JP2005079603A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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賢治 前田
Katanobu Yokogawa
賢悦 横川
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Abstract

【課題】 直径300mm以上のウエハを広い範囲にわたりより均一に高精度に処理することができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 減圧可能な容器1内に配置されその上にウエハ3が載置されるステージ2と、ステージ2に対向しウエハ3に略平行に配置された略円形の導電性板7と、導電性板7に接続されステージ2と導電性板7との間に配置された空間にプラズマを形成するための電力を供給する高周波電源11とを備えたプラズマ処理装置であって、前記電力の周波数f1が、真空中における光の速度Cおよび被処理ウエハの直径Dに関して、100MHz<F1<(0.6×C)/(2.0×D)Hzの範囲とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、減圧される容器内で形成したプラズマを用いて半導体ウエハといった処理対象である基板に対してエッチング、アッシング等の処理を行うプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスの製造において、成膜やエッチング等の工程にプラズマ処理装置が広く用いられている。デバイスの微細化やウエハ径の拡大に伴い、プラズマ処理装置に求められる性能もますます厳しくなっている。プラズマエッチング装置を例にとると、垂直加工性(異方性エッチ)、マスク材や下地材に対する高選択加工性、エッチング速度、面内均一性等のプロセス性能の向上と、長時間安定したプロセス性能を維持するための技術が重要になっている。
プロセス性能向上に関しては、これまで様々なアプローチがなされてきた。古くは、異方性エッチングに対しては、図2に示したようなRIE(Reactive Ion Etcher)タイプのプラズマ源が用いられてきた。しかるにRIE装置は、プラズマを生成するソース電源と、ウエハにイオンを引き込むバイアス電源とが共通であり、したがってプラズマ密度と、ウエハに入射するイオンエネルギーを独立に制御できないという欠点があった。その為、現在では複数の高周波電源を用いたプラズマソース+ウエハバイアス型のプラズマ処理装置が主流である。
現在、主に用いられているプラズマ処理装置は、プラズマソースの違いによりICP(Inductively Coupled Plasma)、2周波CCP(Capacitive Coupled Plasma)、マイクロ波ECR(Electron Cyclotron Resonance)、UHF(Ultra High Frequency)−ECR等に分けられる。これらの中で、2周波CCPやUHF−ECRタイプのプラズマ源が、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜、low−k膜等の絶縁膜エッチングに用いられている。これら絶縁膜エッチング装置は、いずれも平行平板構造を採っている。また、プラズマソース用の電源の周波数は13.56MHz程度から500MHz程度とし、バイアス電源の周波数は、プラズマソースへの影響を小さくし、効率良くイオンを引き込むために、400kHzから13.56MHz程度のソースよりも低い周波数が用いられている。
また、これらの絶縁膜エッチング装置では、上部電極表面をシリコンとすることが多い。シリコン酸化膜のエッチングにはCF系のガスが主に用いられるが、プラズマによるCF系ガスの多重解離により、対レジスト選択比や下地窒化膜選択比を下げる原因であるFラジカルがどうしても生成してしまう。該構成は、上部電極のシリコンと気相中のFラジカルを反応させ、Fラジカルのスカベンジを行うことを目的としている。
一方で、長時間安定したプロセス性能を維持するためのプラズマ閉じ込めに関する技術も重要になっている。被処理ウエハ直上以外の領域、即ち反応容器の側壁や下周り、電極の下周りまでプラズマが広がることは安定性や汚染の観点から非常に好ましくない。ウエハ直上以外の領域に広がったプラズマにより反応容器の側壁や他の部品が削られると、ウエハに重金属汚染を引き起こしたり、パーティクル発生の原因となり、いずれも歩留まりを著しく低下させる。もしくは、堆積性の強いガスを用いた場合では、側壁が削れ側から堆積側へと転じ、堆積物がいずれは剥がれ落ち、異物原因となってしまう。
上記した不要なプラズマ広がりへの対策として、シールドリングやバッフル板を用い、物理的にプラズマを閉じ込めることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、リングの積み重ねによって形成される円筒形の閉じ込め機構について提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、永久磁石による磁場によりプラズマを閉じ込めることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、このようなより低圧におけるプロセスに対応した技術として、300MHzから500MHzの電磁波を上部アンテナに印加し、外部コイルにより100Gから200Gの磁場をアンテナ直下に生成し、電磁波と磁場との相互作用によりプラズマを生成する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この構成では、電磁波と磁場との相互作用であるECR効果を用いており、0.2Paから4Pa程度の低圧でも効率良くプラズマを生成することができる。また、300MHzから500MHz帯の周波数を用いているため、電子温度を低く出来、CF系ガスの多重解離を抑制できる利点もある。この技術は、低圧でのプラズマの生成効率が良いため、ウエハ上で同一密度を得ようとしたとき、特許文献1や特許文献2に開示されている周波数27MHzのCCPほどにはソースパワーを必要としないので、ウエハ直上以外へプラズマが広がる課題に対しても有利であった。
