JP2005079563A - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 high-kゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながら移動度の劣化を防止する。
【解決手段】 実質的に酸素を含まない雰囲気中において、シリコン基板1上に金属膜12を形成する。続いて、酸素を含む雰囲気中において、金属膜12を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜2を形成する。金属酸化膜2の形成時に、シリコン基板1の表面を酸化させることにより、界面層3となるシリコン酸化膜を形成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、高誘電率材料からなるゲート絶縁膜を有する電子デバイスの製造方法に関するものである。
近年の半導体装置における高集積化及び高速化に対する技術進展に伴い、MOSFETの微細化が進められている。微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化を進めると、トンネル電流に起因するゲートリーク電流の増大等の問題が顕在化してくる。この問題を抑制するために、ハフニウム酸化物(HfO2 )やジルコニム酸化物(ZrO2 )等の金属酸化物、つまり高誘電率材料をゲート絶縁膜に用いることにより、薄い酸化膜換算膜厚EOT(Equivalent Oxide Thickness)を実現しながら物理的な膜厚を厚くするという手法が研究されている。例えば非特許文献1にはZrO2 をゲート絶縁膜に用いた手法が開示されている。
一方、このHfO2 やZrO2 等の金属酸化物を用いたゲート絶縁膜において、シリコン基板とゲート絶縁膜との間に界面層が形成されることが報告されている。この界面層は、高誘電率材料となる金属酸化物と比べて誘電率が小さいので、界面層の存在によってゲート絶縁膜の実効的な誘電率が下がってしまう。言い換えると、ゲート絶縁膜の酸化膜換算膜厚が大きくなってしまう。そこで、非特許文献2では、金属酸化膜の形成前にシリコン基板上にシリコン窒化膜を形成しておくことにより、シリコン基板と、ゲート絶縁膜となる高誘電率材料との間の相互拡散を抑制し、それによって界面層の形成を抑制するという報告がなされている。現在、高誘電率ゲート絶縁膜の導入時期に期待される酸化膜換算膜厚値は1.3nm程度以下と考えられているので、界面層の形成を極力抑える必要がある。
山口、佐竹、鳥海、固体素子及び材料に関する国際会議2000 アブストラクト(Extended Abstracts of the 2000 International Conference on Solid State Devices and Materials)、日本、2000年8月29日、pp.228-229 キルシュ、カン、ロザノ、リー、エケルト(P.D. Kirsch, C.S. Kang, J. Lozano, J.C. Lee, and J.G. Ekerdt)、窒化、非窒化シリコン基板(100)上におけるハフニウム酸化膜/シリコン構造の電気的、光学的特性の比較(Electrical and spectroscopic comparison of HfO2/Si interfaces on nitrided and un-nitrided Si(100) )、アメリカ応用物理(Journal of Applied Physics)、アメリカ、2002年4月1日、Vol.91、p.4353
しかしながら、前述の従来技術により界面層形成を抑制し、それによってゲート絶縁膜の実効的な誘電率を高く維持することができるようになると、言い換えると、ゲート絶縁膜の酸化膜換算膜厚を薄くできるようになると、キャリアの移動度がシリコン酸化膜と比べて劣化し、その結果、所望の動作電流が得られなくなるという新たな問題が顕在化してきた。
前記に鑑み、本発明は、高誘電率ゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながら移動度の劣化を防止できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者は、まず、キャリアの移動度が劣化する原因を検討した結果、例えば次のような原因が考えられることが分かった。
(1)シリコン基板界面に多量の窒素が導入されると、固定電荷や界面準位電荷が発生するので、トランジスタの移動度が劣化する。
(2)シリケートからなる界面層又は高誘電率材料に含まれる固定電荷がチャネル領域のキャリアに電気的に干渉し、それにより移動度が劣化する。
(3)シリケートからなる界面層又は高誘電率材料の格子によってチャネル領域のキャリアが散乱され、その結果、移動度が劣化する。
ところで、シリコン基板と、高誘電率材料からなる金属酸化膜(以下、higk-k膜と称する)との間の界面層がシリコン酸化膜である場合、シリコン酸化膜の膜厚と移動度との関係において膜厚の増加と共に移動度が増加する傾向があることが報告されている(Masahiko Hiratani, Shin-ich Saito, Yasuhiro Shimamoto and Kazuyoshi Torii, “Effective Electron Mobility Reduced by Remote Charge Scattering in High-κ Gate Stacks", Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 41 (2002) p.4521-4522)。
すなわち、移動度を低下させないためには、基板/higk-k膜界面に窒素をあまり導入せずに、チャネルと高誘電率材料とをできるだけ隔てておくことが望ましい。しかしながら、この場合、シリコン酸化膜等の界面層の誘電率は低く、その膜厚が厚い場合には、ゲート絶縁膜の実効的な誘電率が極端に下がってしまうという問題(酸化膜換算膜厚が厚くなってしまうという問題)を生じる。すなわち、higk-kゲート絶縁膜の誘電率の向上と、トランジスタの移動度の向上とは互いにトレードオフの関係にある。
そこで、本願発明者は、基板/higk-k膜界面に、酸化膜換算膜厚が1.0nm程度以下で且つシリコン酸化膜等よりなる界面層を形成することによって、ゲート絶縁膜の実効的な誘電率の低下を防止しながら、移動度の劣化を防止することを検討してみた。ここで、界面層の酸化膜換算膜厚を1.0nm程度以下とする理由は、higk-kゲート絶縁膜に期待される酸化膜換算膜厚値が1.3nm程度以下であるのに対して、形成可能なhigk-k膜(金属酸化膜)の酸化膜換算膜厚の下限が0.3nm程度であることによる。また、higk-k膜については、薄く且つ均一に、さらには膜中に固定電荷が生じないように化学量論的組成で形成することが望ましい。
しかしながら、従来技術を用いて、酸化膜換算膜厚が1.0nm以下のシリコン酸化膜等の界面層を均一に且つ安定して形成することは困難である。一方、高誘電率材料の堆積つまりhigk-k膜の形成においても、従来の化学気相堆積法や原子層堆積法を用いた場合、成膜初期の表面(下地表面)状態に敏感であるため、膜厚ばらつきが生じやすいと共に、島状成長に起因して表面ラフネスが増加しやすい。すなわち、極薄のシリコン酸化膜等の界面層の上にhigk-k膜を薄く且つ均一に形成することは困難である。
そこで、本願発明者は、シリコン酸化膜等よりなる極薄の界面層を形成すると共にhigk-k膜を薄く、均一に且つ化学量論的組成で形成するために、次の2つの方法を想到した。
具体的には、本発明に係る第1の電子デバイスの製造方法は、実質的に酸素を含まない雰囲気中において、シリコン領域の上に金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において、金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜を形成する工程とを備え、金属酸化膜を形成する工程は、シリコン領域の表面を酸化させることにより、シリコン酸化膜を形成する工程を含む。
また、本発明に係る第2の電子デバイスの製造方法は、実質的に酸素を含まない雰囲気中において、シリコン領域の上に金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において、金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜を形成する工程とを備え、金属膜を堆積する工程は、シリコン領域の表面にシリコン酸化膜が形成された状態で行なわれる。
第1及び第2の電子デバイスの製造方法によると、チャネル領域となるシリコン領域と、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜つまり高誘電率材料とを、シリコン酸化膜(シリコン酸窒化膜又はシリケートであってもよい)によって分離することができるので、トランジスタにおける移動度の劣化を抑えることができる。
また、第1及び第2の電子デバイスの製造方法によると、金属膜を堆積した後に該金属膜を酸化させることにより高誘電率ゲート絶縁膜を形成するため、次のような効果が得られる。すなわち、ゲート絶縁膜を構成する金属の堆積を例えばPVD(physical vapor deposition )法により行なえば、金属を物理吸着のみによって堆積させることができるので、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜を形成できる。従って、極薄のシリコン酸化膜上であっても、その表面状態に依存せずに、薄く且つ均一な金属酸化膜(higk-k膜)を化学量論的組成で形成することができる。これにより、第2の電子デバイスの製造方法では、シリコン領域とhigk-k膜との間の界面層となるシリコン酸化膜を所望の膜厚で、具体的には極薄に形成してもよいことになる。
