JP2005079225A - 有機材料パターンの形成方法及び薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Kazuhito Tsukagoshi
一仁 塚越
Iwao Yagi
巌 八木
Katsunobu Aoyanagi
克信 青柳
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Abstract

【課題】 容易に有機材料パターン、特に、薄膜トランジスタにおける有機チャネルを形成する方法を提供する。
【解決手段】 基板上に設けられた有機材料層の一部に発振波長が250〜800nmのレーザを照射することにより、当該照射部の有機材料を昇華させて所望のパターンを形成する。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、基板上に所望の有機材料パターンを形成する方法に関する。特に、薄膜トランジスタに用いる有機チャネルのパターンを容易に形成することができる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
技術背景
従来から、有機半導体材料パターンの形成方法が検討されている。一般的な方法としては、特許文献1にも開示されている通り、蒸着法、溶液によるスピンコーティング法、または溶液による層のセルフ・アセンブリ法等が知られている。しかしながら、これらの方法では、一般的に、有機溶媒が必要とされており、有機薄膜に有機溶媒などが混入したりすることによる変質が多かった。加えて、蒸着法では、有機材料によっては、溶媒に溶けにくいものも多く、利用範囲が限られていた。加えて、蒸着法では、精度良く除去することができない有機材料も多い。
そこで、非特許文献1では、ペンタセン上に保護層及びレジストを積層し、紫外線リソグラフィーと酸素プラズマでパターン形成する方法を開示している(非特許文献1)。しかし、この方法では、レジストプラズマプロセス中でのプラズマダメージ等が起こったりと問題も多い。また、有機材料上にレジストを堆積することができない、或は極めて困難である有機材料も多く、応用範囲が限られている。
このように、有機材料を用いたチャネルパターンの形成は困難である。特に、低分子系有機材料において、顕著である。
特開平10−270712号公報 J. Vac. Sci. Technol. B, 20, 956 (2002)
本願発明は上記課題を解決するものであって、容易に有機材料パターン、特に、薄膜トランジスタにおける有機チャネルを形成する方法に関する。
発明者は、鋭意検討を行った結果、有機材料は一般的に昇華性が高く、蒸気圧が高いことに着目した。すなわち、有機材料に、直接、レーザを部分的に照射することにより、当該部分のみの昇華を促進できると考え、本願発明に到達した。
すなわち、(1)基板上に設けられた有機材料層の一部に発振波長が250〜800nmのレーザを照射することにより、当該照射部の有機材料を昇華させて所望のパターンを形成することを特徴とする有機材料パターンの形成方法を採用した。
さらに、(2)少なくとも、基板と、当該基板上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の上に設けられた第1の電極と第2の電極と、当該第1の電極と第2の電極を電気的に接続し、かつ、有機チャネル材料からなる有機チャネルと、からなる薄膜トランジスタの製造方法において、前記有機チャネルが設けられる前の前記絶縁層及び/又は前記電極の上に前記有機チャネル材料からなる層を設け、当該有機チャネル層の一部に発振波長が250〜800nmのレーザを照射し、当該照射部の有機チャネル材料を昇華させて所望のチャネルパターンを形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;(3)上記(1)において、レジストを用いずにチャネルパターンを形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;(4)上記(2)又は(3)のいずれか1において、前記有機チャネル層は、真空中にて材料を加熱し昇華して前記有機チャネルが設けられる前の前記絶縁層及び/又は前記電極の上に設けることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;(5)上記(2)〜(4)のいずれか1において、前記レーザは、YAGレーザであることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;(6)上記(2)〜(5)のいずれか1において、前記有機材料がアセン類及び/又はフラーレン類であること特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;(7)上記(2)、(3)、(5)のいずれか1において、前記有機材料がチオフェン類であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法;を採用した。
