JP2005078932A - 有機el発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
薄型化された有機EL発光装置とその製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明にかかる有機EL発光装置の製造方法は有機EL素子を備える素子基板10と素子基板と対向された対向基板20からなる一対の基板を備える有機EL発光装置の製造方法である。複数の有機EL素子により形成される有機EL発光領域11を囲む封止用シール材23を介して素子基板10と対向基板20とを貼り合わせ、一対の基板を形成するステップS109と、エッチング面をクリーニングするステップS110と、一対の基板をエッチングにより薄くするステップS111とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は有機EL発光装置及びその製造方法に関する。
近年、FPD(Flat Panel Display)として有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは画素となる有機EL素子を複数配置した表示パネルを備えている。表示パネルは通常、有機EL素子が形成された素子基板と素子基板と対向する封止用対向基板とを備えている。封止用対向基板に捕水材を設けて素子基板と封止用対向基板を貼合せ、有機EL素子が設けられた領域を封止することにより、大気中の水分等による劣化を防いでいる。
有機EL素子は応答速度が液晶表示装置よりも3桁以上速いため、動画表示の点で優れている。また、有機EL素子は自己発光するため液晶表示装置と異なりバックライト・ユニットが不要であり、さらなる薄型化が可能である。なお、液晶表示パネルについて、液晶表示パネルの片面をエッチングして薄型化する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。従来の有機ELディスプレイでは、例えば、素子基板には0.7mm厚のガラス基板を、封止用対向基板には0.7〜1.1mmのガラス基板を使用している。この素子基板や封止用対向基板により薄い基板を使用すれば、さらなる薄型化が可能である。特に携帯電話やPDAなどの携帯端末では有機EL表示装置の薄型化の要求が高い。
しかしながら、表示パネルをより薄い基板を使用して製造した場合、以下のような問題点が生じてしまう。素子基板を薄くすると生産設備内での搬送時のたわみが大きくなり、基板の取り扱いが難しくなる。さらに、基板の破損する割合が高くなり生産性を低下させる。さらに既存の設備を利用する場合は、搬送設備の改修が必要になってしまう。封止用対向基板には有機EL素子を水分から保護する捕水材を収納する空間を掘り込む必要がるため、封止用対向基板に薄い基板を用いると掘り込み作業時等に基板を破損する割合が高くなる。このように薄い基板を用いて有機EL表示パネルを製造すると、製造工程で基板が破損する割合が高くなり、生産性が低下するという問題点があった。
薄型化する方法として、素子基板及び封止用対向基板の製造工程では通常の厚さの基板を使用して、両基板を貼り合わせて封止した後に機械研磨により薄くする方法が考えられる。しかし、機械的に研磨する場合、基板の断面方向に圧力がかかってしまい、研磨中に基板を破損するおそれがある。捕水材収納部は捕水材を設けるため掘り込まれているので他の部分より薄く、外部からの圧迫に脆弱であり、この問題点が顕著に表れる。さらに機械的研磨は2枚の基板にせん断応力を与えてしまう。よって封止用シール材にせん断ストレスが残留し、封止能力が劣化するおそれがある。
特開平5−249422号公報
このように従来の有機EL表示装置では薄型化することが困難であるという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、薄型化された有機EL発光装置とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる有機EL発光装置の製造方法は、有機EL素子を備える素子基板(例えば、本実施例における素子基板10)と前記素子基板と対向された対向基板(例えば、本実施例における対向基板)からなる一対の基板を備える有機EL発光装置の製造方法であって、前記複数の有機EL素子により形成される発光領域(例えば、本実施例における有機EL表示領域11)を囲む封止用シール材(例えば、本実施例における封止用シール材23)を介して前記素子基板と前記対向基板とを貼り合わせるステップ(例えば、本実施例におけるステップS109)と、前記一対の基板をエッチングにより薄くするステップ(例えば、本実施例におけるステップS111)とを備えるものである。これにより有機EL発光装置を薄型化できる。
