JP2005074345A - 汚水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜分離活性汚泥処理法において活性汚泥混合液中のバイオポリマーに由来する粘度の高まりを抑制し、活性汚泥混合液の流動性を高めることと、微細気泡による散気によって酸素供給と膜面洗浄を可能となす汚水の処理方法を提供する。
【解決手段】生物処理設備104において有機性汚水を活性汚泥処理し、生物処理設備104の膜分離槽106に浸漬設置した浸漬型膜分離装置109で活性汚泥混合液を固液分離し、膜分離槽106の活性汚泥量を高濃度に維持する汚水の処理方法において、膜分離槽106の活性汚泥混合液中のバイオポリマーを薬剤で凝集させて活性汚泥混合液の粘度を低下させるとともに、活性汚泥混合液に対する酸素供給と浸漬型膜分離装置109の膜面洗浄とを浸漬型膜分離装置109の下方に配置した散気装置108から散気する微細気泡の空気で行い、少量の空気量の下でも生物処理に必要な酸素量を確保する。
【選択図】図1
【解決手段】生物処理設備104において有機性汚水を活性汚泥処理し、生物処理設備104の膜分離槽106に浸漬設置した浸漬型膜分離装置109で活性汚泥混合液を固液分離し、膜分離槽106の活性汚泥量を高濃度に維持する汚水の処理方法において、膜分離槽106の活性汚泥混合液中のバイオポリマーを薬剤で凝集させて活性汚泥混合液の粘度を低下させるとともに、活性汚泥混合液に対する酸素供給と浸漬型膜分離装置109の膜面洗浄とを浸漬型膜分離装置109の下方に配置した散気装置108から散気する微細気泡の空気で行い、少量の空気量の下でも生物処理に必要な酸素量を確保する。
【選択図】図1
Description
本発明は汚水の処理方法に関し、有機性汚水の処理、低水温地域の槽浸漬型膜分離活性汚泥法(MBR)に係るものである。
膜分離活性汚泥処理法は、処理水質が安定していることや、維持管理も容易なことから広く普及している。この膜分離活性汚泥処理法を適用した一般的な水処理システムとしては、例えば図2に示すものがある。
図2において、系内に流入する汚水1は前処理設備2で夾雑物を除去した後に流量調整槽3に一旦貯留し、流量調整槽3から一定の流量で生物処理設備4に供給しており、生物処理設備4で活性汚泥により汚水中の有機物質を分解除去する。
生物処理設備4には種々の形態があり、ここでは一般的な窒素除去を行う3槽式について説明するが、窒素除去を行わない場合には2槽式もある。
生物処理設備4は脱窒槽41と空気量調整槽42と膜分離槽43を有し、脱窒槽41で流量調整槽3から流入する汚水の窒素除去を行い、空気量調整槽42において脱窒槽41から流入する汚水に対して、ブロア44により供給する空気を散気装置45から散気して汚水中の酸素濃度を調整し、その後に膜分離槽43に設けた浸漬型膜分離装置5で混合液を固液分離し、浸漬型膜分離装置5のろ過膜を透過した膜ろ液を処理水として放流し、膜分離槽43の混合液を硝化液として脱窒槽41へ循環させる。
生物処理設備4は脱窒槽41と空気量調整槽42と膜分離槽43を有し、脱窒槽41で流量調整槽3から流入する汚水の窒素除去を行い、空気量調整槽42において脱窒槽41から流入する汚水に対して、ブロア44により供給する空気を散気装置45から散気して汚水中の酸素濃度を調整し、その後に膜分離槽43に設けた浸漬型膜分離装置5で混合液を固液分離し、浸漬型膜分離装置5のろ過膜を透過した膜ろ液を処理水として放流し、膜分離槽43の混合液を硝化液として脱窒槽41へ循環させる。
