JP2005084815A - 顔認識装置、顔認識方法および通行制御装置 - Google Patents

顔認識装置、顔認識方法および通行制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】人物の顔の特徴情報そのもの以外の要素で照合が正しく行なわれなくなることを検知することにより誤った状態で試行が続くことを防止することができる顔認識装置を提供する。
【解決手段】顔を含む人物の画像を利用して本人を特定する顔認識装置において、顔の特徴情報を著しく損なう照明環境となっていることを検知し、人物の認識結果と別に照明環境が認識を行なうのに適切な状態であるかどうかの結果も出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、セキュリティ管理などにおいて、人物の顔画像を用いて当該人物を認識する顔認識装置および顔認識方法に関する。
また、本発明は、上記顔認識装置を用いて通行者の通行(たとえば、重要施設の入退場など)を制御する通行制御装置に関する。
一般に、この種の顔認識装置は、あらかじめ認識対象となる人物の顔画像をカメラやセンサなどを用いて取得し、この取得した顔画像から得られる顔の特徴情報を辞書情報として辞書情報保持手段に保持しておく。
そして、照合時には、認識対象となる人物の顔画像をカメラやセンサなどを用いて再度取得し、この取得した顔画像から得られる顔の特徴情報が辞書情報保持手段にあらかじめ保持されている辞書情報と類似しているかどうかを評価し、類似性が高い場合には当該人物は登録者(本人)であると判定し、類似性が低い場合には未登録者(本人ではない)と判定するようになっている。
しかしながら、顔の特徴情報を利用した顔認識手法における特有の問題として、カメラに対する顔の存在位置や角度によって顔の見える領域や見え方が変動する、人物の周辺の照明環境が変動した場合に顔から抽出した特徴量が変動しやすい、顔の経年変化が大きい、顔には色々な装飾品(眼鏡やマスクなど)が付けられる可能性がある、などといった問題があり、顔認識装置として性能低下を引き起こす要因が多く存在する。
このような顔認識に関連する技術として、アイリス認識において、照合に不適切なアイリスの特徴が得られた場合に改善方法をガイダンスする技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−60825号公報
しかしながら、従来の顔認識装置にあっては、前述した性能低下要因のために正しく認識ができなかった場合、顔そのものの特徴情報が変化したのか、顔に付属する隠蔽物のために正しく特徴情報を取得できなかったのか、照明環境変動といった外的要因が照合に影響を与えるため失敗しているのか、の識別ができず、利用者は原因がわからないまま試行を繰り返す必要があった。
そこで、本発明は、人物の顔の特徴情報そのもの以外の要素で照合が正しく行なわれなくなることを検知することにより誤った状態で試行が続くことを防止することができる顔認識装置、顔認識方法および通行制御装置を提供することを目的とする。
本発明の顔認識装置は、認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力手段とを具備している。
本発明の顔認識方法は、認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力ステップと、この画像入力ステップにより入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出ステップと、この顔検出ステップの検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出ステップと、この顔特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報と、あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識ステップと、前記顔検出ステップにより検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定ステップと、この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力ステップとを具備している。
本発明の通行制御装置は、認識対象となる通行者の顔画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段により入力された画像から前記通行者の顔領域を検出する顔検出手段と、この顔検出手段の検出結果に基づき前記通行者の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、あらかじめ認識対象となる通行者の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該通行者は特定の通行者であるかどうかを認識する認識手段と、この認識手段の認識結果に応じて前記通行者の通行を制御する通行制御手段と、前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力手段とを具備している。
本発明によれば、人物の顔の特徴情報そのもの以外の要素で照合が正しく行なわれなくなることを検知することにより誤った状態で試行が続くことを防止することができる顔認識装置、顔認識方法および通行制御装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象となる人物(以下、認識対象者ともいう)Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する画像入力手段としてのカメラ100、カメラ100からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部101、画像入力部101から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部102、顔検出部102の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部103、辞書登録時には、顔特徴抽出部103で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部104、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部103で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部104に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部105、顔検出部102により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段としての照明環境判定部106、カメラ100により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部102により検出された顔の検出結果、認識部105の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部107によって構成されている。
なお、図示は省略しているが、必要に応じて、認識対象者Mが本人であることを確認する際に用いる暗証番号などを入力したり、多数登録されている辞書情報の中のどの辞書情報であるかを特定する識別情報などを入力する入力手段をカメラ100の近傍に併設しても構わない。具体的には、たとえば、テンキーやタッチパネル、あるいは、ICカードや磁気カードあるいは無線カードを読取るカードリーダなどによって実現可能である。
また、図示は省略しているが、必要に応じて、カメラ100の近傍(たとえば、右上方あるいは左上方)から認識対象者Mの少なくとも顔に向けて一定の照度で光を照射する照明手段が設けられる。
さらに、以下の説明では、画像入力データ、抽出した特徴量、部分空間、部分空間を構成するための固有ベクトル、相関行列、登録の際の時刻、日時、場所などの状況情報、暗証番号、IDコードなどの個人情報の各情報が登場してくる。そして、認識データと言うときは、部分空間、または、部分空間を構成するための固有ベクトルを含み、辞書情報(登録情報)と言うときは、画像入力データ、抽出した特徴量、部分空間、部分空間を構成するための固有ベクトル、相関行列、状況情報、個人情報を含んでいる。したがって、認識データは辞書情報に含まれる。
