JP2005083027A - 開閉体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間の使用によっても経年変化による劣化の影響を少なくし、振動や衝撃などによる騒音の発生を抑制する。
【解決手段】 開口部側端部にダンパー手段を設け、このダンパー手段の減衰力によってシャッターカーテンの動きに制動を掛けるようにした。ダンパー手段の可動部が開放動作時にシャッターカーテンの閉鎖側先端部である水切り部に接触することによってシャッターカーテンの動きに制動を掛ける。従って、開動作時にシャッターカーテンなどの開閉手段が巻取りドラムによって急激に巻き取られまぐさなどの戸当たり部に衝突する際の衝撃がダンパー手段によって減衰され、それによって発生する騒音などが抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構築・構造物の開口部に設置されるシャッターカーテンなどの開閉手段を移動することによってその開口部を閉鎖する開閉体装置に関する。
従来、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構築・構造物の開口部に設置されるシャッターカーテンなどの開閉体は、閉鎖方向へ移動することによってその開口部を閉鎖するものである。このような開閉体は、その開閉動作を手動で行なうものもあれば、電動で行なうものもある。開閉動作を電動で行うものは、開閉体の移動時の速度や全閉時及び全開時の直前の速度などを適宜制御することによって、全閉時や全開時に発生する衝撃音や振動音などの発生を抑制することができる。ところが、開閉動作を手動で行うものは、開閉体などを手動で勢い良く上げ開放させることによって、その上限で水切りが戸当たりやまぐさなどに衝突し、その衝撃と振動で比較的大きな衝撃音や振動音などの騒音を発生してしまう場合がある。そこで、従来は、特許文献1に記載されているように、巻取ドラム内にシャッターカーテンの上昇速度に応じて緩衝弾機の蓄勢力を利用して衝撃や振動を吸収するようにした衝撃吸収装置を設けたものが提案されている。
実開平5−3595号公報
従来のものは、一端が巻取りドラム内の支持軸に取り付けられた巻取ホイールに固定され、他端が慣性ウエイトに固定されたコイルバネからなる第1緩衝弾機と、一端が支持軸に固定され、他端が慣性ウエイトに固定されたコイルバネからなる第2緩衝弾機との付勢力を用いているので、長期間の使用による経年変化によって第1及び第2緩衝弾機の付勢力が劣化し、慣性ウエイトによる蓄勢力が弱まり、衝撃や振動を吸収する効果が薄れ、その結果として衝撃音や振動音を抑制することができなくなるおそれがある。
この発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、長期間の使用によっても経年変化による劣化の影響を少なくし、振動や衝撃などによる騒音の発生を抑制することのできる開閉体装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載された本発明の開閉体装置は、開口部を開閉するように動作する開閉手段と、前記開閉手段の動作に連動する第1の部材と、前記第1の部材に対して相対的な位置関係が変化する第2の部材と、前記第1の部材及び前記第2の部材のいずれか一方又は両方にダンパー手段を設け、前記ダンパー手段が前記第1の部材及び前記第2の部材の他方の部材に接触することによって、前記開閉手段の動作時に制動をかけるように構成された制動手段とを備えたものである。
開閉手段は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構築・構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを開閉移動するシャッターカーテンや自動ドアなどの開閉部材で構成される。開閉手段がシャッターカーテンの場合には、例えば、建物などの開口部の上部に巻取りドラムなどを介して収納されているので、このシャッターカーテンをまぐさなどを介して手動で下降させることによって開口部を閉鎖することができる。逆に、閉鎖しているシャッターカーテンを手動で上昇させることによって、開口部を開放することができる。これ以外にも開閉手段が開口部の側部に収納され横引き方式で開閉移動したり、開口部の下部に収納され上昇方式で開閉移動したりするものもある。
