JP2005075992A - 塗料用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光沢、乾燥性、肉持感、耐候性、耐汚染性を維持しながら耐衝撃性、耐割れ性などに代表される柔軟性が付与された、特に自動車補修塗料用組成物として好適に使用できる屋外用塗料用組成物を提供する。
【解決手段】 塗料用樹脂100質量部および重量平均分子量が500〜5000であるアクリル可塑剤1〜40質量部を含有する塗料用組成物。塗料用樹脂は、重量平均分子量8000以上、ガラス転移温度20℃以上のものが好ましく、アクリル可塑剤は、重量平均分子量1000〜2500、ガラス転移温度10℃以下のものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料用組成物、とりわけ屋外にて使用されうる建築塗料用や自動車補修塗料用として有用な組成物に関する。詳細には、アクリル可塑剤が配合されることにより、光沢、乾燥性、肉持感、耐候性、耐汚染性を維持しながら耐衝撃性、耐割れ性などに代表される柔軟性が付与された、屋外用塗料用組成物に関する。
自動車補修用の塗料としては、架橋をともなわないラッカー系のものと、架橋をともなうウレタン系のものとがあり、そのうち、ウレタン系のものは硬化性があって塗膜性能に優れている処から、上塗り用と下塗り用とを問わず、需要が増大してきている。
ところが、ウレタン系のものは塗膜性能は良好であるが、概して速乾性であるとは言えない。また使用されている溶剤の如何によっては、既に塗装されている下地塗膜(既設塗膜)や、上塗りと下塗りとが、ある組み合わせで使用されたときに、ラッカー系のプライマーを侵してチヂミやリフティングを起こすことがある。
一方、ラッカー系のものは古くから自動車補修用塗料として使用されていて、速乾性で使い易いという反面、光沢または外観がウレタン系のものに比して劣るし、架橋をともなわないために、塗膜性能がウレタン系のものに比して数段劣っている。
更にラッカー系自動車補修用塗料では、不充分な光沢や外観を補い、寒暖変化による塗膜の伸び縮みによる塗膜割れを補うために、フタル酸エステル系可塑剤を配合することがしばしば行われる(例えば、特許文献1参照)。しかし、フタル酸エステル系可塑剤は低分子量且つベンゼン環を有するために太陽光により分解されて徐々に消失し、補修後暫くの間は良いが、徐々にその効力を失っていく問題がある。また昨今、フタル酸エステル系可塑剤は、環境ホルモン対象物質(内分泌撹乱物質)として、生態系への影響も問題視されている。
また、フタル酸エステル系可塑剤のかわりに市販のポリエステル可塑剤や反応型ポリエステル可塑剤を使用することで、硬度や耐汚染性と可撓性のバランスをとる試みが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、ポリエステル可塑剤は主鎖のエステルが加水分解しやすく、耐候劣化しやすいため、依然として性能上の問題がある。
そこで、こうしたラッカー系とウレタン系との双方の欠陥を補うことのできるような塗料の出現が望まれている。
一方、プラスチックやシーリング材の分野でも可塑剤は頻繁に使用されており、耐候性の良い可塑剤として、ビニル単量体を180〜350℃の温度で重合させて得られるアクリル系重合体からなる可塑剤が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし塗料用の可塑剤として使用できることは開示されていない。
また、シーリング材に使用される可塑剤としてリビングラジカル重合により合成されたアクリル系高分子可塑剤を用いることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、具体的に塗料用に適した組成物は開示されていない。
特開昭52−3631号公報 特開平09−176557号公報 国際公開WO 01/83619号パンフレット 特開2000−178456号公報
光沢、乾燥性、肉持感、耐候性、耐汚染性を維持しながら耐衝撃性、耐割れ性などに代表される柔軟性が付与された、特に自動車補修塗料用組成物として好適に使用できる屋外用塗料用組成物を提供する。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明の塗料用組成物は、塗料用樹脂100質量部および重量平均分子量が500〜5000であるアクリル可塑剤1〜40質量部を含有するものである。
請求項2に記載の発明の塗料用組成物は、請求項1に記載の発明において塗料用樹脂が、重量平均分子量8000以上、ガラス転移温度20℃以上であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の塗料用組成物は、請求項2に記載の発明において塗料用樹脂が、アルキド樹脂またはアクリル樹脂であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明の塗料用組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明においてアクリル可塑剤が、重量平均分子量1000〜2500、ガラス転移温度10℃以下であることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明の塗料用組成物は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明においてアクリル可塑剤が、アクリル単量体を180〜350℃の温度においてラジカル重合させて得られることを特徴とするものである。