さらに、第1の電子デバイスの製造方法によると、金属酸化膜を形成する工程でシリコン領域表面を酸化させることによりシリコン酸化膜を形成するが、このとき、金属膜の酸化が完了した後にシリコン領域表面の酸化が始まるため、界面層となるシリコン酸化膜の膜厚を独立に制御することができる。尚、第2の電子デバイスの製造方法では、金属膜の下側に予め、界面層となるシリコン酸化膜が設けられているため、金属膜の酸化が完了した後にシリコン領域表面まで酸化されてしまうことはないので、シリコン酸化膜の膜厚はほぼ形成時点のままに保たれる。
従って、第1及び第2の電子デバイスの製造方法のいずれによっても、界面層の厚さを自由に且つ独立に設定できる。ここで、higk-kゲート絶縁膜の主要な性能指標である酸化膜換算膜厚、ゲートリーク電流及びキャリア移動度等は全て界面層厚さに関してトレードオフの関係にあるので、界面層の厚さを自由に且つ独立に設定できる本発明は、所望のトランジスタスペックを全て満たすために非常に効果的である。すなわち、本発明によると、higk-kゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながらキャリア移動度の劣化を防止できる。尚、本発明において、シリコン領域は、シリコン基板若しくはシリコン膜であってもよいし、又は、主としてシリコンからなる基板若しくは膜であってもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属膜を堆積する工程よりも前に、シリコン領域をウェットエッチングすることにより水素終端表面を露出させる工程を備えていることが好ましい。
このようにすると、シリコン領域の表面に極薄のシリコン酸化膜を均一に且つ安定して形成することができる。ウェットエッチングにおいては、例えばフッ酸を用いてもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、シリコン酸化膜の厚さは0.5nm以上で且つ1.0nm以下であることが好ましい。
このようにすると、ゲート絶縁膜の誘電率を確実に高く維持することができる。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、シリコン酸化膜に代えてシリコン酸窒化膜又はシリケート膜が形成されてもよい。また、金属酸化膜を形成する工程よりも後に、例えば金属酸化膜中の金属原子の拡散によって、シリコン酸化膜がシリケート膜に変質してもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、シリコン領域の最表面に含まれるシリコン原子は、シリコン酸化膜に含まれる酸素原子と結合していることが好ましい。
このようにすると、トランジスタにおける移動度の劣化を確実に抑えることができる。
第2の電子デバイスの製造方法において、酸素を含む雰囲気中においてシリコン領域に対して熱処理を行なうことにより、シリコン酸化膜を形成してもよい。具体的には、シリコン領域に対して、炉を用いた熱酸化又はプラズマ酸化を行なうことにより、シリコン酸化膜を形成してもよい。
第2の電子デバイスの製造方法において、シリコン領域の表面に、過酸化水素又はオゾンを含む溶液を供給することにより、シリコン酸化膜を形成してもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属膜を堆積する工程はPVD法を用いて行なわれることが好ましい。
このようにすると、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜を形成できる。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属膜はハフニウムからなり、該金属膜を堆積する工程は、金属酸化膜の厚さが1nm以上で且つ3nm未満となるように金属膜の厚さを調節する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、酸化膜換算膜厚が1nm程度までのシリコン酸化膜を界面層として形成することが許容される。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属膜に代えて金属窒化膜を堆積してもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属膜を構成する金属元素は、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム及びシリコンの中から選択されることが好ましい。
このようにすると、金属膜が酸化されてなる金属酸化膜の誘電率が高くなる。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属酸化膜を形成する工程はリモートプラズマ酸化を用いて行なわれることが好ましい。
このようにすると、金属酸化膜を低温で形成することができるため、界面層となるシリコン酸化膜の形成を抑制することができる。この場合、リモートプラズマ酸化の処理温度が380℃以上で且つ420℃以下であると、金属膜の酸化と界面層の抑制とを確実に両立させることができる。尚、処理温度が低い場合にはプラズマパワーを大きくすることによって、処理温度が高い場合と同等の効果が得られる。また、プラズマ処理時間が短い場合には、処理温度を高くすることによって、プラズマ処理時間が長い場合と同等の効果が得られる。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、酸素を含む雰囲気は主として酸素ラジカルを含むことが好ましい。
このようにすると、酸素原子又は酸素分子を含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属酸化膜を低温で形成することができるため、界面層の形成を抑制できる。また、金属酸化膜の低温形成が可能となることによって、金属酸化膜の結晶化を抑制でき、それによってゲートリーク電流の発生を防止できる。また、酸素イオンを含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属膜が薄い場合にもシリコン領域へのダメージを防止できる。尚、酸素ラジカルの供給はオゾン発生装置又はプラズマ発生装置を用いて行なってもよい。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属酸化膜を形成する工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において金属酸化膜の上に他の金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において他の金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる他の金属酸化膜を形成する工程とを備えていてもよい。すなわち、薄い金属膜の堆積と該金属膜の酸化とを繰り返し行なってもよい。このようにすると、金属膜が完全に酸化されるので、化学量論的組成を持つ金属酸化膜を得やすくなる。
第1又は第2の電子デバイスの製造方法において、金属酸化膜を形成する工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において、金属酸化膜に対して熱処理を行なう工程を備えていてもよい。
このようにすると、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜の膜質を向上させることができる。
本発明によると、チャネル領域となるシリコン領域と、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜つまり高誘電率材料とを、シリコン酸化膜によって分離することができるので、トランジスタにおける移動度の劣化を抑えることができる。また、薄く且つ均一な金属酸化膜を化学量論的組成で形成できると共に界面層の厚さを自由に且つ独立に設定できるので、higk-kゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながら移動度の劣化を防止できる。
(第1の比較例・・・HfO2 スパッタリング)
以下、第1の比較例として、金属酸化物よりなる高誘電率ゲート絶縁膜の従来の形成方法について説明する。
図1は、第1の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法の一工程を示す断面図である。
図1に示すように、まず、p型のシリコン基板1を、直流スパッタ法に基づく成膜装置のチャンバー内部に導入した後、シリコン基板1上に直接、ハフニウム酸化物(HfO2 )よりなる金属酸化膜2を形成する。ここで、金属酸化膜2の形成前に、シリコン基板1の表面の自然酸化膜をフッ酸水溶液によって除去し、それによりシリコン清浄表面を露出させる。また、シリコン基板1の表面を清浄化した後に、必要に応じて、該表面を窒化してもよい。また、スパッタ法による金属酸化膜2の形成においては、ターゲットとしてハフニウム(Hf)金属を用いると共にArガスとO2 ガスとの混合ガスからなる雰囲気を用いて、直流電圧の印加によりチャンバー内部に放電を起こす。このようにすると、反応性スパッタにより、HfO2 膜からなる金属酸化膜2が形成される。その際、スパッタ時間を制御することにより1〜10nm程度のHfO2 薄膜を得ることができる。
しかしながら、この金属酸化膜2の形成工程において、図1又は図2に示すように、シリコン基板1からのシリコンの拡散、及び雰囲気からの酸素の拡散によって、シリコン基板1と、金属酸化膜2であるHfO2 膜との間に界面層3が3nm程度形成される。この界面層3は、シリコン酸化膜リッチなシリケート層と考えられる。