このような開閉体装置において、開閉手段が開閉動作することによって連動して動く第1の部材としては、例えば、シャッターカーテンや巻取りドラムなどがある。この第1の部材に対して相対的な位置関係が変化する第2の部材としては、例えば、シャッターカーテンの出入口となるまぐさや巻取りドラムを支持する支持軸などがある。そこで、これらの第1及び第2の部材のいずれか一方、例えば開口部側端部にダンパー手段を設け、このダンパー手段の減衰力によってシャッターカーテンの動きに制動を掛けるようにした。ダンパー手段の可動部が開放動作時にシャッターカーテンの閉鎖側先端部である水切り部に接触することによってシャッターカーテンの動きに制動を掛けるように構成した。従って、開動作時にシャッターカーテンなどの開閉手段が巻取りドラムによって急激に巻き取られまぐさなどの戸当たり部に衝突する際の衝撃がダンパー手段によって減衰され、それによって発生する騒音などが抑制される。なお、ダンパー手段は、第1及び第2の部材のどちらに設けてもよいし、両方に設けてもよい。
請求項2に記載された本発明の開閉体装置は、請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられたストロークダンパーであって、そのストローク方向が前記開閉手段の移動方向に一致し、前記ストロークダンパーの先端部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけるものである。これは、開閉体装置がシャッターカーテンなどの開閉手段を用いたものであり、第1の部材がシャッターカーテンなどの開閉手段の閉鎖側先端部であり、第2の部材が開口部側端部であり、この開口部側端部に設けられたストロークダンパーの先端部が全開時に閉鎖側先端部に接触してその減衰力に応じた制動を掛けるようにしたものである。なお、通常はシャッターカーテンはガイドレールに沿って上下移動するので、ストロークダンパーをガイドレール内に設けることによって外観からの見栄えをよくする等も可能である。
請求項3に記載された本発明の開閉体装置は、請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられた一対のストロークダンパーであって、そのストローク方向が前記開閉手段の移動方向に交差するように設けられ、そのストローク先端に回転自在部を有し、前記回転自在部のそれぞれに連結バーが接続され、前記連結バー同士の先端部が回転自在接続部を頂点とするように接続され、前記回転自在接続部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけるものである。これは、2個のストロークダンパーを用いたものであり、両方のストローク先端部が向かい合うように開口部側端部のまぐさなどに収納し、両方のストローク先端部を、例えば、リンク機構で接続し、三角形状の頂点となるリンク機構の中央の回転自在接続部をシャッターカーテンなどの閉鎖側先端部である水切り部などと接触させるようにしたものである。
請求項4に記載された本発明の開閉体装置は、請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられたロータリーダンパー手段であって、その回転軸に固定的に設けられた連結バーの先端部の回転方向が前記開閉手段の移動方向に一致し、前記連結バーの先端部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけるものである。これは、ダンパー手段として回転軸の所定の回転方向に減衰力を示すロータリーダンパ手段を用い、この回転軸を中心に回転するような連結バーを設け、連結バーの先端部をシャッターカーテンなどの閉鎖側先端部である水切り部などと接触させるようにしたものである。
請求項5に記載された本発明の開閉体装置は、請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部にスライド移動可能に設けられた一対のロータリーダンパーであって、その回転軸に固定的に設けられた連結バーの先端部が回転自在接続部を頂点とするように接続され、前記回転自在接続部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけるものである。これは、ダンパー手段として回転軸の所定の回転方向に減衰力を示すロータリーダンパ手段を2個用い、それぞれの回転軸を中心に回転するような連結バーを設け、連結バーの先端部が三角形状の頂点となるように回転自在に接続し、その接続部をシャッターカーテンなどの閉鎖側先端部である水切り部などに接触させ、接触部の移動に応じてロータリーダンパー手段を開口部側端部に沿ってスライド移動させるようにしたものである。
請求項6に記載された本発明の開閉体装置は、請求項5において、連結バーはロータリーダンパーの回転軸に連動して回転するピニオン手段を備え、前記ピニオン手段に噛み合うようにラック手段を備えることによってラックアンドピニオン機構を形成し、前記ラックアンドピニオン機構によって前記ロータリーダンパーを左右均等にスライド移動させるようにしたものである。これは、請求項5に記載されたロータリーダンパーを左右均等にスライド移動させるために、連結バーの回転中心付近にピニオン手段を構成し、このピニオン手段に噛み合うようにラック手段を設け、ラックアンドピニオン機構を用いたものである。
