JP2005083980A - 共焦点光学顕微鏡およびそれを用いた分析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Caged化合物のCaged解除を制御可能な共焦点光学顕微鏡を提供する。
【解決手段】共焦点光学顕微鏡100は励起光を試料に照射する励起光学系を有し、それは励起用光源101とダイクロイックミラー106と対物レンズ107とから構成される。共焦点光学顕微鏡100は更に試料からの蛍光を共焦点効果を用いて検出する検出光学系を有し、それは、対物レンズ107と共に、ダイクロイックミラー109とレンズ110とピンホール111とレンズ112とダイクロイックミラー113とレンズ114と検出器115と分光フィルター116とレンズ117と検出器118と分光フィルター119とから構成される。共焦点光学顕微鏡100は更にCaged化合物を解除する光を試料に照射するCaged解除光学系を有し、それは、対物レンズ107と共に、Caged解除用光源131とダイクロイックミラー132とシャッター133とから構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】共焦点光学顕微鏡100は励起光を試料に照射する励起光学系を有し、それは励起用光源101とダイクロイックミラー106と対物レンズ107とから構成される。共焦点光学顕微鏡100は更に試料からの蛍光を共焦点効果を用いて検出する検出光学系を有し、それは、対物レンズ107と共に、ダイクロイックミラー109とレンズ110とピンホール111とレンズ112とダイクロイックミラー113とレンズ114と検出器115と分光フィルター116とレンズ117と検出器118と分光フィルター119とから構成される。共焦点光学顕微鏡100は更にCaged化合物を解除する光を試料に照射するCaged解除光学系を有し、それは、対物レンズ107と共に、Caged解除用光源131とダイクロイックミラー132とシャッター133とから構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、分子間相互作用に関する情報を一分子レベルで計測できる装置および手法に関する。
従来、蛋白質機能解析の研究は、蛋白質をコードする遺伝子配列の解析が主な研究対象であったが、近年のヒトゲノム解析の急速な進展により、蛋白質機能解析研究の方向は、細胞内に存在する遺伝子から合成される蛋白質がどのように動き、機能しているかを解析する点に重点が移行しつつある。
例えば、生体内では様々な遺伝子発現やシグナル伝達作用によって、特異的な機能を有する様々な分子(酵素、受容体をはじめとする機能蛋白質;細胞構造を保持する蛋白質、脂質、糖鎖蛋白質、イオン等;の生物学的活性分子等)が常に変化していることにより、その生命機構を維持している。このような生体機能を観測・解析するには、立体的に機能を保持した蛋白質の動態を分子レベルで観測する必要がある。
ある物質の生体における作用機構を調べる際、その物質を系中で測定することも必要であるが同時に系中にその物質をいれて追従する変化を観測することも重要である。
分子の相互作用を観測するための手法の1つとして蛍光相関分光法(FCS:Fluorescence Correlation Spectroscopy)を解析手法とする一分子蛍光分光分析装置がある。FCSは、蛍光標識分子の相互作用を微細に解析する手法であり、蛍光標識された分子の数、大きさ等の物理量を計測する。FCSは、蛍光で標識した標的分子の媒質中におけるゆらぎ運動を測定し、自己相関関数(Auto-correlation function)を用いることにより、個々の標的分子の微小運動を正確に測定する技術である。この方法により、分子の数、大きさ等の物理量を算出することができる。
特表平11−502608号公報では、特に細胞膜上に存在するレセプター蛋白質とリガンドとの反応解析は細胞機能の解析にも非常に重要である。例えば、細胞外からの刺激に対する反応はまずレセプターにリガンドが結合したことによって開始する。リガンドと結合したレセプターは構造変化により細胞内の蛋白質を介して細胞外からの刺激を細胞内に伝達する。このように、細胞機能の解析においてレセプター・リガンド反応を調べることは有意義である、また創薬の面でも、目的のレセプターへの薬剤の効果を調べることは、特徴的な実験系でもある。