その後、金属酸化膜2の上に、ゲート電極となるリンドープ・ポリシリコン膜4をCVD(chemical vapor deposition )法を用いて堆積する。その後、図示は省略しているが、周知のリソグラフィ、ドライエッチング、ソース・ドレイン注入、配線工程等により、キャパシタ構造及びMOSトランジスタ構造を得ることができる。
本比較例に基づいて作製した厚さ3〜10nmの金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)におけるキャパシタ特性(high-k膜物理膜厚と酸化膜換算膜厚との関係)を図3の(a)に示す。図3において、堆積したhigh-k膜の物理膜厚tphy (nm)を横軸に示し、C−V測定により求めた酸化膜換算膜厚EOT(nm)を縦軸に示す。ここで、図3のグラフにおける傾きは、high-k膜の比誘電率kの逆数に相当する。従って、図3の(a)からk=30であることが分かる。また、図3の(a)に示す線を縦軸まで外挿することにより得られる、1.5nm程度の切片(y切片)は界面層のEOT値に相当する。すなわち、本比較例において界面層の物理厚さが3nm程度であったことを考慮すると、界面層の比誘電率は、シリコン酸化膜の約2倍の8程度であることが分かる。しかし、現在、高誘電率ゲート絶縁膜の導入時期に期待されるEOT値は1.3nm程度未満と考えられているので、このようなEOT値の大きい界面層が形成されることは致命的である。
本比較例のゲート絶縁膜の形成方法において、厚い界面層が形成される理由は次のように考えられる。すなわち、雰囲気ガス中の酸素イオンや酸素原子の反応性が高いために、金属酸化膜の堆積初期にシリコン基板表面が容易に酸化されてしまうからである。
本比較例に基づいて作製した金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたMOSトランジスタ構造におけるリーク電流値と前述のEOT値との関係を図4の(a)に示す。図4において、EOT値(nm)を横軸に示し、I−V測定により求めた、フラットバンド電圧Vfbー1Vにおけるリーク電流(正確にはリーク電流密度)値Jg(A/cm2 )を縦軸に示す。図4の(a)から、本比較例の金属酸化物薄膜によって、従来のSiO2 膜やSiON膜と比べて、同じEOTでリーク電流値Jgを大きく低減できていることが分かる。しかしながら、EOT自体の低減は、厚い界面層のために十分ではない。
(第2の比較例・・・Hfリモートプラズマ酸化(RPO))
以下、第2の比較例として、金属酸化物よりなる高誘電率ゲート絶縁膜の本発明の形成方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、第2の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法、具体的には、金属膜を利用して金属酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する方法の各工程を示す断面図である。
まず、第1の比較例と同様に、p型のシリコン基板1の表面の自然酸化膜をフッ酸水溶液によって除去し、それによりシリコン清浄表面を露出させる。このとき、シリコン基板1の表面を清浄化した後に、必要に応じて、該表面を窒化してもよい。次に、図5(a)に示すように、直流スパッタ法により、金属原子(具体的にはHf原子)11をシリコン基板1に向けて飛ばして、それによってシリコン基板1上に直接、金属膜(具体的にはHf膜)12を形成する。金属膜12として、例えばハフニウム(Hf)金属膜を形成する場合、成膜装置(図示省略)のチャンバー内部において、ターゲット10としてハフニウム金属を用いると共に実質的に酸素を含まない雰囲気(例えば図5(a)のようなArガスからなる雰囲気)を用いて、直流電圧の印加により放電を起こす。このようにすると、反応性スパッタによりHf金属膜が形成される。ここで、スパッタ時間を制御することにより、所望の厚さを持つHf薄膜を得ることができるが、本比較例では、Hf金属膜を1〜3nm堆積する。また、Hf薄膜を結晶化温度(約600℃)以下の基板温度で形成する場合、Hf薄膜は非晶質となり、その断面構造に柱状構造は見られない。
また、金属膜12であるHf膜の堆積においては、Hf膜とシリコン基板1との界面におけるミキシング層の形成、及びそれに続く酸化を抑えるために、シリコン基板1の温度を300℃未満とすることが望ましい。これにより、Hf膜の堆積時に、シリコン基板とHf膜との間に界面層が形成されることを防止できる。また、Hf膜を堆積させる際には、シリコン基板1上に飛来する金属原子(Hf原子)11の1個あたりのエネルギー(粒子エネルギー)が小さいこと(具体的には1eV以下であること)がさらに望ましい。
尚、本比較例で用いているスパッタ法においては、基本的に粒子エネルギーは大きいが、動作圧力(チャンバー内部の圧力)として400Pa程度の低真空領域を選択することにより、粒子エネルギーを1eV程度に抑えることができる。また、本比較例ではスパッタ法を用いているが、粒子エネルギ−を小さくするために、熱エネルギー程度の粒子エネルギーを実現できる、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザ蒸着法又はCVD法等を用いることもできる。
次に、図5(b)に示すように、Hfからなる金属膜12の表面を、主として酸素ラジカル13を含む雰囲気にさらす。このとき、雰囲気中には、活性化されていない酸素原子(又は酸素分子)14も相当数含まれている。このような雰囲気中で金属膜12に対して酸化処理を行なうことにより、金属膜12から、ゲート絶縁膜となり且つ化学量論的組成を持つ金属酸化膜(具体的にはHfO2 膜)2が形成される。このとき、シリコン基板1と、金属酸化膜2であるHfO2 膜との間に界面層3が形成される。界面層3は、シリコン基板1の表面が酸化されてなるシリコン酸化膜である。
次に、金属酸化膜2の電気特性を十分に向上させるために、図5(c)に示すように、後処理工程として、酸化処理後のアニールを行なう。具体的には、酸化処理における非平衡性を改善するために、つまり、酸素原子とHf金属原子との結合性や均一性を高めるために、後処理工程として、酸化処理後のアニールを行なう。このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気中、例えば図5(c)のような窒素からなる雰囲気中、又はアルゴン等の不活性ガスからなる雰囲気中で熱処理を行なうことにより、界面層3への酸素の供給を避け、それにより界面層3の厚さが増大することを抑制することができる。実質的に酸素を含まない雰囲気として、真空雰囲気を用いてもよい。
その後、図示は省略しているが、第1の比較例と同様に、ゲート電極となるリンドープ・ポリシリコン膜をCVD法を用いて堆積する。その後、周知のリソグラフィ、ドライエッチング、ソース・ドレイン注入、配線工程等により、キャパシタ構造及びMOSトランジスタ構造を得ることができる。
尚、酸素ラジカル13の発生装置としては、プラズマ発生装置やオゾン発生装置を用いることができるが、本比較例では、図6に示すような、リモートプラズマ処理装置を用いることが特に好ましい。以下、この装置による金属膜表面の酸化処理について説明する。
まず、図6に示すように、シリコン基板(シリコンウェハ)1を、リモートプラズマ処理装置50のチャンバー51に導入し、基板ホルダー52の上に設置する。次に、チャンバー51の上側に設置されたラジカル生成室53に、タンク54から、酸素を含んだガス、例えばO2 ガス又はN2 Oガスを導入し、RF電力を印加することによって、ラジカル生成室53内に、酸素を含んだプラズマ55を発生させる。RF電力の印加のために、高周波電源56がマッチャー57を介してラジカル生成室53に接続されている。また、チャンバー51とラジカル生成室53との間には接続孔が設けられている。
プラズマ55の発生時には、ラジカル生成室53のプラズマ55にシリコンウェハ1が曝されることが無いように、空間的に又は電気的に酸素イオンをラジカル生成室53内に閉じ込める等の工夫が必要である。本比較例では、バイアス電力を印加せずに基板ホルダー52を浮遊電位に保つことにより、プラズマ55にシリコンウェハ1が曝されることを防止する。これにより、シリコンウェハ1に到達する酸化種を、酸素イオンを除く酸素原子(分子)14と酸素ラジカル13とにすることができる。ラジカル生成室53の具体的な実現方式としては、種々のプラズマ発生装置の他に、オゾン発生装置を用いることもできる。すなわち、本明細書では、オゾンも酸素ラジカルの一種として取り扱う。
以上に説明したように、O2 若しくはN2 Oを含むガスを用いたリモートプラズマ処理装置又はオゾン発生装置を用いてHf金属膜の酸化処理を行なうことにより、Hf金属膜に対して、主として酸素ラジカルを用いた酸化処理を行なうことができる。酸素ラジカルは、酸素原子(分子)と比べると、化学反応性が高い一方、酸素イオンと比べると、金属膜中へ入り込むための運動エネルギーが小さい。
ところで、酸素原子(分子)を用いてHf金属膜を酸化することにより、金属酸化膜であるHfO2 膜を得るためには、数百℃以上の酸化性雰囲気中での熱処理が必要となる。しかし、その場合、Hf金属膜のみならずシリコン基板表面への酸素の供給も避けられないため、シリコン基板とHf金属膜との間に低誘電率の界面層が形成される。このような界面層が形成されると、図3の(a)のようにhigh-kゲート絶縁膜全体の誘電率が小さくなってしまう(すなわちEOTが大きくなってしまう)。また、高温の熱処理によって、金属膜の酸化と同時に金属酸化膜の結晶化が同時に起こる結果、結晶粒界を介したリーク電流の程度が深刻になる。
