JP2005076659A - 複列ころ軸受および圧延機 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向にラジアル荷重分布が推移する軸に対して好適な複列ころ軸受を提供する。
【解決手段】外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなる複列ころ軸受において、複数列のころ軸受は、許容ラジアル荷重の異なる複数のころ軸受を組み合わせてなる構成とする。これによれば、各列の軸受の許容ラジアル荷重を、その列に加わるラジアル荷重に応じて異ならせることにより、特定の列のころ軸受が異常発熱したり、焼きつきを生ずることを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなる複列ころ軸受において、複数列のころ軸受は、許容ラジアル荷重の異なる複数のころ軸受を組み合わせてなる構成とする。これによれば、各列の軸受の許容ラジアル荷重を、その列に加わるラジアル荷重に応じて異ならせることにより、特定の列のころ軸受が異常発熱したり、焼きつきを生ずることを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複列ころ軸受に係り、特に、圧延機のロールネック軸受として好適な複列ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば圧延機のロールネックやバックアップロールの回転軸のように、大きなラジアル荷重を負担することが要求される軸受には、円筒ころ軸受等のころ軸受を、例えば4列程度、軸方向に直列に配列してなる複列ころ軸受が用いられる。通常、複列ころ軸受は略同一の諸元を有する軸受を複数列配列して構成されることが多い。
【0003】
しかし、圧延機のロールネックのように、軸に過大なラジアル荷重が加わる場合には、例えば軸がたわむことによる偏心や、あるいは軸受を収容するハウジングの構造やたわみ、または微小な寸法誤差等に起因して、ころ軸受に加わるラジアル荷重が列ごとに異なってしまう場合がある。
【0004】
このように、各列の軸受に対するラジアル荷重が異なると、ラジアル荷重が大きい列の軸受は、発熱が他の列の軸受よりも大きくなって劣化が促進され、極端な場合には焼きつきを生ずるおそれがある。一方、ラジアル荷重の小さい列の軸受は、能力が過剰となってしまい、装置の設計上無駄となる。
【0005】
従来、片持ちのロールネックの回転軸がたわみ、曲がった場合に、各列の軸受が負担するラジアル過重を平準化することを目的として、曲げによる軸心の移動量が大きくなるロールに近い側の列になるにつれて、内外輪の軌道面間ところとの間の間隔を順次大きくすることが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平6−304616号公報(第2ページ、図1等。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術においては、片持ち梁状の軸の曲げ変形に起因する各列の軸受の負荷分布しか考慮されておらず、例えば、ハウジングの構造等に起因して軸方向により複雑なラジアル荷重分布が生ずることについて配慮がなされていない。
【0008】
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、軸方向にラジアル荷重分布が推移する軸に対して好適な複列ころ軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明は、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数のころ軸受は、許容ラジアル荷重の異なるころ軸受を組み合わせてなる複列ころ軸受によって上述した課題を解決する。すなわち、本発明によれば、支持対象の回転軸の軸方向に沿ったラジアル荷重の分布に応じて適切な許容ラジアル荷重を有する回転ころ軸受を選択し、組み合わせることによって、各列の軸受に対する負担の平準化を図ることができる。具体的には、局部的に過度の荷重がかかることによる異常な発熱を防止し、焼きつきを未然に防止することができる。さらに、比較的荷重の軽い列に対し、過剰な仕様の軸受を使用する無駄を省くことができる。
【0010】
許容ラジアル荷重の異なる複数のころ軸受を軸方向に複数列配列してなる複列ころ軸受とは、例えば、複数のころ軸受は他の列より各軌道面の間隔が大きくかつころの直径が大きいころ軸受を含んでなる複列ころ軸受である。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、軌道面間の間隔が大きくかつころの直径が大きいころ軸受を配置するとよい。
【0011】
また、ころは軸心に沿ってピン穴を設けられ、筒状に形成され、複数のころ軸受は、ピン穴の内径が列により異なるころ軸受を組み合わてなる構成としてもよい。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、ピン穴の内径が小さいころを配置するとよい。
【0012】
また、複数のころ軸受は、ころの軸方向長さが異なるころ軸受を組み合わせてなる構成としてもよい。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、ころが長いころ軸受を配置するとよい。
【0013】
ところで、上述した各発明において、外輪の外周面の直径が略等しいようにすると、複列ころ軸受を収容するハウジングに対する設計変更や追加加工をすることなく使用条件に応じて好適な組合せの複列ころ軸受を選択できるから便宜である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなり、圧延機のロールネック回転軸を保持するのに好適な複列円筒ころ軸受の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の複列円筒ころ軸受を、径方向、つまり軸の長手方向に対し直交方向から見た状態を示す要部断面図である。図1に示すように、軸受1は、本実施形態の場合には例えば4列の複列円筒ころ軸受である。
軸受1は、ロールネックを支持する図示しない回転軸が挿入され、外周面に軌道面を形成してなる筒状の内輪3と、内周面に軌道面を形成してなる筒状の外輪5とを有する。内輪3は、ころ軸受2列ごとに分割して形成されている。以下、内輪3の図1の左側の部分に3a、右側の部分に3bの符号を付して説明する。内輪3a、3bは、実質同一の形状を有し、回転軸の軸方向に沿って直列に、端面をつき合わせて配置されている。また、内輪3a、3bの両端部の端面は、周上複数箇所、例えば90度おきに4箇所、円弧状に切りこまれ、注油等の用に供される。この切りこみは、内輪3a、3bの接合部においては、周上の位置が一致するように配列される。内輪3は、外周面、内周面とも軸方向にわたって径が一定となる単純円筒として形成されている。
【0015】
