JP2005079362A - 気中不純物の評価方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリーンルーム内で突発的に不純物濃度が上昇した際に速やかに検知できる気中不純物の評価方法を提供する。さらには、この気中不純物の評価方法を用いて、歩留まり向上を図った半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 撥水性表面1aを有する傾斜台1に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台1を温度調整手段2で氷点下に冷却して撥水性表面1aに氷6を生成し、温度調整手段2の動作変更によって傾斜台1の撥水性表面1aが氷点を上回るようにして撥水性表面1aから氷6を落下させて一括的に回収し、回収された氷6を融解して不純物濃度を分析するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 撥水性表面1aを有する傾斜台1に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台1を温度調整手段2で氷点下に冷却して撥水性表面1aに氷6を生成し、温度調整手段2の動作変更によって傾斜台1の撥水性表面1aが氷点を上回るようにして撥水性表面1aから氷6を落下させて一括的に回収し、回収された氷6を融解して不純物濃度を分析するようにした。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半導体デバイスの製造プロセスの分野に属するものであり、とくにクリーンルーム雰囲気の不純物の評価に関するものである。
半導体デバイスの製造プロセスの高度化に伴ない、クリーンルーム内の不純物として空気中にごく微量に存在するイオン成分が問題視されている。従来のクリーンルーム不純物の評価方法では、クリーンルームの常温雰囲気を常時連続的に採取し、冷却パイプに結露した水をドレインで回収して、この結露水に含まれるイオン成分をイオンクロマトグラフィーなどの手法によって分析している(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、従来の技術では、冷却パイプに結露しているすべての結露水が一気に滴下することはなく、冷却パイプには常時結露水が存在している。この場合、クリーンルーム雰囲気の不純物濃度が変化したとしても、新たに結露する水分中の不純物濃度が気中不純物濃度の変化を反映しているにもかかわらず、既に結露していた水分中の不純物濃度の影響により、結露水全体の不純物濃度は徐々に変化するに過ぎない。すなわち、クリーンルーム内で突発的に不純物濃度が上昇しても、結露水中の不純物濃度は徐々に上昇するに過ぎない。さらに、イオンクロマトグラフィーによる分析には数時間から十数時間が必要である。そのため、クリーンルーム内で突発的な不純物濃度の上昇を速やかに検知できないといった問題がある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、クリーンルーム内で突発的に不純物濃度が上昇した際に速やかに検知できる気中不純物の評価方法を提供する。さらには、この気中不純物の評価方法を用いて、歩留まり向上を図った半導体デバイスの製造方法を提供する。
この発明における気中不純物の評価方法は、撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解して不純物濃度を分析するものである。
また、この発明における半導体デバイスの製造方法は、化学増幅型レジスト露光装置の周囲におけるクリーンルーム雰囲気について、撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解してアンモニア成分濃度を波長210nm以下の紫外線の吸光度によって分析し、アンモニア成分濃度の分析結果に基づいて、化学増幅型レジストを塗布された半導体ウェハの露光工程を管理するものである。
また、この発明における半導体デバイスの製造方法は、シリコン酸化絶縁膜形成装置の周囲におけるクリーンルーム雰囲気について、撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解して有機物成分濃度を波長240〜260nmの紫外線の吸光度によって分析し、有機物成分濃度の分析結果に基づいて、シリコン酸化絶縁膜形成工程を管理するものである。
この発明によれば、クリーンルーム内で突発的に不純物濃度が上昇した際に速やかに検知できる気中不純物の評価方法を提供できる。さらには、この気中不純物の評価方法を用いて、歩留まり向上を図った半導体デバイスの製造方法を提供できる。
実施の形態1.