他方、酸素イオンを用いる場合には、シリコン基板の処理温度が300℃程度以下であっても、金属膜を酸化させることができる。これにより、金属酸化膜の結晶化を抑えることもできる。また、酸素イオンのエネルギー制御によって、界面層形成の抑制及び制御も行なうことができる。しかしながら、酸化対象の金属膜の膜厚が1nm前後になってくると、又は、酸化後の金属酸化膜の膜厚が3nm以下になってくると、原理的に不可能になるわけではないが、膜厚の減少に対応する低エネルギーイオンを完全に制御することが容易ではなくなってくるので、界面層形成を抑制することが難しくなってくる。
それに対して、酸素ラジカルを用いる場合には、その化学反応性と比較的低温での熱拡散効果とを併用することにより、酸素原子(分子)や酸素イオンとは異なるプロセスウィンドウが存在する。具体的には、酸素ラジカルを用いる場合、基板処理温度が300℃未満と低い場合には、酸素原子(分子)を用いた場合と同様に金属膜の酸化は起こらない。逆に、基板処理温度が500℃以上と高い場合には、酸素原子(分子)を用いた場合と同様に、酸化反応が熱拡散によって完全に支配されてしまうので、界面層形成を避けることはできない。すなわち、酸素ラジカルを用いた場合に酸素原子(分子)及び酸素イオンに対して優位性が見られるのは、これらの中間温度領域(300〜500℃)である。
図7は、厚さ3.3nmのHf金属膜に対して400℃の温度でリモートプラズマ酸化処理及び通常の酸化処理をそれぞれ行なった場合におけるTEM(transmission electron microscope:透過型電子顕微鏡)像を示す。図7において、像(a)はリモートプラズマ酸化処理を30秒間行なった場合のTEM像であり、像(b)はリモートプラズマ酸化処理を120秒間行なった場合のTEM像であり、像(c)はリモートプラズマ酸化処理を480秒間行なった場合のTEM像である。また、像(d)は通常の酸化処理を480秒間行なった場合のTEM像である。また、図7の各像において、最下層の均質な領域がシリコン基板であり、上層の黒い部分が金属酸化膜(high-k層)であり、両者の間の白い部分が界面層であると考えられる。
リモートプラズマ酸化(RPO:remote plasma oxidation )を用いた場合、像(a)に示すように、処理時間30秒で、Hf金属が酸化してHfO2 になることによる膜厚増加(約1.6倍)が確認される。また、像(b)に示すように、処理時間120秒では、処理時間30秒と比べてHfO2 膜の膜厚は変わらず、また、界面層の成長もほとんど見られない。しかし、像(c)に示すように、処理時間480秒では、処理時間120秒と同様にHfO2 膜の膜厚は変わらないが、界面層の成長が明らかに見られる。
それに対して、プラズマを励起しない通常の酸化を用いた場合、像(d)に示すように、処理時間480秒で界面層の成長が始まっているにも関わらず、Hf金属の酸化速度が遅いため、金属酸化膜(high-k層)中に金属部分(未酸化部分)が残留していることがXPS(X-ray photoelectron spectroscopy:X線光電子分光法)により確認された。尚、リモートプラズマ酸化を用いた場合には、処理時間240秒程度で、金属酸化膜中に金属部分が完全に無くなっていることがXPSにより確認された。すなわち、熱拡散による通常の酸化では、金属膜の酸化の速度が遅いため、金属膜の酸化と同時に界面層の成長が起こってしまうのに対して、リモートプラズマ酸化、つまり主として酸素ラジカルを含む雰囲気中での酸化では、金属膜を低温で酸化することができると共に、金属膜の酸化が完了した後に、シリコン基板表面の酸化が始まると考えられる。このリモートプラズマ酸化に独特の酸化反応機構は、酸素ラジカルの化学反応性と基板加熱による熱拡散効果とがあいまって働くものと考えられる。本願発明者は、この現象を利用することによって、シリコン酸化膜等よりなる界面層の厚さを金属酸化膜の厚さとは独立して制御することができると考えた。以上のように、酸素ラジカルを用いた金属膜の酸化においては、酸素ラジカルの化学反応性と比較的低温での熱拡散効果とを併用できることにより、酸素原子(分子)や酸素イオンを用いた金属膜の酸化とは異なるプロセスウィンドウが存在する。
図8は、図7の像(a)〜(c)に示すような、リモートプラズマ酸化(RPO)により得られた金属酸化膜(HfO2 膜)におけるキャパシタ特性を示す。具体的には、図8は、膜厚3nmのHf金属膜に対して酸素ラジカルを用いて酸化処理を400℃で行なうことにより得られたHfO2 膜における、酸化膜換算膜厚EOT及びリーク電流密度JgのRPO処理時間に対する依存性を示している。ここで、金属膜の酸化は、酸素ラジカルの供給量に加えて熱拡散現象にも依存しているため、金属膜が完全に酸化されて化学量論的組成を持つ金属酸化膜が形成されるまでには、金属膜膜厚及び酸化処理温度等に応じた一定の処理時間が必要になる。このため、図8に示すように、RPO処理開始後から240秒程度まで、EOT及びJgは急激に減少する。すなわち、金属成分の酸化による誘電率k値の上昇が起こっているものと考えられる。また、界面層の成長が観測された処理時間480秒(図7の像(c)参照)では、Jgのさらなる減少が見られる一方、EOTは増加に転じるものと考えられる。但し、図8に示すように、処理時間480秒でもEOTは最小値に近い値を維持している。その理由は、次のように考えられる。すなわち、図7のTEM像(c)を詳細に観察すると、金属酸化膜の結晶化が起こっていることが分かり、この結晶化に伴う誘電率kの上昇と、界面層成長分による誘電率kの低下とが互いに相殺しあっているものと考えられる。すなわち、リモートプラズマ酸化(RPO)を用いた金属酸化膜形成においては、結晶化に伴うk値の増大(>30)が期待できる。
本比較例、つまり上記の酸素ラジカルを用いた酸化処理方法は、界面層形成が酸化膜換算膜厚EOTに深刻な影響を与える、金属酸化膜(具体的にはHfO2 膜)の膜厚が3nm未満の領域、言い換えると、酸化処理前の金属膜の膜厚が1.2nm未満の領域において、第1の比較例等の従来技術に対して特に優位性を持つ。
また、本比較例においても、Hf金属膜12を酸化する一方、シリコン基板1とHf金属膜12との間に形成される界面層3への酸素供給を防ぐためには、酸化処理されるHf金属膜12の膜厚及びRPO処理温度等に応じて処理時間を制御する必要がある。ここで、本比較例に基づいて各種膜厚(1〜3nm)のHf金属膜に対して処理温度400℃、処理時間120secの一律の酸化処理を行なうことにより作製した金属酸化膜(high-kゲート絶縁膜)における、キャパシタ特性(high-k膜物理膜厚と酸化膜換算膜厚EOTとの関係)を図3の(b)に示す。
すなわち、第1の比較例におけるスパッタリングによってHfO2 膜(金属酸化膜2)を形成すると、図2に示すように、界面層3の厚さが大きくなるのに対して、本比較例では、図9に示すように、界面層3の厚さが薄くなり、その結果、図3の(b)のような優れた電気特性を得ることができる。具体的には、図3の(b)から、酸素ラジカルを用いた本比較例におけるEOTへの界面層寄与分は0.4nm程度であって、第1の比較例と比べて1nm程度も抑制されていることが分かる。
前述のように本比較例においては、最適化の度合いにもよるが、酸素ラジカルの化学反応性と基板加熱による熱拡散効果とがあいまって独自の酸化反応機構(詳細は不明)が働き、その結果、界面層形成が最大限に抑えられると考えられる。本比較例に基づいて作製した金属酸化膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたMOSトランジスタ構造におけるリーク電流値(正確にはI−V測定により求めた、フラットバンド電圧Vfbー1Vにおけるリーク電流密度)Jg(A/cm2 )と前述のEOT値(nm)との関係を図4の(b)に示す。図4の(b)から、本比較例の金属酸化膜形成によって、従来のSiO2 膜やSiON膜と比べて、同じEOTでリーク電流値Jgを大きく低減できていることが分かる。また、本比較例による界面層形成の抑制効果によって、第1の比較例のスパッタリング法による金属酸化膜形成と比べても、EOT及びJgを大きく低減できていることが分かる。
以上に説明したように、本比較例によると、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜を形成するための酸化雰囲気中において、シリコン基板の酸化つまり低誘電率界面層の形成を確実に抑制することができる。また、本比較例は、通常のスパッタリング法を用いた金属酸化膜形成と比べて、均一性の面でプラズマ分布等の影響を直接受けないこと(例えば酸素イオンはプラズマ分布の影響を直接受けてしまう)、及び膜質の面でイオン衝撃等のダメージを受けないこと等の優位な点を持つ。
尚、本比較例では、シリコン基板表面に直接Hf金属膜を形成したが、これに代えて、Hf金属膜を形成する前に、シリコン基板に対して、前処理として窒化処理を行なってもよい。このようにすると、界面層の形成をさらに抑えることができる。また、金属膜材料としてHfを例にとって説明したが、これに代えて、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム又はその他の金属(例えば希土類金属の群から選択したLa)等を用いてもよい。
図10の(a)及び(b)はそれぞれ、第1の比較例及び第2の比較例に基づいて作製した金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたトランジスタの一特性(キャリア移動度μ peak と酸化膜換算膜厚EOTとの関係)を示す。また、図11の(a)及び(b)はそれぞれ、第1の比較例及び第2の比較例に基づいて作製した金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたトランジスタの他の特性(トランスコンダクタンスgmと酸化膜換算膜厚EOTとの関係)を示す。
