JP2008180258A - 薄板ナット - Google Patents

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Abstract

【課題】バネ性を有する材料を用いなくとも、板状部材にしっかりと装着させることができる薄板ナットを提供する。
【解決手段】この薄板ナット1は、板状部材2の一方の面に当接されると共に、貫通孔3に整合するネジ挿通孔11を有する第1板部10と、第1板部10に屈曲部15を介して連設され、板状部材2の他方の面に当接されると共に、貫通孔3に整合するネジ孔26を有する第2板部20と、第1板部10の屈曲部15よりも手前側から屈曲して、第2板部20の外側にオーバーラップするように延出された押え片30とを備えている。そして、第1板部10と第2板部20との間に板状部材2が挿入される際に、第1板部10に対して第2板部20が開くのを押え片30が抑制し、第1板部10と第2板部20とによるクランプ力を増大させ、薄板ナット1を板状部材2にしっかりと保持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状部材に装着されて、ネジ孔として機能する薄板ナットに関する。
例えば、板状部材に部品を取付ける際には、板状部材及び部品の両者にネジ孔を形成して、これにネジを螺着させて締め付け固定する方法が採用されるが、板状部材が合成樹脂から形成されていたり、或いは、金属製であっても板厚を確保できなかったりする場合には、十分な結合強度を得られないことがある。そのため、ネジ孔を有するナットを板状部材に挟み込むように装着させて、これにネジを螺着させることにより、部品を板状部材に取付ける方法が用いられている。
従来のこの種のナットとして、下記特許文献1には、内周に雌ネジが形成された筒体を有する第1脚と、該第1脚にブリッジを介して連設されると共に、挿通孔を有する第2脚とを備えたナットが開示されている。
上記ナットの使用にあたっては、第1脚と第2脚とで挟み込むようにして板状部材にナットを装着し、板状部材の端部にブリッジを当接させて、第1脚の雌ネジ内周及び第2脚の挿通孔を、板状部材の貫通孔に整合させる。一方、部品に形成された孔にネジを挿入して突き出させておき、このネジを挿通孔及び貫通孔を通して、筒体内周の雌ネジに螺着させることにより、部品が板状部材にネジ止め固定される。
特開平6−323317号公報
上記特許文献1のナットにおいては、第1脚及び第2脚により挟み込むようして、板状部材に装着させるため、第1脚と第2脚との間に板状部材が入り込むようになっている。このとき、板状部材の板厚が厚いと、第1脚及び第2脚の間が大きく押し広げられるため、板状部材の両面から第1脚及び第2脚が浮き上り、その結果、薄板ナットにガタツキが生じて、板状部材にしっかりと装着されなくなることがあった。
また、上記ナットを、バネ性を有する材料で製造した場合には、板状部材に押し広げられても、その弾性力によって元の形状に復帰し、ヘタリにくいので、ブリッジで板状部材に対するナットの位置出しができるように、第1脚及び第2脚とブリッジとの連結部の曲げRを小さくすることができるが、このようにバネ性を持たせるためには、熱処理を施す必要や所定材料が必要となるため、製造コストが増大するという不都合が生じていた。
したがって、本発明の目的は、バネ性を有する材料を用いなくとも、板状部材に対し確実に位置出しができ、しっかりと装着させることができる、薄板ナットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、金属板材を打抜き、屈曲成形して形成されており、貫通孔が形成された板状部材を挟み込んで装着されることにより、該貫通孔に連通するネジ孔を提供するための薄板ナットにおいて、前記板状部材の一方の面に当接されると共に、前記貫通孔に整合するネジ挿通孔を有する第1板部と、該第1板部に屈曲部を介して連設され、前記板状部材の他方の面に当接されると共に、前記貫通孔に整合するネジ孔を有する第2板部と、前記第1板部の前記屈曲部よりも手前側から屈曲して、前記第2板部の外側にオーバーラップするように延出された押え片とを備えていることを特徴とする薄板ナットを提供するものである。