浸漬型膜分離装置5には種々のものがあるが、ここでは上下が開口したケース6の内部に鉛直方向に配置する複数の平板状の膜カートリッジ7を平行に配列し、膜カートリッジ7の下方に散気装置8を配設したものであり、膜カートリッジ7はろ板の表裏に平膜状の有機膜を貼着したものである。
膜分離槽43ではブロア9により供給する空気を散気装置8から散気し、空気によって生じる固気液混相の上向流によって汚濁物を含む汚水と活性汚泥との混合液を槽内で循環させながら混合液に酸素を溶解させ、活性汚泥の微生物により汚濁物中の有機物を生物処理して除去する。
浸漬型膜分離装置5には上向流によって混合液を膜カートリッジ7の間の流路に膜面に沿ったクロスフローで供給し、上向流が掃流として膜面に作用することで膜面の洗浄を行いつつ、ろ過の駆動力として吸引ポンプ10で吸引圧力を作用させて膜カートリッジ7で混合液を固液分離し、膜カートリッジ7のろ過膜を透過した膜ろ液を滅菌槽11を経て放流する。
膜分離槽43において膜面の洗浄に必要なクロスフローを生起するための空気量と微生物への酸素供給のための空気量が一致する場合には、生物処理と固液分離を非常に効率良く行えるが、流入汚水の濃度が濃い場合や濃度変動などで必要な酸素量が増加した場合は、膜面洗浄のための空気量では酸素不足が生じることがある。このため、空気量調整槽42において脱窒槽41から流入する汚水に対して、ブロア44により供給する空気を散気装置45から散気して汚水中の酸素濃度を調整している。
この酸素不足が生じる一因は、浸漬型膜分離装置5の膜面洗浄に使用する散気装置8の特性であり、一般に粗大気泡散気管(3〜10mm径の散気孔)が使用されていることによる。この粗大気泡散気管を使用する理由は、散気孔から噴出する粗大気泡(散気孔の3〜10mm径より大きい)の上昇速度が大きくてクロスフロー流による膜面への洗浄効果が大きいこと、散気孔が閉塞しづらいことである。
一方、微細気泡散気管(数μm〜数百μm径の散気孔)は、散気孔から噴出する気泡径が数μm〜数百μm径の微細気泡となり、その上昇速度が小さくてクロスフロー流による膜面への洗浄効果が小さいこと、散気孔が閉塞し易いことから高濃度MLSSでは使用してこなかった。
膜面洗浄のために必要なクロスフロー流は汚泥の流動性に影響され、汚泥粘性が高いほど汚泥を流動させるために多量の空気及び大径の気泡を必要とする。現行では、例えば60mPa・secの粘度の汚泥に対して、膜面の単位面積(1m2)当たりに最低12.5L/min程度の空気を粗大気泡で供給し、0.5〜0.6m/sのクロスフロー流を得ている。
ところで、膜分離活性汚泥処理法を適用した水処理において対象汚水の水温が低い場合には、微生物の活性が低下して流入汚水中の有機物が完全に分解されないケースや、微生物自体が異常に代謝産物(糖タンパク)を体外に放出することがある。このような代謝産物は、分子量が数千から数十万の糖蛋白を主体とするポリマーと言われている。
この微生物の代謝産物(糖タンパク)由来のバイオポリマー量が多くなると、活性汚泥混合液の粘度が上昇してその流動性が低下する。また、バイオポリマーが活性汚泥(SS)等に付着した状態でろ過膜に堆積するのみならず、バイオポリマー自体が直接にろ過膜の表面に堆積してゲル層を形成したり、分子量の小さいバイオポリマーがろ過膜を透過する途中でろ過膜中に留まって目詰まることで、ろ過膜のろ過抵抗が異常に大きくなり、通常のろ過圧力では十分な透過流束が得られなくなる。
このため、ろ過膜の逆圧洗浄(膜表面の堆積物を洗い落とす)が必要となるが、この洗浄の頻度が多すぎると、膜を利用したプロセスそのものが成立しなくなる。また、生物処理槽(曝気槽)から余剰汚泥を引抜くことで生物処理槽(曝気槽)内のバイオポリマーを低減する場合には、余剰汚泥を通常運転における引抜量より過剰に引抜く必要があり、余剰汚泥とともに微生物が槽外へ流出して活性汚泥混合液中の活性汚泥濃度の低下を招くことになる。
