JP2005076645A - 折り曲座金 - Google Patents

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Tetsuhisa Hasegawa
哲央 長谷川
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HASEGAWA SEISAKUSHO KK
Hasegawa Manufacturing Co Ltd
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HASEGAWA SEISAKUSHO KK
Hasegawa Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【解決手段】座金の周囲に複数枚の係止片3を放射状に設ける。係止片3の1枚を屈曲してボルト頭部の側面に係止する。ボルト挿入孔1の周囲をボルト頭部P1側に向けて断面略段状に突出させた押圧部2を設ける。該押圧部2の突出していない外周囲から前記係止片3の基端部を連続形成する。ボルト頭部P1による押圧部2の押圧変形に伴なって該係止片3の先端部がボルト頭部P1方向に起き上るように設ける。
【効果】狭いスペースでも使用することが可能になる。折り曲げ作業が極めて容易である。安全な使用ができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り曲座金の改良に係り、限られたスペース内でも座金を折り曲げることができる折り曲座金に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の折り曲座金10は、例えば、図7(イ)に示す如くフラットな矩形状を成し、ボルト締結後にその角部11を折り曲げ、締結したボルトの頭部に係止して回り止めとする。また、同図(ロ)に示す如く、角部11に予め折り曲げ用の折り目12を設けたものなどもある。
【0003】
この折り曲座金10は、例えば、本体20側に設けられたタップにボルトを締結する場合など、主にナットで固定できない場合に、ボルトPの緩み止めとして使用される。この場合、図8に示すように複数のボルトPを並列に締結することで、より高い緩み止め効果が得られる。また、単独のボルトPに使用することもある。
【0004】
特許文献1に記載されている折り曲座金は、単独のボルトに用いる折り曲座金で、特に固定座金と共に使用する。この固定座金は、ボルトの軸部に装着し、締結物のボルト挿通孔にボルトと共に強制嵌入する。そして、この固定座金とボルトの頭部との間に折り曲座金を配することで、ボルトやナットの緩み止めとして用いるものである。この折り曲座金では、座金の外周部を細かく分割して短冊状部分を形成し、ボルトの頭部側面に予め設けた溝内に、折り曲げた1枚の短冊状部分を嵌入するように設けている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−330924号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図7、図8に示される従来の折り曲座金にあっては、ボルト締結後、最初に折り曲座金10の角部11を工具で起し、次に起き上った角部11をボルトPの頭部に係止するまで更に折り曲げる作業が必要である。そのため、折り曲座金10の角部11を起す際に、折り曲座金10の周囲に工具を挿入するためのスペースが必要になる。この結果、工具を挿入するスペースのない場所で、この種の折り曲座金10を用いることは困難になっていた。
【0007】
特許文献1に記載されている折り曲座金は、短冊状部分の折り曲げ作業を容易にする為に、短冊状部分の先端を僅かに起して、前記固定座金と該折り曲座金との間に隙間を形成する浮き上がり部を設けている。ところが、短冊状部分の先端が浮き上がるように設けていても、ボルトを締め付けたときに、ボルト頭部と被緊締物との間で折り曲座金が圧着されるので、浮き上がるように設けた先端部が次第に押し潰されてもとの状態になる不都合がある。この結果、この先端の浮き上がり部は極めて僅かなものになり、該先端を始めに折り曲げる作業には、やはり工具が必要になるものであった。
【0008】
また、特許文献1の短冊状部分は、ボルトの頭部に予め設けた溝内に嵌入して係止する構造なので、ボルトの締め付け作業が完了した時点において、短冊状部分の1枚が溝に嵌入できる位置になければならない。そのため、短冊状部分を放射状に多数形成する必要がある。ところが、放射状に多数形成した短冊状部分の先端を浮き上がるように折り曲げていると、この折り曲がった多数の先端部分が作業の妨げになるばかりでなく、作業員を傷付ける虞もあるなど、安全性にも課題を残すものであった。
【0009】