本願発明のパターン形成方法を採用することにより、有機材料について、レーザ照射のみで所望のパターンを形成することが可能になった。また、レジストを用いなくとも、パターン形成が可能となった。さらに、有機溶媒に溶解することが困難な有機材料についても、有機材料のパターン形成が容易に可能となった。さらに、有機材料の種類に関係なく、広く採用することが可能な方法である。
以下において、本願発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本願発明では、有機材料の昇華製が高く蒸気圧が高いことを利用したものであって、レーザを部分的に照射することによって昇華を促進し、所望のパターンを形成している。すなわち、基板上に設けられた有機材料層のうち、除去したい箇所にレーザを照射することにより、所望の箇所にのみ有機材料層を残すものである。
本願発明のレーザの種類は、気体、液体、固体、半導体レーザのいずれであってもよく、好ましくは、固体レーザである。また、気体レーザとしては、例えば、ヘリウム−ネオン、窒素、エキシマー、希ガスイオン、二酸化炭素、HCN、H20レーザがあげられる。液体レーザとしては、例えば、色素を溶媒に溶かした色素レーザがあげられる。固体レーザとしては、例えば、Nd3+イオンを含むネオジムレーザー、YAGレーザ、GGGレーザ、GsGGレーザやガラスレーザ、ルビーレーザがあげられる。半導体レーザとしては、例えば、電子線等があげられる。好ましくは、固体レーザであり、さらに好ましくは、YAGレーザである。
固体レーザのレーザ発振装置としては、例えば、矩形ビーム固体レーザ発振装置が適用され、特に好ましくは、スラブレーザ発振装置が適用される。スラブ材料としては、Nd:YAG、Nd:GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)、Nd:GsGG(ガドリニウム・スカンジウム・ガリウム・ガーネット)などの結晶が使用される。スラブレーザでは、この板状のレーザ媒質の中を、全反射を繰り返しながらジグザグ光路で進む。また、Nd、Tm、Hoをドープしたロッドを用いた固体レーザ発振装置も採用することができる。さらに、YAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にNd、Tm、Hoをドープした結晶を使った固体レーザ発振装置にスラブ構造増幅器を組み合わせたものでも良い。
本願発明で採用するレーザの発振波長は250〜800nmであり、好ましくは300〜600nmであり、さらに好ましくは400より大きく550nm以下の範囲である。このような波長帯の光は、波長変換素子を用いて基本波の第2高調波、第3高調波を取り出すことで得られる。波長変換素子としてはADP(リン酸二水素化アンモニウム)、Ba2NaNb515(ニオブ酸バリウムナトリウム)、CdSe(セレンカドミウム)、KDP(リン酸二水素カリウム)、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)、Se、Te、LBO、BBO、KB5などが適用される。特にLBOを用いることが望ましい。
レーザは、単照射、連続照射のいずれでもよく、採用する有機材料等を考慮して適宜定めることができる。一般的には、単照射の方が好ましいが、層の厚さが50nm以上の場合は、連続照射の方が好ましい。連続照射の場合、例えば、周波数1〜20HZのパルスを0.5〜10秒間照射する。
レーザの照射方法は特に定めるものではなく、公知の技術を広く採用できる。
本願発明の有機材料層の厚さは特に定めるものではないが、好ましくは200nm、より好ましくは100nm以下である。また、下限は0より厚い膜であれば適用することができるが、好ましくは、1nm以上である。また、本願発明では1μmまでの精度でのパターン形成が可能である。