特開平8−335568号公報 特開平9−27396号公報 特開平9−219397号公報 特開2000−150485号公報
特許文献1記載の技術では、ウエハを載置する下部電極に対向する面に上部電極を備え、該上部電極には27.12MHzの高周波を、また下部電極には800kHzの高周波を印加し、さらに、上部電極に印加した高周波で主に発生するプラズマをウエハ上に閉じ込める手段として、シールドリングとバッフル板を用いる装置構成となっている。
このような構成の従来技術では、さらに微細化の進む次世代プロセスには対応が難しい。すなわち、微細化に対応するためには、より低圧でのプロセスが望ましいが、ソース電源の周波数が27.12MHzであると、0.2Paから4Pa程度での、低圧でのプロセス構築に十分な密度のプラズマを生成することが難しくなることが知られている。プラズマ密度を上げるために、より大きなソースパワーを投入する事は、効率の観点から望ましくないだけでなく、ウエハ上以外に広がる不要なプラズマ密度をも上げてしまうという問題点が有った。
また、不要なプラズマの拡散を防ぎ、ソースパワーの利用効率をあげるために従来の技術で用いられてきたシールドリングやバッフル板も、プラズマの拡散速度が速い低圧条件下では、十分な効果を奏することができなくなる。さらに、このような部材が直接密度の高いプラズマに晒されて削られる等表面の反応が進むと、処理に不適切な異物が処理室内に発生したり、エッチング特性に経時変化がおきたりして、ひいてはこれを防ぐため上記の部品の交換の頻度を増加してランニングコストが上昇する、といった問題点が有った。
特許文献2は、処理室内にそれぞれ本質的に平らで円形の一対の平行な電極を具備し、上部電極に27.12MHzの高周波を、下部電極に2MHzの高周波を印加する構成となっており、リングの積み重ねによって形成される円筒形の閉じ込め機構によりプラズマをウエハ上に閉じ込める構成を開示している。
このような構成においても、より圧力の低い条件での処理において、上記特許文献1記載の技術と同様の問題点があった。さらに、プラズマの閉じ込め効果を十分に持たせるため複数の閉じ込めリングの隙間をかなり狭くすると、排気コンダクタンスを小さくしてしまい、ガス流量の大きいプロセスに対応できなくなるという問題点が生じる。さらには、上記閉じ込めリング及びプラズマ相互の反応による問題点も同様に生じてしまう。
このような特許文献1または特許文献2に記載の技術は、より低圧における処理においてはウエハ上のプラズマ密度を上げるために電極間、あるいはアンテナと電極間に供給する電源のパワーを増大しなければならず、拡散しようとするプラズマを所定の大きさの空間に閉じ込めるという技術的な要求に対して、問題点を抱えている。
さらに、特許文献3では、局所的な磁場を処理室内のプラズマ発生空間に供給することによりプラズマを閉じ込める技術を公開している。この従来技術では、ウエハを載置するステージの下方と、処理室側壁に永久磁石を配置する構成となっている。プラズマは磁場を横切る方向には拡散し難いため、該永久磁石は、プラズマの拡散フラックスに対し垂直に磁力線を生成するように配置されている。
しかし、この従来技術では、永久磁石の作るローカルな磁場によりローカルなプラズマが発生し、磁石近傍の壁面が却って消耗する等の問題があった。さらには、永久磁石の作る磁場がウエハ上にまで影響を及ぼし、チャージングダメージを生じてしまうという問題が有った。
また、特許文献4記載の技術のようなUHF−ECRをもちいた技術は、より低圧であるプロセスに有利であるが大口径のウエハを処理する場合には、他のプラズマ形成の方法と比べて欠点が有った。例えば、450MHzの電磁波の真空中の半波長は約330mmであり、電磁波の半波長とウエハ径がほぼ等しくなる300mmウエハ以降の世代では、均一な密度のプラズマを形成しにくいという問題点が有った。このため、ストッパレスデュアルダマシンのようなプロセスにおいて精度良く所望の形状に処理することが難しく、より低圧の条件で大きな径のウエハを高精度に処理することができないという問題点が有った。
本発明の目的は、直径300mm以上のウエハを広い範囲にわたりより均一に高精度に処理することができるプラズマ処理装置を提供することにある。本発明の別の目的は、処理室内でのプラズマの拡散を抑えて高精度な処理を長期間にわたり安定して実現できるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、減圧可能な容器内に配置されその上にウエハが載置されるステージと、このステージに対向し前記ウエハに略平行に配置された略円形の導電性板と、この導電性板に接続され前記ステージと前記導電性板との間に配置された空間にプラズマを形成するための電力を供給する電源とを備えたプラズマ処理装置であって、前記電力の周波数f1が、真空中における光の速度Cおよび被処理ウエハの直径Dに関して、100MHz<f1<(0.6×C)/(2.0×D)Hzの範囲であるプラズマ処理装置により達成される。
