JP2005081556A - キャスティング皮膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性、被接着体への追随性にすぐれたラベリング材用のキャスティング皮膜を得る。
【解決手段】 離型性基材上にフッ素系樹脂の有機溶剤溶液を塗布し乾燥して形成したフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層に、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液を塗布して第二皮膜層を形成した後、加熱架橋することで、耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性、被接着体への追随性にすぐれたラベリング材用のキャスティング皮膜が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】 離型性基材上にフッ素系樹脂の有機溶剤溶液を塗布し乾燥して形成したフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層に、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液を塗布して第二皮膜層を形成した後、加熱架橋することで、耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性、被接着体への追随性にすぐれたラベリング材用のキャスティング皮膜が得られる。
【選択図】なし
Description
この発明は、皮膜にした際の被接着体への追随性、耐チッピング性さらに耐汚染性、耐酸性雨性にすぐれるなど耐久性を有するラベリング材用キャスティング皮膜に係り、特に使用条件が非常に過酷な車輌や、道路標識、看板等の屋外用途に供しても、充分な耐久性を持続できる架橋化されたキャスティング皮膜に関するものである。
従来、自動車用のトップコート層には、外観性にすぐれ、コスト面でも優位であるとの理由からアクリル樹脂およびメラミン樹脂から構成された塗料が使用されてきた。しかし、近年酸性雨が社会問題となり、上記したアクリルメラミン系塗料を使用した焼き付け塗料では耐酸性に劣るという問題があった。
また、上記のような問題を解決するために、アクリル樹脂のカルボキシル基とエポキシ基による硬化物とすることも提案されているが、アクリル樹脂を用いることから耐候性に問題を残している。
一方、従来から合成樹脂皮膜は道路標識、自動車、ステッカー、屋外看板等のラベリング材用皮膜として大量に使用されており、またこれらの用途において皮膜は、裏面に粘着剤や接着剤を塗布して基材に貼付するような形態で使用されている。
これらのラベリング材用皮膜に対して要求される性質は、用途によって多種多様であるが、いずれの場合も高度な耐久性は絶対に必要である。このほか自動車用においては、トップコートと同様に、耐ガソリン性、耐マシンオイル性、排気ガスや熱による耐変色性、耐アルコール性、耐酸性、耐磨耗性などが必要とされる。
一般にこれらのラベリング材用皮膜は、一旦皮膜とされた後にさらに粘着加工、意匠性を付与するためにラミネート加工、裁断等の後加工が施されるため、これらの後加工に対する良好な作業性も必要である。
この種のラベリング材用皮膜を得るための素材としては、ポリエステル、ポリオレフィンポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリアミド、アクリル共重合体、ポリウレタンなどがこれまでに検討され使用されているが、なかでも加工適性およびラベリング材用皮膜としての適用性にすぐれているという点から可塑化されたポリ塩化ビニルやその共重合体が最も多く使用されてきた。
一方、キャスティング法によるウレタン皮膜は、皮膜厚さがほぼ一定であり、しかも平滑で透明性や光沢にすぐれ、異物の混入やフィッシュアイなどがなく、かつ皮膜に方向性がないなどの利点を有し、その後の加工性、貼付けの適用性については、従来のポリ塩化ビニル皮膜とかわらず、非常にすぐれた基材としての性質を有している。
さらに、ウレタン皮膜は、耐擦傷等において、従来のウレタン以外の皮膜では与えられない良好な性質を有しており、本出願人はこれまでにラベリング材用皮膜としてウレタン樹脂を素材とする架橋キャスティング皮膜について提案した(特許文献1および2)。
特公昭60−43376号公報
特公昭60−43377号公報
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂皮膜も含めて、上記文献1、2に記載された配合物を用いて自動車外装用の着色フィルムを作成した場合、耐久性については支障はないものの、夏場の直射日光下を想定したとき、焼き付け塗料からなる着色層に比べて耐酸性雨性に劣ること、また透明なラベリング材用皮膜として被接着体に貼付した際に、耐汚染性に劣ってフィルムの外観を損ねること、などが指摘されている。
上記に指摘された問題点は、皮膜表面をポリウレタンポリ尿素樹脂層とすることでは解決できなかった。また、耐汚染性、耐酸性を改善するために、皮膜表面をフッ素系樹脂皮膜、あるいは架橋皮膜などの耐薬品性にすぐれる表皮層を第一層とした場合には、第二層目の樹脂皮膜を積層する段階で、耐薬品性に由来するスウェリング(亀甲現象)が発生して外観の低下を招くだけでなく、正常な皮膜の形成が不可能になるという問題もある。
この発明は、上記した種々の問題について鋭意検討を重ねた結果、皮膜表面として、まずフッ素系樹脂層を設け、かつその上に架橋型ウレタン樹脂層の積層を可能とし、なおかつ膜厚をコントロールすることで、それらの問題が解決し得ることを見出し、ラベリング材用皮膜として耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性にすぐれたキャスティング皮膜の提供を可能にしたものである。
