JP2005081366A - ノズル充填材 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融金属容器のスライディングノズル等のノズル孔内に充填され、珪砂とクロム鉱を配合してなるノズル充填材において、比重の大きなクロム鉱が比重の小さな珪砂を押し退ける、押し退け効果をクロム鉱と珪砂の粒径差を利用して制御し、もって焼結のばらつきをなくしてノズル孔の自然開孔率を高める。
【解決手段】Cr2O3を40〜55重量%含有するクロム鉱50〜70重量%と、SiO2を95重量%以上含有する珪砂30〜50重量%の混合物からなり、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSが30〜40で、クロム鉱の粒度指数AFS/珪砂のAFSが0.90〜0.92とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、取鍋、タンディッシュ等の溶融金属容器に設置されるスライディングノズルやロータリーノズル(以下、単に「スライディングノズル等」という)のノズル孔内に充填され、溶融金属(以下、「溶湯又は溶鋼」という)がノズル孔内に侵入するのを防止してノズルの高い自然開孔率を達成することができるノズル充填材に関するものである。
取鍋、タンディッシュ等の溶湯容器に設置されるスライディングノズル等は一般に、図1に示ように、升レンガ1、上部ノズル2、固定盤3、上プレート4、油圧シリンダーや電動モータを駆動源として往復動(例えば図の左右方向に移動)して開閉操作される摺動盤(図示省略)に装着される下プレート5、下部ノズル6等から構成され、下プレート5の
移動によりノズル孔7の開口面積を変化させて溶湯の流出量の制御及び停止を行う機能を有している。図中、8はノズル充填材を示す。
こうしたスライディングノズル等を備えた取鍋、タンディッシュ等の溶湯容器に溶湯を受けたとき、升レンガ1、上部ノズル2、上プレート4などは溶湯の凝固が起きる程の低温であるため、これらと接触する溶湯が凝固し、ノズルを開いても出湯できなくなることが多い。この問題を解決するために、溶湯容器では従来からノズル孔内にSiO2を主成分とする硅砂とアルカリ金属酸化物を主成分とする長石を混合した充填砂を充填することが行われてきたが、製鋼工程の場合、近年の品質レベル向上の要請により、RH脱ガス法、アークプロセス、VOD脱炭法等による溶鋼の二次精錬の比重が高まって、溶鋼の容器内保持時間が延長され、溶鋼温度の上昇が余儀なくされた結果、充填された硅砂が熱膨張してノズル孔内で充填材が棚吊り状態となったり、高温により充填材の焼結層の厚みが増加して強度が高まったりし、また充填材に浸透した溶鋼が冷却されて凝固し、ノズルを開いても充填材がノズル孔内に詰まった状態となって開口しなくなることが多々見られ、開口のために酸素溶解という危険な作業が必要となり、労働災害防止の観点から、また良塊歩留まりの低下や連続鋳造ができない、といった操業上の問題が生じていた。この問題に対し、珪砂にクロム鉱石を配合して対応する試みがなされている。すなわち下記特許文献1には、クロム鉱とSiOを主成分とする珪砂をクロム鉱60重量%以上の割合で混合したもの、特許文献2には、500〜1000μmの粒度分布を含むクロマイト砂を70〜90重量%、200〜500μmの粒度分布を含む珪砂を10〜30重量%の割合で混合したものが提案されている。
ノズル充填材は一般に充填装置のホッパーに貯留され、所要時に一定量切り出されるが、珪砂とクロム鉱は比重差と粒径差によりホッパー内で偏折を生じ、このため充填ごとに焼結性がばらつくため高い自然開孔率を達成できない難点がある。こうした問題はクロマイト砂の中心粒径を500〜600μmに設定した場合においても同様に生じ、溶融金属が粒子間に浸透して高い自然開孔率を得ることができなかった。実際に粒度指数AFSが47.5のクロム鉱50重量%、AFSが27.5の珪砂50重量%を配合した充填材(AFS比:クロム鉱/珪砂が1.73)を用い、これを偏折防止対策のため格子を設置した自動充填装置のホッパーに1トン入れ、チャージごとにホッパーより32kgずつ切り出して連続操業を行ったところ、不開孔が多発した。この原因究明のためホッパーから切り出されたサンプルを調査したところ、クロム鉱と珪砂の配合バランスが崩れ、クロム鉱と珪砂の最大のばらつきは、クロム鉱が65重量%もあって、偏折が15重量%にも達していた。この影響でノズル充填材の焼結層が厚くなり、高強度が発現したことで不開孔となったものである。