細胞内でこれらの一連の刺激伝達機構を観測する場合は細胞外からリガンドあるいはそれに類する物質を投与しその後の細胞の状態を観測する。あるいはリガンドを与えずに、細胞内で刺激伝達を行なう物質濃度変化をコントロールし変化のタイミングを人為的にあわせる手法がある。これはマイクロインジェクションと呼ばれる。細胞膜に直径1μmほどのガラスのマイクロピペットを用い細胞外の特定の場所へ投与したり、細胞内にマイクロピペットを挿入して細胞内へ微量な試薬を添加したりする手法である。
特に一分子蛍光技術とを組み合わせる場合においても計測する分子の近傍における情報伝達物質の濃度勾配の発生をコントロールする必要がある。
特表平11−502608号公報
このように細胞機能の解析において、例えば細胞内のオルガネラの膜上のレセプターについて計測する際、リガンドが反応するために、何らかの細胞内での変化が必要である。それは例えば細胞外からの刺激が引き金となって細胞内に変化が起こる場合そこに情報伝達物質が関与する。例えば細胞内カルシウムイオン、cAMP、NO濃度の変化である。細胞外からリガンドを与えると、細胞内での反応が制御できず解析が困難となる。そこで細胞内でこれらの物質濃度変化をコントロールし変化のタイミングを人為的にあわせる手法として、これらの物質を細胞へマイクロインジェクションするなどの添加が用いられる。
しかし、マイクロインジェクションは細胞膜に直径1μmほどのガラスのマイクロピペットを用い細胞内へ微量な試薬を添加する手法であるため、細胞膜を傷つけるなどの細胞へのダメージが大きく、また注入している間に細胞内でこれらの物質の濃度勾配が生じてしまうため、変化のタイミングをつかむことが難しい。今までのFCSでは、計測試料を物理的に出し入れしていたため、物質の添加の時間を制御することができない。
ところが、生体反応の多くは速度が速く、また複雑に関連した反応カスケードであることが多いため外からの物質を加えた場合、系中を拡散する過程が律速となってその後の反応が明確に捉えられなくなる危険性がある。そのため如何に素早く目的物質を添加するかについて様々な手法が開発されてきたが、今のところ、必ずしも満足できるものはない。
分子の相互作用においても、ある物質を会して分子同士が反応するような系の場合は、分子を混合させた系に目的物質を添加するが、その反応の前後での分子の状態をより詳しく調べるためには、目的物質を如何に素早く添加するかが問題となる。
そこで、近年利用される手法としてCaged化合物を用い顕微鏡を用いて細胞内外でCaged化合物を活性化させ、細胞内での反応を制御し観測を行っている例もある。しかし、この手法では、顕微鏡による細胞画像の解析が行われるために、細胞のある微小な部分、例えば細胞膜近傍あるいは核膜、オルガネラの内膜外膜近傍における分子の動きや数明るさなどを一分子レベルで解析することは困難である。そのため個々の分子がどのような動きであるか、あるいは観測している領域において相互作用している分子がどれくらいの割合存在するかなどの定量的な評価ができない。
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、物質の活性化の制御が可能な共焦点光学顕微鏡およびそれを用いた分析方法を提供することである。
特に、分子の相互作用などの動きを特別な処理をすることなく、分子に固相化や固定、化学処理などの負担を与えずに一分子レベルで解析することができる共焦点光学顕微鏡およびそれを用いた分析方法を提供することである。
本発明は、ひとつには、Caged化合物のCaged解除を制御する機構を備えた共焦点光学顕微鏡に向けられており、以下の共焦点光学顕微鏡を含んでいる。
1. 本発明の共焦点光学顕微鏡は、蛍光分子を有する細胞や溶液などの試料を載せるための試料台と、励起光ビームを前記試料に照射し共焦点領域を形成する励起光学系と、Caged化合物を解除するための解除光ビームを試料に適宜照射するCaged解除光学系と、前記試料からの蛍光を共焦点効果を用いて検出する検出光学系とを有している。
本発明は、ひとつには、上記の共焦点光学顕微鏡を用いた蛍光分光分析方法に向けられており、以下の各項に記す分析方法を含んでいる。