図1は、本発明が適用される気中不純物の評価方法における実施の形態1を説明するための気中不純物捕集装置の概略図である。気中不純物捕集装置10は、空気の取込口と排出口とを備えており、クリーンルーム雰囲気の取込と排出のために、図示しないファンとフィルタを備えている。気中不純物捕集装置10の内部に設けられたアルミニウムや銅などの熱伝導率のよい金属からなる傾斜台1は、少なくとも一方の面に撥水加工を施すことにより撥水性表面1aを有している。撥水加工としては、ポリテトラフルオロエチレンやポリプロピレンなどの撥水性プラスチックのコーティングや、ニッケル金属中に撥水材料を分散させた撥水めっきなどがある。
図1は、本発明が適用される気中不純物の評価方法における実施の形態1を説明するための気中不純物捕集装置の概略図である。気中不純物捕集装置10は、空気の取込口と排出口とを備えており、クリーンルーム雰囲気の取込と排出のために、図示しないファンとフィルタを備えている。気中不純物捕集装置10の内部に設けられたアルミニウムや銅などの熱伝導率のよい金属からなる傾斜台1は、少なくとも一方の面に撥水加工を施すことにより撥水性表面1aを有している。撥水加工としては、ポリテトラフルオロエチレンやポリプロピレンなどの撥水性プラスチックのコーティングや、ニッケル金属中に撥水材料を分散させた撥水めっきなどがある。
傾斜台1の撥水性表面1aとは反対側の面には、温度調整手段としてのペルチェ素子2が密着している。ペルチェ素子2は、2枚の絶縁伝熱板2aの間にP型半導体2bとN型半導体2cとを交互に配置し、導体2dによってP型半導体2bとN型半導体2cとが電気的に直列かつ熱的に並列に接続されたものである。図1のように、直流電源3の正極をペルチェ素子2のP型半導体2bに、負極をN型半導体2cに接続すると、ペルチェ素子2は傾斜台1との密着面が冷却され、他方の面が加熱される。ファン4はペルチェ素子2からの放熱を促進させ、ペルチェ素子2の動作効率を高めるものである。
ペルチェ素子2に適宜設定された電流を印加すると、傾斜台1の撥水性表面1aは氷点下まで冷却される。ここに、例えば24℃、湿度45%の常温のクリーンルーム雰囲気を流通させると、撥水性表面1aに接触したクリーンルーム雰囲気が冷却されて、過飽和となった水蒸気が撥水性表面1aにおいて凝集する。ここで凝集とは、気体から液体または固体に変化することをいう。撥水性表面1aは氷点下に冷却されているため、凝集した水分は氷6となる。氷6は、氷結当初のうちはおよそ半球状の氷滴であり、その形状は撥水性表面1aの水との接触角に依存する。氷結が進行するにしたがって氷6同士が一体化し、薄片状となる。
氷6が十分に成長した段階で、ペルチェ素子2と直流電源3の接続を遮断し、ペルチェ素子2の動作停止によって傾斜台1の冷却を停止すると、傾斜台1の撥水性表面1aが氷点を上回る。ペルチェ素子2による冷却温度はだいたい−5〜−10℃であり、冷却面積も比較的小さいために、単にペルチェ素子2の動作停止でも比較的短時間で氷点を上回る温度になる。あるいは、ペルチェ素子2への印加電流の向きを反転して傾斜台1を加熱してもよい。すなわち、直流電源3の正極をペルチェ素子2のN型半導体2cに、負極をP型半導体2bに接続すると、ペルチェ素子2は傾斜台1との密着面が加熱され、他方の面が冷却される。このようにペルチェ素子2を用いると、電流の向きによって冷却面と加熱面とを切り替えることもできる。これによって、一段と短時間で傾斜台1の温度が氷点を上回る。
このように温度調整手段としてぺルチェ素子2を用いると、電流制御によって簡易に温度調整でき、設置空間も比較的小さいために温度調整手段を小型化できる。しかも、一つの素子で冷却と加熱を自在に選択できる。なお、温度調整手段としては、例えば傾斜台1にガス配管とヒーターとを取付けてもよい。このような構成では、ガス配管に液体窒素で冷却された氷点下の空気を流通させることによって、傾斜台1を冷却してもよい。