この薄板ナットによれば、第1板部と第2板部とで板状部材を挟むようにして板状部材に装着し、板状部材の貫通孔に第1板部のネジ挿通孔と第2板部のネジ孔とを整合させることにより、板状部材にネジ孔を提供することができる。それによって、例えば、該板状部材に取付けたい部品の取付け孔に挿通されたネジを、上記第1板部のネジ挿通孔及び板状部材の貫通孔に挿通させて、第2板部のネジ孔に螺着させることにより、上記部品を板状部材にネジ止めすることができる。
そして、本発明によれば、第1板部から延出された押え片が、第2板部の外側にオーバーラップしているので、第1板部と第2板部との間に板状部材を挿入する際に、第1板部に対して第2板部が開くのを押え片が抑制し、第1板部と第2板部とによるクランプ力を増大させることができる。その結果、薄板ナットを板状部材にしっかりと保持させることができる。また、屈曲部より手前に設けた押え片により、屈曲部の曲げRに影響されることなく、板状部材に対する薄板ナットの位置出しを行うことができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記屈曲部は、前記第1板部の両側から帯状に延出されて屈曲された部分からなり、前記第2板部は、前記屈曲部から伸びる帯状板部と、この帯状板部の先端で連結された連結部とを有しており、前記押え片は、前記屈曲部及び前記第2板部の帯状板部の間に配置されていて、その両側部が前記第2板部の帯状板部の外側にオーバーラップするように構成されている薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、屈曲部の一対の帯状部分及び第2板部の一対の帯状板部の間に押え片が配置されているので、金属板材を所定形状に打抜き、屈曲成形する際に、押え片を容易に形成することができる。
また、第1板部に対して第2板部が開こうとするときに、押え片の両側部が、第2板部の帯状板部に当接するので、第2板部の開き抑制力をバランス良く均等に付与することができる。
本発明の第3は、前記第2の発明において、前記屈曲部を構成する帯状部の幅は、前記第2板部の帯状板部の幅よりも狭くされている薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、屈曲部を構成する帯状部の間の部分を押え片とし、この押え片を屈曲部より手前で屈曲させて第2板部の帯状板部の外側に延出させたとき、押え片の幅は、第2板部の帯状板部の間隔よりも広くなるので、押え片の両側部を第2板部の帯状板部にオーバーラップさせることができ、1枚の金属板から押え片を有する薄板ナットの成形を容易に行うことができる。また、屈曲部を幅狭としたことにより、柔軟性をもたすことができると共に、第2板部は、幅広にして剛性をもたすことができる。
本発明の第4は、前記第2又は第3の発明において、前記第2板部は、両側が前記屈曲部から伸びる帯状板部をなし、先端がこの帯状板部を連結する前記連結部をなしており、更に、この連結部から前記帯状板部の間に伸びる舌片部を有していて、この舌片部に前記ネジ孔が形成されている薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、ネジ孔が舌片部に形成されているので、装着すべき板状部材の厚さによって、第1板部に対して第2板部の帯状板部や連結部が傾斜した状態でクランプされても、第2板部に形成された舌片部は、第1板部とほぼ平行にして板状部材に密接するように配置することができるので、ネジ孔が板状部材の面に対して垂直になるように配置することができる。
本発明の第5は、前記第4の発明において、前記舌片部は、その自由端部が前記第1板部から離れる方向に屈曲されている薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、板状部材の板厚が厚い場合に、第1板部と第2板部との間に板状部材を挿入するとき、舌片部の自由端部が板状部材の表面に擦り付けられることを防止できるので、板状部材の表面が損傷するのを防止することができる。