さらに、前記電力とは別に、前記導電性板にその周波数が100kHz以上20MHz以下の範囲の電力が供給されるプラズマ処理装置により達成される。さらにまた、前記ウエハの直径が約300mmであって、前記導電性板に供給される電力の周波数f1が100MHz<f1<300MHzであることにより達成される。さらにまた、前記ステージと前記導電性板との間の空間に磁場を供給する磁場発生手段を備えたことにより達成される。
また、上記目的は、減圧可能な容器内に配置されその上にウエハが載置されるステージと、前記容器内であって前記ステージに対向し前記ウエハに略平行に配置された略円形の導電性板と、前記導電性板に接続され前記ステージと前記導電性板との間に配置された空間にプラズマを形成するための電力を供給する電源と、前記導電性板の外周側に配置され前記空間に面する絶縁性の部材とを備えたプラズマ処理装置であって、前記電力の周波数f1が、真空中における光の速度Cおよび被処理ウエハの直径Dに関して、100MHz<f1<(0.6×C)/(2.0×D)Hzの範囲であるプラズマ処理装置により達成される。
さらには、上記目的は、アンテナ外周側に配置した絶縁性部材が石英若しくは酸化アルミニウムから構成されたプラズマ処理装置により達成される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明にかかるプラズマ処理装置の第一の実施形態を図1に示す。図1は、本発明の第一の実施形態にかかるプラズマ処理装置の処理室(真空容器)の周囲の構成の概略を示す縦断面図である。本発明にかかるプラズマ処理装置は、真空処理室1と、ウエハ載置用ステージ2と、フォーカスリング4と、ヨーク5と、コイル6と、アンテナ7と、ガス分散板8と、シャワープレート9と、ガス供給系10と、第一の高周波電源11と、第一の整合器12と、第二の高周波電源13と、第二の整合器14と、フィルタ回路15と、第三の高周波電源16と、第三の整合器17と、温調ユニット18と、位相調節ユニット19と、アンテナ外周絶縁リング20と、シリコン板支持リング22と、アンテナ蓋部23とを有して構成される。ガス導入手段10を有する真空排気された真空処理室1の内部には、温調装置18により温調されたウエハ載置用ステージ2が配置されている。さらに、このステージ2に対向する面にステージ2に略平行に略円形の導電性部材からなる平板状のアンテナ7がステージ2と所定の間隔をあけて空間が形成されるよう配置され、このアンテナ7には、第一の整合器12を介し第一の高周波電源11より高周波電力が印加され、アンテナ7から放射される電磁波と真空処理室1の外周に沿って配置された外部コイル6およびヨーク5により、前記アンテナ7とステージ2との間の空間に形成される磁場との相互作用によりプラズマが生成される。さらに、ステージ2に接続された第二の高周波電源13と第二の整合器14により被処理ウエハ3に高周波バイアスを印加することにより、前記プラズマ中に形成された荷電粒子をウエハ3の表面に引き込むようにして、プラズマ中の励起された高いエネルギー状態の粒子をウエハ3の表面と反応させてプラズマ処理を行う構成になっている。
この実施の形態において、第一の高周波電源11の周波数f1は、被処理ウエハの直径をD、真空中での光の速度をCとしたとき、好ましくは100MHz<f1<(0.6×C)/(2.0×D)なる関係を満たす中から、さらに好ましくは、150MHz<f1<(0.5×C)/(2.0×D)なる関係を満たす中から選定される。該周波数帯を用いることにより、ウエハ直上に効率良く、均一性の良いプラズマを生成可能となり、ウエハ直上以外の不要なプラズマを抑止することができる。今回は300mmウエハの処理を対象にし、ソース周波数f1は200MHzとした。
また、ウエハに高周波バイアスを印加するための第二の高周波電源13の周波数は、第一の高周波電力により生成したプラズマに影響を与えず、かつ効率よくイオンをウエハに引き込むように、好ましくは100kHzから20MHzの間で、さらに好ましくは400kHzから13.56MHzの間で選定される。本実施の形態においては、4MHzの周波数を用いた。
また、2系統の外部コイル6に所定の電流を流すことにより、垂下型の磁場を発生させるようになっている。アンテナ7から処理室内に放射される電磁波と該磁場との相互作用により、さらに効率よくプラズマを生成すること、すなわち、より低い電源からの出力(ソースパワー)で処理に最適な中密度のプラズマを生成可能となる。さらに、コイルに流す電流値を調整し、磁場強度を調整することにより、プラズマ密度分布の形状を制御できる。
周波数200MHzでECR共鳴を起こすための磁場強度は約70Gであることから、放電空間内での平均磁場強度は概ね20Gから70Gの間で調節される。また、ヨーク5とコイル6により形成される磁力線により、ウエハ直上で発生したプラズマがウエハより外側に拡散するのを妨げる作用を奏することができる。また本実施の形態によるプラズマ処理装置で用いられる磁場強度は、マイクロ波ECRや、UHF−ECR装置と比較すると低減されている。このためウエハ3に対するチャージングダメージへのマージンも大きく向上されており、ウエハ3は安定して処理され歩留まりが向上する。さらに、200MHzよりも低い周波数を用いる際は磁場の調整範囲は、より弱磁場側にシフトする。
