JP2005083867A - 目標追尾装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドップラ周波数およびドップラシフト差による各ドップラ速度から良質なドップラ速度の観測値を取得し、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行う目標追尾装置を得る。
【解決手段】第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部2と、探知データおよび第1のドップラ速度から既存航跡に対する探知データの相関を判定するゲート内外判定部31と、既存航跡および探知データを用いて目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部32、5、6とを備える。ドップラ速度情報抽出部2は、パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、第1、第2のドップラ速度を比較して第1のドップラ速度の候補を絞り込む。
【選択図】図1

Description

この発明は、パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから目標の軌跡を推定する装置において、前処理として行われる距離変化率(ドップラ速度)の情報計算に関し、特に、不要信号が同時に観測される状況や、複数の目標が混在する状況下で、既存航跡および探知データの組み合わせからなる相関の決定を、正確且つ効率的に処理可能にした目標追尾装置に関するものである。
一般に、パルス圧縮レーダ(以下、単に「レーダ」ともいう)から得られる探知データを用いて目標の軌道である航跡を推定する目標追尾装置においては、どの探知データを用いて航跡を形成するかの決定方法により、追尾性能が大きく左右する。各探知データに対しては、以下の3通りの解釈(1)〜(3)のいずれかが当てはまる。
(1)いずれかの既存の航跡と対応付ける。
(2)新たに発生した目標である。
(3)不要信号である。
上記解釈(1)〜(3)のうち、どの解釈が正しいかを判定することは、「相関決定」と呼称されており、相関判定の際には、判定の指標として、個々の既存航跡と探知データとの組み合わせについての相関度合いを示す数値が必要となる。
このような相関度合いを表す指標としてよく用いられるのが、既存航跡の予測位置と探知データの距離との近さである。
従来の目標追尾装置は、探知データを生成するセンサと、探知データを処理するためのゲート内外判定部および尤度計算部を含む個別相関決定部と、個別相関決定部と関連する航跡関連データ、航跡諸元計算部および追尾航跡決定部とを備え、上記解釈(1)〜(3)にしたがって、たとえば、既存航跡を適切な探知データを用いて更新するとともに、既存航跡と対応しない探知データを新目標または不要信号と解釈する、という相関の組み合わせを妥当であると決定する。
すなわち、サンプリングデータの読込ステップと、個別相関決定ステップと、追尾航跡家定ステップとを、レーダによる同一時刻の観測で得られた探知データ群1サンプル分の処理過程(上記手順処理)とし、この処理ループを観測時刻(サンプル)毎に繰り返し実行する。
以下、従来の目標追尾装置による「個別相関決定ステップ」について説明する。
航跡諸元計算部は、現在の1つ前のサンプルにおける処理で、前回のサンプルで相関した探知データの位置情報を用いて、既存航跡の運動諸元を更新しておく。すなわち、最新時刻の平滑値とその次の時刻の予測値とを算出する。
平滑値および予測値は、以下の式(1)〜(6)により算出される。
まず、平滑値計算において、
Figure 2005083867
は平滑値、
Figure 2005083867
は平滑誤差共分散行列、
Figure 2005083867
はカルマンゲイン、
Figure 2005083867
は残差共分散行列である。
なお、既存航跡の運動諸元を推定する際の座標の取り方については、状態変数を、直交座標による位置x,y,z、および、速度の各成分vx,vy,vzとする。
このとき、平滑値、平滑誤差共分散行列、カルマンゲインおよび残差共分散行列は、以下の式(1)〜(4)により算出される。
Figure 2005083867
ここで、
Figure 2005083867
は観測行列、
Figure 2005083867
は観測誤差共分散行列である。
また、
Figure 2005083867
は予測値、予測誤差共分散行列であり、また、
Figure 2005083867
は、極座標で示された共分散行列を直交座標用に変換を行う行列である。
予測値および予測誤差共分散行列は、予測値計算用の以下の式(5)、(6)により算出される。
Figure 2005083867
ここで、
Figure 2005083867
は推移行列、
Figure 2005083867
は駆動雑音共分散行列である。
以下、ゲート内外判定部および相関尤度計算部による判定ステップおよび相関尤度計算ステップは、既存航跡と探知データの全てとの組み合わせについて実行される。
まず、ゲート内外判定部は、既存航跡の予測値および残差共分散行列から、探知データが観測される可能性が高い領域であるゲートを設定し、探知データの位置ベクトル
Figure 2005083867
がこのゲート条件を満たせばゲート内、満たさなければゲート外と判定する。
なお、ゲート内外判定用の条件は、以下の式(7)で表される。
Figure 2005083867
ここで、
Figure 2005083867
は事前に設定されるパラメータである。また、
Figure 2005083867
は、予測位置であり、以下の式(8)により算出される。
Figure 2005083867
探知データがゲート外と判定された場合、その探知データと既存航跡との組み合わせは「相関の可能性がない」ものとして、以降の相関決定では考慮の対象から除外される。
次に、相関尤度計算について説明する。
探知データがゲート内と判定された場合、その探知データと既存航跡との組み合わせは「相関の可能性がある」とする。
このとき、尤度計算部(相関度合い計算部)は、相関可能性がある組み合わせにおける相関度合いを、以下の式(9)により算出する。
Figure 2005083867
この計算方式は、探知データの位置が、予測位置を中心とした共分散行列Skのガウス分布にしたがう統計量であることを仮定しており、計算結果である「相関度合い(尤度)」は、探知データの位置が、予測値にどれだけ近いかを示している。
