JP2005079121A - 高分子電界効果トランジスタ - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性層に高分子を用いた電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタの一種である、電界効果トランジスタは、ソース電極およびドレイン電極に挟まれた半導体材料からなる層(活性層とよぶ)に絶縁層を介しゲート電極を形成した構造を有している。電界効果トランジスタの活性層として高分子を、用いることができ、その例として、ポリフェニレンビニレンを活性層として用いるものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−110069号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電界効果トランジスタをアクティブマトリックス駆動方式の液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの画素駆動スイッチング素子に応用する場合、ディスプレイのコントラストを向上させる為には、該スイッチング素子の電流のオン・オフ比が高いこと、すなわちオフ電流(ゲート電圧が0Vの時にソース、ドレイン間に流れる電流)が小さいこと,およびオン電流(ゲートに電圧を印加した時にソース、ドレイン間に流れる電流)が大きいことが、求められる。
しかしながら、上記の高分子を活性層に用いたトランジスタにおいては、その電流のオン・オフ比の高さが未だ不十分であった。
本発明の目的は、高分子を活性層に用い、電流のオン・オフ比の高い高分子電界効果トランジスタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、主鎖にアリーレン基または2価の複素環基を有する高分子であって重量平均分子量が特定の範囲にある高分子を活性層に用いた高分子電界効果トランジスタが高い電流のオン・オフ比を有することを見出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、高分子を活性層とする電界効果トランジスタであって、該高分子が下記一般式(1)で示される繰り返し単位を少なくとも一種類含み、ポリスチレン換算の重量平均分子量が2×105〜1×108である高分子である高分子電界効果トランジスタを提供するものである。
〔式中Ar1は、アリーレン基または2価の複素環基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を表し、nは0または1である。〕
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】
本発明の高分子電界効果トランジスタの活性層に用いる高分子は、上記式(1)で示される繰り返し単位を少なくとも一種類含み、高分子のポリスチレン換算の重量平均分子量が2×105〜1×108であることを特徴とする。
【0009】
上記式(1)のAr1は、アリーレン基または2価の複素環基をあらわし、アリーレン基の環を構成する炭素原子数は通常6〜60程度であり、2価の複素環基の環を構成する炭素原子数は通常3〜60程度であり、該Ar1は、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基等の置換基を有していてもよい。
【0010】
上記式(1)のAr1におけるアリーレン基の具体的な例としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセニレン基(下図の式14〜19)、ビフェニレン基(下図の式20〜25)、トリフェニレン基(下図の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基(下図の式36〜38)が好ましい。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
上記式(1)のAr1における2価の複素環基の具体的な例としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基:(下図の式99〜108)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2両体やオリゴマーになっている基:(下図の式109〜110)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式111〜117)が挙げられる。中でもヘテロ原子として窒素、硫黄を含む複素環基が好ましく、チエニレン基を含むもの(下図の式97、109〜111)およびピリジン−2,5−ジイル基を含むもの(下図の式41)がさらに好ましく、チエニレン基、置換基を有するチエニレン基が特に好ましい。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
〔ここで上記式1〜117におけるRは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基を表す。〕
【0026】
Ar1における置換基のなかで、アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であり、通常炭素数1〜20程度であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロドデシル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0027】
アルコキシ基は、通常炭素数1〜20程度であり、そのアルキル部分は、直鎖状、分岐状または環状であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基などが例示され、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、が好ましい。
【0028】
アルキルチオ基としては、通常炭素数1〜20程度であり、アルキル部分は、直鎖状、分岐状または環状であり、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基などが例示され、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、シクロヘキシルチオ基が好ましい。
【0029】
アリール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示される。
【0030】
