JP2005082605A - 粘着性樹脂組成物及び該組成物からなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ペレット同士がブロッキングすることなく、押出成形や射出成形による成形が可能で、かつ難接着性であるポリオレフィンに対して、良好な粘着性及び剥離性を有する粘着性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 水素添加した共役ジエン重合体100質量部及び粘着性付与樹脂100〜600質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(A)と、スチレン系エラストマー100質量部及び粘着性付与樹脂1〜30質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(B)とを、前記ペレット(A)と前記ペレット(B)との質量比が、(A):(B)=90:10〜10:90となる範囲で含有する粘着性樹脂組成物。
【選択図】 なし




Description

本発明は、ペレット同士がブロッキングすることなく、押出成形や射出成形による成形が可能で、かつ難接着性であるポリオレフィンに対して、良好な粘着性を有する粘着性樹脂組成物に関する。
従来より、粘着性樹脂組成物には粘着特性が良好なスチレン系エラストマーが、主に用いられてきた。その中でも、スチレン系ブロック共重合体は、タック性及び凝集力、接着力のバランスが比較的良好であることから、好まれて使用されている。しかしながら、このようなエラストマーをベースポリマーとした粘着性樹脂組成物は、通常、必須成分として粘着付与性樹脂及び可塑剤を含有するが、スチレン系ブロック共重合体、粘着付与性樹脂及び可塑剤を混練して得られる粘着性樹脂組成物は、非常に柔らかく粘着性が強いため、ペレット状態にして取り出すことは困難であった。また、この粘着性樹脂組成物をペレット化しても、ペレット表面の粘着性が強すぎるため、ペレット同士がブロッキングを起こし、押出成形機や射出成形機に安定的に樹脂を供給することができない問題があった。
上記の問題を解決する方法として、粘着性樹脂組成物を2種類の配合に分離し、スチレン系ブロック共重合体と粘着性付与樹脂を含有するペレット(1)とスチレン系ブロック共重合体と軟化剤を含有するペレット(2)の2種類のペレットを別々に作製し、使用時に混合する方法が提案されている。しかし、このペレット(1)は、高い比率で粘着性付与樹脂を含有するため、ペレットのタック感は低いものの、それらの自己粘着力により、経時的にブロッキングが起こりやすい問題があった。一方、ペレット(2)は、液状の軟化剤を含有するため、ペレット表面に軟化剤がブリードアウトしやすく、加工性が低下し、荷重によるブロッキングが起こりやすい問題があった。また、軟化剤を含有しないペレット(2)を用いた場合では、ペレット(1)との溶融粘度の差が大きくなり、混合して使用する際に、均一に溶融混合できないため、成形性が低下する問題があった。さらに、この粘着性樹脂組成物は、ポリオレフィンに対する接着力は、十分ではなかった(例えば、特許文献1参照。)。
また、難接着物であるポリオレフィン用の粘着性樹脂組成物としては、プロセスオイルなど極性の低い軟化剤を多量に加えたり、ポリオレフィンと構造や性質が良く似たアタクチックポリプロピレン樹脂や非晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体を含有するものが用いられている。例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はスチレン−イソプレンブロック共重合体、粘着性付与樹脂及びエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する粘着性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、この粘着性樹脂組成物のペレットは耐ブロッキング性が不十分で、取り扱いが困難であり、更にポリオレフィンへの粘着性が十分なものではなかった(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−11219号公報 特開平5−98223号公報
本発明が解決しようとする課題は、ペレット同士がブロッキングすることなく、押出成形や射出成形による成形が可能で、かつ難接着性であるポリオレフィンに対して、良好な粘着性及び剥離性を有する粘着性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、水素添加した共役ジエン重合体100質量部及び粘着性付与樹脂100〜600質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(A)と、スチレン系エラストマー100質量部及び粘着性付与樹脂1〜30質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(B)とを、前記ペレット(A)と前記ペレット(B)との質量比が、(A):(B)=90:10〜10:90となる範囲で含有することを特徴とする粘着性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の粘着性組成物は、ペレット化してもブロッキングすることがないため、扱いが容易なペレット形状で供給できる。また、押出成形や射出成形による成形も容易である。さらに、難接着性であるポリオレフィンに対して、優れた粘着性を有している。このような特徴を有していることから、本発明の粘着性樹脂組成物は、各種成形機を用いた粘着素材の加工を可能にし、特にポリオレフィン素材を使った容器の蓋材や袋のシール等に利用可能である。