請求項7に記載された本発明の開閉体装置は、請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の巻取りドラム手段であり、前記第2の部材は前記巻取りドラム手段の支持軸手段であり、前記ダンパー手段は、前記支持軸手段に固定的に設けられたロータリーダンパー手段であり、前記ロータリーダンパー手段の回転軸に設けられた第1の歯車手段と前記巻取りドラム手段の回転に連動して回転する第2の歯車手段とをそれぞれ噛み合うように設けることによって、前記開閉手段の動作時に前記巻取りドラム手段に制動をかけるように構成されたものである。これは、開閉体装置が巻取りドラム手段にシャッターカーテンなどの開閉手段を巻き取るものであり、第1の部材が巻取りドラム手段であり、第2の部材が巻取りドラム手段の支持軸手段であり、支持軸手段にロータリーダンパーを設け、第1及び第2の歯車手段を介して巻取りドラムの回転力をロータリーダンパーに伝達し、シャッターカーテンの開閉動作時の動きに制動を掛けるようにしたものである。
以上のように本発明によれば、長期間の使用によっても経年変化による劣化の影響を少なくし、振動や衝撃などによる騒音の発生を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明に係る開閉体装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、開閉体装置としてシャッター装置を例に説明する。シャッター装置は、短冊板状のスラットを多数連結してなるシャッターカーテンを、開口部左右に設けられたガイドレールに案内されて上下昇降動するものであり、建物開口部の上方に設けられた巻取ドラムに巻回状態で収容され、巻き戻されることで建物開口部を閉鎖するものである。図1は、ストロークダンパー手段を利用したシャッター装置の一実施例を示す図である。
このシャッター装置は、構築・構造物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、巻取りドラム5から構成される。ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。巻取りドラム5は、シャッターケース1の両端ブラケット(図示せず)に固着された支持軸51に自由回動自在に軸支されるものであり、巻取りドラム5を構成する巻取りホイール52と、この巻取りホイール52と両端ブラケットとの間の支持軸51には、シャッターカーテン2を巻取るために巻取りホイール52に付勢力を与える巻取り弾機53,54とがそれぞれの支持軸51に外嵌する状態で介装されており、従来のものと同様の構成になっている。
この実施の形態に係るシャッター装置が従来のものと異なる点は、内まぐさと外まぐさの戸当たり部61,62のそれぞれ4箇所(左右2箇所)にストロークダンパー21〜24を設け、シャッカーカーテン2の全開時に水切り部25がストロークダンパー21〜24によって制動を受け、シャッターカーテン2の水切り部25が急激に戸当たり部61,62に接触しないように抑制するようにした点である。図2は、戸当たり部に取り付けられたストロークダンパーと水切り部との関係の一例を示す図である。図2(A)は、水切り部25がストロークダンパー21,22に接触する前の状態を示す図であり、図2(B)は、水切り部25がストロークダンパー21,22に接触して、制動を受けながらシャッターカーテン2が全開した状態を示す図である。図から明かなように、図2(A)の状態では、ストロークダンパー21,22の接触部21a,22aは内蔵バネの付勢力によって下端部まで伸長している。この状態でシャッターカーテン2が上昇すると、水切り部25がストロークダンパー21,22の接触部21a,22aに接触し、ストロークダンパー21,22の接触部21a,22aを押し上げ、ストロークダンパー21,22のストローク部が内部に押し込まれ、図2(B)及び図3のような状態になる。図3は、図2(B)の状態のストロークダンパー21,22とシャッター装置との関係を示す全体図である。図から明かなように、シャッターカーテン2は、戸当たり部に設けられた4個のストロークダンパー21〜24によってゆっくりと制動を掛けられながら巻取りドラム5に巻き取られ、全開となる。この状態からシャッターカーテン2が下降すると、内部に押し込まれていたストロークダンパー21,22のストローク部は内蔵バネの付勢力によって、図2(A)のように復帰する。なお、図では、ストロークダンパー21,22を内まぐさと外まぐさの戸当たり部61,62に設ける場合について説明したが、ガイドレール3,4内に設けるようにしてもよいし、シャッターカーテン2の水切り部25にストロークダンパーを設けるようにする等としても良い。ストロークダンパーをガイドレール3,4内に設ける場合には、ストローク部のみをガイドレール内に設け、その他の部材はシャッターケース1の両端ブラケット内に収納するようにすればよい。上述の実施の形態では、外まぐさと内まぐさの両方にストロークダンバーを設けているが、シャッターカーテンの巻取りの関係から外まぐさにだけストロークダンパーを設けるようにしてもよい。