ここで、上述の粒度指数AFSはΣ(Wn×粒度係数)/100であり、Wn は各篩い面上の砂の重量で、JISの鋳物砂の粒度試験方法(z−2601)に準じて測定したものである。また粒度係数は、下記表1に拠った。
Figure 2005081366
ここでPanは篩い寸法53μmの篩い面を通過した砂を表す。
特開平7−308763号 特許第3056260号
クロム鉱の比重は珪砂の約2倍であり、一般の偏析防止対策を講じたホッパーであってもクロム鉱と珪砂の比重差による分離を抑制することは困難である。
比重の異なった物質を混合した混合物では一般に振動場等で比重の大きな物質が比重の小さな物質を押し退ける押し退け効果が見られるが、本発明は、こうした押し退け効果をクロム鉱と珪砂の粒径差を利用して制御しようとするものである。
すなわち本発明は、溶融金属容器のスライディングノズル等のノズル孔内に充填され、珪砂とクロム鉱を配合してなるノズル充填材において、クロム鉱と珪砂に粒径差を設けて偏折を制御し、もって焼結のばらつきをなくしてノズル孔の自然開孔率を高めようとするものである。
請求項1に係る発明は、CrOを40〜55重量%含有するクロム鉱と、SiOを95重量%以上含有する珪砂の混合物からなり、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSがそれぞれ30〜40であり、クロム鉱の粒度指数AFS/珪砂の粒度指数AFSが0.81〜0.99であることを特徴とする。
ここで粒度指数AFSは上述する方法によって求められ、値が小さい程粒径が大きいことを示している。
粒径の異なった同一物質を混合した混合物では一般に、振動場等で小粒径が大粒径の粒子間に浸透する浸透効果が見られるが、比重差による押し退け効果と組み合わせ、比重の大なるクロム鉱を大粒子、比重の小さな珪砂を小粒子とすることで、それぞれの効果を相殺することができる。
本発明において、CrOを40〜55重量%としたのは、CrOが40重料%未満では、融点、熱膨張率、比重等クロム鉱砂による所望の作用が低減するためである。またCrOの最大値を55重量%としたのは、クロム鉱としてクロマイト鉱石(FeO・CrO)、ビクロ
クロマイト鉱石(MgO・CrO)及びこれらの混合物として天然に産出される鉱石を使用するため、これら鉱石のCrO含有量が最大で55重量%程度であることによる。
また、珪砂中のSiO2含有量を95重量%以上としたのは、含有量が95重量%未満では、珪砂中に含まれる不純物成分(アルカリ成分等)により、その耐火度が著しく低下し、溶鋼熱により過焼結となって取鍋内の溶鋼ヘッド圧によっても破れず不開孔となる傾向が強いためである。
本発明において、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSを30〜40としたのは、AFSが40を超える原料を使用した場合、ノズル充填材の粒度構成が微粒傾向となるため、ノズル充填材の焼結強度が高くなり、近年の溶鋼精錬工程が長時間にわたり、溶鋼温度が上昇している製鋼条件では不向きであるためである。またAFSが30未満の原料を使用した場合、ノズル充填材の粒度構成が粗粒傾向となるため、ノズル充填材の焼結状態が脆くなり、RH脱ガス処理、VOD脱炭処理、AOD脱炭処理などの取鍋二次精錬において溶鋼の攪拌流によりノズル充填材の焼結層が損害を受けるなどの危険を伴い、また粗粒傾向であることにより溶鋼金属がノズル充填材の粒子間に浸透し、時間経過と共に、ノズル孔内で冷却されて凝固し、不開孔を生じる危険性がある。
クロム鉱と珪砂の粒度指数のAFSの比を0.81〜0.99としたのは、粒度指数AFSの比が0.8以下になると、クロム鉱粒子間に珪砂粒子が浸透するためばらつきが大きくなり、1.0を超えると、クロム鉱粒子の押し退け効果と粒子間浸透効果が増幅されてばらつき幅が大きくなる傾向があり、好ましくないためである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明におけるクロム鉱の粒度指数AFS/珪砂の粒度指数AFSが0.90〜0.92であることを特徴とする。
本発明によると、クロム鉱含有率のばらつき幅が最小となる。
請求項3にかかわる発明は、請求項1または2に係る発明におけるクロム鉱と珪砂の配合比がクロム鉱50〜70重量%、珪砂30〜50重量%であることを特徴とする。