カメラ100は、認識対象者Mの顔画像を下方から所定角度で撮像して入力するものであり、たとえば、CCDセンサなどの撮像素子を用いたテレビジョンカメラから構成されている。
画像入力部101は、カメラ100からの顔画像を入力し、A/D変換してデジタル化した後、顔検出部102へ送る。
顔検出部102は、まず、画像入力部101で入力された顔画像から認識対象者Mの顔領域を検出する。たとえば、入力画像内において、あらかじめ用意されたテンプレートを、画像中を移動させながら相関値を求めることにより、最も高い相関値を与える位置を顔領域とする。なお、その他に、固有空間法や部分空間法を利用した顔領域抽出法などの顔検出手段でもよい。
顔検出部102は、次に、検出された顔領域の部分の中から、目、鼻、口といった顔部位の位置を検出する。その検出方法は、たとえば、文献(福井和広、山口修:「形状抽出とパターン照合の組合せによる顔特徴点抽出」、電子情報通信学会論文誌(D),vol.J80−D−II,No.8,pp2170−2177(1997))に開示されている方法などを用いてよい。
顔特徴抽出部103は、顔検出部102で検出された顔部位の位置を基に、顔領域を一定の大きさ、形状に切り出し、その濃淡情報を顔の特徴量(特徴情報)として用いる。ここでは、たとえば、mピクセル×nピクセルの領域の濃淡値をそのまま情報として用い、m×n次元の情報を特徴ベクトルとして用いる。これらのデータに対し特徴ベクトルの相関行列を求め、周知のK−L展開による正規直交ベクトルを求めることにより、部分空間を計算する。部分空間の計算方法は、特徴ベクトルの相関行列(または共分散行列)を求め、そのK−L展開による正規直交ベクトル(固有ベクトル)を求めることにより、部分空間を計算する。部分空間は、固有値に対応する固有ベクトルを、固有値の大きな順にk個選び、その固有ベクトル集合を用いて表現する。
本実施の形態では、相関行列Cdを特徴ベクトルから求め、相関行列
Figure 2005084815
と対角化して、固有ベクトルのΦを求める。この部分空間は、人物の同定を行なうための認識辞書として利用する。この情報をあらかじめ登録しておいて、それを辞書情報として登録しておけばよい。
また、後で述べるように、認識を行なうための入力特徴情報として部分空間自身を利用してもよい。したがって、部分空間を算出した結果は、辞書情報保持部104または認識部105に送られる。この際、新規に辞書情報を作成する場合には、ここで作成した部分空間の情報そのものを登録することで実現可能であり、他にも既でに登録されている情報を更新する処理の場合には、登録された部分空間を作成する相関行列を保存しておいて、新たに入力された顔の特徴情報を追加した上でK−L展開を再度計算して出力された部分空間を辞書情報として置き換えることで実現が可能である。この際、以前から登録されていた情報を一切消して情報を全て書換える方法でもよいし、全く別の部分空間として新規に登録するようにしても構わない。
辞書情報保持部104は、人物を同定するために利用する部分空間(または、相関行列など)、および、人物を特定するID番号などの識別情報を対応させて蓄積する。また、辞書登録の際の時刻、日時、場所などの状況情報なども蓄積できる。なお、部分空間に限らず、入力された画像入力データや抽出された顔の特徴情報そのものを蓄積してもよい。ここで保持する辞書情報は1名あたり1つでもよいし、状況によって切換えたり同時に認識に利用できるように複数の辞書情報を保持していてもかまわない。
認識部105は、辞書情報保持部104に蓄えられた辞書情報(部分空間)と顔特徴抽出部103で得られた特徴情報(濃淡情報あるいは部分空間情報)とを照合(比較)することにより、カメラ100で撮影されている認識対象者Mが誰であるかを認識、あるいは、該当人物であるかどうかを同定する。人物を認識するためには、どの人物のデータに最も類似しているかを求めればよく、最大類似度をとるデータに対応する人物を認識結果とすればよい。
また、ID番号、暗証番号、鍵などの個人の識別情報を用いて、顔画像による認識を行なう場合には、それぞれの人物の識別情報に対応する辞書情報との類似度を計算して、設定した認証閾値と照合し、その認証閾値を越えた場合に、その人物と同定する。この場合、ID番号、暗証番号、鍵など個人の識別情報を入力する手段が必要であるが、たとえば、ICカード、IDカード、無線カード、キーボードなどを用いることで実現できる。いずれにしても必要な入力手段を追加して設置すればよいのは明らかである。
認識の方法としては、顔特徴抽出部103の情報を用いる場合は、部分空間法や複合類似度法などの方法を用いてよい。本実施の形態での認識方法は、たとえば、文献(前田賢一、渡辺貞一:「局所的構造を導入したパターン・マッチング法」、電子情報通信学会論文誌(D),vol.J68−D,No.3,pp345−352(1985))に記載されている公知の認識方法である相互部分空間法を用いる。
この方法では、あらかじめ蓄えられた登録情報の中の認識データも、入力されるデータも部分空間として表現され、2つの部分空間のなす「角度」を類似度として定義する。ここで入力される部分空間を入力部分空間という。入力データ列に対して同様に相関行列Cinを求め、
Figure 2005084815
と対角化し、固有ベクトルΦinを求める。2つのΦin,Φdで表わされる部分空間の部分空間類似度(0.0〜1.0)を求め、それを認識するための類似度とする。
なお、本実施の形態においては、登録された辞書情報との一致性は「類似度」を用いた例を用いているが、相関値やユークリッド距離といったものを利用してもかまわない。
相互部分空間法においては、照合を行なう際にも複数の特徴情報を入力し、その特徴情報から得られる部分空間情報を認識に利用するため、登録や更新といった処理のみならず、照合をする際にも複数の画像の入力が必要となる。本実施の形態では、繰り返して照合を行なっていくうちに所定の閾値を上回る類似度と判定された時点で照合を打ち切って登録された人物であると判定することとし、所定の時間、または、所定の繰り返し回数以内に所定の閾値に到達しない場合には登録された人物ではないと判定することとする。
認識部105において、人物を認識する場合には、辞書情報保持部104に蓄えられた全ての部分空間情報(辞書情報)との類似度を求め、最も高い類似度となる人物の類似度があらかじめ定められた閾値以上となった場合に、その人物が本人であると認識する。最高となる類似度が閾値よりも低い場合には、あらかじめ登録を行なっている人物ではないと判定できる。この認識方法を本発明では「1:N照合」として定義する。
一方、ID番号など、どの人物であるかの識別情報が図示しない入力手段から入力された場合には、その識別情報に対応する部分空間との類似度のみを計算し、その類似度があらかじめ定められた閾値以上となった場合に、その人物が本人であると認識する。この認識方法を本発明では「1:1照合」として定義する。
また、「1:1照合」と「1:N照合」との中間に位置する「1:n照合」については、登録者全体の中の複数の人物に共通する識別情報が入力された場合を想定し、この識別情報が入力された場合には、その識別情報に対応する1名または複数名の登録者の辞書情報との類似度を計算し、最高となる類似度が閾値よりも高い場合に、その識別情報に相当する登録者がきたこととする。
たとえば、複数の人物に共通するグループ番号を識別情報として入力し、そのグループに属する人物であるかどうかを判定する場合などに用いる。基本的に、登録者全員との類似度を計算するのではなく、その中の1名または複数名の人物との照合を行なうということであって、全体的な動作は「1:N照合」の動作と共通であるため、本実施の形態においては「1:N照合」の説明に包含して説明する。
照明環境判定部106は、顔検出部102で検出された顔領域、または、目や鼻の座標を用いて顔の大きさや顔の向きによらず必ず同じm×nピクセルの領域の輝度値を求める。具体的には、両目を結ぶベクトルをX軸方向の単位ベクトル、両目の中心と鼻の中心をY軸方向の単位ベクトルと考えて、両目と鼻の中心の中点を中央にしてX軸方向、Y軸方向それぞれ定数倍の位置に存在する画素の輝度値を抽出することで求められる。
このm×nピクセルの画像に対し、本実施の形態においては、図2(a)に示すようにm×nの全体領域A、図2(b)に示すようにX軸方向にmを3等分(m/3)して3つの領域に分割したときの一番左の領域B、図2(c)に示すように同様に分割して一番右側の領域C、の3つの領域についてそれぞれ評価を行なうこととする。
