JP2005082077A - 防振マウント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルクロッド43が一体的に設けられた防振マウント装置3において、その組み付け性を向上させる。
【解決手段】 トルクロッド43の両端部それぞれに取り付けられる弾性ブッシュ45,46の内の少なくとも一方を、パワープラント側部材又は車体側に対して非締結状態で固定する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車にパワープラントを搭載するための防振マウント装置に関する。
従来より、例えば特許文献1に開示されるように、エンジン及び変速機が直列に配置されたパワープラントの長手方向(クランク軸の延びる方向)両端部を、それぞれ、エンジンルームの左右両端側に位置する車体サイドフレームに対して2つのマウント部材(防振マウント装置)により弾性的に支持するようにしたものがある。このようなマウント部材はパワープラントの重量の殆どを受け持つことになるので、少なくとも上下方向について或る程度高い静剛性を要求され、エンジン振動の吸収・遮断という点で不利な面もある。
すなわち、エンジンのアイドル運転時等にトルク変動によって主にロール慣性主軸(以下、単にロール軸という)の周りに発生する振動は、その振幅こそあまり大きくはないが、人間が不快に感じる低周波域のものなので、マウント部材において吸収し車体への伝達を防止することが望ましい。
そこで、一般に、上記左右両側のマウント部材をパワープラントのロール軸にできるだけ近接させて配置する慣性主軸マウントが採用される。こうすれば、マウント部材が上下方向に或る程度硬い(高い静剛性を有する)ものであっても、ロール軸周りの動バネは柔らかなものとなり、これによりアイドル振動の車体への伝達が抑えられる。
しかしながら、そのようにロール軸周りの動バネを柔らかくすると、例えば急加速時等のようにエンジンの駆動出力(トルク)が大きく変動するときに、その反力(トルク)によってパワープラント全体が大きくロール軸周りに回動(ローリング)してしまい、これにより周囲の部品との干渉の問題が生じたり、或いは、マウント部材のゴム部に過大な変形を生じて耐久性が損なわれる虞れがある。そこで、一般的な慣性主軸マウントでは、パワープラントの左右に配置した主マウント部材の他に、例えば特許文献2に開示されるように、その前後に1つずつ別のマウント部材(同文献にはフロントマウント、リヤマウントと記載)を設けて、当該パワープラントのローリングを規制するようにしている。
また、例えば特許文献3に開示されるように、左右のマウント部材によるパワープラントの支持点をやや高めに設定して、該パワープラント全体を振り子(ペンデュラム)のように揺動可能に支持するとともに、その揺れを規制するためのトルクロッドをパワープラントの下端部と車体側とを連結するように独立に設ける構造も知られている(以下、3点ペンデュラムマウントと呼ぶ)。この3点ペンデュラムマウントでは、上述した一般的な慣性主軸マウントに比べてパワープラントの荷重の支持点がロール軸から離れているため、アイドル振動の低減についてやや不利になるきらいはあるが、駆動反力(トルク)が作用したときには、パワープラントのロール軸周りの回動が左右のマウント部材自体によっても規制されることになるので、単一のトルクロッドでもパワープラントの揺れを抑えやすいと考えられる。
しかし、例えば大排気量エンジンを搭載した自動車やハイブリッド自動車等の場合は、パワープラントの出力が非常に大きくなるので、その反力(トルク)によるパワープラントのローリングを上記のように単一のトルクロッドのみで抑えることは難しい。
また、そのように大きな駆動反力によるローリングが左右のマウント部材自体によっても規制されるということは、換言すれば、それらのマウント部材に対して大きな水平方向荷重が入力するということであり、このことから、該マウント部材におけるゴム部等の耐久性の低下が懸念される。
この点について、上記3番目の従来例に記載の3点ペンデュラムマウントでは、パワープラントの下端部に設けた独立のトルクロッドの他に、左右のマウント部材に、それぞれ、マウント本体部の前後いずれか一方に延びるよう一体的にトルクロッドを設けており、これにより、駆動反力によるパワープラントのローリングをより確実に規制できるとともに、それらのマウント部材におけるゴム部等の変形を抑えて耐久性を確保することができる。
仏国特許出願公開第2736008号明細書 実開昭7−196944号公報 独国特許出願公開第4209613号明細書
ところで、上記特許文献1に開示されているマウント部材にもトルクロッドが一体的に設けられているが、このトルクロッドは、その両端部それぞれに、内筒体と外筒体とこれら両筒体を連結するゴム弾性体とからなる筒型ブッシュを一体的に設け、その筒型ブッシュの一方を車体側に、他方をマウント本体部におけるパワープラント側部材に取り付けている。このときに、上記筒型ブッシュは、車体側とパワープラント側部材との双方において、ボルト・ナットによる締結状態で固定されている。そのため、マウント部材の組み付けを行う際には、一方の筒型ブッシュを車体側に締結すると共に、他方の筒型ブッシュをパワープラント側部材に締結する必要があり、組み付け工程数が増大し、組み付け性が低下することになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トルクロッドが一体的に設けられた防振マウント装置において、その組み付け性を向上させることにある。