次に、本発明の特徴である周波数の範囲を決定するに至った経緯を示す。プラズマの特性は、放電の構成と放電の周波数によって大きく異なってくる。放電の構成はエッチングを行う対象や要求されるプロセスの仕様によって左右される。そこで、発明者らはより低圧でのプロセスに有利であるUHF−ECRプラズマを用いて放電周波数の検討を行った。
検討に用いた実験装置を図3に示す。この実験装置は、所望のガスを流せる減圧可能な反応容器1内にウエハを載置するステージ2が設けられ、このステージと空間を介して対向して、略平行に略円形のアンテナを配置し、アンテナ7にプラズマを形成するための高周波電源11を接続して電力を供給できるように構成されている。電力によりアンテナ7から放射される電磁波と反応容器1の外周に配置された外部コイル6の作る磁場との相互作用により、前記ステージ2とアンテナ7との間の空間にプラズマが生成される。また図示しない搬送系によりその直径が約300mmのウエハがステージ上に搬送され、ステージに接続した高周波電源13によりウエハに高周波バイアスを印加し、実際にエッチング処理を行うことができる。さらに処理室下部のビューポート30より処理室下部に広がってくる不要なプラズマからの発光をCCDカメラ31にて観測、記録できるようにしてある。また、周波数の検討に際しては、450MHz、200MHz、68MHz、40MHzの4種類の電源を用いた。
まず、各周波数における、C/Ar/O混合ガス系を用いた際のシリコン酸化膜エッチングレートの径方向分布を図4に示す。実験条件は全ての周波数において共通であり、ソースパワー、バイアスパワー、アンテナ―ウエハ間距離、処理圧力を、それぞれ800W、1000W、30mm、2.0Paとした。また、純粋に周波数の影響のみを調べるため、磁場は印加しなかった。磁場との相互作用が無いため、プラズマは高周波電界のみにより生成されることになる。また、アンテナ―ウエハ間距離を小さくしているため、エッチングレート分布はアンテナ直下の電界強度分布を直接に反映したものと考えられる。
図4において450MHzの結果では、φ150mm〜φ200mmの辺りにエッチングレートの極小値が存在しているが、これはこの部分で電界強度が弱くなっていることを示している。450MHz程度の周波数で励起されたプラズマは、リアクタ自体が平行平板構造を採っていても、容量結合的なプラズマにはならず、表面波プラズマ(Surface Wave Plasma;SWP)的に振舞う為である。即ち、プラズマとアンテナの間に存在するシース中を電磁波が伝播し、アンテナ直下に形成された定在波パターンが電界強度分布を決定する。
また、プラズマは誘電体としてみなすことも出来るため、シースを伝播する電磁波には波長短縮が起こる。上記450MHzのエッチング結果では節から節までの距離が150mmから200mm程度であり、これと真空中での半波長330mmとの比較から、波長短縮率κは0.45〜0.6(45%〜60%)であることが分かる。この値は対象としている圧力範囲、周波数範囲、密度範囲では、そう大きく変化しない。
450MHzを用いたUHF−ECRプラズマ処理装置では、実際には磁場を印加して処理を行っている。磁場の効果としては、プラズマ生成の効率をあげるだけでなく、エッチングレート分布の制御を行わせることも出来る。例えば、無磁場でのエッチングレートが単純な中高分布であったなら、アンテナ外周部にて電磁波と磁場との相互作用が強くなるようにコイル電流を調節すればよい。
しかるに、図4に示した結果のように、被処理ウエハ範囲内に定在波の節が見られる場合は、磁場による制御が困難になる。逆に言えば、ウエハ範囲内に定在波の節が存在しなくなる周波数が、良好なプラズマ分布制御性や処理均一性を保つ上限となる。即ち、アンテナ下に形成された定在波の半波長κλ/2と、ウエハ直径Dの間にκλ/2>Dなる関係が成り立てばよい。この不等式に実験結果から得られた波長短縮率の値κ=0.6を代入し、周波数fについて解くと、f<(0.6×C)/(2×D)となり、課題を解決するのに好適なソース周波数の上限が定まる。ここでCは真空中での光の速度を示している。上記関係式は、ウエハの直径が300mmである場合には、f<300MHzとなるが、本条件を満たす周波数では、エッチングレート分布に定在波の節を反映した極小値が発生しないことは、図4の結果からも明らかであろう。
上記論議から300mm以上の大口径ウエハの処理に対しては、450MHzよりもソース周波数を下げた方が分布制御性や均一性の点で有利であることが分かるが、逆に周波数を下げると、プラズマの生成効率の悪化や、ウエハ直上以外に広がる不要なプラズマが増加する点が懸念された。そこで次に、好適なソース周波数の下限を定めた経緯について述べる。
周波数に対しウエハ直上のプラズマ密度がどう変化しているかを調べるために、バイアス電力を1000Wに固定した際のウエハにかかる電圧のPeak−to−Peak値(W−Vpp)を計測した。バイアス電力を一定としているため、ウエハ直上のプラズマ密度が上昇すると、W−Vppの値は減少していく。
図5には各周波数における、W−Vppのソース用高周波電源の出力依存性を示している。図5から分かるように、450MHzと200MHzではW−Vppはさほど大きく違わないが、68MHzではW−Vppは450MHzと比較し2倍以上大きな値をとっている。換言すると、68MHz前後の周波数では450MHzと比較し、ウエハ上プラズマ密度がかなり低くなっていると言える。
