JP2005083961A - 歪センサー - Google Patents

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Toshiyuki Takagi
敏行 高木
Takeshi Imaizumi
健 今泉
Takanori Takeno
貴法 竹野
Aleksey Dmitrievich Bozuko
ボズコ・アレクセイ・ディミティリエヴィッチュ
Mikhail Leonidovich Shupegin
シュペギン・ミハイル・レオニドヴィッチュ
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Abstract

【要約書】
【課題】 測定歪範囲で分解能が高いこと、小型であること、応答が速いこと、耐環境性に優れ、かつ弾性と適度な硬さを備え、耐磨耗等の機械的特性にも優れているという多くの特性を備えた歪センサーを提供することを課題とする。
【解決手段】 非晶質の金属又は導電性化合物−炭素コンポジット膜からなることを特徴とする歪による電気抵抗の変化を利用した歪センサー。W,Cr,Mo,Ti,Nb,Cu,Al,Hf,Fe,Ni,Ta,Zr,Co,Sn,Pb,Re,Os,Ir,Pt,Au,Ag,Mn若しくはこれらの合金から選択した少なくとも1種類以上の金属又は窒化物等の導電性化合物である歪センサー。
【選択図】 図1

Description

本発明は、目的の歪範囲で分解能が高く、小型であり、応答が速く、耐環境性に優れ、かつ弾性と適度な硬さを備え、耐磨耗等の機械的特性にも優れた歪センサーに関する。
一般に、歪センサーの持つ望ましい特性として、測定歪範囲で分解能が高いこと、小型であること、応答が速いこと、耐環境性に優れ、かつ弾性と適度な硬さを備え、耐磨耗等の機械的特性にも優れていることが必要とされる。
現在ある汎用の歪ゲージは3つのグループに分類できる。1つ目としては、金属箔やワイヤを使って製作された歪ゲージである。
この歪ゲージの製作に使われる典型的な材料としては、コンスタンタン(銅‐ニッケル合金)、ニクロム(ニッケル‐クロム合金)、タングステン‐白金合金、不変鋼(ニッケル‐鉄合金)、カルマロイ合金(ニッケル‐銅-鉄合金)がある。
2つめとして、半導体を利用した歪ゲージである。この場合、異種元素を混入したシリコンウェハもしくは、異種元素が混入した層を持つ基板が歪センシング要素として用いられる。
最後のもの(3つめ)としては、歪を測定したい箇所に直接蒸着した薄膜がある。この場合、目的とする表面の変形を測定するためにゲージを配列して製膜する。しかしながら、示した型の歪ゲージには機能性に関していくつかの基本的な限界が存在する。
最も重要なものとしては、極限環境において歪ゲージパラメータは安定性が悪いことである。現在ある歪ゲージの機械的特性を考えると、磨耗する場所でそれらを使用することは出来ない。
すなわち、現在ある歪ゲージの弾性、硬さ、磨耗のし難さといった機械的特性は、特定の応用に関する要求には応えることは出来ないという問題があった。
一方、近年DLC(ダイヤモンド状炭素)薄膜の合成が可能となり、その機械的、電気的、化学的性質に着目して研究が行われている(非特許文献1参照)。
また、DLC膜は、その耐磨耗性、耐蒸着性、摺動性などの機械的性質を活かし、切削工具、金型などの機械部品への利用が検討されている(非特許文献2参照)。しかし、電磁気的性質に着目した研究は少ない。
V.F. Dorfman, Thin Solid Films, 212(1992) pp.267-273 角谷泰著「DLC膜の応用」、雑誌「表面処理技術」Vol.52,No.11(2002), pp.729-731
本発明は、測定歪範囲で分解能が高いこと、小型であること、応答が速いこと、耐環境性に優れ、かつ弾性と適度な硬さを備え、耐磨耗等の機械的特性にも優れているという多くの特性を備えた歪センサーを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、非晶質炭素に金属等を添加し、コンポジット膜(複合膜)とすることにより、従来の歪センサーの欠点を改良し、優れた性能をもつ歪センサーを得ることができるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1.非晶質の金属又は導電性化合物−炭素コンポジット膜からなることを特徴とする歪による電気抵抗の変化を利用した歪センサー