本発明を以下に詳しく説明する。本発明で用いられる水素添加した共役ジエン重合体の共役ジエン成分としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、前記水素添加した共役ジエン重合体は、結晶性が低く、水素添加率が80%以上のものが好ましく、密度が0.85〜0.95g/cmであるものがより好ましい。
前記の水素添加した共役ジエン重合体は、例えば、市販されている「L700シリーズ」(旭化成株式会社製)や「ダイナロン6200」(JSR株式会社製)等を使用することができる。
本発明で用いられるスチレン系エラストマーには、ブロック共重合体やランダム共重合体からなるものなど、様々な構造を持つものを用いることができる。その中でも、ビニル基を有する芳香族化合物からなるブロック重合体(X)と共役ジエン化合物からなるブロック重合体(Y)で構成されるブロック共重合体が好ましい。また、前記ブロック重合体(X)とブロック重合体(Y)で構成されるブロック共重合体中の不飽和二重結合部分が水素添加されている水添ブロック共重合体からなり、X−Y−X型の配置であるものがより好ましい。このようなスチレン系エラストマーとしては、例えば、市販されている「タフテック」(旭化成株式会社製)や「セプトン」(株式会社クラレ製)、「ダイナロン1320シリーズ」(JSR株式会社製)等を使用することができる。
本発明で用いられる粘着性付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を適宜選択して使用しても良い。これらの中でも、合成石油樹脂、水素添加テルペン系樹脂は、耐熱性や耐候性に優れ、低臭気であるので好ましい。
また、前記粘着性付与樹脂の軟化点は、80〜150℃の範囲にあるものが好ましく、さらに、90〜130℃の範囲にあるものは、粘着特性に優れるため、より好ましい。
本発明の粘着性樹脂組成物においては、本発明の趣旨を損なわない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、着色剤、分散剤等の添加剤類、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム等の充填剤類を適宜配合することができる。
本発明のペレット(A)で用いられる粘着性付与樹脂の配合量は、水素添加した共役ジエン重合体100質量部に対して、100〜600質量部が好ましく、より好ましくは200〜500質量部であり、さらに好ましくは300〜400質量部である。粘着性付与樹脂の配合量が100質量部未満では、粘着性が強いためペレット同士のブロッキングを生じやすくなり好ましくない。また、600質量部を超えると、ストランドをカットしてペレット化する際に、切り子が大量に発生するため好ましくない。
本発明のペレット(B)で用いられる粘着性付与樹脂の配合量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。粘着性付与樹脂の配合量が1質量部未満では、ペレット(A)と溶融混合させたときに粘度差が大きく、均一に混合できないため好ましくない。また、30質量部を超えると、粘着性が強くなりすぎて、ペレット化が困難となり好ましくない。
本発明のペレット(A)とペレット(B)との配合比率は、(a):(b)=90:10〜10:90の範囲が好ましい。また、ペレット(A)とペレット(B)とを混合した粘着性樹脂組成物中の粘着性付与樹脂の配合比率が、25〜60質量%の範囲にあれば、粘着特性が向上するため好ましく、30〜50質量%の範囲にあるとより好ましい。
本発明の粘着性樹脂組成物は、加熱溶融して、押出成形や射出成形によって粘着層を形成することができるほか、通常用いられるホットメルトコーター等も使用することができる。
本発明の粘着性樹脂組成物のペレット(A)とペレット(B)は、別々に保存して使用する直前に混合しても、混合して保存しても良く、別々に保存しても、混合して保存しても、ペレット同士のブロッキングは生じない。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は、特に断りがない限り、すべて「質量部」を表すものとする。
本発明の粘着性樹脂組成物に用いられるペレット(A)を、以下の実施例1〜4の通り作製した。また、比較用として、比較例1〜3のペレットも作製した。
