JP2005075045A - チルトステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングコラム4に固定される可動ブラケット6に一体形成された突起44が、車体11に保持される保持ブラケット12の連結軸挿通孔24に一体形成された突起係合部45と係合している。突起44と突起係合部45との係合により、衝撃荷重によって両ブラケット6,12が連結軸22回りに相対回動を起こすことを防止して、衝撃荷重を保持ブラケット12のスライド方向Pのスライド力としてうまく利用することができ、保持ブラケット12をスライド方向Pに確実にスライドさせて衝撃吸収機能を発揮できる。また、形成が極めて容易である突起44と、これに係合する突起係合部45を設けるのみでよく、コストも安価である。
【選択図】 図1
Description
そこで、保持ブラケットと可動ブラケットに、衝撃荷重を受けた場合に互いに噛合可能な複数の歯を有する歯体をそれぞれ設け、2次衝突時における両ブラケットの相対回動を防止するものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、衝撃荷重によって保持ブラケットを車体に対して確実にスライドさせることができ、かつコストも安価なチルトステアリング装置を提供することを目的とする。
第2発明は、第1発明において、上記突起係合部は、上記第2のブラケットの側板に形成される縦長円弧状の連結軸挿通孔の縁部を含むことを特徴とする。本発明によれば、突起を連結軸挿通孔内に配置でき、装置が大型化することを防止できる。
図1は、本発明の一実施の形態のチルトステアリング装置1の一部を省略した側面図である。図2は、図1のII−II線に沿う一部断面図である。図1を参照して、本チルトステアリング装置1は、一端部にステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3を回動可能に支承するステアリングコラム4を
備えている。通常、ステアリングコラム4は、その第1および第2長手方向(以下では単に、「第1長手方向S1」、「第2長手方向S2」ともいう。)を水平方向に対して斜めにして配置されるが、図1では、第1長手方向S1および第2長手方向S2を水平にして示している。
取付ステー16の左右両端部には、切欠17がそれぞれ形成されている。この切欠17は、車体11の後方(ステアリングホイール2側、図2の紙面の手前側)に開放されるようになっている。
図1を参照して、第1および第2長手方向S1、S2に関して、保持ブラケット12は、取付体10を介して所定の保持力F(例えば、1.5kN)で車体11に保持されている。すなわち、取付体10に上記保持力Fを超える衝撃荷重Cが作用した場合には、係合部材19が破断するようになっている。これにより、
取付体10に作用する衝撃エネルギが吸収されると共に、取付体10と保持ブラケット12の取付ステー16との連結が解除され、保持ブラケット12が車体11に対してスライド方向P(第2長手方向S2に平行な方向)にスライド可能となる。
具体的には、可動ブラケット6の側板7,8と保持ブラケット12の対応する側板13,14とをチルト調節可能に連結する連結軸22が、可動ブラケット6の側板7,8にそれぞれ形成される連結軸保持孔23、および保持ブラケット1
2の一対の側板13,14にそれぞれ形成される縦長円弧状の連結軸挿通孔24に挿通されている。
いる。この部分26は、保持ブラケット12の側板14の連結軸挿通孔24に係合し、連結軸22の回動を規制している。一方、連結軸22の他端部にはねじ部27が設けられ、ナット28と螺合している。
カム29は、連結軸22が挿通される挿通孔32を有する円板状をなし、チルト操作レバー33の本体部34の一端部に一体回転可能に連結されている。これにより、チルト操作レバー33の本体部34の他端部に設けられた握り部35を握り、チルト操作レバー33を回動することで、カム29を連結軸22回りに回動することができる。カム29とナット28との間には座金36が介在し、ナット28の緩み止め部材37は、チルト操作レバー33の本体部34に保持されている。
図1および、可動ブラケット6の斜視図である図3を参照して、突起44は、可動ブラケット6の側板7,8の例えば上端部の一部を、左右方向Aの外側ヘそれぞれ突出させることで形成されている。各突起44は、上下方向Bに関して連結軸保持孔23と並んで配置され、保持ブラケット12の連結軸挿通孔24に挿通される。
上記の構成により、車体11の衝突に伴い運転者がステアリングホイール2に衝突するいわゆる2次衝突が起き、例えば車体前方(第2長手方向S2と同方向である白抜き矢符方向)ヘ向けて衝撃荷重Cが生じると、この衝撃荷重Cは可動ブラケット6等を介して連結軸22に伝えられ、さらに、カムフォロワ30および保持ブラケット12を介して取付体10に伝えられ、取付体10を破断させる。この際、可動ブラケット6の突起44と保持ブラケット12の突起係合部45の係合により、両ブラケット6,12の連結軸22回りの相対回動が規制される。これにより、保持ブラケット12に不要なモーメント荷重を働かせることを防止し、衝撃荷重Cのうちスライド方向Pに関する成分を、取付体10に確実に伝達することができる。
なお、連結軸22と可動ブラケット6の突起44との間の距離Dを設定することで、両ブラケット6、12の連結軸22回りの相対回動を規制する強さを設定することができる。