図4は、ストロークダンパー手段を利用したシャッター装置の別の実施例を示す図である。図5は、図4のストロークダンパー手段の詳細を示す図であり、図5(A)はシャッターカーテンの水切り部がストロークダンパー手段に接触していない状態を示し、図5(B)はシャッターカーテンの水切り部がストロークダンパー手段を押し上げた状態を示し、図5(C)はシャッターカーテンが全開し、その水切り部がストロークダンパー手段を完全に押し上げた状態を示す。
この実施例では、ストロークダンパー41,42を開口部のほぼ中央付近の内まぐさの戸当たり部の左右2箇所に、それぞれストローク部41a,42aが対向するように配置し、それぞれのストローク部41a,42aの先端の回転自在部41b,42bを連結バー41c,42c(リンク機構)で接続し、中央の回転自在接続部43を頂点とし、連結バー41c,42cを等辺とする下向きの三角形を構成している。この回転自在接続部43が開放動作時のシャッターカーテン2の水切り部25に接触して、上方向に付勢されると、その付勢力が連結バー41c,42c、回転自在部41b,42bを介してストローク部41a,42aに伝達され、ストローク部41a,42aは図5(B)に示すようにストロークダンパー41,42の内部に押し込まれる。図5(B)の状態からさらにシャッターカーテン2が上昇すると、水切り部25が回転自在接続部43を押し上げ、ストロークダンパー41,42のストローク部41a,42aは内部に押し込まれ、図5(C)及び図6のような状態になる。図6は、図5(C)の状態のストロークダンパー41,42とシャッター装置との関係を示す全体図である。図から明かなように、シャッターカーテン2は、戸当たり部に設けられた2個のストロークダンパー41,42と三角形状の連結バー41c,42cによってゆっくりと制動を掛けられながら巻取りドラム5に巻き取られ、全開となる。この状態からシャッターカーテン2が下降すると、内部に押し込まれていたストロークダンパー41,42のストローク部41a,42aが内蔵バネの付勢力によって、水平方向に押し戻され、連結バー41c,42cが元の三角形状を形成して図4及び図5(A)のように復帰する。なお、ストロークダンパー41,42は内まぐさに配置しているが、外まぐさに配置してもよいし、内外の両方に配置してもよい。
図7は、ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置の実施例を示す図である。図8は、図7のロータリーダンパー手段の詳細を示す図であり、図8(A)はシャッターカーテンの水切り部がロータリーダンパー手段に接触していない状態を示し、図8(B)はシャッターカーテンの水切り部がロータリーダンパー手段を押し上げた状態を示し、図8(C)はシャッターカーテンが全開し、その水切り部がロータリーダンパー手段を完全に押し上げた状態を示す。
この実施例では、ロータリーダンパー71の回転軸に連結バー71aを固定的に取り付けたものを開口部のほぼ中央付近の内まぐさの戸当たり部に配置し、連結バー71aの先端が開放動作時のシャッターカーテン2の水切り部25に接触するように構成してある。シャッターカーテン2が上昇して、その水切り部25と連結バー71aが接触することによって連結バー71aの先端は上方向に付勢され、その付勢力によって連結バー71aは、図8(B)のようにロータリーダンパー71の回転軸を時計方向に回転駆動する。図8(B)の状態からさらにシャッターカーテン2が上昇すると、水切り部25が連結バー71aを押し上げるので、ロータリーダンパー71の回転軸はさらに時計方向に回転駆動され、図8(C)及び図9のような状態になる。図9は、図8(C)の状態のロータリーダンパー71とシャッター装置との関係を示す全体図である。図から明かなように、シャッターカーテン2は、戸当たり部に設けられたロータリーダンパー71の連結バー71aに接触することによってゆっくりと制動を掛けられながら巻取りドラム5に巻き取られ、全開となる。この状態からシャッターカーテン2が下降すると、ロータリーダンパー71の回転軸が内蔵バネの付勢力によって、反時計周り押し戻され、連結バー71aは図7及び図8(A)のように元の状態に復帰する。なお、ロータリーダンパー手段は内まぐさに配置しているが、外まぐさに配置してもよいし、内外の両方に配置してもよい。また、ロータリーダンパー手段は、一つに限らず、複数設けてもよい。