本発明の第6は、前記第1〜5の発明のいずれか1つにおいて、ネジ挿通方向に見たとき、前記第2板部のネジ孔に螺着されるネジの外周が、前記第1板部のネジ挿通孔の内周に当接するように、ネジ孔の中心に対してネジ挿通孔の中心がシフトされている薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、ネジ挿通孔を通してネジ孔に螺着されたネジの外周が、ネジ挿通孔の内周に圧接されるので、ネジを締め付けた後の緩みを防止することができる。
本発明の第7は、前記第1〜6の発明のいずれか1つにおいて、前記金属板材は、熱処理が施されていない鋼板である薄板ナットを提供するものである。
上記発明によれば、熱処理が施されていない鋼板を用いることにより、製造コストを低減することができると共に、前記の押え片によって、熱処理が施されない鋼板であっても、板状部材に対するクランプ力を損なうことなく、実用的な薄板ナットを提供することができる。
本発明の薄板ナットによれば、第1板部から延出された押え片が、第2板部の外側にオーバーラップしているので、第1板部と第2板部との間に板状部材を挿入する際に、第1板部に対して第2板部が開くのを押え片が抑制し、第1板部と第2板部とによるクランプ力を増大でき、その結果、薄板ナットを板状部材にしっかりと保持させることができ、また、屈曲部より手前の押え片により、屈曲部の曲げRに影響されることなく、板状部材に対する薄板ナットの位置出しがなされる。
以下、図面を参照して本発明の薄板ナットの一実施形態について説明する。
図1に示すように、この薄板ナット1は、自動車のトリムボード等の、貫通孔3が形成された板状部材2に挟み込んで装着されて、該板状部材2を、車体パネル等の取付け孔5が形成された部品4に対して、ネジ7によってネジ止め固定する際に必要となるネジ孔を提供するものであって、板状部材2の一側面に当接されると共に、貫通孔3に整合するネジ挿通孔11を有する第1板部10と、該第1板部10に屈曲部15を介して連設され、板状部材2の他方の面に当接されると共に、貫通孔3に整合するネジ孔26を有する第2板部20とを有しており、側方から見て略U字状に屈曲した形状をなしている。
図2及び図3を併せて参照すると、板状部材2の一側面に当接される第1板部10は、長辺及び短辺を有する長板状をなし、その先端部の両角が斜めに面取りされ、更に、長さ方向中央部には、ネジ7が挿通される丸孔状のネジ挿通孔11が形成されている。また、第1板部10の、ネジ挿通孔11よりも基端部側には、コ字状スリット12を介して切欠片13が形成されている。更に、切欠片13の内側一部であって、前記ネジ挿通孔11の周縁を、前記第2板部20側に向けて折曲されて、所定高さの係合爪14が突設されている(図4参照)。
この係合爪14は、図6に示すように、薄板ナット1を板状部材2に挟み込んで装着させて、ネジ挿通孔11を貫通孔3に整合させたときに、その内周縁に係合するようになっている。したがって、板状部材2に薄板ナット1を装着させた後、ネジ7によりネジ止めするまで、板状部材2から薄板ナット1が抜け外れないように、仮保持する役割を果たしている。
そして、上記第1板部10の、面取りされた角部とは反対側の短辺の両側からは、所定幅の帯状をなす帯状部16,16が延出しており、更に、この帯状部16,16は、側方から見て略U字状をなすように屈曲して伸びている。この帯状部16,16が、本発明における屈曲部15を構成している。なお、図5に示すように、各帯状部16の幅D1は、それに延設される帯状板部21(後述する)の幅D2よりも、狭く形成されている。また、屈曲部15を構成する帯状部16,16は、押え片30よりも外方に突出すると共に、押え片30の左右両側に配置されているので、板状部材2に薄板ナット1が装着された状態で、薄板ナット1に孔中心に対して回転する方向に外力が作用しても、板状部材2の端部が前記帯状部16に突き当たるため、薄板ナット1のそれ以上の回転を抑制する回り止めをなしている。