なお、本実施の形態においては、この領域A,B,Cを用いるが、分割する方向をY軸方向にしたり、分割する数を「3」以外の数にしても同様の処理をできることは明らかであるが、ここでは省略することとする。
ここで、それぞれの領域A,B,C内で輝度分布のヒストグラムを求める。通常の照明環境に対して明るすぎる場合や暗い場合、または、極端に偏った照明で顔の特定部分が明るく特定部分が暗いといった照明環境が入力された場合、ヒストグラムは図3に示すような傾向が現れる。
通常の照明状態であれば、顔は左右対称に近いこともあって、図3(a)に示すように左右領域(領域B、領域C)はほぼ同じような輝度の分布となる。ただし、左右方向で偏りのある照明の場合には、図3(b)に示すように領域Bと領域Cで輝度の分布が異なり、ヒストグラム上でも輝度の明るい領域に山ができる領域と暗い領域に山ができるようになる。なお、図3(c)は照明が明るすぎる場合、図3(d)は照明が暗すぎる場合、をそれぞれ示している。
このように、照明の方向が正面ではなく、極端に偏った状態を検知するために、以下のような評価式を決めて照明の偏りを検知することとする。
Figure 2005084815
上記3つの指標ア,イ,ウは、領域Bと領域Cの輝度の分布の差がほぼ同じであれば零に近づく値であり、この値が所定の閾値よりも小さい場合が認識に適した照明条件と判定することが可能である。また、上記指標は領域Bと領域Cとの差の符号によってどちらの領域のほうが明るいかといった照明の方向を類推することも可能となっている。ここでは、輝度の分離度、標準偏差、平均輝度を用いたが、他にも中間値、最頻値、分散などといった統計量を用いることも可能である。
また、入力画像が明るすぎた場合には、デジタル化された輝度階調の範囲の最大値で飽和してしまい、その領域での顔の特徴による濃淡値が失われてしまうことになり、いわゆる「白飛び」という状況になってしまう。一方で、入力画像が暗すぎた場合には、輝度階調の最小値で飽和してしまい、同様に「黒つぶれ」という状況で顔の特徴情報が失われてしまうこととなる。これらの状態は以下の指標で示すことが可能になる。
指標エ 領域A〜Cそれぞれの領域において白飛び画素の存在割合
指標オ 領域A〜Cそれぞれの領域において黒つぶれ画素の存在割合
これらの指標も同様に所定の閾値を定めておいて、その閾値よりもこの指標が大きくなった場合には照合に不適切であると判定することが可能になる。
以上説明した処理の流れを図4に示す。以下、図4について簡単に説明する。まず、画像が入力され(ステップS1)、顔検出部102により顔領域が検出され(ステップS2)、目鼻座標基準でm×nピクセルの顔画像が切り出される(ステップS3)。
次に、切り出されたm×nピクセルの顔画像に対し、3つの領域A,B,C内でそれぞれ輝度分布のヒストグラムを計算する(ステップS4)。次に、[指標ア>TH−ア(閾値)]の条件が成立するか否かを判定し(ステップS5)、[指標ア>TH−ア]の条件が成立しない場合は、[指標イ>TH−イ(閾値)]の条件が成立するか否かを判定し(ステップS6)、[指標イ>TH−イ]の条件が成立しない場合は、[指標ウ>TH−ウ(閾値)]の条件が成立するか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS5,S6,S7の判定の結果、上記条件が成立した場合は、偏った照明環境であると判定し(ステップS8)、顔の認識には不適切な照明環境であると判定する(ステップS9)。
ステップS7の判定の結果、[指標ウ>TH−ウ]の条件が成立しない場合は、[指標エ>TH−エ(閾値)]の条件が成立するか否かを判定し(ステップS10)、[指標エ>TH−エ]の条件が成立した場合は、明るすぎる照明環境であると判定し(ステップS11)、顔の認識には不適切な照明環境であると判定する(ステップS9)。
ステップS10の判定の結果、[指標エ>TH−エ]の条件が成立しない場合は、[指標オ>TH−オ(閾値)]の条件が成立するか否かを判定し(ステップS12)、[指標オ>TH−オ]の条件が成立した場合は、暗すぎる照明環境であると判定し(ステップS13)、顔の認識には不適切な照明環境であると判定する(ステップS9)。
ステップS12の判定の結果、[指標オ>TH−オ]の条件が成立しない場合は、顔の認識には適切な照明環境であると判定する(ステップS14)。
なお、照明環境判定部106で各指標に対して定められる閾値については、図5に示すように指標の絶対的な値として決めた閾値を利用し、常にこの閾値を上回るかどうかで判定する方法と、図6に示すように過去一定期間Tにおける指標の変動範囲を逸脱したかどうかを示す目安を閾値とする方法のどちらを用いてもかまわない。後者は具体的に過去一定期間内の指標値の平均値と標準偏差を求め、
閾値上限=平均値+標準偏差×N1
閾値下限=平均値−標準偏差×N2
として定めた閾値を利用することで実現が可能となる。
出力手段107は、入力手段101で入力される入力画像、特徴抽出手段103から得られる顔の特徴情報といったものを表示したり、認識手段105で得られた認識結果にあわせたメッセージを表示する。同様に音声出力が行える機器を接続して音声メッセージなどを出力してもよい。また、照合に利用された生体特徴情報を履歴として記録しておき後から画面に表示することで確認することを可能とすることもできる。また、認識手段105で得られた認識結果にあわせて接続された機器を制御する信号を出力するといったことも行えるようにすることができることは明らかである。たとえばゲート装置などを接続してあらかじめ登録されている人物と認識された場合にのみゲートの通行を許可するといったことなどが実現できることは自明である。
出力部107は、たとえば、液晶表示パネルなどで構成されていて、カメラ100で撮影されている認識対象者Mの顔画像や各種ガイダンス、顔特徴抽出部103から得られる顔の特徴情報といったものを表示したり、認識部105の認識結果に応じたメッセージなどを表示する。同様に、音声出力が行なえる機器を接続して音声メッセージなどを出力してもよい。また、照合に利用された顔の特徴情報を履歴として記憶しておき、必要に応じて画面に表示することで確認することを可能とすることもできる。さらに、認識部105の認識結果に応じて、接続された機器を制御する信号を出力するといったことも行なえるようにすることができることは明らかである。たとえば、ゲート装置などを接続して、あらかじめ登録されている人物と認識された場合にのみ、ゲートの通行を許可するといったことなどが実現できることは自明である。
以上説明したように上記第1の実施の形態によれば、照合を行なっている人物の顔の状態や姿勢や動作などが原因でなく、周辺の照明環境の変動が認識を行なうのに不適切であることを自動的に検知し、その結果を登録時や認識時に認識結果と同時に出力することで、認識対象者本人が正しく認識を行なえない原因が分からないまま運用を続けることを防ぐことが可能である。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象者Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する画像入力手段としてのカメラ200、カメラ200からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部201、画像入力部201から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部202、顔検出部202の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部203、辞書登録時には、顔特徴抽出部203で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部204、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部203で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部204に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部205、顔検出部202により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段としての隠蔽物検知部206、カメラ200により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部202により検出された顔の検出結果、認識部205の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部207によって構成されている。
