JP2005083320A - デュアル燃料エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン始動前に、燃料選択手段1で液体燃料が選択されている場合には、制御手段4が電動アクチュエータ5を作動させることにより、チョーク弁3を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにし、エンジン始動前に、燃料選択手段1でガス燃料が選択されている場合には、制御手段4が電動アクチュエータ5を作動させることにより、チョーク弁3を半開状態とし、この状態でガス燃料始動が行われるようにする。
【選択図】 図1
Description
デュアル燃料エンジンで、オートチョークが用いられていない理由は、次の通りである。
従来のオートチョークは、バイメタル式であるため、このオートチョークをデュアル燃料エンジンに用いると、エンジン温度またはエンジン周辺温度が低い場合には、液体燃料始動の場合のみならず、ガス燃料始動の場合にもチョーク弁が全閉状態になる。ガス燃料始動の場合にチョーク弁が全閉状態になると、ベンチュリに過剰のガス燃料が吸入され、混合気が過濃になって、始動が行えない。
《問題1》 チョーク弁の手動操作を必要とし、始動が煩雑である。
上記従来技術では、手動チョークしか用いられていないため、チョーク弁の手動操作を必要とし、始動が煩雑である。
液体燃料始動時に、チョーク弁の閉弁操作を忘れ、始動に失敗することがある。ガス燃料始動時に、チョーク弁を誤って全閉状態にすると、始動に失敗することがある。
本発明と異なり、チョークレバーからレリーズワイヤを介してチョーク弁を開閉する手動チョークの場合、例えば、人間がワゴンに乗ったまま始動操作を行うマンリフトのようにチョークレバー等の始動操作部とエンジンとが大きく離れる機械の場合、レリーズワイヤの引き回しの制約から、エンジンを搭載することができない。
請求項1に係る発明の発明の内容は、次の通りである。
図1に示すように、液体燃料とガス燃料とを燃料選択手段(1)で選択し、選択した燃料を両燃料共通の燃料ミキサ(2)に供給し、燃料ミキサ(2)で燃料と空気とを混合させる、デュアル燃料エンジンにおいて、
燃料ミキサ(2)のチョーク弁(3)を電動アクチュエータ(5)に連結し、電動アクチュエータ(5)を制御手段(4)を介して燃料選択手段(1)に連携させ、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにし、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)でガス燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を半開状態とし、この状態でガス燃料始動が行われるようにし、
吸気通路(35)内の圧力が所定の設定値を越えている場合には、ガス供給源(31)から燃料ミキサ(2)へのガス燃料の供給を圧力ロック機構(36)で遮断するに当たり、
前記のように、チョーク弁(3)を半開状態としてガス燃料始動を行うことにより、吸気通路(35)内の圧力を低くして、圧力ロック機構(36)による前記遮断を解除した状態でガス燃料始動が行えるようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
請求項2に係る発明の構成は、次の通りである。
図1及び図2に示すように、エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択され、エンジン温度またはエンジン周辺温度が所定温度以下の場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、エンジン始動が開始され、エンジン回転速度が所定の回転速度に到達した場合には、チョーク弁(3)を所定角度だけ開き、その後、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全開に至るまで徐々に開き、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択され、エンジン温度またはエンジン周辺温度が所定温度を越えている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を半開状態とし、エンジン始動が開始され、エンジン回転速度が所定の回転速度に到達した場合には、チョーク弁(3)を全開まで一時に開くようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
請求項3に係る発明の構成は、次の通りである。
図1及び図2に示すように、前記チョーク弁(3)を全開に至るまで徐々に開くに当たり、エンジン温度またはエンジン周辺温度が低い程、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)の作動速度を遅くすることにより、チョーク弁(3)が開く速度を遅くするようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
請求項4に係る発明の構成は、次の通りである。
図3に示すように、電動アクチュエータ(5)として、ステッピングモータ(10)を用いた、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
請求項5に係る発明の構成は、次の通りである。
図1に示すように、燃料ミキサ(2)のスロットル弁(12)をメカニカルガバナ(13)を介して連動するに当たり、
図1に示すように、前記の通り、エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
《効果1》 チョーク弁の手動操作を必要とせず、始動が簡単である。
図1に示すように、燃料選択手段(1)の燃料選択に応じて、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させ、液体燃料で始動する場合には、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、ガス燃料で始動する場合には、チョーク弁(3)を半開状態とする。このため、チョーク弁(3)の手動操作を必要とせず、始動が簡単である。