光沢、乾燥性、肉持感、耐候性、耐汚染性を維持しながら耐衝撃性、耐割れ性などに代表される柔軟性が付与された塗料用組成物が得られた。屋外用塗料用組成物、特に自動車補修塗料用組成物として好適に使用できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本明細書において「(メタ)アクリル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味する。
塗料用樹脂として代表的なものには、一般には、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の汎用的な塗膜形成性樹脂が挙げられ、特に自動車補修用としては良好な外観が得られる点でアルキド樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また自動車補修塗料等として一般的に使用されるアクリルポリオールのようなアクリル樹脂とイソシアネート化合物とを組み合わせて使用する樹脂であっても構わない。
組成物が良好な塗膜形成性を有すること、並びに形成される塗膜がべたつき感のないことすなわち良好な耐汚染性を有すること、および塗膜強度が大きいことを実現するために、塗料用樹脂はガラス転移温度が20℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度の上限は特にないが通常入手できるものは300℃以下である。
塗料用樹脂は重量平均分子量が8000〜100000、ガラス転移温度が20℃以上であることが好ましい。分子量が低すぎると耐久性に劣り、分子量が高すぎるとハンドリングが悪くなる場合がある。
アルキド樹脂は、油または脂肪酸で変性されたもの、あるいはこれらによって変性されていない、いわゆるオイルフリー・アルキド樹脂のいずれも塗料用樹脂として好適に使用できる。
アルキド樹脂には、通常のアルキド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、さらにアクリル変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、アミノ変性アルキド樹脂などの変性アルキド樹脂が含まれる。アルキド樹脂の製造に使用される原料としては、亜麻二油、大豆油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、などの乾性油、およびこれらの脂肪酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、安息香酸などの一価および多価カルボン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、水添ビスフェノール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール、さらにこれらのアルキレンオキサイド、エポキシ樹脂などが挙げられ、これらから適宜選択され、任意の割合で使用できる。
塗料用樹脂として好適に使用できるアクリル樹脂には、公知のアクリル系単量体類の重合により得られるアクリル樹脂、さらにはアルキド変性アクリル樹脂、ポリエステル変性アクリル樹脂などの変性アクリル樹脂が含まれる。アクリル樹脂の製造に使用される(メタ)アクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸のC1 〜C20アルキルエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの含窒素単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは2種以上併用されてもよい。
アクリル樹脂の製造において、(メタ)アクリル単量体以外の単量体(以下、その他の単量体という。)を併用できる。その他の単量体は(メタ)アクリル単量体と共重合可能であればよく特に制限はないが、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和酸などが挙げられ、これらは2種以上併用されてもよい。
アクリル可塑剤は、形成される塗膜を耐衝撃性、耐割れ性などに代表される柔軟性の優れたものとするために重要な成分である。アクリル可塑剤は上記アクリル樹脂と同様に、(メタ)アクリル単量体をラジカル重合させて、必要に応じてその他の単量体を共重合させて得られるアクリルポリマーからなるものであるが、重量平均分子量は500〜5000であり、1000〜2500であることが好ましい。500未満であると揮発などにより経時的に塗膜から失われ、塗膜の柔軟性が低下していく。5000を超えると塗膜に充分な柔軟性が付与されない。