請求項1に記載の発明は、離型性基材上にフッ素系樹脂の有機溶剤溶液(A)を塗布し乾燥して形成したフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層に、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)を塗布して第二皮膜層を形成し、加熱架橋によって得たキャスティング皮膜であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキャスティング皮膜において、フッ素系樹脂よりなる第一皮膜層の乾燥皮膜厚さが10〜50μmであることを特徴とし、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のキャスティング皮膜において、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)よりなる第二皮膜層の乾燥皮膜厚さが40〜400μmであることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のキャスティング皮膜において、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)において用いる有機溶剤が、第一皮膜層であるフッ素系樹脂層に対する貧溶剤であることを特徴とし、さらに 請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のキャスティング皮膜において、架橋剤がアミノ樹脂、ポリイソシアネートまたはブロックポリイソシアネートであることを特徴とする。
上記で得られるこの発明のキャスティング皮膜は、ラベリング材用として使用時に表面皮膜となる第一皮膜層を、フッ素系樹脂層としたことによって、耐汚染性、耐酸性雨性を良好とし、かつ架橋型ウレタン樹脂を使用し、なおかつその膜厚をコントロールすることでラベリング材に適した柔軟性を持たせて耐候性のよい皮膜を得ることができるのである。また、これは架橋型ウレタン樹脂溶液に用いる溶剤を、フッ素系樹脂層に対しては貧溶剤となる溶剤としたので、離型性基材への溶剤の突き抜けがなく、これによってスウェリングの発生を防止し、かつ層間剥離の発生もなく架橋型ウレタン樹脂溶液のフッ素系樹脂層上への積層を可能としたのである。
この発明のキャスティング皮膜は、フッ素系樹脂の有機溶剤溶液(A)を離型性基材上に塗布し乾燥してフッ素系樹脂からなる第一皮膜層を形成した後、この第一皮膜層の上に無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)よりなる皮膜を第二皮膜層として積層することによって得られるものであり、この皮膜は耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性を有し、かつ被接着体への追随性にすぐれており、自動車用、道路標識、屋外看板用など、使用条件が非常に過酷な屋外用途にも使用することができるのである。
この発明のキャスティング皮膜において、第一皮膜層を形成するフッ素系樹脂としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロクロロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの重合体、あるいはこれらとエチレン性不飽和二重結合を有する単量体との重合体が好ましく、それらは上記した重合体の単独あるいは2種以上のブレンド物として使用できる。また、それらは乳化重合、懸濁重合のいずれによるものでもよい。
上記フッ素系樹脂の有機溶剤溶液(A)は、上記重合体を例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等に代表されるケトン類、ジメチルホルムアミドに代表される窒素化合物類等の有機溶剤に溶解することで得られる。上記のフッ素系樹脂は、市販の各種ペレット、粉体、あるいは溶解品の中から適宜選択して使用できる。
第二皮膜層を形成するに使用する樹脂溶液の主成分である無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂は、まずポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等のジオール成分および必要に応じてブタンジオール等の低分子量ジオール成分にジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを加え、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、次いでこのプレポリマーを溶剤で希釈し、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンあるいはヒドラジン等を用いて鎖延長することで得ることができる。
次に、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液に混合するアクリル系樹脂溶液について述べると、これはヒドロキシル基、アミノ基等を有して架橋剤との反応が可能な単量体、
無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂との相溶性を良好ならしめる第4級アンモニウム塩構造を有する単量体および他の単量体を共重合することによって得られ、これらは懸濁重合によって得たアクリル系樹脂を有機溶剤に溶解したものでも、単量体から有機溶剤中で重合した溶液重合品であってもよい。
無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂との相溶性を良好ならしめる第4級アンモニウム塩構造を有する単量体および他の単量体を共重合することによって得られ、これらは懸濁重合によって得たアクリル系樹脂を有機溶剤に溶解したものでも、単量体から有機溶剤中で重合した溶液重合品であってもよい。
これらのアクリル系樹脂を無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂に配合するのは、皮膜形成時における重ね塗り性、得られたキャスティング皮膜の表面滑性、耐ブロッキング性などのほかにラベリング材としての皮膜が簡単に引き裂けることが必要な、いわゆる脆質性が求められる場合があり、アクリル系樹脂の種類と量を変えることにより、この脆質性をも付与するとともに、このアクリル系樹脂により無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂の弾力性を適度に抑えることができるなどのためである。また、暴露による表面粘着の発現を遅くする効果をも有しているのである。