なお、カメラ200、画像入力部201、顔検出部202、顔特徴抽出部203、辞書情報保持部204、認識部205、出力部207は、前述した第1の実施の形態におけるそれと同一であるため説明を省略し、第1の実施の形態と異なる隠蔽物検知部206について説明する。
隠蔽物検知部206は、主に目や鼻や口の顔部位領域と、顔部位領域以外の領域とを分けて考えることとする。顔検出部202では顔部位の中で認識に必要な部位を検出するが、本実施の形態では目と鼻を検出することとして話を進める。外に眉毛や口といった部位を利用しても同様の処理ができることは明らかであるが、ここでは説明を省略することとする。
ここで、まずは顔部位が正しく検出できるかどうかが第1の判定条件となる。顔の部位が検出されない例と顔の部位が検出されたが隠蔽物が存在する状態の例を図8に示す。図8(a)は大きな眼鏡(サングラス)81や口部分を覆うマスク82の着用により、顔部位が検出できない状態の例、図8(b)は目や口を除いた顔全体を覆うマスク83の着用により、顔部位が検出できるが隠蔽物が付着した状態の例、をそれぞれ示している。
顔部位が検出できなくなった時点で既に顔に隠蔽物がある可能性があるため、隠蔽物検知部206はここで異常と判定して処理を終わる。
また、顔部位が正しく検出できた場合には、顔部位以外の領域を処理対象として、通常の顔の画像として得られるであろう特徴情報と、そうでなかった場合に現れる特徴情報との差異を検出し、その差異があらかじめ定められた閾値を上回る場合に異常として判断することとする。具体的には、目や鼻や口の領域をマスクして残った領域の平均的な特徴情報を数多く集めて部分空間を作成し、入力された画像とこの部分空間との差異が大きい場合に異常と判定する方法である。
この外にも、色情報を利用して肌色や顔部位の色(眉毛の黒色など)以外の色成分が多く現れた場合を異常と検知する方法、エッジ画像を作成して通常の顔画像から作成した場合のエッジ画素の存在確率分布を作成しておき、通常の顔画像では現れない可能性が高いエッジ画素が一定の閾値以上存在した場合に異常と判定する方法でも実現は可能である。
以上説明した処理の流れを図9に示す。以下、図9について簡単に説明する。まず、画像が入力され(ステップS21)、顔検出部202により顔領域が検出される(ステップS22)。ここで、顔部位が検出されなかった場合(ステップS23)、顔部位を隠す遮蔽物ありと判定し(ステップS24)、顔部位が検出された場合(ステップS23)、顔部位以外が通常の顔と異なるか否かをチェックし(ステップS25)、顔部位以外が通常の顔と異なる場合は顔部位以外を隠す隠蔽物ありと判定し(ステップS26)、顔部位以外が通常の顔と同じ場合は顔の認識には適切な環境であると判定する(ステップS27)。
以上説明したように上記第2の実施の形態によれば、照合を行なっている人物の顔に隠蔽物などが付いていて認識を行なうには不適切であることを自動的に検知し、その結果を登録時や認識時に認識結果と同時に出力することで、認識対象者本人が正しく認識を行なえない原因が分からないまま運用を続けることを防ぐことが可能である。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図10は、第3の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象者Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する画像入力手段としてのカメラ300、カメラ300からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部301、画像入力部301から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部302、顔検出部302の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部303、辞書登録時には、顔特徴抽出部303で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部304、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部303で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部304に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部305、顔検出部302により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段としての照明環境判定部306、顔検出部302により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段としての隠蔽物検知部307、照明環境判定部306と隠蔽物検知部307の判定結果から最適な出力方法を選択する出力制御手段としての出力制御部308、カメラ300により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部302により検出された顔の検出結果、認識部305の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部309によって構成されている。
なお、カメラ300、画像入力部301、顔検出部302、顔特徴抽出部303、辞書情報保持部304、認識部305、照明環境判定部306、隠蔽物検知部307、出力部209は、前述した第1、第2の実施の形態におけるそれと同一であるため説明を省略し、第1、第2の実施の形態と異なる出力制御部308について説明する。
出力制御部308は、照明環境判定部306および隠蔽物検知部307から得られる判定結果に対してどのような出力方法にするかを自動的に切換える制御を行なう。出力する内容としては、
・端末ガイダンス…出力部209の画面にメッセージを表示したり、警告音を 出して認識対象者Mに通知する。
・履歴保存…日付や時刻、場所に加え、入力画像や照明環境の判定結果、隠蔽 物検知の結果、認識結果を履歴保存する、
・動作停止…辞書情報の登録や照合、辞書情報の学習に加え、制御しているゲ ートなどの動作を停止する、
・管理者通知…出力部209でアラームを鳴らしたり、遠隔地にいる管理者に 通知を送る、
といった例が挙げられる。その場で通知を行なう方法以外にも、不適切な状態で動作した場合の履歴を残しておくことによって、後から内容を確認できるように各種情報を残しておくことで管理をしやすくことができる。もちろん、他にも決められた動作をあらかじめ設定しておけば、任意の出力方法を追加できるのは容易に類推できる。
ここで、出力制御部308が照明環境判定部306および隠蔽物検知部307から得られた判定結果によって出力部209を制御する方法について述べる。具体的には、図11に示すように、あらかじめ発生した異常状態とそれに対応させて出力する内容とをテーブルデータとして持つことによって容易に実現可能である。たとえば、顔の部位以外の隠蔽物があると判定された状態で照合を繰り返しているような状況がある場合、毎回、出力部209の画面上で「顔の隠蔽物が検知されました。取り外して再度照合を行なってください」と表示すると同時に、入力画像や照合結果を履歴情報として保存する。この場合には、認識が正しく行なわれない可能性があるため照合動作も途中で中断することとする。
なお、この異常状態が何度も繰り返された場合には、警告をしているにもかかわらず継続して試行をしていることから、悪意を持った人物がアタックをかけているか、あるいは、検知方法が不充分で正しい状態であっても照合できていないという状況であることが考えられる。この場合には、このまま継続していると管理上ふさわしくない状態になるため、管理者に通知してこの原因を排除するよう促すこととする。
この外にも、検知した異常状態にあわせて動作を選択できることとし、管理者が任意の設定に変更できるようにしておくことも可能とする。
