JP2005083244A - 遠心式送風機およびこれを用いた車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遠心式送風機に接続される通風系の圧力損失の大小によらず、高い送風効率を確保しながら、設置スペースの大型化を抑制する。
【解決手段】 フェイスモード時等の空調ケーシングで発生する圧力損失が小さいときには、空気吹出口側における通路断面積が大きくなるように遠心式多翼ファン71およびファンモータ72をスクロールケーシング73に対して変位させ、フットモードやデフモード時等の空調ケーシング2で発する圧力損失が大きいときには、空気吹出口における通路断面積が小さくなるように遠心式多翼ファン71およびファンモータ72をスクロールケーシング73に対して変位させる。これにより、遠心式送風機に接続される通風系の圧力損失の大小によらず、高い送風効率を確保しながら、設置スペースの大型化を抑制する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遠心式送風機およびこれを用いた車両用空調装置に関するものである。
遠心式送風装置のスクロールケーシングは、周知のごとく、遠心式多翼ファンの外径側に渦巻き状の空気流路を構成するとともに、スクロールケーシングの巻き始め部、つまりノーズ部から巻き終わり部にかけて流路断面積を徐々に増大させて遠心式多翼ファンから吹き出す空気を効率よく集合させながら下流側に流すものである。
このため、スクロールケーシングの形状寸法、つまり拡がり角等の断面積の増加率および流路断面積は、周知のごとく、送風量や送風機に接続される通風系の圧力損失に応じて最適な形状寸法は変化する。
そこで、従来の遠心式送風装置では、スクロールケーシングの吹出口近傍に拡がり角等の通路断面積を変化させる拡がり角調整プレートを設け、吹出モードに対して機械的に連動させて拡がり角調整プレートを稼動させていた(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来型遠心式送風装置では、スクロールケーシングにより形成される渦巻き状の空気流路可変翼を設けるとともに、送風量に応じて可変翼を遠心式多翼ファンの回転軸と平行な方向に揺動させて流路断面積を変化させている(例えば、特許文献2参照)。
特公平7−92079号公報 特開2002−161896号公報
しかし、いずれの文献に記載の発明においてもスクロールケーシングの流路断面積を増減させているので、スクロールケーシングの大きさは、当然ながら、流路断面積を最も増大させたときの大きさとなる。
したがって、特許文献1に記載の発明では、スクロールケーシングの径方向寸法が大きくなり、特許文献2に記載の発明では、スクロールケーシングの軸方向寸法が大きくなってしまうので、いずれの遠心式送風機においても、設置スペースの大型化を招いてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な遠心式送風機を提供し、第2には、遠心式送風機に接続される通風系の圧力損失の大小によらず、高い送風効率を確保しながら、設置スペースの大型化を抑制することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心式多翼ファン(71)と、遠心式多翼ファン(71)を回転駆動させる駆動手段(72)と、遠心式多翼ファン(71)を収納するとともに、遠心式多翼ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(73a)を構成するスクロールケーシング(73)と、遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させる変位機構(73d、74、74b)とを備え、変位機構(73d、74、74b)は、スクロールケーシング(73)の空気吹出口(73g)に接続される通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときには、通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときに比べて、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が小さくなるように遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させ、かつ、通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときには、通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときに比べて、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が大きくなるように遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とする。
ところで、遠心式送風装置では、後述する図8に示すように、遠心式多翼ファン(71)の外周のうち、空気流路(73a)の巻き終わり側に対応する部位から最も多くの空気が吹き出される。したがって、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が小さいと、空気の流速が過度に大きくなるので、騒音が発生して送風効率が低下し易い。