続いて、傾斜台1が氷点を上回る温度に達すると、まず撥水性表面1aと氷6との接触部分で氷6の融解が始まる。融解がある程度進行すると撥水性表面1aに沿って氷6が落下するので、その落下先に回収容器5を配置しておき、氷6を一括的に回収する。ここで、傾斜台1の傾斜角度が60〜90度であると、氷6の融解開始から短時間のうちにすべての氷6が落下する。そのため、温度調整手段による冷却停止時間あるいは加熱時間を短時間ですませることができ、氷6を効率よく回収できる。このとき、さらに効率よく回収するために、傾斜台1に振動などの外力を与えてもよい。また、氷6の回収後に撥水性表面1aを洗浄することは適宜実施できる。この後、再び傾斜台1の撥水性表面1aを氷点下まで冷却するので、周期的に氷6の生成と回収を繰り返すことができる。
このように回収された氷6は、回収容器5を適宜温度調整して融解させることによってクリーンルーム雰囲気の不純物を含む水となる。この水中不純物濃度を分析することによって、クリーンルーム雰囲気の不純物濃度を推定できる。推定された不純物濃度から、クリーンルーム雰囲気が適正な状態かどうかを評価する。
不純物の分析方法は、さまざまな方法を用いることができる。なかでも、紫外線吸光度を測定する方法は、数秒から1分以内と非常に短時間で分析できる。例えば、クリーンルームの構成部材や人体からアンモニア成分が放出されることが知られているが、アンモニア成分は波長210nm以下の紫外線を吸収するため、この波長領域の吸光度を測定することによりクリーンルーム雰囲気のアンモニア成分濃度を推定できる。また、主にクリーンルームの構成部材からは有機物成分も放出されるが、240〜260nmの波長領域で代表的に測定することによって、クリーンルーム雰囲気の有機物成分濃度を推定できる。有機物の紫外線の吸収極大は、結合性軌道から反結合性軌道、及び非結合性軌道から反結合性軌道への遷移に基づくものであり、電子遷移は電子準位に振動準位もしくは回転準位が加わったものとなる。結果的に吸収スペクトルは幅の広いものとなり、吸収極大が現れる波長はおおよそ240〜260nmである。なお、水中不純物濃度からクリーンルーム雰囲気の不純物濃度を推定する際、その換算関係をあらかじめ実験的に求めておくとよい。
この実施の形態では、氷6の生成と回収のサイクル毎に氷6を一括的に回収し、そのサイクルが終了した時点で撥水性表面1aには氷6が残存していない。よって、それぞれの氷6の生成と回収のサイクルでは、そのサイクルのみで生成された氷6を回収することができ、それ以前のサイクルで生成された氷6を回収することがない。このため、それぞれのサイクルで生成される氷6に含まれる不純物濃度は、そのサイクルに対応するクリーンルーム雰囲気における不純物濃度を反映したものとなる。したがって、それぞれのサイクルにおいて、氷6に含まれる不純物濃度の分析に基づくクリーンルーム雰囲気の評価結果は、他のサイクルの影響を受けることがない。すなわち、クリーンルーム雰囲気の評価を氷6の生成と回収のサイクル単位で実施できる。したがって、従来の冷却パイプに常時結露水が存在している場合と比較して、突発的な不純物濃度の上昇を追従しやすいクリーンルーム雰囲気の評価を実施できる。
氷6の生成と回収のサイクル時間は、ペルチェ素子の配置数や印加電流などのパラメータによって適宜選択でき、クリーンルームの運転状況や半導体デバイスの製造状況に応じて設定すればよい。氷6の生成と回収のサイクル時間を、クリーンルームの運転状況や半導体デバイスの製造状況に応じて十分に短く設定することによって、突発的な不純物濃度の上昇を速やかに検知できる。また、氷6の生成と回収のサイクル単位で、その不純物濃度が上昇した時間帯を特定できる。さらに、不純物を紫外線吸光度によって分析すれば、分析による遅れもほとんどなく不純物濃度の上昇を検知できる。
なお、この実施の形態では氷6を一括的に回収する場合について説明したが、傾斜台1の冷却温度が氷点を上回っていても、結露水を一括的に回収すれば、水の結露と回収のサイクル単位で同様の効果が得られる。ただし、氷6のほうが結露水の場合と比較して、評価精度がよい。これは、氷6に含まれる不純物濃度は傾斜台1の冷却温度が変動してもその影響を受けにくいが、結露水の不純物濃度は冷却温度の変動の影響を受けやすいためである。氷6の場合、水蒸気が凝集して固体化を開始する氷点付近において不純物を取り込む。それ以上冷却しても氷6に含まれる不純物濃度は、ほとんど変わらない。したがって、冷却温度が変動しても、氷6に含まれる不純物濃度への影響は小さい。一方、結露水の場合、不純物は水に溶解しており、その溶解度は水温によって異なりうる。