2.5nm〜50μmの厚さを有するコンポジット膜であることを特徴とする上記1記載の歪センサー
3.コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度が5〜40at.%であることを特徴とする上記1又は2記載の歪センサー
4.W,Cr,Mo,Ti,Nb,Cu,Al,Hf,Fe,Ni,Ta,Zr,Co,Sn,Pb,Re,Os,Ir,Pt,Au,Ag,Mn若しくはこれらの合金から選択した少なくとも1種類以上の金属又は窒化物等の導電性化合物であることを特徴とする上記3記載の歪センサー
5.非晶質炭素がsp結合成分、sp結合成分、sp結合成分の比率により、それぞれダイヤモンド状炭素とグラファイト状炭素の優位的又は双方の性質を示す材料であることを特徴とする上記1〜4のそれぞれに記載の歪センサー
6.20at%以下のH,Si,Nを含有することを特徴とする上記1〜5のそれぞれに記載の歪センサー
を提供する。
また、本発明は
7.比電気抵抗が10−4〜10Ω・cmであることを特徴とする上記1〜6のそれぞれに記載の歪センサー
8.歪センサー基板又は歪計測を行う機器に非晶質の金属又は導電性化合物−炭素のコンポジット膜を直接成膜して歪センサーとすることを特徴とする上記1〜7のそれぞれに記載の歪センサー
9.コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度により、絶縁体域、導電−絶縁体遷移点(Metal-Insulator Transition (MIT))近傍域、導電域の3種の域に分けられる周期性を有する多層構造を有し、それぞれの副層における金属含有量は、パーコレーション閾値を超えるようにし、機能層を隔てる絶縁副層における金属含有量を限りなく0に近づけたことを特徴とする上記1〜8のそれぞれに記載の歪センサー。
10.歪センサー基板又は歪計測を行う機器に、予めダイヤモンド状炭素又はポリマー状炭素の非晶質炭素からなる絶縁性保護膜を形成し、該絶縁性保護膜は一層の均質膜であるか、特性が異なる多層膜であるか、又は金属−絶縁層による多層膜であることを特徴とする上記1〜9のそれぞれに記載の歪センサー
11.金属又は導電性化合物が、コンポジット膜の厚さ方向又は長さ方向に、濃度がプラス又はマイナスに傾斜していることを特徴とする上記1〜10のそれぞれに記載の歪センサー
12.コンポジット膜は、金属又は導電性化合物の種類又は濃度が一定若しくは異なる多層膜であるか、多層膜の少なくとも1層は金属又は導電性化合物の濃度がMIT点よりも下、近傍、上の何れかであるか、多層膜は一種類であるか又は繰返して積層された多層膜であるか、又は以上の多層膜の組み合わせであることを特徴とする上記1〜12のそれぞれに記載の歪センサー
13.センサーの上に、付加的な保護膜としてダイヤモンド状炭素又はポリマー状炭素の非晶質炭素からなる絶縁性保護膜を形成し、該絶縁性保護膜が一層の均質膜であるか、特性が異なる多層膜であるか、又は金属−絶縁層による多層膜とすることを特徴とする上記1〜13のそれぞれに記載の歪センサー
を提供する。
本発明の歪センサーは次のような多くの特性と効果を有し、現在用いられている一般のセンサーよりも、安価で歪計測範囲が広く、汎用性及び柔軟性に富むという優れた効果を有する。
(1)高温に対して非晶質金属−炭素ナノ複合材は優れた安定性をもつことから、広い温度範囲で機能するという効果を有する。
(2)本歪センサーを必要とする対象物上に直接作製することができるので、センサーとしての感度を上げることができる。
(3)機能層の機械的特性や最上層の保護層、最下層の機能層と対象物との間にある絶縁層を制御できることから、測定誤差を軽減できる。