アクリル可塑剤は、ガラス転移温度が10℃以下のものが好ましく、0℃以下のものがより好ましく、−10℃以下のものがさらに好ましい。ガラス転移温度の下限は、通常入手できる単量体の制約から−80℃程度である。ガラス転移温度が高すぎると塗膜に充分な柔軟性が付与されない場合がある。
アクリル可塑剤は、(メタ)アクリル単量体を180〜350℃の高温でラジカル重合させて得られる(メタ)アクリルポリマーからなるものが好ましい。その理由は連鎖移動剤や重合触媒などの副原料の悪影響が極めて少なくなり、末端二重結合を有することも作用して高分子樹脂との相溶性が高くなるためである。中でも攪拌槽型反応器を使用して連続的に重合させて得られる(メタ)アクリルポリマーからなるものが、樹脂の着色が少ない上、均一な組成の樹脂が得られるので高分子樹脂との相溶性がよく塗膜のべとつきを少なくする点で更に好ましい。このような高温連続重合は、特許文献3などに開示されている方法によればよい。
塗料用組成物は、上記塗料用樹脂100質量部および重量平均分子量が500〜5000であるアクリル可塑剤1〜40質量部を含有するものである。アクリル可塑剤の量は2〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。塗料用樹脂またはアクリル可塑剤が溶液として提供される場合においてはいずれも溶剤を除いた樹脂や可塑剤正味の量の割合である。アクリル可塑剤が1質量部未満であると塗膜への柔軟性の付与が不充分となる。40質量部を超えると塗膜が柔らかくなりすぎてべたつきが発生して非粘着性の悪いものとなり耐汚染性が低下する。
塗料用組成物は、乾燥性、耐ガソリン性および付着性などをさらにレベルアップさせる為に当該高分子樹脂にセルローズ誘導体が配合されたものであってもよい。代表的なものを挙げればニトロセルローズ、セルローズアセテート、セルローズアセテートプロピオネート、セルローズアセテートブチレート、メチルセルローズ、エチルセルローズまたはベンジルセルローズなどである。その際の配合量としては塗料用樹脂100質量部を基準として40質量%以下、好ましくは20質量%以下が適当である。
塗料用組成物は、必要によりアミノ樹脂及び/又はイソシアネート化合物などの架橋剤を併用して塗膜の強度を向上させたものであってもよい。
塗料用組成物は、所望によりジブチルフタレートまたはジオクチルフタレートなどの如き公知慣用の可塑剤をも併用されることを何ら妨げるものではない。しかしこの使用量が10質量%を超える場合には、耐汚染性、耐水性ならびに耐候性などが目立って低下するようになるので好ましくない。
塗料用組成物は、紫外線吸収剤や老化防止剤などが添加されたものであってもよい。塗料用樹脂100質量部を基準として、10質量%以下の範囲で用いればよい。その使用量が10%を超えて多く用いれば効果は大きい反面、耐水性が低下したり、コスト面でも不利になってくることが多い。
塗料用組成物は、ドライヤー成分が添加されたものであってもよい。ドライヤー成分は通常、塗料用として慣用されているものであればいずれでもよいが、そのうちでも特に代表的なものとしてはコバルト、バナジウム、マンガン、セリウム、鉛、鉄、カルシウム、亜鉛、ジルコニウム、セリウム、ニッケルもしくは錫などのナフテン酸塩、オクチル酸塩または樹脂酸塩などであるが、その使用量としては慣用量の中から、このドライヤーの種類、各成分の組み合わせあるいは要求性能などに応じて適宜決定すればよい。
その際に、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドもしくはt−ブチルパーベンゾエートなどの有機過酸化物を少量併用して当該ドライヤーの使用効果を高めることもできる。
また、顔料、顔料分散剤、ワックスまたはレベリング剤などの公知慣用の塗料用添加剤が添加されたものであってもよい。
本発明の塗料用組成物の塗装方法としては、必要に応じて各種有機溶剤にて適宜希釈して、スプレー塗装、ハケ塗り、ローラー塗りなど従来公知の方法が利用でき、通常、乾燥膜厚10〜100μm 程度塗装される。有機溶剤は、相溶性や乾燥性のよいものであれば制限はないが、代表的な有機溶剤をあげれば、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、n−ヘキサン、ソルベッソ100、150(エクソン社製)、LAWS(シェル社製)、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどであり、これらを単独もしくは2種以上併用して使用する。また無溶剤の粉体塗料としても利用できる。
本発明を合成例、実施例および比較例により具体的に説明する。以下の記載において部および%は特に断りのない限り、すべて質量基準である。
ポリマー類のガラス転移温度は、得られた樹脂を真空乾燥し、示差熱分析測定(DSC)の変極点により算出した。重量平均分子量は、テトラヒドロフラン溶媒を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定を行ない、ポリスチレン換算により算出した。アクリル可塑剤の末端二重結合数は、GPC測定により得られる平均分子量及び核磁気共鳴スペクトルにより求められる二重結合の濃度から算出され、重合体1分子当たりの末端二重結合の平均個数は、末端二重結合の総数を重合体の分子数で除することにより得られ、以下末端二重結合指数と称する。