(実施例1)
水素添加ブタジエン重合体(旭化成株式会社製の製品名「L701」)100部及び水素添加石油樹脂(トーネックス株式会社製の製品名「エスコレッツ5320」)150部を混合した後、2軸押出機にて150℃で溶融混練を行い、ストランド状で取り出したものを水槽で冷却し、ストランドカッターを用いてペレット化し、ペレット(A−1)を得た。
(実施例2)
実施例1の水素添加石油樹脂の配合量150部を500部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−2)を得た。
(実施例3)
実施例1の水素添加石油樹脂の配合量150部を300部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−3)を得た。
(実施例4)
実施例1の水素添加石油樹脂150部に代えて、水素添加テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「クリアロンP−125」)300部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−4)を得た。
(比較例1)
実施例1の水素添加石油樹脂の配合量150部を80部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−C1)を得た。
(比較例2)
実施例1の水素添加石油樹脂の配合量150部を1000部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−C2)を得た。
(比較例3)
実施例1の水素添加ブタジエン重合体に代えて、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)を使用し、水素添加石油樹脂の配合量150部を300部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ペレット(A−C3)を得た。
本発明の粘着性樹脂組成物に用いられるペレット(B)を、以下の実施例5〜8の通り作製した。また、比較用として、比較例4、5のペレットも作製した。
(実施例5)
水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)100部及び水素添加石油樹脂(トーネックス株式会社製の製品名「エスコレッツ5320」)10部を混合した後、2軸押出機にて150℃で溶融混練を行い、ストランド状で取り出したものを水槽で冷却し、ストランドカッターを用いてペレット化し、ペレット(B−1)を得た。
(実施例6)
実施例5の水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体に代えて、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(株式会社クラレ製の製品名「セプトン2004」)を使用した以外は、実施例5と同様にして、ペレット(B−2)を得た。
(実施例7)
実施例5の水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体に代えて、水素添加スチレン−ブタジエンランダム共重合体(JSR株式会社製の製品名「ダイナロン1320」)を使用した以外は、実施例5と同様にして、ペレット(B−3)を得た。
(実施例8)
実施例5の水素添加石油樹脂に代えて、水素添加テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「クリアロンP−125」)を使用した以外は、実施例5と同様にして、ペレット(B−4)を得た。
(比較例4)
実施例5の水素添加石油樹脂の配合量10部を50部に変更した以外は、実施例5と同様にして、ペレット(B−C1)を得た。
(比較例5)
実施例5の水素添加石油樹脂10部に代えて、鉱物油系ゴム用軟化剤(パラフィン系オイル)(出光興産株式会社製の製品名「ダイアナプロセスPW−380」)を使用した以外は、実施例5と同様にして、ペレット(B−C2)を得た。
次に、上記で得られたペレット(A)とペレット(B)を以下の実施例9〜11の通り混合して、本発明の粘着性樹脂組成物を得た。また、比較用として、比較例6〜12の粘着性樹脂組成物を得た。この比較例中の比較例10〜12は、2種類のペレットの分けずに単一のペレットで、粘着性樹脂組成物を得た。
(実施例9)
実施例3で得られたペレット(A−3)30部と実施例5で得られたペレット(B−1)70部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(実施例10)
実施例3で得られたペレット(A−3)50部と実施例5で得られたペレット(B−1)50部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(実施例11)
実施例3で得られたペレット(A−3)60部と実施例5で得られたペレット(B−1)40部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例6)
