JP2005074925A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像形成装置10は、像書込み手段16により既定位置が走査されるタイミングを検知するタイミング検知手段174と、タイミング検知手段174により検知された走査タイミングに基づいて、像書込み手段174による走査間隔を測定する間隔測定手段236とを有し、測定された走査間隔が像書込み手段16の動作異常の検出に用いられる場合(通常測定モード)には、走査間隔について理論値の数パーセント程度の変動許容範囲を設定し、測定された走査間隔がイメージの書出し位置の補正に用いられる場合(厳密測定モード)には、より狭い変動許容範囲を設定する。
【選択図】図4
Description
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、周期的な走査により像パターンを像担持体に書き込む像書込み手段と、前記像書込み手段により既定位置が走査されるタイミングを検知するタイミング検知手段と、前記タイミング検知手段により検知された走査タイミングに基づいて、前記像書込み手段による走査の間隔を測定する間隔測定手段と、前記間隔測定手段により測定された走査間隔の用途に応じて、走査間隔の変動許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、前記許容範囲設定手段により設定された変動許容範囲に基づいて、前記間隔測定手段により測定された走査間隔が異常であるか否かを判定する異常判定手段とを有する。
図1は、本発明にかかるプリンタ装置10の構成を例示する図である。また、図2は、レーザ162及びセンサ174の構成を説明する図である。
図1に例示するように、プリンタ装置10(画像形成装置)は、3個の搬送ローラ122A〜122Cと、搬送ローラ122A〜122Cに巻き掛けられた無端の転写ベルト124と、転写ベルト124を挟んで搬送ローラ122Cと対向配置された転写ローラ126とを有する。
なお、以下ではK、C、M、Y各色毎に設けられた部分に対し、上記と同様に、各部分の符号にK/C/M/Yの記号を付して区別する。
第1の平面ミラー166Aとポリゴンミラー164との間には第1のfθレンズ168Aが配置されており、第1の平面ミラー166Aで反射されたK色及びC色のレーザビームは、第1のfθレンズ168Aを透過してポリゴンミラー164に入射され、ポリゴンミラー164で反射・偏向された後に、再び第1のfθレンズ168Aを透過するように構成されている。
そしてK色のレーザビームは、平面ミラー170Kにより、第1の感光体ドラム140Kの上方に相当する位置に配置された第1のシリンドリカルミラー172Kに入射され、このシリンドリカルミラー172Kから第1の感光体ドラム140Kへ向けて射出され、感光体ドラム140Kの周面上を走査される。また、C色のレーザビームは、平面ミラー170Cにより、第2の感光体ドラム140Cの上方に相当する位置に配置された第2のシリンドリカルミラー172Cに入射され、このシリンドリカルミラー172Cから第2の感光体ドラム140Cへ向けて射出され、この感光体ドラム140Cの周面上を走査される。
第2の平面ミラー166Bとポリゴンミラー164との間には第2のfθレンズ168Bが配置されており、第2の平面ミラー166Bで反射されたM色及びY色のレーザビームは、第2のfθレンズ168Bを透過してポリゴンミラー164に入射され、このポリゴンミラー164で反射・偏向された後に、再び第2のfθレンズ168Bを透過するように構成されている。
そしてM色のレーザビームは、平面ミラー170Mにより、感光体ドラム140Mの上方に相当する位置に配置された第3のシリンドリカルミラー172Mに入射され、このシリンドリカルミラー172Mから第3の感光体ドラム140Mへ向けて射出され、この感光体ドラム140Mの周面上を走査される。また、Y色のレーザビームは、平面ミラー170Yにより、第4の感光体ドラム140Yの上方に相当する位置に配置された第4のシリンドリカルミラー172Yに入射され、このシリンドリカルミラー172Yから第4の感光体ドラム140Yへ向けて射出され、この感光体ドラム140Yの周面上を走査される。