本願発明で採用する有機材料は、本願発明の目的を達成できる限り、特に定めるものではない。 具体的には、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのピロール類、チオフェン、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、アニリン、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのアセン類およびアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790に記載された多環縮合体などを用いることができる。また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するたとえばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N'−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N'−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。これらのうちで好ましくは、アセン類、フラーレン類、チオフェン類である。
また、本願発明は、平均分子量が1万以下の低分子系有機材料を適用した場合に、困難とされていたパターン形成を容易にしている点で特に有意である。特に、平均分子量が1000以下の有機材料を用いた場合にも、良好に所望のチャネル等のパターンの形成が可能である。
これらの有機材料は、薄膜トランジスタの有機チャネル材料として用いることができる。さらに、チャネル材料として用いる場合、本願発明の目的を逸脱しない範囲で、上記有機材料を2種以上併用しても良いし、他の化合物を添加してもよい。
次に、照射条件と有機材料の関係について説明する。照射条件と有機材料は、特に限定されるものではなく、種類等に応じて適宜定めることができる。例えば、有機材料としてペンタセン類を採用する場合、照射条件は、発振波長が300〜600nm、より好ましくは400より大きく550nm以下の範囲であって、かつ、単照射が好ましい。同様に、フラーレンの場合、発振波長が300〜600nm、より好ましくは400より大きく550nm以下の範囲であって、かつ、単照射が好ましい。さらに、アセン類の場合、発振波長が300〜600nm、より好ましくは400より大きく550nm以下の範囲であって、かつ、単照射が好ましい。
本願発明でいう基板とは、有機材料の層が形成されるものであれば特に定めるものではない。具体的には、絶縁性基板、半導体性基板その他、ガラス板、木板、厚紙等広く採用することができる。さらに、絶縁体基板としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、フッ化カルシウム、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂、ポリイミド、テフロン、光ラジカル重合体、ノボラック樹脂等を用いることができる。半導体基板としては、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、インジウム燐、炭化シリコン等を用いることができる。基板表面は平坦である事が望ましいが、一部凹凸のあるものであっても適用することができる。さらに、本願発明の基板は、上記基板の上に、層が設けられたものであっても良い。例えば、基板上に設けられた層の上に、絶縁層、電極となる層、有機材料層及び/又は無機材料層を1層又は2層以上設けたものがあげられる。
また、本願発明でいう基板は、レーザ強度との関係で適宜定めることができる。例えば、酸化シリコン基板の場合、レーザは10mJ/pulse以下とする。このように、レーザの強度を10mJ/pulse以下とすることにより、基板に影響を与えることなく精密な有機材料パターンを形成することが可能となる。さらに、有機材料をより効果的に除去できる強度を考慮すると、レーザ強度は1mJ/pulse以上とするのが好ましい。
本願発明の有機材料パターンの形成方法は、好ましくは、有機半導体材料のパターン形成、特に、薄膜トランジスタの有機チャネルの形成に採用することができる。この場合、基板、又は、当該基板の上に設けられた絶縁層、当該絶縁層の上に設けられた電極層の上に、上記パターン形成技術を採用することができる。特に、本願発明のパターン形成方法を採用すると、レジストを用いずに所望の有機材料パターンを形成できるので、ペンタセン類、フラーレン類等のレジストをその上に堆積するのが極めて困難な有機材料をチャネルとして使用する薄膜トランジスタについて有意である。また、本願発明の方法で作製したチャネルはトランジスタ特性を十分に保っているものが得られる。
本願発明の基板上に有機材料層を設ける方法は、特に定めるものではない。例えば、真空中に当該有機材料を加熱し昇華した材料を基板上に堆積しても良いし、溶媒に溶解してスピンコート法を採用しても良い。
真空中に当該有機材料を加熱し昇華した材料を基板上に堆積する方法は、特に、有機溶媒の混入・混入による有機材料の変質を避ける観点から、また、ペンタセン類のように溶液に弱い材料を採用する場合に好ましい。尚、真空圧及び温度は、採用する有機材料によって適宜定めることができる。例えば、ペンタセン類の場合、真空圧10-2Pa以下で、加熱温度100℃以上が好ましく、フラーレン類の場合、真空圧10-2Pa以下で、加熱温度300℃以下が好ましい。