また、上記異常検知による出力を履歴情報として保存しておき、同じ異常検知による出力があまりに多い場合に備えて、特定の異常検知が繰り返された場合には出力方法を切り替えるといったことも実現が可能である。たとえば、照明が明るすぎて警報が鳴るといったことが頻繁に起こる場合には、所定回数の繰り返し後は検知した時点で直ぐに認識対象者Mに対して表示するように切換えるといったことができる。また、表示する内容も「照明環境が明るいことが多いようですので管理者に通知してください」と、環境を変更することを促すような出力にすることも可能である。
出力部309については、認識結果を出力するだけでなく、たとえば、ゲート装置への開錠信号を制御することも含めることとする。出力制御部308によって異常状態を検知した場合、仮に認識部305で登録されている人物であると認識判定されたとしても、正しい状態で認識が行なわれていない可能性があると判断した場合には、開錠信号を送らないという制御も行なえるようにしておく。
以上説明したように上記第3の実施の形態によれば、顔の特徴情報が得られないような環境で辞書情報の登録や照合を行なっている場合に、間違った認識結果が出て正しく運用ができなくなることを防ぐことが可能になる。
次に、第4の実施の形態について説明する。
図12は、第4の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象者Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する少なくとも1つ以上の画像入力手段としてのカメラ400、カメラ400により認識対象者Mの顔画像を入力する際に当該認識対象者Mの顔部分を照明する少なくとも1つ以上の照明手段としての照明装置401、カメラ400からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部402、照明装置401を制御する照明手段としての照明制御部403、画像入力部402から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部404、顔検出部404の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部405、辞書登録時には、顔特徴抽出部405で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部406、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部405で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部406に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部407、顔検出部404により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段としての照明環境判定部408、顔検出部404により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段としての隠蔽物検知部409、照明環境判定部408と隠蔽物検知部409の判定結果から最適な入力画像となるように画像入力部402あるいは照明制御部403を制御する入力制御手段としての入力制御部410、カメラ400により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部404により検出された顔の検出結果、認識部407の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部411によって構成されている。
なお、顔検出部404、顔特徴抽出部405、辞書情報保持部406、認識部407、照明環境判定部408、隠蔽物検知部409、出力部411は、前述した第1〜第3の実施の形態におけるそれと同一であるため説明を省略し、第1〜第2の実施の形態と異なるカメラ400、照明装置401、画像入力部402、照明制御部403、入力制御部410について説明する。
カメラ400は、たとえば、ゲインや絞りの各値、シャッタ速度などを制御して明るい画像や暗い画像にあわせて調整することが可能であることとし、さらに、複数設置する場合には、それぞれが明るい画像を撮影したり暗い画像を撮影したりできるよう別の設定がされていることとする。これらは可視光を撮像するカメラどうしでも赤外に対応するカメラを含めても実現は可能である。
照明装置401は、たとえば、認識対象者Mの顔の正面および左右にそれぞれ設置して、顔領域の明るさの偏りをキャンセルできるように照明装置を配置しているものとする。
図13に、複数のカメラ400a,400b,400c、複数の照明装置401a,401b,401cを配設した例を示す。ここに、カメラ400aは画像を暗く撮影し、カメラ400bは画像を普通に撮影し、カメラ400cは画像を明るく撮影するように設定されているものとする。照明装置401aは顔の右側を明るく照明し、照明装置401bは顔の中央部を明るく照明し、照明装置401aは顔の左側を明るく照明するように設定されているものとする。
入力制御部410は、照明環境判定部408と隠蔽物検知部409の判定結果にあわせて画像入力部402あるいは照明制御部403を制御できることとする。たとえば、照明環境判定部408により照明が明るすぎると判定された場合には、カメラ400の絞り、ゲイン、シャッタ速度を調整したり、照明が極端に偏った状態であると判定された場合には、設置してある複数の照明装置401a,401b,401cの中から偏った照明の方向をキャンセルする向きに照明の点灯を行なうように制御を行なう。たとえば、図13の例で説明すると、照明環境判定部408にて顔の右側が明るいと判定された場合には、顔の右側を明るくする照明装置401aを光量を弱め、顔の左側を明るくする照明装置401cの光量を強くするといった制御が考えられる。
他にも、複数のカメラを設置しておいて認識に適した入力状態となるカメラを選択して認識を行うといったことも実現可能である。
具体的な処理の流れを図14に示す。以下、図14について簡単に説明する。まず、画像が入力され(ステップS31)、顔検出部404により顔領域が検出される(ステップS32)。次に、検出された顔領域に対し、照明環境判定部408により照明環境が明るすぎるか否かの判定が行なわれ(ステップS33)、照明環境が明るすぎると判定された場合、カメラ400の絞りを絞る(ステップS34)。
ステップS33で照明環境が明るすぎると判定されなかった場合、照明環境が暗すぎるか否かの判定が行なわれ(ステップS35)、照明環境が暗すぎると判定された場合、カメラ400の絞りを開く(ステップS36)。
ステップS35で照明環境が暗すぎると判定されなかった場合、照明環境が偏った状態であるか否かの判定が行なわれ(ステップS37)、照明環境が偏った状態であると判定された場合、設置してある複数の照明装置401a,401b,401cの中から偏った照明の方向をキャンセルする向きに照明の点灯を行なうように制御を行なう(ステップS38)。
ステップS37で照明環境が偏った状態であると判定されなかった場合、カメラ400および照明装置401a,401b,401cの制御を行なわずにそのまま認識動作に移行する(ステップS39)。
また、図13に示したように、複数のカメラ400a,400b,400cを別々の明るさの画像が撮影できるように設定しておいて、照明環境にあわせて切換えて利用することも考えられる。その場合、カメラの組合わせはどのような組合わせでも可能であり、通常の可視光カメラを3つそろえてゲインをそれぞれ違った値にして設置しても構わないし、照明環境が暗すぎる場合に備えてカメラ400cのみ赤外線カメラにしておくといったことでも構わない。
具体的な処理の流れを図15に示す。以下、図15について簡単に説明する。まず、画像を普通に撮影するカメラ400bにより画像を入力し(ステップS41)、顔検出部404により顔領域が検出される(ステップS42)。次に、検出された顔領域に対し、照明環境判定部408により照明環境が明るすぎるか否かの判定が行なわれ(ステップS43)、照明環境が明るすぎると判定されなかった場合、照明環境が暗すぎるか否かの判定が行なわれ(ステップS44)、照明環境が暗すぎると判定されなかった場合、ステップS45に進む。