図2に例示するように、第1のLD162K及び第2のレーザ162Cから照射されたレーザビームは、ポリンゴンミラー164の図中下方の面で偏向されて、ピックアップミラー176aから図中右方向に走査される。同様に、第3のLD162M及び第4のLD162Yから照射されたレーザビームは、ポリンゴンミラー164の図中上方の面で偏向されて、第2のピックアップミラー176bから第3のピックアップミラー176cの方向に走査される。
第1のピックアップミラー176aは、図中下方の走査ライン上流に設けられており、第1のLD162K及び第2のLD162Cから照射されたレーザビーム(ポリンゴンミラー164により偏向されたもの)を第1のセンサ174aに導く。同様に、第2のピックアップミラー176bは、図中上方の走査ライン上流に設けられており、第3のLD162M及び第4のLD162Yから照射されたレーザビーム(ポリンゴンミラー164により偏向されたもの)を第2のセンサ174bに導く。また、第3のピックアップミラー176cは、図中上方の走査ライン下流に設けられており、第3のLD162M及び第4のLD162Yから照射されたレーザビーム(ポリンゴンミラー164により偏向されたもの)を第3のセンサ174cに導く。
また、上記のように、レーザ162は、1つのポリゴンミラー164で全てのレーザ光を偏向することにより、コストダウンを図る共に、ポリゴンミラー毎のばらつきによる不具合を排除している。また、第1のセンサ174a及び第2のセンサ174bは、1つのセンサで2種類のSOS信号を検知することにより、センサの数を最小限に抑えている。
図3に例示するように、コントローラ18は、カラー画像を構成する各色の画像データを記憶する複数のページメモリ182と、CPU184とを有する。CPU184は、クライアント端末(不図示)などから画像データが入力されると、入力された画像データ(例えば、PDL)を解析してRasterデータに変換し、ラスタライズされた各色の画像データをそれぞれページメモリ182Y、ページメモリ182M、ページメモリ182C及びページメモリ182Kに格納する。
ページメモリ182に格納された画像データは、タイミング制御部230から出力されるページシンク信号(不図示)及びラインシンク信号(L/S)に同期して、ページメモリ182から読み出され、I/F部200に対して出力される。
画像処理部210は、FIFO202から入力された画像データに対して、スクリーン処理又はスムージング処理などを施し、出力I/F220に対して出力する。
出力I/F部220は、画像処理部210から入力された画像データをパルス信号として光走査装置16に対して出力する。
タイミング制御部230は、光走査装置16から入力されたSOS(Start-of-Scan)信号及びEOS(End-of-Scan)信号などの同期信号に基づいて、画像データの転送タイミング及び画像データの書出しタイミング(すなわち、イメージの書出し位置)を規定するページシンク信号及びラインシンク信号を生成し、コントローラ18、I/F部200又は出力I/F部220による画像データ出力のタイミングを制御する。ここで、SOS信号とは、光走査装置のスキャンライン上流で検知されるスキャン同期信号であり、EOS信号とは、光走査装置のスキャンライン下流で検知されるスキャン同期信号である。
センサ174は、LD162のSOS信号及びEOS信号を検知し、タイミング制御部230に対して出力する。
しかしながら、プリンタ装置10では、瞬時の電圧変動によりポリゴンミラー164の回転数が変動したり、SOS信号のセンサ信号ラインにノイズが発生する場合もある。このような変動やノイズを異常として検知してプリンタ装置10を緊急停止させていたのでは、生産性を確保することが困難になる。
そこで、本実施形態におけるプリンタ装置10は、色合せ制御用にSOS信号の時間間隔を厳密に測定する厳密測定モードと、SOS信号の時間間隔を理論値±数%程度の許容範囲で監視する通常測定モードとを設け、これらのモードを適宜切り換えてSOS信号の時間間隔を測定する。これにより、プリンタ装置10は、色合せ制御をするための厳密な時間間隔測定と、通常動作時における高い生産性とを両立させる。すなわち、通常モードでは、プリンタ装置10は、広い変動許容範囲で光走査装置16の動作異常を監視し、SOS信号の時間間隔(理論値)に対して±数%程度の変動分を無視することにより、頻繁な緊急停止を回避して生産性を確保する。