そこで本発明は、上述の課題を解消すべく創出されたもので、狭いスペースでも使用することが可能になり、しかも、折り曲げ作業が極めて容易で安全な使用ができる折り曲座金の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく本発明の第1の手段は、座金の周囲に複数枚の係止片3を放射状に設け、この係止片3の1枚を屈曲してボルト頭部の側面に係止する折り曲座金において、ボルト挿入孔1の周囲をボルト頭部P1側に向けて断面略段状に突出させた押圧部2を設け、該押圧部2の突出していない外周囲から前記係止片3の基端部を連続形成し、ボルト頭部P1による押圧部2の押圧変形に伴なって該係止片3の先端部がボルト頭部P1方向に起き上るように設けたことにある。
【0011】
第2の手段は、前記係止片3の基端部両側に、該係止片3から前記押圧部2に至る切欠部4を設けるものである。
【0012】
第3の手段において前記係止片3は、前記ボルト挿入孔1の中心部から中心角45度ずつ変位した位置に放射状に設けられている。
【0013】
第4の手段の前記係止片3は、前記ボルト挿入孔1の中心部から中心角135度の範囲内に少なくとも4枚設けられることを課題解消のための手段とする。
【0014】
本発明によると、ボルトPの緊締操作により、ボルト頭部P1が押圧部2を圧潰して行くと、次第に係止片3の基端部の向きが変わる。これに伴なって、係止片3の先端部がボルト頭部P1方向に持ち上がる。この先端部を手がかりにして係止片3を更に屈曲し、ボルト頭部P1に係止する。
【0015】
六角形状を成したボルト頭部P1に対して、中心角135度の範囲内に少なくとも4枚設けられた係止片3の一枚は、必ずボルト頭部P1の側縁部と略平行になる。この係止片3をボルト頭部P1側に折り曲げてボルト頭部P1の側縁部に重合せしめることで有効な係止効果が得られるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明座金は、ボルトPと被締付物Qとの間に介されるもので、ボルトP緊締後に、座金の一部を折り曲げてボルト頭部P1に係止させ、ボルトPの回り止めとして使用するものである(図3(ハ)参照)。
【0018】
すなわち、本発明座金は、ボルト挿入孔1が開穿された板状を成し、このボルト挿入孔1の周囲に沿って突設した押圧部2と、該押圧部2の周囲に設けた係止片3とから成る。図1、図2、図5に示すボルト挿入孔1は、帯状を成す連結片5の両端に夫々ボルト挿入孔1を設けたもので、後述する係止片3を両端に装着したボルトPに係止することで、確実な回り止め効果を奏するものである。この他、ボルト挿入孔1の数を増加して2本以上のボルトPを緊締できるように形成することも可能である(図示せず)。また、図6に示す如く、単独のボルト用として設けても良い。
【0019】
押圧部2は、ボルト頭部P1側に突出した断面略段状を成し、ボルトPの締め付けに伴なって頭部P1により押圧され、変形する部分である(図2、図3参照)。図示の押圧部2は、ボルト挿入孔1の周囲縁をプレス加工して、もとの板面から押圧部2が浮き上がるように形成している。また、この押圧部2は、ボルト頭部P1やナット(図示せず)によって押圧されるので、この押圧部2の突出部分がボルト頭部P1等の下面に接するように形成する(図3(イ)参照)。
【0020】
係止片3は、押圧部2の周囲に複数枚形成されている。この係止片3は、押圧部2の押圧変形に伴なって、自身の先端がボルト頭部P1側に屈曲するように設けられている(図3(ロ)参照)。図1に示す係止片3の基端部両側には、該係止片3から前記押圧部2に至る切欠部4を設けている。この切欠部4を設けることで、係止片3の基端部の向きを変えやすい状態になり、押圧部2の押圧に伴なってより深い位置から係止片3の向きを変えることができる。また、押圧部2の突出していない外周囲から係止片3の基端部を連続形成する際に、この境界部分を鮮明に設けることで、この境界部分が折り目になり、係止片3基端部の屈曲作用を促進する効果が得られる。
【0021】
図4に示す係止片3は、前記ボルト挿入孔1の中心部から中心角45度ずつ変位した位置に放射状に4枚設けられている。この係止片3は、また、前記ボルト挿入孔1の中心部から中心角135度の範囲内に設けられた4枚の係止片3でもある。係止片3をこのように形成することで、この4枚の係止片3の1枚が、通常使用される六角ボルトの頭部P1の側面に沿った状態になる。すなわち、六角ボルトの頭部側面は、中心角が60度ずつ変位して設けられている。そこで、係止片3の中心角を45度ずつ変位させることで、六角ボルトの頭部側面と15度の差が生じる。この15度の差を有する係止片3を連続して4枚設けることで、中心角の差の合計が60度となり、六角ボルトの中心角と一致する。したがって、係止片3がどの位置に固定されても、4枚の中の少なくとも1枚は、六角ボルトの頭部側面に略平行に沿った状態になる。この1枚を更に屈曲してボルト頭部P1に重合するように係止せしめることで、ボルトPの回り止めとして機能するものである(図3(ハ)参照)。