上記のような効果を得るために用いるアクリル系樹脂の配合比率は、その樹脂固形分比で無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂100重量部に対して3〜80重量部(好ましくは5〜60重量部)がよく、この範囲外では上記の効果を得ることは難しい。
無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液に添加する架橋剤としては、アミノ樹脂、ポリイソシアネートまたはブロックポリイソシアネートが使用でき、アミノ樹脂としては、例えばトリアジン骨格を有するメラミン、グアナミン類をメチロール化、あるいはエーテル化縮合することによって得られるメラミン樹脂やグアナミン樹脂が用いられる。また、ポリイソシアネートとしては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ジイソシアネートの重合体、ビュレットタイプのポリイソシアネートあるいはジイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどとの付加重合体等の脂肪族イソシアネートが好ましい。また、ポットライフが問題となる場合には、これらのブロック化ポリイソシアネート類がよく、それらは何れも市販品を選択使用すればよい。芳香族ジイソシアネートは変色の点で好ましくない。
アミノ樹脂あるいはポリイソシアネートは、皮膜を架橋し耐薬品性を向上させ、耐久性、耐候性を付与する効果があり、樹脂固形分比で無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部(好ましくは1〜20重量部)用いるのが好ましい。これは、0.5重量部より少ないと、架橋密度が上がらず、また30重量部より多いと、得られた皮膜の弾力性が低下し、またラベリング材として被接着体への追随性に劣るためである。
上記において、架橋剤としてアミノ樹脂を用いる場合の架橋触媒としては、パラトルエンスルホン酸に代表される有機酸あるいはリン酸に代表される無機酸が好ましく、またポリイソシアネートの場合にはジブチル錫ジラウレートのような金属触媒、あるいはトリエチレンジアミンのようなアミン類を用いればよい。
第二皮膜層を形成する際に用いる無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤、架橋触媒等を配合して有機溶剤溶液(B)を調製するには、フッ素系樹脂層に対して貧溶剤となる有機溶剤を使用することが必要である。これは、フッ素系樹脂層の良溶剤を使用した場合、該フッ素系樹脂層の上に積層する段階で溶剤が離型性基材側へ突き抜けるため、スウェリング現象が発生して外観の低下を招くだけでなく、正常な皮膜の形成が不可能となるためである。ここで使用するフッ素系樹脂層に対して貧溶剤となる有機溶剤としては、n―ヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素系、エチルアルコール、イソプロピルアルコールのようなアルコール系の溶剤が挙げられる。
次に、この発明のキャスティング皮膜の製造法の一態様について説明すると、まず、フッ素系樹脂の有機溶剤溶液(A)を離型性基材上にドクターナイフ等にて塗布し、乾燥して第一皮膜層を形成する。その後、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤、架橋触媒等を配合した有機溶剤溶液(B)を上記の第一皮膜層上に同じくドクターナイフ等にて塗布積層して第二皮膜層を形成した後、加熱架橋することにより、キャスティング皮膜が得られるのである。
上記した製造法においては、キャスティング皮膜の特徴を発揮させるために、膜厚をコントロールすることが必要である。つまり、膜厚をコントロールすることで、ラベリング材に適した柔軟性を持ち、耐久性、耐汚染性、耐酸性雨性にすぐれたキャスティング皮膜を得ることができるのである。フッ素系樹脂で形成される第一皮膜層の膜厚は、その乾燥皮膜厚で10〜50μm(好ましくは15〜40μm)が適当である。特に、耐酸性雨性は、第一皮膜層のフッ素系樹脂層の皮膜厚に大きく左右され、10μmより薄いと充分な効果が得られない。また、50μmよりも厚いと、皮膜の弾力性を低下させ、柔軟性に劣り、ラベリング材として被接着体への追随性に劣るのである。
無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤、架橋触媒等を配合した有機溶剤溶液(B)を塗布して形成される第二皮膜層の膜厚は、その乾燥皮膜厚で40〜400μm(好ましくは50〜300μm)が適当である。この膜厚が40μmより薄いと、皮膜の弾力性を低下させ、ラミネート加工、裁断等の後加工に劣り、ラベリング材として被接着体への追随性に劣り、また、400μmより厚くなると、貼付け適性に劣るのである。
上記において、皮膜厚さが薄い場合は、一回塗りで可能であるが、150μm以上の皮膜の場合には重ね塗りを必要とすることもあるので、重ね塗り適性を有することが望ましい。また、皮膜を架橋温度に曝すと、黄変することがあり、これを避けるための樹脂の仕様が必要である。透明あるいは白色等の淡色系皮膜が要望される場合には、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂の製造時に鎖延長剤のうち少なくとも50モル%にヒドラジンあるいはヒドラジン誘導体を用いればよく、これで通常の加熱では変色しない樹脂を得ることができる。
この発明の耐久性、耐候性、耐汚染性、耐酸性雨性を有するキャスティング皮膜の製造は、皮膜に要求される硬さなどの性質に応じて必須成分である樹脂のほかに、この発明の目的を妨げない範囲において他のセルロース系樹脂、オレフィン系樹脂などの高分子樹脂を混合したり、これらのモノマーを加えて共重合あるいはグラフト重合することも可能である。また、紫外線吸収剤等の添加剤を加えたり、必要に応じて顔料を加えて着色皮膜とすることもできる。