以下、タイミング制御部230の構成を示しながら、通常測定モード及び厳密測定モードについて説明する。
図4に例示するように、タイミング制御部230は、画像処理装置20の外部に設けられた光走査装置16、コントローラ18及びユーザインタフェース装置(UI装置)30と接続されており、信号分離部232、間隔計測部236、測定用クロック生成部238、補正量算出部240、画像用クロック生成部242、ラインシンク発生部244、モード設定部246、異常判定部248、及びリトライ制御部250を有する。また、信号分離部232には、擬似信号発生回路234が含まれており、リトライ制御部250には、上限監視部252及びセット数計数部254が含まれている。
まず、光走査装置16において、第1のセンサ174a(図1,図2)は、KC−SOS信号を周期的に検知し、信号分離部232に対して出力する。同様に、第2のセンサ174bは、YM−SOS信号を検知して信号分離部232に対して出力する。また、第3のセンサ174cは、YM−EOS信号を検知し、信号分離部232に対して出力する。
擬似信号発生回路234は、それぞれのセンサ174から同期信号(SOS信号及びEOS信号)が入力されることのないタイミングで、周期的に擬似SOS信号を生成する。例えば、擬似信号発生回路234は、光走査装置16に設けられた各LD142(図1,図2)が消灯しているタイミングで擬似SOS信号を生成する。また、擬似信号発生回路234は、SOS信号の最短の時間間隔より長くかつ最長の時間間隔よりも短い設定時間だけSOS信号が検知されない時に、擬似SOS信号を生成してもよい。
信号分離部232は、それぞれのセンサ174からKC−SOS信号又はYM−SOS信号などが入力されると、擬似信号発生回路234により生成された擬似SOS信号とSOS信号の既定された入力順序とに基づいて、KC−SOS信号をK−SOS信号及びC−SOS信号に分離し、YM−SOS信号をY−SOS信号及びM−SOS信号に分離して、間隔計測部236、測定用クロック生成部238及び異常判定部248に対して出力する。
測定用クロック生成部238は、信号分離部232から入力されたSOS信号に基づいて、SOS信号と同期関係にある測定用クロックを生成し、間隔計測部236に対して出力する。
画像用クロック生成部242は、画像データの処理及び転送に用いる画像用クロックを生成し、ラインシンク発生部244及び画像処理部210(図3)などに出力する。
ラインシンク発生部244は、各色に対応する複数のラインシンクカウンタなどを有し、各色のSOS信号が入力された時から、補正量算出部240により算出された出力待機時間が経過したタイミングで、ラインシンク信号を生成し、コントローラ18に対して出力する。
通常測定モードが選択された場合に、モード設定部246は、通常測定用許容範囲を異常判定部248に対して出力する。ここで、厳密測定用許容範囲及び通常測定用許容範囲とは、SOS信号の時間間隔について変動が許容される数値範囲を示し、厳密測定用許容範囲は、ラインシンク信号の出力タイミングの調整に適応した高精度のSOS時間間隔測定を行うため、通常測定用許容範囲よりも狭い。通常測定用許容範囲は、プリンタ装置10の動作を不用意に停止させないように、SOS時間間隔の数パーセント程度の幅を有する。
またリトライ制御部250において、上限監視部252は、SOS信号の時間間隔の再測定について、測定回数の上限値をUI装置30から受け付け、セット数計数部254により計数される測定回数が上限値を越えるか否かを監視する。ここで、時間間隔の測定は、ポリゴンミラー164(図1,図2)の反射面数(本例では12面)のN倍(Nは自然数)を1セットとして連続して行われる。したがって、セット数計数部254は、ポリゴンミラー164の反射面数(12面)のN倍(Nは自然数)だけ同期信号の時間間隔が測定された場合に、測定回数を1つカウントアップする。
このように、プリンタ装置10は、反射面数のN倍を1セットしてSOS信号の時間間隔を測定し平均化等することにより、ポリンゴンミラー164のそれぞれの反射面の誤差を除いたSOS信号の時間間隔をえることができる。
UI装置30は、間隔計測部236により計測されたSOS信号(又はEOS信号)の時間間隔を取得し、1セット分の時間間隔の一覧表示、又は、1セット分の時間間隔の平均値表示を行う。一覧表示又は平均値表示のいずれを行うかは、UI装置30に対する操作者の操作により決定される。