実施例3で得られたペレット(A−3)95部と実施例5で得られたペレット(B−1)5部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例7)
実施例3で得られたペレット(A−3)5部と実施例5で得られたペレット(B−1)95部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例8)
比較例3で得られたペレット(A−C3)50部と比較例5で得られたペレット(B−C2)50部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例9)
比較例3で得られたペレット(A−C3)50部と実施例5で使用した水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)のペレット50部とを混合して、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例10)
エチレン−プロピレン共重合体(三井化学株式会社製の製品名「タフマーP−0275」)12.5部、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)45.5部、及び水素添加石油樹脂(トーネックス株式会社製の製品名「エスコレッツ5320」)42部を混合した後、2軸押出機にて150℃で溶融混練を行い、ストランド状で取り出したものを水槽で冷却し、ストランドカッターを用いてペレット化し、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例11)
水素添加ブタジエン重合体(旭化成株式会社製の製品名「L701」)12.5部、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)45.5部、及び水素添加石油樹脂(トーネックス株式会社製の製品名「エスコレッツ5320」)42部を混合した後、2軸押出機にて150℃で溶融混練を行い、ストランド状で取り出したものを水槽で冷却し、ストランドカッターを用いてペレット化し、粘着性樹脂組成物を得た。
(比較例12)
水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成株式会社製の製品名「タフテックH1221」)60部及び水素添加石油樹脂(トーネックス株式会社製の製品名「エスコレッツ5320」)40部を混合した後、2軸押出機にて150℃で溶融混練を行い、ストランド状で取り出したものを水槽で冷却し、ストランドカッターを用いてペレット化し、粘着性樹脂組成物を得た。
実施例1〜8、比較例1〜5で得られた各ペレットの評価を以下のように行った。評価結果は、表1及び表2に示す。
(ペレット化試験)
ペレット化の際の状況から、以下の基準で評価した。
○:ペレットが問題なく得られる。
△:樹脂組成物のストランドをカットする際に大量に切り子が発生したり、
ペレット化した後、ペレット同士がブロッキングする。
×:樹脂組成物のストランドをカットする際に、樹脂組成物がカッターに
付着したり、ペレット同士のブロッキングが激しく起こったり、樹脂
組成物が脆いため、ペレット形状にならない。
(ブロッキング試験)
得られたペレット400gをポリカップに取り、30℃の恒温器の中に24時間放置した。次に、ポリカップを180度回転させ、口を下に向けた状態で30秒間保持した後、ブロッキングしたペレットの質量として、ポリカップに残ったペレットの質量を量った。得られたブロッキングしたペレットの質量とペレットの総質量とを用いて、次式によってブロッキング率を算出した。
Figure 2005082605
(耐ブロッキング性)
上記で得られたブロッキング率から、以下の基準で耐ブロッキング性を評価した。
○:ブロッキング率が5%未満
△:ブロッキング率が5%以上40%未満
×:ブロッキング率が40%以上
実施例9〜11及び比較例6〜12で得られた粘着性樹脂組成物の評価を以下の通り行った。なお、ブロッキング試験及び耐ブロッキング性の評価は、上記と同様に行った。評価結果は、表3に示す。
(粘着力測定用サンプルの作製)
Tダイ法により共押出機を用いて、実施例9〜11及び比較例6〜12で得られた粘着樹脂組成物とポリプロピレン(サンアロマー株式会社製の製品名「PC540R」)をそれぞれ押出機にて溶融させ、Tダイ内にて積層させることにより粘着多層フィルムを作製した。
(成形性)
粘着力測定用サンプルを作製する際の状況から、以下の基準で成形性を評価した。
○:膜厚が均一であり、かつ、表面が荒れていない。ペレット供給にも問題
がない。
×:膜厚が不均一であったり、表面が荒れている。また、ペレット供給時に
供給機内でペレットが詰まり、均一に供給されない。
(粘着力の測定)
作製した粘着力測定用サンプルを用いて、ポリプロピレン板及びポリエチレン板に対する180度引きはがし粘着力をJIS Z 0237−2000に準じて測定した。測定は、23℃、65%RHの雰囲気で行った。