また、外輪5についても、内輪3a,3bに対応して2つの部分5a,5bに分割して形成されている。外輪5a,5bも実質同一の形状を有する。外輪5aは、その内周面の中央部に内側に突出して形成されたつば部が形成され、そのつば部の両側に外輪軌道面が形成されている。そして、この外輪軌道面の内径は、つば部の両側において異なっている。また、外輪5a、5bの径方向に、つば部を貫通する給油孔7が形成されている。
【0016】
ころ9は、軸心を通る図示しないピン穴を形成された筒状に形成され、内輪3a,3bの軌道面と外輪5a,5bの軌道面間に回動可能に組み込まれる。ピン穴には、ころの位置決めのため図示しないピンが挿入される。そして、径の異なる外輪軌道面部に配列されるころの直径は、外輪軌道面部の径の差を考慮して設定される。すなわち、外輪軌道面の内径が大きい列に配置されるころの直径は、他のころの直径よりも大きい。
【0017】
そして、外輪5a,5bは、軌道面の内径が大きい側同士を向かい合わせて、筒軸方向に直列に配列される。外輪5a,5bの間隔には、両者に収容されるころ9lの軸方向の移動を規制する止め輪11が設けられている。止め輪11の外径は外輪5a,5bと略同じである。一方、止め輪11の内径は、各外輪のつば部の内径と略同じである。そして、止め輪11にも、径方向に貫通する給油孔13が形成されている。
【0018】
また、外輪5a,5bの、外側の両端面部には、それぞれ外輪止め輪14が設けられている。外輪止め輪もまた外輪5a,5bと略同じ外径と、つば部と略同じ内径とを有する。
【0019】
そして、内輪3a,3bの表面にも、周方向に沿った凸条として形成された内輪止め輪15が、各ころの両側に配置されている。これらの各止め輪および外輪のつば部によって、各ころは軸方向の移動を規制されている。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、4列円筒ころ軸受において、中央側の2列にかかるラジアル荷重が外側の2列よりも大きい場合に、中央側の2列の円筒ころ軸受の容量、すなわち許容ラジアル荷重を増やす設計としているから、中央側2列の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。また、外輪5a,5bの外径が軸方向にわたって同じであるから、ハウジング側には何ら特別な加工をする必要がない。また、荷重分布が使用条件により変わった場合にも、容易に他の配列を有する軸受に交換することができ便宜である。
【0021】
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態の複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。なお、以下説明する各実施形態については、上述した第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。図2に示すように、本実施形態においては、例えば4列の複列円筒ころ軸受のうち、内側の2列について、外輪軌道面の内径ならびにころの外径を外側の2列より大きくしたことを特徴とする。換言すれば、本実施形態の外輪5a,5bは、上述した第1の実施形態における外輪5a,5bの向きを、軸方向に反転させたものである。また、直径の大きいころ9lを外側2列に配列し、直径の小さいころ9sを内側2列に配列したものである。
【0022】
本実施形態によれば、外側の列のラジアル荷重が大きい場合に、これらの列のころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0023】
(第3の実施形態)
図3は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図3に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列の外輪軌道面の内径およびころの外径を、他方側の2列よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0024】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きい位置に許容ラジアル荷重の大きなころ軸受を配置することによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0025】
(第4の実施形態)
図4は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図4に示すように、本実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径を、軸方向の一方から順次段階状に小さくなるようにしたことを特徴とする。
【0026】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0027】
(第5の実施形態)
図5は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図5に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列の軸受のみ、外輪軌道面の内径およびころの直径を他の3列より小さくしたことを特徴とする。
【0028】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0029】
(第6の実施形態)
図6は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図6に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列の軸受のみ、外輪軌道面の内径およびころの直径を他の3列よる大きくしたことを特徴とする。
【0030】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0031】
(第7の実施形態)
図7は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図7に示すように、本実施形態においては、ころの軸心部に形成されたピン穴17の穴径を、中央側の2列のころは大きく、一方、外側の2列のころは小さく形成したことを特徴とする。なお、以下説明する本実施形態ないし第18の実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径は各列とも同じである。
【0032】
本実施形態によれば、ピン穴の小さいころはラジアル荷重に対する剛性が向上するから、複列円筒ころ軸受の両端部におけるラジアル荷重が大きい場合に、これら両端部に配置されるころ軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0033】
(第8の実施形態)
図8は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を軸方向から見た断面図である。図8に示すように、本実施形態においては、ピン穴17の穴径を、中央側の2列のころは小さく、一方、外側の2列のころは大きく形成したことを特徴とする。
【0034】