さらに、図5にてW−Vppのソースパワーに対する傾きの絶対値を見ると、450MHz,200MHzが0.4前後であるのに対し、68MHzは0.28となっている。これは、68MHzでは、ソースパワーを増加していってもウエハ直上のプラズマ密度が上がりにくいことを意味している。また、ウエハ直上のプラズマ密度を上げることに寄与しない分のソースパワーが、ウエハ直上以外の部分に広がるプラズマにも消費されている事を意味している。
次に、略円筒形状のステージの筒部外周あるいは下方まで広がってくるプラズマの発光強度の周波数依存性を図6に示す。発光強度は、マニュアルでゲインコントロール可能なCCDカメラとVTRによって記録され、画像処理によって数値化した。実験条件は、圧力2.0Pa、ソース電力1200W,バイアス電力1000Wで揃えてある。図6からは、450MHzから200MHzに周波数を下げるとステージ外周あるいは下方のプラズマからの発光強度が若干強くなることが分かる。さらに、周波数100MHz程度以下(68MHz,40MHz)では、発光強度は劇的に増加することが分かる。これは、周波数によりプラズマの生成機構が変わったためであると考える。450MHz,200MHzでは表面波プラズマ的にプラズマを維持しているのに対し、68MHz,40MHzでは容量結合プラズマになっている為である。
表面波プラズマではアンテナ下のシースを伝播する電磁波による電界でプラズマの生成、維持を行っているのに対して、容量結合プラズマでは電極間のシースの振動による統計加熱(Stochastic Heating)によりプラズマを維持している。さらに、450MHz,200MHzと比較し68MHz,40MHz程度の周波数では、プラズマポテンシャルも時間的に大きく振動しているため、ステージの外周や下方に広がったプラズマと処理室内壁との間に生成されるシースによってもプラズマ生成が行われていると考えられる。その為、図5のW−Vppのソースパワー依存性に見られたように、投入したソースパワーがウエハ直上プラズマの密度を上げるのに有効に活用されないのである。
数百MHzから周波数を下げていった際に、どの程度の周波数で表面波プラズマから容量結合プラズマに移行するかを規定する理論は、発明者等は現状では把握していない。しかるに、実験事実から見ると100MHz程度にその境界があると考えられる。それは、図4から図6に至るまでの実験結果の説明で明らかであろう。
以上より、前述してきた課題を解決するソース周波数の下限は、100MHzであり、f>100MHzとすることにより、投入したパワーを効率的に利用でき、ウエハ直上以外に広がるプラズマを抑制でき、従って、リアクタ内壁の削れや堆積物に起因した異物の発生を抑制でき、長時間安定した処理を行うことが可能となる。
さらに、上記の例では、UHF−ECRによるプラズマ処理装置に基づいた構成による高周波電源の周波数に対する検討を行ってきたが、基本的に検討に用いたのは無磁場でのデータであり、磁場の有無が本実施の形態の有効性に影響を与えない。また、プラズマ処理はエッチングのみならず、他のプラズマ処理を行う装置にも適用可能である。
図7には、本実施の形態によるプラズマ処理装置により、C/Ar/O混合ガス系でシリコン酸化膜のフラットサンプルをエッチングした際のエッチング結果の一例を示す。平均磁場強度を変化させることにより、エッチングレート分布が凸型15%、フラット5%、凹型10%と制御できていることからも、本実施の形態の有効性が理解できる。さらに、2系統あるコイル夫々に流す電流の比率を変化させ、平均磁場強度だけでなく磁力線形状も含めて調節すれば、さらなる超均一レート分布を実現可能であるだけでなく、窒化シリコン膜や様々なlow−k膜用の多様なプロセスに幅広く対応可能になることは言うまでもない。
さらに述べると、上記周波数帯の電磁波により生成されたプラズマは、マイクロ波ECRプラズマや、誘導結合プラズマよりも低い電子温度をしており、処理用ガスの過剰な解離を防ぐ効果もある。シリコン酸化膜等の絶縁膜エッチングに主に用いられるCF系のガスは、電子温度の高いプラズマで多重解離を起こすことにより、マスク材料であるレジストや、下地の窒化シリコン膜との選択比を低下させるFラジカルを多量に生成する。本実施の形態によるプラズマソースは電子温度が低く、ソースパワーを適度に調節することにより中密度程度のプラズマを生成することが可能であり、高選択比な加工に好適な解離状態を実現することが出来る。
また、27MHzや60MHz帯を用いた容量結合プラズマ源よりも低圧で安定したプラズマを生成できるため、更なるデバイスの微細化に対応した垂直加工も可能になる。
また、本実施の形態においては、ウエハを載置するステージは上下可動が可能となっており、アンテナ下面から被処理ウエハまでの距離を調節することが出来る。先に述べた様に、CF系ガスの多重解離、過剰解離は選択比を低下させるが、アンテナ表面―ウエハ間距離を最適に保つことによっても多重解離を抑制できる。これは処理用ガスの解離の度合いは、電子温度や電子密度だけでなく、ガスの滞在時間にも影響を受けるためである。ガスの滞在時間を短くすることにより、即ちアンテナ表面―ウエハ間距離を小さくし、プラズマ領域の体積を小さくすることにより多重解離が抑制され、高選択な加工が可能となる。
さらに、アンテナ表面−ウエハ間距離を縮めることは、プラズマに接する表面の割合を増加させることになる。
シリコン酸化膜のエッチングに最も寄与する解離種はCFであるが、CFは気相中の反応だけでなく、表面での解離種変換によっても生成することが知られている。すなわち、CF系ガスの低次の解離種であるCがアンテナやウエハの表面に付着し、そこにプラズマからのイオンが入射することによりCFが生成するのである。したがってプラズマに接する表面の割合を増加させることはCFを増加させることになり、シリコン酸化膜のエッチングレートを増加させる事ができ、レジスト等との選択比も向上する。