本願発明のパターン形成方法は、所望の形状にすることができ、例えば、メルクマスクを用いなくてもパターンの形成が可能である。特に、細かいメルクマスクを重ね合わせる作業を伴わなくても、精度よく複雑な形状のチャネルを構成することができる。例えば、発明者が特願2003−154841号で開示しているような、複数の端子を介したチャネルにおいて、その利用価値が高い。特に、3以上の端子を介した複雑な構造のチャネルにおいて、精度良くチャネルを作製することは困難であったが、本願発明ではこの点を解消した。また、メルクマスクである程度までのパターン形成を行い、細部について本願発明のパターン形成方法を採用することも可能である。
さらに、本願発明のパターン形成方法において、光を部分的に遮断するマスクを採用し、所望の部分以外を大型レーザ等で一度にレーザ照射して除去することも可能である。図8は、当該実施形態の概略図を示したものであって、図8(a)は、基板上に有機材料1が堆積された状態を示している。ここで、図8(c)のように、レーザ照射により除去したい箇所3、すなわち、所望の形状を打ち抜いたマスク4を上記(a)の上にせ、その上からレーザを基板表面全体に照射する。これによって、所望の箇所の有機材料1のみがマスク4によって保護され、不要な箇所の有機材料2のみが除去される(図8(b))。当該方法を採用すると、一度の照射で必要なパターン形成が容易、かつ、精密にできるので、製造コストの削減にも大いに役立つ。特に、近年、複数のトランジスターを集積し、ひとつの素子を作るケースも多くなっているが、このように複数回に渡って、有機材料のパターン形成が必要な場合には、作業工程が大きく減少でき、製造コストの大いなる削減が図れる。ここで、マスク材料としては、レーザの照射を阻止するものであれば特に定めるものではないが、好ましくは、金属やクロムメッキしたガラス等があげられる。
以下、本願発明の実施例について説明する。本願発明が実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。従って、本願発明の目的を逸脱しない限り、適宜、公知の他の技術を採用することも可能である。
(有機材料層の作製)
厚さ200nmの SiO2熱酸化膜を表面および裏面に持つ、厚さ350μmのハイドープp型Si基板(販売元:(株)E&M)を基板として利用した。当該基板は、ホウ素ドーピングされており、低効率が0.00099Ωcm以下であり、キャリア濃度が1020cm-3以上である。当該基板上に以下の(1)〜(3)の有機材料層を作製した。
(1)ペンタセン(販売元:アルドリッチ社、品番 HYPERLINK "http://www.sigmaaldrich.com/cgi-bin/hsrun/Distributed/HahtShop/HAHTpage/frmCatalogSearchPost?Brand=ALDRICH&ProdNo=P1802" :P180-2、平均分子量278)を、2x10-4Paの真空中にて加熱して昇華し、真空蒸着法により、基板上に堆積した。基板の温度は90℃で行った。膜厚は30nmとした。
(2)フラーレンC60(販売元:マツボー、平均分子量720)を、2x10-4Paの真空中にて材料を加熱して昇華し、真空蒸着法により、基板上に堆積した。基板の温度は24℃で行った。膜厚は50nmとした。
(3)ポリチオフェン粉末(販売元:,アルドリッチ、品番:44,570-3、平均分子量87000)を、クロロホルムに溶解させ、大気中にて基板上にスピンコート法により堆積した。スピンコート条件は、4000rpm、60秒で行った。膜厚は、おおよそ50nmとした。
上記堆積終了後、(1)〜(3)の基板をアセトン中に浸透させ、表面の不要部分を除去した。次に、イソプロピルアルコールでリンスを行った。
(レーザ発振装置)
図1に本実施例で採用したレーザ発振装置(HOYA Photonics社製、品番:HCL−3000ST)の概略図を示す。レーザ光源はYAGレーザ、発振波長は532nmとした。レーザ照射は、1回(単照射)で行った。試料は、上記(1)〜(3)のものを採用した。
(パターン形成形成)
上記(1)〜(3)のパターン形成の結果を図2に示す。図2では、左から順に、ペンタセン、カーボンナノチューブ、ポリチオフェンである。図2の写真に示すとおり、非常に精度の高いパターン形成が得られた。ここで、文字、四角形及び線の部分が本願発明の方法により除去された部分である。また、図3は、ペンタセンの一部を拡大したものである。1μmの精度でのパターン形成が可能であることが認められた。
(絶縁性の検討)