以下、実施例によりこの発明を詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、部数はすべて重量部である。
コーティング溶液(F−1)の調製
フッ素系樹脂(フランス国、アトフィナ社製、KYNAR 301F)100部にジメチルホルムアミド(DMF)300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)を得た。
フッ素系樹脂(フランス国、アトフィナ社製、KYNAR 301F)100部にジメチルホルムアミド(DMF)300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)を得た。
コーティング溶液(U−1)の製造
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1600部、1,6−ヘキサンジオール23.6部に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)444部、トルエン886部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1600部、1,6−ヘキサンジオール23.6部に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)444部、トルエン886部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(2)次いで、上記(1)で得たプレポリマー溶液にトルエン3055部、イソプロピルアルコール(IPA)988部を加え、室温で攪拌しながら抱水ヒドラジン62.5部を少量ずつ加えて鎖延長させ、30℃における粘度が35000mPa・sになった時点でジエタノールアミンを加えて残余のイソシアネート基を封鎖し、30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。
(3)次に、上記(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対してアクリル系樹脂(セイコー化成社製、BAC−10)20部、メラミン樹脂(三井東圧化学社製、スミテックスMC)3.75部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.003部を加え、均一に攪拌混合してコーティング溶液(U−1)を得た。
離型紙上に、上記で得たコーティング溶液(F−1)を用いてその乾燥皮膜厚が40μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱してフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層を形成した。次いで、この第一皮膜層上にコーティング溶液(U−1)を乾燥皮膜厚が150μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布積層して第二皮膜層を形成し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱架橋させてキャスティング皮膜を得た。
なお、上記(3)で用いたアクリル系樹脂(BAC−10)は、メタクリル酸メチル279部、ヒドロキシエチルメタクリレート18部、ジエチルアミノエチルメタクリレート1.66部のモノマーをアゾビスイソブチロニトリル0.75部を触媒としてトルエン349部、IPA 349部の混合溶液中で溶液重合して得たものである。
コーティング溶液(F−2)の調製
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)100部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−2)を得た。
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)100部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−2)を得た。
コーティング溶液(U−2)の製造
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール600部、両末端に水酸基を有する平均分子量2000の3−メチルー1,5−ペンタンアジペート600部、1,6−ヘキサンジオール47.2部に、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)524部、トルエン759部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール600部、両末端に水酸基を有する平均分子量2000の3−メチルー1,5−ペンタンアジペート600部、1,6−ヘキサンジオール47.2部に、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)524部、トルエン759部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(2)次いで、上記(1)で得たプレポリマー溶液にトルエン2628部、IPA 850部を加え、室温で攪拌しながら抱水ヒドラジン62.5部を少量ずつ加えて鎖延長させ、30℃における粘度が26000mPa・sになった時点でジエタノールアミンを加えて残余のイソシアネート基を封鎖し、30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。
(3)次に、上記(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)15部、ブロックイソシアネート(ドイツ国、ヒュルス社製、VESTANAT B−1370)5.0部、ジブチル錫ジラウレート0.003部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−2)を得た。