2. 本発明の分析方法は、Caged化合物が解除された物質が関与した試料の反応状態を、共焦点領域の蛍光のゆらぎを検出することにより、蛍光分子が共焦点領域を横切る時間、または、共焦点領域に存在する蛍光分子の数、または、一分子あたりの蛍光強度を演算して分析することを特徴とする。
3. 本発明の別の分析方法は、第2項の分析方法において、蛍光標識された試料とCaged化合物を含有した溶液に、Caged化合物を解除するための光を照射し、蛍光標識された試料とCaged化合物が解除された物質との反応、または、Caged化合物が解除された物質が仲介となった蛍光標識された試料の反応を測定することを特徴とする。ここで、「Caged化合物が解除された物質が仲介となった」とは、触媒として働くことを示している。
4. 本発明の別の分析方法は、第2項の分析方法において、異なる蛍光標識をした異なる試料とCaged化合物を含有した溶液に、Caged化合物を解除するための光を照射し、異なる蛍光標識をした異なる試料とCaged化合物が解除された物質の相互作用、または、Caged化合物が解除された物質が仲介となった異なる蛍光標識をした試料の相互作用を測定することを特徴とする。
本発明によれば、Caged化合物のCaged解除を制御可能な共焦点光学顕微鏡が提供される。
Caged化合物とは、生理活性物質や蛍光色素などのその本来の性質をブロックした化合物であり、近紫外光照射により瞬時に元の活性な物質に転換することができる。これらは細胞内外での分子の反応トリガーとすることができる物質である。これらの化合物を用い、現在使用されている一分子蛍光解析装置に、Cagedを解除するための光学系を追加することにより、反応を起こす系で反応のタイミングやCaged化合物が解除された活性な反応トリガー物質の濃度、空間的Caged化合物の解除範囲をコントロールすることができる。
Caged化合物を解除する方法は近紫外線を照射することである。紫外線を発生させる光源としては、水銀ランプ、キセノンフラッシュランプなどを用いることができる。解除範囲を限定する手法としては、光源と標本の間にスリットやピンホールを置いて透過する光の範囲を限定したり、UVパルスレーザを用いて局所的にUV光を照射したりすることにより、直径約数μmの範囲での解除が可能となる。予め、添加しているCaged化合物の濃度と解除のための近紫外線照射範囲、および解除光強度での解除効率が分かっていれば、その解除部分でどれほどのCaged化合物が解除されているか、すなわち、活性を持った物質の濃度が算出できる。それにより、分子の反応の強さなどを知ることができ、例えば創薬分野などでは、より効果的な薬品のスクリーニングのための指標となる。
Caged化合物は、光を照射することにより、生理活性物質や蛍光物質を本来の活性な物質とすることができる。光は考えられる限り最も速い媒体であり、また細く絞り込むことができる。そこで、光で物質を制御できれば、それは時間分解能、空間分解能共に優れた効果を有する。
特に、蛍光相関分光法(FCS;Fluorescence Correlation Spectroscopy)は、個々の標的分子である蛍光標識蛋白質分子の相互作用を微細に解析する手法であり、蛍光標識分子の数、大きさ等の物理量を計測し得る。このFCSにCaged−化合物を応用すると、分子の反応における時間軸に沿った変化について時間的空間的に制御することで、相互作用する分子の結合の強さだけでなく、結合の早さや解離の早さなどの情報も得ることが可能となる。また、細胞計測において、目的の場所のみを蛍光標識し、目的の分子の拡散を調べることも可能となる。
Caged化合物としては、例えば、Cagedカルシウム、CagedATP、Caged−cAMP、Caged−cGMP、Caged−NO、Caged−proton、Caged−GTP−γ−S、Caged−蛍光化合物、Caged−neurotransmittersなどを用いることができる。例えば、Cagedを解除すると蛍光を発するCaged化合物であるオリゴdTを用いると、核内のmRNAの動態を観測することができる。これについては文献(Curr.Biol., 9, 285-291(1999))に開示されている。
