JP2005076206A - 浸透性水路 - Google Patents
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Abstract
【課題】浸透式水路部材と浸透層との間で繰り返される浸透水の流出入による浸透層の圧密・圧縮等を防止し、地盤沈下を抑制することで、浸透性水路の損傷を防ぎぐことができ、さらに、浸透式水路部材の断面積を大きくしなくても、浸透式水路部材と浸透層の排水・保水能力をあわせて考えることで、必要とされる排水・保水能力を確保でき、浸透式水路部材の製造上の手間及びコストを軽減する。
【解決手段】一対の側壁14を含む複数の壁で構成されて外部との間で排水及び給水のできる透水口7を備えた浸透式U字溝2と、浸透式U字溝2の外部に設けられて透水口7から排水される水を浸透させる浸透層6とを備えた浸透性水路において、浸透層6が、透水性袋体4に粒状体としての団粒化された土3を入れて団粒化された土3の動きを拘束してなる嚢部材5の3個が積まれたものを、側壁14の外側方の歩道側10に3列、車道側11に1列を並べて構成する。
【選択図】図1
【解決手段】一対の側壁14を含む複数の壁で構成されて外部との間で排水及び給水のできる透水口7を備えた浸透式U字溝2と、浸透式U字溝2の外部に設けられて透水口7から排水される水を浸透させる浸透層6とを備えた浸透性水路において、浸透層6が、透水性袋体4に粒状体としての団粒化された土3を入れて団粒化された土3の動きを拘束してなる嚢部材5の3個が積まれたものを、側壁14の外側方の歩道側10に3列、車道側11に1列を並べて構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、浸透式水路部材の周囲に浸透層を備えることで、排水・保水能力を向上させた浸透性水路に関するものである。
大量の雨水がボックスカルバート内に流れ込む等して管内流水が増加した時に、その管内流水の一部を、ボックスカルバートの側壁に形成した雨水浸透用孔から管外の地盤に浸透させるようにした浸透式ボックスカルバートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、本出願人は図6に示すように、より大量の雨水を早く浸透させられるものとして、側壁71に吸排水口72が形成された浸透式水路部材である浸透式ボックスカルバート70を設置している。その側壁71の外側方に設けられた浸透層73に、水質浄化材と砕石、割栗石、廃棄コンクリートガラ等の粒状体とを層状した排水性地盤が形成されている浸透式管渠を提案した(特許文献2参照。)。
実開昭64−42377号公報
特開2002−4394公報
ところが、上記の浸透式ボックスカルバート70と、浸透式ボックスカルバート70の側壁71の外側方に設けられた排水性地盤としての浸透層73との間で繰り返される浸透水の流出入により、軟弱になった浸透層73に圧密・圧縮等が引き起こされる。その結果、浸透層73の沈下及び排水能力の低下が引き起こされ、さらに、地上面の地盤沈下が起こり、その地盤沈下によって浸透式ボックスカルバート70の構造そのものに損傷を与えるという問題があった。そのため、必要とされる排水能力を確保するために、容量の大きな浸透層を設けることができないので、浸透式ボックスカルバート70の増径が不可欠となるが、大きな浸透式ボックスカルバート70を使用することは、工事費の増加につながり経済性に欠けるという問題もあった。
そこで、本発明の第一の目的は、浸透式水路部材と浸透層との間で繰り返される浸透水の流出入による浸透層の圧密・圧縮等を防止し、地盤沈下を抑制することで、浸透性水路の損傷を防ぐことにある。第二の目的は、浸透式水路部材の断面積を大きくしなくても、浸透式水路部材と浸透層の排水・保水能力をあわせて考えることで、必要とされる排水・保水能力を確保でき、浸透式水路部材の製造上の手間及びコストを軽減することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の浸透性水路は、一対の側壁を含む複数の壁で構成されて外部との間で排水及び給水のできる透水口を備えた浸透式水路部材と、浸透式水路部材の外部に設けられて透水口から排水される水を浸透させる浸透層とを備えた浸透性水路において、浸透層が、透水性袋体に粒状体を入れて粒状体の動きを拘束してなる嚢部材を多数積んで又は並べて構成されたことを特徴とする。
「浸透式水路部材」の形状は、特に限定されず、以下の(1)〜(4)を例示できる。
(1)一対の側壁と底壁とからなるコンクリート製のU字溝ブロックであり、透水口が側壁又は底壁に設けられた穴である。
(2)一対の側壁と底壁とを構成するように複数の材木を並べて組んだU字溝部材であり、透水口が木材相互間に生じる隙間である。
(3)一対の側壁と底壁と天壁とからなるコンクリート製の暗渠ブロックであり、透水口が側壁又は底壁に設けられた穴である。
(4)一対の側壁と天壁とからなるコンクリート製の門型ブロックであり、透水口が両側壁下端間の開口である。
(1)〜(4)の例示以外に、具体的な浸透式水路部材としては、側溝、ボックスカルバート、ヒューム管等を例示でき、その材質は、特に限定されず、コンクリート、石、木材等を例示できる。「透水口」の形状は、特に限定されず、横長スリット状、四角穴、丸穴、半丸穴、四角開口等を例示できる。
(1)一対の側壁と底壁とからなるコンクリート製のU字溝ブロックであり、透水口が側壁又は底壁に設けられた穴である。
(2)一対の側壁と底壁とを構成するように複数の材木を並べて組んだU字溝部材であり、透水口が木材相互間に生じる隙間である。
(3)一対の側壁と底壁と天壁とからなるコンクリート製の暗渠ブロックであり、透水口が側壁又は底壁に設けられた穴である。
(4)一対の側壁と天壁とからなるコンクリート製の門型ブロックであり、透水口が両側壁下端間の開口である。
(1)〜(4)の例示以外に、具体的な浸透式水路部材としては、側溝、ボックスカルバート、ヒューム管等を例示でき、その材質は、特に限定されず、コンクリート、石、木材等を例示できる。「透水口」の形状は、特に限定されず、横長スリット状、四角穴、丸穴、半丸穴、四角開口等を例示できる。