センサ174(図1,図2など)は、レーザ光の検知において、片方のエッジでは高い応答性を有するが、もう一方のエッジの応答性が悪い。そのため、センサ174により検知されるSOS信号(SOS検知信号)は、図5に例示するように、片方のエッジが崩れてSOS信号のカウントミスなどを誘発する場合がある。
そこで、本実施形態の信号分離部232は、それぞれのセンサ部174から入力されたSOS検知信号(又はEOS信号)のより急峻なエッジを基準として既定時間経過後にもう一方のエッジを擬似的に生成する。本例では、信号分離部232は、SOS信号の立上りエッジ(立下りエッジでも同様)から3クロックカウントしたタイミングでこのSOS信号の立下りエッジを生成する。
このように、信号分離部232がSOS信号のエッジを加工することにより、後段の回路は、SOS信号の位置を正確に検知することができる。
図6に例示するように、信号分離部232は、互いに波形では区別できない複数のSOS信号(すなわち、YM−SOS信号)を周期的に取得する。信号分離部232は、M−SOS信号及びY−SOS信号が交互に入力されることを予め記憶しているが、YM−SOS信号の周期の切れ目を識別できないため、YM−SOS信号がM−SOS信号又はY−SOS信号のいずれであるかを識別することができない。
そこで、信号分離部232は、擬似信号発生回路234により生成される擬似SOS信号に基づいて、SOS信号を識別する。本例では、擬似信号発生回路234は、Y−SOS信号が入力されてから7クロック後に擬似SOS信号を生成するため、信号分離部232は、擬似SOS信号が生成された後に、最初に入力されるYM−SOS信号をM−SOS信号であると判定し、その次に入力されるYM−SOS信号をY−SOS信号であると判定する。
このように、間隔計測部236は、時間間隔(走査間隔)の始点及び/又は終点に相当するSOS信号(又はEOS信号)と同期関係にある測定用クロックを用いてSOS信号の時間間隔を測定することにより、SOS信号と測定用クロックとのタイミングのずれによるカウントミスを防止し、正確に時間間隔を測定することができる。
図7に例示するように、正常時では、擬似SOS信号の各インターバルに各色についてそれぞれ1つのSOS信号が検知される。
そこで、異常判定部248は、擬似SOS信号のそれぞれのインターバルにおいて、各色のSOS信号の数を監視し、SOS信号の数の異常に基づいて、SOS信号の分離異常の有無を判定する。本例では、擬似SOS信号のインターバルにおいて発生したノイズがY−SOS信号の後で検知されているので、信号分離部232は、このノイズをM−SOS信号であると判断している。したがって、このインターバルには、2つのM−SOS信号が検知されたことになっている。この場合、異常判定部248は、M−SOS信号の数が異常であると判定し、エラー信号を出力する。
なお、厳密測定モードが設定されているときに、異常判定部248がエラー信号を出力すると、リトライ制御部250は、SOS信号の時間間隔を再測定するよう光走査装置16及びタイミング制御部230の各構成を制御する。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、モード設定部246(図4)は、ポリゴンミラー164(図1,図2)の回転状況及び印字状況などに基づいて、設定すべきモード(通常測定モード又は厳密測定モード)を選択する。
ステップ102(S102)において、プリンタ装置10は、モード設定部246により厳密測定モードが選択された場合に、S104の処理に移行し、通常測定モードが選択された場合に、S118の処理に移行する。
ステップ106(S106)において、各センサ174は、SOS信号及びEOS信号を検知して、信号分離部232に対して出力する。信号分離部232は、擬似信号発生回路234により生成された擬似SOS信号に基づいて、それぞれのSOS信号又はEOS信号を識別し、間隔計測部236及び異常判定部248に対して出力する。
間隔計測部236は、信号分離部232から入力されたSOS信号又はEOS信号に基づいて、SOS信号又はEOS信号の時間間隔を計測し、計測結果を補正量算出部240及び異常判定部248に対して出力する。