図10の(a)及び図11の(a)に示すように、第1の比較例のスパッタリングによって得られたHfO2 膜における移動度μ peak 及びトランスコンダクタンスgmは、それぞれSiO2 膜におけるμ peak 及gmの値の半分以下である。これらの原因としては、high-k膜導入プロセス自体の不完全性を除くと、high-k膜導入に伴う移動度劣化機構(「課題を解決するための手段」参照)が働いたものと考えられる。
また、本比較例のリモートプラズマ酸化を用いた場合、第1の比較例と比べて、EOTやJgが低減される一方、界面層が薄くなった分だけ、図10の(b)及び図11の(b)に示すように、μ peak に深刻な低下が見られる。また、gm値については、EOT低減分による向上が期待できるはずであるが、移動度μ peak の低下の影響を受けて、従来のSiO2 膜やSiON膜と比べて、依然として低い値のままである。
すなわち、本比較例では、プロセスのさらなる高度化及びダメージレス化によって、EOTの低減を図ることができ、それによってリーク電流抑制にさらなる余裕が生まれる一方、移動度は逆に低下している。すなわち、本比較例を最適化すると共にチューニングすることにより、EOT及びリーク電流値を多少犠牲にしても移動度を向上させ、それにより所望のパフォーマンスを得る必要がある。
以下、2つの実施形態では、移動度を向上させるために本比較例を最適化し又はチューニングした方法として、リモートプラズマ酸化(RPO)の特徴を生かして界面層厚さをコントロールする方法について述べる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る電子デバイスの製造方法、具体的には金属酸化物よりなる高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法、詳しくは、金属膜を利用して金属酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する方法の各工程を示す断面図である(第2の比較例と同様)。
まず、第2の比較例と同様に、p型のシリコン基板1の表面の自然酸化膜をフッ酸水溶液によって除去し、それによりシリコン清浄表面を露出させる。このとき、シリコン基板1の表面を清浄化した後に、必要に応じて、該表面を窒化してもよい。次に、第2の比較例と同様に、図5(a)に示すように、直流スパッタ法により、金属原子(具体的にはHf原子)11をシリコン基板1に向けて飛ばして、それによってシリコン基板1上に直接、金属膜(具体的にはHf膜)12を形成する。尚、金属膜12の形成は、実質的に酸素を含まない雰囲気(例えばArガスからなる雰囲気)中において行なう。
本実施形態においては、high-kゲート絶縁膜のEOTの目標値を1.5nm以下として、移動度を向上させるために、EOTが1nm程度までの界面層の形成を許すものとすると、金属膜12が酸化されてなる金属酸化膜(HfO2 膜)の膜厚は3nm以下(つまりEOTが0.5nm以下)でなければならない。従って、金属膜12つまりHf金属膜は1.2nm以下でなければならない。そこで、本実施形態ではHf金属膜を厚さ1.1nm堆積するものとする。
次に、第2の比較例と同様に、図6に示すリモートプラズマ処理装置を用いて、図5(b)に示すように、Hfからなる金属膜12の表面を、主として酸素ラジカル13を含む雰囲気(活性化されていない酸素原子(又は分子)14も含まれている)にさらすことにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜(具体的にはHfO2 膜)2を形成する。このとき、シリコン基板1と、金属酸化膜2であるHfO2 膜との間に界面層3が形成される。界面層3は、シリコン基板1の表面が酸化されてなるシリコン酸化膜である。
次に、金属酸化膜2の膜質及び電気特性を十分に向上させるため、第2の比較例と同様に、図5(c)に示すように、後処理工程として、酸化処理後のアニールを行なう。このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気中、例えば図5(c)のような窒素からなる雰囲気中、又はアルゴン等の不活性ガスからなる雰囲気中で熱処理を行なうことにより、界面層3への酸素の供給を避け、それにより界面層3の厚さが増大することを抑制することができる。実質的に酸素を含まない雰囲気として、真空雰囲気を用いてもよい。
その後、図示は省略しているが、ゲート電極となる、例えばリンドープ・ポリシリコン膜をCVD法を用いて堆積する。その後、周知のリソグラフィ、ドライエッチング、ソース・ドレイン注入、配線工程等により、図12に示すような、ゲート電極4Aを備えたキャパシタ構造、又は、図13に示すような、ゲート電極4A、低濃度不純物拡散層(LDD層)5、サイドウォール6、高濃度不純物拡散層(HDD層)7、ソース電極8及びドレイン電極9を備えたMOSトランジスタ構造を得ることができる。
ところで、図5(b)に示す、本実施形態のリモートプラズマ酸化(RPO)においては、処理温度を第2の比較例と同様に400℃に設定する一方、処理時間を120秒、240秒及び480秒と変化させる。このようにして得られた、金属酸化物(HfO2 )からなる高誘電率ゲート絶縁膜のキャパシタ特性(I−V測定により求めた、フラットバンド電圧Vfbー1Vにおけるリーク電流値Jg(A/cm2 )と酸化膜換算膜厚EOT値(nm)との関係)を図4の(c)に示す。図4の(c)から、一定の厚さのHf金属膜に対するRPO処理時間を増やすことによって、界面層の厚さが増加したためと考えられるが、EOTが0.7nmから1.5nmまで変化していることが分かる。このとき、リーク電流値Jgは、第2の比較例(図4の(b))と比べて、同じEOT値に対して大きくなる傾向を示している。これは次のような理由によって起こっているものと考えられる。すなわち、本実施形態では、第2の比較例と比べて同じEOT値に対して界面層3の厚さが厚くなっているため、high-k層(金属酸化膜2)を含めたゲート絶縁膜のトータルの物理膜厚が相対的に薄くなるので、リーク電流値Jgが大きくなる。しかしながら、第2の比較例と比べてリーク電流値が大きくなってはいるものの、従来のSiO2 膜等と比べた場合、EOT1.3nm付近でのリーク電流抑制について依然十分な余裕がある。
図10の(c)及び図11の(c)はそれぞれ、本実施形態に基づいて作製した金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたトランジスタの一特性(キャリア移動度μ peak と酸化膜換算膜厚EOTとの関係)及び他の特性(トランスコンダクタンスgmと酸化膜換算膜厚EOTとの関係)を示す。
図10の(c)に示すように、本実施形態においては、第2の比較例と比べて界面層3が厚くなった分だけ、移動度μ peak が大幅に改善している。また、図11の(c)に示すように、gm値についても大幅な改善が見られる。すなわち、本実施形態においては、Hf金属膜の酸化に酸素プラズマを用いることによりプロセスウインドが広がるため、EOT及びリーク電流値を多少犠牲にしても移動度を向上させることが可能となり、その結果、従来のSiO2 膜やSiON膜を用いた場合の80%程度のパフォーマンスを達成することは十分可能であると考えられる。
以上に説明したように、第1の実施形態によると、チャネル領域となるシリコン領域(シリコン基板1)と、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜(HfO2 膜)2つまり高誘電率材料とを、シリコン酸化膜である界面層3によって分離することができるので、トランジスタにおける移動度の劣化を抑えることができる。
また、第1の実施形態によると、ゲート絶縁膜を構成する金属(Hf)の堆積をスパッタ法により行なうため、該金属を物理吸着のみによって堆積させることができるので、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜(Hf膜)12を形成できる。従って、薄く且つ均一な金属酸化膜2を化学量論的組成で形成することができる。
また、第1の実施形態によると、金属酸化膜2を形成する工程でシリコン基板1の表面を酸化させることにより、界面層3となるシリコン酸化膜を形成するが、このとき、金属膜12の酸化が完了した後にシリコン基板1の表面の酸化が始まるため、界面層3となるシリコン酸化膜の膜厚を独立に制御することができる。従って、界面層3の厚さを自由に且つ独立に設定できる。ここで、higk-kゲート絶縁膜の主要な性能指標である酸化膜換算膜厚、ゲートリーク電流及びキャリア移動度等は全て界面層厚さに関してトレードオフの関係にあるので、界面層3の厚さを自由に且つ独立に設定できる本実施形態は、所望のトランジスタスペックを全て満たすために非常に効果的である。すなわち、本実施形態によると、higk-kゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながらキャリア移動度の劣化を防止できる。
尚、第1の実施形態において、higk-kゲート絶縁膜が形成されるシリコン領域はシリコン基板1に限られず、シリコン膜であってもよいし、又は、主としてシリコンからなる基板若しくは膜であってもよい。
また、第1の実施形態において、シリコン基板1の表面の自然酸化膜を除去するために、フッ酸水溶液を用いたが、これに代えて、他のウェットエッチング液を用いてもよい。また、シリコン基板表面のウェットエッチングを行なう場合には、水素終端表面を露出させることが好ましい。
また、第1の実施形態において、シリコン基板1の表面に直接、Hfからなる金属膜12を形成したが、これに代えて、金属膜12を形成する前に、シリコン基板1の表面に対して窒化処理(前処理)を行なってもよい。これにより、界面層の形成をさらに抑えることができる。