図10は、ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置の別の実施例を示す図である。図11は、図10のロータリーダンパー手段の詳細を示す図であり、図11(A)はシャッターカーテンの水切り部がロータリーダンパー手段に接触していない状態を示し、図11(B)はシャッターカーテンの水切り部がロータリーダンパー手段を押し上げた状態を示す。
この実施例では、図7と同じ構成のロータリーダンパー101,102を用いて、その回転軸に歯車付き連結バー101a,102aを固定的に取り付けたものを開口部のほぼ中央付近の内まぐさの戸当たり部の左右2箇所に、それぞれ歯車付き連結バー101a,102aの先端部が対向するように配置し、それぞれの歯車付き連結バー101a,102aの先端を回転自在接続部103で接続し、歯車付き連結バー101a,102aの直線部を等辺とする下向きの2等辺三角形を構成している。そして、歯車付き連結バー101b,102bの下側は固定された固定ラック101c,102cに噛み合い、歯車付き連結バー101b,102bの回転に応じて図面上の左右方向にスライド移動するスライドラック101c,102cに噛み合うようになっている。
この回転自在接続部103が開放動作時のシャッターカーテン2の水切り部25に接触して、上方向に付勢されると、その付勢力が歯車付き連結バー101a,102aを介して、図11(B)のようにロータリーダンパー101,102の回転軸をそれぞれ回転駆動する。すなわち、回転自在接続部103が上昇することによって、ロータリーダンパー101の回転軸及び歯車付き連結バー101aは反時計回りに回転する。歯車付き連結バー101aが反時計回りに回転すると、これに噛み合う固定ラック101bとの噛み合わせに応じてロータリーダンパー101及び歯車付き連結バー101aは左方向に移動することになる。一方、スライドラック101cは歯車付き連結バー101aの回転と左方向への移動に伴って左方向にスライド移動することになる。これと同様の原理によってロータリーダンパー102、歯車付き連結バー102a及びスライドラック102cも左方向にスライド移動する。その移動量は、歯車付き連結バー101b,102bの歯車をピニオンとし、固定ラック101b,102bをラックとするラックアンドピニオンの原理によって、ロータリーダンパー101,102及び歯車付き連結バー101b,102bの移動量は左右均等なものとなり、回転自在接続部103はロータリーダンパー101,102のほぼ中央付近を上下移動することになる。なお、このような固定ラックやスライドラックを省略し、図12に示すように、連結バーを備えたロータリーダンパー121,122を開口部のほぼ中央付近の内まぐさの戸当たり部の左右2箇所に、左右に自在にスライド移動可能なように設け、それぞれの連結バーの先端部を回転自在接続部で接続したものを使用してもよい。
図11(B)の状態からさらにシャッターカーテン2が上昇すると、水切り部25が回転自在接続部103を押し上げるので、戸当たり部に設けられた2個のロータリーダンパー101,102と三角形状の歯車付き連結バー101b,102bによってゆっくりと制動を掛けられながら巻取りドラム5に巻き取られ、全開となる。この状態からシャッターカーテン2が下降すると、ロータリーダンパー101,102の回転軸が内蔵バネの付勢力によって、元の位置に押し戻され、図11(A)のように復帰する。なお、ロータリーダンパー101,102は内まぐさに配置しているが、外まぐさに配置してもよいし、内外の両方に配置してもよい。
図13は、ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置のさらに別の実施例を示す図である。図14は、図13の一部を拡大して示した詳細図であり、図14(A)は図13のロータリーダンパー手段の拡大図であり、図14(B)は図14(A)を右側から見た側面図である。
上述の実施の形態では、シャッターカーテン2の水切り部25がまぐさの戸当たり部に接触する際にダンパー手段に接触させて制動を掛け、シャッターカーテン2の急激な移動などを抑制する場合について説明したが、この実施例では、巻取りドラム5内にロータリーダンパー手段を設け、巻取りホイール52の回転スピードを抑制することによってシャッターカーテン2の急激な移動などを抑制するようにした。ホイール側歯車521は、図14に示すように、両端ブラケット(図示せず)の間の支持軸51に設けられた巻取りホイール52に対して固定的に取り付けられ、巻取りホイール52の回転に応じて同じように回転する。ダンパー側歯車142は、ロータリーダンパー141の回転軸に固定的に取り付けられ、ホイール側歯車521の外周側で噛み合うように設けられている。従って、ホイール側歯車521の回転に応じてダンパー側歯車142も同時回転する。ダンパー側歯車142はロータリーダンパ141の回転軸に取り付けられている。ロータリーダンパー141は、取り付けステー143を介して支持軸51に固定的に取り付けられている。