本実施形態によれば、内側の列のラジアル荷重が大きい場合に、これらの列のころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0035】
(第9の実施形態)
図9は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図9に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列のピン穴17の穴径が、他の2列のピン穴の穴径よりも小さいことを特徴とする。
【0036】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きいころ列のピン穴径を小さくすることによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0037】
(第10の実施形態)
図10は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図10に示すように、本実施形態においては、ピン穴17の内径を、軸方向の一方から順次段階的に小さくなるようにしたことを特徴とする。
【0038】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0039】
(第11の実施形態)
図11は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図11に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ列のころのみ、他の3列のころよりもピン穴17の内径を小さくしたことを特徴とする。
【0040】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0041】
(第12の実施形態)
図12は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図12に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ軸のころ9のみ、他の3列のころよりもピン穴17の内径を大きくしたことを特徴とする。
【0042】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0043】
(第13の実施形態)
図13は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図13に示すように、本実施形態は、ころ9の長さを、中央側の2列については相対的に短く、一方、外側の2列については相対的に長くしたことを特徴とする。
【0044】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の両端部におけるラジアル荷重が中央側に比べて大きい場合に、荷重が大きい列のころ長を長くすることによって耐ラジアル荷重性を高め、これらの列のころ軸受の異常発熱を防止し、焼きつきを防止することができる。
【0045】
(第14の実施形態)
図14は、本実施形態の4列円筒頃軸受を軸方向から見た断面図である。図14に示すように、本実施形態においては、ころ9の長さを、中央側の2列については相対的に長く、一方、外側の2列については相対的に短くしたことを特徴とする。本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0046】
(第15の実施形態)
図15は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図15に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列のころ9の長さが、他の2列のころ9の長さよりも長いことを特徴とする。
【0047】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きいころ列のピン穴径を小さくすることによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0048】
(第16の実施形態)
図16は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図16に示すように、本実施形態においては、各列のころ9の長さを、軸方向の一方から順次段階的に長くなるようにしたことを特徴とする。
【0049】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0050】
(第17の実施形態)
図17は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図17に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ列のころのみ、他の3列のころよりも長さを短くしたことを特徴とする。
【0051】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0052】
(第18の実施形態)
図18は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図18に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ軸のころ9のみ、他の3列のころよりも長さを短くしたことを特徴とする。
【0053】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0054】
なお、上述した各実施形態は、4列の円筒ころ軸受についてのものであるが、列の数は4列に限定されず、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0055】
また、上述した各実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径と、ころに形成されたピン穴の内径と、ころの長さとからなる要素のうちいずれか1つのみを列によって異ならせているが、複数の要素をそれぞれ異ならせ、換言すればこれら要素の変化を組み合わせるようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、軸方向にラジアル荷重分布が推移する軸に対して好適な複列ころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第1の実施形態の径方向断面図である。
【図2】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第2の実施形態の径方向断面図である。
【図3】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第3の実施形態の径方向断面図である。
【図4】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第4の実施形態の径方向断面図である。
【図5】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第5の実施形態の径方向断面図である。