上記(有機材料層の作製)の(1)ペンタセンで得られたレーザ照射を行っていない試料に、金薄膜電極を設けた。この状態では、トランジスタ特性が認められた(図示せず)。さらに、トランジスタのチャネルとなる部分を除き、本願発明のパターン形成法により、有機材料層を除去した(図4(1)(a))。ここで、Sはソース電極を、Dはドレイン電極を示す。この状態でも、トランジスタ特性が認められた。図4(1)(b)は、当該状態での電流電圧特性を示す。次に、有機材料層の中央を上記レーザ照射により、除去した(図4(2)(a))。その結果、トランジスタ特性が失われた。図4(2)(b)は、当該状態での電流電圧特性を示す。これにより、本願発明のレーザ照射によるパターン形成により、十分な絶縁性が得られていることが解った。図5は、上記チャネルを形成する前(a)と、チャネル形成後(b)の電流電圧特性を示したものである。ここで、移動度mは最大 1.0[cm2/Vs]を超えた。しかし、図に示すようにその傾きに大きな変化は無かった。すなわち、トランジスタ特性を保ったまま、チャネルのパターン形成に成功したことが確認された。
(複数の端子を有する素子の作製)
上記(1)で得られたペンタセン薄膜層上(図6の(1))に、メルクマスクを用いて荒くパターン形成した(図6の(2))。次に、当該ペンタセン層について、本願発明の方法でパターン形成を行った。図6の(3)に示すように、細かなパターニン形成が精度良く容易に形成可能であることが認められた。
(レーザ強度依存性)
図7は、レーザ強度による基板への影響を検討したものである。図7では薄膜除去のためのしきい値が存在している。ここで、当該図中しきい値より右側が20mJ/pulseで照射したものであり、左側が数mJ/pulse程度で照射したものである。レーザ強度が大きい場合より、ある程度小さい方が、より、精密に有機材料パターンを形成しうることが認められた。
本願実施例で採用するレーザ発振装置の概略図を示す。 本願実施例で得られた有機材料のパターン形成の結果を示す。 図2のペンタセンの拡大図を示す。 有機材料層の電気電圧特性及び、当該有機材料層の中央を切断したものの電気電圧特性を示す。 チャネルを形成する前と、チャネル形成後後の電流電圧特性を示す。 複数の端子を有する素子の作製方法の概略について示す。 パターン形成のレーザ強度依存性を示す。 本願発明の実施形態の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 有機材料
2 レーザにより除去される有機材料
3 レーザにより除去したい箇所
4 マスク

Claims (7)

  1. 基板上に設けられた有機材料層の一部に発振波長が250〜800nmのレーザを照射することにより、当該照射部の有機材料を昇華させて所望のパターンを形成することを特徴とする有機材料パターンの形成方法。
  2. 少なくとも、基板と、当該基板上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の上に設けられた第1の電極と第2の電極と、当該第1の電極と第2の電極を電気的に接続し、かつ、有機チャネル材料からなる有機チャネルと、からなる薄膜トランジスタの製造方法において、前記有機チャネルが設けられる前の前記絶縁層及び/又は前記電極の上に前記有機チャネル材料からなる層を設け、当該有機チャネル層の一部に発振波長が250〜800nmのレーザを照射し、当該照射部の有機チャネル材料を昇華させて所望のチャネルパターンを形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 請求項2において、レジストを用いずにチャネルパターンを形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 請求項2又は3のいずれか1項において、前記有機チャネル層は、真空中にて材料を加熱し昇華して前記有機チャネルが設けられる前の前記絶縁層及び/又は前記電極の上に設けることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項において、前記レーザは、YAGレーザであることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項において、前記有機材料がアセン類及び/又はフラーレン類であること特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 請求項2、3、5のいずれか1項において、前記有機材料がチオフェン類であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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