ステップS43で照明環境が明るすぎると判定された場合、画像を暗く撮影するカメラ400aに切換えて画像を撮影し(ステップS46)、ステップS44で照明環境が暗すぎると判定された場合、画像を明るく撮影するカメラ400cに切換えて画像を撮影し(ステップS47)、その後、再び顔領域の検出を行ない、ステップS45に進む。
ステップS45では、照明環境が偏った状態であるか否かの判定が行なわれ、照明環境が偏った状態であると判定された場合、設置してある複数の照明装置401a,401b,401cの中から偏った照明の方向をキャンセルする向きに照明の点灯を行なうように制御を行なう(ステップS49)。
ステップS45で照明環境が偏った状態であると判定されなかった場合、カメラ400および照明装置401a,401b,401cの制御を行なわずにそのまま認識動作に移行する(ステップS50)。
以上説明したように上記第4の実施の形態によれば、照明環境が異常な状態になったことで認識対象者M本人は正常な状態で試行をしていても正しく認識することができない状態で運用が続くことを防止することが可能になる。
次に、第5の実施の形態について説明する。
図16は、第5の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象者Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する画像入力手段としてのカメラ500、カメラ500からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部501、画像入力部501から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部502、顔検出部502の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部503、辞書登録時には、顔特徴抽出部503で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部504、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部503で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部504に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部505、顔検出部502により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段としての照明環境判定部506、顔検出部502により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段としての隠蔽物検知部507、照明環境判定部506と隠蔽物検知部507の判定結果に基づき認識部505の認識方法を切換え制御する認識制御手段としての認識制御部508、カメラ500により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部502により検出された顔の検出結果、認識部505の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部509によって構成されている。
なお、カメラ500、画像入力部501、顔検出部502、顔特徴抽出部503、辞書情報保持部504、照明環境判定部506、隠蔽物検知部507、出力部509は、前述した第1〜第4の実施の形態におけるそれと同一であるため説明を省略し、第1〜第4の実施の形態と異なる認識部505および辞書制御部508について説明する。
認識制御部508は、照明環境判定部508と隠蔽物検知部509の判定結果から認識に利用する顔領域を選択したり比率を変更して動作させる。本実施の形態においては、顔部位の検出結果から顔の大きさや向きによらず一定のm×nの領域を切出して認識を行なうこととしているが、このm×nの領域の中のどの領域を用いるかを自動的に切換えることとする。たとえば、照明環境判定部508において、輝度値の白飛びが発生している場合は照明環境が明るすぎると判定すると同時に、認識部505では白飛びが発生している画素付近の情報は認識処理から除外することにする。同様に、隠蔽物検知部509で隠蔽物が検知された場合には、検知された隠蔽物の領域は認識から除外するといったことも容易に実現できる。その外にも、検知された領域は認識結果として求める類似度計算において比率を低くして影響を軽減することや、検知された隠蔽物を除去するような画像処理を行なうことを追加するなど、アルゴリズムを切換えることで実現できる。
以上説明したように上記第5の実施の形態によれば、照明環境が異常な状態になったり顔に隠蔽物がついていることで正しく認識することができない状態で運用が続くことを防止することが可能になる。
次に、第6の実施の形態について説明する。
図17は、第6の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すものである。この顔認識装置は、認識対象者Mの顔画像(少なくとも顔を含んでいる画像)を撮像して入力する画像入力手段としてのカメラ600、カメラ600からの顔画像を入力する画像入力手段としての画像入力部601、画像入力部601から得られた人物の顔画像を用いて、あらかじめ準備されたパターン辞書との照合で顔および目、鼻などの顔部位の位置を検出する顔検出手段としての顔検出部602、顔検出部602の出力に基づき濃淡情報あるいは部分空間情報などの顔の特徴量(特徴情報)を抽出する顔特徴抽出手段としての顔特徴抽出部603、辞書登録時には、顔特徴抽出部603で抽出された顔の特徴情報を辞書情報として、当該特徴情報を取得した際の環境や状況を示す属性情報を付加して保持する辞書情報保持手段としての辞書情報保持部604、照合(顔認識)時には、顔特徴抽出部603で抽出された顔の特徴情報と辞書情報保持部604に保持されている辞書情報とを照合することにより認識対象者Mが本人であるか否かを認識する認識手段としての認識部605、顔検出部602により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段としての照明環境判定部606、顔検出部602により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段としての隠蔽物検知部607、照明環境判定部606と隠蔽物検知部607の判定結果に基づき認識部605において認識に利用する辞書情報を自動的に選択して切換える辞書切換手段としての辞書切換部608、カメラ600により撮影されている人物Mの顔画像や顔検出部602により検出された顔の検出結果、認識部605の認識結果に応じた出力などを行なう出力手段としての出力部609によって構成されている。
なお、カメラ600、画像入力部601、顔検出部602、顔特徴抽出部603、認識部605、照明環境判定部606、隠蔽物検知部607、出力部609は、前述した第1〜第5の実施の形態におけるそれと同一であるため説明を省略し、第1〜第5の実施の形態と異なる辞書情報保持部604および辞書切換部608について説明する。
辞書情報保持部604は、1つのみならず1名あたり複数の辞書情報を保持することも可能であるが、本実施の形態では、保持する辞書情報対して、当該辞書情報を取得した際の登録時における照明環境判定部606と隠蔽物検知部607の各判定結果を属性情報として付加して保持することとする。
辞書切換部608は、照明環境判定部606と隠蔽物検知部607の判定結果にあわせて、辞書情報保持部604に保持されている登録時の隠蔽物検知結果や照明環境判定結果で最も類似した状況の属性情報が付加された辞書情報を検索して、認識部605へ送る。これにより、認識部605で利用する辞書情報を最適なものとなるように選択することが可能である。
具体的な処理の流れを図18に示す。以下、図18について簡単に説明する。まず、画像が入力され(ステップS61)、顔検出部602により顔領域が検出される(ステップS62)。次に、検出された顔領域に対し、照明環境判定部606により照明環境が異常状態か否かの判定が行なわれ(ステップS63)、照明環境が異常状態であると判定された場合、その異常状態に対応した辞書情報を選択する(ステップS64)。
ステップS63で照明環境が異常状態であると判定されなかった場合、顔検出部602において顔部位が検出できないか否かの判定が行なわれ(ステップS65)、顔部位が検出できないと判定された場合、たとえば、照合不可能というメッセージを出力部609の画面に出力する(ステップS656。