これに対して、本発明では、スクロールケーシング(73)の空気吹出口(73g)に接続される通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときには、通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときに比べて、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が小さくなるように遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させ、かつ、通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときには、通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときに比べて、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が大きくなるように遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させるので、圧力損失の状態によらず、遠心式送風装置で発生する騒音を低減して、高い送風効率を維持することができる。
また、スクロールケーシング(73)の最大外形寸法を変化させることなく、空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積を変化させるので、遠心式送風装置の設置スペースが拡大することはない。
したがって、本発明に係る遠心式送風装置は、通風系の圧力損失の大小によらず、高い送風効率を確保しながら、設置スペースの大型化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、変位機構(73d、74、74b)は、固定されたスクロールケーシング(73)に対して遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)を変位させることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明では、回転軸の軸方向端部側には、遠心式多翼ファン(71)の内径側に空気を導くリングのベルマウス(73e)が設けられており、変位機構(73d、74、74b)は、遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)の相対変位に連動してベルマウス(73e)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とする。
これにより、圧力損失の状態によらず、効率よく空気を遠心式多翼ファン(71)に吸引させることができるので、高い送風効率を維持することができる。
請求項4に記載の発明では、変位機構(73d、74、74b)は、ベルマウス(73e)の中心と遠心式多翼ファン(71)の回転中心とが略一致するように、遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)の相対変位に連動してベルマウス(73e)をスクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明では、変位機構(73d、74、74b)は、少なくとも遠心式多翼ファン(71)および駆動手段(72)を支持するファン支持部材(73d)、並びにファン支持部材(73d)を変位させるアクチュエータ(74)を有して構成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明では、ファン支持部材(73d)は、スクロールケーシング(73)の中心からずれた位置を回転中心として回転することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明では、遠心式多翼ファン(71)の回転中心は、ファン支持部材(73d)の回転中心からずれていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の遠心式送風装置(7)、および室内に吹き出する空気の吹出モードを切り替える吹出モード切換装置(18、19、20)を有する車両用空調装置であって、吹出モード切換装置(18、19、20)の作動状態に基づいて通風経路(2)で発生する圧力損失を判定する圧力損失判定手段を備えることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の遠心式送風装置(7)を有し、室内に吹き出する空気の吹出モードをおよび遠心式送風装置(7)の送風量のうち少なくとも一方を室内に吹き出す空気の目標温度(TAO)に基づいて制御する自動制御方式の車両用空調装置であって目標温度(TAO)に基づいて通風経路(2)で発生する圧力損失を判定する圧力損失判定手段を備えることを特徴とするものである。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る遠心式送風装置を車両用空調装置に適用したものであって、図1は、本実施形態に係る車両用空調装置1の模式図であり、図2は制御系のブロック図である。
通風系路をなす空調ケーシング2の空気上流側部位には、図1に示すように、車室内気を吸入するための内気吸入口3と外気を吸入するための外気吸入口4とが形成されているとともに、これらの吸入口3、4を選択的に開閉する吸入口切換ドア5が設けられている。なお、吸入口切換ドア5は、サーボモータ等の駆動手段又は手動操作によって開閉される。
そして、吸入口切換ドア5の空気流れ下流側には、空気中の塵埃を取り除くフィルタ(図示せず)および本実施形態に係る送風装置7が配設されており、この送風装置7により両吸入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口14、15、17に向けて送風される。