最後に、追尾航跡決定部は、相関の可能性のある既存航跡と探知データとの組み合わせと、この組み合わせについて算出された相関度合いとを用いて、既存航跡と探知データとの組み合わせを選択し、全体での相関を決定する。
この相関決定においては、既存航跡と探知データとの相関のみならず、既存航跡から探知データが得られない状況や、探知データが新目標あるいは不要信号である可能性などが考慮される。
上記全体での相関の決定方法については、様々な手法があるが、一例としては、各々の既存航跡に対して、相関度合いが最も高い探知データを割り当てる方式「Nearest Neighbor」があげられる(たとえば、非特許文献1参照)。
また、他の例としては、各々の既存航跡に対して可能な相関全てを考慮し、相関を組み合わせて仮説を構成し、各々の相関度合いに基づいて仮説の信頼度を算出する方式「MHT(Multiple Hypothesis Tracking)」があげられる(たとえば、非特許文献2参照)。
以上のように、従来の目標追尾装置は、個別相関決定ステップにおいて、既存航跡と探知データとの相関の有無を判別するために、次に探知される予測位置の推定を行い、この推定において、式(5)、(6)に示したように、前サンプルにおける目標の位置の推定値(平滑位置)および速度の推定値(平滑速度)を用いている。
すなわち、平滑位置から、前回の観測時刻から現在の観測時刻までの時間分だけ平滑速度にしたがって移動した位置を予測位置としている。
ところで、周知のように、レーダからは、位置情報の他に、ドップラ周波数が得られる場合があり、ドップラ周波数からはドップラ速度が算出される。この方式で得られるドップラ速度を「ドップラ周波数によるドップラ速度」と称するものとする。
ドップラ速度は、目標とレーダとの間の距離の変化率であり、速度に関する情報を含んでいるので、この情報を活用することにより、追尾性能の向上を図ることも提案されている。
ドップラ速度は、別の方式によっても算出することもできる。たとえば、直線状周波数変調方式では、アップチャープとダウンチャープとを短時間に繰り返し、得られる観測位置のずれを利用する方式である。
アップチャープの際に観測される距離と、ダウンチャープの際に観測される距離とは、距離変化率とチャープ定数
Figure 2005083867
の積の分だけずれるので、互いに異なる値となる。
すなわち、アップチャープ時に観測される距離は、以下の式(10)で表される。
Figure 2005083867
また、ダウンチャープ時に観測される距離は、以下の式(11)で表される。
Figure 2005083867
したがって、上記2つの観測距離の距離偏差を定数で除算することにより、以下の式(12)のようにドップラ速度が得られる。
Figure 2005083867
この方式で得られるドップラ速度を「ドップラシフト差によるドップラ速度」と称することにする。
この「ドップラシフト差によるドップラ速度」には、前述の「ドップラ周波数によるドップラ速度」と同様に、それぞれ、長所および短所が存在する。
すなわち、ドップラ周波数によるドップラ速度は、観測精度が高いという長所がある反面、レーダのパルス繰り返し周波数(PRF)が低い場合には、受信波の高周波成分が折り返されてしまうことから、観測対象の目標の速度が非常に速い場合でも、遅い目標と同程度のドップラ速度として観測されてしまうので、1つのドップラ速度の観測値に対して候補となる速度が複数存在し、特定が困難になるという短所がある。
また、ドップラシフト差によるドップラ速度は、折り返しによる問題は生じないので、1つのドップラ速度の観測値に対して速度が一意に定まる反面、観測精度がドップラ周波数によるドップラ速度よりも低いという短所がある。
一方、探知データから得られるドップラ速度に対して、距離変化率の航跡の予測値から距離変化率(予測速度)を別途算出し、これら2つの速度情報の類似度を算出して、相関度合い計算に利用する目標追尾装置も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、この追尾技術においては、ドップラ速度情報の入手方法について、上記速度情報の特徴を活用した良質なドップラ速度の観測値を得るための手段が示唆されていない。
特公平7−101233号公報 Samuel S.lackman著「Multiple−Target Tracking with Radar Application」(ARTECH HOUSE)の4章第3節 Donald B.Reidによる論文 "An Algorithm for Tracking Multiple Targets"(IEEE Transactions on Automatic Control, Vol.AC−24, No6, December,1979)
従来の目標追尾装置では、ドップラ周波数によるドップラ速度を用いた場合には、観測対象の目標の速度が非常に速い場合でも、遅い目標と同程度のドップラ速度として観測されてしまうので、1つのドップラ速度の観測値に対して候補となる速度が複数存在し、特定が困難になるという課題があった。
また、ドップラシフト差によるドップラ速度を用いた場合には、高い観測精度を得ることができないという課題があった。
さらに、上記特許文献1のように、探知データから得られるドップラ速度と予測速度との類似度を相関度合い計算に利用した場合には、良質なドップラ速度の観測値を得るための手段を備えていないので、高い観測精度を得ることができないという課題があった。
この発明は、ドップラ速度を利用した追尾方式で、ドップラ周波数によるドップラ速度とドップラシフト差によるドップラ速度との特徴を活かして、良質なドップラ速度の観測値を得るための工夫を行うことにより、探知データと既存航跡との相関判定をより正確に行うことのできる目標追尾装置を得ることを目的とする。