(被着体汚染性)
作製した粘着力測定用サンプルをポリプロピレン板に貼り付けた後、10日後に引き剥がし試験を行い、被着体表面の汚れについて以下の基準にて評価した。
○:被着体表面に糊残りがない。
×:被着体表面に糊残りがある。
Figure 2005082605
表1に示した結果から、実施例1〜4で得られた樹脂組成物は、ペレット化する際に問題はなく、本発明の粘着性樹脂組成物に用いるペレット(A)が得られた。また、得られたペレットの耐ブロッキング性も良好であった。
比較例1は、水素添加した共役ジエン重合体100質量部に対して、粘着性付与樹脂である水素添加石油樹脂の配合量が100質量部未満の例である。この樹脂組成物では、ストランドをカットすることはできたが、ペレットのブロッキングが強く起こった。
比較例2は、水素添加した共役ジエン重合体100質量部に対して、粘着性付与樹脂である水素添加石油樹脂の配合量が600質量部を超えた例である。この樹脂組成物では、ペレットを得ることができなかった。
比較例3は、水素添加した共役ジエン重合体ではなく、スチレン系エラストマーを用いた例である。この樹脂組成物では、ストランドをカットすることはできたが、ペレットのブロッキングが起こった。
Figure 2005082605
表2に示した結果から、実施例5〜8で得られた樹脂組成物は、ペレット化する際に問題はなく、本発明の粘着性樹脂組成物に用いるペレット(B)が得られた。また、得られたペレットの耐ブロッキング性も良好であった。
比較例4は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、粘着性付与樹脂である水素添加石油樹脂の配合量が30質量部を超えた例である。この樹脂組成物では、粘着性が強いためストランドがカッターに貼り付き、ペレット化ができなかった。
比較例5は、粘着性付与樹脂ではなく、鉱物油系ゴム用軟化剤を用いた例である。この樹脂組成物では、その柔らかさから、ストランドのカットが難しく、ペレットのブロッキングが強く起こった。
Figure 2005082605
表3に示した結果から、実施例10〜12の本発明の粘着性組成物は、耐ブロッキング性が良好であり、かつポリオレフィンに対して良好な粘着性を示した。
比較例6及び7は、ペレット(A)とペレット(B)との配合比率が、本発明の範囲である(a):(b)=90:10〜10:90を外れた例である。これらの粘着性樹脂組成物は、耐ブロッキング性は良好であったが、ポリオレフィンに対する粘着性は不十分であった。
比較例8は、粘着性樹脂組成物の成分として、スチレン系エラストマー、粘着性付与樹脂及び軟化剤を含む例である。この粘着性樹脂組成物は、耐ブロッキング性及び成形性が不十分であり、また、ポリオレフィンに対する粘着性も不十分であった。さらに被着体に糊残りが起こり汚染性も不十分であった。
比較例9は、粘着性樹脂組成物の成分として、スチレン系エラストマー及び粘着性付与樹脂を含む例である。この粘着性樹脂組成物は、耐ブロッキング性及び成形性が不十分であり、また、ポリオレフィンに対する粘着性も不十分であった。さらに被着体に糊残りが起こり汚染性も不十分であった。
比較例10は、水素添加ブタジエン重合体の代わりにエチレン−α−オレフィン共重合体を用いた以外は、粘着性樹脂組成物の成分を実施例10と同一とした組成物を、2種類のペレットに分けずに単一のペレットで粘着性樹脂組成物を得た例である。この粘着性樹脂組成物は、ペレット化することが非常に困難であり、さらに耐ブロッキング性が不十分であった。
比較例11は、粘着性樹脂組成物の成分を実施例10と同一とした組成物を2種類のペレットに分けずに単一のペレットで粘着性樹脂組成物を得た例である。この粘着性樹脂組成物は、ペレット化することは可能であったが、耐ブロッキング性が不十分であった。
比較例12は、一般的な粘着性樹脂組成物の組成を単一のペレットとして、粘着性樹脂組成物を得た例である。この粘着性樹脂組成物は、ペレット化することが非常に困難であり、更に耐ブロッキング性が不十分であり、また、ポリオレフィンに対する粘着性も不十分であった。

Claims (2)

  1. 水素添加した共役ジエン重合体100質量部及び粘着性付与樹脂100〜600質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(A)と、
    スチレン系エラストマー100質量部及び粘着性付与樹脂1〜30質量部を含有する樹脂組成物からなるペレット(B)とを、前記ペレット(A)と前記ペレット(B)との質量比が、(A):(B)=90:10〜10:90となる範囲で含有することを特徴とする粘着性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の粘着性樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
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