【図6】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第6の実施形態の径方向断面図である。
【図7】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第7の実施形態の径方向断面図である。
【図8】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第8の実施形態の径方向断面図である。
【図9】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第9の実施形態の径方向断面図である。
【図10】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第10の実施形態の径方向断面図である。
【図11】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第11の実施形態の径方向断面図である。
【図12】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第12の実施形態の径方向断面図である。
【図13】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第13の実施形態の径方向断面図である。
【図14】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第14の実施形態の径方向断面図である。
【図15】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第15の実施形態の径方向断面図である。
【図16】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第16の実施形態の径方向断面図である。
【図17】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第17の実施形態の径方向断面図である。
【図18】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第18の実施形態の径方向断面図である。
【符号の説明】
1 軸受
3(3a,3b) 内輪
5(5a,5b) 外輪
7 給油孔
9 ころ
11 止め輪
13 給油孔
14 止め輪
15 止め輪
17 ピン穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、複列ころ軸受に係り、特に、圧延機のロールネック軸受として好適な複列ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば圧延機のロールネックやバックアップロールの回転軸のように、大きなラジアル荷重を負担することが要求される軸受には、円筒ころ軸受等のころ軸受を、例えば4列程度、軸方向に直列に配列してなる複列ころ軸受が用いられる。通常、複列ころ軸受は略同一の諸元を有する軸受を複数列配列して構成されることが多い。
【0003】
しかし、圧延機のロールネックのように、軸に過大なラジアル荷重が加わる場合には、例えば軸がたわむことによる偏心や、あるいは軸受を収容するハウジングの構造やたわみ、または微小な寸法誤差等に起因して、ころ軸受に加わるラジアル荷重が列ごとに異なってしまう場合がある。
【0004】
このように、各列の軸受に対するラジアル荷重が異なると、ラジアル荷重が大きい列の軸受は、発熱が他の列の軸受よりも大きくなって劣化が促進され、極端な場合には焼きつきを生ずるおそれがある。一方、ラジアル荷重の小さい列の軸受は、能力が過剰となってしまい、装置の設計上無駄となる。
【0005】
従来、片持ちのロールネックの回転軸がたわみ、曲がった場合に、各列の軸受が負担するラジアル過重を平準化することを目的として、曲げによる軸心の移動量が大きくなるロールに近い側の列になるにつれて、内外輪の軌道面間ところとの間の間隔を順次大きくすることが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0006】
【特許文献1】
特開平6−304616号公報(第2ページ、図1等。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術においては、片持ち梁状の軸の曲げ変形に起因する各列の軸受の負荷分布しか考慮されておらず、例えば、ハウジングの構造等に起因して軸方向により複雑なラジアル荷重分布が生ずることについて配慮がなされていない。
【0008】
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、軸方向にラジアル荷重分布が推移する軸に対して好適な複列ころ軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明は、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数のころ軸受は、許容ラジアル荷重の異なるころ軸受を組み合わせてなる複列ころ軸受によって上述した課題を解決する。すなわち、本発明によれば、支持対象の回転軸の軸方向に沿ったラジアル荷重の分布に応じて適切な許容ラジアル荷重を有する回転ころ軸受を選択し、組み合わせることによって、各列の軸受に対する負担の平準化を図ることができる。具体的には、局部的に過度の荷重がかかることによる異常な発熱を防止し、焼きつきを未然に防止することができる。さらに、比較的荷重の軽い列に対し、過剰な仕様の軸受を使用する無駄を省くことができる。
【0010】
許容ラジアル荷重の異なる複数のころ軸受を軸方向に複数列配列してなる複列ころ軸受とは、例えば、複数のころ軸受は他の列より各軌道面の間隔が大きくかつころの直径が大きいころ軸受を含んでなる複列ころ軸受である。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、軌道面間の間隔が大きくかつころの直径が大きいころ軸受を配置するとよい。
【0011】
また、ころは軸心に沿ってピン穴を設けられ、筒状に形成され、複数のころ軸受は、ピン穴の内径が列により異なるころ軸受を組み合わてなる構成としてもよい。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、ピン穴の内径が小さいころを配置するとよい。
【0012】
また、複数のころ軸受は、ころの軸方向長さが異なるころ軸受を組み合わせてなる構成としてもよい。この場合、ラジアル荷重の大きい列に、ころが長いころ軸受を配置するとよい。
【0013】
ところで、上述した各発明において、外輪の外周面の直径が略等しいようにすると、複列ころ軸受を収容するハウジングに対する設計変更や追加加工をすることなく使用条件に応じて好適な組合せの複列ころ軸受を選択できるから便宜である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなり、圧延機のロールネック回転軸を保持するのに好適な複列円筒ころ軸受の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の複列円筒ころ軸受を、径方向、つまり軸の長手方向に対し直交方向から見た状態を示す要部断面図である。図1に示すように、軸受1は、本実施形態の場合には例えば4列の複列円筒ころ軸受である。