嚢部材の「透水性袋体」の材質は、特に限定されず、化学繊維、合成樹脂、合金等を例示でき、透水性袋体の素材は、特に限定されず、繊維性の織布又は不織布を例示できる。また、その布の形状は、特に限定されず、網状材、面状材等を例示できる。透水性袋体の大きさは、特に限定されないが、縦長0.50〜1.0m、横幅0.3〜1.0mの四角形が好ましい。 また、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエステル製の透水性袋体を用いる場合には、太陽光にあたると耐久性が劣るため、水路である浸透式水路部材が透水性袋体の遮光を兼ねると好ましいし、特に好ましくは、遮光シートを利用することである。但し、施工の後に植物が成長することで遮光の役割を果たす場合もあるが、その場合も植物が成長するまでの短期の間は遮光の役割を果たす遮光シートを利用することが好ましい。
透水性袋体に中詰する「粒状体」の材質は、特に限定されないが、団粒化された土、砕石、割栗石、廃棄コンクリートガラ等を例示できる。団粒化された土とは、土を透水性袋体に中詰すると土中の微粒成分によって、嚢部材の保水性・透水性等が十分には発揮されないので、セメント、石灰、高炉スラグ、団粒化剤等で処理し、団粒化させた土のことである。土を団粒化させることにより、締め固め易く且つ保水性、透水性、通気性に富んだ性状に土を変化させる。土としては、主として現場で発生した土を使用するが、別の場所の土を用いてもよいし、団粒化の処理を施さなくても粒状体として使用できるくらいに団粒化されている土の場合は、未処理で粒状体として用いてもよい。建設副産物である廃棄コンクリートガラは、他の場所で発生した廃棄コンクリートガラが使用されてもよいが、既設の側溝を取り壊して浸透性水路を新たに構築する場合は、取り壊した側溝を破砕した廃棄コンクリートガラが使用されてもよい。また、廃棄コンクリートガラを使用するときは、略中性化したものを用いるか、そうでない場合はアルカリ中和剤を添加することが好ましい。
粒状体を透水性袋体に入れた「嚢部材」の形状は、特に限定されず、直方体を例示でき、その大きさは、特に限定されず、嚢部材が、積んだとき又は並べたときに上下に偏平となり、且つ浸透式水路部材の水路幅とほぼ等しい幅となるように形成されることが好ましい。それによって、嚢部材を1列に積み上げて浸透式水路部材の高さと略同一となる嚢部材の数を確認しておけば、浸透層全体に使用する嚢部材の数に嚢部材の空隙率を掛け合わせた数値により、浸透層が浸透式水路部材の幾つ分の保水能力に匹敵する浸透能力を持つかが分かりやすく、浸透性水路の設計及び施工の際に簡便である。また、暗渠ブロックや門型ブロックを使用する比較的大きな浸透式水路部材の場合は、水路幅に合わせて大きな嚢部材を使用してもよいが、嚢部材を積んだとき又は並べたときに嚢部材の幅の整数倍が浸透式水路部材の水路幅となるように形成されることが、同様の理由により好ましい。嚢部材の大きさは、縦長0.5〜1.0m、横幅0.2〜1.0m、高さ0.05〜0.5mが好ましく、重量は20〜900kgが好ましい。また、その空隙率は、10〜40%が好ましく、特に好ましくは、25〜35%である。
嚢部材が、浸透層の圧密・圧縮等を防止する仕組みについて示す。積み上げられた嚢部材内の粒状体に、通行車両、上方にある嚢部材等の上方からの押圧の外力が加わると、外力を受けて粒状体が下方及び側方に押圧しようとするが、透水性袋体にて粒状体の動きが拘束されているので、透水性袋体に該押圧の力が加わり、透水性袋体の張力となる。この張力は粒状体に対して拘束力として働き、粒状体に上方から加わっている押圧の外力に対し、粒状体が抵抗力を発揮する。すると、上方から加わっていた外力が粒状体の抵抗力によって、分散して打ち消されることになり、下方及び側方への押圧の伝播が途切れるので、たとえ浸透式水路部材と浸透層との間で繰り返される浸透水の流出入が起こり、水の浮力が粒状体に働いたり、嚢部材同士の隙間に位置している透水性袋体に拘束されない粒状体、基礎地盤等に圧密・圧縮が起こったりしても、浸透層全体の圧密・圧縮が防止されて、地盤沈下が抑制される。
また、嚢部材を多数積んで又は並べて構成する態様は、次の(1)(2)(3)を例示できる。
(1)浸透式水路部材の少なくとも一対の側壁の外側方に一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
(2)浸透式水路部材の底壁の下方にも一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
(3)浸透式水路部材の少なくとも下方に一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
(1)浸透式水路部材の少なくとも一対の側壁の外側方に一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
(2)浸透式水路部材の底壁の下方にも一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
(3)浸透式水路部材の少なくとも下方に一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた態様。
また、浸透層と基礎地盤との関係は、以下の(1)(2)を例示できる。
(1)浸透性水路が浸透層より外方の基礎地盤へも水を浸透させるものである。
(2)浸透性水路が浸透層より外方の基礎地盤へは水を浸透させないように、浸透層と基礎地盤との間に不透水性槽を設ける。
(1)浸透性水路が浸透層より外方の基礎地盤へも水を浸透させるものである。
(2)浸透性水路が浸透層より外方の基礎地盤へは水を浸透させないように、浸透層と基礎地盤との間に不透水性槽を設ける。
「不透水性槽」の材質は、特に限定されないが、コンクリート、遮光シート、粘土等を例示できる。また、不透水性槽に排水孔が設けられ、排水孔より外方に、内方に設けられている浸透層から連続して浸透層が設けられて、浸透層より外方の基礎地盤へも水を浸透させる浸透性水路も例示できる。この場合、排水孔の大きさ、形状、設けられている位置は、特に限定されない。