本発明において、クロム鉱と珪砂の配合比をクロム鉱50〜70重量%、珪砂30〜50重量%としたのは、使用原料の粒度指数AFSを30〜40とした場合、クロム鉱の配合率が50重量%未満、珪砂の配合率が50重量%を超えると、高温の溶融金属と接触する珪砂の主成分であるシリカがクォーツ、トリジマイト、クリストバライトへと変態して熱膨張が大きくなり、ノズル孔内でノズル充填材自体の棚吊り現象が生じ、落下性すなわち流動性が乏しくなり、不開孔が生じる可能性が高くなる。したがってクロム鉱の配合率は50重量%以上、珪砂の配合率は50重量%以下であることが望ましい。
一方、クロム鉱石は、4つのスピネル型構造の端成分であるMgO・Al2O3、MgO・Cr2O3、FeO・Cr2O3、FeO・Al2O3の複合酸化物固溶体よりなり、最も低融点であるFeO・Al2O3が溶融金属と接触して溶融することにより焼結を生ずる。したがってクロム鉱の配合率が70重量%を超え、珪砂の配合率が30重量%未満となった場合にFeO・Al2O3の溶融による焼結がノズル充填材の粒子間に多く見られ、高温かつ長時間の精錬条件では強固な焼結層を形成し、不開孔が生じる可能性が高くなる。よってクロム鉱が50〜70重量%、珪砂が30〜50重量%の配合が有効である。
本発明のノズル充填材によると、クロム鉱と珪砂の粒度指数を40以下とすることにより、焼結層の強固化が抑制され、30以上とすることにより、溶融金属の浸透凝固が抑制される。またクロム鉱と珪砂の粒度指数の比を0.81〜0.99、好ましくは0.90〜0.92とすることによりチャージごとの偏析が生じにくくなって過焼結が抑制され、熱膨張による棚吊りが生じにくくなると共に、溶鋼が浸透しにくくなり、これらに基づいて自然開孔率を高水準に維持することができる。
本発明に係るノズル充填材は、クロム鉱と珪砂の混合物であり、クロム鉱はCr2O3を40〜55重量%、珪砂はSiO2を95重量%以上含有する。そしてクロム鉱の配合率は50〜70重量%、珪砂の配合率は30〜50重量%で、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSはいずれも30〜40であり、粒度指数AFSの比はクロム鉱/珪砂が0.90〜0.92とされる。
ここでクロム鉱/珪砂のAFS比を0.90〜0.92としたのは、次のような実験結果によるものである。
先ず、以下の表2に示す原料を用い、クロム鉱A〜Fのうちのひとつと、珪砂a〜fのうちの一つを組み合わせて充分に混合した。混合比率はクロム鉱50重量%、60重量%、70重量%に対し、珪砂をそれぞれ50重量%、40重量%、30重量%とした。次にこれらの混合物を容積1000ml、テ−パ角60°の逆三角形をなすガラス容器に1000g充填し、50gずつ排出して、その排出を連続して20回行った。そして各排出ごとに排出した混合物である排出サンプルの真比重をミラージュ社製の電子比重計ED―120Tで測定し、これよりクロム鉱配合率(重量%)の検量線を作成した。下記式1はこの検量式を示すもので、この検量式に基づいて各サンプルのクロム鉱含有率を算出した。そして20回の排出サンプルのなかから、クロム鉱含有率が最大のものと最小のものを求め、その差であるばらつき幅を算出した。結果を以下の表3〜5に示す。
Figure 2005081366
Figure 2005081366
Figure 2005081366
Figure 2005081366
Figure 2005081366
クロム鉱50重量%、珪砂50重量%を混合した混合品を示す表3において、ノズル充填材の設計性能を損なわないクロム鉱含有率のばらつき幅が3重量%以下となる組み合わせは、クロム鉱A・珪砂b、クロム鉱B・珪砂c、クロム鉱C・珪砂d、クロム鉱D・珪砂e、クロム鉱E・珪砂fの組み合わせであった。この組み合わせからクロム鉱と珪砂の粒度係数の比AFSを算出した結果を以下の表6に示す。
Figure 2005081366
表4は、クロム鉱60重量%と珪砂40重量%の混合品、表5はクロム鉱70重量%と珪砂30重量%の混合品であるが、いずれも表3と同様、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSの比が0.90〜0.92の組み合わせでクロム鉱含有率のばらつき幅が最小となった。
実施例1