この発明による目標追尾装置は、パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、位置情報の観測値とドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、探知データおよび第1のドップラ速度から、既存航跡に対する探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、既存航跡および探知データを用いて目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、ドップラ速度情報抽出部は、パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、第1および第2のドップラ速度を比較して第1のドップラ速度の候補を絞り込み、ゲート内外判定部は、既存航跡の予測速度とドップラ速度情報抽出部から得られた第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、予測速度と一意に絞り込まれた第1のドップラ速度の候補との速度偏差から、探知データと既存航跡とが相関可能であるか否かを判定するとともに、既存航跡の予測位置から探知データの存在可能領域を算出して、探知データと既存航跡とが相関可能か否かを判定するものである。
この発明によれば、ドップラ周波数によるドップラ速度とドップラシフト差によるドップラ速度との特徴を活かして、良質なドップラ速度の観測値を得るための工夫を行うことにより、探知データと既存航跡との相関判定をより正確に行うことができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1による追尾処理の概略手順を示すフローチャート、図3はこの発明の実施の形態1による個別相関決定処理を示すフローチャートである。
また、図15は前述の3通りの解釈(1)〜(3)にしたがう具体的な相関処理を示す説明図であり、2つの既存航跡T1、T2が存在し、交差する2つのゲート(点線参照)内に3つの探知データ00、10、11が得られている場合を示している。
図15において、既存航跡T1の予測値(航跡先端側の延長部)から最も近いのは探知データ00であり、既存航跡T1については、探知データ00との組み合わせが、「相関度合いが最も高くなる」ことを示している。
また、既存航跡T2の予測値から最も近いのは探知データ11であり、既存航跡T2については、探知データ11との組み合わせが、「相関度合いが最も高くなる」ことを示している。
ここで、各既存航跡T1、T2が相関する探知データとして、「相関度合いが最も高くなる既存航跡と探知データとの組み合わせに決定する」という方針にしたがうならば、以下の(1a)〜(3a)のように、相関の組み合わせが妥当であるという決定が可能となる。
(1a)既存航跡T1を、探知データ00を用いて更新する。
(2a)既存航跡T2を、探知データ11を用いて更新する。
(3a)探知データ01は、新目標、または不要信号と解釈する。
図1において、この発明による目標追尾装置は、センサ1と、ドップラ速度情報抽出部2と、個別相関決定部3と、航跡関連データ4と、航跡諸元計算部5と、追尾航跡決定部6とを備えており、個別相関決定部3は、ゲート内外判定部31と、尤度計算部32とを有している。
この場合、従来装置と比べて、ドップラ速度情報抽出部2が追加されたものと考えることができる。
ドップラ速度情報抽出部2は、センサ1および個別相関決定部3内のゲート内外判定部31と関連している。
ゲート内外判定部31は、尤度計算部32、センサ1、ドップラ速度情報抽出部2、航跡関連データ4および追尾航跡決定部6と関連している。
また、航跡関連データ4は、ゲート内外判定部31および航跡諸元計算部5と関連しており、追尾航跡決定部6は、個別相関決定部3内の尤度計算部32および航跡諸元計算部5と関連している。
尤度計算部32、航跡諸元計算部5および追尾航跡決定部6は、既存航跡および探知データを用いて目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部を構成している。
センサ1は、パルス圧縮レーダ(図示せず)と関連しており、レーダによる観測で得られた探知データを生成する。
センサ1からの探知データは、位置情報、周波数情報および距離観測値を含み、位置情報は、個別相関決定部3内のゲート内外判定部31に入力され、周波数情報および距離観測値は、ドップラ速度情報抽出部2に入力される。
ドップラ速度情報抽出部2は、探知データ(周波数情報および距離観測値)から第1のドップラ速度の候補を絞り込んで出力する。具体的には、ドップラ速度情報抽出部2は、パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、第1および第2のドップラ速度を比較して第1のドップラ速度の候補を絞り込み、ドップラ速度情報からなる探知データとしてゲート内外判定部31に入力する。
ゲート内外判定部31は、探知データ(位置情報)および第1のドップラ速度から、既存航跡に対する探知データの相関を判定する。具体的には、ゲート内外判定部31は、既存航跡の予測速度とドップラ速度情報抽出部2から得られた第1のドップラ速度の複数の候補(ここでは、全ての候補)とを比較して、第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、予測速度と一意に絞り込まれた第1のドップラ速度の候補との速度偏差から、探知データと既存航跡とが相関可能であるか否かを判定するとともに、既存航跡の予測位置から探知データの存在可能領域を算出して、探知データと既存航跡とが相関可能か否かを判定する。
尤度計算部32は、ゲート内外判定部31による相関判定結果に基づいて、既存航跡と探知データとの相関度合いを算出して追尾航跡決定部6に入力する。
航跡関連データ4は、ゲート内外判定部31からの探知データと航跡諸元計算部5からの航跡の平滑値および予測値とを取り込み、予測値をゲート内外判定部31に入力するとともに、探知データを航跡諸元計算部5に入力する。
航跡諸元計算部5は、探知データを用いて既存航跡を更新した場合の運動諸元を算出する。また、航跡諸元計算部5は、位置情報フィルタとしての機能を含む。
追尾航跡決定部6は、既存航跡と探知データとの相関度合いに基づいて目標の追尾航跡を決定する。すなわち、追尾航跡決定部6は、ゲート内外判定部31から得られた相関可能性のある既存航跡と探知データとの組み合わせ情報と、尤度計算部32から得られた相関の度合い情報と、航跡諸元計算部5から得られた航跡諸元とを用いて、目標の追尾航跡を決定する。
図1に示したこの発明の実施の形態1による目標追尾装置は、上記構成により、パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、位置情報の観測値とドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾するようになっている。
図2において、この発明の実施の形態1による追尾処理は、次にサンプリングされる探知データの読込処理(ステップS21)と、ドップラ速度情報の抽出処理(ステップS22)と、既存航跡と探知データの全てとの個別相関の決定処理(ステップS23)と、追尾航跡の決定処理(ステップS24)とにより構成されている。
各ステップS21〜S24は、それぞれ、図1内のセンサ1、ドップラ速度情報抽出部2、個別相関決定部3および追尾航跡決定部6の処理に対応している。
この場合、従来装置による処理手順に、ドップラ速度情報抽出処理(ステップS22)が追加されたものと考えることができる。
まず、ドップラ速度情報抽出処理(ステップS22)の具体的内容について説明する。
ステップS22においては、ドップラ速度の候補を以下の手順で抽出する。なお、ここでは、アップチャープとダウンチャープとの繰り返しによる観測を想定する。
最初に、「ドップラ周波数によるドップラ速度」を算出する。このとき、可能なドップラ速度が、一定の速度間隔で無限の個数だけ得られる。
続いて、「ドップラシフト差によるドップラ速度」を算出し、「ドップラ周波数によるドップラ速度」のうち、「ドップラシフト差によるドップラ速度」に近い値をいくつか選択し、これらの値を「ドップラ周波数の候補」とする。
このときの選択の基準としては、以下の(2−1)、(2−2)のいずれを用いても良い。
(2−1)「ドップラシフト差によるドップラ速度」に近い順に、一定個数だけ選択する。
(2−2)「ドップラシフト差によるドップラ速度」との速度偏差が、ある閾値以下である値を選択する。
なお、図2内のステップS21、S23およびS24は、従来装置においても実行される公知の処理であるが、個別相関の決定処理(ステップS23)の詳細内容は、従来装置の場合とは異なる。ただし、追尾航跡決定処理(ステップS24)の内容は従来装置と同様である。
図3のフローチャートは、既存航跡と探知データの全てとの組み合わせについての個別相関決定処理(ステップS23)の詳細手順を示している。
以下、図3を参照しながら、この発明の実施の形態1による個別相関決定処理について説明する。
図3において、個別相関の決定処理は、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS31)と、距離変化率(ドップラ速度)の一致判定処理(ステップS32)と、ドップラ速度の候補の棄却処理(ステップS33)と、ゲート内外判定処理(ステップS34)と、相関尤度の計算処理(ステップS35)と、ドップラ速度の候補の採択処理(ステップS36)とを備えており、ステップS36からステップS31に復帰して繰り返すループを構成している。
ステップS31〜S34は、図1内のゲート内外判定部31の処理に対応し、ステップS35、S36は、図1内の尤度計算部32の処理に対応している。
まず、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS31)について説明する。
ステップS31においては、ドップラ速度情報抽出処理(ステップS22)で算出されたドップラ速度の候補の絞り込みが行われる。
このときの絞り込み処理は、具体的には、航跡の予測値から距離変化率を算出し、この値に最も近い候補を選択することによって行われる。
距離変化率は、航跡の予測値から、以下の式(13)のように算出される。
Figure 2005083867
ただし、予測値は、以下の式(14)のように表されるものとする。
Figure 2005083867
次に、距離変化率の一致判定処理(ステップS32)において、前の絞り込み処理(ステップS31)で一意に選択されたドップラ速度と、航跡の予測値から求めた距離変化率(ドップラ速度)とが一致するか否かを判定する。
このとき、一意に選択されたドップラ速度と予測値から求めた距離変化率との一致具合は、両者の誤差の共分散を用いて統計的に判定される。
共分散を用いた統計的な計算方法は、具体的には以下の通りである。
まず、探知データより得られるドップラ速度の候補
Figure 2005083867
と、上記式(13)が一致するか否かを判定するため、両者の差による評価関数を、以下の式(15)のように設定する。
Figure 2005083867
この評価関数においては、引数として以下の式(16)のように、7つの変数が設定される。
Figure 2005083867
続いて、評価関数が「0」、すなわち「ドップラ速度の候補と位置情報フィルタの予測値から算出される距離変化率が等しい」という仮説を立てる。この仮説が正しく、引数が真値
Figure 2005083867
に等しいならば、以下の式(17)が成立する。
Figure 2005083867
しかし、真値は分からないので、引数
Figure 2005083867
として、位置情報フィルタの予測値と、ドップラ速度の観測値とを代入する。
この場合、予測値には、フィルタの推定による誤差が含まれているので、評価関数は「0」にはならない。
しかし、上記仮説が正しければ、以下の式(18)が成立する。
Figure 2005083867
したがって、評価関数の計算結果は、各成分の誤差が影響する範囲に収まるはずである。ただし、以下の式(19)が成立するものとする。
Figure 2005083867
ここで、Lは
Figure 2005083867
の関数である。関数Lとしては、真値
Figure 2005083867
における値を設定することが理想的であるが、真値は得られないので、位置情報フィルタの予測値とドップラ速度の観測値とを代入して近似する。
以上より、評価関数の値は、平均「0」、共分散
Figure 2005083867
の正規分布となる。ただし、共分散行列
Figure 2005083867
は、位置情報フィルタの予測誤差共分散行列(上記式(6)参照)と、ドップラ速度の観測誤差
Figure 2005083867
を用いて、以下の式(20)のように算出される。
Figure 2005083867
式(20)から、統計量は、以下の式(21)のように、自由度「1」のカイ平方分布となる。
Figure 2005083867
以上より、評価関数が「0」、すなわち「位置情報フィルタの予測値とドップラ速度の観測値とが一致する」という仮説は、
Figure 2005083867
を満たす場合には棄却される。すなわち、位置情報フィルタの出力とドップラ速度の観測値とは一致しておらず、既存航跡と探知データとの間に相関は存在しないものと見なす。