図1に示すように、燃料選択手段(1)の燃料選択に応じて、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)の制御を行うため、チョーク弁(3)の操作間違いによる始動の失敗がない。
図1に示すように、始動操作部から制御手段(4)を介して電動アクチュエータ(5)を電気的に制御するだけで、チョーク弁(3)の開閉を行うことができ、始動操作部からエンジンへの電気配線の引き回しは、離間による制約を受けないため、始動操作部がエンジンから離れた機械にもエンジンを搭載することができる。
図1に示すように、ガス燃料運転中にエンストを起こした場合等のガス漏れを防止するため、吸気通路(35)内の圧力が所定の設定値を越えている場合には、ガス供給源(31)から燃料ミキサ(2)へのガス供給を圧力ロック機構(36)で遮断する場合、ガス燃料始動時にチョーク弁(3)とスロットル弁(12)のいずれもが全開状態になっていると、スタータによるクランキング中に吸気通路(35)内の圧力が低下せず、圧力ロック機構(36)による前記遮断により、ガス燃料始動が行えない場合がある。
しかし、この発明では、チョーク弁(3)を半開状態としてガス燃料始動を行うことにより、吸気通路(35)内の圧力を低くして、圧力ロック機構(36)による遮断を解除した状態でガス燃料始動が行えるようにしたため、圧力ロック機構(36)による弊害なくガス燃料始動を行うことができる。
《効果5》 液体燃料始動時に、エンジン温度またはエンジン周辺温度に応じたチョーク弁の制御を行うことができる。
図1に示すように、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、液体燃料始動時に、エンジン温度またはエンジン周辺温度に応じたチョーク弁(3)の制御を行うことができる。
《効果6》 液体燃料始動時に、エンジン温度またはエンジン周辺温度に、より適合したチョーク弁の制御を行うことができる。
液体燃料始動時に、エンジン温度またはエンジン周辺温度が低い程、チョーク弁(3)が開く速度を遅くするため、液体燃料始動時に、エンジン温度またはエンジン周辺温度に、より適合したチョーク弁(3)の制御を行うことができる。
《効果7》 チョーク弁の正確な制御を行うことができる。
図3に示すように、電動アクチュエータ(5)として、ステッピングモータ(10)を用いるため、チョーク弁(3)の正確な制御を行うことができる。
《効果8》 液体燃料始動を確実に行うことができる。
図1に示すように、燃料ミキサ(2)のスロットル弁(12)をメカニカルガバナ(13)で連動する場合、ガバナスプリング(19)の付勢力(20)により、エンジン停止時にスロットル弁(12)が全開状態となり、次の始動時にもスロットル弁(12)が全開状態のまま維持されることがある。この場合、液体燃料始動を行うと、スロットル弁(12)が閉弁していないため、スロー系ポートからの液体燃料の吸い出しが行われない。
このため、本発明と異なり、オートチョークのように、エンジン温度またはエンジン周辺温度が高い時にチョーク弁が全開状態となるようにしておくと、チョーク弁の下流の圧力が十分に低下せず、液体燃料の吸い出しが殆ど行われないこととなり、液体燃料始動の失敗が起こりやすい。
これに対し、本発明では、図1に示すように、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにしたため、スロットル弁(12)が全開していても、チョーク弁(3)の下流の圧力が十分に低下し、スロ系ーポートやメインノズルからの液体燃料の吸い出しが行われ、液体燃料始動を確実に行うことができる。
図1〜図3は本発明の実施形態に係るデュアル燃料エンジンを説明する図である。
このエンジンでは、図1に示すように、液体燃料とガス燃料とを燃料選択手段(1)で選択し、選択した燃料を両燃料共通の燃料ミキサ(2)に供給し、燃料ミキサ(2)で燃料と空気とを混合させる。液体燃料にはガソリンを用い、ガス燃料にはLPG(液化石油ガス)を用いている。ガス燃料には、LNG(液化天然ガス)を用いてもよい。
図1に示すように、燃料ミキサ(2)は、ベンチュリ通路(21)を内設したミキシングボティ(22)を備え、図3に示すように、ミキシングボディ(22)の下部にフロート室(23)を備え、ここにガソリンを溜め、ベンチュリ通路(21)を通過する吸気の負圧で、フロート室(23)からベンチュリ通路(21)に液体燃料を吸い出すとともに、ミキシングボディ(22)の上部にガス燃料入口(24)を備え、ベンチュリ通路(21)を通過する吸気の負圧で、ベンチュリ通路(21)にガス燃料を吸い出すようになっている。
図1に示すように、ガス供給源(31)にガス弁(42)とベーパライザ(32)とガス通路(40)とを順に介して燃料ミキサ(22)のガス燃料入口(24)を連通させている。ガス弁(42)は後述する燃料選択手段(1)でガス燃料を選択した場合に開弁する。ベーパライザ(32)は、一次室(33)と二次室(34)とを備え、一次室(33)と二次室(34)との間の弁を圧力ロック機構(36)で閉弁できるようになっている。圧力ロック機構(36)は、スロットル弁(12)の下流側の吸気通路(35)に連通させ、吸気通路(35)内の圧力が所定の設定値を越えている場合には、一次室(33)と二次室(34)との間の弁を閉弁する。この圧力ロック機構(36)は、エンストを生じた場合に、燃料ミキサ(2)にガス燃料が漏れるのを防止する。ベーパライザ(32)の二次室(34)からメインガス通路(40)を導出し、このメインガス通路(40)の導出端を燃料ミキサ(2)のガス燃料入口(24)に連通させている。