従って、ロータリーダンパー141は、ゆっくりとシャッターカーテン2が上昇するような減衰力を、ダンパー側歯車142及びホイール側歯車521を介して巻取りホイール52に与えている。なお、ロータリーダンパー141は、シャッターカーテン2の上昇方向にのみ減衰力を与え、下降方向には減衰力を与えないワンウェイ方式のダンパーで構成されている。また、ホイール側歯車521は外歯車であるが、内歯車で構成してもよい。さらに、図では、巻取りホイール52の片側にロータリーダンパー141を設ける場合について説明したが、両側に設けてもよいし、巻取りホイール52を複数設け、その片側又は両側にロータリーダンーパーを設けるようにしてもよい。
図15は、このジェル緩衝材を利用したシャッター装置の実施例を示す図である。図16は、図14のシャッターカーテン2及びその戸当たり部を拡大して示した詳細図であり、図16(A)は、水切り部25が戸当たり部61,62に設けられたジェル緩衝材151,152に接触する前の状態を示す図であり、図16(B)は、水切り部25がジェル緩衝材151,152に接触して、そこで衝撃を吸収され、戸当たり部61,62への衝突を和らげる状態を示す図である。図では、シャッターカーテン2の水切り部25に対向するように、ジェル緩衝材が天井の戸当たり部61,62の下端部に設けられている。
図16(A)では、ジェル緩衝材151,152とシャッターカーテン2の水切り部25とが十分に離れている場合を示しているが、シャッターカーテン2が徐々に上昇し、図16(B)のように水切り部25がジェル緩衝材151,152に接触することによって、シャッターカーテン2の上昇時に水切り部25と戸当たり部61,62との衝撃を吸収緩和し、衝突のショックを和らげるという降下がある。上述の実施例では、戸当たり部にジェル緩衝材を設ける場合について説明したが、図17のように水切り部25の上端部であって、戸当たり部61,62と接触する箇所にジェル緩衝材171,172を設けるようにしても良い。
上述の実施の形態では、ダンパーを開口部側端部に設ける場合について説明したが、シャッターカーテン側に設けてもよいし、開口部側端部とシャッターカーテンの両方に設けるようにしてもよい。また、上述の実施例における各ダンパー手段は、適宜組み合わせ併用するようにしてもよい。ダンパー手段は、固定的に取り付けるのではなく、その取り付け位置を適宜移動可能に設けてもよく、更に、その取り付け位置を微調整可能な構成にすることが好ましい。上述の実施の形態では、ダンパー手段として、例えば、オイルやエア等の流体を利用したもの、バネなどの弾性体を利用したもの、さらにはこれらを組み合わせたものなど、衝撃や振動などによる騒音の発生を抑制するものであれば任意のものでよい。また、ダンパー手段は、外まぐさと内まぐさのいずれか一方、又は両方に設けてもよく、シャッターカーテンの巻取りの関係から外まぐさの近傍だけに設けるのが好ましい場合がある。さらに、上述の実施の形態では、シャッターカーテンが上方から下降方式で繰り出される場合について説明したが、逆に上昇方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。さらに、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。開閉装置としては、例えば、シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置、門扉装置などがある。
ストロークダンパー手段を利用したシャッター装置の一実施例を示す図である。 戸当たり部に取り付けられたストロークダンパーと水切り部との関係の一例を示す図である。 図2(B)の状態のストロークダンパーとシャッター装置との関係を示す全体図である。 ストロークダンパー手段を利用したシャッター装置の別の実施例を示す図である。 図4のストロークダンパー手段の詳細を示す図である。 図5(C)の状態のストロークダンパーとシャッター装置との関係を示す全体図である。 ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置の実施例を示す図である。 図7のロータリーダンパー手段の詳細を示す図である。 図8(C)の状態のロータリーダンパーとシャッター装置との関係を示す全体図である。 ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置の別の実施例を示す図である。 図10のロータリーダンパー手段の詳細を示す図である。 図10のロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置の変形例を示す図である。 ロータリーダンパー手段を利用したシャッター装置のさらに別の実施例を示す図である。 図13の一部を拡大して示した詳細図である。 このジェル緩衝材を利用したシャッター装置の実施例を示す図である。 図14のシャッターカーテン及びその戸当たり部を拡大して示した詳細図である。 図16の変形例を示す図である。
