較)。
以上の結果より、(イ)フードを設置すること、(ロ)フード内部に適当な幅のヒダを設けること、(ハ)フードを回転させること、及び、(ニ)フード下端部に隙間を設けることが、高い成膜量や膜厚分布の改善に寄与することが分かった。
本発明によれば、透明導電膜の高い成膜効率を有するとともに、優れた膜厚分布も同時に実現でき、さらには基板の大面積化にも応えられる透明電極用基板の製造装置を提供することができる。本発明に係る製造装置は、デバイスの大面積化や製造コストの削減が強く求められている液晶表示素子や太陽電池に代表される光電変換素子などにおいて、透明電極として機能する透明導電膜の作製に貢献するものである。
本発明に係る透明電極用基板の製造装置の一例を示す断面図である。 異なる内形を有するフードの一例を示す斜視図である。 フードの内面側にヒダを設けた状態を示すフードの部分断面図である。 フードの内面側に螺旋状のヒダを設けた状態を示すフードの部分断面図である。 本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る透明電極用基板の製造装置の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 製造装置、10 透明電極用基板、11 基板、12 透明導電膜、20 支持手段、30 吐出手段、31 吐出口、40 内部空間、50 フード、52、53 ヒダ、60 回転手段、70 隙間。

Claims (7)

  1. 基板の被成膜面上に透明導電膜を設けてなる透明電極用基板をスプレー熱分解法を用いて形成する装置であって、
    前記基板を載置する支持手段と、前記透明導電膜の原料溶液をスプレー状に噴射する吐出手段と、該吐出手段と対向する位置に配される前記基板との間の空間を包み込むように配置されるフードを具備したことを特徴とする透明電極用基板の製造装置。
  2. 前記フードは、円筒状、半球状、円錐状または角錐状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造装置。
  3. 前記フードの内面側に長尺状のヒダを設けたことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造装置。
  4. 前記ヒダは、前記フードの内面に沿って螺旋状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜の製造装置。
  5. 前記吐出口から前記基板の被成膜面を臨む方向において、前記ヒダは前記基板の被成膜面を覆い隠す位置には存しないことを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜の製造装置。
  6. 前記吐出手段を構成する吐出口の中心と前記基板の被成膜面の中心とを結ぶ直線を回転軸として、前記フードを自転させる手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造装置。
  7. 前記基板の被成膜面と前記フードの下端部との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の製造装置。
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