一方、屈曲部15を介して第1板部10に連設され、板状部材2の他方の面に当接される第2板部20は、金属板材の内側にコ字状に形成されたスリット23(図5参照)を介して所定形状に形成されている。具体的には、この第2板部20は、上記の一対の帯状部16,16から更に伸びる帯状板部21,21を有している。図3(a),(b)を併せて参照すると、この帯状板部21,21は、互いに平行となるように、かつ、前記第1板部10に次第に近接するように、第1板部10の先端部側に向かって斜め下方に伸びている。各帯状板部21,21の先端には、それらに直交して長板状の連結部22が連結されており、更に、この連結部22は、第1板部10及び第2板部20の間に、板状部材2を導入しやすいように、前記第1板部10から離れる方向となるように斜め上方に向けて折曲されている。なお、連結部22の両角部は、前記第1板部10と同様に斜めに面取りされている。
この連結部22からは、前記帯状板部21,21の間に伸びる舌片部25が形成されている。すなわち、前記連結部22の内側中央から連結片24が延設されていて、この連結片24に帯状板部21の延出方向に沿って伸びる略長方形状をなす舌片部25が連結されている。この舌片部25の中央部には、ネジ孔26が形成されている。更に、このネジ孔26の周縁一箇所には所定幅の切欠溝27が形成されていて、該切欠溝27を介して、ネジ孔26の周縁が上方に向けて隆起されてテーパ壁28をなしている。これにより、ネジ7をネジ孔26内に導入しやすくなっている。また、舌片部25の長さ方向先端の自由端部29は、第1板部10から離れる方向に所定角度で屈曲した形状をなしている。
また、図3(c)に示すように、第1板部10のネジ挿通孔11及び第2板部20のネジ孔26にネジを挿通する方向である、ネジ挿通方向に見たときに、ネジ孔26に螺着されるネジ7の外周が、ネジ挿通孔11の内周に当接するように、ネジ孔26の中心C2に対してネジ挿通孔11の中心C1がシフトされている。
そして、本発明の薄板ナット1は、前記第1板部10の屈曲部15よりも手前側から屈曲すると共に、前記第2板部20の外側にオーバーラップするように延出された押え片30を備えている。
具体的には、第1板部10の基端部側の短辺の帯状部16,16の間から、一対のスリット31,31(図5参照)を介して押え片30が延設されている。そして、図3(b)に示すように、押え片30は、第1板部10の屈曲部15よりも手前側から屈曲するように、第1板部10の一短辺からR状に屈曲すると共に、そのまま上方に立ち上がって、帯状部16よりも上方に突き出る立設片32を有している。更に、この立設片32の上端部から第2板部20の先端部側に折り返されるように延長片33が延設されていて、図3(a)に示すように、その先端が舌片部25の自由端部29に至る長さで伸びている。そして、延長片33の先端部両側から、略T字状をなすように所定長さでストッパ片34,34が突設しており、このストッパ片34,34が、第2板部20の帯状板部21,21の上方で、かつ、その外側にオーバーラップするように配置されている。また、押え片30は、屈曲部15の帯状部16,16の間で、かつ、第2板部20の帯状板部21,21の間に配置されている。なお、押え片30を構成する前記立設片32は、板状部材2に薄板ナット1を装着させるべく押し込んでいく際に、板状部材2の端部に突き当たって、薄板ナット1の必要以上の押し込みを規制するストッパとして作用して、薄板ナット1の各孔を、板状部材2の貫通孔3に整合させやすくなっている。
なお、本発明において、押え片30を、第1板部10の屈曲部15よりも手前側に屈曲させるとは、押え片30の屈曲部分が、屈曲部15の最も外方に屈曲した部分(この実施形態では、屈曲部15のU字状の底部)よりも、第1板部10の手前側に位置していることを意味している。また、第2板部20の外側とは、第1板部20に対向する一側部とは反対側の、第1板部20から離れた他側部を意味している。
そして、上記薄板ナット1は、一枚の金属板材、例えば、特に熱処理が施されることのない、冷間圧延鋼板(SPCC、SPCE等)等からなる鋼板から形成される。これにより、製造コストを低減することができるようになっている。図5には、薄板ナット1を平面状に展開したときの展開図が示されているが、一枚の金属板に前述した各スリット及び孔等の形状を打抜き、これを屈曲成形することにより薄板ナット1が形成される。本発明においては、押え片30を第2板部20の外側にオーバーラップさせることが必要であるが、この実施形態においては、次のようにしてなされる。