(4)再現性が良いので、測定の正確性を向上できる。
(5)非磁性金属を用いた場合、炭素相が非常に強い無秩序性を有することから磁場による影響を小さくすることができる。
(6)歪センサの保護コーティングとして様々な種類の非晶質炭素が、優れた耐食性や機械的特性を有することから、センサーの環境に対する長期安定性が良い。
(7)優れた硬さや磨耗抵抗を有するので、酷使されることを要求される用途に対しても使用できる。
(8)歪センサー上部表面の抵抗を減少させることができるので感度が良い。
(9)応答速度が良好であり、分解能に優れている。
(10)柔軟性に優れ、最も良い性能を引き出せるように使用環境に応じてセンサーを調整でき、広い範囲の歪領域で使用できる。
(11)センサーのミクロ・マクロ構造を制御することにより、広い歪範囲での応答性を高めるとともに歪分解能を向上できる。
(12)非晶質金属-炭素ナノコンポジット膜が高温でも優れた安定性を示すので、広い温度範囲で歪みを計測できる。
本発明の歪センサーは、非晶質の金属又は導電性化合物−炭素コンポジット膜からなり、歪による電気抵抗の変化を利用して1K〜500Kまでの広い歪域で安定して測定が可能である優れた特性を有する歪センサーである。
図1のaとbに、代表的な歪センサーの構造を示す。この歪センサーは、主に基板上に形成した層同志を隔てる層、機能層、電極、保護層から作製される。
図2に、歪センサーの簡単な2次元電気等価回路を示す。それぞれの抵抗器はトンネル接点を表しており、矢印は歪み方向εlやεtに対して平行もしくは垂直の方向を示している。金属クラスタは黒い点で示してある。
図3は、多層構造を有する機能層をデザインしたものである。aは周期性を有する多層構造を示し、それぞれの副層における金属含有量はパーコレーション閾値を超えるようにしたものである。また、機能層を隔てる絶縁副層における金属含有量は限りなく0に近づける。
bは周期性を有する多層構造を示し、それぞれの機能副層における金属含有量パーコレーション閾値を超えるようにする。機能層を隔てる絶縁層での金属含有量は、導体−絶縁体遷移点よりも下にする。
図3において、N(MIT)は導体−絶縁体遷移点の金属含有量を表し、N(Me)は金属含有量、Lはセンサー全体の厚みを示している。
図4は最下層に用いる絶縁層をデザインしたものである。図4のaは、均一な非晶質炭素を主体とした最下部にある絶縁層であり、図4のbは、非均一な非晶質炭素を主体とし、最下部に絶縁層を設けたものである。絶縁膜の非均一性は非晶質炭素の特性を決定する全てのパラメーターによって特徴付けられる。
そのような特性には、硬さ、エネルギーギャップ、内部応力、水素含有量、金属含有量などがあり、製膜条件や前駆物質によって異なる。
図5は最上部にある保護層をデザインしたものである。最上部に位置する絶縁性の保護層はセンサーの保護を目的としており、機械的特性の必要性に応じて、均一的もしくは非均一的なもののどちらでも使える。図5のaは、最上部にある均一な非晶質炭素を主体とした層であり、図5のbは、最上部にある非均一の非晶質炭素を主体とした層である。
本発明の歪センサーは、例えば2.50nm〜50μmの厚さを有するコンポジット膜とすることができる。コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度は5〜50at.%とし、比電気抵抗10−4〜10Ω・cmの歪センサーとして利用できる。
コンポジット膜に添加(ドーピング)する金属又は導電性化合物として、W,Cr,Mo,Ti,Nb,Cu,Al,Hf,Fe,Ni,Ta,Zr,Co,Sn,Pb,Re,Os,Ir,Pt,Au,Ag,Mn若しくはこれらの合金から選択した少なくとも1種類以上の金属又は窒化物(TiN)等の導電性化合物を使用する。
成膜方法としては、以下に述べる方法の一つもしくは2つ又はそれ以上の組み合わせを使用する。
1.直流マグネトロンスパッタ法
2.高周波(ラジオ波)マグネトロンスパッタ法
3.プラズマ化学気相合成蒸着法
4.イオンビーム蒸着法
5.アーク放電蒸着法
6.電子ビーム蒸着法
7.レーザーアブレーション法