この物質を予め細胞内に取り込ませておき、細胞内でmRNAとハイブリダイズさせておく。その後洗浄などを行って、ハイブリダイズしなかったCaged化合物を取り除く。細胞の核内の微小部分にCaged解除用の光を照射し、mRNAとハイブリダイズしたCaged化合物を活性化させる。FCS計測を行い、mRNAの動きを定量的に観測する。この手法を用いると、分子の動きについて顕微鏡観測などの定性的な手法と比べて、より定量的に評価することができる。
本実施形態は、Caged化合物のCaged解除を制御する機構を備えた共焦点光学顕微鏡に向けられている。図1は、本発明の実施形態の共焦点光学顕微鏡の構成を概略的に示している。図1に示される共焦点光学顕微鏡は、図示しない演算装置と組み合わされてFCS計測装置を構成する。
図1に示されるように、共焦点光学顕微鏡100は、蛍光分子を有する試料を載せるための試料台108と、試料台108の近くに配置された対物レンズ107と、励起光ビームを発するレーザー等の励起用光源101と、励起用光源101からの励起光ビームを対物レンズ107に導くダイクロイックミラー106とを有している。
これらの励起用光源101とダイクロイックミラー106と対物レンズ107は、励起光ビームを試料に照射し共焦点領域を形成する励起光学系を構成している。
対物レンズ107は、励起光ビームを収束して試料内に共焦点領域を形成する。この共焦点領域内に存在する蛍光分子は、励起光ビームの照射に反応して蛍光を発する。蛍光の一部は、対物レンズ107に入射して蛍光ビームとなる。ダイクロイックミラー106は励起光を反射するが蛍光を透過する特性を有している。このため、対物レンズ107からの蛍光ビームは、ダイクロイックミラー106を透過する。
共焦点光学顕微鏡100は、さらに、対物レンズ107からの蛍光ビームを偏向するダイクロイックミラー109と、蛍光ビームを収束するレンズ110と、蛍光ビームの焦点面に配置されたピンホール111とを有している。
レンズ110による蛍光ビームの収束点すなわち焦点は、試料内に共焦点領域と共焦点の位置関係にある。このため、ピンホール111は、試料内に共焦点領域からの光は通すが、共焦点領域から外れた位置からの光は通さない。レンズ110で収束される光ビームは、正確には、試料内に共焦点領域で発生した蛍光の他に、共焦点領域の外で発生した蛍光も含んでいる。しかし、そのような蛍光はピンホール111を通過し得ない。
共焦点光学顕微鏡100は、さらに、ピンホール111を通過した光ビームを平行光ビームに変えるレンズ112と、レンズ112からの光ビームを分割するダイクロイックミラー113と、ダイクロイックミラー113を透過した光ビームを収束するレンズ114と、レンズ114で収束された光ビームを検出する検出器115と、ダイクロイックミラー113とレンズ114の間に配置された分光フィルター116と、ダイクロイックミラー113で反射された光ビームをレンズ117と、レンズ117で収束された光ビームを検出する検出器118と、ダイクロイックミラー113とレンズ117の間に配置された分光フィルター119とを有している。
ダイクロイックミラー109とレンズ110とピンホール111とレンズ112とダイクロイックミラー113とレンズ114と検出器115と分光フィルター116とレンズ117と検出器118と分光フィルター119は、対物レンズ107と共働して、試料からの蛍光を共焦点効果を用いて検出する検出光学系を構成している。
共焦点光学顕微鏡100は、さらに、Caged化合物をCagedを解除するための解除光ビームを発するCaged解除用光源131と、Caged解除用光源131からの解除光ビームをダイクロイックミラー106に導くダイクロイックミラー132と、Caged解除用光源131とダイクロイックミラー132の間に配置されたシャッター133とを有している。
シャッター133は、ソフトウエアによって制御され、Caged解除用光源131から発せられる解除光ビームを適宜遮断することにより、解除光を試料に照射する時間を制御し得る。
これらのCaged解除用光源131とダイクロイックミラー132とシャッター133は、ダイクロイックミラー106と対物レンズ107と共働して、Caged化合物を活性化させて解除するための解除光ビームを試料に適宜照射するCaged解除光学系を構成している。