(製造例1)塗料用アクリル樹脂(重合体1)の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコににトルエン82部、n−ブタノール40部を仕込み、フラスコ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、そこへメタクリル酸メチル55部、メタクリル酸n−ブチル10部、アクリル酸エチル25部(以下、EAと略記)、メタクリル酸10部からなる単量体及び重合開始剤としての過酸化ベンゾイル2.3部とキュメンハイドロパーオキサイド1.2部よりなる混合物を約4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後約10時間反応を続け、重合率約100%、重量平均分子量40000、固形分約45%の無色透明な樹脂溶液を得た。
(製造例2)塗料用アクリル樹脂(重合体2)の製造
溶剤としてキシレン82部、酢酸ブチル40部、単量体溶液として、スチレン30部、メタクリル酸メチル25部、アクリル酸イソブチル15部(以下、IBAと略記)、アクリル酸ラウリル20部(以下、LAと略記)、メタクリル酸10部からなる単量体を用いた以外は重合体1と同様の手順で重合体2を製造した。重合率約100%、重量平均分子量45000、固形分約45%の無色透明な樹脂溶液を得た。
(製造例3)アクリル可塑剤(重合体3)の製造
単量体混合溶液を調製し、原料タンクに貯蔵した。単量体混合溶液は、アクリル酸n−ブチル(以下、BAと略記)70部、アクリル酸メチル(以下、MAと略記)30部、イソプロピルアルコール20部、及びジターシャリブチルパーオキサイド0.5部を含む。ここでBA及びMAは原料単量体であり、イソプロピルアルコールは溶剤であり、またジターシャリブチルパーオキサイドは重合開始剤である。
電熱式ヒーターを備えた容量300mlの加圧式攪拌槽型反応器を、3−エトキシプロピオン酸エチルで満たした。反応器内温度を240℃に維持し、圧力調節器により反応器内の圧力を2.45〜2.65MPaに調整した。
反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体溶液を原料タンクから反応器に連続的に供給した。このとき、単量体溶液の反応器内での滞留時間が13分となるように供給速度を設定した。詳しくは、単量体溶液は一定の供給速度(23g/分)で反応器に供給された。また、単量体混合物の供給体積と等しい体積の反応物を反応器の出口から連続的に抜き出した。
単量体混合物の供給開始直後に、反応器内温度が一旦低下した。その後、重合熱により、反応器内温度が上昇した。ヒータの制御により、反応器温度は240℃に保持された。反応温度が安定した時点から、反応液の回収を開始した(回収開始時)。回収開始時から154分間にわたって、反応を継続した。これにより、1950gの反応液を回収した。
回収した反応液を薄膜蒸発機に導入した。235℃、30mmHgの雰囲気下で反応液から未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を除去した。これにより、約1500gの液状ポリマー(重合体3)が得られた。重合体3のガスクロマト分析の結果によれば、未反応単量体は0.5%以下であることがわかった。
重合体3の諸物性について説明する。GPC分析の結果から、数平均分子量Mnは1510、重量平均分子量Mwは2300、多分散度は1.52であった。末端二重結合指数は0.60であった。25℃においてB型粘度計を用いて粘度を測定したところ、1.8Pa・sであった。
(製造例4〜7)アクリル可塑剤(重合体4〜7)の製造
表1に示す原料単量体を用いた以外は、上記した製造例3と同様の手順で重合体4〜7を合成した。重合体4〜7の分子量Mw、Mn、粘度及び末端二重結合指数を測定した。表1において、HAは2−エチルヘキシルアクリレートを示す。
(製造例8)アクリル可塑剤(重合体8)の製造
BA70部、MA30部、メルカプトエタノール7部、メチルエチルケトン20部、及びアゾビスイソブチロニトリル3部を混合して、単量体溶液を予め調製した。ここで、BA及びMAは原料単量体である。メチルエチルケトンは溶剤である。また、アゾビスイソブチロニトリルは重合開始剤である。メルカプトエタノールは連鎖移動剤である。
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた3,000mlの四つ口フラスコににメチルエチルケトン500gを仕込み、フラスコ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、そこへ上記の単量体溶液1300gを約4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後1時間反応液を熟成した。