プリンタ装置10は、間隔異常又は分離異常があると判定された場合に、S110の処理に移行し、これ以外の場合に、S116の処理に移行する。
なお、間隔異常及び分離異常が無い場合に、補正量算出部240は、間隔計測部236から入力されたSOS信号及びEOS信号の時間間隔に基づいて、ラインシンク信号の出力タイミングを既定するパラメータ(後述する待機時間など)を算出し、ラインシンク発生部244に対して出力する。ラインシンク発生部244は、補正量算出部240から入力されたパラメータに応じて、各色のラインシンク信号を生成し、生成されたラインシンク信号をコントローラ18に対して出力することにより、光走査装置16にイメージの書出しを指示する。
なお、時間間隔の測定(再測定を含む)は、ポリゴンミラー164(図1,図2)の面数の自然数倍を1セットとして連続して行われる。
プリンタ装置10は、セット数計数部254のカウント値が上限値を越える場合に、S114の処理に移行し、これ以外の場合に、S108の処理に戻り、間隔異常及び分離異常が無くなるまで再測定を繰り返す。
ステップ115(S115)において、上限監視部252は、再測定の回数が上限値を越えた旨をUI装置40(図4)に表示させて、異常を操作者に通知する。
ステップ116(S116)において、UI装置30は、間隔測定部236から入力された各セットの時間間隔に基づいて、1セット中に計測された時間間隔の値、又は、1セット中に計測された時間間隔の平均値を表示する。
ステップ120(S120)において、間隔計測部236は、信号分離部232から入力されたSOS信号又はEOS信号の時間間隔を計測し、異常判定部248は、モード設定部246により設定された変動許容範囲に基づいて、間隔計測部236により計測された時間間隔に異常が無いか判定する。
次に、プリンタ装置10が厳密測定モードにより測定されたSOS信号の時間間隔に基づいて行う色ずれ補正を説明する。プリンタ装置10は、上記のように、信号分離部232で分離され、擬似SOS信号に基づいて識別されたSOS信号を用いて、各LD162(図1など)による画像データの書出しタイミングを決定する。具体的には、補正量算出部240(図4)が、Y−SOS信号とM−SOS信号との時間間隔及びC−SOS信号とK−SOS信号との時間間隔の変動に応じて、各レーザ162についてSOS信号から書出しまでの時間(以下、待機時間)を算出し、各ラインシンク発生部244に設定する。
なお、本例では、図2に例示したように、M色及びY色の組とC色及びK色の組とで、2色づつ走査方向が異なる。そこで、補正量算出部240は、主走査の色合せ制御として、互いに同方向の走査ビームの場合について適用するアルゴリズムと互いに逆方向の走査ビームについて適用するアルゴリズムとの2段階で構成し、適正な色ずれ補正を実現する。なお、以下の説明においては、C色を基準色とし、C色を含む走査方向を正走査と呼び、C色を含まないこれと反対方向の走査方向を逆走査と呼ぶ。
図9に例示するように、基準色であるC色のSOS信号は、信号分離部232による分離後において、先に出力されるパルスである。タイミング制御部230は、各々のSOS信号より既定の待機時間(「待機C」及び「待機K」)の後にラインシンク信号を作り出し、各々のSOS信号の時間間隔(間隔Aなど)が変動した場合には、この変動分をラインシンク信号の発生タイミングに反映させることにより、各色の画像データの書出しタイミングを揃えて色ずれを防止する。本例では、補正量算出部240が、SOS間隔の変動に応じて、被基準色側(すなわち、K色)のラインシンク信号の発生タイミングを調整する。
主走査方向の同期信号であるラインシンク信号(C)及びラインシンク信号(K)は、ラインシンク発生部244により、各SOSセンサ信号から既定の待機時間(「待機C」及び「待機K」)の後に生成される。各LD162によるイメージの書出しは、これらラインシンク(C)又はラインシンク(K)の信号が生成された後に、さらにレーザ162側で設定される所定の時間(書出しタイムラグDT)の経過後に行われる。この書出しタイムラグDTは固定値であるため、色ずれ補正においては、タイミング制御部230が各センサ174の出力の時間間隔(間隔A〜間隔D)の変動に基づいて「待機K」を可変してイメージデータの出力タイミングを間接的にコントロールし色ずれを補正する。なお、本例では、基準色であるC色の「待機C」を固定値として説明するが、「待機C」を可変としてもよい。
