JP2005081201A - 浴水改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁トランス15cに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合でも、漏電ブレーカ15bの作動電流が入浴者Aの人体を通る危険性のない浴水改質装置を提供する。
【解決手段】 改質用電解装置10から浴槽3へ湯水を供給する給水路18・19・3a中に、接地された通水可能な導電体20を設けた。
これにより、絶縁トランス15cに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合でも、漏電ブレーカ15bの作動電流は改質用電解装置10から浴槽3までの給水路18・19・3a中に設けた通水可能な導電体20から地中へ放電されるため、例え浴槽3内に入浴者Aが居たとしても上記作動電流が入浴者Aの人体を通る危険性のない浴水改質装置とすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電極に電圧を印加して電気分解することで浴槽に供給する水を中性もしくはアルカリ性に改質する浴水改質装置に関するものであり、特に、電極が浴槽中の浴水と水で電気的に繋がる場合の入浴者の安全性確保に関するものである。
従来、電極に電圧を印加して電気分解することで浴槽に供給する水を中性もしくはアルカリ性に改質する浴水改質装置において、電極が浴槽中の浴水と水で電気的に繋がる場合、漏電ブレーカ+絶縁トランスにて入浴者の安全性を確保している。
しかしながら、上記従来の浴水改質装置では、図6に示すように絶縁トランス15cに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合、漏電ブレーカ15bの作動電流が短絡電流として水を伝わって流れ、浴槽3内の入浴者Aを通る危険性があるという問題点がある。ちなみに図6は、その従来の問題点を説明する浴水改質装置の模式図である。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、絶縁トランスに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合でも、漏電ブレーカの作動電流が入浴者の人体を通る危険性のない浴水改質装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項6に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、浴槽(3)へ供給する湯水を改質する改質用電解手段(10)を有し、改質用電解手段(10)内に配置された電極手段(12、13)と浴槽(3)内の浴水とが水で電気的に繋がることより改質用電解手段(10)の電源回路(15)には少なくとも漏電遮断手段(15b)と絶縁変圧手段(15c)とを設けた浴水改質装置において、改質用電解手段(10)から浴槽(3)へ湯水を供給する給水路(18、19、3a)中に、接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、絶縁変圧手段(15c)に絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合でも、漏電遮断手段(15b)の作動電流は改質用電解手段(10)から浴槽(3)までの給水路(18、19、3a)中に設けた通水可能な導電体(20)から地中へ放電されるため、例え浴槽(3)内に入浴者(A)が居たとしても上記作動電流が入浴者(A)の人体を通る危険性のない浴水改質装置とすることができる。
また、請求項2に記載の発明では、改質用電解手段(10)内に配置された電解槽(11)の吐水部(18)中に、接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、接地された通水可能な導電体(20)は、このように改質用電解手段(10)内に配置しても良い。
また、請求項3に記載の発明では、改質用電解手段(10)から浴槽(3)へ湯水を供給する給水配管(19)中に、接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、接地された通水可能な導電体(20)は、このように給水配管(19)中に配置しても良い。
また、請求項4に記載の発明では、改質用電解手段(10)からの湯水が流入する浴槽(3)の給水部(3a)に、接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、接地された通水可能な導電体(20)は、このように浴槽(3)側に配置しても良い。
また、請求項5に記載の発明では、通水可能な導電体(20)として、導電性メッシュを用いたことを特徴としている。導電性メッシュの具体例としては、金属性の金網の他にハニカム状の金属やパンチ穴付き金属板などであっても良い。この請求項5に記載の発明によれば、このような導電性メッシュを用いることで通水抵抗を上げることなくシールド効果を発揮させることができる。
また、請求項6に記載の発明では、通水可能な導電体(20)として、活性炭フィルタを用いたことを特徴としている。この請求項6に記載の発明によれば、活性炭は給水する水の塩素を除去する効果を有するうえ、フィルタ機能によって浄水効果を持たせることができる。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る浴水改質装置の全体構成を示す模式図である。また、図2の(a)は本発明の第1実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図であり、(b)は各部位における電位を表すグラフである。
本実施形態は、給湯器1から浴槽3へ湯水を供給する給水配管(給水路)19の途中に改質用電解装置(改質用電解手段)10を配置して、改質した湯水を浴槽3に供給する例である。給水配管19の途中に例えば三方弁2を設け、浴槽3への給水を改質する場合は給水路19をバイパス水路19b側から改質用電解装置10の吸水部17側に切り換えると共に、制御回路16から電解槽11内の第1・第2電極(電極手段)12・13に電圧を印加して通過する給水を電気分解してアルカリ性に改質し、浴槽3やシャワー4へ供給するものである。