また、保持ブラケット12の側板13,14の各連結軸挿通孔24の前端縁部46および後端縁部47に突起係合部45を設けているので、突起44を連結軸挿通孔24内に配置でき、装置が大型化することを防止できる。これに加え、可動ブラケット6および保持ブラケット12の連結軸22回りの相対回動を、何れの回動方向においても規制できる。これにより、チルトステアリング装置1単体を輸送するとき等に両ブラケット6,12が相対回動して位置ずれを起こすことを防止でき、車体11ヘの組付時にこれら両ブラケット6,12の位置ずれを直す手間を省くことができる。
なお、上記実施の形態において、可動ブラケット6を第2のブラケットとし、保持ブラケット12を第1のブラケットとしても良い。この場合、可動ブラケット6に連結軸挿通孔24と突起係合部45が設けられ、保持ブラケット12に連結軸保持孔23と突起44が設けられる。
保持ブラケット12の側板13,14の前端縁部57および後端縁部58は、連結軸挿通孔24の形状に対応して、それぞれ円弧状に形成されている。すなわち、各突起係合部55,56は、連結軸挿通孔24の形状に対応して円弧状に形成されている。
突起52は、可動ブラケット6の後端部54の左右両端の一部を、左右方向Aの外側へそれぞれ突出させることで形成されている。各突起52の前端面60は、突起係合部56の形状に対応して円弧状に形成されており、各突起52が対応する突起係合部56と係合している。
図4を参照して、本チルトステアリング装置50に前述の2次衝突が起き、例えば車体前方(第2長手方向S2と同方向である白抜き矢符方向)へ向けて前述の衝撃荷重Cが生じると、この衝撃荷重Cは可動ブラケット6等を介して連結軸22に伝えられ、さらに、カムフォロワ30および保持ブラケット12を介して取付体10に伝えられ、取付体10を破断させる。この際、可動ブラケット6の各突起51,52と保持ブラケット12の対応する突起係合部55,56の係合により、両ブラケット6,12の連結軸22回りの相対回動が規制される。これにより、保持ブラケット12に不要なモーメント荷重を働かせることを防止し、衝撃荷重Cのうちスライド方向Pに関する成分を、取付体10に確実に伝達することができる。
なお、連結軸22と可動ブラケット6の各突起51,52との間の距離Eを設定することで、両ブラケット6,12の連結軸22回りの相対回動を規制する強さを設定することができる。
また、各突起係合部55,56に、対応する突起51,52を係合させることで、可動ブラケット6および保持ブラケット12の連結軸22回りの相対回動を、何れの回動方向においても規制できる。これにより、チルトステアリング装置50単体を輸送するとき等に上記両ブラケット6,12が相対回動して位置ずれを起こすことを防止でき、車体11ヘの組付時にこれら両ブラケット6,12の位置ずれを直す手間を省くことができる。
なお、図4および図5に示す実施の形態において、可動ブラケット6を第2のブラケットとし、保持ブラケット12を第1のブラケットとしても良い。この場合、可動ブラケット6の各側板7,8の前端縁部61および後端縁部62に突起係合部55,56が設けられ、保持ブラケット12の各側板13,14の前端部および後端部に突起51,52が設けられる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
4 ステアリングコラム
6 可動ブラケット(第1のブラケット、第2のブラケット)
7 側板
8 側板
11 車体
12 保持ブラケット(第2のブラケット、第1のブラケット)
13 側板
14 側板
22 連結軸
24 連結軸挿通孔
44 突起
45 突起係合部
46 前端縁部(縁部)
47 後端縁部(縁部)
50 チルトステアリング装置
51 突起
52 突起
55 突起係合部
56 突起係合部
57 前端縁部(縁部)
58 後端縁部(縁部)
61 前端縁部(縁部)
62 後端縁部(縁部)
C 衝撃荷重
F 所定の保持力
S2 第2長手方向
P スライド方向(所定のスライド方向)
Claims (4)
- 何れか一方が所定の保持力で車体に保持されると共に他方がステアリングコラムに固定される第1および第2のブラケットと、これら第1および第2のブラケットの側板をチルト調節可能に連結する連結軸とを備え、上記車体に保持されるブラケットが上記所定の保持力を超える衝撃荷重を受けることで車体に対して所定のスライド方向にスライドするチルトステアリング装置において、
上記第1のブラケットに一体形成される突起と、
上記第2のブラケットに一体形成される突起係合部とをさらに備え、
上記突起と突起係合部の係合により、連結軸回りの第1および第2のブラケットの相対回動が規制されることを特徴とするチルトステアリング装置。 - 請求項1において、上記突起係合部は、上記第2のブラケットの側板に形成される縦長円弧状の連結軸挿通孔の縁部を含むことを特徴とするチルトステアリング装置。
- 請求項1において、上記突起係合部は、上記第2のブラケットの側板の縁部を含むことを特徴とするチルトステアリング装置。
- 請求項1〜3において、上記突起係合部は、チルト調節時の上記突起の相対移動を案内可能な円弧状に形成されることを特徴とするチルトステアリング装置。
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