上述の製造方法において前記エッチングにより薄くするステップでは、前記一対の基板をエッチング液に浸漬して、前記素子基板及び前記対向基板の双方を薄くすることも可能である。これにより、短時間で薄型化することができる。
本発明にかかる有機EL発光装置の製造方法は、上述の製造方法において前記封止用シール材を囲むエッチング防止用シール(例えば、本実施例におけるエッチング防止用シール24)を設けるステップをさらに備え、前記エッチング防止用シールを介して貼り合わされた一対の基板をエッチングにより薄くするものである。これにより、有機EL素子に影響を与えることなく、薄型化することができる。
本発明にかかる有機EL発光装置の製造方法は、上述の製造方法において前記一対の基板には複数の発光領域と、前記発光領域のそれぞれを囲む複数の前記封止用シールが形成され、さらに、前記複数の封止用シールの間に飛散防止用シール(例えば、本実施例における飛散防止用シール25)を設けるステップと、前記飛散防止用シールと前記封止用シールとの間で前記一対の基板を切断し、前記複数の発光領域を分割するステップとを有するものである。これにより、切断端材が飛散するのを防ぐことができる。
上述の有機EL発光装置において、さらに前記エッチングにより薄くするステップの前に、前記一対の基板の表面をクリーニングするステップを有することが望ましい。これにより、基板のエッチング量が面内で均一になり、均一な光を発光することができる。
本発明にかかる有機EL発光装置は複数の有機EL素子を備える素子基板と、前記素子基板と対向する対向基板と、前記素子基板と前記対向基板の間に、前記複数の有機EL素子からなる発光領域を囲むように形成された封止用シール材とを備え、前記素子基板又は前記対向基板の少なくともいずれか一方の外面がエッチングされているものである。これにより、薄型化された有機EL発光装置を提供できる。
本発明によれば、薄型化された有機EL発光装置とその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
本発明にかかる有機EL表示装置の製造方法について図1を用いて説明する。図1は有機EL表示装置の製造工程を示すフローチャートである。有機EL表示装置は画素となる有機EL素子を複数配置した有機EL表示パネルを備えている。有機EL表示パネルは通常、有機EL素子が形成された素子基板と有機EL素子を封止するため素子基板と対向配置された対向基板とを備えている。
有機EL素子を備える素子基板の製造方法について説明する。素子基板には厚さが例えば、0.7mm〜1.1mmのガラス基板を用いる(ステップS101)。ガラス基板には無アルカリガラス(例えば、旭硝子社製AN100)あるいはアルカリガラス(旭硝子社製AS)を用いることができる。このガラス基板の上に陽極電極材料であるITOを成膜する(ステップS102)。ITOはスパッタや蒸着によって、ガラス基板全面に均一性よく成膜することができる。ここではDCスパッタ法により膜厚150nmで成膜する。フォトリソグラフィー及びエッチングによりITOパターンを形成する(ステップS103)。このITOパターンが陽極となる。レジストとしてはフェノールノボラック樹脂を使用し、露光現像を行う。エッチングはウェットエッチングあるいはドライエッチングのいずれでもよいが、ここでは塩酸及び硝酸の混合水溶液を使用してITOをパターニングした。レジスト剥離材としてはモノエタノールアミンを使用した。
ITOパターンの上から補助配線材料を成膜する(ステップS104)。補助配線材料はAlあるいはAl合金などの低抵抗な金属材料が用いられ、スパッタ、蒸着によって成膜することができる。さらに下地との密着性を向上させるため、あるいは腐食を防止するために、Al膜の下層又は上層にTiNやCr等のバリア層を形成して補助配線を積層構造としても良い。このバリア層も蒸着あるいはスパッタにより形成できる。ここではDCスパッタ法により総厚が450nmのCr/Al/Crの積層膜やMoNb/Al/MoNbの積層膜を補助配線材料として成膜する。この補助配線材料をフォトリソグラフィー及びエッチングによりパターニングして、補助配線パターンを形成する(ステップS105)。エッチングには燐酸、酢酸、硝酸等の混合水溶液よりなるエッチング液を使用することができる。なお、陽極材料と補助配線材料とを順に成膜し、その後に補助配線材料と陽極材料を順番にパターニングすることも可能である。この補助配線パターンにより、陽極又は陰極に信号が供給される。