濃縮汚泥の粘性を低下させる方法としては、特許文献1に開示するものがある。この技術は水処理工程においてアルミニウム系凝集剤を用いて凝集・沈殿させた汚泥を濃縮槽に投入し、濃縮槽に浸漬設置した膜モジュールによって汚泥を濾過するのに際して、硫酸によって汚泥を所定の酸性側pH域に調整して汚泥の粘性を低下させて流動し易い状態とするものである。
特開2000−189998公報
上述した特許文献1に開示するものは、水処理過程において発生する凝集沈殿汚泥等を対象とするものであり、アルミニウム系凝集剤により汚泥中に形成されたAl(OH)3フロックを酸性域においてAl3+として再溶解させることで汚泥流動性を確保するものであるために、活性汚泥処理過程における微生物自体の代謝産物(一般に糖タンパクといわれている)であるバイオポリマーに由来する粘性の高まりを抑制する手段としては有効でない。
散気孔から噴出する気泡が粗大気泡であるとその上昇速度が大きくてクロスフロー流による膜面への洗浄効果が大きく有利であるが、気泡径が大きくなるほどに酸素溶解率が低くなり槽内の混合液に必要な酸素濃度を確保するために必要な空気量が多くなり、膜面洗浄にとっては過剰曝気となって濾過膜の寿命に悪影響を与える。
この問題の回避のために、流入汚水の濃度変動などで必要な酸素量が変化した場合に、空気量調整槽42において脱窒槽41から流入する汚水に対して、ブロア44により供給する空気を散気装置45から散気して汚水中の酸素濃度を調整する構成では、膜分離槽43に空気を供給するブロア9以外に空気量調整槽42およびブロア44等の設備を要する。
本発明は膜分離活性汚泥処理法において活性汚泥混合液中のバイオポリマーに由来する粘度の高まりを抑制し、活性汚泥混合液の流動性を高めることで、微細気泡による散気によって酸素供給と膜面洗浄を可能となす汚水の処理方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る汚水の処理方法は、生物処理槽において有機性汚水を活性汚泥処理し、生物処理槽内に浸漬設置した浸漬型膜分離装置で活性汚泥混合液を固液分離し、生物処理槽内の活性汚泥量を高濃度に維持する汚水の処理方法において、生物処理槽の活性汚泥混合液中のバイオポリマーを薬剤で凝集させて活性汚泥混合液の粘度を低下させるとともに、活性汚泥混合液に対する酸素供給と浸漬型膜分離装置の膜面洗浄とを浸漬型膜分離装置の下方に配置した散気装置から散気する微細気泡の空気で行うものである。
上記した構成により、生物処理槽では、有機性汚水を活性汚泥処理することにより有機性汚水のBODを微生物の生物処理によって分解する。
この生物処理過程では、浸漬型膜分離装置の下方に配置した散気装置から空気を微細気泡で散気することにより、酸素の溶解効率を高めて少量の空気で生物処理に必要な酸素量を確保して活性汚泥混合液に対する酸素供給を行うとともに、散気した微細空気によって生じる固気液混相の上昇流で活性汚泥混合液をクロスフローで浸漬型膜分離装置に供給する。
この生物処理過程では、浸漬型膜分離装置の下方に配置した散気装置から空気を微細気泡で散気することにより、酸素の溶解効率を高めて少量の空気で生物処理に必要な酸素量を確保して活性汚泥混合液に対する酸素供給を行うとともに、散気した微細空気によって生じる固気液混相の上昇流で活性汚泥混合液をクロスフローで浸漬型膜分離装置に供給する。
浸漬型膜分離装置は活性汚泥混合液を固液分離し、生物処理槽内に活性汚泥およびバイオポリマーを残留させて浸漬型膜分離装置のろ過膜を透過した膜ろ液を処理水として槽外へ取り出す。