そして、K色がずれた場合(ケース2)には、補正量算出部240は、SOS信号間隔の変動量(「間隔B」−「間隔A」)に応じて、「待機K」を「待機K1」に補正する。
「待機K1」=「待機K」+「間隔A」−「間隔B」
により算出される。
これにより、タイミング制御部230は、ラインシンク信号(K)が生成されるタイミングを調整して、色ずれを防止する。
また、C色がずれた場合(ケース3)も同様に、補正量算出部240は、SOS信号間隔の変動量(「間隔C」−「間隔A」)に応じて、「待機K」を「待機K2」に補正する。
「待機K2」=「待機K」+「間隔A」−「間隔C」
また、K色及びC色の両方がずれた場合(ケース4)も同様に、補正量算出部240は、SOS信号間隔の変動量(「間隔D」−「間隔A」)に応じて、「待機K」を「待機K3」に補正する。
「待機K3」=「待機K」+「間隔A」−「間隔D」
なお、補正量算出部240は、逆走査のY色及びM色についても同様に適用し、同方向の色ずれ補正を、正走査ではCを基準とし、逆走査ではMを基準として行う。また、本例では、先に出力されるSOS信号(C色)を基準とした形態であるが、後で出力されるSOS信号(K色又はY色)を基準とする場合には、符号を逆転させることにより実質的に同一の方法で補正できる。
図10(A)に例示するように、初期状態(ケース1)では、補正量算出部240は、C色及びM色の書出しタイミングが一致するように、既定の「待機C」及び「待機M」をそれぞれラインシンク発生部244C及びラインシンク発生部244Mに設定する。この場合の、M−SOS信号からM−EOS信号までの時間間隔を「MM間隔1」とする。
次に、共通の支持体178が変動し、さらにM色の単独の第2のピックアップミラー176bが変動した場合(ケース2)を想定する(本例では、C色及びM色の書き出し方向にSOS信号が変動している)。支持体178に第1のセンサ174a(C−SOS信号を検知)と第3のセンサ174c(M−EOS信号を検知)とが固定されているため、基準色Cのずれ量であるΔCは、M−EOS信号のずれとしても同量検知される。一方、M−SOS信号は、これらとは独立に変動し、ΔMだけ変化する。
この場合の印字イメージは、図10(B)に例示するように、C色についてはC−SOS信号の出力タイミングが早くなるため、書き出し方向(図中、左方向)にΔCだけイメージの位置がずれ、M色についても同様に書き出し方向ずれる。しかしながら、C色とM色とは走査方向が逆であるためにM色のイメージの位置はΔMだけ右方向にずれる。したがって、C色のイメージとM色のイメージとを合わせるためには、タイミング制御部230は、M色のタイミングを(ΔC+ΔM)分だけ左方向に補正する必要がある。
ここで、変動後のM−SOS信号からM−EOS信号までの時間間隔「MM間隔2」は、第2のピックアップミラー176b(M−SOS信号を導くミラー)のずれ量(ΔM)と、第3のピックアップミラー176c(M−EOS信号を導くミラー)のずれ量(ΔC)とが含まれるので、その差分は、「ΔM+ΔC」となり、M色の補正すべきずれ量に相当する。したがって、補正量算出部240は、この差分値に基づいて、M色の待機時間である「待機M」を「待機M1」に補正することにより、C色とM色の書出し位置を揃えることが可能となる。
補正量算出部240は、上記同方向の色ずれ補正と、逆方向の色ずれ補正とを組み合わせることにより、K色、M色及びY色のイメージ書出し位置をC色の書出し位置に揃えることができる。
なお、基準色であるC色自身がずれている場合には、補正量算出部240は、C−SOS信号とM−EOS信号との時間間隔「CM間隔」の変動量を用いて、C−SOS信号のずれ量を算出し、色ずれ補正に適用することができる。具体的には、図10(A)に例示するように、「CM間隔」の変動量(「CM間隔1」と「CM間隔2」との差分値)は、共通の支持体178の変動分のみが含まれることになるため、これを算出することにより、基準色C色のずれ量を求めることができる。すなわち、
ΔC=(「CM間隔2」−「CM間隔1」)/2
として算出される。補正量算出部240は、このΔCを各色の待機時間(すなわち、ラインシンク信号の発生タイミング)に反映させることでC色のずれ量を取り除くことができる。