本発明の防振マウント装置は、長手方向が車幅方向となるように車両に搭載されるパワープラント両端部の少なくとも一方を車体に対して弾性支持する装置である。
上記防振マウント装置は、上記車体側に取付固定される車体側部材と、上記パワープラント側に取付固定されるパワープラント側部材と、上記車体側部材とパワープラント側部材との間に設けられてそのパワープラント側部材を車体側部材に弾性支持する弾性支承体と、上記パワープラント側部材と車体側との間で車体前後方向に延びて配設されて、上記パワープラントのロール方向の揺動を規制するトルクロッドと、上記トルクロッドの両端部それぞれに取り付けられ、該トルクロッドの一端部を上記パワープラント側部材に、他端部を車体側に対し弾性支持させる一対の弾性ブッシュと、上記一対の弾性ブッシュの内の少なくとも一方を、上記パワープラント側部材又は車体側に対して非締結状態で固定する非締結固定手段と、を備える。
この構成によると、トルクロッドの両端部にはそれぞれ弾性ブッシュが取り付けられ、その内、一端部に取り付けられた弾性ブッシュは、パワープラント側部材に、他端部に取り付けられた弾性ブッシュは、車体側に固定される。尚、ここでいう車体側には、マウント本体部における車体側部材と、その車体側部材が取付固定される車体との双方を含む。
そのときに、上記一対の弾性ブッシュの内の少なくとも一方は、上記パワープラント側部材又は車体側に対して、非締結固定手段により非締結状態で固定される。これにより、一対の弾性ブッシュのそれぞれを、パワープラント側部材及び車体側に締結によって固定する場合と比べ組み付け工程数が低減し、防振マウント装置の組み付け性が向上する。
上記弾性ブッシュは、その筒軸が上下方向となるようにトルクロッドの端部に取り付けられた外筒部と、該外筒部の内周面から径方向の内方に拡がりかつ上記外筒部と同軸の貫通孔が形成されたゴムブッシュと、を有するものとしてもよい。この場合に、上記非締結固定手段は、上記貫通孔内に圧入されて上記弾性ブッシュを非締結状態で固定するスピンドルとすればよい。
こうすることで、外筒部とゴムブッシュとを有する弾性ブッシュ(いわゆる筒型ブッシュ)は、トルクロッドの端部で、筒軸が上下方向となるように配置される。そして、その貫通孔内にはスピンドルが圧入され、それによって、上記弾性ブッシュは、非締結状態で固定される。
上記トルクロッドには、パワープラントのローリングに伴う水平方向荷重を受け止めてそのローリングを規制するために、水平方向については比較的硬いばね特性が要求される。それに対し、路面不整等によるパワープラントの上下振動がトルクロッドを介して車体に伝わることを避けるために、上下方向については比較的軟らかいばね特性が要求される。そこで、筒型のブッシュを、車体前後方向に延びて配設されたトルクロッドの端部で、筒軸が上下方向となるように配置する。このことによって、トルクロッドに水平方向荷重が入力されたときには、上記ゴムブッシュの圧縮に作用するため、比較的硬いばね特性が得られる一方、トルクロッドに上下方向荷重が入力されたときには、上記ゴムブッシュは略せん断に作用するため、比較的軟らかいばね特性が得られる。しかも、弾性ブッシュは、上下方向に貫通する貫通孔内にスピンドルが圧入されただけであるため、トルクロッドに上下方向荷重が入力されたときに、そのトルクロッドの上下方向への揺動はあまり規制されず、それによって、上下方向のばね特性がさらに軟らかくなる。その結果、パワープラントのローリングを確実に規制することにより防振マウント装置の耐久性の確保等がなされる一方で、パワープラントの上下振動が車体側に伝達することが効果的に防止される。
防振マウント装置は、上記パワープラント側部材に一体的に形成された、水平方向に拡がるパワープラント取付用のフランジをさらに備えてもよい。この場合に、上記スピンドルは、上記フランジの上面に上下方向に延びて配設してもよい。
また、防振マウント装置は、一対の弾性ブッシュの内のいずれか一方を、上記パワープラント側部材又は車体側に対して締結状態で固定する締結固定手段をさらに備えてもよい。
この場合、一対の弾性ブッシュの内の他方は、非締結固定手段によって上記パワープラント側部材又は車体側に対して非締結状態で固定される。そのため、一対の弾性ブッシュのそれぞれを、パワープラント側部材及び車体側に締結によって固定する場合と比べて、組み付け工程数が少なくなり、防振マウント装置の組み付けが容易になる。
また、弾性ブッシュの内のいずれか一方を締結状態とすることにより、トルクロッドが防振マウント装置から外れてしまうといった不具合の発生が防止される。
以上、説明したように、本発明の防振マウント装置によると、トルクロッドの両端部に取り付けられた一対の弾性ブッシュの内の少なくとも一方を、上記パワープラント側部材又は車体側に対して、非締結固定手段により非締結状態で固定することにより、一対の弾性ブッシュのそれぞれを、パワープラント側部材及び車体側に締結によって固定する場合と比べ、防振マウント装置の組み付けを容易化することができ、生産コストの低減化を図ることができる。