離型紙上に、上記で得たコーティング溶液(F−2)を用いてその乾燥皮膜厚が12μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱してフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層を形成した。次いで、この第一皮膜層上にコーティング溶液(U−2)を乾燥皮膜厚が60μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布積層して第二皮膜層を形成し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱架橋させてキャスティング皮膜を得た。
コーティング溶液(F−3)の調製
フッ素系樹脂溶液(旭硝子社製、ルミフロンLF−100)100部にブロックイソシアネート(VESTANAT B−1370)1.67部、ジブチル錫ジラウレート0.005部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(F−3)を得た。
フッ素系樹脂溶液(旭硝子社製、ルミフロンLF−100)100部にブロックイソシアネート(VESTANAT B−1370)1.67部、ジブチル錫ジラウレート0.005部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(F−3)を得た。
コーティング溶液(U−3)の製造
実施例1の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)5.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)1.88部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.0015部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−3)を得た。
実施例1の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)5.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)1.88部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.0015部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−3)を得た。
離型紙上に、上記で得たコーティング溶液(F−3)を用いてその乾燥皮膜厚が20μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱してフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層を形成した。その後、この第一皮膜層上にコーティング溶液(U−3)を乾燥皮膜厚が360μmとなるように、120μmずつ3回繰り返してドクターナイフコータにて塗布積層して第二皮膜層を形成し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱架橋させてキャスティング皮膜を得た。
比較例1
実施例1におけるフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)を用いた第一皮膜層を省略したほかは、実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
実施例1におけるフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)を用いた第一皮膜層を省略したほかは、実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
比較例2
実施例1のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)および実施例2のウレタン樹脂コーティング溶液(U−2)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ60μmおよび30μmとした以外は実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
実施例1のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)および実施例2のウレタン樹脂コーティング溶液(U−2)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ60μmおよび30μmとした以外は実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
比較例3
実施例3で得たフッ素系樹脂コーティング溶液(F−3)および実施例1で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−1)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ7μmおよび420μmとした以外は実施例3と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
実施例3で得たフッ素系樹脂コーティング溶液(F−3)および実施例1で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−1)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ7μmおよび420μmとした以外は実施例3と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
比較例4
コーティング溶液(U−4)の製造
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1600部、1,6−ヘキサンジオール23.6部に、IPDI 444部、DMF886部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