また、送風装置7の空気流れ下流側には、室内に吹き出す空気を冷却する冷却器をなす蒸発器9が配設されており、送風装置7により送風された空気は全てこの蒸発器9を通過する。因みに、蒸発器9は、冷媒を蒸発させることにより冷凍能力を発生させる蒸気圧縮式冷凍機の低圧側熱交換器である。
なお、図1に示された送風機装置7は模式図であり、詳細は後述する。
そして、蒸発器9の空気下流側には、室内に吹き出す空気を加熱するヒータコア10が配設されており、本実施形態に係るヒータコア10は、エンジン11の冷却水を熱源として空気を加熱している。
また、空調ケーシング2には、ヒータコア10を迂回するバイパス通路12が形成されており、ヒータコア10の空気流れ上流側には、ヒータコア10を通る風量とバイパス通路12を通る風量との風量割合を調節することにより、車室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックスドア13が配設されている。
そして、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口14と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口15と、フロントガラス16の内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口17とが形成されている。
そして、上記各吹出口14、15、17の空気流れ上流側は、吹出モードを切換制御する吹出モード切換ドア18、19、20が配設されている。因みに、これらの吹出モード切換ドア18、19、20は、サーボモータ等の駆動手段又は手動操作によって開閉される。
なお、吹出モードとしては、主にフェイス吹出口14から空気を吹き出すフェイスモード、主にフット吹出口15から空気を吹き出すフットモード、フェイス吹出口14およびフット吹出口15から空気を吹き出すバイレベルモード、および主にデフロスタ吹出口17から空気を吹き出すデフロスタモード等がある。
因みに、一般的に、車両空調装置では、フェイス吹出口14から空気を吹き出すフェイスモード時において大きな風量を必要とするので、フェイスモード時の通風抵抗(圧力損失)が、他の吹出モード(フットモードおよびデフモード)に比べて小さくなっている。
また、電子制御装置(ECU)21は、図2に示すように、室内空気の温度を検出する内気センサ、室外空気の温度を検出する外気センサ、蒸発器9を通過した直後の空気温度を検出するエバ後センサおよび室内に注がれる日射量を検出する日射センサ等の空調センサ22の検出信号、並びに乗員が設定入力した希望室内温度、つまり操作パネル23の出力等が入力されている。
そして、電子制御装置21は、電子制御装置21に入力された信号に基づいて、予め記憶されたプログラムに従って室内に吹き出す空気の目標温度、すなわち目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOを基準に吸入口切換ドア5、エアミックスドア13、吹出モード切換ドア18、19、20および送風装置7の送風量、つまり遠心式多翼ファン71を回転させる電動モータへの印加電圧を制御する。
なお、本実施形態では、以下の数式に基づいて目標吹出温度TAOを決定している。
TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
ここで、Tsetは操作パネル23にて設定した設定温度、TRは内気温センサにて検出した内気温度、TAMは外気温センサにて検出した外気温度、TSは日射センサにて検出した日射量である。また、Kset、KR、KAM及びKSはゲインで、Cは補正用の定数である。
また、本実施形態では、目標吹出温度TAOに基づいて吹出モードを自動制御しており、目標吹出温度TAOの上昇に応じて吹出モードが、フェイスモード、バイレベルモード、フットモードの順に変化し、目標吹出温度TAOの低下に応じて吹出モードが、フットモード、バイレベルモード、フェイスモードの順に変化する。なお、デフモードは、乗員の手動操作にて選択される。
因みに、本実施形態では、フェイスモードからバイレベルモードに変化する目標吹出温度TAOとバイレベルモードからフェイスモードに変化する目標吹出温度TAOとを相違させ、かつ、バイレベルモードからフットモードに変化する目標吹出温度TAOとフットモードからバイレベルモードに変化する目標吹出温度TAOとを相違させて、吹出モード制御に一定のヒステリシスを設けている。
次に、送風装置7について説明する。
図3は、本実施形態に係る送風装置7の分解斜視図であり、図4〜図7は本実施形態に係る送風装置7の作動を示す説明図である。
送風装置7は、図3に示すように、回転軸周りに多数枚の翼71aを有して回転軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心式多翼ファン71、回転軸方向一端側に配置され遠心式多翼ファン71を回転させる駆動手段をなす電動式のファンモータ72、遠心式多翼ファン71を収納して遠心式多翼ファン71から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路73a(図4参照)を構成するスクロールケーシング73等から構成されている。
そして、スクロールケーシング73の空気流路73aは、遠心式多翼ファン71から吹き出す空気を効率よく集合させながら下流側に流すべく、スクロールケーシング73の巻き始め部、つまりノーズ部から巻き終わり部にかけて流路断面積が徐々に拡大している。
なお、本実施形態では、空気流路73aの断面積をノーズ部から計った巻き角に対して対数螺旋関数的に徐々に拡大しているとともに、その拡がり角を巻き始めから巻き終わりの領域において略一定としている。