ステップS65で顔部位が検出できないと判定されなかった場合、隠蔽物検知部606において顔部位以外の隠蔽物が検知されたか否かの判定が行なわれ(ステップS67)、顔部位以外の隠蔽物が検知された場合、隠蔽物が存在した状態に対応した辞書情報を選択する(ステップS68)。
ステップS67で顔部位以外の隠蔽物が検知されなかった場合、辞書切換制御を行なわずにそのまま認識動作に移行する(ステップS69)。
以上説明したように上記第6の実施の形態によれば、照明環境が異常な状態になったり顔に隠蔽物がついていることで正しく認識することができない状態で運用が続くことを防止することが可能になる。
次に、第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態は、たとえば、第1の実施の形態で説明した顔認識装置を、通行者の顔を認識して通行者の通行を制御する通行制御装置に適用した場合の例である。
図19は、第7の実施の形態に係る通行制御装置の構成を概略的に示すものである。この通行制御装置は、たとえば、重要施設(セキュリティ重視の部屋など)への入退室管理を行なうもので、利用者(通行者)の顔を認識して、その認識結果に基づき重要施設の入退室用ドアの開閉制御を行なうものであり、カメラ100、画像入力部101、顔検出部102、顔特徴抽出部103、辞書情報保持部104、認識部105、出力部107および、認識部105の認識結果に応じて重要施設116の入退室用ドア117の開閉制御を行なう通行制御手段としてのドア制御部115から構成されている。
なお、図19において、ドア制御部115以外は図1の顔認識装置と同じ構成であるので、同一符号を付して、その説明は省略する。
認識部105は、たとえば、求めた類似度が閾値以上の場合、ドア制御部115に「ドア開」の信号を出力し、求めた類似度が閾値よりも小さかった場合、ドア制御部115に「ドア閉」の信号を出力する。ドア制御部115は、認識部105から「ドア開」の信号を受取ると、入退室用ドア117を開状態に制御して認識対象者(この場合は通行者)Mの入室を許可し、「ドア閉」の信号を受取ると、入退室用ドア117を閉状態に保持して通行者Mの入室を拒否する。
このように、第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した顔認識装置を用いて通行者の通行を制御することができる。
次に、第8の実施の形態について説明する。
第8の実施の形態は、たとえば、第2の実施の形態で説明した顔認識装置を、通行者の顔を認識して通行者の通行を制御する通行制御装置に適用した場合の例であり、図20に本実施の形態に係る通行制御装置の構成を示す。第8の実施の形態も第7の実施の形態と同様な考えのもとで構成されており、よって同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
なお、第7、第8の実施の形態では、代表として、第1、第2の実施の形態で説明した顔認識装置を適用した場合について説明したが、第3〜第6の実施の形態で説明した顔認識装置を適用することも可能であることは説明するまでもないことである。
以上説明したように上記実施の形態によれば、本装置周辺の照明変動や、認識対象者の顔に認識するのに不適切な隠蔽物がついている状況など、認識対象者の顔そのものが変化したこと以外の要素で認識が正しく行なわれない状況を検知し、検知した内容にあわせて適切な相手に適切な方法で出力を行なったり画像入力や認識方法を切換えることで認識を正しく行なうことができる。したがって、照合に不適切な状態で試行が続くことを防止することができる。
第1の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第1の実施の形態に係る照明環境判定部における処理対象領域の処理を説明する図。 第1の実施の形態に係る照明環境判定部における輝度ヒストグラム計算の処理を説明する図。 第1の実施の形態に係る照明環境判定部における処理の流れを説明するフローチャート。 第1の実施の形態に係る照明環境判定部における絶対指標閾値の設定を説明する図。 第1の実施の形態に係る照明環境判定部における相対指標閾値の設定を説明する図。 第2の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第2の実施の形態における隠蔽物の例を説明する図。 第2の実施の形態における処理の流れを説明するフローチャート。 第3の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第3の実施の形態における出力切換テーブルの一例を示す図。 第4の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第4の実施の形態において複数のカメラおよび照明装置を設置した場合の説明図。 第4の実施の形態に係る入力制御部における処理の流れの第1の例を説明するフローチャート。 第4の実施の形態に係る入力制御部における処理の流れの第2の例を説明するフローチャート。 第5の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第6の実施の形態に係る顔認識装置の構成を概略的に示すブロック図。 第6の実施の形態における処理の流れを説明するフローチャート。 第7の実施の形態に係る通行制御装置の構成を概略的に示すブロック図。 第8の実施の形態に係る通行制御装置の構成を概略的に示すブロック図。
符号の説明
M…認識対象者(人物、通行者)、100,200,300,400,400a,400b,400c,500,600…カメラ(画像入力手段)、101,201,301,402,501,601…画像入力部(画像入力手段)、102,202,302,404,502,602…顔検出部(顔検出手段)、103,203,303,405,503,603…顔特徴抽出部(顔特徴抽出手段)、104,204,304,406,504,604…辞書情報保持部(辞書情報保持手段)、105,205,305,407,505,605…認識部(認識手段)、106,306,408,506,606…照明環境判定部(照明環境判定手段)、206,307,409,507,607…隠蔽物検知部(隠蔽物検知手段)、308…出力制御部(出力制御手段)、107,207,309,411,509,609…出力部(出力手段)、401,401a,401b,401c…照明装置(照明手段)、403…照明制御部(照明手段)、410…入力制御部(入力制御手段)、508…認識制御部(認識制御手段)、608…辞書切換部(辞書切換手段)、115…ドア制御部(通行制御手段)、116…重要施設、117…入退室用ドア。

Claims (17)

  1. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、
    この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認識装置。
  2. 前記照明環境判定手段は、前記顔検出手段により顔領域として検出された顔領域全体または小領域に分割した各領域内において、そのうち少なくとも1つの領域において輝度階調で上限または下限で飽和した値となっている画素の存在比率が所定の閾値を上回った場合に照明環境が明るすぎたり暗すぎる照明条件のために顔領域内の顔の特徴情報が損なわれた状態となっていると判定することを特徴とする請求項1記載の顔認識装置。
  3. 前記照明環境判定手段は、前記顔検出手段により顔領域として検出された顔領域全体および小領域に分割した各領域内において平均輝度や標準偏差、分散、中間値、最頻値といった統計量を求め、これらのうち1つまたは複数の統計量の特定の領域間の大小の比率が所定の閾値を上回った場合に、顔にあたる照明が均一でなく偏った状態のために顔領域内の顔の特徴情報が損なわれた状態となっているかどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の顔認識装置。
  4. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段と、
    この隠蔽物検知手段の判定結果を出力する出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認識装置。