ただし、アンテナ表面−ウエハ間距離を小さくしすぎると、処理均一性が悪化する等の別の問題が発生する。本実施例においては、上記を鑑み、アンテナ表面―ウエハ間距離は20mm〜100mmとした。また、本実施例においては、上下可動電極構造を採っているが、上下機構を省略しても構わない。この場合プロセスの制御範囲は若干狭くなるが、コストダウンを図れることは言うまでも無い。
また、プラズマに接するアンテナ表面の材質を工夫すると、さらなる選択比の向上が期待できる。本実施の形態においてはアンテナ表面の材質に略円形のシリコン板を用いた。該シリコン板9には、直径が0.3mmないし0.8mm程度の微細な穴が数百個開けられている。さらに該シリコン板とアンテナ本体7の間には、直径が0.3mmないし1.5mm程度の微細な穴が数百個程度開けられたガス分散板8が設置されている。ガス分散板8とアンテナ7との間は処理用ガスのバッファ室となっており、ガス供給系10より供給された処理用ガスは分散板8とシリコン板9を介し処理室に均一に導入される。また、本実施例においてシリコン酸化膜等のエッチングを行う場合は、処理用のガスとして、C,C,C,C等のCF系のガス一種ないし二種、または複数種のガスと、Arに代表される希ガスと、Oを混合して用いる。さらに、より高い選択比を要求されるプロセスには、前記ガス系にCOガスを添加して用いる。
アンテナ表面をシリコンとすることの利点は、シリコン酸化膜をエッチングする際に選択比を低下させる気相中のFラジカルを、シリコンとの反応により除去できることにある。さらに、本実施の形態においては、アンテナ7にフィルタユニット15と、第三の整合器17を介し、第三の高周波電源16が接続されている。第三の高周波電源16を用いアンテナバイアスを印加することにより、上記したアンテナ表面でFラジカルを除去する反応を、プラズマ密度とは独立に制御することができる。その為、微細なパターンの寸法や形状の制御を容易に行うことができる。
本実施の形態ではアンテナ表面の材料をシリコンとしたが、エッチングを行う対象によっては、他の材料、例えば、シリコンカーバイト、グラッシーカーボン、石英、アルマイト処理されたアルミニウム、ポリイミド等を用いても構わない。また、プラズマに直接接するアンテナ表面の直径Daは、ウエハ直径Dに対し、0.8D<Da<1.2Dとすることが、表面反応の均一性の観点からは望ましい。
アンテナバイアス用の第三の高周波電源16の周波数は、第一の高周波電力により生成したプラズマに影響を与えないよう、好ましくは100kHzから20MHzの間で、さらに好ましくは400kHzから13.56MHzの間で選定される。また、フィルタユニット15は、第一の高周波電力が第三の高周波電源に廻り込むことと、第三の高周波電力が第一の高周波電源に廻り込む事を抑止する構成となっている。
さらに、気相中の活性種の密度分布を制御するために、ステージ2の外周部には、ウエハ3を取り囲むように、略円環状のフォーカスリング4が配置されている。本実施の形態においてはフォーカスリング4の材質をシリコンとした。本実施の形態においては、アンテナバイアスを印加することや、アンテナ表面−ウエハ間距離を可変とすることにより、気相中のFラジカルの平均的な密度を制御することができるが、該フォーカスリング4を具備することにより、ウエハ面内でのFラジカルの密度分布を詳細に制御する事が可能となる。
処理用ガスの多重解離により発生したFラジカルは、ウエハ表面でのレジストによっても消費される。もしウエハより外側の領域にFラジカルを消費する部材が設置されていないと、ウエハ外周部ではウエハ中央部と比較しFラジカル密度が高くなってしまうが、該フォーカスリング4はこれを抑制する効果を持つ。さらに、ウエハバイアスの電力をフォーカスリング4に分岐して印加することにより、外周部でのFラジカル密度抑制効果を高めることが出来る。
本実施の形態ではフォーカスリング4の材料をシリコンとしたが、エッチングを行う対象によっては、他の材料、例えば、シリコンカーバイト、グラッシーカーボン、石英、アルマイト処理されたアルミニウム、ポリイミド等を用いても構わない。また、図示はしなかったが、処理用ガスの噴出しを2系統とすることにより、気相中の活性種の分布制御を行わせることも可能である。
本実施の形態にて第一の高周波電源の周波数に200MHzを用いることの1つの目的として、ウエハ直上以外の不要なプラズマを抑止することがあるが、アンテナバイアスの周波数とウエハバイアスの周波数を完全に同一とし、位相調節ユニット19を用い、アンテナバイアスとウエハバイアスとの位相差を概ね180°とすることにより不要なプラズマの抑止効果をさらに高めることが出来る。
第一の高周波電力により生成したプラズマのプラズマポテンシャルは、ウエハバイアスとアンテナバイアスの影響を受け時間的に変動する。ウエハバイアスとアンテナバイアスの位相を180°とすることにより、時間平均したプラズマポテンシャルを低く抑制でき、これにより不要なプラズマを抑制することが可能となる。さらに、不要なプラズマから処理室内壁やステージ側壁に入射するイオンのエネルギーを低減することができ、壁削れを抑制することができる。これは壁削れ起因の異物の発生を抑止し、歩留まりの向上、装置稼働率の向上に貢献する。また、処理室の側壁と、アンテナ本体7とは、図示しない温度制御ユニットにより一定温度に温調されており、長時間に渡り安定したプロセス性能を保つことを可能にしている。