また、第1の実施形態において、金属膜12の材料としてHfを例にとって説明したが、Hfに限られず、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム又はその他の金属(例えば希土類金属の群から選択したLa)等を用いてもよい。このようにすると、金属膜が酸化されてなる金属酸化膜の誘電率が高くなる。尚、金属膜12の堆積には、スパッタリング法等のPVD法を用いることが好ましい。このようにすると、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜12を形成できる。また、金属膜12を構成する元素として、前述の元素及びシリコンの中から2種類以上の元素を選択してもよい。また、金属膜12に代えて、窒素を含んだ金属窒化膜を堆積してもよい。このように2種類以上の元素を含む金属膜を実現する手段としては、複数の金属ターゲットを用いた同時スパッタリング、合金ターゲットを用いたスパッタリング、又は窒素を含む雰囲気中でのスパッタリング等を利用できる。
また、第1の実施形態において、金属膜12の材料としてHfを用いる場合、金属膜12の厚さは、金属膜(Hf膜)12が酸化されてなる金属酸化膜(HfO2 膜)2の厚さが3nm未満となるように調節されることが好ましい。すなわち、金属膜(Hf膜)12の厚さは1.2nm未満であることが好ましい。このようにすると、EOTが1nm程度までの界面層3を形成することが許容される。但し、均一性等の観点から、金属膜(Hf膜)12の厚さは0.4nm以上であること、つまり金属酸化膜(HfO2 膜)2の厚さが1nm以上であることが好ましい。
また、第1の実施形態において、金属酸化膜2の形成にはリモートプラズマ酸化を用いることが好ましい。このようにすると、金属酸化膜2を低温で形成できるため、界面層3となるシリコン酸化膜の形成を抑制することができる。この場合、リモートプラズマ酸化の処理温度が380℃以上で且つ420℃以下であると、金属膜12の酸化と界面層3の抑制とを確実に両立させることができる。尚、処理温度が低い場合にはプラズマパワーを大きくすることによって、処理温度が高い場合と同等の効果が得られる。また、プラズマ処理時間が短い場合には、処理温度を高くすることによって、プラズマ処理時間が長い場合と同等の効果が得られる。
言い換えると、第1の実施形態において、酸素ラジカルを主とする雰囲気中で金属膜12に対して酸化処理を行なうことが好ましい。このようにすると、酸素原子又は酸素分子を含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属酸化膜2を低温で形成することができるため、界面層3の形成を抑制できる。また、金属酸化膜2の低温形成が可能となることによって、金属酸化膜2の結晶化を抑制でき、それによってゲートリーク電流の発生を防止できる。また、酸素イオンを含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属膜12が薄い場合にもシリコン基板1へのダメージを防止できる。尚、酸素ラジカルの供給手段として、本実施形態のリモートプラズマ処理装置以外に、プラズマ発生装置又はオゾン発生装置を用いてもよい。
また、第1の実施形態において、図5(b)に示す、金属酸化膜2の形成工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において金属酸化膜2の上に他の金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において該他の金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる他の金属酸化膜を形成する工程とを備えていてもよい。言い換えると、薄い金属膜の堆積と該金属膜の酸化とを繰り返し行なってもよい。このようにすると、金属膜が完全に酸化されるので、化学量論的組成を持つ金属酸化膜を得やすくなる。
また、第1の実施形態において、界面層3となるシリコン酸化膜の厚さは0.5nm以上で且つ1.0nm以下であることが好ましい。このようにすると、ゲート絶縁膜の誘電率を確実に高く維持することができる。また、界面層3として、シリコン酸化膜に代えてシリコン酸窒化膜又はシリケート膜が形成されてもよい。また、金属酸化膜2を形成する工程(図5(b)に示す工程)よりも後に、例えば金属酸化膜2中の金属原子の拡散によって、シリコン酸化膜がシリケート膜に変質してもよい。
また、第1の実施形態において、シリコン基板1の最表面に含まれるシリコン原子は、界面層3つまりシリコン酸化膜に含まれる酸素原子と結合していることが好ましい。このようにすると、トランジスタにおける移動度の劣化を確実に抑えることができる。
また、第1の実施形態において、金属酸化膜2つまりhigh-k膜の用途としてゲート絶縁膜を例にして説明したが、これに代えて、high-k膜を他の用途、例えば容量絶縁膜に用いてもよいことは言うまでもない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの製造方法、具体的には金属酸化物よりなる高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法について説明する。
図14(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法、詳しくは、金属膜を利用して金属酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する方法の各工程を示す断面図である。
まず、第1の実施形態と同様に、p型のシリコン基板1の表面の自然酸化膜をフッ酸水溶液によって除去し、それによりシリコン清浄表面を露出させる。このとき、シリコン基板1の表面を清浄化した後に、必要に応じて、該表面を窒化してもよい。
次に、本実施形態の特徴として、例えば急速熱酸化(RTO:rapid thermal oxidation )法によって、図14(a)に示すように、シリコン基板1の表面にシリコン酸化膜(SiO2 膜)15を形成する。尚、本実施形態では厚さ0.5nm及び1nmの2種類のSiO2 膜15を形成した。
次に、図14(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、直流スパッタ法により、金属原子(具体的にはHf原子)11をシリコン基板1に向けて飛ばして、それによってSiO2 膜15上に直接、金属膜(具体的にはHf膜)12を形成する。このとき、スパッタ法を用いたHf金属膜堆積過程は、下地がシリコン基板1からSiO2 膜15に変わったことによる影響を受けない。尚、金属膜12の形成は、実質的に酸素を含まない雰囲気(例えばArガスからなる雰囲気)中において行なう。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、high-kゲート絶縁膜のEOTの目標値を1.5nm以下として、移動度を向上させるために、EOTが1nm程度までの界面層の存在を許すものとすると、金属膜12が酸化されてなる金属酸化膜(HfO2 膜)の膜厚は3nm以下(つまりEOTが0.5nm以下)でなければならない。従って、金属膜12つまりHf金属膜は1.2nm以下でなければならない。そこで、本実施形態でも、Hf金属膜を厚さ1.1nm堆積するものとする。
次に、第1の実施形態と同様に、図6に示すリモートプラズマ処理装置を用いて、図14(c)に示すように、Hfからなる金属膜12の表面を、主として酸素ラジカル13を含む雰囲気(活性化されていない酸素原子(又は分子)14も含まれている)にさらすことにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜(具体的にはHfO2 膜)2を形成する。このとき、シリコン基板1と、金属酸化膜2であるHfO2 膜との間に、基本的にSiO2 膜15よりなる界面層3が介在する。
次に、金属酸化膜2の膜質及び電気特性を十分に向上させるため、第1の実施形態と同様に、図14(d)に示すように、後処理工程として、酸化処理後のアニールを行なう。このとき、実質的に酸素を含まない雰囲気中、例えば図14(d)のような窒素からなる雰囲気中、又はアルゴン等の不活性ガスからなる雰囲気中で熱処理を行なうことにより、界面層3への酸素の供給を避け、それにより界面層3の厚さが増大することを抑制することができる。実質的に酸素を含まない雰囲気として、真空雰囲気を用いてもよい。
その後、図示は省略しているが、第1の実施形態と同様に、ゲート電極となる、例えばリンドープ・ポリシリコン膜をCVD法を用いて堆積する。その後、周知のリソグラフィ、ドライエッチング、ソース・ドレイン注入、配線工程等により、図12に示すような、ゲート電極4Aを備えたキャパシタ構造、又は、図13に示すような、ゲート電極4A、低濃度不純物拡散層(LDD層)5、サイドウォール6、高濃度不純物拡散層(HDD層)7、ソース電強8及びドレイン電極9を備えたMOSトランジスタ構造を得ることができる。