特に、外筒部とゴムブッシュとを有する弾性ブッシュを、トルクロッドの端部で筒軸が上下方向となるように配置すると共に、その貫通孔内にはスピンドルを圧入して、上記弾性ブッシュを非締結状態で固定することにより、トルクロッドに要求される特性を満たしつつも、防振マウント装置の組み付けの容易化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
−全体構成−
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る防振マウント装置を用いたエンジンマウントシステムの概略構成を示し、両図において符号Pは、エンジン1及び変速機2が直列に結合されてなるパワープラントである。このパワープラントPは、その長手方向(エンジン1のクランク軸の延びる方向)が車幅方向(車体の左右方向)となるように、図示しない自動車のエンジンルームに横置きに搭載されていて、その長手方向両端部、即ちエンジン1側及び変速機2側の各端部にそれぞれ配設されたマウント部材3,5を介して、車体サイドフレーム6,7に対し2点で弾性的に支持されている。また、パワープラントPの下端部は、上記マウント部材3,5とは独立のトルクロッド8によって後方の車体側部材9(サブフレーム等)に連結されている。
図1は、上記エンジン1の吸排気系や補機等を全て省略して、本体部のみを車体後方の斜め右側上方から見たものであり、エンジン本体部は、概略シリンダブロック10とその上部に配設されたシリンダヘッド11とからなり、変速機2とは反対の長手方向の端部(同図1おいて手前側に示す車体右端部)にベルトカバー12が配設され、シリンダヘッド11の上部にはヘッドカバー13が配設されるとともに、シリンダブロック10の下部にはオイルパン(図示せず)が配設されている。そして、上記シリンダヘッド11の右側壁にはベルトカバー12を貫通してエンジン側マウントブラケット15の下端側が締結され、そこから上方に向かって延びるマウントブラケット15の上端部に、マウント部材3側から延びるフランジ板31bが上方から重ね合わされた状態で締結されている。このエンジン側マウント部材3が本願発明の防振マウント装置であり、その詳しい構成については後述する。
上記変速機2は、この実施形態ではトルクコンバータや変速ギヤ列の他にディファレンシャルも一体となった自動変速機であり(手動変速機やCVTでもよい)、変速機ケース20のベルハウジング20aがエンジン1のクランク軸側端部にてシリンダブロック10に連結されるとともに、そのベルハウジング20aの後方に形成された膨出部20bから左右両側に向かって、それぞれ、自動車の前車輪を駆動するためのドライブシャフト22,22が延びている。そして、先すぼまりの変速機ケース20の先端部近傍をマウントブラケット23により車体左側のサイドフレーム7から吊り下げるようにして、変速機側マウント部材5が配設されている。この変速機側マウント部材5の詳しい構成についても後述する。
上記のようにエンジン1及び変速機2を直列に結合してなるパワープラントPでは、エンジン1の方が変速機2よりも背が高いことから、長手方向に延びるロール軸R(ロール慣性主軸)は、図に一点鎖線で示すように、エンジン1側の端部から変速機2側に向かって下向きに傾斜している。また、この実施形態では、パワープラントPの重量を受け持つ2つのマウント部材3,5がそれぞれロール軸Rから上方に離間しており、このことで、パワープラントPは、上記2つのマウント部材3,5の荷重の支持点を結ぶ線分L(揺動支軸:図2参照)の周りに振り子(ペンデュラム)のように揺動可能になっている。
そして、例えば自動車の急加速時や急減速時のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとするが、そのようなローリングや全体的な揺れはパワープラントPの下端部に配設されたトルクロッド8によって規制される。すなわち、この実施形態のエンジンマウントシステムの基本的な構成は従来より公知の3点ペンデュラムマウント(特許文献3のもの)と同様である。
ところで、上記3点ペンデュラムマウントでは、一般的に、慣性主軸マウントに比べてパワープラントの荷重の支持点がロール軸から離れているため、上記図2のように駆動反力が作用したときにパワープラントPのローリングが左右のマウント部材3,5自体によっても規制されることになり、この点でパワープラントPの変位の規制に有利であることは上述した。しかしながら、例えば大排気量エンジン等のように出力が非常に大きいものの場合には、大きな駆動反力を単一のトルクロッド8のみで抑えることは難しく、また、そのように大きな駆動反力が左右のマウント部材3,5に作用することによる耐久性の問題も考慮しなくてはならない。
そこで、この実施形態では、上記独立のトルクロッド8の他に、左右のマウント部材3,5にもそれぞれ一体的にトルクロッド43,56を設けて、これにより、駆動反力によるパワープラントPのローリングをより確実に規制できるようにするとともに、その際に大きな水平方向荷重がマウント部材3,5に入力しても、この荷重をトルクロッド43,56により受け止め、マウント本体部30におけるゴム部等の変形を抑えて、その耐久性を確保できるようにしている。