「浸透性水路」の設置場所は、地上に露出している浸透性水路の場合は、歩道と車道との境界部分、駐車場、運動場等を例示することができ、地下に設置されている浸透性水路の場合は、歩道、車道、駐車場、運動場、公園等の地下を例示できる。また、浸透性水路部材の両脇部分又は浸透性水路の上方の地上部分がどのような状態であってもよく、土、砂利、敷石、アスファルト舗装、ポーラスコンクリート舗装等を例示できる。さらに、浸透性水路の端部がせき止められて、雨水等を貯留する貯留池も、浸透性水路に含まれることとする。
本発明の浸透性水路は、浸透式水路部材と浸透層との間で繰り返される浸透水の流出入による浸透層の圧密・圧縮等を防止し、地盤沈下を抑制することで、浸透性水路の損傷を防ぎぐことができ、さらに、浸透式水路部材の断面積を大きくしなくても、浸透式水路部材と浸透層の排水・保水能力をあわせて考えることで、必要とされる排水・保水能力を確保でき、浸透式水路部材の製造上の手間及びコストを軽減することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、浸透式U字溝と浸透層とを備えた浸透性水路を示す第一実施形態と、暗渠又は門型水路と浸透層とを備えた浸透性水路としての雨水貯留池を示す第二実施形態を示す。
[第一実施形態]
[第一実施形態]
図1、図2及び図3は第一実施形態の実施例1〜実施例5の歩道10と車道11との境界部分に側溝である浸透式U字溝2と、歩道10と車道11の地下に、透水口7から排水される水を浸透させる浸透層6、20、21、22とを備えた浸透性水路を示している。なお、図中の嚢部材5、31、33、35の断面内部については、一部の嚢部材について記載し、残りは省略した。
実施例1の浸透性水路は、図1(a)に示ように、浸透式水路部材としてのコンクリート製のU字溝ブロック1(長さ2m、深さ0.5m、水路幅0.3m、コンクリートの厚さ0.05m、水路断面積:A=0.15m2)を長さ方向につなげて形成されている浸透式U字溝2と、積んだとき及び並べたときに上下に扁平となっている12個の嚢部材5(縦長約0.4m、横幅約0.5m、高さ約0.1m、重量約28kg、空隙率:Y=約33.3%)よりなる浸透層6とが備えられている。
U字溝ブロック1は、一対の側壁14と底壁15とからなり、両側壁14に外部との間で排水及び給水のできる丸穴状の透水口7が各2箇所に設けられており、掘り下げた基礎地盤8上に基礎コンクリート12、敷モルタル13を順に敷設した上に設置されている。嚢部材5は、粒状体として、浸透性水路を施工する際に掘り返した現場の土をセメントで処理し、団粒化させた土3を透水性袋体としてのポリプロピレン製の織布の土嚢袋4(縦長0.4m、横幅0.5m)に入れて、団粒化させた土3の動きを拘束してなる。嚢部材5の断面積(B)は、嚢部材5の横幅と高さを掛け合わせたもの(B=0.5m×0.1m=0.05m2)とし、約3個分(A/B=3)の断面積が、U字溝ブロック1の水路断面積に相当している。浸透層6より外方の基礎地盤8へ水を浸透させるものである。
浸透層6は、U字溝ブロック1の一対の側壁14の外側方に、嚢部材5の3個を積み上げて1列としたものが、歩道側10に3列、車道側11に1列並べられて構成されている。嚢部材5の敷設の際には、一段ずつ並べられた嚢部材5に転圧を繰り返しながら嚢部材5が一列に積み上げられ、その上に、歩道10及び車道11となるアスファルト舗装16がされている。
実施例1の浸透層6の態様は、浸透性水路を新設する際に採用することができるが、車道側に積み及び並べる嚢部材5を最小にし、掘り返しを少なくしているので、従来のU字溝又は浸透式U字溝を利用した水路を改良する際にも、最小限の交通規制で施工することができる。
また、浸透層6の浸透断面積(C)は、12個分の嚢部材5と(C=B×12個)となるので、これをU字溝ブロック1の水路断面積相当(3×B)で割って、空隙率(Y)を掛け合わせれば、U字溝ブロック1に対する係数で浸透断面の浸透能力が表される。よって、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(3×B))×A=1.3×Aとなり、浸透層6は浸透式U字溝2の水路断面の約1.3倍の浸透能力を有している。
また、浸透層6の浸透断面積(C)は、12個分の嚢部材5と(C=B×12個)となるので、これをU字溝ブロック1の水路断面積相当(3×B)で割って、空隙率(Y)を掛け合わせれば、U字溝ブロック1に対する係数で浸透断面の浸透能力が表される。よって、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(3×B))×A=1.3×Aとなり、浸透層6は浸透式U字溝2の水路断面の約1.3倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例1の浸透性水路は、浸透式U字溝2内を流れる雨水が、透水口7から浸透式U字溝2の両側壁14の外側方及び底壁15の下方に、積んで又は並べられている嚢部材5に浸透し、浸透層6の外方の基礎地盤8へも水を浸透させる。また、浸透層6が浸透式U字溝2の約1.3倍の浸透能力を持っているので、実施例1の浸透性水路は、浸透式U字溝2と浸透層6の浸透能力をあわせると、浸透式U字溝2だけの浸透性水路と比較して約2.3倍の水路断面を有している浸透式U字溝とほぼ同様の排水能力を持つ。
実施例2の浸透性水路は、図1(b)に示すように、実施例1と同様な浸透式U字溝2と、浸透層6の態様と嚢部材5の数だけが異なっている浸透層20とが備えられている。
浸透層20は、浸透式U字溝2の底壁15の下方には、嚢部材5が歩道10側と車道11側とに同様に並ぶように、4個の嚢部材5が1段に並べられ、その略中央部に浸透式U字溝2の底壁15が設置され、浸透式U字溝2の一対の側壁14の外側方には、下方に並べられた4個の嚢部材5とは千鳥積みになるように、嚢部材5の3個を積み上げて1列としたものが、歩道側10に2列、車道側11に2列並べられて構成されている。その上に、歩道10及び車道11となるアスファルト舗装16がされている。