また、プリンタ装置10は、厳密測定モードが設定された場合に、既定の上限回数までの範囲で、SOS信号の時間間隔を再測定することができる。このように、再測定の回数を操作者により設定された上限回数で制限することにより、再測定が無限に繰り返されることを防止することができる。
また、プリンタ装置10は、厳密測定モードが設定された場合に、ポリゴンミラーの面数の自然数倍を1セットとしてSOS信号の時間間隔を連続して行い平均化等することにより、ポリゴンミラー164の各反射面のばらつきを除いた走査間隔を測定することができる。
また、プリンタ装置10は、画像処理装置20における画像処理に用いられるクロックよりも高い周波数の測定用クロックを適用することにより、厳密測定モードにおける走査間隔の測定をより正確に行うことができる。さらに、プリンタ装置10は、この測定用クロックをSOS信号又はEOS信号に同期させることにより、走査間隔の測定精度をさらに高めることができる。
また、プリンタ装置10は、SOS信号(又はEOS信号)のより急峻なエッジを基準として、もう一方のエッジを検知しやすい形状に加工することにより、SOS信号(又はEOS信号)のタイミング抽出ミスを防止し、走査間隔を正確に測定することができる。
16・・・光走査装置
162・・・半導体レーザ
164・・・ポリゴンミラー
174・・・センサ
176・・・ピックアップミラー
178・・・支持体
18・・・コントローラ
20・・・画像処理装置
230・・・タイミング制御部
232・・・信号分離部
234・・・擬似信号発生回路
236・・・間隔計測部
238・・・測定用クロック生成部
240・・・補正量算出部
242・・・画像用クロック生成部
244・・・ラインシンク発生部
246・・・モード設定部
248・・・異常判定部
250・・・リトライ制御部
252・・・上限監視部
254・・・セット数計数部
30・・・ユーザインタフェース装置
Claims (10)
- 周期的な走査により像パターンを像担持体に書き込む像書込み手段と、
前記像書込み手段により既定位置が走査されるタイミングを検知するタイミング検知手段と、
前記タイミング検知手段により検知された走査タイミングに基づいて、前記像書込み手段による走査の間隔を測定する間隔測定手段と、
前記間隔測定手段により測定された走査間隔の用途に応じて、走査間隔の変動許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記許容範囲設定手段により設定された変動許容範囲に基づいて、前記間隔測定手段により測定された走査間隔が異常であるか否かを判定する異常判定手段と
を有する画像形成装置。 - 前記走査間隔は、少なくとも、前記像書込み手段の動作異常の検出、及び、像パターンの書出しタイミングの設定に用いられ、
前記許容範囲設定手段は、前記走査間隔が像パターンの書出しタイミングの設定に用いられる場合に、走査間隔が動作異常の検出に用いられる場合よりも狭い変動許容範囲を設定する
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記許容範囲設定手段は、第1の変動許容範囲、又は、これよりも狭い第2の変動許容範囲を設定し、
前記許容範囲設定手段により前記第2の変動許容範囲が設定され、かつ、前記異常判定手段により走査間隔が異常であると判定された場合に、走査間隔の再測定を行うように制御する制御手段
をさらに有する請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記像書込み手段は、回転する多面体に設けられた複数の反射面により偏向される光線を用いて、周期的に走査し、
前記間隔測定手段は、前記第2の変動許容範囲が設定された場合に、前記光線を偏向する反射面の数に対応する回数だけ、前記走査間隔を測定し、
前記異常判定手段は、設定された第2の変動許容範囲に基づいて、これらの走査間隔が異常であるか否かを判定する
請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記間隔測定手段は、前記第2の変動許容範囲が設定された場合に、前記反射面の数のN倍(Nは自然数)の回数だけ連続して走査間隔を測定し、
前記間隔測定手段により測定された走査間隔の全ての値又はこれらの平均値を表示する表示手段