−マウント部材の構造−
次に、本願発明の特徴として、上記エンジン側マウント部材3の詳細な構造を図3及び図4に基づいて説明する。ここで、図3(a)はエンジン側マウント部材3の上面図であり、同図(b)は左側面図である。また、図4は、後述のトルクロッド43等を省略し、且つ一部分を切り欠いてマウント本体部30の内部構造を示す部分断面図である。
上記図4に示すように、この実施形態ではエンジン側のマウント部材3はいわゆる液体封入式のものであり、パワープラントPの静荷重を受けるマウント本体部30は、該パワープラント側に連結される金属製ケーシング31と車体側の連結金具32とをゴム支承体33により連結したものである。上記ケーシング31は、例えばアルミニウム合金製であり、上下方向に延びるように配置された厚肉円筒状のケーシング本体31aと、その上側外周から軸線Zに略直交する方向に延びるフランジ板31bとを鋳造等により一体に形成してなる。
また、上記連結金具32は、上すぼまりの略円錐形状とされ、その上端部が上記ケーシング本体31aの下端開口部の略中心に位置するように略同軸に配置されていて、上すぼまりの側面部とその外周に対向するケーシング本体31aの内周面との間にゴム支承体33が介設されている一方、該連結金具32の下端面には、車体サイドフレーム6の上面に固定される車体側マウントブラケット34の上方隆起部34aの上面が接合されて、両者がボルト35により締結されている。
上記ゴム支承体33の下部内周側にはすり鉢状の凹部が形成されていて、この凹部の周面が上記連結金具32のテーパ状側面部に被着されており、ゴム支承体33は該連結金具32の全周から外方に向かって放射状に拡がり、且つ斜め上方向に延びるように略円錐台状に形成されていて、その上側の部分の外周面がケーシング本体31aの内周面に接着されている。このようにケーシング本体31aの内周に接着固定されているゴム支承体33の上側の部分は、上方に向かって開口する比較的厚肉の円筒状とされ、その上端部がケーシング本体31aの上端部よりも所定長さ、下方に位置付けられている。
そして、上記ゴム支承体33の円筒状部分の上端部に円板状の仕切り板36の外周部が上方から重ね合わされ、さらに、その上方から該仕切り板36全体を覆うように概略ハット形状のゴム製ダイヤフラム37が配設されており、これにより、ゴム支承体33の上端開口部が液密に閉塞されて、その内部に空洞部が形成されている。上記ダイヤフラム37は、ハット状本体部の外周側に、ケーシング本体31aの内径と略同径の外径を有する外筒部と、その下端に鍔部を介して連続する内筒部とが一体に形成されたもので、その外筒部から内筒部に亘って概略円筒状の補強板38が埋設されており、これにより補強された外筒部がケーシング本体31aの上端側内周に上方から圧入されて、内嵌合状態で固定されている。
上記のようにしてゴム支承体33の内部に形成された空洞部にはエチレングリコール等の緩衝液が封入されていて、これがゴム支承体33に入力するパワープラントPの振動を吸収、緩和するための液室Fとなっている。この液室Fの内部は上記の仕切り板36によって上下に仕切られていて、その下側が、ゴム支承体33の変形に伴い容積が拡大又は縮小する受圧室になり、また、液室Fの上側は、ダイヤフラム37の変形によって容積が拡大又は縮小されて、上記受圧室における容積の変動を吸収する平衡室になる。すなわち、上記仕切り板36の外周部上方には、ケーシング本体31aとダイヤフラム37の鍔部及び内筒部とによって囲まれた円環状オリフィス通路39が周方向に延びるように形成され、このオリフィス通路39の一方の端が液室下側の受圧室に臨んで開口する一方、オリフィス通路39の他方の端が液室上側の平衡室に臨んで開口している。そして、それら受圧室及び平衡室の緩衝液がオリフィス通路39を介して相互に流通することによって、ゴム支承体33から受圧室に作用する低周波の振動が減衰される。
上記の如き構造のマウント本体部30に加えて、図3,4に示すように、マウント本体部30の上方を跨ぐようにして逆U字状のストッパ部材40が配設されている。このストッパ部材40は、例えば鋼板等をプレス成形してなり、マウント本体部30の上端から所定距離上方に離間して略水平に前後方向に延びる梁部40aと、その前後両端部からそれぞれ下方に折れ曲がって略真下に延びる前後一対の脚部40b,40cとを有する。そして、その前後一対の脚部40b,40cの各下端部がそれぞれ折り曲げられてフランジ部40d,40eとなり、この前後のフランジ部40d,40eがそれぞれマウント本体部30の前後両側において車体側マウントブラケット34のフランジ部34b,34bに重ね合わされた状態で、図示しないボルトによりサイドフレーム6上に締結されている。
また、上記ストッパ部材40に対応して、上記マウント本体部30にはケーシング本体31aの上部外周に上側ゴム層41が設けられ、このゴム層41におけるケーシング本体31aの前後両端部がそれぞれ上方に盛り上がって、上方膨出部41a,41aが形成されており、この各上方膨出部41aがそれぞれ上記ストッパ部材40の梁部40aに下方から当接することによって、ケーシング本体31aの上方への移動が規制されるようになっている。また、上記ゴム層41は上下方向の中間部分が所定以上の厚みを有していて、これが上記ストッパ部材40の前後の脚部40b,40cにそれぞれ当接することによって、ケーシング本体31aの車体前後方向への移動を規制するようになっている。