浸透層20は、浸透式U字溝2の底壁15の下方には、嚢部材5が歩道10側と車道11側とに同様に並ぶように、4個の嚢部材5が1段に並べられ、その略中央部に浸透式U字溝2の底壁15が設置され、浸透式U字溝2の一対の側壁14の外側方には、下方に並べられた4個の嚢部材5とは千鳥積みになるように、嚢部材5の3個を積み上げて1列としたものが、歩道側10に2列、車道側11に2列並べられて構成されている。その上に、歩道10及び車道11となるアスファルト舗装16がされている。
浸透層20の浸透断面積(C)は、16個分の嚢部材5と(C=B×16個)となるので、実施例1と同様に、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(3×B))×A=1.8×Aとなり、浸透層20は浸透式U字溝2の水路断面の約1.8倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例2の浸透性水路は、浸透式U字溝2内を流れる雨水が、透水口7から浸透式U字溝2の両側壁14の外側方及び底壁15の下方に積んで又は並べられている嚢部材5に浸透していき、浸透層20の外方の基礎地盤8へも水を浸透させる。また、浸透層20が浸透式U字溝2の約1.8倍の浸透能力を持っているので、実施例2の浸透性水路は、浸透式U字溝2と浸透層20の浸透能力をあわせると、浸透式U字溝2だけの浸透式水路と比較して、約2.8倍の水路断面を有している浸透式U字溝とほぼ同様の排水能力を持つ。
実施例3の浸透性水路は、図2(c)に示すように、実施例1と同様な浸透式U字溝2と、嚢部材5を16個と嚢部材5より小さいだけで中身の団粒化された土3や土嚢袋30(縦長0.4m、横幅0.3m)の材質は同様の嚢部材31(縦長約0.4m、横幅約0.3m、高さ約0.1m、重量約20kg、空隙率:Y=約33.3%、断面積=0.6×B)を12個を用い、実施例1とは並べ方が異なっており、積んだとき及び並べたときに上下に扁平となっている嚢部材5、31よりなる浸透層21と、浸透層21と基礎地盤8との間に不透水性槽としてプレキャストコンクリート製の遮水壁40(長さ50m、幅0.7m、深さ0.7m、コンクリートの厚さ0.1m)とが備えられている。
浸透層21は、浸透式U字溝2と遮水壁40が上方開口して2重になっている形状であり、浸透式U字溝2と遮水壁40の間は、浸透式U字溝2の底壁15の下方には、歩道10側と車道11側とに同様に並ぶように、嚢部材5の4個が積み上げられて1列となったものの4列が並べられ、その略中央部に浸透式U字溝2の底壁15が設置されている。浸透式U字溝2の一対の側壁14の外側方には、下方に積み及び並べられたの嚢部材5とは千鳥積みになるように、嚢部材31の3個が積み上げられて1列となったものが、歩道側10に2列、車道側11に2列に並べられて構成されている。その上に、歩道10及び車道11となるアスファルト舗装16がされている。
また、浸透層21の浸透断面積(C)は、16個分の嚢部材5と12個分の嚢部材31(C=B×16個+(0.6×B)×12個)を足し合わせたものであるので、実施例1と同様に、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(3×B))×A=2.6×Aとなり、浸透層21は浸透式U字溝2の水路断面の約2.6倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例3の浸透性水路は、浸透式U字溝2内を流れる雨水が、透水口7から浸透式U字溝2の両側壁14の外側方及び底壁15の下方に積んで又は並べられている嚢部材5、31に浸透していき、遮水壁40内で保水され、浸透層21より外方の基礎地盤8へは水を浸透させない。また、浸透層21が、浸透式U字溝2の約2.6倍の浸透能力を持っているので、浸透式U字溝2と浸透層21の浸透能力をあわせると、浸透式U字溝2だけの浸透性水路と比較して、約3.6倍の水路断面を有している浸透式U字溝とほぼ同様の排水能力を持つ。
実施例4の浸透性水路は、図2(d)に示すように、実施例1と同様な浸透式U字溝2と、嚢部材5を18個、嚢部材31を12個と嚢部材5より大きいだけで中身の団粒化させた土3や土嚢袋32(縦長0.4m、横幅0.6m)の材質は同様の嚢部材33(縦長約0.4m、横幅約0.6m、高さ約0.1m、重量約35kg、空隙率:Y=約33.3%、断面積=1.2×B)を4個を用い、積んだとき及び並べたときに上下に扁平となっている嚢部材5、31、33よりなる浸透層22と、浸透層22と基礎地盤8との間に底壁42の略中央部に排水孔43が設けられているプレキャストコンクリート製の隔壁41(長さ50m、幅1.6m、深さ0.8m、コンクリートの厚さ0.1m、排水孔43の幅0.8m)が設けられている。浸透層22は、浸透式U字溝2と隔壁41との間部分から、隔壁41の下方である排水孔43の外方にまでつながって1段に並べられ設けられている。
浸透層22は、浸透式U字溝2と隔壁41とが上方開口して2重になっている形状であり、隔壁41の底壁42の下方に、基礎地盤8の上に底壁42の基礎となるように4個の嚢部材33が1段に並べられ、その上の略中央部に排水孔43となるように隔壁41が設置され、排水孔43部分には2個の嚢部材5が並べられ、浸透式U字溝2と隔壁41の間は、実施例3と同様に嚢部材5、31が積み並べられて構成されている。その上に、歩道10及び車道11となるアスファルト舗装16がされている。
また、浸透層22の浸透断面積(C)は、18個分の嚢部材5、12個分の嚢部材31と4個分の嚢部材33(C=B×18個+(0.6×B)×12個+(1.2×B)×4個)を足し合わせたものであるので、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(3×B))×A=3.2×Aとなり、浸透層22は浸透式U字溝2の水路断面の約3.2倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例4の浸透性水路は、浸透式U字溝2内を流れる雨水が、透水口7から浸透式U字溝2の両側壁14の外側方及び底壁15の下方に積んで又は並べられている嚢部材5、31に浸透していき、排水孔43を経由して嚢部材33に浸透し、さらに、浸透層22の外方基礎地盤8へ水を浸透させる。また、浸透層22が浸透式U字溝2の約3.2倍の浸透能力を持っているので、浸透式U字溝2だけの浸透性水路と比較して、約4.2倍の水路断面を有している浸透式U字溝とほぼ同様の排水能力を持つ。