溶融容器として極低炭素鋼SULC、低炭素鋼LC、中炭素鋼MCを製造する180トン転炉を用い、RH真空脱ガス処理を行った。転炉での平均溶鋼滞留時間は70分で、使用されるノズル充填材は、表7に示す粒度構成を有する、粒度指数AFSが31.0のクロム鉱50重量%、AFSが37.7の珪砂50重量%の混合品であり、クロム鉱と珪砂のAFS比は、クロム鉱AFS/珪砂AFSが0.82で、一回のチャージ当り、この充填材を35kg使用した。自動充填装置のホッパーは図2に示すように、内径1500mmφ、高さ900mmの円柱状タンク部11にテーパ角35°、高さ455mmの円錐状ホッパー部12を設け、タンク内部に偏析防止対策として100mm×100mm×500mmの角状筒13を128本設置し、切り出し口にロータリーバルブ14を設けてなるもので、ロータリーバルブ14の稼動時間を制御することによりノズル充填材の切り出しを調整するようになっている。このホッパー15には、ノズル充填材を1.5トン貯留し、残量が0.5トンになると、1トンを補充する操業を行った。そして一回ごとに使用されるノズル充填材のサンプルを100サンプル採取し、ノズル充填材中のクロム鉱含有ばらつきをクロム鉱最大含有率−最小含有率で算出したところ、6.21重量%で、AFS比による偏析抑制効果が確認された。またノズル充填材の焼結強度はノズル充填材を構成するクロム鉱と珪砂の粒度指数AFSが30〜40の範囲内にあって適度な焼結層が得られ、1000チャージ当りの自然開孔率は100%に達した。
実施例2
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが33.5のクロム鉱60重量%、AFSが37.7の珪砂40重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが0.89の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱ばらつきを求めたところ、クロム鉱ばらつきは5.96重量%で、AFS比による偏析抑制効果が確認された。またクロム鉱と珪砂の粒度指数AFSは30〜40の範囲内にあって、適度な焼結層が得られ、1000チャージ当りの自然開孔率は100%となった。
実施例3
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが31.0のクロム鉱70重量%、AFSが32.0の珪砂30重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが0.97の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱ばらつきは6.32重量%で、AFS比による偏析抑制充効果が確認された。またクロム鉱と珪砂の粒度指数AFSは30〜40の範囲内にあって、適度な焼結層が得られ、1000チャージ当りの自然開孔率は100%となった。
比較例1
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが42.6のクロム鉱30重量%、AFSが29.9の珪砂70重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが1.42の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱ばらつきは12.64重量%となり、偏析が顕著となった。このノズル充填材は、作業者の手作業によって充填するときには100チャージ当りの自然開孔率99.8%であったが、自動充填装置を導入後は、99.2%と大きく低下し。珪砂配合量が多く熱膨張性が高いことなどから充分な自然開孔率が得られなかった。
比較例2
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが47.5のクロム鉱50重量%、AFSが27.5の珪砂50重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが1.73の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱のばらつきは15.15重量%と偏析が顕著となった。この充填材は、自動充填装置の導入前では、クロム鉱のAFSが40を超える微粒で、ノズル充填材の焼結強度が高いにもかかわらず、1000チャージ当りの自然開孔率は99.9%であったが、自動充填装置の導入後は、自然開孔率が99.1%と大きく低下し、充分な自然開孔率が得られなかった。
比較例3