その後、反応液を薄膜蒸発機に導入した。235℃、30mmHgの雰囲気下で反応液から未反応単量体及び溶剤等の揮発成分を除去した。これにより、約980gの液状樹脂(重合体8)が得られた。重合体8のガスクロマト分析の結果によれば、未反応単量体は0.5%以下であることがわかった。
重合体8の物性を調べたところ、数平均分子量Mnは1210、重量平均分子量Mwは2200、多分散度は1.82であった。25℃における粘度は、1.5Pa・sであった。
(製造例9)比較用可塑剤(比較重合体9)の製造
表1に示す原料単量体を用いた。また、連鎖移動剤としてメルカプト酢酸エチルを用いた。それ以外は、製造例8と同様の手順で比較重合体9を製造した。比較重合体9の分子量Mnは2650、重量平均分子量Mwは6580、多分散度は2.48であった。25℃における粘度は、5Pa・sであった。
Figure 2005075992
(塗料用組成物の調製及び塗装)
重合体1を75部(固形分)とセルローズアセテートブチレート(以下、CABと略記)15部と重合体3を10部混合した後、トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=50/20/10/20の組成のシンナーで、13〜14秒(フォードカップ#4/25℃)に希釈、粘度調整された塗料用組成物を調製した。また電気亜鉛めっき板上に熱硬化性自動車塗膜が施された塗板を#600耐水研磨紙で研磨して試験基板を用意した。試験基板の上に上記の塗料用組成物を乾燥膜厚で30μmになるようにスプレー塗装し、温度20℃、湿度75%RHの恒温恒湿室中にて7日間放置して試験板を作製した。
性能試験は下記方法に従って行った。評価結果を表2に示した。
(1)鉛筆硬度
20℃において鉛筆引っかき試験を行ない、塗膜にきずがつく鉛筆の硬さを調べた。
(2)付着性
20℃においてゴバン目を画き粘着テープで剥離した際に、残った目の数を表示した。
(3)耐水性
20℃の水道水に7日間浸漬後の塗面状態を調べた。
○:異常なし △:少々フクレ発生 ×:フクレ発生
(4)耐ガソリン性
20℃において、4つ折りにしたガーゼ(50×50mm)にレギュラータイプのガソリンを約5mlしみこませたものを試験板上に置き、そのまま3分間放置した。その後、ガーゼを取り除き、ガソリンを別のガーゼでふきとった後の塗面の状態を観察した。
○:異常なし
△:若干の塗面の光沢低下または軟化が発生
×:塗面の光沢低下および軟化が発生
(5)耐衝撃性
20℃においてデュポン衝撃試験器を用いて撃心の尖端直径1/2インチ、荷重500g の条件で試験を行なった。塗膜損傷を生じない最大高さ(cm)を示す。
(6)耐割れ性
試験板を「70℃で1時間放置、20℃の水道水中に1時間浸漬、−20℃で1時間放置」を1サイクルとするテストを10サイクル連続して行なった後の塗面状態を調べた。
○:異常なし △:一部に割れ発生 ×:全面に割れ発生
(7)促進耐候性
試験板をサンシャインウェザオメータにて500時間試験した後の塗面の変化の有無を確認した。
○:塗面にほとんど変化がなかった
△:塗面に水跡が認められ若干光沢低下が見られた
×:塗面に水跡が認められ光沢低下が大きかった
(8)非粘着性
温度35℃、湿度90%RHの恒温恒湿室中にて、試験板に50mm平方のガーゼを5枚重ねて置き、その上に底面が平らなおもり500gを載せた。18時間後に塗面からガーゼを引き離し粘着の程度と塗面についた布目の跡を調べた。
○:塗面にほとんど変化がなかった
△:ガーゼ跡が少し残った
×:ガーゼが塗面に粘着した
(9)塗膜の外観
塗膜の平滑性と肉持感と透明性を目視判定した。
○:良好 △:やや悪い ×:不良
Figure 2005075992
本発明の塗料用組成物の活用例として、汎用塗料としては勿論であるが、自動車補修塗料や建築外装用塗料などの屋外にて使用される塗料をあげることができる。特に、寒暖の変化が激しい場所において有益である。また耐汚染性、耐衝撃性等に優れた塗膜を形成し得る家電、木工、金属、プラスチック用塗料としても有用である。

Claims (5)

  1. 塗料用樹脂100質量部および重量平均分子量が500〜5000であるアクリル可塑剤1〜40質量部を含有する塗料用組成物。
  2. 塗料用樹脂が、重量平均分子量8000以上、ガラス転移温度20℃以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の塗料用組成物。
  3. 塗料用樹脂が、アルキド樹脂またはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の塗料用組成物。
  4. アクリル可塑剤が、重量平均分子量1000〜2500、ガラス転移温度10℃以下のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用組成物。
  5. アクリル可塑剤が、アクリル単量体を180〜350℃の温度においてラジカル重合させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用組成物。
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