適当なエネルギー(100〜1000eV)で成膜された非晶質炭素はsp、sp、spと言った、異なる炭素間の結合により様々な網目構造を形成して混在し、不規則性を有している。これらの構造は、成膜条件や成膜方法、圧力などによって決定することができる。
本発明の歪センサーは、非晶質炭素がsp結合成分、sp結合成分、sp結合成分の比率により、それぞれダイヤモンド状炭素とグラファイト状炭素の優位的又は双方の性質を示す材料から構成される。
本発明の歪センサーは、さらに20at.%以下の微量のH,Si,Nを含有させることができる。これらの添加により密着性を改良し、ポリマー的性質を持たせることができる。
コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度により、絶縁体域、導電−絶縁体遷移点(Metal-Insulator Transition (MIT))近傍域、導電域の3種の域に分けられる。
すなわち、金属濃度が低いときには、非晶質絶縁体となり、金属等の濃度を大きくしていくと、導電−絶縁体遷移(MIT)点が見られ、金属濃度がこれを超え(12〜20at.%)ると、薄膜の特性は非晶質金属としての性質を持つようになる。
歪ファクター(因子)kが、数1の式により決定されていることは周知である。ここで、Rはセンサーの抵抗、εlは縦方向の歪である。
また、試料の相対抵抗変化率は、数2の式によって表される。ここで、ε は試料横方向の歪であり、ρはセンサー材料の抵抗率である。
ポアソン比を用いると数3の式となる。ここで、vはポアソン因子である。さらに、相対抵抗変化率を、数4の式のように仮定する。
Figure 2005083961
Figure 2005083961
Figure 2005083961
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ナノ複合物は、絶縁性炭素若しくは炭素が基本となる生地組織に分散し、ポテンシャルバリアによって隔てられる金属ナノクラスタが形成された材料として考えられる。非晶質生地組織は、エネルギーギャップにおいてゼロではない状態密度によって特徴付けられる。
こ のことにより、内部クラスタポテンシャルバリアに組織の局在状態が存在することになる。ポテンシャルバリア中をトンネルすることによって定義付けられる、非均一系での導電率はバリア中において内部粒子の距離間での局在状態nの数に依存し、電子の内部クラスタ非弾性トンネルするというモデルによって記述される。このモデルの枠内において、導電率は数5の式のように表現される
Figure 2005083961
ここでrは金属クラスタ間の距離、Sは試料の断面積、Λは変形ポテンシャル定数、ρは組織材料の密度、cは組織における音速、gはフェルミレベルでの局在状態密度、aは局在状態の半径、Eはバリア部分における局在状態の深さである。
ナノ複合物薄膜の平均的導電率は、導電する経路の足し合わせによって、数6の式で与えられる。温度間隔においては、数7の式で与えられる。
Figure 2005083961
Figure 2005083961

Figure 2005083961
本発明歪みセンサーの構造は、パーコレーション理論に基づいて記述すると明確にわかる。コンポジット膜中には金属原子が集まったナノサイズの粒子(ナノクラスタ)ができており、電子はこの金属粒子間をトンネル効果によって流れる。
金属含有量が増すと金属同志が繋がり、いわばコンポジット膜中に金属の錯(ナノクラスタ錯)ができる。このとき、電極より流れ込む電流はこのナノクラスタ錯中を優先的に流れることになるため、この薄膜の電気的性質は非晶質金属のものに近くなる。パーコレーション閾値とは、初めてこの金属錯ができるときのことを言う。
パーコレーション理論によれば、すべてのパーコレーションネットワークでは、一部の輸送電流は非晶質金属‐炭素ナノ複合物において、あらゆる方向に流れる。しかしながら、結果的に電流はトンネル接点に平行である。