図5を参照して説明すると、まず、金属板材の長さ方向一側部に、コ字状のスリット23を形成すると共に、同金属板材の長さ方向中央に、前記スリット23の両側部よりも幅広で、かつ、その一部がスリット23の両側部の外側に位置するようにして、直線状に伸びる一対のスリット31,31を形成する。すなわち、帯状部16の幅D1に対して、帯状板部21の幅D2が幅広となるように各スリットを形成する。
そして、金属板材の長さ方向の両側部を互いに近接するように屈曲させることにより、第1板部10及び第2板部20が対向して配置される。それと共に、屈曲部15は、各帯状部16の長さ方向中間の屈曲線B1を中心として曲げられて、略U字状に屈曲形成される。更に、金属板材中央のスリット31,31によって両側部がカットされた帯状部材を、その両側に設けた2本の折曲線F1,F2に沿って折曲させることにより、図3(a)に示すように、押え片30の先端部両側のストッパ片34,34を、第2板部20の帯状板部21,21の外側に、オーバーラップさせることができるようになっている。このとき、押え片30を折曲形成するための各折曲線F1,F2は、屈曲部15の最も屈曲した部分(屈曲線B1を中心として曲げられた、屈曲部15のU字状の底部)よりも手前側に配置されている。
また、この実施形態のように、屈曲部15を構成する帯状部16の幅D1を、第2板部20の帯状板部21の幅D2よりも狭く形成したことにより、押え片30を屈曲部15より手前で屈曲させて帯状板部21,21の外側に延出させたとき、押え片30の幅D3(先端部両側のストッパ片34,34の間隔)は、帯状板部21,21の間隔D4よりも広くなるので、押え片30の両側部を帯状板部21,21の外側にオーバーラップさせることができ、1枚の金属板から押え片30を有する薄板ナット1の成形を容易に行うことができる。
なお、この実施形態においては、屈曲線B1を中心として屈曲させることにより、屈曲部15がU字に屈曲形成されるが、例えば、前記押え片30と同様に、2本の折曲線に沿って折曲させて略コ字状をなす屈曲部15を形成してもよい。この場合は、前記屈曲部15の折曲線F1,F2を、押え片30を形成する際の折曲線よりも手前側に設定すればよい。
次に、上記薄板ナット1の使用方法について説明する。
まず、図1に示すように、板状部材2の貫通孔3に、ネジ挿通孔11及びネジ孔26が整合する位置に薄板ナット1を配置する。そして、第1板部10及び第2板部20によって、板状部材2を挟み込むようにして、押え片30の立設片32が板状部材2の端部に突き当たるまで、板状部材2に対して薄板ナット1を押し込んでいく。
すると、第1板部10及び第2板部20の間に板状部材2が入り込むと共に、係合爪14が板状部材2の一側面に押圧されて、切欠片13が下方に撓み、係合爪14が板状部材2の貫通孔3に至ると、切欠片13が弾性復帰して、貫通孔3の内周縁に係合爪14が係合し、それと共に、板状部材2の一側面に第1板部10が当接し、板状部材2の他側面に第2板部20の舌片部25が当接して、第1板部10と第2板部20とで挟み込むようにクランプされて、板状部材2に薄板ナット1が装着される(図6参照)。
上記のように、薄板ナット1を押し込んだ場合、板状部材2の端部は、屈曲部15に当接することなく、屈曲部15よりも手前側に屈曲形成された押え片30の立設片32に突き当たって、その位置で停止するようになっている。このように、屈曲部15の曲げRに影響されることなく、薄板ナット1を板状部材2の所定箇所に装着させて、板状部材2に対する薄板ナット1の位置出しを行うことができるようになっている。
また、上記状態では、第2板部20のネジ孔26は、舌片部25に形成されているので、板状部材2の厚さによって、第1板部10に対して第2板部20の帯状板部21や連結部22が傾斜した状態でクランプされても、第2板部20の舌片部25は、第1板部10とほぼ平行となるように板状部材2に密接するように配置することができるので、ネジ孔26を板状部材2の面に対して垂直になるように配置することができる。