符号の説明
1…シャッターケース
2…シャッターカーテン
21〜24…ストロークダンパー
21a,22a…接触部
25…水切り部
3,4…ガイドレール
41〜42…ストロークダンパー
41a,42a…ストローク部
41b,42b…回転自在部
41c,42c…連結バー
43…回転自在血族部
5…巻取ドラム
51…支持軸
52…巻取りホイール
53,54…巻取り弾機
61,62…戸当たり
71…ロータリーダンパー
71a…連結バー
101,102…ロータリーダンパー
101a,102a…歯車付き連結バー
101b,102b…固定ラック
101c,102c…スライドラック
121,122…ロータリーダンパー
141…ロータリーダンパー
142…ダンパー側歯車
143…取り付けステー
521…ホイール側歯車

Claims (7)

  1. 開口部を開閉するように動作する開閉手段と、
    前記開閉手段の動作に連動する第1の部材と、
    前記第1の部材に対して相対的な位置関係が変化する第2の部材と、
    前記第1の部材及び前記第2の部材のいずれか一方又は両方にダンパー手段を設け、前記ダンパー手段が前記第1の部材及び前記第2の部材の他方の部材に接触することによって、前記開閉手段の動作時に制動をかけるように構成された制動手段と
    を備えたことを特徴とする開閉体装置。
  2. 請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられたストロークダンパーであって、そのストローク方向が前記開閉手段の移動方向に一致し、前記ストロークダンパーの先端部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけることを特徴とする開閉体装置。
  3. 請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられた一対のストロークダンパーであって、そのストローク方向が前記開閉手段の移動方向に交差するように設けられ、そのストローク先端に回転自在部を有し、前記回転自在部のそれぞれに連結バーが接続され、前記連結バー同士の先端部が回転自在接続部を頂点とするように接続され、前記回転自在接続部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけることを特徴とする開閉体装置。
  4. 請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部に設けられたロータリーダンパー手段であって、その回転軸に固定的に設けられた連結バーの先端部の回転方向が前記開閉手段の移動方向に一致し、前記連結バーの先端部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけることを特徴とする開閉体装置。
  5. 請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の閉鎖側先端部であり、前記第2の部材は前記開閉手段の全開時に前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触する開口部側端部であり、前記ダンパー手段は、前記開口部側端部にスライド移動可能に設けられた一対のロータリーダンパーであって、その回転軸に固定的に設けられた連結バーの先端部が回転自在接続部を頂点とするように接続され、前記回転自在接続部が前記開閉手段の閉鎖側先端部と接触することによって前記開閉手段の動作時に制動をかけることを特徴とする開閉体装置。
  6. 請求項5において、連結バーはロータリーダンパーの回転軸に連動して回転するピニオン手段を備え、前記ピニオン手段に噛み合うようにラック手段を備えることによってラックアンドピニオン機構を形成し、前記ラックアンドピニオン機構によって前記ロータリーダンパーを左右均等にスライド移動させるようにしたことを特徴とする開閉体装置。
  7. 請求項1において、前記第1の部材は前記開閉手段の巻取りドラム手段であり、前記第2の部材は前記巻取りドラム手段の支持軸手段であり、前記ダンパー手段は、前記支持軸手段に固定的に設けられたロータリーダンパー手段であり、前記ロータリーダンパー手段の回転軸に設けられた第1の歯車手段と前記巻取りドラム手段の回転に連動して回転する第2の歯車手段とをそれぞれ噛み合うように設けることによって、前記開閉手段の動作時に前記巻取りドラム手段に制動をかけるように構成されたことを特徴とする開閉体装置。
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