一方、
Figure 2005083867
を満たす場合には、上記仮説が採択される。すなわち、位置情報フィルタの出力とドップラ速度の観測値とは一致しており、既存航跡と探知データとの間に相関が存在するものと見なす。
ここで、
Figure 2005083867
は、判定のための閾値である。
以上のように、距離変化率の一致判定処理(ステップS32)において、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致しない(すなわち、NO)と判定された場合には、探知データと航跡との間に相関は存在しないものと見なして、棄却処理(ステップS33)に進み、既存航跡と探知データとの組み合わせは棄却される。
また、ステップS32において、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致する(すなわち、YES)と判定された場合には、さらに、位置情報を用いてゲート内外判定処理(ステップS34)を実行する。
ステップS34において、位置情報がゲート内ではない(すなわち、NO)と判定されれば、棄却処理(ステップS33)に進み、位置情報がゲート内である(すなわち、YES)と判定されれば、相関の尤度計算処理(ステップS35)を実行して、採択処理(ステップS36)に進み、図3の処理ルーチンを終了する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出して追尾に利用することができ、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、1つの仮説を立てて追尾航跡を決定したが、複数の仮説を立ててもよい。
以下、複数仮説による追尾航跡決定部を用いたこの発明の実施の形態2について説明する。
図4はこの発明の実施の形態2を示すブロック構成図、図5はこの発明の実施の形態2による追尾処理手順を示すフローチャート、図6はこの発明の実施の形態2による個別相関決定処理を示すフローチャートであり、前述(図1〜図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図4においては、複数仮説による追尾航跡決定部6Aが用いられている点のみが前述(図1)と異なる。
図5においては、ステップS22の後にドップラ速度絞り込み処理(ステップS52)が追加された点のみが前述(図2)と異なる。
図6においては、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS31)が削除された点のみが前述(図3)と異なる。
この場合、追尾航跡決定処理(ステップS24)における全体の相関決定において、前述のMHT(Multiple Hypothesis Tracking)が用いられるものとする。すなわち、目標の仮説を保持しながら、目標の追尾航跡が決定される。
図5において、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS52)の具体的内容は、以下の通りである。
ステップS52においては、ドップラ速度情報抽出処理(ステップS22)で算出されたドップラ速度の候補の絞り込みが、以下のように行われる。
まず、MHT方式により算出され且つ複数の仮説中で参照される全ての既存航跡の予測値から、距離変化率(ドップラ速度)を算出し、探知データからのドップラ速度との比較により、相関可能な既存航跡を絞り込む。
次に、絞り込まれた既存航跡のうち、信頼度が最も高い既存航跡を選択する。
続いて、ドップラ速度の候補のうち、信頼度が最も高い既存航跡の距離変化率に最も近い値の候補を選択することによって、ドップラ速度の候補を一意に絞り込む。
図6のフローチャートは、前述(図3参照)と同様のステップS32〜S36からなる個別相関決定処理を示している。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出することができ、さらに、MHT(目標の仮説を保持しながら前記目標の追尾航跡を決定する)の航跡との比較によってドップラ速度の候補を絞り込んで追尾に利用することにより、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、航跡関連データ4からゲート内外判定部31に予測値を入力し、予測値を用いてゲート内外判定処理を実行したが、平滑値を用いてゲート内外判定処理を実行してもよい。
以下、平滑値を用いてゲート内外判定処理を実行したこの発明の実施の形態3について説明する。
図7はこの発明の実施の形態3を示すブロック構成図、図8はこの発明の実施の形態3による個別相関決定処理を示すフローチャートであり、前述(図1、図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図7においては、平滑値を用いたゲート内外判定部31Bと、ゲート内外判定部31Bに平滑値を入力する航跡関連データ4Bとを備えた点のみが前述(図1)と異なる。
図8においては、ステップS31Bの前に航跡平滑値の計算処理(ステップS81)が追加された点のみが前述(図3)と異なる。
なお、この発明の実施の形態3による追尾処理手順は、図2に示した通りである。
また、この場合も、追尾航跡決定処理における全体の相関決定において、前述のMHTが用いられるものとする。
図8内の航跡平滑値計算処理(ステップS81)においては、既存航跡と探知データの位置情報とに基づいて、既存航跡の平滑計算を行う。
続いて、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS31B)においては、ドップラ速度情報抽出処理(図2内のステップS22)で算出されたドップラ速度の候補の絞り込みが行われる。
このときの絞り込み処理は、具体的には、航跡の平滑値から距離変化率を算出し、この値に最も近い候補を選択することによって行われる。
すなわち、距離変化率は、航跡の平滑値から、以下の式(22)のように算出される。
Figure 2005083867
ただし、以下の式(23)が成立するものとする。
Figure 2005083867
次に、距離変化率の一致判定処理(ステップS32B)においては、前の絞り込み処理(ステップS31B)で一意に選択されたドップラ速度と、航跡の平滑値から求めた距離変化率との一致具合を、両者の誤差の共分散を用いて統計的に算出する。