尚、上記ケーシング本体31aの下端部外周には、上記ゴム支承体33と連繋するようにして下側ゴム層42が形成され、このゴム層42におけるケーシング本体31aの前後両端部にもそれぞれ下方に膨出する下方膨出部42a,42aが形成されており、これが車体側マウントブラケット34の上方隆起部34aの前後両端部にそれぞれ当接することによって、ケーシング本体31aの下方への移動が規制されるようになっている。
そうして、本願発明の特徴として、上記マウント部材3には、図3に示すように、パワープラントPのローリングを規制するためのトルクロッド43が一体的に配設されている。すなわち、同図(a)に示すように上方から見ると、トルクロッド43は、マウント本体部30の左側、即ち該マウント本体部30とエンジン1のベルトカバー12との中間位置において、ケーシング31のフランジ板31bの上方に離間して(図(b)参照)、ストッパ部材40の梁部40aと略平行に前後方向に延びるように配設されている。このようにマウント本体部30の側方で前後方向に延びるように設けられているので、トルクロッド43は、その揺動によってパワープラントPの上下振動を吸収できるように十分に長くしていても、マウント部材3の前後に大きく飛び出すことはなく、前後方向に干渉の問題を生じることがない。しかも、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30と隣接するエンジン1のベルトカバー12(側壁部)との間には前後に長く且つ左右には狭いデッドスペースがあるが、トルクロッド43はそのデッドスペースを有効利用して配置されていることになる。
上記トルクロッド43は、棒部材44の前後両端部にそれぞれ厚肉円盤状の連結部45,46を設けたもので、その前端連結部45は、棒部材44の前端に一体に設けられた外筒部45aと、この外筒部45aに内嵌合される筒状の嵌合体45bと、この嵌合体45bの内周面から径方向の内方に、徐々に薄肉となるように延びるゴムブッシュ45cとを備えたものである。これに対し、後端連結部46は棒部材44の後端に一体に設けられた外筒部45a及びこれと同軸に位置する内筒部45bが環状のゴムブッシュ45cによって弾性連結されたものである。
上記前端連結部45のゴムブッシュ45cには、上記外筒部45aと同軸となるように、上下方向に貫通する貫通孔45dが形成されている。そして、マウント本体部30の前端部よりも車体前方位置(マウント本体部30から車体前方に離れた位置)において、該フランジ板31bから上方に延びるようにスピンドル(棒材)48が配設され、上記前端連結部45は、そのスピンドル48が上記貫通孔45d内に圧入されることによって、上記フランジ板31bに対し非締結状態で固定されている。
一方、上記トルクロッド43の後端連結部46は、マウント本体部30の後端部よりも車体後方位置(マウント本体部30から車体後方に離れた位置)において、ストッパ部材40の後側脚部40cに溶接されたブラケット49に固定されている。すなわち、ブラケット49は例えば鋼板等をプレスして概略逆L字状に成形したもので、上下に延びる脚部49aがストッパ部材40の後側脚部40cの側面に溶接される一方、該脚部49aの上端から横向きに延びる取付部49bの先端側には、その上面から上方に延びるようにスタッドボルト47が溶接により固定されている。そして、上記トルクロッド43の後端連結部46の内筒部46bが上記スタッドボルト47に上側から外挿され、該内筒部46bからさらに上方に突出するスタッドボルト47に上方からナット48が螺合することで、トルクロッド43の後端連結部46がブラケット49に対し締結状態で固定されている。
この実施形態のエンジン側マウント部材3においては、マウント本体部30の側方でエンジン1との間のデッドスペースに配置したトルクロッド43が、該マウント本体部30とパワープラントPとの連結部材であるフランジ板31bの直ぐ近くを通ることを利用して、このフランジ板31bにトルクロッド43の前端部を支持しており、このため、トルクロッド43とパワープラントP側との連結構造が極めて簡単なものとなる。また、同様にトルクロッド43の後端連結部46がストッパ部材40の後側脚部40cの直ぐ近くに位置することを利用して、この両者を連結することで、トルクロッド43と車体側との連結構造も極めて簡単なものとなっている。
また、トルクロッド43の両端部の内、一方の端部(後端連結部46)は締結状態で車体側に対して固定されるのに対し、他方の端部(前端連結部45)は非締結状態でパワープラントP側の部材に対して固定される。つまり、図5に示すように、フランジ板31bに立設されたスピンドルを、前端連結部45の貫通孔45d内に圧入する(同図のP1参照)だけで、前端連結部45の組み付けが完了する(同図のP2参照)。このため、組み付け工程数が低減し、マウント本体部30とトルクロッド43とからなるマウント部材3の組み付けが容易になる。