  5. 前記隠蔽物検知手段は、前記顔検出手段により検出された顔領域内の目や鼻や口といった顔の部位の検出結果で認識の際に必要となる1つまたは複数の特定の部位の検出ができなかった場合に、顔領域内の顔の特徴情報が損なわれた状態となっているかどうかを判定することを特徴とする請求項4記載の顔認識装置。
  6. 前記隠蔽物検知手段は、前記顔検出手段により検出された顔領域内の目や鼻や口といった顔の部位の以外の領域で、顔に隠蔽物を何も付けていない状態では存在しないはずの物体が存在するかどうかを検出し、もし検出した場合には顔領域内の顔の特徴情報が損なわれた状態となっているかどうかを判定することを特徴とする請求項4記載の顔認識装置。
  7. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段と、
    前記照明環境判定手段および前記隠蔽物検知手段の判定結果に基づき、その判定結果に対してどのような出力方法にするかを選択する出力制御手段と、
    この出力制御手段により選択された出力方法に基づきあらかじめ定められた所定の出力を行なう出力手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認識装置。
  8. 前記出力制御手段は、当該顔認識装置を利用している人物または当該顔認識装置の管理者またはその他の人物の誰に通知すべき内容であるか、および出力する方法、および前記照明環境判定手段あるいは前記隠蔽物検知手段から判定結果が得られた時点で出力するのか所定回数繰り返して同じ判定結果が得られた場合に出力するのか、をそれぞれ前記照明環境判定手段および前記隠蔽物検知手段の判定結果に応じて選択することを特徴とする請求項7記載の顔認識装置。
  9. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により人物の顔画像を入力する際に当該人物の顔部分を照明する照明手段と、
    前記画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段と、
    前記照明環境判定手段および前記隠蔽物検知手段の判定結果に基づき、前記画像入力手段および前記照明手段のうち少なくともいずれか一方を制御する入力制御手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認識装置。
  10. 前記入力制御手段は、前記照明環境判定手段により入力画像が明るすぎたり暗すぎたりしていると判定された場合に、前記画像入力手段を制御することにより入力される画像を認識するに適切な状態にすることを特徴とする請求項9記載の顔認識装置。
  11. 前記画像入力手段は複数の撮像手段を備えており、
    前記入力制御手段は、前記照明環境判定手段により入力画像が明るすぎたり暗すぎたりしていると判定された場合に、前記複数の撮像手段の中から最適な画像を獲得するのに適した撮像手段を選択することにより、入力される画像を認識するのに適切な状態にすることを特徴とする請求項9記載の顔認識装置。
  12. 前記照明手段は複数有しており、
    前記入力制御手段は、前記照明環境判定手段により入力画像が明るすぎたり暗すぎたりしていると判定された場合、および照明の方向が偏っていると判定された場合に、前記複数の照明手段を制御することにより、入力される画像を認識するのに適切な照明状態にすることを特徴とする請求項9記載の顔認識装置。
  13. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として、当該特徴情報を取得した際の環境や状況を示す属性情報を付加して保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段と、
    前記照明環境判定手段および前記隠蔽物検知手段の判定結果に基づき、当該判定結果に対応する属性情報が付加された辞書情報を前記辞書情報保持手段から選択する辞書切換手段と、
    この辞書切換手段により選択された辞書情報と前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識手段と、
    を具備したことを特徴とする顔認識装置。
  14. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力ステップと、
    この画像入力ステップにより入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出ステップと、
    この顔検出ステップの検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出ステップと、
    この顔特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報と、あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識ステップと、
    前記顔検出ステップにより検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定ステップと、
    この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力ステップと、
    を具備したことを特徴とする顔認識方法。
  15. 認識対象となる人物の顔画像を入力する画像入力ステップと、
    この画像入力ステップにより入力された画像から前記人物の顔領域を検出する顔検出ステップと、
    この顔検出ステップの検出結果に基づき前記人物の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出ステップと、
    この顔特徴抽出ステップにより抽出された特徴情報と、あらかじめ認識対象となる人物の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該人物は特定の人物であるかどうかを認識する認識ステップと、
    前記顔検出ステップにより検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知ステップと、
    この隠蔽物検知ステップの判定結果を出力する出力ステップと、
    を具備したことを特徴とする顔認識方法。
  16. 認識対象となる通行者の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記通行者の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記通行者の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる通行者の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該通行者は特定の通行者であるかどうかを認識する認識手段と、
    この認識手段の認識結果に応じて前記通行者の通行を制御する通行制御手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から認識に適切な照明環境であるかどうかを判定する照明環境判定手段と、
    この照明環境判定手段の判定結果を出力する出力手段と、
    を具備したことを特徴とする通行制御装置。
  17. 認識対象となる通行者の顔画像を入力する画像入力手段と、
    この画像入力手段により入力された画像から前記通行者の顔領域を検出する顔検出手段と、
    この顔検出手段の検出結果に基づき前記通行者の顔の特徴情報を抽出する顔特徴抽出手段と、
    あらかじめ認識対象となる通行者の顔の特徴情報を辞書情報として保持する辞書情報保持手段と、
    前記顔特徴抽出手段により抽出された特徴情報と前記辞書情報保持手段に保持されている辞書情報とを照合することにより当該通行者は特定の通行者であるかどうかを認識する認識手段と、
    この認識手段の認識結果に応じて前記通行者の通行を制御する通行制御手段と、
    前記顔検出手段により検出された顔領域の画像情報から顔の特徴情報を損なうような隠蔽物が顔領域に存在しているかどうかを判定する隠蔽物検知手段と、
    この隠蔽物検知手段の判定結果を出力する出力手段と、
    を具備したことを特徴とする通行制御装置。
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