引っ張りのような一軸の歪が材料に加えられている間、縦方向におけるトンネル電極間距離が増加する。反対に、横方向におけるトンネルクラスタ間の距離は減少する。このことは試料縦方向における抵抗の増加が、横方向における距離の減少によって、補正されることを意味する。
Figure 2005083961
薄膜の厚みが平均的なクラスタの大きさの時、本来の2次元の場合で扱える。この場合は、それぞれ縦、横歪に対して平行な抵抗器によって構成される単純な2次元における等価電子回路(図2)を用いて金属‐炭素系薄膜を模式化することにより歪センサとしての機能のメカニズムを書き表すと便利である。
それぞれの抵抗器は、一方向にしか電流の流れない、少なくとも1つの組み合わせのナノクラスタをあらわしている。
歪を加えることにより、数5の式に一致する内部クラスタ間距離の増加によって縦方向歪に平行な抵抗器の抵抗は増加する。横方向は数3の式での薄膜の圧縮のために、ナノクラスタ錯における距離の減少と共に横方向の歪に平行な抵抗器の抵抗は減少する。このように横方向の効果によって一軸歪による抵抗の増加は補正される。
金属−炭素系ナノ複合材を基礎とした歪センサは、基板上にそれだけで動作する装置として作製されるか、若しくは歪センサとして動作し、歪測定を行いたい対象物のその部分に直接蒸着できる。
対象物若しくは基板が導電性材料又は対象物表面が導電体の場合、絶縁性の非晶質炭素層を基板(若しくは対象物)が歪センサとして機能する層から分離するようにあらかじめ蒸着する。そのような分離絶縁層の構造は対象物もしくは基板の機械的特性に依存する。このような構造としては、金属が混入した非晶質炭素層を中間に含む多層構造ともなりうる。
化学的に過酷、あるいは摩擦を受ける使用条件下でもセンサー層が安定に動作するように、センサー層を絶縁性の保護膜で覆う事ができる。
この層のナノ構造は、高分子構造のような炭素からダイヤモンドライクな炭素まで多岐に渡る。それはまた、金属が混入された非晶質炭素副層を含む多層構造を有することになる。保護絶縁層の特別なデザインは、歪測定が必要となる対象物の機械的特性によって決定される。
Figure 2005083961
上記のような多層構造の第2の利点は、その機械的特性が制御できる点にあり、そのために歪センサの多層構造は図3−図5のようにする。
例えば、コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度により、絶縁体域、導電−絶縁体遷移点(Metal-Insulator Transition (MIT))近傍域、導電域の3種の域に分けられる周期性を有する多層構造を有し、それぞれの副層における金属含有量は、パーコレーション閾値を超えるようにし、機能層を隔てる絶縁副層における金属含有量を限りなく0に近づけた歪センサーとすることである。
多層構造は一種類もしくは幾つかの種類の金属が混入した副層の両方によって構成される。絶縁性と機能性を有する副層の炭素相の、構造および特性は、ポリマーのような柔らかい非晶質炭素から、ダイヤモンドライクのような硬いものまで多岐にわたる。求められる巨視的な構造は、その対象物が必要とする機械的特性によって決定される。
最下層の絶縁層は、異なる構造特性を有する絶縁層からなる多層構造のようなものや、金属−絶縁体多層構造のような、均一なものとして作製される(図4)。
絶縁層もしくは絶縁副層の構造や特性は、ポリマーのような柔らかい非晶質炭素薄膜の典型的なものから、ダイヤモンドライクのような硬いものまで様々である。求められる巨視的な構造は対象物の絶縁的特性と機械的特性の両方によって決定される。
最上層につくる保護層は、均一層や多層絶縁−絶縁構造のように作製することができる(図5)。保護層の微視的、巨視的構造は、保護される目的や対象物の機械的目的によって決めることができる。
本発明の歪センサーを用いて歪を測定した例を図6に示す。この図6に示すように、歪と抵抗はほぼ比例関係にあることが分かる。
本発明は、現在用いられている一般のセンサーよりも、安価で歪計測範囲が広く、汎用性及び柔軟性に富むという優れた効果を有するので、a.化学工業、b.低温工学、c.医学、薬学、d.生体工学、e.自動車工業、f.重工業、g.電子工学等の工業用、研究用で使用する歪センサーとして利用できる。