次に、変速機側マウント部材5の構造は例えば図6に拡大して示すようになっており、これは、変速機2の先端側から上方に延びるマウントブラケット23の上端部を、車体サイドフレーム7側に取り付けた金属製フレーム部材50によりゴムブロック51を介して吊り下げたものである。すなわち、上記フレーム部材50は、例えば鋼板等をプレス成形して、矩形枠状の本体部52とそこから車体後方側(図の左側)に向かって延びるステー部53とを一体に形成したもので、その本体部52の側方には別の鋼板片を溶接して側方及び下方それぞれに延びるフランジ部54,54が設けられ、このフランジ部54,54において図示しないボルトにより車体サイドフレーム7に締結されるようになっている。
また、上記フレーム部材50の本体部52には、開口部52aの周囲から上下軸線Zの四方を囲んで上方に延びるように、絞り加工等によって立壁部52bが一体形成されており、この立壁部52bに左右両端部を接着されたゴムブロック51によって、金属製連結パイプ55がその軸心を上下方向に向けて上下動可能に支持されている。すなわち、連結パイプ55は、例えば絞り加工によって下側の部分を相対的に小径とし、この小径部55aを除いた部分で上記ゴムブロック51の略中央部に埋設されるように一体に加硫成形してなる。そして、上記連結パイプ55の小径部55aに対して下側からマウントブラケット23のスタッドボルト24が挿入され、このスタッドボルト24に上方からナット25が螺合されて、マウントブラケット23と連結パイプ55とが締結されている。
さらに、この変速機側マウント部材5にもトルクロッド56が一体的に設けられている。すなわち、上記フレーム部材50の本体部52から車体後方に延びるステー部53の先端(後端)は下方に向かい略直角に折り曲げられていて、その折曲げ部53aは、上記のようにしてフレーム部材本体部52に対し連結された連結パイプ55の小径部55aの真後ろ、即ち車体後方に略水平に離れた位置にある。そして、このステー折曲げ部53aと連結パイプ55の小径部55aとの間に車体前後方向に延びるようにトルクロッド56が配設されている。
このトルクロッド56は、棒部材57の両端部にそれぞれゴムブッシュ58a,59cを介在させた連結部58,59が設けられたものである。この内、前端の連結部59は筒型のブッシュであって、外筒部59a、内筒部59b及びゴムブッシュ59cからなり、その内筒部59bが連結パイプ55の小径部55aに外挿されて、外嵌合状態で結合されている。一方、トルクロッド56の後端側の連結部58は、棒部材57の先端部で串刺しにした2つのリング状ゴムブッシュ58a,58aの間にステー折曲げ部53aを挟み込んで固定するスタッド型のブッシュである。
すなわち、上記トルクロッド56の棒部材57の後端側には円形の鍔部58bが一体形成され、この鍔部58bよりも先端の部分がステー部53の折曲げ部53aに形成された丸穴を貫通していて、その折曲げ部53a及び鍔部58bの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。また、上記折曲げ部53aよりも車体後方に延びる棒部材57の後端側には別のゴムブッシュ58aとワッシャ58cとが配置され、さらに、その棒部材57の先端部には小径のネジ部57aが設けられていて、このネジ部57aに螺合されるナット58dによりワッシャ58cが棒部材57の先端に締結されることで、該ワッシャ58c及び折曲げ部53aの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。
上述の如き構成の左右2つのマウント部材3,5によってパワープラントPの重量を支持するこの実施形態のエンジンマウントシステムにおいては、例えば自動車が停止していてエンジン1がアイドル運転状態にあるときに、トルク変動に起因する低周波の振動がロール軸Rの周りに発生すると、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30においてパワープラントP側のケーシング31が車体側の連結金具32に対し前後に微小に振動し、同様に、変速機側マウント部材5においてもパワープラントP側の連結パイプ55が車体側のフレーム部材50に対し前後に微小に振動することになる。しかし、その振動は低周波のもので且つ振幅が非常に小さいので、ゴム支承体33やゴムブロック51により吸収され、車体への伝達は非常に少ない。また、アイドル振動は上記両マウント部材3,5のトルクロッド43,56においてもゴムブッシュ45c,46c,58a,59cの撓みによって吸収されるので、この振動がトルクロッド43,56を介して車体側に伝達されることはない。
また、例えば自動車の発進時や急加速時等のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動支軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとする。このときに、そのロール軸R周りの回動変位は、パワープラントP下端部の独立のトルクロッド8と、左右のマウント部材3,5のトルクロッド43,56とからそれぞれ付与される反力によって効果的に抑えられ、これにより、駆動反力によるパワープラントPの変位が過度に大きくなることがない。