実施例5の浸透性水路は、図3(e)に示すように、実施例2のU字溝ブロック1の代わりに、略円柱状の間伐材45、46、47、48を並べて組んだU字溝部材44を長さ方向につなぎ、U字溝ブロック1と同一の水路断面積を持つ浸透式U字溝9と、実施例2と同様な浸透層20とが備えられている。U字溝部材44は、一対の側壁50と底壁49とを構成するように、水平面が1面設けられた間伐材45(長さ約2m、直径約0.1m)と、間伐材45の水平面と相対する水平面が設けられた間伐材46と、間伐材46より長さが短いだけの間伐材47(長さ約1.6m)と、3面が略直角の連続した水平面が設けられた間伐材48とを並べて、間伐材45、46、47、48間はボルト・ナットを用いて組んで構成されている。また、このU字溝部材44の透水口7は、木材相互間に生じる隙間であり、この隙間と浸透層20の嚢部材5との間には、遮光シート39が設けられている。
この間伐材45、46、47、48の組み合わせは、まず、浸透式U字溝9の底壁49には、3本の間伐材48が、その3つの水平面を底壁49の下側と、隣接する間伐材48の水平面同士とが隣接するように並べて組まれている。底壁49と側壁50との角には、1本の間伐材48が、3つの水平面を底壁49の下側と、底壁49の間伐材48側と側壁50側とに向いて並べて組まれている。側壁50は、該角に設置された間伐材48側から順に間伐材47、間伐材46、間伐材47、間伐材46、間伐材45とそれぞれ水平面が隣接し合う様に積み上げられて組まれている。また、間伐材45、46、47、48が並ベて組まれたU字溝部材44が、長さ方向につなげられると、間伐材47が間伐材46より短いので、両側壁50の各2箇所に間伐材46の側面と間伐材47の断面との相互間で略四角形の隙間が生じる。この隙間と、組み合わせた間伐材45、46、47、48の長さ方向側面の相互間に生じる横長スリット状の隙間とは、浸透式U字溝9を流れる排水を出入りさせるための透水口7となる。また、荷重を支えるための鉄製のグレーチング51の上面に、断面を略半分にした間伐材52を、断面がグレーチング51の上面に接するように取り付けた蓋部材53を必要に応じて設置する。また、浸透層20の上部には、歩道10及び車道11となるポーラスコンクリート舗装18がされている。
以上のように構成された実施例5の浸透性水路は、浸透式U字溝9内を流れる雨水及び歩道10及び車道11のポーラスコンクリート舗装18に浸透する雨水が、透水口7から又は直接に浸透式U字溝9の両側壁50の外側方及び底壁49の下方に積んで又は並べられている嚢部材5に浸透していき、浸透層20の外方の基礎地盤8へも水を浸透させる。また、浸透層20が浸透式U字溝9の約1.8倍の浸透能力を持っているので、浸透式U字溝9だけの浸透性水路と比較して、約2.8倍の水路断面を有している浸透式U字溝とほぼ同様の排水能力を持つ。
以上のように構築された本実施形態の水路によれば、次の(1)〜(10)のような作用効果が得られる。
(1)水路本来の作用効果の向上
浸透式U字溝2、9内流量が増大し溢水が頻発する問題に対して、浸透式U字溝2、9の増径を行わなくとも、浸透層6、20、21、22を排水性・保水性地盤とし、この排水性・保水性地盤に側溝内流水を効率的に浸透させることにより対応することができるので、特に、用地に制限がある市街地の水路に最適である。
また、地下水の低下・枯渇等の問題に対して、浸透式U字溝2、9内流水の一部を保水性地盤である浸透層を経て基礎地盤8に浸透させることにより対応し、基礎地盤8の保水・遊水機能を向上させる。
(2)製造上の手間及びコストの軽減が可能
浸透式U字溝2、9内流量が増大に対して、浸透式U字溝2、9の断面積が小さくても浸透層6、20、21、22の浸透断面を大きくできるので、大きな浸透式U字溝2、9が必要なくなり、コストの軽減が可能である。また、浸透層6、20、21、22の大きさを調整することで、種々の浸透式U字溝2、9内流量に対応する水路を形成することができるので、使用する浸透式U字溝2、9の種類を減らすことができ、製造上の手間及びコストの軽減が可能であるので経済性が向上する。
(1)水路本来の作用効果の向上
浸透式U字溝2、9内流量が増大し溢水が頻発する問題に対して、浸透式U字溝2、9の増径を行わなくとも、浸透層6、20、21、22を排水性・保水性地盤とし、この排水性・保水性地盤に側溝内流水を効率的に浸透させることにより対応することができるので、特に、用地に制限がある市街地の水路に最適である。
また、地下水の低下・枯渇等の問題に対して、浸透式U字溝2、9内流水の一部を保水性地盤である浸透層を経て基礎地盤8に浸透させることにより対応し、基礎地盤8の保水・遊水機能を向上させる。
(2)製造上の手間及びコストの軽減が可能
浸透式U字溝2、9内流量が増大に対して、浸透式U字溝2、9の断面積が小さくても浸透層6、20、21、22の浸透断面を大きくできるので、大きな浸透式U字溝2、9が必要なくなり、コストの軽減が可能である。また、浸透層6、20、21、22の大きさを調整することで、種々の浸透式U字溝2、9内流量に対応する水路を形成することができるので、使用する浸透式U字溝2、9の種類を減らすことができ、製造上の手間及びコストの軽減が可能であるので経済性が向上する。
(3)製造上の手間及びコストの軽減が可能
必要とされる排水・保水量を確保するために、浸透式U字溝2、9の断面積と粒状体の保水能力とから必要となる浸透層の断面積を求めることができるので、不必要な浸透層の施工を防止でき、コストの軽減が可能であるので経済性が向上する。
(4)浸透層の圧密・圧縮沈下及び地盤沈下の抑制
浸透層6、20、21、22が嚢部材5、31、33を用いて形成されていることで、浸透層6、20、21、22が外力に対して強い抵抗力を発揮するので、浸透式U字溝2、9からの水の流出入に対しても地盤の変位を大幅に低減することができ、浸透層6、20、21、22の圧密・圧縮沈下及び地盤沈下を抑制することができる。