コーティング溶液(U−4)の製造
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1600部、1,6−ヘキサンジオール23.6部に、IPDI 444部、DMF886部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(2)次いで、上記(1)で得たプレポリマー溶液にDMF2070部、トルエン1479部、メチルエチルケトン(MEK)494部を加え、室温で攪拌しながら抱水ヒドラジン62.5部を少量ずつ加えて鎖延長させ、30℃における粘度が31000mPa・sになった時点でジエタノールアミンを加えて残余のイソシアネート基を封鎖し、30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。
(3)次に、上記(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)20部、メラミン樹脂(スミテックスMC)3.75部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.003部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−4)を得た。
実施例1のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)および上記で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−4)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ15μmおよび80μmとした以外は実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
コーティング溶液(F−4)の調製
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)95部、フッ素系樹脂(ダイキン社製、ネオフロンAP201)5部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−4)を得た。
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)95部、フッ素系樹脂(ダイキン社製、ネオフロンAP201)5部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−4)を得た。
コーティング溶液(U−5)の製造
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1200部、1,6−ヘキサンジオール47.2部に、H12MDI 524部、トルエン759部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(1)両末端に水酸基を有する平均分子量2000のポリカーボネートジオール1200部、1,6−ヘキサンジオール47.2部に、H12MDI 524部、トルエン759部を加え、110℃で約3時間加熱してプレポリマー溶液を得た。
(2)次いで、上記(1)で得たプレポリマー溶液にトルエン2746部、IPA 878部を加え、室温で攪拌しながらイソホロンジアミン(IPDA)85部を少量ずつ加え、さらに抱水ヒドラジン31.3部を少量ずつ加えて鎖延長させ、30℃における粘度が30000mPa・sになった時点でジエタノールアミンを加えて残余のイソシアネート基を封鎖し、30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。
(3)次に、上記(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)30部、メラミン樹脂(スミテックスMC)0.75部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.0006部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−5)を得た。
離型紙上に、上記で得たコーティング溶液(F−4)を用いてその乾燥皮膜厚が20μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱してフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層を形成した。次いで、この第一皮膜層上にコーティング溶液(U−5)を乾燥皮膜厚が100μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布積層して第二皮膜層を形成し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱架橋させてキャスティング皮膜を得た。
コーティング溶液(F−5)の調製
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR 301F)60部、フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)40部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−5)を得た。
フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR 301F)60部、フッ素系樹脂(アトフィナ社製、KYNAR FLEX 2850)40部にDMF300部を加えて溶解し、25%濃度のフッ素系樹脂コーティング溶液(F−5)を得た。
コーティング溶液(U−6)の製造
実施例2の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)10.0部、ブロックイソシアネート(VESTANAT B−1370)10.0部、ジブチル錫ジラウレート0.003部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−6)を得た。