軸受1は、ロールネックを支持する図示しない回転軸が挿入され、外周面に軌道面を形成してなる筒状の内輪3と、内周面に軌道面を形成してなる筒状の外輪5とを有する。内輪3は、ころ軸受2列ごとに分割して形成されている。以下、内輪3の図1の左側の部分に3a、右側の部分に3bの符号を付して説明する。内輪3a、3bは、実質同一の形状を有し、回転軸の軸方向に沿って直列に、端面をつき合わせて配置されている。また、内輪3a、3bの両端部の端面は、周上複数箇所、例えば90度おきに4箇所、円弧状に切りこまれ、注油等の用に供される。この切りこみは、内輪3a、3bの接合部においては、周上の位置が一致するように配列される。内輪3は、外周面、内周面とも軸方向にわたって径が一定となる単純円筒として形成されている。
【0015】
また、外輪5についても、内輪3a,3bに対応して2つの部分5a,5bに分割して形成されている。外輪5a,5bも実質同一の形状を有する。外輪5aは、その内周面の中央部に内側に突出して形成されたつば部が形成され、そのつば部の両側に外輪軌道面が形成されている。そして、この外輪軌道面の内径は、つば部の両側において異なっている。また、外輪5a、5bの径方向に、つば部を貫通する給油孔7が形成されている。
【0016】
ころ9は、軸心を通る図示しないピン穴を形成された筒状に形成され、内輪3a,3bの軌道面と外輪5a,5bの軌道面間に回動可能に組み込まれる。ピン穴には、ころの位置決めのため図示しないピンが挿入される。そして、径の異なる外輪軌道面部に配列されるころの直径は、外輪軌道面部の径の差を考慮して設定される。すなわち、外輪軌道面の内径が大きい列に配置されるころの直径は、他のころの直径よりも大きい。
【0017】
そして、外輪5a,5bは、軌道面の内径が大きい側同士を向かい合わせて、筒軸方向に直列に配列される。外輪5a,5bの間隔には、両者に収容されるころ9lの軸方向の移動を規制する止め輪11が設けられている。止め輪11の外径は外輪5a,5bと略同じである。一方、止め輪11の内径は、各外輪のつば部の内径と略同じである。そして、止め輪11にも、径方向に貫通する給油孔13が形成されている。
【0018】
また、外輪5a,5bの、外側の両端面部には、それぞれ外輪止め輪14が設けられている。外輪止め輪もまた外輪5a,5bと略同じ外径と、つば部と略同じ内径とを有する。
【0019】
そして、内輪3a,3bの表面にも、周方向に沿った凸条として形成された内輪止め輪15が、各ころの両側に配置されている。これらの各止め輪および外輪のつば部によって、各ころは軸方向の移動を規制されている。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、4列円筒ころ軸受において、中央側の2列にかかるラジアル荷重が外側の2列よりも大きい場合に、中央側の2列の円筒ころ軸受の容量、すなわち許容ラジアル荷重を増やす設計としているから、中央側2列の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。また、外輪5a,5bの外径が軸方向にわたって同じであるから、ハウジング側には何ら特別な加工をする必要がない。また、荷重分布が使用条件により変わった場合にも、容易に他の配列を有する軸受に交換することができ便宜である。
【0021】
(第2の実施形態)
図2は、本実施形態の複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。なお、以下説明する各実施形態については、上述した第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付し、説明を省略する。図2に示すように、本実施形態においては、例えば4列の複列円筒ころ軸受のうち、内側の2列について、外輪軌道面の内径ならびにころの外径を外側の2列より大きくしたことを特徴とする。換言すれば、本実施形態の外輪5a,5bは、上述した第1の実施形態における外輪5a,5bの向きを、軸方向に反転させたものである。また、直径の大きいころ9lを外側2列に配列し、直径の小さいころ9sを内側2列に配列したものである。
【0022】
本実施形態によれば、外側の列のラジアル荷重が大きい場合に、これらの列のころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0023】
(第3の実施形態)
図3は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図3に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列の外輪軌道面の内径およびころの外径を、他方側の2列よりも大きく設定したことを特徴とする。
【0024】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きい位置に許容ラジアル荷重の大きなころ軸受を配置することによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0025】
(第4の実施形態)
図4は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図4に示すように、本実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径を、軸方向の一方から順次段階状に小さくなるようにしたことを特徴とする。
【0026】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0027】
(第5の実施形態)
図5は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図5に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列の軸受のみ、外輪軌道面の内径およびころの直径を他の3列より小さくしたことを特徴とする。
【0028】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0029】
(第6の実施形態)
図6は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図6に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列の軸受のみ、外輪軌道面の内径およびころの直径を他の3列よる大きくしたことを特徴とする。
【0030】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0031】
(第7の実施形態)