次に開口絶縁膜を形成する(ステップS106)。絶縁膜としては感光性のポリイミドをスピンコーティングして、フォトリソグラフィー工程でパターニングした後、キュアし画素に画素開口部を有する開口絶縁膜を形成する。同時に陰極と補助配線とのコンタクトホールを形成する。例えば、画素開口部は300μm×300μm程度、陰極と補助配線とのコンタクトホールを200μm×200μm程度で形成する。
次に陰極隔壁を形成する(ステップS107)。陰極隔壁には、例えば、ノボラック樹脂を用いる。ノボラック樹脂をスピンコートして、フォトリソグラフィー工程でパターニングした後、光反応させて陰極隔壁を形成する。陰極隔壁が逆テーパ構造を有するようネガタイプの感光性樹脂を用いることが望ましい。ネガタイプの感光性樹脂を用いると、上から光を照射した場合、深い場所ほど光反応が不十分となる。その結果、上から見た場合、硬化部分の断面積が上の方より下の方が狭い構造を有する。これが逆テーパ構造を有するという意味である。このような構造にすると、その後、陰極の蒸着時に蒸着源から見て陰になる部分は蒸着が及ばないため、陰極同士を分離することが可能になる。さらに、開口部のITO層の表面改質を行うために、酸素プラズマ又は紫外線を照射してもよい。
次に画素開口部の上に有機EL素子を形成する(ステップS108)。例えば、蒸着装置を用い、有機EL層と陰極を蒸着する。有機EL層は界面層、正孔輸送層、発光層、電子注入層等を構成要素とすることが多い。ただし、これとは異なる層構成を有する場合もある。有機EL層の厚さは通常100〜300nm程度である。界面層として銅フタロシアニン(CuPc)を厚さ10nm、正孔輸送層としてN,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−ベンジジン(α―NPD)を厚さ60nm、発光層としてAlqを厚さ50nm、電子注入層としてLiFを厚さ0.5nm蒸着する。上述の構成で正孔輸送層をα―NPDの代わりにトリフェニルジアミン(TPD)等のトリフェニルアミン系の物質を使用することもできる。陰極にはAlを使用することが多いが、Li等のアルカリ金属、Ag、Ca、Mg、Y、Inやそれらを含む合金を用いることも可能である。陰極の厚さは通常50〜300nm程度であり、ここでは厚さ200nmのAlとする。陰極はこの他、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理的気相成長法(PVD)で形成することができる。これにより、有機EL素子が形成される。これらの工程により有機EL素子が複数形成された素子基板が製造される。通常1枚の基板には複数の有機EL素子を有する有機EL表示パネルが複数形成される。そして、各有機EL表示パネルを切断分離することにより、1枚のマザーガラスから複数の有機EL表示パネルが得られる。この工程については後述する。上述の有機EL素子基板の製造工程は典型的な有機EL表示装置に用いられる素子基板の製造工程の一例であり、上述の製造工程に限られるものではない。
次に有機EL素子を封止するための対向基板の製造工程について説明する。有機EL素子は空気中の水分により劣化するので、対向基板を用いて封止する。対向基板として厚さ0.7mm〜1.1mmのガラス基板が使用され(ステップS201)、素子基板と同様のものを用いることができる。そして、この対向基板を加工して、水分を捕獲する捕水材を配置するための捕水材収納部を設ける(ステップS202)。捕水材収納部は例えば、エッチングやサンドブラストにより、対向基板の一部を掘り込むことによって形成される。この捕水材収納部に捕水材を配置する(ステップS203)。捕水材には酸化カルシウム粉末などが用いられる。