更に、舌片部25先端の自由端部29は、第1板部10から離れる方向に屈曲されているので、板状部材2の板厚が厚い場合であっても、第1板部10と第2板部20との間に板状部材2が入り込むときに、前記自由端部29が板状部材2の表面に擦り付けられることを防止できるので、板状部材2の表面が損傷するのを防止することができる。
そして、薄板ナット1の位置を適宜修正して、ネジ挿通孔11及びネジ孔26を板状部材2の貫通孔3に整合させることにより、板状部材2にネジ7を螺着させるためのネジ孔を提供することができる。
上記状態で、薄板ナット1の第1板部10に部品4を当接配置すると共に、部品4の取付け孔5を板状部材2及び薄板ナット1の各孔に整合させ、その後、各孔にネジ7を挿通させていく。このネジ7は、比較的大きなピッチで螺旋状のネジ山7aが形成された、いわゆるタッピングネジである。そして、ネジ7を、取付け孔5及びネジ挿通孔11を通してネジ孔26内に挿入し、ドライバー等でネジ7を回してネジ7に螺着する。すると、ネジ7の頭部7cが部品4の下面に当接し、部品4を板状部材2にネジ止め固定することができる。
また、薄板ナット1をネジ挿通方向に見たとき、第2板部20のネジ孔26に螺着されるネジ7の外周が、第1板部10のネジ挿通孔11の内周に当接するように、ネジ孔26の中心C2に対してネジ挿通孔11の中心C1がシフトされている。その結果、上記の部品4を板状部材2にネジ止め固定された状態では、図7に示すように、ネジ7の外周が、ネジ挿通孔11の内周に圧接されるので、ネジ7を締め付けた後の緩みを防止することができる。
そして、前述したように、薄板ナット1を板状部材2に装着すべく、薄板ナット1を板状部材2に対して押し込んでいくと、第1板部10及び第2板部20の間に板状部材2が挿入されるが、このとき、板状部材2の板厚が太い場合には、第2板部20が第1板部10から大きく押し開かれる。
本発明の薄板ナット1は、上記のような場合に効果を奏する。すなわち、本発明の薄板ナット1においては、第1板部10から延出された押え片30の先端部両側から突設したストッパ片34,34が、第2板部20の帯状板部21,21の外側にオーバーラップしている。そのため、薄板ナット1を板状部材2に装着させる際に、第1板部10から第2板部20が開いたとしても、図8の想像線に示すように、押え片30のストッパ片34,34に帯状板部21,21が当接して、第2板部20がそれ以上開くのを抑制することができる。したがって、板状部材2の一側面から第2板部20が大きく浮き上がることを防止することができ、薄板ナット1の、第1板部10と第2板部20とによる板状部材2に対するクランプ力を増大させることができる。その結果、薄板ナット1を板状部材2にガタツキなく、しっかりと保持させることができる。
また、この実施形態においては、第1板部10に対して第2板部20が開こうとするときに、押え片30の先端両側部に設けたストッパ片34,34が、第2板部20の帯状板部21,21に当接するので、第2板部20の開き抑制力をバランス良く均等に付与することができる。更に、屈曲部15を構成する帯状部16の幅D1は、第2板部20の帯状板部21の幅D2よりも狭く形成されている。このように、屈曲部15を幅狭としたことにより、柔軟性をもたすことができると共に、第2板部20は、幅広にして剛性をもたせることができる。また更に、熱処理が施されていない鋼板から薄板ナット1が形成されているので、製造コストの低減を図れる上、前記の押え片30によって、板状部材2に対するクランプ力を損なうことなく、実用的な薄板ナットを提供することができる。
図9及び図10には、本発明の薄板ナットの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の薄板ナット1aは、前記実施形態に比べて、第2板部20に設けたネジ孔26の形状が異なっている。
すなわち、この薄板ナット1aは、第2板部20に形成された舌片部25の中央に、貫通した丸孔を設けると共に、この丸孔の周縁から所定高さで円筒状の筒体28aを立設して、この筒体28aの内周に所定ピッチで雌ネジを螺刻して、これによりネジ孔26が形成されている。また、このネジ孔26には、前記実施形態のようなタッピングネジ状のものではなく、メートル並目ネジ等の細かいピッチでネジ溝が形成されたネジ7が用いられる。