ダイクロイックミラー132は、励起光を透過するが解除光を反射する特性を有している。また、ダイクロイックミラー106は、前述したように励起光を反射するが蛍光を透過する特性に加えて、解除光を反射する特性を有している。ダイクロイックミラー106は、例えば、340nm以下の短い波長の光と励起光とを同時に反射する特性を有している。このため、Caged解除用光源131からの解除光ビームは、ダイクロイックミラー132とダイクロイックミラー106を介して対物レンズ107に導かれ、対物レンズ107によって試料内の微小な領域に収束される。
解除光ビームを発するCaged解除用光源131は水銀ランプの輝線などの強い紫外線を発する必要がある。このため、Caged解除用光源131は、例えば、水銀ランプで構成される。あるいは、Caged解除用光源131は、キセノンフラッシュランプ又は300〜340nm付近の波長の光を発するレーザーで構成されてもよい。キセノンフラッシュランプ使用の場合は300〜400nmのバンドパスフィルターを用いる。Caged化合物を解除するための水銀ランプの輝線などの強い紫外線は観測に悪影響を与えるためカットされることのが望ましい。
そのため、共焦点光学顕微鏡100は、さらに、励起用光源101とダイクロイックミラー132の間に配置されたシャッター134と、検出系の手前すなわちレンズ112とダイクロイックミラー113の間に配置されたシャッター135とを有している。
シャッター134とシャッター135は共にソフトウエアによりシャッター133に連動して制御される。
Caged化合物を解除する際は、Caged解除用光源131の前方のシャッター133が開かれ、励起用光源101の前方のシャッター134と検出系の手前のシャッター135とが閉じられる。これにより、Caged解除用光源131からの解除光ビームは対物レンズ107によって試料内の領域に照射される。励起用光源101や検出系に向かう不所望な解除光ビームは、シャッター134やシャッター135によって遮られるため、励起用光源101や検出系は紫外線等の解除光ビームによる悪影響を受けない。
FCS計測の際には、Caged解除用光源131の前方のシャッター133が閉じられ、励起用光源101の前方のシャッター134と検出系の手前のシャッター135とが開かれる。これにより、励起用光源101からの励起光ビームは対物レンズ107によって試料内の領域に照射される。励起光の照射領域すなわち共焦点領域で発生した蛍光は検出器115と検出器118で検出される。
ダイクロイックミラー106は、前述したように、励起光と解除光とを同時に反射する特性を有している。つまり、ダイクロイックミラー106は、励起光ビームを対物レンズ107に導く素子と解除光を対物レンズ107に導く素子とを兼ねている。Caged解除用光源131と励起用光源101の切り替えに応じて、励起光ビームを対物レンズ107に導く素子と解除光を対物レンズ107に導く素子とを切り替える必要がない。
計測においては、まずサンプル調整として、目的の分子および目的の分子と相互作用する蛍光標識分子、さらにこれらの分子が相互作用するきっかけとなる物質のCaged化合物を相互作用するために適切な濃度比率で混合する。サンプル標本を試料台108にセットし、シャッター134とシャッター135を開きサンプルのFCS計測を行なう。
得られたデータは保存しておきFCS解析を行なう。次に、シャッター134とシャッター135を閉じ、シャッター133を開く。ここで開いている時間はCaged化合物の解除が目的であるので、キセノンフラッシュランプでは1ミリ秒、水銀ランプで数百ミリ秒である。Caged化合物の解除が行われた段階でシャッター133を閉じ、シャッター134とシャッター135を開く。ここで、FCS計測に必要なレーザパワーと時間を用いて計測を行なう。
例えば、サンプルに目的の物質を添加し反応をFCS計測する場合、今までは、計測試料を物理的に出し入れしていたため、物質の添加の時間を制御することができなかった。そのため、計測が、反応のどの段階のものであるか判断することができなかった。しかし、本実施形態によれば、解除光を発するCaged解除用光源131と解除光の照射時間をコントロールするためのシャッター133とを用いることにより、目的の時間に目的のCaged化合物の解除を行なうことができる。またシャッターを用いることで、化合物へ照射する光のエネルギーもコントロールすることが可能なので、目的の濃度のCaged化合物の解除が可能となる。