例えばエンジン側のマウント部材3においては、略水平方向の荷重入力を受けてトルクロッド43の前後両端部にそれぞれ配設されたゴムブッシュ45c,46cが最大限に撓んだ後、このトルクロッド43が入力荷重を受け止める。同様にして、変速機側のマウント部材5においてもトルクロッド56が駆動反力による水平方向の大きな荷重入力を受け止める。こうして、マウント部材3,5のゴム支承体33やゴムブロック51に過大な変形が生じたり、それが剥がれたりすることが防止されて、十分な耐久性を確保することができる。
ここで、上記トルクロッド43の前端部は、非締結状態でフランジ板31bに固定されているが、筒型ブッシュに構成された前端連結部45は、その筒軸が上下方向となる向きに配置されている。このため、トルクロッド43に水平方向の荷重が入力されたときには、ゴムブッシュ45cが圧縮に作用し、比較的硬いばね特性が得られる。つまり、前端連結部45を締結状態でフランジ板31bに固定した場合と略同じ特性が得られる。
さらに、例えば自動車が不整路面を走行していて、これにより車体及びパワープラントPが相対的に上下に振動する場合、エンジン側のマウント部材3においてはゴム支承体33が、また、変速機側のマウント部材5においてはゴムブロック51が、それぞれ上下に弾性変形して振動を吸収するとともに、該両マウント部材3,5においてそれぞれトルクロッド43,56が揺動することで、上下振動を吸収する。すなわち、いずれのトルクロッド43,56もその長さが十分に長く設定されているので、車体及びパワープラントPの相対的な上下変位に対するトルクロッド43,56の揺動角が小さくなり、上下方向の振動はゴムブッシュの撓みによって吸収されることになる。特に、前端及び後端連結部45,46は筒軸が上下方向となるように配置された筒型に構成されているため、上下方向の荷重が入力されたときには、ゴムブッシュ45c,46cの略せん断に作用するため、ばね特性は軟らかくなる。
また、上記トルクロッド43の前端連結部45が、非締結状態であることにより、トルクロッド43に上下方向の荷重が入力されたときに、そのトルクロッドの上下方向への揺動はあまり規制されなくなる。その結果、上下方向のばね特性をさらに軟らかくすることができる。
したがって、この実施形態に係る防振マウント装置(エンジン側マウント部材3)によると、パワープラントPの下端部に独立のトルクロッド8を設けるだけでなく、左右のマウント部材3,5にもそれぞれトルクロッド43,56を設けたことで、パワープラントPに作用する駆動反力をしっかりと受け止めて、該パワープラントPの揺れを抑えることができるとともに、それらマウント部材3,5のゴム部の過大な変形を抑えて、耐久性を確保することができる。
そして、相対的に周囲のスペースに余裕のないエンジン側のマウント部材3においてはトルクロッド43をマウント本体部30の側方で前後方向に延びるように設けたことで、該トルクロッド43の長さを十分に長くしていても、これがマウント部材3の前後に大きく飛び出すことはなく、これにより、干渉の問題の発生を防止することができる。
特に、この実施形態のようにエンジン1及び変速機2を直列配置したパワープラントPの場合は、エンジン1側の端部が車体サイドフレーム6に近接し、その付近ではスペースの余裕が極めて少なくなるが、この実施形態では、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30とその側方に隣接するエンジン1との間のデッドスペースを有効利用して、そこにトルクロッド43を配設することができる。
さらに、この実施形態では、上記マウント本体部30の上方を跨ぐようにストッパ部材40を配設し、これにより上方及び前後方向への変位を確実に規制できるようにしているが、こうしたときでも、上記マウント本体部30の側方に配置されたトルクロッド43がストッパ部材40と干渉することはないから、両者を何れも最適にレイアウトすることができる。
そして、トルクロッド43の前端部(前端連結部45)を、非締結状態で固定することにより、上述したように組み付け性が向上し、生産コストを低減化することができる。また、締結部材(例えばナット)が省略されるため、部品点数の低減化による生産コストの更なる低減化が図られる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、本願発明に係るエンジン側マウント部材3(防振マウント装置)を液体封入式のものとしているが、これに限るものではない。すなわち、例えば図7に一例を示すように、上記実施形態のマウント本体部30から仕切り板36やダイヤフラム37を取り去って、パワープラントPの静荷重をゴム支承体33のみによって支持するようにしてもよい。こうすれば、コストの低減が図られる。
また、上記実施形態では、トルクロッド43の前端連結部45のみを非締結状態で固定(フランジ板31bに固定)しているが、例えば図8に示すように、ブラケット49のスタッドボルト47をスピンドル48に代えて、トルクロッド43の後端連結部46(この場合、後端連結部46は、前端連結部45と同様に外筒部46aと嵌合体46bとゴムブッシュ46cと貫通孔46dからなる)をも非締結状態で車体側に固定してもよい。この場合でも、水平方向の荷重入力に対しては比較的硬いばね特性でかつ、上下方向の荷重入力に対して比較的軟らかいばね特性が得られる。さらに、この場合、スピンドル48を、前端及び後端連結部45,46のそれぞれに圧入するだけでトルクロッド43の組み付けが完了するため、組み付け性をさらに向上させることができる。