以上に構成を説明してきた本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置を用いることにより、微細加工に適した低圧条件で、300mmウエハ以上の広い範囲を均一性良く、高選択比で、かつ高速度な加工を低消費電力で行うことができるようになる。さらに、ウエハ直上以外の部分での不要なプラズマを抑制することにより歩留まり低下の原因となる異物を低減でき、前記した高度なプロセス性能を長時間に渡り安定して実現できる。さらに、不要なプラズマの抑制は装置のランニングコストを押えることにも貢献する。
次に、本発明の第二の実施形態を図8を用いて説明する。第二の実施形態では、第一の実施形態に加え、コストやフットプリントを意識した構成となっている。基本的構成は第一の実施形態と同様であるため、重複する部分の説明は省略する。
本発明の第二の実施形態では、放電空間に磁場を形成するための第一の手段であるヨーク5とコイル6に加え、アンテナの上部に略円環状の第二の磁場形成手段21を備えていることを特徴としている。第二の磁場形成手段21は、例えば、フェライト若しくはサマリウム−コバルト若しくはネオジウム−鉄−ボロン等の材質からなる永久磁石であり、これを用いることにより放電空間内の詳細な磁場制御を低コストで行うことが可能となる。
第一の実施形態においては、磁場形成手段としてヨーク5とコイル6のみを用いているが、詳細な磁場制御を行う場合はコイル6を2系統設置し、各々に対し異なる直流電源から異なる電流を流すことにより、磁場強度と磁力線形状を制御していた。コイル6が1系統であると、磁場強度のみしか制御できずに、制御範囲が狭くなってしまう。一方でコイルの数とそれに付随する直流電源の数を増加させると装置の製造、運用コストが増大し、ひいてはプラズマ処理装置により製造される半導体装置のコストも増大してしまう。
第二の実施例においては、前述した第二の磁場形成手段21を導入することにより、1つのコイルと1つの直流電源のみで、磁場強度と磁力線形状を同時に変化させることができる。放電空間に形成される磁場は、磁場強度、磁力線形状が固定された第二の磁場形成手段21による磁場と、電流により磁場強度を変えられる第一の磁場形成手段6による磁場との重ね合わせになるからである。
第二の磁場形成手段21に用いる永久磁石の形状は、それ自体略円環状をなしていても構わないが、コストの点を考慮すると、複数に分割された略円環状の磁石の組み合わせや、さらに言うなら、矩形や円筒形の永久磁石を複数個、略円環状に配置したもので代用するのが望ましい。
また、従来技術であるUHF−ECR装置では、プラズマソース用の第一の高周波電源11(例えば周波数450MHz)とプラズマ負荷の整合をとる第一の整合器12に、大型のトリプルスタブチューナーを用いていた。本実施の形態によれば、ソース用の電源には例えば200MHz程度の周波数を用いるため、より小型の整合器を用いることが出来る。これらは、例えば、キャビティータイプの整合器や、真空コンデンサを用いた整合器である。さらに、電源自体も小型化されるため、ソース用の電源を処理室の上部、より具体的にはヨーク5の上部に配置することができる。
図8に示した第二の実施例においては、ヨーク5の上にソース用電源(第一の高周波電源)11とアンテナバイアス用整合器(第三の整合器)17と、ソース用の整合器とフィルタを兼ねたユニット12,15とが配置されている。このような配置をとることにより、電源ユニットまで含めた装置全体のフットプリントを縮小することが出来る。さらには、ソース電源からプラズマ負荷までの距離を最短にすることができるため、高周波の伝送路での損失を最小とすることができる。
さらに、第二の実施の形態では、アンテナ本体7と、アンテナ外周絶縁リング20で真空封じを行う構成となっている。アンテナ全体を真空雰囲気に導入し、アンテナ蓋部23で真空封じを行っている第一の実施の形態と比べると、構造の簡略化と部品点数の削減を図ることができ、コスト的に有利になる。また、第一の整合器からプラズマ負荷までの間の電磁波の伝播路がほとんど真空雰囲気中にある第一の実施例と比較し、冷媒やガスをアンテナに供給する部分が大気中にあるため、該当個所での異常放電のリスクが低減でき、装置信頼性が向上する。
次に、本発明の第三の実施形態を図9を用いて説明する。本実施形態では、基本的構成は第一の実施形態と同様であるため、第一の実施形態と異なる点を説明する。この実施の形態のかかるプラズマ処理装置は、第一の高周波電源11と第二の高周波電源13を有している。
まず、第一の実施形態と比較し、放電する空間に磁場を形成する手段、即ち、図1におけるヨーク5、コイル6、及び図示していない直流電源を構成から外している。この構成により装置の製造あるいは運用のコストが大きく低減される。一方、第三の実施例における第一の高周波電源11の周波数は、磁場の印加によりプラズマの密度や強度を調節できる自由度が低下するので、第一の実施例よりもより低い周波数、例えば、100MHzから180MHz程度の周波数を用いることが望ましい。
さらに、第三の実施形態においては、気相中の活性種を精密に制御するための第三の高周波電源と、第三の整合器も備えていない。これにより、気相中の活性種の制御性は下がるものの、さらに装置の製造/運用コストが低減される。また、図9には示していないが、処理用ガスの噴出しを2系統とすることにより、気相中の活性種の密度やその分布の調節を行わせることも可能である。
以上説明したように、第三の実施形態では、より低コストで製造や運用ができるプラズマ処理装置を提供できる。