この実施形態においても、前記実施形態と同様に、板状部材2に挟み込むようにして、薄板ナット1を装着させて、各孔を貫通孔3に整合させることにより、板状部材2にネジ孔を提供することができ、そして、ネジ孔26が筒体28aの内周に形成された細かいピッチのものからなっているので、ネジ7の締め付け力を向上させることができる。
本発明の薄板ナットの一実施形態を示す斜視図である。 同薄板ナットを背面側から見た場合の斜視図である。 同薄板ナットを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。 同薄板ナットの断面図である。 同薄板ナットを平面状に展開した状態を示す説明図である。 同薄板ナットを用いて、部品を板状部材に取付ける前の状態を示す説明図である。 同薄板ナットを用いて、部品を板状部材に取付けた状態を示す説明図である。 同薄板ナットの効果を示す説明図である。 同薄板ナットの他の実施形態を示す斜視図である。 同薄板ナットを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
符号の説明
1,1a 薄板ナット
2 板状部材
3 貫通孔
4 部品
5 取付け孔
7 ネジ
10 第1板部
11 ネジ挿通孔
15 屈曲部
16,16 帯状部
20 第2板部
21,21 帯状板部
22 連結部
26 ネジ孔
29 自由端部
30 押え片

Claims (7)

  1. 金属板材を打抜き、屈曲成形して形成されており、貫通孔が形成された板状部材を挟み込んで装着されることにより、該貫通孔に連通するネジ孔を提供するための薄板ナットにおいて、
    前記板状部材の一方の面に当接されると共に、前記貫通孔に整合するネジ挿通孔を有する第1板部と、
    該第1板部に屈曲部を介して連設され、前記板状部材の他方の面に当接されると共に、前記貫通孔に整合するネジ孔を有する第2板部と、
    前記第1板部の前記屈曲部よりも手前側から屈曲して、前記第2板部の外側にオーバーラップするように延出された押え片とを備えていることを特徴とする薄板ナット。
  2. 前記屈曲部は、前記第1板部の両側から帯状に延出されて屈曲された部分からなり、前記第2板部は、前記屈曲部から伸びる帯状板部と、この帯状板部の先端で連結された連結部とを有しており、前記押え片は、前記屈曲部及び前記第2板部の帯状板部の間に配置されていて、その両側部が前記第2板部の帯状板部の外側にオーバーラップするように構成されている請求項1記載の薄板ナット。
  3. 前記屈曲部を構成する帯状部の幅は、前記第2板部の帯状板部の幅よりも狭くされている請求項2記載の薄板ナット。
  4. 前記第2板部は、両側が前記屈曲部から伸びる帯状板部をなし、先端がこの帯状板部を連結する前記連結部をなしており、更に、この連結部から前記帯状板部の間に伸びる舌片部を有していて、この舌片部に前記ネジ孔が形成されている請求項2又は3記載の薄板ナット。
  5. 前記舌片部は、その自由端部が前記第1板部から離れる方向に屈曲されている請求項4記載の薄板ナット。
  6. ネジ挿通方向に見たとき、前記第2板部のネジ孔に螺着されるネジの外周が、前記第1板部のネジ挿通孔の内周に当接するように、ネジ孔の中心に対してネジ挿通孔の中心がシフトされている請求項1〜5のいずれか1つに記載の薄板ナット。
  7. 前記金属板材は、熱処理が施されていない鋼板である請求項1〜6のいずれか1つに記載の薄板ナット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102537878A (zh) * 2010-12-14 2012-07-04 海洋王照明科技股份有限公司 一种固定转接座及其照明灯具
CN103398076A (zh) * 2013-08-05 2013-11-20 无锡市张泾宇钢机械厂 带凸板式弹片螺母

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