因みに、対数螺旋関数とは、r1=ro・e(n・θ)で定義され、θは、ノーズ部の曲率半径の中心と遠心式多翼ファン71の回転中心とを結ぶ基準線から遠心式多翼ファン71の回転の向きに図った角度(単位:ラジアン)であり、roは基準線(θ=0)におけるスクロールケーシング73の外周側内半径であり、e=2.71828……である。
また、ノーズ部とは、周知のごとく、スクロールケーシング73の巻き始め側と巻き終わり側との重なる部分を言い、このノーズ部では、空気上流側と空気下流とが、僅かな隙間を介して連通している。
また、スクロールケーシング73は、ファンモータ72側に位置する第1スクロールケーシング73b、ファンモータ72と反対側に位置する第2スクロールケーシング73c、第1スクロールケーシング73bに対して摺動変位可能に組み付けられたリング状のファン支持部材73d、および第2スクロールケーシング73cに対して摺動変位可能に組み付けられたリング状のベルマウスリング73e等から構成されている。
なお、ベルマウスリング73eは、遠心式多翼ファン71の回転軸端部側に位置して、吸入口73fを構成するとともに、その内径側の縁部には、遠心式多翼ファン71の内径側に空気を導くベルマウス部73gが一体形成されている。
また、ファンモータ72は、その回転中心がファン支持部材73dの中心位置に対してずれた状態でファン支持部材73dに固定され、ファン支持部材73dは、その回転中心がスクロールケーシング73の中心に対してずれた状態でスクロールケーシング73に摺動回転可能に組み付けられている。
また、ベルマウスリング73eは、その中心がファンモータ72の回転中心、つまり遠心式多翼ファン71の回転中心と一致した状態でスクロールケーシング73に対して摺動回転することができるようにスクロールケーシング73に組み付けられている。
なお、ファン支持部材73dおよびベルマウスリング73eとスクロールケーシング73との隙間は、メカニカルシールやパッキン等のシール手段により閉塞されて、スクロールケーシング73外に空気が漏れ出ることが防止されている。
そして、ファン支持部材73dおよびベルマウスリング73eの外周側には、歯車の歯部を構成する凹凸部が設けられており、この凹凸部(歯部)は、モータ74のシャフト74aに固定された平歯車74bに噛み合っている。
なお、モータ74は、ファン支持部材73dおよびベルマウスリング73eを回転変位させるアクチュエータをなすもので、本実施形態では、ステッピングモータを採用している。
次に、本実施形態に係る送風装置7の特徴的作動を述べる。
ファンモータ72の中心がファン支持部材73dの中心に対してずれて偏心しているので、モータ74が回転してファン支持部材73dが回転すると、ファンモータ72の中心、つまり遠心式多翼ファン71の回転中心位置およびベルマウスリング73eの中心位置がモータ74の回転角に応じてスクロールケーシング73の中心に対して変位する。
すなわち、図4に示す状態では、遠心式多翼ファン71の回転中心がスクロールケーシング73の中心に近づいて、スクロールケーシング73の空気吹出口73gにおける通路断面積が小さくなり、この状態からファン支持部材73dを回転させると、図6に示すように、遠心式多翼ファン71の回転中心がスクロールケーシング73の中心から離れ行き、スクロールケーシング73の空気吹出口73gにおける通路断面積が大きくなる。
なお、ベルマウスリング73eは、図5および図7に示すように、ファン支持部材73dと連動して回転し、その中心は、遠心式多翼ファン71の回転中心と一致している。
因みに、図5は図4に示す状態におけるスクロールケーシング73に対するベルマウスリング73eの位置を示すもので、図7は図6に示す状態におけるスクロールケーシング73に対するベルマウスリング73eの位置を示すものである。
そして、本実施形態では、スクロールケーシング73の空気吹出口73gに接続される通風経路、つまり空調ケーシング2で発生する圧力損失が大きいときには、空調ケーシング2で発生する圧力損失が小さいときに比べて、空気流路73a側の巻き終わり側、つまり空気吹出口73gにおける通路断面積が小さくなるように遠心式多翼ファン71およびファンモータ72をスクロールケーシング73に対して変位させる。以下、この状態を高圧力損失モードと呼ぶ。
逆に、空調ケーシング2で発生する圧力損失が小さいときには、空調ケーシング2で発生する圧力損失が大きいときに比べて、空気吹出口73g側における通路断面積が大きくなるように遠心式多翼ファン71およびファンモータ72をスクロールケーシング73に対して変位させる。以下、この状態を低圧力損失モードと呼ぶ。
そして、空調ケーシング2で発生する圧力損失は、前述のごとく、吹出モードによって変化することから、本実施形態では、吹出モードに応じてスクロールケーシング73に対する遠心式多翼ファン71等の位置を変化させている。
具体的には、フットモードおよびデフモード時には、空調ケーシング2で発生する圧力損失が大きくなることとから高圧力損失モードとし、フェイスモード時には、空調ケーシング2で発生する圧力損失が小さくなることから低圧力損失モードとし、バイレベルモード時には、スクロールケーシング73に対する遠心式多翼ファン71等の位置を高圧力損失モードと低圧力損失モードとの中間位置としている。
なお、本実施形態では、電子制御装置21が吹出モード切換ドア18、19、20に対して発する指令信号、または吹出モードを決定するための目標吹出温度TAOに基づいて吹出モードを判定して遠心式多翼ファン71等をスクロールケーシング73に対して変位させている。
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