改質用電解装置10は、商用電源から電力の供給を受けて直流電圧に変換して制御回路16から電解槽11に印加するように構成されている。そのために、商用電源に接続するためのコンセント15aと、その次に漏電を検出して電源を遮断するための漏電ブレーカ(漏電遮断手段)15bと、その次に電流回路を分断しておくための絶縁トランス(絶縁変圧手段)15cと、その次に絶縁トランス15cで変圧された交流電源を整流して制御回路16に流すための整流部15dとをもって電源回路15としている。
図3は、改質用電解装置10の電解槽11内での電気分解作用を説明する模式図である。電解槽11は、アルカリに強いプラスチックなどの材料で形成された容器であり、給水を電解槽11内に流通させるための吸水部17と、反対側に開口し改質されたアルカリ水を吐出する吐水部(給水路)18とが設けられた、電気分解を行うための容器である。尚、吐水部18内には、本発明の要部であり本実施形態での特徴として、接地された導電性メッシュ(通水可能な導電体)20を設けている。
具体的に導電性メッシュ20は、銅・ステンレス・導電性樹脂などの材質で作られた網であり、メッシュの大きさは細かいほどシールド効果があるが給水の圧損に影響しない範囲で決められ、本実施形態では線径φ0.5で□3mmのメッシュとしている。
電解槽11内には、対向して配置される第1・第2電極12・13と、この第1・第2電極12・13との間に配置される複数の中間電極14とが配置されている。尚、電解槽11内に配置される第1・第2電極12・13は、導電性金属である。例えば、Ti材にPtメッキかPtを焼成したものかのいずれかで、板状に形成されている。また、複数の中間電極14は、マグネシウムを多く含む材料で板状に形成され、電気絶縁性の図示しないスペーサを介して、各中間電極14が互いに所定間隔を設けて略平行に配置されるように第1・第2電極12・13間に積層されている。
そして、浴水を改質する時には、電解槽11の外部に配置した制御回路16から第1・第2電極12・13間に直流電圧が印加される。これは例えば、一方の第1電極12側に高電位電圧(例えば、DC24V)を印加して、もう一方の第2電極13側に低電位電圧(DC0V)を一定時間(例えば5分)印加させ、その後、第1電極12側に低電位電圧(DC0V)を印加して、第2電極13側に高電位電圧(例えば、DC24V)を一定時間(例えば5分)印加させるように交互に極性を切り換えるように制御している。
尚、電解性能は給水の水質等の条件によって変動するため、性能を安定させるために、第1・第2電極12・13に印加する電圧を制御回路16により制御させ、電解槽11内を流れる電流が一定に保つ機構を設けても良い。また、制御回路16は、図示しない操作パネルに接続され、操作パネルからの操作信号に基づいて制御を行う。
次に、上記構成による改質用電解装置10の作動について説明する。まず、アルカリ水に改質したい時には、図示しない操作パネルのアルカリ化スイッチを操作することで、制御回路16より電解槽11に給電される。これにより、第1・第2電極12・13に電圧が印加され、第1・第2電極12・13間の浴水が以下に示すように電気分解される。ちなみに、第1・第2電極12・13間に印加される電圧の極性は所定時間(例えば、5分)毎に切り換えられるが、説明の便宜上、一方の第1電極12が陽極、もう一方の第2電極13が陰極の状態を例に、電気分解による電解水生成の化学反応について説明する。
図3に示すように、第1・第2電極12・13に電圧が印加されると高電位側の電極からMg2+イオンが溶解し、下記化学反応式(1)によって示されるように、Mg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽11内の水がアルカリ性に改質される。
(化1) Mg2++2OH−→Mg(OH)2
また、一方の低電位側の電極では、水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起きている。この水素ガスH2は量が僅かであるため安全上問題なく、図示しない排気口から排出されるように構成している。尚、第1・第2電極12・13の極性が反転した時には、反応が逆転するが説明は省略する。また、高電位側の電極からMg2+イオンが溶解することにより、中間電極14の材料であるマグネシウムが消耗してしまう。
本実施形態では、高電位側と低電位側とを交互に切り換えて通電を行うことにより、中間電極14の両面が交互に溶解するため均等に消耗するように構成されている。そして、アルカリ水に改質された浴水が電解槽11の吐水部18から吐出されて給水路19に供給される。そして、アルカリ水の生成を停止させたい時には、図示しないアルカリ化スイッチを停止操作する。これにより、三方弁2が改質用電解装置10の吸水部17側からバイパス水路19b側へと切り換えられると共に、制御回路16は第1・第2電極12・13間への電圧印加を停止させる。
尚、上述の実施形態では、電解槽11内に配置した電極を、導電性金属からなる第1・第2電極12・13と複数枚のマグネシウムからなる中間電極14とで構成しているが、第1・第2電極12・13をマグネシウムの材料で形成して中間電極14を省略しても良いし、1枚以上の中間電極14を用いて両端の第1・第2電極12・13をPt/Tiのような導電性金属としても良い。また、中間電極14は配線されていても良いし、されていなくても良い。また、電極の形状は板状に限定されるものではなく、例えば丸棒状であっても良い。
次に本実施形態における特徴について述べる。まず、改質用電解装置10から浴槽3へ湯水を供給する給水路19中に、接地された通水可能な導電体20を設けている。これによる効果を、図2(b)の各部位における電位を表すグラフで説明する。通常は絶縁トランス15cによって1次側は商用電源の100V電位であるが、2次側は絶縁されており、0Vとなって入浴者Aの安全が確保されている。しかながら、絶縁トランス15cの1次側と2次側とに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合、漏電ブレーカ15bの作動電流が短絡電流として水を伝わって流れ、浴槽3内の入浴者Aの人体に100Vを印加してしまうという危険性があった。