ところで、図14(c)に示す、本実施形態のリモートプラズマ酸化(RPO)においては、処理温度を第1の実施形態と同様に400℃に設定する一方、処理時間については一定の120秒に設定する。このようにして得られた、金属酸化物(HfO2 )からなる高誘電率ゲート絶縁膜のキャパシタ特性(I−V測定により求めた、フラットバンド電圧Vfbー1Vにおけるリーク電流値Jg(A/cm2 )と酸化膜換算膜厚EOT値(nm)との関係)を図4の(d)に示す。図4の(d)から、下地膜であるSiO2 膜15の厚さが増えるに伴って界面層の厚さが増加したためと考えられるが、EOTが0.7nmから1.5nmまで変化している(尚、図4の(d)の左上のデータは、第1の実施形態と同様に、SiO2 膜15を形成せずに金属膜12を形成した場合に得られたものである)。このとき、リーク電流値Jgは、第2の比較例(図4の(b))と比べて、同じEOT値に対して大きくなる傾向を示している。これは、第1の実施形態と同様に次のような理由によって起こっているものと考えられる。すなわち、本実施形態では、第2の比較例と比べて同じEOT値に対して界面層3の厚さが厚くなっているため、high-k層(金属酸化膜2)を含めたゲート絶縁膜のトータルの物理膜厚が相対的に薄くなるので、リーク電流値Jgが大きくなる。しかしながら、第2の比較例と比べてリーク電流値が大きくなってはいるものの、従来のSiO2 膜等と比べた場合、EOT1.3nm付近でのリーク電流抑制について依然十分な余裕がある。
図10の(d)及び図11の(d)はそれぞれ、本実施形態に基づいて作製した金属酸化物薄膜(high-kゲート絶縁膜)を用いたトランジスタの一特性(キャリア移動度μ peak と酸化膜換算膜厚EOTとの関係)及び他の特性(トランスコンダクタンスgmと酸化膜換算膜厚EOTとの関係)を示す。
図10の(d)に示すように、本実施形態においては、第2の比較例と比べて界面層3が厚くなった分だけ、移動度μ peak が大幅に改善している。また、図11の(d)に示すように、gm値についても大幅な改善が見られる。すなわち、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、Hf金属膜の酸化に酸素プラズマを用いることによりプロセスウインドが広がるため、EOT及びリーク電流値を多少犠牲にしても移動度を向上させることが可能となり、その結果、従来のSiO2 膜やSiON膜を用いた場合の80%程度のパフォーマンスを達成することは十分可能であると考えられる。
以上に説明したように、第2の実施形態によると、チャネル領域となるシリコン領域(シリコン基板1)と、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜(HfO2 膜)2つまり高誘電率材料とを、シリコン酸化膜である界面層3によって分離することができるので、トランジスタにおける移動度の劣化を抑えることができる。
また、第2の実施形態によると、ゲート絶縁膜を構成する金属(Hf)の堆積をスパッタ法により行なうため、該金属を物理吸着のみによって堆積させることができるので、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜(Hf膜)12を形成できる。従って、極薄のSiO2 膜15上であっても、その表面状態に依存せずに、薄く且つ均一な金属酸化膜(HfO2 膜)2を化学量論的組成で形成することができる。これにより、シリコン基板1と金属酸化膜2との間の界面層3となるシリコン酸化膜を所望の膜厚で、具体的には極薄に形成することができる。従って、界面層3の厚さを自由に且つ独立に設定できる。ここで、higk-kゲート絶縁膜の主要な性能指標である酸化膜換算膜厚、ゲートリーク電流及びキャリア移動度等は全て界面層厚さに関してトレードオフの関係にあるので、界面層3の厚さを自由に且つ独立に設定できる本実施形態は、所望のトランジスタスペックを全て満たすために非常に効果的である。すなわち、本実施形態によると、higk-kゲート絶縁膜の誘電率を高く維持しながらキャリア移動度の劣化を防止できる。
尚、第2の実施形態においては、金属膜12の下側に予め、界面層3となるSiO2 膜15が設けられているため、金属膜12の酸化が完了した後にシリコン基板1の表面まで酸化されてしまうことはないので、界面層3の厚さは、ほぼ形成時点のSiO2 膜15の厚さのままに保たれる。
また、第2の実施形態において、higk-kゲート絶縁膜が形成されるシリコン領域はシリコン基板1に限られず、シリコン膜であってもよいし、又は、主としてシリコンからなる基板若しくは膜であってもよい。
また、第2の実施形態において、シリコン基板1の表面の自然酸化膜を除去するために、フッ酸水溶液を用いたが、これに代えて、他のウェットエッチング液を用いてもよい。また、シリコン基板表面のウェットエッチングを行なう場合には、水素終端表面を露出させることが好ましい。このようにすると、シリコン基板1の表面に極薄のSiO2 膜15を均一に且つ安定して形成することができる。
また、第2の実施形態において、シリコン基板1の表面にSiO2 膜15を形成した後、Hfからなる金属膜12を形成したが、これに代えて、SiO2 膜15を形成する前に、シリコン基板1の表面に対して窒化処理(前処理)を行なってもよい。これにより、界面層の形成をさらに抑えることができる。
また、第2の実施形態において、シリコン基板1に対する前処理として、急速熱酸化(RTO)法を用いてSiO2 膜15を形成した。しかし、急速熱酸化法に限られず、酸素を含む雰囲気中においてシリコン基板1に対して熱処理を行なってSiO2 膜15を形成してもよい。具体的には、炉を用いた熱酸化又はプラズマ酸化によりSiO2 膜15を形成してもよい。或いは、ウェット処理により、具体的には、シリコン基板1の表面に、過酸化水素又はオゾンを含む溶液を供給することによりSiO2 膜15を形成してもよい。また、酸化窒素を含む雰囲気中においてシリコン基板1に対して熱処理を行なうことにより、SiO2 膜に代えて、SiON膜を形成してもよい。具体的には、炉を用いた熱酸窒化又はプラズマ酸窒化によりSiON膜を形成してもよい。
また、第2の実施形態において、金属膜12の材料としてHfを例にとって説明したが、Hfに限られず、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム又はその他の金属(例えば希土類金属の群から選択したLa)等を用いてもよい。このようにすると、金属膜が酸化されてなる金属酸化膜の誘電率が高くなる。尚、金属膜12の堆積には、スパッタリング法等のPVD法を用いることが好ましい。このようにすると、成膜初期の下地表面状態にほとんど依存することなく、薄く且つ均一な金属膜12を形成できる。また、金属膜12を構成する元素として、前述の元素及びシリコンの中から2種類以上の元素を選択してもよい。また、金属膜12に代えて、窒素を含んだ金属窒化膜を堆積してもよい。このように2種類以上の元素を含む金属膜を実現する手段としては、複数の金属ターゲットを用いた同時スパッタリング、合金ターゲットを用いたスパッタリング、又は窒素を含む雰囲気中でのスパッタリング等を利用できる。
また、第2の実施形態において、金属膜12の材料としてHfを用いる場合、金属膜12の厚さは、金属膜(Hf膜)12が酸化されてなる金属酸化膜(HfO2 膜)2の厚さが3nm未満となるように調節されることが好ましい。すなわち、金属膜(Hf膜)12の厚さは1.2nm未満であることが好ましい。このようにすると、EOTが1nm程度までの界面層3を形成することが許容される。但し、均一性等の観点から、金属膜(Hf膜)12の厚さは0.4nm以上であること、つまり金属酸化膜(HfO2 膜)2の厚さが1nm以上であることが好ましい。
また、第2の実施形態において、金属酸化膜2の形成にはリモートプラズマ酸化を用いることが好ましい。このようにすると、金属酸化膜2を低温で形成できるため、界面層3となるシリコン酸化膜の形成を抑制することができる。この場合、リモートプラズマ酸化の処理温度が380℃以上で且つ420℃以下であると、金属膜12の酸化と界面層3の抑制とを確実に両立させることができる。尚、処理温度が低い場合にはプラズマパワーを大きくすることによって、処理温度が高い場合と同等の効果が得られる。また、プラズマ処理時間が短い場合には、処理温度を高くすることによって、プラズマ処理時間が長い場合と同等の効果が得られる。
言い換えると、第2の実施形態において、酸素ラジカルを主とする雰囲気中で金属膜12に対して酸化処理を行なうことが好ましい。このようにすると、酸素原子又は酸素分子を含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属酸化膜2を低温で形成することができるため、界面層3の形成を抑制できる。また、金属酸化膜2の低温形成が可能となることによって、金属酸化膜2の結晶化を抑制でき、それによってゲートリーク電流の発生を防止できる。また、酸素イオンを含む雰囲気を用いる場合と比べて、金属膜12が薄い場合にもシリコン基板1へのダメージを防止できる。尚、酸素ラジカルの供給手段として、本実施形態のリモートプラズマ処理装置以外に、プラズマ発生装置又はオゾン発生装置を用いてもよい。
また、第2の実施形態において、図14(c)に示す、金属酸化膜2の形成工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において金属酸化膜2の上に他の金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において該他の金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる他の金属酸化膜を形成する工程とを備えていてもよい。言い換えると、薄い金属膜の堆積と該金属膜の酸化とを繰り返し行なってもよい。このようにすると、金属膜が完全に酸化されるので、化学量論的組成を持つ金属酸化膜を得やすくなる。
また、第2の実施形態において、界面層3つまりSiO2 膜15の厚さは0.5nm以上で且つ1.0nm以下であることが好ましい。このようにすると、ゲート絶縁膜の誘電率を確実に高く維持することができる。また、界面層3として、SiO2 膜15に代えてシリコン酸窒化膜又はシリケート膜が形成されてもよい。また、金属酸化膜2を形成する工程(図14(c)に示す工程)よりも後に、例えば金属酸化膜2中の金属原子の拡散によって、界面層3であるシリコン酸化膜がシリケート膜に変質してもよい。