観測する分子の相互作用についての例をあげる。分子Aと分子Bの反応がCという物質の濃度をトリガーとしている場合について考える。分子が反応した際の分子量の変化が8倍以上となると拡散時間の変化が大きくなるため、感度良く検出することが可能であり、かつ反応している分子と未反応の分子の割合を求めることができる。分子Aと分子Bが反応した分子Cの分子量が分子Aの分子量に対して8倍以上大きい場合は、分子Aに蛍光標識を行い、Caged−Cを用いてまずCaged解除用光源でCaged解除を行いFCS計測すると、Caged解除されたCの濃度の変化によって分子Aの拡散時間の増大が観測される。さらに、反応している分子Aと未反応の分子Aの割合を求めることができる。
分子Aと分子Bの分子量の差が8倍以下の場合は、拡散時間の変化が小さく、分子の反応の検出を高感度で行なうために分子Bについても分子Aとは異なる蛍光波長特性を有する蛍光色素で標識を行なう。そしてそれぞれの分子の蛍光シグナルについて相互相関解析を行なう。この解析では反応している分子Aと未反応の分子Aの割合を求めることが可能である。Caged−Cを用いてCaged解除用光源でCaged解除を行い、次に分子Aと分子Bに標識した蛍光色素に対応した波長で蛍光計測を行う。Cがトリガーとなって反応が起こる場合は、Cagedが解除された後に、分子Aと分子Bの拡散時間の増大が観測される。さらに、分子Aと分子Bについて相互相関解析を行なうと、反応している分子A分子Bと未反応の分子Aおよび分子Bの割合を求めることができる。
ここでは、二種類の分子(分子Aと分子B)のそれぞれを二種類の蛍光色素で標識する例をあげているが、分子すなわち試料の種類はこれに限定されない。さらに多くの種類の試料をさらに多くの種類の蛍光色素で標識してもよい。
実験例としてCaged−ATPを用いたアクチンフィラメントと蛍光標識ミオシンの相互作用の検出をあげる。アクチンは分子量約41kDで単量体はFアクチンと呼ばれている。生理条件下において重合しGアクチンとなるそのため分子量は10倍以上となる。一方、ミオシンは分子量約48万なので、ここではL鎖を用いる。この部分は分子量が14〜27kDである。このミオシンL鎖に蛍光標識を行なう。用いる蛍光色素はRhodaminegreen、あるいはTAMRAなど一般的に使用されているものであってよい。
この実験系ではアクチンとミオシンの相互作用はATPがトリガーとなり反応が起こる。このATPは、アクチンとミオシンの仲介となり触媒として作用する。この反応ではATPaseの反応が関与しているが、ATPを添加した際、拡散が律速段階となり、観測が困難である。従って、この反応を通常のFCS装置にて観測しようとするとどのタイミングでどれくらいの分子を相互作用させているかの判断ができない。
添加前の図2と添加後の図3とを比較して分かるように、FCSの結果は蛍光標識ミオシンの拡散時間が長くなっており、反応が認められる。ATPはミオシンと結合して加水分解しADPに変化するとミオシンから離れていく。活性化されたミオシンはアクチンと結合しすべり運動する。ATPを添加するこの実験では、ATPが常に供給されているので反応の確認はできても、ATP濃度とミオシンの反応との定量的な評価はできない。ここでATPについてCaged化合物を利用すると、どれくらいの濃度のATPを作用させているかを判断することができ、従って相互作用も予測することができる。
図4は蛍光標識されたミオシンL鎖モノマーについてのFCS計測結果を示している。ここで蛍光標識ミオシンモノマーの拡散時間を算出しておく。
さらに、Caged−ATPを添加したサンプルについてもFCS計測を行なうと、同様の結果(拡散時間)を示した。
この状態で、Caged解除用光源のシャッターを開け、レーザー光源と検出器前のシャッターを閉じる。そして、Caged−ATPを解除すると、図5のような結果が得られた。ここで拡散時間を算出すると、拡散時間の増大が見られた。ここで、Caged解除用光源のシャッターの開口時間を長めに設定すると、Caged−ATPがさらに多く解除されるため、結果としてアクチンと結合する蛍光標識ミオシンが増える。図6はその結果を示している。そのため、算出される拡散時間は平均的に長くなる。さらに、Caged解除されたATPがすべて加水分解されADPになるとミオシンのすべり運動が制限され、拡散時間がさらに長くなった。この実験をCagedATP解除後から数秒ごとに計測を行なう。