しかしながら、改質用電解装置10から浴槽3へ湯水を供給する給水路19中に、接地された通水可能な導電体20を設けることにより、第1・第2電極12・13までの100V電位を、接地された通水可能な導電体20部分で約1Vにまで低減することができ、給水配管19内の水を伝わって浴槽3内の入浴者Aの人体に印加してしまう電位も約1Vにまで低減することができる。これにより、入浴者Aが感ずることなく漏電ブレーカ15bは作動に至る。
このように、絶縁トランス15cに絶縁故障がある状態で漏電が生じた場合でも、漏電ブレーカ15bの作動電流は改質用電解装置10から浴槽3までの給水路19中に設けた通水可能な導電体20から地中へ放電されるため、例え浴槽3内に入浴者Aが居たとしても上記作動電流が入浴者Aの人体を通る危険性のない浴水改質装置とすることができる。
また、本実施形態では、改質用電解装置10内に配置された電解槽11の吐水部18中に、接地された通水可能な導電体メッシュ20を設けている。このように、接地された通水可能な導電体メッシュ20は改質用電解装置10内に配置しても良い。また、通水可能な導電体20として、導電性メッシュを用いている。導電性メッシュの具体例としては、金属性の金網の他にハニカム状の金属やパンチ穴付き金属板などであっても良い。これによれば、このような導電性メッシュ20を用いることで通水抵抗を上げることなくシールド効果を発揮させることができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図である。上述の第1実施形態とは、改質用電解装置10から浴槽3へ湯水を供給する給水配管19中に接地された通水可能な導電体20を設けている点が異なる。これによれば、接地された通水可能な導電体20は、このように給水配管19中に配置しても良い。また、本実施形態では、通水可能な導電体20として、活性炭フィルタを用いている。これによれば、活性炭は給水する水の塩素を除去する効果を有するうえ、フィルタ機能によって浄水効果を持たせることができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図である。上述の第1・第2実施形態とは、改質用電解装置10からの湯水が流入する浴槽3の給水部(給水路)3aに接地された通水可能な導電体20を設けている点が異なる。これによれば、接地された通水可能な導電体20は、このように浴槽3側に配置しても良い。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、給湯器1から浴槽3へ湯水を供給する給水配管19の途中に改質用電解装置10を配置して、改質した湯水を浴槽3に供給する例を示したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、浴槽3内の浴水を改質用電解装置10との間で循環させながら改質を行うものであっても良い。
本発明の実施形態に係る浴水改質装置の全体構成を示す模式図である。 (a)は本発明の第1実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図であり、(b)は各部位における電位を表すグラフである。 改質用電解装置10の電解槽11内での電気分解作用を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図である。 本発明の第3実施形態における浴水改質装置の概要構成を説明する模式図である。 従来の問題点を説明する浴水改質装置の模式図である。
符号の説明
3…浴槽
3a…給水部(給水路)
10…改質用電解装置(改質用電解手段)
11…電解槽
12…第1電極(電極手段)
13…第2電極(電極手段)
15…電源回路
15b…漏電ブレーカ(漏電遮断手段)
15c…絶縁トランス(絶縁変圧手段)
18…吐水部(給水路)
19…給水配管(給水路)
20…導電性メッシュ、活性炭フィルタ(通水可能な導電体)

Claims (6)

  1. 浴槽(3)へ供給する湯水を改質する改質用電解手段(10)を有し、前記改質用電解手段(10)内に配置された電極手段(12、13)と前記浴槽(3)内の浴水とが水で電気的に繋がることより前記改質用電解手段(10)の電源回路(15)には少なくとも漏電遮断手段(15b)と絶縁変圧手段(15c)とを設けた浴水改質装置において、
    前記改質用電解手段(10)から前記浴槽(3)へ湯水を供給する給水路(18、19、3a)中に、接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴とする浴水改質装置。
  2. 前記改質用電解手段(10)内に配置された電解槽(11)の吐水部(18)中に、前記接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浴水改質装置。
  3. 前記改質用電解手段(10)から前記浴槽(3)へ湯水を供給する給水配管(19)中に、前記接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浴水改質装置。
  4. 前記改質用電解手段(10)からの湯水が流入する前記浴槽(3)の給水部(3a)に、前記接地された通水可能な導電体(20)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浴水改質装置。
  5. 前記通水可能な導電体(20)として、導電性メッシュを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の浴水改質装置。
  6. 前記通水可能な導電体(20)として、活性炭フィルタを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の浴水改質装置。
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