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが42.6のクロム鉱60重量%、AFSが32.0の珪砂40重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが1.33の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱のばらつきは8.86重量%であった。この充填材は自動充填装置の導入前ではクロム鉱のAFSが40を超える微粒で、ノズル充填時の焼結強度が高いにもかかわらず、1000チャージあたりの自然開孔率は99.9%であったが、自動充填装置導入後は、自然開孔率が99.3%と大きく低下し、充分な自然開孔率が得られなかった。
比較例4
ノズル充填材として表7に示す粒度構成を有する、AFSが42.6のクロム鉱60重量%、AFSが48.3の珪砂40重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが0.88の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱のばらつきは6.15重量%であり、AFS比による偏析抑制の効果が確認されたが、自動充填装置による自然開孔率は99.5%と低位安定となり、充分な自然開孔率が得られなかった。このノズル充填材はクロム鉱、珪砂ともにAFSが40を超えているため、ノズル充填材自体の粒度が微粒となり、ノズル充填材の焼結強度が高くなることが自然開孔率低下の要因となるものであった。
比較例5
ノズル充填材として表2に示す粒度構成を有するAFSが42.6のクロム鉱70重量%、AFSが32.0の珪砂30重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが1.33の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱のばらつきは9.15重量%であった。この充填材は、自動充填装置導入前では、クロム鉱のAFSが40を超える微粒のため、焼結強度が高いにもかかわらず、1000チャージ当たりの自然開孔率は99.9%であったが、自動充填装置導入後は1000チャージ当たりの自然開孔率は、99.2%と大きく低下し、充分な自然開孔率が得られなかった。
比較例6
ノズル充填材として表2に示す粒度構成を有するAFSが33.5のクロム鉱80重量%、AFSが37.7の珪砂20重量%の混合品よりなり、クロム鉱AFS/珪砂AFSが0.89の充填材を用い、それ以外は実施例1と同じ条件でクロム鉱のばらつきを求めたところ、クロム鉱のばらつきは5.88重量%であり、AFS比による偏析抑制効果が確認されたが、自動充填装置による自然開孔率は99.7%と低位安定となり、充分な自然開孔率が得られなかった。このノズル充填材は、クロム鉱の配合が80重量%と高く、クロム鉱中の4つのスピネル型端成分中で最も低融点のFeO・Al2O3の融点による焼結がノズル充填材の粒子内に多く見られるため、ノズル充填材の焼結強度が高くなったことが自然開孔率低下の要因となった。
以上の結果を以下の表8に示す。
Figure 2005081366
Figure 2005081366
本発明のノズル充填材は、溶鋼を入れる容器のみならず、溶融金属を入れる容器にも使用し、ノズル孔に充填することができる。またその充填は手作業で行う場合はもとより、自動充填装置を用いて行う場合でも高い自然開孔率を達成することができる。
溶融容器に設置されるスライディングノズルの断面図。 ノズル充填材を入れるホッパーの概略断面図。
符号の説明
1・・升レンガ
2・・上部ノズル
3・・固定盤
4・・上プレート
5・・下プレート
6・・下部ノズル
7・・ノズル孔
8・・ノズル充填材
11・・円柱状タンク部
12・・円錐状ホッパー部
13・・角状筒
14・・ロータリーバルブ
15・・ホッパー

Claims (3)

  1. 溶融金属容器のスライディングノズル等のノズル孔内に充填され、珪砂とクロム鉱を配合してなるノズル充填材であって、CrOを40〜55重量%含有するクロム鉱と、SiOを95重量%以上含有する珪砂の混合物からなり、クロム鉱と珪砂の粒度指数AFSがそれぞれ30〜40であり、クロム鉱の粒度指数AFS/珪砂の粒度指数AFSが0.81〜0.99であることを特徴とするノズル充填材。
  2. クロム鉱の粒度指数AFS/珪砂の粒度指数AFSが0.90〜0.92であることを特徴とする請求項1記載のノズル充填材。
  3. クロム鉱と珪砂の配合比がクロム鉱50〜70重量%、珪砂30〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のノズル充填材。
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