をさらに有する請求項3又は4に記載の画像形成装置。 - 前記像書込み手段に画像データを供給するときに用いるクロックよりも高い周波数の測定用クロックを発生させる測定クロック生成手段
をさらに有し、
前記間隔測定手段は、前記測定クロック生成手段により生成された測定用クロックを用いて、前記走査間隔を測定する
請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記測定クロック生成手段は、前記走査間隔の始点に相当する走査タイミング及び終点に相当する走査タイミングの少なくとも一方と同期する測定用クロックを生成する
請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段による制御により走査間隔が再測定された回数を記憶する回数記憶手段
をさらに有し、
前記制御手段は、前記回数記憶手段により記憶される再測定の回数が既定の上限値を越える場合に、再測定を禁止する
請求項3〜7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記回数記憶手段により記憶された再測定の回数が前記上限値を越えた場合に、前記間隔測定手段により測定された走査間隔を通知する異常通知手段
をさらに有する請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記許容範囲設定手段は、前記多面体の回転が定常状態に達し、かつ、印字動作による消費電力の変動が小さいタイミングで、前記第2の変動許容範囲を設定する
請求項4に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003310876A JP2005074925A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003310876A JP2005074925A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005074925A true JP2005074925A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34412587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003310876A Pending JP2005074925A (ja) | 2003-09-03 | 2003-09-03 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005074925A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008049501A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Sharp Corp | 画像信号処理装置およびそれを備えてなる画像形成装置 |
JP2015189038A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | キヤノン株式会社 | データ処理装置とその制御方法、及びプログラム |
-
2003
- 2003-09-03 JP JP2003310876A patent/JP2005074925A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008049501A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Sharp Corp | 画像信号処理装置およびそれを備えてなる画像形成装置 |
JP4643521B2 (ja) * | 2006-08-22 | 2011-03-02 | シャープ株式会社 | 画像信号処理装置およびそれを備えてなる画像形成装置 |
JP2015189038A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | キヤノン株式会社 | データ処理装置とその制御方法、及びプログラム |
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