実施例2の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)10.0部、ブロックイソシアネート(VESTANAT B−1370)10.0部、ジブチル錫ジラウレート0.003部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−6)を得た。
離型紙上に、上記で得たコーティング溶液(F−5)を用いてその乾燥皮膜厚が30μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱してフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層を形成した。次いで、この第一皮膜層上にコーティング溶液(U−6)を乾燥皮膜厚が70μmとなるようにドクターナイフコータにて塗布積層して第二皮膜層を形成し、80℃で3分間予備乾燥した後、145℃で10分間加熱架橋させてキャスティング皮膜を得た。
コーティング溶液(U−7)の製造
実施例4の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)50.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)9.38部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.006部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−7)を得た。
実施例4の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)50.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)9.38部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.006部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−7)を得た。
実施例1で得たフッ素系樹脂コーティング溶液(F−1)および上記で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−7)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ15μmおよび150μmとした以外は実施例1と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
比較例5
コーティング溶液(U−8)の製造
実施例2の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)20.0部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−8)を得た。
コーティング溶液(U−8)の製造
実施例2の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)20.0部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−8)を得た。
実施例4で得たフッ素系樹脂コーティング溶液(F−4)および上記で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−8)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ15μmおよび120μmとした以外は実施例4と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
比較例6
コーティング溶液(U−9)の製造
実施例4の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)50.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)13.1部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.012部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−9)を得た。
コーティング溶液(U−9)の製造
実施例4の(2)で得た30%濃度の無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液100部に対して、アクリル系樹脂(BAC−10)50.0部、メラミン樹脂(スミテックスMC)13.1部、パラトルエンスルホン酸の10%トルエン溶液0.012部を加えて均一に攪拌混合し、コーティング溶液(U−9)を得た。
実施例5で得たフッ素系樹脂コーティング溶液(F−5)および上記で得たウレタン樹脂コーティング溶液(U−9)を使用し、乾燥皮膜厚をそれぞれ30μmおよび100μmとした以外は実施例5と同様にしてキャスティング皮膜を得た。
上記した実施例1〜6および比較例1〜6で得られた各キャスティング皮膜の構成と各皮膜の膜厚の対比を表1に示した。また、各キャスティング皮膜についてテストした、面ブロッキング性、耐候性、耐薬品性など種々の性能テスト結果を表2に示した。なお、現時点でラベリング材用皮膜として市販されている可塑化ポリ塩化ビニル樹脂よりなる皮膜についても比較例7として同様のテストを行った。
表2に示す性能テストの種類およびテスト方法、評価は次の通りである。
(1)第二皮膜層塗装時のスウェリング:第二皮膜層を積層した際のスウェリング発生の程度を、○:発生なし、△:若干発生、×:著しく発生、として評価した。
(2)皮膜の面ブロッキング性:離型紙上に塗布乾燥して得た皮膜の表面同士を6×6cmの大きさで重ね合わせ、80℃の恒温器中で3kgfの荷重を加えて24時間静止した後の皮膜表面同士の剥離程度について、5:容易に剥がれる、4:剥がれる、3:皮膜の破壊はないが、剥離しにくい、2:剥離時に皮膜が部分的に破壊される、1:皮膜が破壊して剥離不能、の5段階で評価した。