次に本発明の第四の実施形態を図10を用いて説明する。これまで説明してきた実施形態と重複する部分に関しては説明を省略する。
第四の実施形態では、ウエハを載置するステージ2に、第一の高周波電源11が、フィルタユニット15と、整合器12を介して接続されており、ウエハステージ自体がプラズマを生成するアンテナを兼ねている。また、図1に示してある、放電空間内に磁場を形成するためのヨーク5、コイル6や、第三の高周波電源16や、第三の整合器17も構成から外している。本実施例における第一の高周波電源の周波数は、磁場による制御性が望めない分、第一の実施の形態よりも若干低い周波数、即ち、100MHzから180MHz程度の周波数を用いることが望ましい。
また、本実施の形態の特徴は、ウエハステージ自体をアンテナと兼ねさせることにより、上部アンテナ7を省略することが可能になる点である。本構成においては、ウエハに対向する面にアンテナではなく、接地したガス導入系を配置している。そのため、ウエハ対向面における構造が大幅に簡略化され、さらなるコストダウンが可能となる。接地したガス導入系は、接地電極24と、ガス分散パネル8と、シリコン板9とから構成される。また、接地電極24やガス分散パネル8は、処理室蓋部と一体に形成されていても構わない。本実施形態においても、処理のウインドウが狭くなる欠点もあるが、特定のプロセス向けにファインチューニングすることにより、より低コストで処理装置を提供することができる。
以上の通りの実施の形態によれば、真空容器である処理室の内側に配置された処理対象である半導体の基板をプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置において、微細加工に好適な低い圧力の条件下で、直径が約300mmあるいはこれ以上径のウエハについて、広い範囲で均一性良く処理を行うことができる。また、高い選択比、あるいは高速度な加工を低消費電力で行うことができる。さらには、プラズマの拡散を抑えて、処理容器内に異物が生成されることを抑制し、高度な性能を長期間に渡り安定して実現できる。
本発明によるプラズマ処理装置の第一の実施形態を示す断面図。 従来のプラズマ処理装置を示す模式図。 ソース周波数の検討に用いた実験装置を示す断面図。 ソース周波数を変えた際のエッチングレート分布を示す図。 ソース周波数を変えた際のウエハバイアス電圧のソースパワー依存性を示す図。 ウエハ直上以外の部分の不要なプラズマからの発光強度のソース周波数依存性を示す図。 本発明によるプラズマ処理装置を用いた際のエッチングレート分布の磁場強度依存性。 本発明によるプラズマ処理装置の第二の実施形態を示す断面図。 本発明によるプラズマ処理装置の第三の実施形態を示す断面図。 本発明によるプラズマ処理装置の第四の実施形態を示す断面図。
符号の説明
1…真空処理室、2…ウエハ載置用ステージ、3…ウエハ、4…フォーカスリング、5…ヨーク、6…コイル、7…アンテナ、8…ガス分散板、9…シャワープレート、10…ガス供給系、11…第一の高周波電源、12…第一の整合器、13…第二の高周波電源、14…第二の整合器、15…フィルタ回路、16…第三の高周波電源、17…第三の整合器、18…温調ユニット、19…位相調節ユニット、20…アンテナ外周絶縁リング、21…第二の磁場形成手段、22…シリコン板支持リング、23…アンテナ蓋部、24…接地電極、30…ビューポート、31…CCDカメラ。

Claims (6)

  1. 減圧可能な容器内に配置されその上にウエハが載置されるステージと、このステージに対向し前記ウエハに略平行に配置された略円形の導電性板と、この導電性板に接続され前記ステージと前記導電板との間に配置された空間にプラズマを形成するための電力を供給する電源とを備えたプラズマ処理装置であって、
    前記電力の周波数f1が、真空中における光の速度Cおよび被処理ウエハの直径Dに関して、100MHz<f1<(0.6×C)/(2.0×D)Hzの範囲であるプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記電力とは別に、前記導電性板にその周波数が100kHz以上20MHz以下の範囲の電力が供給されるプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記ウエハの直径が約300mmであって、前記導電板に供給される電力の周波数f1が100MHz<f1<300MHzであるプラズマ処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置であって、前記ステージと前記導電板との間の空間に磁場を供給する磁場発生手段を備えたプラズマ処理装置。
  5. 減圧可能な容器内に配置されその上にウエハが載置されるステージと、前記容器内であって前記ステージに対向し前記ウエハに略平行に配置された略円形の導電性板と、前記導電性板に接続され前記ステージと前記導電板との間に配置された空間にプラズマを形成するための電力を供給する電源と、前記導電板の外周側に配置され前記空間に面する絶縁性の部材とを備えたプラズマ処理装置であって、
    前記電力の周波数f1が、真空中における光の速度Cおよび被処理ウエハの直径Dに関して、100MHz<f1<(0.6×C)/(2.0×D)Hzの範囲であるプラズマ処理装置。
  6. 請求項5に記載のプラズマ処理装置において、
    前記導電板外周側に配置した絶縁性部材が石英若しくは酸化アルミニウムから構成されたプラズマ処理装置。
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