【0022】
次に、図3に基づいて本発明座金の使用方法を説明する。同図(イ)に示す如く本発明座金をボルトPと本体20との間に介し、ボルトPを締め付けると、同図(ロ)に示す如くボルトPの頭部P1によって押圧部2が押圧される。これに伴って、係止片3基端部の向きが変わり、係止片3の先端部がボルト頭部P1方向に起き上がる。そこで、同図(ロ)に示す如く起き上がった係止片3先端部を更にボルト頭部P1に向けるように係止片3を屈曲し、ボルト頭部P1側面に係止する。このとき、係止片3の屈曲作業はボルトPの軸芯方向から工具や指先によって係止片3の先端部をつまむことで容易に行うことができる。
【0023】
係止片3を設ける位置は、ボルト挿入孔1周囲の任意の位置に設定することができる。図1に示す係止片3は、連結片4の両端方向に夫々設けてある。また、図5に示す係止片3は、連結片4長手方向の一側縁がわに偏った状態で設けてある。更に、図6に示す係止片3は、単体のボルトPに係止するものである。これら図示例の係止片3の数は、いずれも4枚になっているが、係止片3の数を任意に増加することも可能である。また、係止片3の幅や長さの設計変更も本旨に基づく範囲内で自由に変更できる。このように、係止片3を設ける位置や数、あるいは係止片3の形状等は任意に設定することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く構成したことにより、狭いスペースでも使用することが可能になり、しかも、折り曲げ作業が極めて容易で安全な使用ができるものである。
【0025】
すなわち、ボルト挿入孔1の周囲をボルト頭部P1側に向けて断面略段状に突出させた押圧部2を設け、該押圧部2の突出していない外周囲から前記係止片3の基端部を連続形成したことにより、ボルトPを締め付ける作業に伴なって係止片3の先端が起き上がるので、狭いスペースでも係止片3を折り曲げることが可能になった。しかも、係止片3の先端は、ボルトPを締め付けるまで起き上がらないので、本発明座金の装着作業を安全に行うことができる。
【0026】
また、係止片3の基端部両側に、該係止片3から前記押圧部2に至る切欠部4を設けることで、係止片3の基端部をより深く屈曲できるので、その後の折り曲げ作業が極めて容易になる。
【0027】
更に、請求項3又は4に記載の係止片3により、係止片3の数は最低4枚あれば確実に回り止めとして用いることが可能になる。この結果、短冊状部を多数形成した従来の折り曲座金のように、作業上の不都合や危険性は解消され、折り曲げ作業を容易且つ安全に行うことができる。
【0028】
このように本発明によると、狭いスペースでも使用することが可能になり、しかも、折り曲げ作業が極めて容易で安全な使用ができるなどといった有益な種々の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図。
【図2】本発明の一実施例を示す縦断面図。
【図3】本発明の係止片と連結片との変形状態を示す要部断面図。
【図4】本発明の係止片とボルト頭部との関係を示す要部平面図。
【図5】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図7】従来の折り曲座金を示す斜視図。
【図8】従来の折り曲座金を使用した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
P ボルト P1 ボルト頭部
1 ボルト挿入孔
2 押圧部
3 係止片
4 切欠部
5 連結片
10 従来の折り曲座金
11 角部
12 折り目
20 本体

Claims (4)

  1. 座金の周囲に複数枚の係止片を放射状に設け、この係止片の1枚を屈曲してボルト頭部の側面に係止する折り曲座金において、ボルト挿入孔の周囲をボルト頭部側に向けて断面略段状に突出させた押圧部を設け、該押圧部の突出していない外周囲から前記係止片の基端部を連続形成し、ボルト頭部による押圧部の押圧変形に伴なって該係止片の先端部がボルト頭部方向に起き上るように設けたことを特徴とする折り曲座金。
  2. 前記係止片の基端部両側に、該係止片から前記押圧部に至る切欠部を設けた請求項1記載の折り曲座金。
  3. 前記係止片は、前記ボルト挿入孔の中心部から中心角45度ずつ変位した位置に放射状に設けられた請求項1又は2記載の折り曲座金。
  4. 前記係止片は、前記ボルト挿入孔1の中心部から中心角135度の範囲内に少なくとも4枚設けられた請求項1乃至3いずれか記載の折り曲座金。
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