また、解除する時間を変化させて同様の実験を行なう。ここで、Caged解除用光源のシャッター開口時間と解除されるCaged化合物の濃度を予め算出しておくと、ATP濃度とアクチンと結合する蛍光標識ミオシン濃度の関係が分かり、反応の親和性を定量的に求めることが可能となった。さらに細胞周期の状態の異なる細胞について個々にこの関係を求めていくと、分裂期において細胞の形状が著しく変化する状態ではアクチンとミオシンの反応が活発になるとか、DNA合成期ではATPを解除しても反応は起こり難くアクチンとミオシンの反応は活発に行われていないということが反応の親和性や、反応時間などから解析することが可能となった。このようにして、細胞状態ごとの骨格蛋白質の働きについて定量的な情報を得ることが可能となった。
Caged化合物を用い、カルシウムイオンを仲介とした反応の相互相関解析の例として、トロポニンと筋タンパク質との相互作用について示す。トロポニンと他の筋タンパク質との相互作用はカルシウムイオンが介在し、トロポニンとカルシウムイオンの結合・解離に伴い、アクチンおよびトロポミオシンとの相互作用が変化し筋収縮が行われる。このような、カルシウムイオンを仲介とした相互作用の検出を行う際に、トロポニンには例えばFITCを標識し、アクチンには例えばローダミンを標識する。Caged化合物には、Caged−Ca2+を用い、被検溶液を作製する。Caged化合物を解除するための光を照射してCaged化合物を解除し、トロポニンとアクチンの相互相関解析を行うことにより、例えば、解除されたカルシウムイオン濃度と相互作用する分子の数の関係を観測したり、トロポニンとカルシウムイオンが結合・解離する状態を観測したりすることが可能である。
このように、本実施形態の共焦点光学顕微鏡は、FCS計測装置にCaged化合物を解除する光を試料に適宜照射する光学系を付加した構成をしており、このため、サンプルへの薬物添加をコントロールすることが可能である。さらに、反応の律速についても制御することができ、分子間の反応についての親和性を定量的に評価することが可能である。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
100…共焦点光学顕微鏡、101…励起用光源、106…ダイクロイックミラー、107…対物レンズ、108…試料台、109…ダイクロイックミラー、110…レンズ、111…ピンホール、112…レンズ、113…ダイクロイックミラー、114…レンズ、115…検出器、116…分光フィルター、117…レンズ、118…検出器、119…分光フィルター、131…Caged解除用光源、132…ダイクロイックミラー、133…シャッター、134…シャッター、135…シャッター。
Claims (4)
- 蛍光分子を有する細胞や溶液などの試料を載せるための試料台と、励起光ビームを前記試料に照射し共焦点領域を形成する励起光学系と、Caged化合物を解除するための解除光ビームを試料に適宜照射するCaged解除光学系と、前記試料からの蛍光を共焦点効果を用いて検出する検出光学系とを有している共焦点光学顕微鏡。
- 請求項1に記載の共焦点光学顕微鏡を用いた分析方法であり、Caged化合物が解除された物質が関与した試料の反応状態を、共焦点領域の蛍光のゆらぎを検出することにより、蛍光分子が共焦点領域を横切る時間、または、共焦点領域に存在する蛍光分子の数、または、一分子あたりの蛍光強度を演算して分析することを特徴とする、蛍光分光分析方法。
- 蛍光標識された試料とCaged化合物を含有した溶液に、Caged化合物を解除するための光を照射し、蛍光標識された試料とCaged化合物が解除された物質との反応、または、Caged化合物が解除された物質が仲介となった蛍光標識された試料の反応を測定することを特徴とする、請求項2に記載の蛍光分光分析方法。
- 異なる蛍光標識をした異なる試料とCaged化合物を含有した溶液に、Caged化合物を解除するための光を照射し、異なる蛍光標識をした異なる試料とCaged化合物が解除された物質の相互作用、または、Caged化合物が解除された物質が仲介となった異なる蛍光標識をした試料の相互作用を測定することを特徴とする、請求項2に記載の蛍光分光分析方法。
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