(5)側溝構造の軽減
浸透層6、20、21、22を形成している嚢部材5、31、33の持つ外力に対する強い抵抗力とその自立性により、浸透式U字溝2、9にかかる側方からの土圧を軽減することになり、浸透式U字溝2、9の構造を簡略化できる。
(6)重交通等荷重に対応
この浸透層6、20、21、22を用いた浸透性水路は、嚢部材5、31、33の使用により、路面下の土砂を補強するため、地盤沈下を抑制することができ、重交通等の荷重の大きい側溝に設置することができる。
必要とされる排水・保水量を確保するために、浸透式U字溝2、9の断面積と粒状体の保水能力とから必要となる浸透層の断面積を求めることができるので、不必要な浸透層の施工を防止でき、コストの軽減が可能であるので経済性が向上する。
(4)浸透層の圧密・圧縮沈下及び地盤沈下の抑制
浸透層6、20、21、22が嚢部材5、31、33を用いて形成されていることで、浸透層6、20、21、22が外力に対して強い抵抗力を発揮するので、浸透式U字溝2、9からの水の流出入に対しても地盤の変位を大幅に低減することができ、浸透層6、20、21、22の圧密・圧縮沈下及び地盤沈下を抑制することができる。
(5)側溝構造の軽減
浸透層6、20、21、22を形成している嚢部材5、31、33の持つ外力に対する強い抵抗力とその自立性により、浸透式U字溝2、9にかかる側方からの土圧を軽減することになり、浸透式U字溝2、9の構造を簡略化できる。
(6)重交通等荷重に対応
この浸透層6、20、21、22を用いた浸透性水路は、嚢部材5、31、33の使用により、路面下の土砂を補強するため、地盤沈下を抑制することができ、重交通等の荷重の大きい側溝に設置することができる。
(7)耐震性
浸透層6、20、21、22が嚢部材5、31、33を用いて形成されていることで、同一の流量を確保するために側溝のみで対応している場合や拘束されていない基礎地盤8と比較して、嚢部材5、31、33が一種の補強土壁と考えることができるので耐震構造となり耐震性を併せ持つことができる。
(8)水質浄化機能の付加
土嚢袋4、30、32のような透水性袋体が、通水性のある繊維質の材質のものである場合には、微生物が繊維に担持することにより、排水の濾過効果の他に水質浄化機能を併せ持つことになり、浸透層6、20、21、22は、団粒化された土3による礫間水質浄化作用のみならず、水質浄化効果が期待できる。
(9)種々の現場状況に対する対応が可能
例えば、雨水がコンクリート製品工場などを経由し、アルカリ性の高い排水となって排出されるような場合、直接河川や地中に排水を浸透させることができないので、遮水壁40で嚢部材5、31、33と現地地盤とを隔てて、排水能力の大きい排水路として利用することができる。また、現地地盤に角張った石など嚢部材5、31、33の土嚢袋4、30、32が物理的に破損する恐れがあるが現地地盤に排水を浸透させたいときには、開口部を持つ隔壁41で現地地盤と隔てて嚢部材5、31、33を保護する浸透性水路として利用することもできる。
(10)間伐材を用いる浸透性水路に好適
間伐材で構成された浸透性水路は、コンクリート製の側溝と比較して、間伐材同士の組み合わせなので構造がしっかりしていなかったり、雨水にさらされるので耐久性にすぐれなかったりする。しかし、浸透層20が嚢部材を用いて構築されることで、浸透性水路への側方からの土圧の低減が図られ、浸透性水路の基礎部分の補強ともなり、構造に安定性を与える。また、浸透層20を構成する嚢部材5自身に自立性があるので、浸透性性水路の取り替えが容易にできる。さらに、組み合わせる間伐材の長さを調整することで、その間伐材相互間の目地をあけたままにすれば、透水口7を間伐材に穴として設ける必要がない。グレーチングを基礎として蓋部材53に使用することは、種類・規格が多く設定条件に合わせて選択でき、荷重を十分に支えることもできるから好適である。
[第二実施形態]
浸透層6、20、21、22が嚢部材5、31、33を用いて形成されていることで、同一の流量を確保するために側溝のみで対応している場合や拘束されていない基礎地盤8と比較して、嚢部材5、31、33が一種の補強土壁と考えることができるので耐震構造となり耐震性を併せ持つことができる。
(8)水質浄化機能の付加
土嚢袋4、30、32のような透水性袋体が、通水性のある繊維質の材質のものである場合には、微生物が繊維に担持することにより、排水の濾過効果の他に水質浄化機能を併せ持つことになり、浸透層6、20、21、22は、団粒化された土3による礫間水質浄化作用のみならず、水質浄化効果が期待できる。
(9)種々の現場状況に対する対応が可能
例えば、雨水がコンクリート製品工場などを経由し、アルカリ性の高い排水となって排出されるような場合、直接河川や地中に排水を浸透させることができないので、遮水壁40で嚢部材5、31、33と現地地盤とを隔てて、排水能力の大きい排水路として利用することができる。また、現地地盤に角張った石など嚢部材5、31、33の土嚢袋4、30、32が物理的に破損する恐れがあるが現地地盤に排水を浸透させたいときには、開口部を持つ隔壁41で現地地盤と隔てて嚢部材5、31、33を保護する浸透性水路として利用することもできる。
(10)間伐材を用いる浸透性水路に好適
間伐材で構成された浸透性水路は、コンクリート製の側溝と比較して、間伐材同士の組み合わせなので構造がしっかりしていなかったり、雨水にさらされるので耐久性にすぐれなかったりする。しかし、浸透層20が嚢部材を用いて構築されることで、浸透性水路への側方からの土圧の低減が図られ、浸透性水路の基礎部分の補強ともなり、構造に安定性を与える。また、浸透層20を構成する嚢部材5自身に自立性があるので、浸透性性水路の取り替えが容易にできる。さらに、組み合わせる間伐材の長さを調整することで、その間伐材相互間の目地をあけたままにすれば、透水口7を間伐材に穴として設ける必要がない。グレーチングを基礎として蓋部材53に使用することは、種類・規格が多く設定条件に合わせて選択でき、荷重を十分に支えることもできるから好適である。
[第二実施形態]