1価の複素環基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。
【0031】
Ar1における置換基として好ましくは、アルコキシ基である。
【0032】
高分子の有機溶媒に対する溶解性の観点からは、Ar1が2つ以上の置換基を有することが好ましく、それらが同一でないことがより好ましい。また、同じ炭素数を有する置換基で比較すると、アルキルに関しては直鎖状のものよりは枝分かれのある置換基がより好ましい。
【0033】
式(1)のR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を表す。
ここに、アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であり、通常炭素数1〜20程度であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロドデシル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基が好ましい。
【0034】
アリール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコキシフェニル基、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示される。
【0035】
1価の複素環基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。
【0036】
上記式(1)のnとしては0または1であるが、n=1が好ましい。
【0037】
式(1)で示される繰り返し単位の具体的な例としては、n=1のものとしては、フェニレン−ビニレン、アルコキシ置換フェニレン−ビニレン、ジアルコキシ置換フェニレン−ビニレン、アルキル置換フェニレン−ビニレン、ビフェニレン−ビニレン、アルコキシ置換ビフェニレン−ビニレン、ジアルコキシ置換ビフェニレン−ビニレン、ナフタレンジイル−ビニレン、アルコキシ置換ナフタレンジイル−ビニレン、ジアルコキシ置換ナフタレンジイル−ビニレン、チエニレン−ビニレン、アルキル置換チエニレン−ビニレン等が、n=0として、フェニレン、アルコキシ置換フェニレン、アルキル置換フェニレン、ジアルコキシ置換フェニレン、チエニレン、アルキル置換チエニレン、フルオレン−ジイル等があげられる。
【0038】
本発明に用いる高分子の末端基は、特に限定されないが、重合活性基がそのまま残っていると、活性層に用いたときの特性が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていることが好ましい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものがより好ましく、例えば、ビニレン基を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
【0039】
なお、該高分子は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。特性の優れた電界効果トランジスタを得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合も含まれる。
【0040】
本発明に用いる高分子は、ポリスチレン換算の分子量が、2×105〜1×108である。分子量が小さすぎると均質な活性層が得られずオン・オフ比が低くなり、高すぎると活性層の形成が困難となる。成膜性の点から重量平均分子量が5×105〜2×107好ましく、さらに好ましくは1×106〜1×107である。
【0041】
本発明に用いる高分子中の式(1)で示される繰り返し単位の含有量は、該高分子が有する全繰り返し単位に対して通常1〜100モル%の範囲であるが、好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%である。
【0042】
該高分子に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0043】
本発明に用いる高分子の合成法としては、主鎖にビニレン基を有する場合(n=1)には、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法があげられる。すなわち、ジアルデヒド化合物とジホスホニウム塩化合物との重合やジアルデヒド化合物とジ亜燐酸エステル化合物とのHorner−Wadsworth−Emmons法による重合などのWittig反応による重合、ジビニル化合物とジハロゲン化合物とのもしくはビニルハロゲン化合物単独でのHeck反応による重合、ハロゲン化メチル基を2つ有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウム塩基を2つ有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ジアルデヒド化合物とジアセトニトリル化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ジアルデヒド化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
また、主鎖にビニレン基を有しない場合(n=0)には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
【0044】
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
【0045】
これらの高分子を高分子電界効果トランジスタの活性層として用いる場合、その純度が特性に影響を与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0046】
本発明の高分子電界効果トランジスタの構造としては、通常は、ソース電極およびドレイン電極が高分子からなる活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていればよく、例えば、図1〜4の構造が例示される。
【0047】
高分子電界効果トランジスタは、通常は支持基板上に形成される。支持基板の材質としては電界効果トランジスタとしての特性を阻害しなければ特に制限されないが、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
【0048】
電界効果トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。
【0049】