そして、対向基板の捕水材収納部が設けられた面に、ディスペンサを用いてシール材を塗布する(ステップS204)。シール材には有機EL表示領域を囲む封止用シールに加え、エッチング防止用シールが基板の外周に設けられる。さらに切断時に表示パネルから切断される切断端材が飛散するのを防止する飛散防止用シールが各有機EL表示領域間に設けられる。封止用シールとしては感光性エポキシ樹脂が望ましく、例えば、光カチオン重合型エポキシ樹脂を用いることができ、素子基板と対向基板を貼り合わせるための接着材として機能する。エッチング防止用シール及び飛散防止用シールにも同じ材料を使用することができる。これにより、製造工程を簡略化できる。上記の製造工程により封止基板が製造される。なお、上述の製造工程は典型的な一例であり、これに限られるものではない。
次に素子基板と対向基板を貼り合わせて、有機EL素子を封止する(ステップS109)。これ以降の工程について図2〜図7を用いて説明する。図2は素子基板と対向基板の構成を示す断面図であり、図3は基板の構成を示す平面図である。図4は封止後の基板の構成を示す断面図である。図5は薄型化処理後の基板の構成を示す断面図である。図6は基板の切断線を示す平面図である。図7は切断分離後の基板の構成を示す断面図である。10は素子基板、11は有機EL表示領域、12は補助配線、20は対向基板、21は捕水材収納部、22は捕水材、23は封止用シール、24はエッチング防止シール、25は飛散防止用シールである。
素子基板10には上述のステップS101〜S108により形成された有機EL素子を複数含む有機EL表示領域11と各素子に信号を供給する補助配線12が設けられている。図3に示すように素子基板10には6個の有機EL表示領域11が設けられており、基板を切断分離することにより有機EL表示パネル30が形成される。素子基板10より若干小さい対向基板20には各有機EL表示領域11に対して捕水材収納部21が形成され、捕水材22が配置されている。対向基板20にはそれぞれの有機EL表示領域11を囲む封止用シール23が設けられる。さらに対向基板20の外周には全ての有機EL表示領域11を囲むエッチング防止用シール24が設けられている。従って、エッチング防止用シール24は封止用シール23の外側に形成される。それぞれの有機EL表示領域11に対応する封止用シール23の間には飛散防止用シール25が設けられている。
素子基板10と封止基板20とが対向するよう位置合わせして、両基板を加圧し、各シール材にUV光を照射する。これにより、図4(a)に示すように両基板が接着された構成となる。素子基板10に設けられたそれぞれの有機EL表示領域11は図3に示すように封止用シール23で全周を囲まれる。両基板と封止用シール23で囲まれた空間には捕水材22が配置され、封止された空間に残留または侵入してくる水分等による有機EL素子の劣化を防止する。素子基板10と対向基板20からなる1対の基板で有機EL素子が封止される。補助配線12は外部の駆動回路と接続されるため、封止用シール23の一部は補助配線12をまたがって接着される。
なお、エッチング防止用シール24は図4(b)に示すように2枚の基板の外側にはみ出さないほうがよい。図4(c)に示すようにエッチング防止用シール24が基板の外側にはみ出すと、基板の端面までエッチング防止用シール24が付着してしまう。図4(c)に示す構成の場合、次の薄型化工程で端面の薄型加工が不足し、基板を切断分離する際の歩留りが悪化してしまう。従って、図4(b)に示すよう2枚の基板の外側にはみ出さない構成とするため、エッチング防止用シール24を基板端の内側に塗布することが望ましい。
次に、基板のエッチング面をクリーニングする(S110)。エタノールや洗剤を基板の表面に滴下し、ブレードクリーニングやブラシクリーニングを行う。すなわち、ブレードやブラシを用いて、基板の表面のゴミ等を掻き出す。このようにして、基板の両面ともクリーニングを行う。基板の表面の汚れはエッチング時にマスクとなるため、その箇所ではエッチングが行われない。従って、汚れの部分のみ基板の厚さが厚くなってしまって、有機EL表示装置の表示品質が低下してしまう。エッチングの前に一対の基板の表面をクリーニングすることによって、表示品質の低下を防ぐことができる。