このときの計算処理は、以下の通りである。
まず、探知データから得られるドップラ速度の候補
Figure 2005083867
と、式(22)から求まる距離変化率とが一致するか否かを判定するために、両者の速度偏差による評価関数を、以下の式(24)のように設定する。
Figure 2005083867
この評価関数においては、引数として、以下の式(25)のように、7つの変数が設定される。
Figure 2005083867
ここで、評価関数が「0」、すなわち「ドップラ速度の候補と位置情報フィルタの平滑値より算出する距離変化率が等しい」という仮説を立てる。この仮説が正しく、引数が真値
Figure 2005083867
に等しいならば、以下の式(26)が成立する。
Figure 2005083867
しかし、真値は分からないので、引数
Figure 2005083867
として、位置情報フィルタの平滑値と、ドップラ速度の観測値とを代入する。
この場合、予測値にはフィルタの推定による誤差が含まれているので、評価関数は「0」にはならない。しかし、仮説が正しければ、以下の式(27)が成立する。
Figure 2005083867
したがって、評価関数の計算結果は、各成分の誤差が影響する範囲に収まるはずである。ただし、以下の式(28)が成立するものとする。
Figure 2005083867
ここで、Lは
Figure 2005083867
の関数である。関数Lとしては、真値
Figure 2005083867
における値を設定することが理想的であるが、真値は得られないので、位置情報フィルタの平滑値とドップラ速度の観測値とを代入して近似する。以上より、評価関数の値は、平均「0」、共分散
Figure 2005083867
の正規分布となる。ただし、共分散行列
Figure 2005083867
は、位置情報フィルタの平滑誤差共分散行列(前述の式(2)参照)と、距離変化率の観測誤差
Figure 2005083867
とを用いて、以下の式(29)のように算出される。
Figure 2005083867
式(29)から、統計量は、以下の式(30)のように、自由度「1」のカイ平方分布となる。
Figure 2005083867
以上より、評価関数が「0」、すなわち「位置情報フィルタの平滑値とドップラ速度の観測値とが一致する」という仮説は、
Figure 2005083867
を満たす場合には棄却される。すなわち、位置情報フィルタの出力とドップラ速度の観測値とは一致しておらず、既存航跡と探知データとの間に相関は存在しないものと見なす。
一方、
Figure 2005083867
を満たす場合には、上記仮説を採択する。すなわち、位置情報フィルタの出力とドップラ速度の観測値とは一致しており、既存航跡と探知データとの間に相関が存在するものと見なす。
ここで、
Figure 2005083867
は、一致判定のための閾値である。
このように、距離変化率の一致判定処理(ステップS32B)において、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致しない(すなわち、NO)と判定された場合には、探知データと航跡との間に相関は存在しないものと見なして、棄却処理(ステップS33)に進み、既存航跡と探知データとの組み合わせは棄却される。
また、ステップS32Bにおいて、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致する(すなわち、YES)と判定された場合には、さらに、前述と同様のステップS34〜S36を実行する。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出して追尾に利用することができ、さらに、既存航跡の平滑値と比較してドップラ速度の候補を絞り込むことにより、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、1つの仮説を立てて追尾航跡を決定したが、前述の実施の形態2のように複数の仮説を立ててもよい。
以下、複数仮説による追尾航跡決定部を用いたこの発明の実施の形態4について説明する。
図9はこの発明の実施の形態4を示すブロック構成図であり、前述(図4、図7参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
また、図10はこの発明の実施の形態4による追尾処理手順を示すフローチャートであり、前述(図2、図5参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図9においては、複数仮説による追尾航跡決定部6Aを用いた点のみが前述(図7)と異なる。
図10においては、ステップS22の後に航跡平滑値の計算処理(ステップS102)が追加された点のみが前述(図5)と異なる。
なお、この発明の実施の形態4による個別相関決定処理は、図6に示した通りである。
また、この場合も、追尾航跡決定処理における全体の相関決定において、前述のMHTが用いられるものとする。
図10において、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS52)は、前処理として、航跡平滑値の計算処理(ステップS102)を含む。
ステップS102においては、MHT方式により算出され且つ複数の仮説中で参照される全ての航跡について、探知データを用いた更新による平滑値を算出する。
続いて、ドップラ速度絞り込み処理(ステップS52)においては、ドップラ速度情報抽出処理(ステップS22)で算出されたドップラ速度の候補の絞り込みが行われる。
ステップS52による絞り込み処理は、以下のように行われる。
まず、前のステップS102で算出された航跡平滑値から距離変化率を算出し、この値とドップラ速度との比較により、相関可能な既存航跡を選択する。
次に、選択された航跡のうち、信頼度が最も高い既存航跡を一意に選択する。
そして、ドップラ速度の候補のうち、信頼度が最も高い航跡の距離変化率に最も近い値の候補を選択することによって、候補を絞り込む。
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出することができ、さらに、MHTの航跡の平滑値との比較によって候補を絞り込んで追尾に利用することにより、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
実施の形態5.