図7は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図7に示すように、本実施形態においては、ころの軸心部に形成されたピン穴17の穴径を、中央側の2列のころは大きく、一方、外側の2列のころは小さく形成したことを特徴とする。なお、以下説明する本実施形態ないし第18の実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径は各列とも同じである。
【0032】
本実施形態によれば、ピン穴の小さいころはラジアル荷重に対する剛性が向上するから、複列円筒ころ軸受の両端部におけるラジアル荷重が大きい場合に、これら両端部に配置されるころ軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0033】
(第8の実施形態)
図8は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を軸方向から見た断面図である。図8に示すように、本実施形態においては、ピン穴17の穴径を、中央側の2列のころは小さく、一方、外側の2列のころは大きく形成したことを特徴とする。
【0034】
本実施形態によれば、内側の列のラジアル荷重が大きい場合に、これらの列のころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0035】
(第9の実施形態)
図9は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図9に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列のピン穴17の穴径が、他の2列のピン穴の穴径よりも小さいことを特徴とする。
【0036】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きいころ列のピン穴径を小さくすることによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0037】
(第10の実施形態)
図10は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図10に示すように、本実施形態においては、ピン穴17の内径を、軸方向の一方から順次段階的に小さくなるようにしたことを特徴とする。
【0038】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0039】
(第11の実施形態)
図11は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図11に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ列のころのみ、他の3列のころよりもピン穴17の内径を小さくしたことを特徴とする。
【0040】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0041】
(第12の実施形態)
図12は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図12に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ軸のころ9のみ、他の3列のころよりもピン穴17の内径を大きくしたことを特徴とする。
【0042】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0043】
(第13の実施形態)
図13は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図13に示すように、本実施形態は、ころ9の長さを、中央側の2列については相対的に短く、一方、外側の2列については相対的に長くしたことを特徴とする。
【0044】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の両端部におけるラジアル荷重が中央側に比べて大きい場合に、荷重が大きい列のころ長を長くすることによって耐ラジアル荷重性を高め、これらの列のころ軸受の異常発熱を防止し、焼きつきを防止することができる。
【0045】
(第14の実施形態)
図14は、本実施形態の4列円筒頃軸受を軸方向から見た断面図である。図14に示すように、本実施形態においては、ころ9の長さを、中央側の2列については相対的に長く、一方、外側の2列については相対的に短くしたことを特徴とする。本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0046】
(第15の実施形態)
図15は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面図である。図15に示すように、本実施形態においては、軸方向の一方側の2列のころ9の長さが、他の2列のころ9の長さよりも長いことを特徴とする。
【0047】
本実施形態によれば、ラジアル荷重が複列円筒ころ軸受の軸方向一方に偏在している場合に、荷重が大きいころ列のピン穴径を小さくすることによって、これらのころ軸受の発熱を抑制し、焼きつきを防止することができる。
【0048】
(第16の実施形態)
図16は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図16に示すように、本実施形態においては、各列のころ9の長さを、軸方向の一方から順次段階的に長くなるようにしたことを特徴とする。
【0049】
本実施形態によれば、各列の軸受にかかるラジアル荷重が軸方向に沿って傾斜状あるいは段階状に推移する場合に、各列の軸受の発熱の均一化を図り、異常発熱を抑制して焼きつきを防止することができる。
【0050】
(第17の実施形態)
図17は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図17に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ列のころのみ、他の3列のころよりも長さを短くしたことを特徴とする。
【0051】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重が大きい場合に、当該部位に対応する列の軸受の異常発熱を抑制し、焼きつきを防止する効果がある。
【0052】
(第18の実施形態)
図18は、本実施形態の4列複列円筒ころ軸受を径方向から見た断面を示す図である。図18に示すように、本実施形態においては、4列の円筒ころ軸受のうち、一端側の1列のころ軸のころ9のみ、他の3列のころよりも長さを短くしたことを特徴とする。
【0053】
本実施形態によれば、複列円筒ころ軸受の一方の端部においてのみラジアル荷重がマイルドである場合に、当該部位に対応する列の軸受の諸元を過剰にせずにすむ効果がある。
【0054】
なお、上述した各実施形態は、4列の円筒ころ軸受についてのものであるが、列の数は4列に限定されず、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
【0055】