素子基板10と対向基板20とを貼り合せて一対の基板を形成した後、エッチングにより基板を薄型化する(ステップS111)。例えば、一対の基板をエッチング液に浸漬すると、素子基板10と対向基板20の双方が外面からエッチングされる。すなわち、素子基板10の有機EL素子が設けられた面の反対面及び対向基板20の捕水材22が設けられた面の反対面がエッチング液に曝されて、両基板が薄くなっていく。エッチング液には主成分をフッ酸として、硝酸、塩酸、硫酸を添加剤としたものを用いることができる。塩酸は10%以下程度、硝酸、硫酸はそれぞれ1%以下程度である。素子基板10と対向基板20が例えば、ノンアルカリガラス(AN100)の場合、30%フッ酸、5%塩酸の混酸で、40℃循環/1時間処理で片面0.2mmのエッチングを行うことができる。素子基板10と対向基板20とも0.7mmの基板を使用し、それぞれ0.2mmエッチングすることで各基板が0.5mmとなり、総厚1.0mmの有機EL表示パネル30が得られる。
なお、エッチング条件は上述のものに限られるものではなく、エッチング対象となる基板の材料に応じたエッチング液を使用することができる。ウェットエッチングに限らず、ドライエッチングを利用することも可能である。エッチング時間を調整することにより、所望の厚さの有機EL表示装置に薄型化することができる。対向基板20には捕水材収納部21が掘り込まれているため、捕水材収納部21までエッチングされないようにエッチング時間等を調整する必要がある。このようにエッチングにより薄型化を行っているため、機械的な研磨とは異なり、シール材等にストレスを与えることがない。従って、封止能力が低減するのを防ぐことができ、さらに薄型化工程で基板が破損することを防止することができる。また、上述の説明では、両基板の双方をエッチングして薄型化したが、いずれか一方の基板をエッチングして薄型化を図ってもよい。この場合、素子基板10又は対向基板20の外面にレジストを設けた後、エッチング液に浸漬する。あるいは、ドライエッチングにより、片面のみをエッチングしても良い。
エッチングにより薄型化された基板は図5に示す構成となる。本発明では素子基板10及び対向基板20の一対の基板を両外側からエッチングできるので、高速にエッチングすることができる。さらに、本発明では一対の基板の全周にフッ酸耐性が強いエポキシ樹脂からなるエッチング防止用シール24を設けているため、封止用シール23で囲まれた空間にエッチング液が侵入することがない。また、エッチング時には基板の側面もエッチングされるが、エッチング防止用シール24の内側までエッチングにより後退するまでは、エッチング液の浸入がエッチング防止シール24によって阻止される。これにより、内部の有機EL素子や捕水材22がエッチング液にさらされることがなく、エッチング液によってダメージを受けることがない。従って、有機EL表示装置の特性を劣化させることなく、薄型化を図ることができる。
薄型化された基板を切断してそれぞれの有機EL表示パネル30を分離する(ステップS112)。図6に示されている2種類の点線はそれぞれ素子基板10の切断線50と対向基板20の切断線40を示している。図6に示すように素子基板10と対向基板20では切断位置が異なる。すなわち、対向基板20の切断線40は封止用シール24に近接して設けられている。対向基板20の切断線40は封止用シール24を囲んでいる。素子基板10の切断線50は対向基板20の切断線40よりも有機EL表示領域11の外側に設けられている。素子基板10の切断線50は、さらに補助配線12の端部よりも外側に設けられている。この素子基板10の切断線50により素子基板10が切断され、対向基板20の切断線40により対向基板20が切断される。
切断分離された基板は図7に示す構成となる。それぞれの有機EL表示パネル30はエッチング防止用シール24又は飛散防止用シール25と封止用シール23との間で切断される。素子基板10は封止用シール24の外側に設けられた補助配線12の分だけ対向基板20よりも有機EL表示領域11の外側で切断される。これにより、それぞれの有機EL表示パネル30に分割される。補助配線12は封止用シール24の外側まで延設されている。基板の端部及び有機EL表示パネル30の間の基板の一部は有機EL表示パネル30から切断させ切断端材31となる。ここで各有機EL表示パネルの間の切断端材31は飛散防止用シール25によって接着されているので、切断分離時の破片となる切断端材31が有機EL表示パネル30に飛散することを防止できる。