なお、上記実施の形態1〜4では、特に言及しなかったが、航跡関連データに関連したドップラフィルタ計算部を追加してもよい。
以下、ドップラフィルタ計算部を追加したこの発明の実施の形態5について説明する。
図11はこの発明の実施の形態5を示すブロック構成図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
また、図12はこの発明の実施の形態5による追尾処理手順を示すフローチャートであり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図11においては、航跡関連データ4Cに関連してドップラフィルタ計算部7を追加した点のみが前述(図1)と異なる。
図12においては、ステップS24の後にドップラフィルタ計算処理(ステップS125)が追加された点のみが前述(図2)と異なる。
なお、この発明の実施の形態5による個別相関決定処理は、図3に示した通りである。
図11において、ドップラフィルタ計算部7は、位置情報フィルタ計算部(航跡諸元計算部5)とは独立に設けられており、既存航跡と相関した探知データのドップラ速度の時系列に基づいて、ドップラ速度の平滑値および予測値を算出して航跡関連データ4Cに入力している。
この場合、図3内のドップラ速度絞り込み処理(ステップS31)においては、後述するドップラフィルタ計算処理(ステップS125)で算出されたドップラフィルタの予測値を用いて、ドップラ速度の候補のうち、信頼度が最も高い航跡の距離変化率に最も近い候補を選択することによって、絞り込みが行われる。
また、距離変化率の一致判定処理(図3内のステップS32)においては、前の絞り込み処理(ステップS31)で一意に選択されたドップラ速度と、航跡の予測値から求めた距離変化率との一致具合を、両者の誤差の共分散を用いて統計的に算出する。
ステップS32において、探知データのドップラ速度と航跡の距離変化率とが一致しない(すなわち、NO)と判定されれば、探知データと既存航跡との相関は無いものとして両者の組み合わせが棄却され(ステップS33)、一致する(すなわち、YES)と判定されれば、位置情報を用いたゲート内外判定処理(ステップS34)と、相関の尤度計算処理(ステップS35)とが実行され、このときの組み合わせが採択される(ステップS36)。
図12内のドップラフィルタ計算処理(ステップS125)においては、ドップラフィルタの更新計算が、ドップラ速度の観測値
Figure 2005083867
を用いて行われる。
このとき、ドップラフィルタの状態変数は、以下の式(31)のように、ドップラ速度とドップラ速度の変化率とによる2つの変数で構成される。
Figure 2005083867
以下、ドップラフィルタの平滑値および予測値の計算方法について説明する。
まず、ドップラフィルタの平滑値については、
Figure 2005083867
をドップラフィルタの平滑値とし、
Figure 2005083867
を平滑誤差共分散行列、
Figure 2005083867
をカルマンゲイン、
Figure 2005083867
を残差共分散行列とすると、ドップラフィルタの平滑値、平滑誤差共分散行列、カルマンゲインおよび残差共分散行列は、それぞれ、以下の式(32)〜(35)で表される。
Figure 2005083867
ここで、
Figure 2005083867
は観測行列、
Figure 2005083867
は観測誤差共分散行列であり、また、
Figure 2005083867
は予測値、予測誤差共分散行列である。
一方、ドップラフィルタの予測値は、以下の式(36)、(37)で表される。
Figure 2005083867
ここで、
Figure 2005083867
は推移行列、
Figure 2005083867
は駆動雑音共分散行列である。
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出して追尾に利用することができる。
また、ドップラ速度によるフィルタを構成して、ドップラフィルタの予測値と比較して候補の絞り込みを行うことにより、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5(図11参照)では、航跡関連データ4Cからゲート内外判定部31に予測値を入力し、予測値を用いてゲート内外判定処理を実行したが、前述の実施の形態3、4と同様に、平滑値を用いてゲート内外判定処理を実行してもよい。
以下、平滑値を用いてゲート内外判定処理を実行したこの発明の実施の形態6について説明する。
図13はこの発明の実施の形態6を示すブロック構成図、図14はこの発明の実施の形態6による個別相関決定処理を示すフローチャートであり、前述(図11、図8参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図13においては、平滑値を用いたゲート内外判定部31Bと、ゲート内外判定部31Bに平滑値を入力する航跡関連データ4Dとを備えた点のみが前述(図11)と異なる。
図14においては、航跡平滑値計算処理(ステップS81)に代えて、ドップラフィルタの計算処理(ステップS141)が追加された点のみが前述(図8)と異なる。
なお、この発明の実施の形態3による追尾処理手順は、図2に示した通りであり、ドップラ速度情報の抽出処理(ステップS22)も前述と同様である。
図13において、ドップラ速度の時系列を用いたドップラフィルタ計算部7は、前述(素11)と同様に、位置情報フィルタ計算部(航跡諸元計算部5)とは独立に設けられている。
図14は、個別相関決定の詳細処理を示している。
以下、図14内の各ステップの処理内容を説明する。
まず、ドップラフィルタの計算処理(ステップS141)においては、ドップラフィルタの平滑値を、ドップラ速度の候補で更新する。このとき、ドップラ速度の候補は複数存在するので、更新平滑値も複数算出される。
続いて、ドップラ速度の絞り込み処理(ステップS31B)においては、航跡の予測値を用いて算出した距離変化率と、上記ドップラフィルタ計算処理(ステップS141)によって算出されたドップラフィルタの平滑値とを比較する。
このとき、最も近いドップラフィルタの平滑値の計算に用いたドップラ速度の候補を、一意に選択することによって、絞り込みが行われる。
次に、距離変化率一致判定処理(ステップS32B)において、ステップS31Bで一意に選択されたドップラ速度と、航跡の予測値から求めた距離変化率との一致具合を、両者の誤差の共分散を用いて統計的に算出する。
ステップS32Bにおいて、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致する(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、従来装置の場合と同様に、位置情報を用いて、ゲート内外の判定(ステップS34)および相関の尤度計算(ステップS35)を実行する。
一方、ステップS32Bにおいて、探知データのドップラ速度と既存航跡の距離変化率とが一致しない(すなわち、NO)と判定されれば、探知データと既存航跡との相関は無いものと見なして、この組み合わせを棄却する(ステップS33)。
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、「ドップラ周波数によるドップラ速度」と「ドップラシフト差によるドップラ速度」とを比較することにより、良質のドップラ速度を算出して追尾に利用することができる。
また、ドップラ速度によるフィルタを構成して、ドップラフィルタの予測値と比較して候補の絞り込みを行うことにより、探知データと既存航跡との相関判定を正確に行うことができる。
この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態1による追尾処理の概略手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による個別相関決定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態2による追尾処理の概略手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による個別相関決定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3による個別相関決定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態4による追尾処理の概略手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態5による追尾処理の概略手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態6を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態6による追尾処理の概略手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1〜6に関連した具体的な相関処理を示す説明図である。