遠心式送風装置では、図8に示すように、遠心式多翼ファン71の外周のうち空気吹出口73g側、つまりスクロールケーシング73の巻き終わり側に対応する部位から最も多くの空気が吹き出される。
したがって、空気流路73aの巻き終わり側、つまり空気吹出口73g側における通路断面積が小さいと、空気吹出口73g側における空気の流速が過度に大きくなるので、騒音が発生して送風効率が低下し易い。
一方、遠心式多翼ファン71から吹き出せれる風量は、空調ケーシング2で発生する圧力損失の低下に応じて大きくなるので、空調ケーシング2で発生する圧力損失が小さくなるフェイスモード時には、空調ケーシング2で発生する圧力損失が大きくなるフットモードおよびデフモード時に比べて風量が大きくなる。
このとき、本実施形態では、風量が大きくなるフェイスモード時、つまり空調ケーシング2で発生する圧力損失が小さいときには、遠心式多翼ファン71等の位置を低圧力損失モードとし、風量が小さくなるフットモードおよびデフモード時、つまり空調ケーシング2で発生する圧力損失が大きいときには、遠心式多翼ファン71等の位置を高圧力損失モードとしているので、吹出モード、つまり空調ケーシング2で発生する圧力損失の状態によらず、送風装置7で発生する騒音を低減して、高い送風効率を維持することができる。
また、低圧力損失モードおよび高圧力損失モードのいずれの場合においても、スクロールケーシング73の最大外形寸法は変化していないので、送風装置7の設置スペースが拡大することはない。
したがって、本実施形態に係る送風装置7は、通風系の圧力損失の大小によらず、高い送風効率を確保しながら、設置スペースの大型化を抑制することができる。
また、遠心式多翼ファン71およびファンモータ72等の相対変位に連動してベルマウスリング73eをスクロールケーシング73に対して変位させるので、圧力損失の状態によらず、効率よく空気を遠心式多翼ファン71に吸引させることができ、高い送風効率を維持することができる。
また、ベルマウスリング73eの中心を遠心式多翼ファン71の中心とを一致させた状態でベルマウスリング73eを遠心式多翼ファン71と連動させて変位させるの、吹出モード、つまり通風系の圧力損失の状態によらず、効率よく空気を遠心式多翼ファン71に吸入させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、遠心式多翼ファン71およびファンモータ72の変位に連動してベルマウスリング73e、つまり吸入口73fを変位させたが、本実施形態は、図9に示すように、ベルマウスリング73eを廃止してスクロールケーシング73(第2スクロールケーシング73c)に吸入口73fおよびベルマウス部73gを設けて、吸入口73fおよびベルマウス部73gをスクロールケーシング73に対して固定したものである。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、スクロールケーシング73に対する遠心式多翼ファン71等の位置を吹出モードに基づいて変位させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば目標吹出温度TAOに基づいて連続的または段階的に遠心式多翼ファン71等の位置を変位させてもよい。
また、スクロールケーシング73内または空調ケーシング2内のの空気圧を圧力センサにて検出し、この圧力センサの検出圧力から空気吹出口73gに接続される通風経路で発生する圧力損失を推定して遠心式多翼ファン71等を変位さてもよい。
また、遠心式多翼ファン71の回転数、つまり送風量が増大すると、吹出モードに変化が無くても通風系で発生する圧力損失が変化するので、遠心式多翼ファン71の回転数に応じて遠心式多翼ファン71等を変位させてもよい。
また、特許請求の範囲に記載された駆動手段は、上述の実施形態に示されたファンモータ72に限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、遠心式多翼ファン71およびファンモータ72等の変位させて遠心式多翼ファン71等をスクロールケーシング73に対して相対変位させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクロールケーシング73を変位させて遠心式多翼ファン71等をスクロールケーシング73に対して相対変位させてもよい。
また、上述の実施形態では、遠心式多翼ファン71およびファンモータ72を支持するファン支持部材73d、並びにファン支持部材73dを変位させるモータ74等から変位機構を構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、スクロールケーシング73の中心とファン支持部材73dの中心とがずれていたが、ファン支持部材73dの中心と遠心式多翼ファン71の中心とがずれているので、スクロールケーシング73の中心とファン支持部材73dの中心とを一致させてもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る空調装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る空調装置の制御系を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る送風装置の分解図である。 本発明の第1実施形態に係る送風装置の作動説明図である。 本発明の第1実施形態に係る送風装置の作動説明図である。 本発明の第1実施形態に係る送風装置の作動説明図である。 本発明の第1実施形態に係る送風装置の作動説明図である。 遠心式送風装置の風速分布を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る送風装置の分解図である。