次に駆動回路等を実装する(ステップS113)。素子基板10には封止用シール23で囲まれた領域から外に補助配線12が延設されている。補助配線12の外側の端部には端子部が形成されており、この端子部に異方性導電フィルム(ACF)を貼付け、駆動回路が設けられたTCP(Tape Carrier Package)を接続する。具体的には端子部にACFを仮圧着する。ACFは日立化成製アニソルム7106Uを用いている。仮圧着温度は80℃で、圧着圧力は1.0MPa、圧着時間は5秒である。ついで駆動回路が内蔵されたTCPを端子部に本圧着する。本圧着温度は170度で、圧着圧力は2.0MPa、圧着時間は20秒である。これにより駆動回路が実装される。この有機EL表示パネル30が筐体に取り付けられ、有機EL表示装置が完成する(ステップS114)。このようにして有機ELパネル30を薄型化することができ、薄型化された有機EL表示装置を提供することができる。
なお、上述の説明では有機EL表示装置について示したが、本発明は有機EL素子を用いた光源装置に対しても利用可能である。例えば、上述の製造方法において、素子基板10に有機EL表示領域11に代えて、面状の有機EL素子からなる有機EL発光領域を形成する。有機EL発光領域を封止用シール材23で囲み、同様の工程により面状光源装置を製造する。これにより、均一で高輝度の面状光源装置を得ることができる。このように本発明は有機EL素子の発光を利用作用した有機EL発光装置に対して利用可能である。なお、有機EL発光装置には有機EL表示装置及び有機EL光源装置等の有機EL素子の発光を利用した装置が含まれるものとする。
本発明にかかる有機EL表示装置の製造工程を示すフローチャートである。 本発明にかかる有機EL表示装置の構成を示す断面図である。 本発明にかかる有機EL表示装置の貼付け前の構成を示す平面図である。 本発明にかかる有機EL表示装置の封止後の構成を示す断面図である。 本発明にかかる有機EL表示装置のエッチング後の構成を示す断面図である。 本発明にかかる有機EL表示装置の切断分離後の構成を示す平面図である。 本発明にかかる有機EL表示装置の切断分離後の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 素子基板
11 有機EL表示領域
12 補助配線
20 対向基板、
21 捕水材収納部
22 捕水材
23 封止用シール
24 エッチング防止用シール
25 飛散防止用シール
30 有機EL表示パネル
31 切断端材
40 対向基板の切断線
50 素子基板の切断線

Claims (6)

  1. 有機EL素子を備える素子基板と前記素子基板と対向された対向基板からなる一対の基板を備える有機EL発光装置の製造方法であって、
    前記有機EL素子により形成される発光領域を囲む封止用シール材を介して前記素子基板と前記対向基板とを貼り合わせ、一対の基板を形成するステップと、
    前記一対の基板をエッチングにより薄くするステップとを備える有機EL発光装置の製造方法。
  2. 前記エッチングにより薄くするステップでは、前記一対の基板をエッチング液に浸漬して、前記素子基板及び前記対向基板の双方を薄くする請求項1記載の有機EL発光装置の製造方法。
  3. 前記封止用シール材を囲むエッチング防止用シールを設けるステップをさらに備え、
    前記エッチング防止用シールを介して貼り合わされた一対の基板をエッチングにより薄くする請求項1又は2記載の有機EL発光装置の製造方法。
  4. 前記一対の基板には複数の発光領域と、前記複数の発光領域のそれぞれを囲む複数の前記封止用シールが形成され、
    さらに、前記複数の封止用シールの間に切断分離時の破片の飛散を防止する飛散防止用シールを設けるステップと、
    前記飛散防止用シールと前記封止用シールとの間で前記一対の基板を切断し、前記複数の発光領域を分割するステップとを有する請求項1から3いずれか1つに記載の有機EL発光装置の製造方法。
  5. 前記エッチングにより薄くするステップの前に、前記一対の基板の表面をクリーニングするステップをさらに有する請求項1から4いずれか一つに記載の有機EL発光装置。
  6. 有機EL素子を備える素子基板と、
    前記素子基板と対向する対向基板と、
    前記素子基板と前記対向基板の間に、前記有機EL素子からなる発光領域を囲むように形成された封止用シール材とを備え、
    前記素子基板又は前記対向基板の少なくともいずれか一方の外面がエッチングされている有機EL発光装置。
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