図1に示すように、燃料ミキサ(2)に、ガス燃料入口(24)を開閉するLPG燃料電磁弁(25)と、フロート室(23)からベンチュリ通路(21)への通路を遮断するガソリン燃料電磁弁(26)とを設け、燃料選択手段(1)でLPG燃料電磁弁(25)とガソリン燃料電磁弁(26)との開閉を切り換えて、燃料を選択することができるようになっている。燃料選択手段(1)は、燃料切換スイッチである。この燃料切換スイッチのレバー側端子をキースイッチ(7)を介してバッテリ(29)に接続している。キースイッチ(7)には、OFF位置、アクセサリON位置、点火プラグON位置、スタータモータON位置を備えている。ガス燃料側端子をLPG燃料電磁弁(25)に接続し、液体燃料側端子をガソリン燃料電磁弁(26)に接続している。液体燃料側端子には、燃料タンクからフロート室(23)に液体燃料を供給する液体燃料供給ポンプ(27)も接続している。
図1に示すように、チョーク弁(3)は、ベンチュリ通路(21)の上流側に配置し、電動アクチュエータ(5)に連結している。電動アクチュエータ(5)はステッピングモータ(10)である。この電動アクチュエータ(5)を制御手段(4)を介して燃料選択手段(1)とキースイッチ(7)とに連携させている。制御手段(4)は、燃料切換手段(1)のガス燃料側端子と液体燃料側端子とに連結している。
なお、スタータモータ(9)は、スタータ駆動回路(8)とキースイッチ(7)とを介してバッテリ(29)と連結されている。
図2に示すように、ステップ(S1)で、電源がONされ、すなわち、キースイッチ(7)がON(アクセサリON位置、点火プラグON位置のいずれかの位置への投入)され、ステップ(S2)で、燃料選択手段(1)が選択されると、ステップ(S3)で、燃料選択手段(1)の選択が液体燃料側か否かが判断される。判断は、制御手段(4)で行われる。判断が肯定的である場合、すなわち、エンジン始動前に液体燃料が選択されている場合には、ステップ(S4)でガソリン燃料電磁弁(26)をON(開弁)し、LPG燃料電磁弁(25)をOFF(閉弁)し、ステップ(S5)でステッピングモータ(10)のゼロ点検出を行う。ゼロ点検出では、チョーク弁(3)を全開状態とし、その時のステッピングモータ(10)の出力軸の回転位置を開弁角度の基準となるゼロ点として検出する。
図1に示すように、燃料ミキサ(2)のスロットル弁(12)をメカニカルガバナ(13)を介して連動するに当たり、前記の通り、エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにしている。
Claims (5)
- 液体燃料とガス燃料とを燃料選択手段(1)で選択し、選択した燃料を両燃料共通の燃料ミキサ(2)に供給し、燃料ミキサ(2)で燃料と空気とを混合させる、デュアル燃料エンジンにおいて、
燃料ミキサ(2)のチョーク弁(3)を電動アクチュエータ(5)に連結し、電動アクチュエータ(5)を制御手段(4)を介して燃料選択手段(1)に連携させ、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにし、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)でガス燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を半開状態とし、この状態でガス燃料始動が行われるようにし、
吸気通路(35)内の圧力が所定の設定値を越えている場合には、ガス供給源(31)から燃料ミキサ(2)へのガス燃料の供給を圧力ロック機構(36)で遮断するに当たり、
前記のように、チョーク弁(3)を半開状態としてガス燃料始動を行うことにより、吸気通路(35)内の圧力を低くして、圧力ロック機構(36)による前記遮断を解除した状態でガス燃料始動が行えるようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。 - 請求項1に記載したデュアル燃料エンジンにおいて、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択され、エンジン温度またはエンジン周辺温度が所定温度以下の場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、エンジン始動が開始され、エンジン回転速度が所定の回転速度に到達した場合には、チョーク弁(3)を所定角度だけ開き、その後、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全開に至るまで徐々に開き、
エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択され、エンジン温度またはエンジン周辺温度が所定温度を越えている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を半開状態とし、エンジン始動が開始され、エンジン回転速度が所定の回転速度に到達した場合には、チョーク弁(3)を全開まで一時に開くようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。 - 請求項2に記載したデュアル燃料エンジンにおいて、
前記チョーク弁(3)を全開に至るまで徐々に開くに当たり、エンジン温度またはエンジン周辺温度が低い程、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)の作動速度を遅くすることにより、チョーク弁(3)が開く速度を遅くするようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載したデュアル燃料エンジンにおいて、
電動アクチュエータ(5)として、ステッピングモータ(10)を用いた、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載したデュアル燃料エンジンにおいて、
燃料ミキサ(2)のスロットル弁(12)をメカニカルガバナ(13)を介して連動するに当たり、
前記の通り、エンジン始動前に、燃料選択手段(1)で液体燃料が選択されている場合には、制御手段(4)が電動アクチュエータ(5)を作動させることにより、チョーク弁(3)を全閉状態とし、または半開状態とし、この状態で液体燃料始動が行われるようにした、ことを特徴とするデュアル燃料エンジン。
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