また、上述した各実施形態においては、外輪軌道面の内径およびころの外径と、ころに形成されたピン穴の内径と、ころの長さとからなる要素のうちいずれか1つのみを列によって異ならせているが、複数の要素をそれぞれ異ならせ、換言すればこれら要素の変化を組み合わせるようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、軸方向にラジアル荷重分布が推移する軸に対して好適な複列ころ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第1の実施形態の径方向断面図である。
【図2】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第2の実施形態の径方向断面図である。
【図3】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第3の実施形態の径方向断面図である。
【図4】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第4の実施形態の径方向断面図である。
【図5】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第5の実施形態の径方向断面図である。
【図6】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第6の実施形態の径方向断面図である。
【図7】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第7の実施形態の径方向断面図である。
【図8】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第8の実施形態の径方向断面図である。
【図9】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第9の実施形態の径方向断面図である。
【図10】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第10の実施形態の径方向断面図である。
【図11】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第11の実施形態の径方向断面図である。
【図12】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第12の実施形態の径方向断面図である。
【図13】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第13の実施形態の径方向断面図である。
【図14】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第14の実施形態の径方向断面図である。
【図15】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第15の実施形態の径方向断面図である。
【図16】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第16の実施形態の径方向断面図である。
【図17】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第17の実施形態の径方向断面図である。
【図18】本発明を適用してなる複列円筒ころ軸受の第18の実施形態の径方向断面図である。
【符号の説明】
1 軸受
3(3a,3b) 内輪
5(5a,5b) 外輪
7 給油孔
9 ころ
11 止め輪
13 給油孔
14 止め輪
15 止め輪
17 ピン穴
Claims (8)
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数列のころ軸受は、許容ラジアル荷重の異なるころ軸受を組み合わせてなる複列ころ軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる複数のころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数列のころ軸受は、他の列より前記各軌道面の間隔が大きくかつ前記ころの直径が大きいころ軸受を含んでなる複列ころ軸受。
- 前記ころは軸心を通るピン穴を形成され、該ピン穴の内径が列により異なる前記複数のころ軸受を組み合わせてなる請求項1又は2のいずれかに記載の複列ころ軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された内輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれ軸心を通るピン穴を形成されたころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数列のころ軸受は、前記ピン穴の内径が異なる前記ころ軸受を組み合わせてなる複列ころ軸受。
- 前記ころの軸方向長さが異なる前記ころ軸受を組み合わせてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の複列ころ軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された内輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれるころとをそれぞれ有する複数列のころ軸受を軸方向に配列してなり、前記複数列のころ軸受は、前記ころの軸方向長さが異なる前記ころ軸受を組み合わせてなる複列ころ軸受。
- 前記複数のころ軸受それぞれの前記外輪の外周面の直径が略等しいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の複列ころ軸受。
- ロールネックの回転軸を保持する軸受部に請求項1乃至7のいずれかに記載の複列ころ軸受を有することを特徴とする圧延機。
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JP2003209821A JP2005076659A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 複列ころ軸受および圧延機 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106224376A (zh) * | 2016-08-30 | 2016-12-14 | 大连国威轴承股份有限公司 | 一种轧机轴向定位用双列圆柱滚子滚轮轴承 |
CN112268065A (zh) * | 2020-09-18 | 2021-01-26 | 区博扬 | 一种轴承 |
-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003209821A patent/JP2005076659A/ja active Pending
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