このため、冷却温度の変動は、結露水に含まれる不純物濃度そのものが変化する原因となる。例えば、冷却温度の制御が±1℃の範囲で行われていたとしても、その範囲内で溶解度の変化が大きい不純物に対しては、分析誤差も大きくなる。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2を説明するための化学増幅型レジスト露光装置の周囲の模式図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるクリーンルーム不純物の評価方法を、半導体デバイスの製造方法のうちとくに化学増幅型レジストの露光工程に適用したものである。図2において、11は紫外線吸光度分析装置、12は化学増幅型レジストを露光するための露光装置である。露光装置12に隣接するように、実施の形態1で説明した気中不純物捕集装置10が配置されており、回収された氷は融解ののち紫外線吸光度分析装置11によって分析される。
図2は、実施の形態2を説明するための化学増幅型レジスト露光装置の周囲の模式図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるクリーンルーム不純物の評価方法を、半導体デバイスの製造方法のうちとくに化学増幅型レジストの露光工程に適用したものである。図2において、11は紫外線吸光度分析装置、12は化学増幅型レジストを露光するための露光装置である。露光装置12に隣接するように、実施の形態1で説明した気中不純物捕集装置10が配置されており、回収された氷は融解ののち紫外線吸光度分析装置11によって分析される。
ところで、半導体デバイスの製造方法は多数の工程によって成り立っていることは周知であり、そのなかで化学増幅型レジストの露光工程は微細配線の形成に必要な工程である。通常、シリコンの半導体ウェハ上にスピンコート法などによって化学増幅型レジストが塗布されている。これを、微細配線パターンマスクを介して露光し、アルカリ現像してパターニングされる。ここで、化学増幅型レジストはアルカリ成分に溶解するものである。したがって、化学増幅型レジストが露光工程の前にアルカリ成分によってダメージを受けていたら、微細配線のパターン精度が低下する。一方、クリーンルーム雰囲気には、クリーンルーム構成部材や人体から放出されたアンモニア成分が存在し、クリーンルーム内の場所や時間帯によってアンモニア成分濃度は変動する。
この実施の形態では、露光工程の実施において、露光装置12の周囲におけるクリーンルーム雰囲気のアンモニア成分濃度について、紫外線吸光度分析装置11を用いて分析する。露光工程は、この分析結果に基づいて管理されている。前述のとおりアンモニア成分は波長210nm以下の紫外線を吸収し、例えば波長200nmに対する吸光度は、水中濃度2.5μg/mlで0.025、水中濃度7.5μg/mlで0.062である。なお、吸光度評価は、純水を透過した光強度を基準とし、光路長10mmのセルを用いて実施した。このように直接的に測定するのは水中濃度であるから、気中濃度への換算関係をあらかじめ求めておくとよい。一般に、化学増幅型レジストに悪影響を与えないために気中アンモニア成分濃度は1ppm以下に管理すべきであるといわれている。よって、分析されたアンモニア成分の水中濃度から、気中濃度が1ppmを超えたと推定できる場合には、化学増幅型レジストがアンモニア成分によってダメージを受けたと判断できる。
このとき、紫外線吸光度分析装置11の分析結果が露光装置12の例えば制御回路に伝送されると、露光装置の稼動停止によって露光工程を停止する。それとともに、化学増幅型レジストがダメージを受けた半導体ウェハを回収するため、不良品が次工程に進むことを防止できる。また、仮に不良品が次工程に進んだとしても、アンモニア成分濃度が上昇した時間帯を特定できているから、次工程においてその不良品を回収することもできる。そのため、半導体デバイスの歩留まりを向上させることができる。なお、回収された半導体デバイスは、ダメージを受けた化学増幅型レジストを除去したのち、再度レジスト塗布工程を経てもよい。アンモニア成分濃度が低く化学増幅型レジストがダメージを受けていないと判断した場合は、露光装置を稼動させることはいうまでもない。
実施の形態3.