(3.1)皮膜の耐候性試験後の光沢変化:JIS K 7350−4に準拠したサンシャインカーボンアーク灯式耐候試験機(スガ試験機社製、WEL−SUN−HCH−B型)を用い、装置内温度を63±3℃および水噴霧サイクルを噴霧12分、停止48分に設定し、2000時間後の皮膜表面の光沢変化を未試験皮膜と対比させて、
◎:全く変化なし、○:殆ど変化なし、△:差が判定できる程度の変化あり、×:顕著な変化あり、のように評価した。
◎:全く変化なし、○:殆ど変化なし、△:差が判定できる程度の変化あり、×:顕著な変化あり、のように評価した。
(3.2)皮膜の耐候性試験後の粘着変化:上記(3.1)に使用したのと同じサンシャインカーボンアーク灯式耐候試験機を用い、装置内温度を63±3℃および水噴霧サイクルを噴霧12分、停止48分に設定し、2000時間後の皮膜表面の粘着変化を未試験皮膜と対比させて、上記(3.1)と同じ4段階の評価を行った。
(4)皮膜に粘着加工した後のラベル適性:長さ10cm、幅3cmの大きさの皮膜上に厚さが20μmの粘着剤シートをラミネートし、ステンレス製の直径10cmの円筒曲面上に、長さ方向が曲面上に載るように貼り付け、その追従性からラベル適性を、
○:全く問題なくラミネート可、△:端部から1cm以内の剥離あり、×:端部から1cmより大きい剥離あり、で評価した。
○:全く問題なくラミネート可、△:端部から1cm以内の剥離あり、×:端部から1cmより大きい剥離あり、で評価した。
(5.1)耐薬品性(ガソリン):皮膜を25℃のガソリン中に浸漬して24時間後の状態を、◎:全く変化なし、○:殆ど変化なし、△:膨潤大、×:溶解、で評価した。
(5.2)耐薬品性(エタノール):皮膜を25℃のエタノール中に浸漬して24時間後の状態を(5.1)の場合と同じように評価した。
(6)皮膜の耐酸性:10重量%の硫酸および10重量%の硝酸の1/1混合水溶液0.3mlを皮膜表面にスポットし、70℃で1時間加熱する。その後水洗し、皮膜表面の状態を目視にて、◎:変化なし、○:殆ど変化なし、△:目立つ程度の変化あり、×:顕著な変化あり、のように評価した。
(7)皮膜の耐汚染性:下記からなる汚染剤をポリ容器に入れ、その中に各試験片(3cm×2.5cm)をすべて浸し、80℃で30分放置してから50回振とうする。その後、試験皮膜片を取り出し、水洗してから試験皮膜表面の汚れの程度を目視にて、
◎:汚染なし、○:殆ど汚染なし、△:目立つ程度の汚染あり、×:著しい汚染あり、のように評価した。
◎:汚染なし、○:殆ど汚染なし、△:目立つ程度の汚染あり、×:著しい汚染あり、のように評価した。
汚染剤の配合
畑土 38.0重量%(乾燥後80メッシュ通過品)
カオリン 17.0重量%(市販試薬)
セメント 17.0重量%(市販品)
ホワイトカーボン 17.0重量%(市販品)
カーボンブラック 1.75重量%(市販試薬)
酸化第二鉄 0.50重量%(市販試薬一級)
鉱物油 8.75重量%(市販試薬、ジオキシフタレート)
畑土 38.0重量%(乾燥後80メッシュ通過品)
カオリン 17.0重量%(市販試薬)
セメント 17.0重量%(市販品)
ホワイトカーボン 17.0重量%(市販品)
カーボンブラック 1.75重量%(市販試薬)
酸化第二鉄 0.50重量%(市販試薬一級)
鉱物油 8.75重量%(市販試薬、ジオキシフタレート)
上記表2から、この発明で得られたキャスティング皮膜は、何れも耐酸性が良好であり、耐汚染性にすぐれ、耐候性試験後の光沢や、粘着性変化も認められなかった。また、ガソリンやエタノール等の耐薬品性においても良好な結果を示した。これに対して、フッ素系樹脂層を設けていない比較例1や、この発明の範囲外の乾燥皮膜厚を有する比較例2および3の皮膜、ウレタン樹脂コーティング溶液にフッ素系樹脂層の貧溶剤を使用していない比較例4の皮膜、架橋剤を添加していないコーティング溶液よりなる比較例5の皮膜、さらに、架橋剤をこの発明で規定する量以上に添加したコーティング溶液よりなる比較例6の皮膜など、比較例1〜6の皮膜および市販の可塑化ポリ塩化ビニル皮膜(比較例7)は、何れも物性テストにおいて、幾つかの項目で欠陥が認められた。
Claims (5)
- 離型性基材上にフッ素系樹脂の有機溶剤溶液(A)を塗布し乾燥して形成したフッ素系樹脂よりなる第一皮膜層に、無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)を塗布して第二皮膜層を形成し、加熱架橋によって得たことを特徴とするキャスティング皮膜。
- フッ素系樹脂よりなる第一皮膜層の乾燥皮膜厚さが10〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載のキャスティング皮膜。
- 無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)よりなる第二皮膜層の乾燥皮膜厚さが40〜400μmであることを特徴とする請求項1に記載のキャスティング皮膜。
- 無黄変性ポリウレタンポリ尿素樹脂、アクリル系樹脂、架橋剤および架橋触媒を配合した有機溶剤溶液(B)において用いる有機溶剤が、第一皮膜層であるフッ素樹脂層に対する貧溶剤であることを特徴とする請求項1に記載のキャスティング皮膜。
- 架橋剤がアミノ樹脂、ポリイソシアネートまたはブロックポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載のキャスティング皮膜。
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JP2010065220A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Rohm & Haas Co | ウレタンアクリル系ブレンド |
JP2018039169A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | セイコー化成株式会社 | ポリウレタン樹脂皮膜及びその製造方法 |
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-
2003
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