また、第2の実施形態において、シリコン基板1の最表面に含まれるシリコン原子は、界面層3つまりシリコン酸化膜に含まれる酸素原子と結合していることが好ましい。このようにすると、トランジスタにおける移動度の劣化を確実に抑えることができる。
また、第2の実施形態において、金属酸化膜2つまりhigh-k膜の用途としてゲート絶縁膜を例にして説明したが、これに代えて、high-k膜を他の用途、例えば容量絶縁膜に用いてもよいことは言うまでもない。
以上に説明したように、本発明は、高誘電率膜の形成方法に関し、ゲート絶縁膜を有する電子デバイスの製造方法等に適用する場合に特に有用である。
第1の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法の一工程を示す断面図である。 第1の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法において厚い界面層が形成された様子を示す図である。 第1及び第2の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法のそれぞれに基づいて作製したゲート絶縁膜におけるキャパシタ特性を示す図である。 第1及び第2の比較例並びに本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法のそれぞれに基づいて作製したゲート絶縁膜を用いたMOSトランジスタ構造におけるリーク電流値とEOT値との関係を示す図である。 (a)〜(c)は第2の比較例及び本発明の第1の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法の各工程を示す断面図である。 第2の比較例並びに本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法において用いるリモートプラズマ処理装置の構成図である。 厚さ3.3nmのHf金属膜に対して400℃の温度でリモートプラズマ酸化処理及び通常の酸化処理をそれぞれ行なった場合におけるTEM像を示す図である。 厚さ3nmのHf金属膜に対して酸素ラジカルを用いて酸化処理を400℃で行なうことにより得られたHfO2 膜における、酸化膜換算膜厚EOT及びリーク電流密度JgのRPO処理時間に対する依存性を示す図である。 第2の比較例に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法において薄い界面層が形成された様子を示す図である。 第1及び第2の比較例並びに本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法のそれぞれに基づいて作製したゲート絶縁膜を用いたトランジスタにおけるキャリア移動度とEOTとの関係を示す図である。 第1及び第2の比較例並びに本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法のそれぞれに基づいて作製したゲート絶縁膜を用いたトランジスタにおけるトランスコンダクタンスとEOTとの関係を示す図である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法に基づいて作製したゲート絶縁膜を備えたキャパシタ構造を示す断面図である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法に基づいて作製したゲート絶縁膜を備えたMOSトランジスタ構造を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る高誘電率ゲート絶縁膜の形成方法の各工程を示す断面図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 金属酸化膜(high−k層)
3 界面層
4 リンドープ・ポリシリコン膜
4A ゲート電極
5 LDD層
6 サイドウォール
7 HDD層
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 ターゲット
11 金属原子
12 金属膜
13 酸素ラジカル
14 酸素原子(分子)
15 SiO2
50 リモートプラズマ処理装置
51 チャンバー
52 基板ホルダー
53 ラジカル生成室
54 タンク
55 プラズマ
56 高周波電源
57 マッチャー

Claims (20)

  1. 実質的に酸素を含まない雰囲気中において、シリコン領域の上に金属膜を堆積する工程と、
    酸素を含む雰囲気中において、前記金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜を形成する工程とを備え、
    前記金属酸化膜を形成する工程は、前記シリコン領域の表面を酸化させることにより、シリコン酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  2. 実質的に酸素を含まない雰囲気中において、シリコン領域の上に金属膜を堆積する工程と、
    酸素を含む雰囲気中において、前記金属膜を酸化させることにより、ゲート絶縁膜となる金属酸化膜を形成する工程とを備え、
    前記金属膜を堆積する工程は、前記シリコン領域の表面にシリコン酸化膜が形成された状態で行なわれることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  3. 前記金属膜を堆積する工程よりも前に、前記シリコン領域をウェットエッチングすることにより水素終端表面を露出させる工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記シリコン酸化膜の厚さは0.5nm以上で且つ1.0nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記シリコン酸化膜に代えてシリコン酸窒化膜又はシリケート膜が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記金属酸化膜を形成する工程よりも後に、前記シリコン酸化膜はシリケート膜に変質することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記シリコン領域の最表面に含まれるシリコン原子は、前記シリコン酸化膜に含まれる酸素原子と結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記シリコン酸化膜は、酸素を含む雰囲気中において前記シリコン領域に対して熱処理を行なうことにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 前記シリコン酸化膜は、前記シリコン領域に対して、炉を用いた熱酸化又はプラズマ酸化を行なうことにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 前記シリコン酸化膜は、前記シリコン領域の表面に、過酸化水素又はオゾンを含む溶液を供給することにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  11. 前記金属膜を堆積する工程はPVD法を用いて行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  12. 前記金属膜はハフニウムからなり、
    前記金属膜を堆積する工程は、前記金属酸化膜の厚さが1nm以上で且つ3nm未満となるように前記金属膜の厚さを調節する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  13. 前記金属膜に代えて金属窒化膜が堆積されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  14. 前記金属膜を構成する金属元素は、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム及びシリコンの中から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  15. 前記金属酸化膜を形成する工程はリモートプラズマ酸化を用いて行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  16. 前記リモートプラズマ酸化の処理温度は380℃以上で且つ420℃以下であることを特徴とする請求項15に記載の電子デバイスの製造方法。
  17. 前記酸素を含む雰囲気は主として酸素ラジカルを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  18. 前記酸素ラジカルはオゾン発生装置又はプラズマ発生装置から供給されることを特徴とする請求項17に記載の電子デバイスの製造方法。
  19. 前記金属酸化膜を形成する工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において前記金属酸化膜の上に他の金属膜を堆積する工程と、酸素を含む雰囲気中において前記他の金属膜を酸化させることにより、前記ゲート絶縁膜となる他の金属酸化膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  20. 前記金属酸化膜を形成する工程よりも後に、実質的に酸素を含まない雰囲気中において、前記金属酸化膜に対して熱処理を行なう工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
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