図3は、実施の形態3を説明するためのシリコン酸化絶縁膜形成装置としての酸化炉の周囲の模式図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるクリーンルーム不純物の評価方法を、半導体デバイスの製造方法のうちとくにシリコン酸化絶縁膜の形成工程に適用したものである。図3において、11は紫外線吸光度分析装置、13は酸化炉である。酸化炉13に隣接するように、実施の形態1で説明した気中不純物捕集装置が配置されており、回収された氷は融解ののち紫外線吸光度分析装置11によって分析される。
図3は、実施の形態3を説明するためのシリコン酸化絶縁膜形成装置としての酸化炉の周囲の模式図である。この実施の形態は、実施の形態1におけるクリーンルーム不純物の評価方法を、半導体デバイスの製造方法のうちとくにシリコン酸化絶縁膜の形成工程に適用したものである。図3において、11は紫外線吸光度分析装置、13は酸化炉である。酸化炉13に隣接するように、実施の形態1で説明した気中不純物捕集装置が配置されており、回収された氷は融解ののち紫外線吸光度分析装置11によって分析される。
シリコン酸化絶縁膜の形成工程は、シリコンを熱酸化させてゲート絶縁膜などを形成する工程である。シリコンは低温でも自然酸化膜が形成されるが、このような自然酸化膜は絶縁耐圧が低いため、熱酸化による絶縁膜を形成する必要がある。このとき、半導体ウェハのシリコン表面に有機物成分が付着していると、その部分の初期の酸化膜成長が阻害されて絶縁膜が薄くなったり、絶縁膜の膜質変化を誘発したりして、絶縁膜の絶縁耐圧が低下する原因となる。一方、クリーンルーム雰囲気には不純物としての有機物成分が存在し、クリーンルーム内の場所や時間帯によって有機物成分濃度は変動する。
この実施の形態では、シリコン酸化絶縁膜の形成工程の実施において、酸化炉13の周囲におけるクリーンルーム雰囲気の有機物成分濃度について、紫外線吸光度分析装置11を用いて分析する。シリコン酸化絶縁膜の形成工程は、この分析結果に基づいて管理されている。有機物成分といっても種々あるが、ここでは実施の形態1で論じたような理由から、240〜260nmの波長領域で測定することによって、クリーンルーム雰囲気の有機物成分濃度を推定できる。なお、直接的に測定するのは水中濃度であるから、気中濃度への換算関係をあらかじめ求めておくとよい。実験的または経験的にシリコン酸化絶縁膜の絶縁耐圧が低下する場合の気中有機物成分濃度を求めておき、分析された有機物成分の水中濃度から、シリコン酸化絶縁膜の絶縁耐圧が低下する気中濃度を超えたと推定できる場合には、半導体ウェハが有機物成分に汚染されたと判断する。
このとき、紫外線吸光度分析装置11の分析結果に基づき、警報灯14が点滅する。ここで、酸化炉13は一定温度に制御されているから、酸化炉13を稼動停止するよりも、警告灯14などによってクリーンルーム内の作業者に報知するほうが好ましい。作業者はこの警告灯14の点滅に基づいて、有機物成分に汚染された半導体ウェハを回収するため、不良品が次工程に進むことを防止できる。そのため、半導体デバイスの歩留まりを向上させることができる。
この発明は、とくにクリーンルーム不純物の分析に適しているが、空気中の水溶性物質を補足して分析するものに広く利用できる。
1 傾斜台、2 ペルチェ素子、3 直流電源、5 回収容器、6 氷、10 気中不純物捕集装置、11 紫外線吸光度分析装置、12 露光装置、13 酸化炉。
Claims (8)
- 撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解して不純物濃度を分析することを特徴とする気中不純物の評価方法。
- 温度調整手段はペルチェ素子であり、ペルチェ素子に電流を印加して傾斜台を冷却し、ペルチェ素子の動作停止によって傾斜台の冷却を停止またはペルチェ素子への印加電流の向きを反転して傾斜台を加熱することを特徴とする請求項1記載の気中不純物の評価方法。
- 傾斜台の傾斜角度は、60〜90度であることを特徴とする請求項1記載の気中不純物の評価方法。
- 不純物濃度の分析が、波長210nm以下の紫外線の吸光度によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気中不純物の評価方法。
- 不純物濃度の分析が、波長240〜260nmの紫外線の吸光度によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気中不純物の評価方法。
- 撥水性表面を有する傾斜台に空気を接触させ、傾斜台を冷却して空気中の水分を撥水性表面に凝集させ、撥水性表面から凝集した水分を落下させて一括的に回収し、回収された水分中の不純物濃度を分析することを特徴とする気中不純物の評価方法。
- 化学増幅型レジスト露光装置の周囲におけるクリーンルーム雰囲気について、撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解してアンモニア成分濃度を波長210nm以下の紫外線の吸光度によって分析し、
アンモニア成分濃度の分析結果に基づいて、化学増幅型レジストを塗布された半導体ウェハの露光工程を管理することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。 - シリコン酸化絶縁膜形成装置の周囲におけるクリーンルーム雰囲気について、撥水性表面を有する傾斜台に常温のクリーンルーム雰囲気を接触させ、傾斜台を温度調整手段で氷点下に冷却して撥水性表面に氷を生成し、温度調整手段の動作変更によって傾斜台の撥水性表面が氷点を上回るようにして撥水性表面から氷を落下させて一括的に回収し、回収された氷を融解して有機物成分濃度を波長240〜260nmの紫外線の吸光度によって分析し、
有機物成分濃度の分析結果に基づいて、シリコン酸化絶縁膜形成工程を管理することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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