符号の説明
71…遠心式多翼ファン、72…ファンモータ、73…スクロールケーシング、
73d…ファン支持部材、73e…ベルマウスリング、74…モータ。

Claims (9)

  1. 回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、前記回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心式多翼ファン(71)と、
    前記遠心式多翼ファン(71)を回転駆動させる駆動手段(72)と、
    前記遠心式多翼ファン(71)を収納するとともに、前記遠心式多翼ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(73a)を構成するスクロールケーシング(73)と、
    前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)を前記スクロールケーシング(73)に対して相対変位させる変位機構(73d、74、74b)とを備え、
    前記変位機構(73d、74、74b)は、
    前記スクロールケーシング(73)の空気吹出口(73g)に接続される通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときには、前記通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときに比べて、前記空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が小さくなるように前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)を前記スクロールケーシング(73)に対して相対変位させ、かつ、
    前記通風経路(2)で発生する圧力損失が小さいときには、前記通風経路(2)で発生する圧力損失が大きいときに比べて、前記空気流路(73a)の巻き終わり側における通路断面積が大きくなるように前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)を前記スクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とする遠心式送風装置。
  2. 前記変位機構(73d、74、74b)は、固定された前記スクロールケーシング(73)に対して前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)を変位させることを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風装置。
  3. 前記回転軸の軸方向端部側には、前記遠心式多翼ファン(71)の内径側に空気を導くリングのベルマウス(73e)が設けられており、
    前記変位機構(73d、74、74b)は、前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)の相対変位に連動して前記ベルマウス(73e)を前記スクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心式送風装置。
  4. 前記変位機構(73d、74、74b)は、前記ベルマウス(73e)の中心と前記遠心式多翼ファン(71)の回転中心とが略一致するように、前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)の相対変位に連動して前記ベルマウス(73e)を前記スクロールケーシング(73)に対して相対変位させることを特徴とする請求項3に記載の遠心式送風装置。
  5. 前記変位機構(73d、74、74b)は、少なくとも前記遠心式多翼ファン(71)および前記駆動手段(72)を支持するファン支持部材(73d)、並びに前記ファン支持部材(73d)を変位させるアクチュエータ(74)を有して構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の遠心式送風機。
  6. 前記ファン支持部材(73d)は、前記スクロールケーシング(73)の中心からずれた位置を回転中心として回転することを特徴とする請求項5に記載の遠心式送風機。
  7. 前記遠心式多翼ファン(71)の回転中心は、前記ファン支持部材(73d)の回転中心からずれていることを特徴とする請求項6に記載の遠心式送風機。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の遠心式送風装置(7)、および室内に吹き出する空気の吹出モードを切り替える吹出モード切換装置(18、19、20)を有する車両用空調装置であって、
    前記吹出モード切換装置(18、19、20)の作動状態に基づいて前記通風経路(2)で発生する圧力損失を判定する圧力損失判定手段を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の遠心式送風装置(7)を有し、室内に吹き出する空気の吹出モードをおよび前記遠心式送風装置(7)の送風量のうち少なくとも一方を室内に吹き出す空気の目標温度(TAO)に基づいて制御する自動制御方式の車両用空調装置であって、
    前記目標温度(TAO)に基づいて前記通風経路(2)で発生する圧力損失を判定する圧力損失判定手段を備えることを特徴とする車両用空調装置。
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