活性層を形成する際に、有機溶媒可溶性の高分子を用いることが製造上非常に有利であり好ましい。高分子を有機溶剤に溶解した溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
【0050】
高分子電界効果トランジスタを作成後、封止してなる封止高分子電界効果トランジスタが好ましい。これにより、高分子電界効果トランジスタが、大気から遮断され、高分子電界トランジスタの特性の低下を抑えることができる。
封止する方法としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜などでカバーする方法、ガラス板やフィルムをUV硬化樹脂、熱硬化樹脂などで張り合わせる方法などがあげられる。大気との遮断を効果的に行うため高分子電界効果トランジスタを作成後封止するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中など)行うことが好ましい。
【0051】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、ポリスチレン換算の重量平均分子量についてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により次のようにして求めた。
カラム:Plgel mix−B+mix−C (8mm I.d. ×30cm)、検出器:RI (Shodex RI−101)を使用、1.0mg/mlの濃度に調整した高分子のクロロホルム溶液を50μl注入し、クロロホルム1.0ml/minのフローレートの条件で測定した。
【0052】
参考合成例
<MEH−PPVの合成>
2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−p−キシリレンジクロリド 2.3gを、脱水THF 400gに溶解した。この溶液を、20分間窒素バブリングすることで系内を窒素置換した。この溶液に、窒素雰囲気中室温で、あらかじめ、脱水THF 70mlに、カリウムーt−ブトキシド 4.7gを溶かした溶液を、およそ30分間で滴下した。滴下後、室温で15時間重合した。
重合後、重合液に、酢酸を加えて中和した。この重合液を、メタノール800g中にそそぎ込み、生成した沈殿を回収した。この沈殿を、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた重合体 1.5gを、THF400gに溶解した。この溶液を、メタノール 800g中にそそぎ込み、生成した沈殿を回収した。この沈殿を、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体0.8gを得た。この重合体を、合成MEH−PPVとよぶ。合成MEH−PPVの重量平均分子量は1.1×106であった。
【0053】
実施例1
<高分子電界効果トランジスタの作成および物性の評価>
ゲート電極となる高濃度にドープされたn−型シリコン基板の表面を熱酸化により、絶縁層となるシリコン酸化膜を600nm形成したものをフルウチ化学(株)より購入し、アセトンで5分,2−プロパノールで5分洗浄した。シリコン酸化膜の表面に真空蒸着法により、クロムを10nm、金を20nm蒸着し、くし形のソース電極およびドレイン電極を形成した。このときのくし形電極のチャネル幅は294mm(6mm×49本)、チャネル長は25μmであった。合成MEH−PPVを0.16wt.%のクロロホルム溶液に調整し、ソース電極、ドレイン電極の間にキャスト法によりMEH−PPVの活性層を形成し、高分子電界効果トランジスタを作成した。
作成した高分子電界効果トランジスタに、真空中でゲート電圧VGを0〜−100V、ソース−ドレイン間電圧VSDを0〜−80Vに変化させて、トランジスタ特性を測定したところ良好なI−V特性(図6)が得られ、VG=−100V、VSD=−80Vにおいて、ドレイン電流−11.3μAが得られた。またI−V特性から得られた電流のオン・オフ比は2.8×107であった。
得られた高分子電界効果トランジスタを大気に曝すことなくガラス板をUV硬化樹脂で張り合わせ大気から遮断する封止処理を施した後に、大気中でトランジスタ特性を測定すると電流のオン・オフ比は1×107以上を保持する。
一方、封止処理を施すことなく大気に曝した後大気中でトランジスタ特性を測定した所、VG=−50V、VSD=−60Vにおいて、ドレイン電流 3.7μAが得られた。またI−V特性から得られた電流のオン・オフ比は 1.3×105であった。
【0054】
比較例1
合成MEH−PPVの替わりに、購入したアルドリッチ製のMEH−PPVを用い、0.40wt.%のクロロホルム溶液からキャスト法により活性層を形成した以外は実施例1と同様にして高分子電界効果トランジスタを作成した。アルドリッチ製MEH−PPVの重量平均分子量を測定したところ1.1×105であった。
作成した高分子電界効果トランジスタに、真空中でトランジスタ特性を測定したところ、I−V特性(図7)が得られ、VG=−100V、VSD=−80Vにおいて、ドレイン電流は6.2μAであった。またI−V特性から得られた電流のオン・オフ比は6.1×106であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の高分子電界効果トランジスタは、電流のオン・オフ比が大きい。従って、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示装置や電子タグ等のスィッチング用素子として好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る順スタガ型高分子電界効果トランジスタの概略断面図。
【図2】本発明に係る順スタガ斜め型高分子電界効果トランジスタの概略断面図。
【図3】本発明に係る逆スタガ型高分子電界効果トランジスタの概略断面図。
【図4】本発明に係る逆スタガ斜め型高分子電界効果トランジスタの概略断面図。
【図5】実施例1で用いた高分子電界効果トランジスタの概略断面図。
【図6】実施例1で用いた高分子電界効果トランジスタのI−V特性。
【図7】比較例1で用いた高分子電界効果トランジスタのI−V特性。
【符号の説明】
1、基材
2、高分子活性層
3、絶縁膜層
4、ゲート電極
5、ソース電極
6、ドレイン電極
Claims (3)
- Ar1が、置換基としてアルキル基またはアルコキシ基を有するアリーレン基であり、nが1であることを特徴とする請求項1記載の高分子電界効果トランジスタ。
- 請求項1または2記載の高分子電界効果トランジスタを、封止してなることを特徴とする封止高分子電界効果トランジスタ。
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