図4、図5は第二実施形態の実施例6、7の車道11又は公園17の地下に設置する暗渠又は門型水路と、透水口7から排水される水を浸透させる浸透層24、25とを備えた浸透性水路としての雨水貯留池を示している。
実施例6の雨水貯留池は、図4に示すように、車道11の地下に設置され、浸透式水路部材としてのコンクリート性の暗渠ブロックである2個の浸透式ボックスカルバート54(長さ2m、水路幅1m、高さ0.7m、コンクリートの厚さ0.1m、2個分の貯留可能な断面積:A’=1.4m2)をそれぞれ長さ方向につなげて形成されている2つの浸透式暗渠55と、積んだとき及び並べたときに上下に扁平となっている嚢部材5を81個を用いる浸透層24と、浸透層24と基礎地盤8との間に不透水性槽としての止水シート56(ポリオレフィン樹脂製)とが備えられている。
この2個の浸透式ボックスカルバート54は、一対の側壁58と底壁57と天壁59とからなり、両側壁58に外部との間で排水及び給水のできる丸穴状の透水口7が各1箇所に設けられており、雨水貯留池の略中央部に並設されている。また、浸透式暗渠55の水路断面積は、嚢部材5(断面積:B)の約28個分(A’/B=28)の断面積に相当している。
浸透層24は、基礎地盤8に設けられた雨水貯留池を施工するために掘り起こした穴部60の内側に敷き詰められた止水シート56の底部に、嚢部材5の3個を積み上げた9列が並べられ、嚢部材5の3個分の幅の浸透式暗渠55の底壁57が、該9列の中央列の嚢部材5にさらに嚢部材5の12個が積み上げられた1列を介して、2つ並設され、2つの浸透式暗渠55の止水シート56側の両側壁58の外側方と止水シート56との間には、12個の嚢部材5が、底壁57の下側方に積み並べられた該9列の嚢部材5の両端部から2列の上に積み並べられ、2つの浸透式管渠55の上部には3列に3個の嚢部材5が積み並べられて構成されている。
また、浸透層24の浸透断面積(C)は、81個分の嚢部材5の断面積(C=B×81個)であるので、この浸透断面での浸透能力は、Y/100×(C/(28×B))×A’=1.0×A’となり、浸透層24は2つの浸透式暗渠55の断面の約1.0倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例6の雨水貯留池は、浸透式暗渠55内を流れる雨水が、透水口7から浸透式暗渠55の両側壁58の外側方及び底壁57の下方に積んで又は並べられている嚢部材5に浸透していき、止水シート56内の浸透層24に貯留され、浸透層24より外方の基礎地盤8へは水を浸透させない。また、浸透層24が、浸透式暗渠55の約1.0倍の浸透能力を持っているので、浸透式暗渠55だけの雨水貯留池と比較して、約2.0倍の水路断面を有している浸透式暗渠とほぼ同様の保水能力を持つ。
実施例7の雨水貯留池は、図5に示すように、公園17の地下に設置され、浸透式水路部材としてのコンクリート製の15個の門型ブロック64(長さ2.0m、水路幅0.3m、高さ0.3m、コンクリートの厚さ0.05m、15個分の貯留可能な断面積:D=1.35)をそれぞれ長さ方向につなげて形成されている15つの門型水路65と、積んだとき及び並べたときに上下に扁平となっている嚢部材5(断面積:B)を30個及び嚢部材5より小さいだけで中身の団粒化された土3や土嚢袋34(縦長0.5m、横幅0.25m)の材質は同様の嚢部材35(縦長約0.5m、横幅約0.25m、高さ約0.1m、重量約20kg、空隙率:Y=約33.3%、断面積=0.5×B)を12個を用いる浸透層25と、浸透層25と基礎地盤8との間に不透水性槽としての止水シート56とが備えられている。
この15個の門型ブロック64は、一対の側壁62と天壁63とからなり、透水口7が両側壁下端67間の開口である。また、門型水路65の水路断面積は、嚢部材5の約27個分(D/B=27)の断面積に相当している。
浸透層25は、基礎地盤8に設けられた雨水貯留池を施工するために掘り起こした穴部66の内側に敷き詰められた止水シート56の底部に、嚢部材5の2個を積み上げた6列が並べられ、その略中央部に嚢部材5の幅の略1個分の幅の門型水路65が、5つ隣接されて並設されており、その5つの門型水路65の両端の側壁62の外側方には、それぞれ嚢部材35の2個が積み上げられた1列で門型水路65と略同一の高さとなっており、この隣接した5つの門型水路65及び嚢部材35の上部には、6個の嚢部材5が1段に並べられ、これらの隣接した5つの門型水路65、その両端の側壁62の外側方の1列の嚢部材35及び1層の嚢部材5の1段という順で、さらに2回繰り返され積み並べられて構成されている。
また、浸透層25の浸透断面積(C)は、30個分の嚢部材5と12個分の嚢部材35(C=B×30個+(0.5×B)×12個)を足し合わせたものであるので、この浸透断面での浸透能力は、X/100×(C/(27×B))×D=0.4×Dとなり、浸透層25は15つの門型水路65の断面の約0.4倍の浸透能力を有している。
以上のように構成された実施例6の雨水貯留池は、門型水路65内を流れる雨水が、透水口7から門型水路65の下方に積んで又は並べられている嚢部材5に浸透していき、止水シート56内の浸透層25に貯留され、浸透層25より外方の基礎地盤8へは水を浸透させない。また、浸透層25が、15つの門型水路65の約0.4倍の浸透能力を持っているので、15つの門型水路65だけの雨水貯留池と比較して、1.4倍の水路断面を有している浸透式暗渠とほぼ同様の保水能力を持つ。
以上のように構築された本実施形態の雨水貯留池によれば、第一実施形態より得られる同様な効果に加え、次の(11)ような作用効果が得られる。
(11)管渠構造の軽減
浸透層24、25を構成している嚢部材5、35の持つ外力に対する強い抵抗力とその自立性により、浸透式暗渠55及び門型水路65にかかる側方からの土圧や上載荷重を軽減することになり、浸透式暗渠55及び門型水路65の構造を簡略化できる。
(11)管渠構造の軽減
浸透層24、25を構成している嚢部材5、35の持つ外力に対する強い抵抗力とその自立性により、浸透式暗渠55及び門型水路65にかかる側方からの土圧や上載荷重を軽減することになり、浸透式暗渠55及び門型水路65の構造を簡略化できる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して具体化することもできる。