本発明の歪センサーの例を示す断面説明図である。 歪センサーの簡単な2次元電気等価回路の説明図である。 多層構造を有する機能層の1例のデザインを示す図である。 最下層に用いる絶縁層の1例であるデザインを示す図である。 最上部にある保護層の1例であるデザインを示す図である。 本発明の歪センサーを用いて歪を測定した例を示す図である。
符号の説明
N(Me): 金属の濃度
L: 厚さ
N: 濃度

Claims (13)

  1. 非晶質の金属又は導電性化合物−炭素コンポジット膜からなることを特徴とする歪による電気抵抗の変化を利用した歪センサー。
  2. 5nm〜50μmの厚さを有するコンポジット膜であることを特徴とする請求項1記載の歪センサー。
  3. コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度が5〜40at.%であることを特徴とする請求項1又は2記載の歪センサー。
  4. W,Cr,Mo,Ti,Nb,Cu,Al,Hf,Fe,Ni,Ta,Zr,Co,Sn,Pb,Re,Os,Ir,Pt,Au,Ag,Mn若しくはこれらの合金から選択した少なくとも1種類以上の金属又は窒化物等の導電性化合物であることを特徴とする請求項3記載の歪センサー。
  5. 非晶質炭素がsp結合成分、sp結合成分、sp結合成分の比率により、それぞれダイヤモンド状炭素とグラファイト状炭素の優位的又は双方の性質を示す材料であることを特徴とする請求項1〜4のそれぞれに記載の歪センサー。
  6. 20at.%以下のH,Si,Nを含有することを特徴とする請求項1〜5のそれぞれに記載の歪センサー。
  7. 比電気抵抗が10−4〜10Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜6のそれぞれに記載の歪センサー。
  8. 歪センサー基板又は歪計測を行う機器に非晶質の金属又は導電性化合物−炭素のコンポジット膜を直接成膜して歪センサーとすることを特徴とする請求項1〜7のそれぞれに記載の歪センサー。
  9. コンポジット膜中の金属又は導電性化合物の濃度により、絶縁体域、導電−絶縁体遷移点(Metal-Insulator Transition (MIT))近傍域、導電域の3種の域に分けられる周期性を有する多層構造を有し、それぞれの副層における金属含有量は、パーコレーション閾値を超えるようにし、機能層を隔てる絶縁副層における金属含有量を限りなく0に近づけたことを特徴とする請求項1〜8のそれぞれに記載の歪センサー。
  10. 歪センサー基板又は歪計測を行う機器に、予めダイヤモンド状炭素又はポリマー状炭素の非晶質炭素からなる絶縁性保護膜を形成し、該絶縁性保護膜は一層の均質膜であるか、特性が異なる多層膜であるか、又は金属−絶縁層による多層膜であることを特徴とする請求項1〜9のそれぞれに記載の歪センサー。
  11. 金属又は導電性化合物が、コンポジット膜の厚さ方向又は長さ方向に、濃度がプラス又はマイナスに傾斜していることを特徴とする請求項1〜10のそれぞれに記載の歪センサー。
  12. コンポジット膜は、金属又は導電性化合物の種類又は濃度が一定若しくは異なる多層膜であるか、多層膜の少なくとも一層は金属又は導電性化合物の濃度がMIT点よりも下、近傍、上の何れかであるか、多層膜は一種類であるか又は繰返して積層された多層膜であるか、又は以上の多層膜の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜12のそれぞれに記載の歪センサー。
  13. センサーの上に、付加的な保護膜としてダイヤモンド状炭素又はポリマー状炭素の非晶質炭素からなる絶縁性保護膜を形成し、該絶縁性保護膜が一層の均質膜であるか、特性が異なる多層膜であるか、又は金属−絶縁層による多層膜とすることを特徴とする請求項1〜13のそれぞれに記載の歪センサー。
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