符号の説明
1 センサ、2 ドップラ速度情報抽出部、3 個別相関決定部、31、31B ゲート内外判定部、32 尤度計算部、4、4B、4C、4D 航跡関連データ、5 航跡諸元計算部、6、6A 追尾航跡決定部、7 ドップラフィルタ計算部。

Claims (6)

  1. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記既存航跡の予測速度と前記ドップラ速度情報抽出部から得られた第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、前記第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、前記予測速度と前記一意に絞り込まれた第1のドップラ速度の候補との速度偏差から、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能であるか否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定することを特徴とする目標追尾装置。
  2. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記探知データと相関可能な既存航跡のうち最も信頼度が高い航跡の予測速度と、前記ドップラ速度情報抽出部から得られた第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、前記第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、前記最も信頼度が高い航跡の予測速度と前記一意に絞り込まれた第1のドップラ速度とを比較することにより、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かをさらに判定し、
    前記追尾航跡演算部は、尤度計算部および追尾航跡決定部を含み、
    前記尤度計算部は、前記最も信頼度が高い航跡の予測速度と前記第1のドップラ速度との一致具合に基づいて、前記既存航跡と前記探知データとの相関度合いを算出し、
    前記追尾航跡決定部は、前記既存航跡に対して可能な相関を組み合わせて前記目標の仮説を構成するとともに、前記既存航跡と前記探知データとの相関度合いに基づいて、前記目標の仮説を保持しながら前記目標の追尾航跡を決定することを特徴とする目標追尾装置。
  3. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記既存航跡を前記探知データで更新することによって算出された平滑値情報に含まれるドップラ速度平滑値と、前記ドップラ速度情報抽出部から得られた第1のドップラ速度の候補とを比較し、前記第1のドップラ速度の候補のうち前記ドップラ速度平滑値に最も値が近いものについて両者の速度偏差を求め、前記速度偏差から前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡が相関可能か否かをさらに判定することを特徴とする目標追尾装置。
  4. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記既存航跡と前記探知データとの組み合わせによって相関の可能性を判定し、相関可能な既存航跡のうち最も信頼度が高い航跡を前記探知データで更新することによって算出された平滑値情報に含まれるドップラ速度平滑値と、前記ドップラ速度情報抽出部から得られた第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、前記第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、前記ドップラ速度平滑値と前記一意に絞り込まれた第1のドップラ速度とを比較することにより、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かをさらに判定し、
    前記追尾航跡演算部は、追尾航跡決定部を含み、
    前記追尾航跡決定部は、前記既存航跡に対して可能な相関を組み合わせて前記目標の複数の仮説を構成するとともに、前記既存航跡と前記探知データとの相関度合いに基づいて、前記複数の仮説を保持しながら前記目標の追尾航跡を決定することを特徴とする目標追尾装置。
  5. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記ドップラ速度の平滑値および予測値を算出するドップラフィルタ計算部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記ドップラフィルタから得られたドップラ速度の予測値と、前記ドップラ速度情報抽出部から得られた前記第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、前記第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かをさらに判定し、
    前記ドップラフィルタ計算部は、前記既存航跡と相関した探知データのドップラ速度の時系列に基づいて、前記ドップラ速度の平滑値および予測値を算出し、
    前記追尾航跡演算部は、追尾航跡決定部を含み、
    前記追尾航跡決定部は、前記既存航跡に対して可能な相関を組み合わせて前記目標の複数の仮説を構成するとともに、前記既存航跡と前記探知データとの相関度合いに基づいて、前記複数の仮説を保持しながら前記目標の追尾航跡を決定することを特徴とする目標追尾装置。
  6. パルス圧縮レーダによる観測で得られた探知データから位置情報およびドップラ速度を求め、前記位置情報の観測値と前記ドップラ速度の観測値とを用いて目標を追尾する目標追尾装置であって、
    前記探知データから第1のドップラ速度の候補を絞り込むドップラ速度情報抽出部と、
    前記探知データおよび前記第1のドップラ速度から、既存航跡に対する前記探知データの相関を判定するゲート内外判定部と、
    前記ドップラ速度の平滑値および予測値を算出するドップラフィルタ計算部と、
    前記既存航跡および前記探知データを用いて前記目標の追尾航跡を決定するための演算を行う追尾航跡演算部とを備え、
    前記ドップラ速度情報抽出部は、前記パルス圧縮レーダの送信周波数と受信周波数との周波数偏差から前記第1のドップラ速度の候補を求めるとともに、アップチャープおよびダウンチャープを交互に実行して得られた距離観測値の距離偏差から第2のドップラ速度を算出し、前記第1および第2のドップラ速度を比較して前記第1のドップラ速度の候補を絞り込み、
    前記ゲート内外判定部は、前記ドップラフィルタから得られたドップラ速度の平滑値と、前記ドップラ速度情報抽出部から得られた前記第1のドップラ速度の複数の候補とを比較して、前記第1のドップラ速度の候補を一意に絞り込み、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かを判定するとともに、前記既存航跡の予測位置から前記探知データの存在可能領域を算出して、前記探知データと前記既存航跡とが相関可能か否かをさらに判定し、
    前記ドップラフィルタ計算部は、前記既存航跡と相関した探知データのドップラ速度の時系列に基づいて、前記ドップラ速度の平滑値および予測値を算出し、
    前記追尾航跡演算部は、追尾航跡決定部を含み、
    前記追尾航跡決定部は、前記既存航跡に対して可能な相関を組み合わせて前記目標の複数の仮説を構成するとともに、前記既存航跡と前記探知データとの相関度合いに基づいて、前記複数の仮説を保持しながら前記目標の追尾航跡を決定することを特徴とする目標追尾装置。
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