(1)透水口が、浸透式U字溝及び浸透式暗渠の側壁だけでなく底壁にも設けられていること。
(2)間伐材を積み上げて、浸透式U字溝とする際に、略丸太状の木材ではなく、角材、平板等を利用して浸透式U字溝とすること。
(3)従来からの地下に設けられている浸透性水路の浸透層部分を嚢部材で構成することにより、排水・保水性を向上すること。
(4)貯留池において、直線状に水路部分が延びた浸透式暗渠だけではなく、途中で枝分かれのした浸透式暗渠を用いること。
(5)排水孔43が設けられた隔壁41の代わりに、L字型のプレキャストコンクリート製を、浸透性水路の底壁部分で浸透性水路の長さ方向に隙間が連なるように、向かい合わせで用いること。
(1)透水口が、浸透式U字溝及び浸透式暗渠の側壁だけでなく底壁にも設けられていること。
(2)間伐材を積み上げて、浸透式U字溝とする際に、略丸太状の木材ではなく、角材、平板等を利用して浸透式U字溝とすること。
(3)従来からの地下に設けられている浸透性水路の浸透層部分を嚢部材で構成することにより、排水・保水性を向上すること。
(4)貯留池において、直線状に水路部分が延びた浸透式暗渠だけではなく、途中で枝分かれのした浸透式暗渠を用いること。
(5)排水孔43が設けられた隔壁41の代わりに、L字型のプレキャストコンクリート製を、浸透性水路の底壁部分で浸透性水路の長さ方向に隙間が連なるように、向かい合わせで用いること。
1 U字溝ブロック
2、9 浸透式U字溝
3 団粒化された土
4、30、32、34 土嚢袋
5、31、33、35 嚢部材
6、20、21、22、24、25 浸透層
7 透水口
10 歩道
11 車道
40 遮水壁
41 隔壁
43 排水孔
54 浸透式ボックスカルバート
55 浸透式暗渠
56 止水シート
65 門型水路
67 側壁下端
2、9 浸透式U字溝
3 団粒化された土
4、30、32、34 土嚢袋
5、31、33、35 嚢部材
6、20、21、22、24、25 浸透層
7 透水口
10 歩道
11 車道
40 遮水壁
41 隔壁
43 排水孔
54 浸透式ボックスカルバート
55 浸透式暗渠
56 止水シート
65 門型水路
67 側壁下端
Claims (12)
- 一対の側壁を含む複数の壁で構成されて外部との間で排水及び給水のできる透水口を備えた浸透式水路部材と、前記浸透式水路部材の外部に設けられて前記透水口から排水される水を浸透させる浸透層とを備えた浸透性水路において、前記浸透層が、透水性袋体に粒状体を入れて該粒状体の動きを拘束してなる嚢部材を多数積んで又は並べて構成されたことを特徴とする浸透性水路。
- 前記浸透式水路部材が、一対の側壁と底壁とからなるコンクリート製のU字溝ブロックであり、前記透水口が該側壁又は底壁に設けられた穴である請求項1記載の浸透性水路。
- 前記浸透式水路部材が、一対の側壁と底壁とを構成するように複数の材木を並べて組んだU字溝部材であり、前記透水口が該木材相互間に生じる隙間である請求項1記載の浸透性水路。
- 前記浸透式水路部材が、一対の側壁と底壁と天壁とからなるコンクリート製の暗渠ブロックであり、前記透水口が該側壁又は底壁に設けられた穴である請求項1記載の浸透性水路。
- 前記浸透式水路部材が、一対の側壁と天壁とからなるコンクリート製の門型ブロックであり、前記透水口が両側壁下端間の開口である請求項1記載の浸透性水路。
- 前記嚢部材の透水性袋体が、繊維性の織布又は不織布よりなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の浸透性水路。
- 前記嚢部材が、積んだとき又は並べたときに上下に偏平となり且つ前記浸透式水路部材の水路幅とほぼ等しい幅となるように形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の浸透性水路。
- 前記嚢部材が、前記浸透式水路部材の少なくとも一対の側壁の外側方に一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた請求項1〜4のいずれか一項に記載の浸透性水路。
- 前記嚢部材が、前記浸透式水路部材の底壁の下方にも一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた請求項8記載の浸透性水路。
- 前記嚢部材が、前記浸透式水路部材の少なくとも下方に一段に並べられ若しくは一列積み、複数列積み又は千鳥積みされた請求項5記載の浸透性水路。
- 前記浸透性水路が前記浸透層より外方の基礎地盤へも水を浸透させるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の浸透性水路。
- 前記浸透性水路が前記浸透層より外方の基礎地盤へは水を浸透させないように、前記浸透層と基礎地盤との間に不透水性槽を設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の浸透性水路。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006274628A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Sekisui Chem Co Ltd | 雨水流出抑制排水路構造 |
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JP2016089378A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 積水化成品工業株式会社 | 運動場の排水構造 |
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2003
- 2003-08-28 JP JP2003304929A patent/JP2005076206A/ja active Pending
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