また、図示は省略するが、フランジ板31bのスピンドル48をスタッドボルト47に代えると共に、ブラケット49のスタッドボルト47をスピンドルに代えることによって、図3に示すマウント部材3とは逆に、トルクロッド43の前端部を締結状態でパワープラント側に固定し、その後端部を非締結状態で車体側に固定してもよい。
また、上記実施形態では、トルクロッド43の一端部(前端連結部45)は、フランジ板31bに固定する一方で、その他端部(後端連結部46)は、マウント部材3の車体側部材であるブラケット49に固定しているが、トルクロッド43の他端部46は、図9に示すように、車体側の部材(例えばサイドフレーム6)に固定してもよい。このときに、その他端部46は、図9に示すようにスタッドボルト47とナット47aとによる締結状態で固定してもよいし、スピンドル48による非締結状態で固定してもよい。
また、上記実施形態では、本願発明に係る防振マウント装置の構成をエンジン側マウント部材3のみに適用しているが、これに限らず、変速機側のマウント部材5にも適用することができる。
さらにまた、上記実施形態のパワープラントPは、長手方向にエンジン1及び変速機2を直列に配置したものであるが、これに限るものではなく、パワープラントPは、例えばエンジンルームに横置きに搭載したエンジン1の後方に、入力側のシャフト等が車幅方向に延びるように並列に変速機を配置したものであってもよい。
エンジンマウントシステムの概略構成を示す斜視図である。 パワープラントを車体左側から見て、駆動反力(トルク)の作用する様子を模式的に示す説明図である。 エンジン側マウント部材の構造を示す拡大図であり、(a)は上面図で、(b)は左側面図である。 マウント本体部の内部構造を示す部分断面図である。 前端連結部の組み付け手順を示す説明図である。 変速機側マウント部材についての図3相当図である。 液体封入式でない他の防振マウント装置の構成を示す図である。 トルクロッドの両端部を非締結状態で固定した防振マウント装置の構成を示す図である。 トルクロッドの他端部を車体側に固定した防振マウント装置の構成を示す図である。
符号の説明
P パワープラント
1 エンジン
2 変速機
3 エンジン側マウント部材(防振マウント装置)
30 マウント本体部
31 ケーシング(パワープラント側部材)
31a ケーシング本体
31b フランジ板
32 連結金具(車体側部材)
33 ゴム支承体(弾性支承体)
43 トルクロッド
45 前端連結部(弾性ブッシュ)
45a 外筒部
45c ゴムブッシュ
45d 貫通孔
46 後端連結部(弾性ブッシュ)
47 スタッドボルト(締結固定手段)
47a ナット(締結固定手段)
48 スピンドル
6,7 サイドフレーム

Claims (4)

  1. 長手方向が車幅方向となるように車両に搭載されるパワープラント両端部の少なくとも一方を車体に対して弾性支持する防振マウント装置であって、
    上記車体側に取付固定される車体側部材と、
    上記パワープラント側に取付固定されるパワープラント側部材と、
    上記車体側部材とパワープラント側部材との間に設けられてそのパワープラント側部材を車体側部材に弾性支持する弾性支承体と、
    上記パワープラント側部材と車体側との間で車体前後方向に延びて配設されて、上記パワープラントのロール方向の揺動を規制するトルクロッドと、
    上記トルクロッドの両端部それぞれに取り付けられ、該トルクロッドの一端部を上記パワープラント側部材に、他端部を車体側に対し弾性支持させる一対の弾性ブッシュと、
    上記一対の弾性ブッシュの内の少なくとも一方を、上記パワープラント側部材又は車体側に対して非締結状態で固定する非締結固定手段と、を備えていることを特徴とする防振マウント装置。
  2. 請求項1に記載の防振マウント装置において、
    弾性ブッシュは、その筒軸が上下方向となるようにトルクロッドの端部に取り付けられた外筒部と、該外筒部の内周面から径方向の内方に拡がりかつ上記外筒部と同軸の貫通孔が形成されたゴムブッシュと、を有し、
    非締結固定手段は、上記貫通孔内に圧入されて上記弾性ブッシュを非締結状態で固定するスピンドルであることを特徴とする防振マウント装置。
  3. 請求項2に記載の防振マウント装置において、
    パワープラント側部材に一体的に形成された、水平方向に拡がるパワープラント取付用のフランジをさらに備え、
    スピンドルは、上記フランジの上面に上下方向に延びて配設されていることを特徴とする防振マウント装置。
  4. 請求項1に記載の防振マウント装置において、
    一対の弾性ブッシュの内のいずれか一方を、上記パワープラント側部材又は車体側に対して締結状態で固定する締結固定手段をさらに備えていることを特徴とする防振マウント装置。
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