生物処理において微生物はBODを分解するとともに、代謝産物(糖タンパク等)を体外に放出する。この糖タンパクを主体とするバイオポリマーは、特に対象汚水の水温が低い場合に、微生物の活性が低下して流入汚水中の有機物が完全に分解されないで残る有機物とともに、微生物が異常に放出することで増加する。
生物処理槽内のバイオポリマーの濃度が増加し過ぎると、浸漬型膜分離装置のろ過膜に付着するバイオポリマー量が過剰となりろ過膜の膜抵抗が異常に大きくなって固液分離操作を阻害するとともに、活性汚泥混合液の粘度が上昇してクロスフロー流が遅くなり膜面洗浄効果が弱くなる。
バイオポリマーは比較的小さいので、無機系の凝集剤、有機系の凝集剤等の薬剤によって活性汚泥混合液中のバイオポリマーを凝集させて大きなフロックに形成することで活性汚泥混合液の粘度を低下させ、活性汚泥混合液の粘度の低下によりその流動性を高める。
生物学的に必要な酸素量が低下する場合には、活性汚泥混合液の流動性の高まりによりクロスフロー流の流速を高めることで、膜面洗浄に必要な空気量を低減しつつ十分な膜面洗浄効果を確保する。生物学的に必要な酸素量が増加する場合には、活性汚泥混合液の流動性の高まりにより、微細空気の散気においても膜面洗浄に必要なクロスフロー流を確保しつつ、微細空気によって酸素の溶解効率を高めて生物学的に必要な酸素量を確保する。
本発明の請求項2に係る汚水の処理方法は、膜分離槽に設けた酸素濃度計(DO計)によって計測する活性汚泥混合液中の酸素濃度が所定値を維持するように微細気泡散気装置から散気する空気量を増減調整するものである。
この制御によって、流入汚水の濃度変動などで必要な酸素量が変化する場合にあっても、常に必要な酸素量を確保できる。
本発明によれば、活性汚泥混合液の粘度を薬剤によって低下させることで膜面洗浄に必要なクロスフロー流の流速を得るのに必要な空気量を抑制でき、空気を微細気泡で散気して酸素の溶解効率を高めることで抑制した少量の空気量の下でも生物処理に必要な酸素量を確保できる。また、空気量を低減し、空気を微細気泡で散気することにより、活性汚泥混合液に対する攪拌強度を小さくしてフロックの破壊を抑制でき、フロックの破壊を抑制することで活性汚泥混合液の粘度が低下する状態を長く維持できる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、系内に流入する有機性汚水101は前処理設備102で夾雑物を除去した後に流量調整槽103に一旦貯留し、流量調整槽103から一定の流量で生物処理設備104に供給し、生物処理設備104で活性汚泥により汚水中の有機物質を分解除去する。
生物処理設備104は生物処理槽として脱窒槽105と膜分離槽106を有し、脱窒槽105で流量調整槽103から流入する汚水の窒素除去を行い、膜分離槽106において脱窒槽105から流入する活性汚泥混合液に対して、ブロア107により供給する空気を微細気泡散気装置108から微細気泡で散気し、浸漬型膜分離装置109で活性汚泥混合液を固液分離し、浸漬型膜分離装置109のろ過膜を透過した膜ろ液を処理水として放流し、膜分離槽106の活性汚泥混合液を硝化液として脱窒槽105へ循環させる。
浸漬型膜分離装置109には種々のものがあるが、ここでは先に従来の構成として説明したものを使用するので、同符号を用いることでその説明を省略する。
膜分離槽106の生物処理過程では、浸漬型膜分離装置109の下方に配置した微細気泡散気装置108の散気孔(数μm〜数百μm径)から空気を微細気泡で散気することによって酸素の溶解効率を高め、少量の空気で生物処理に必要な酸素量を確保して活性汚泥混合液に対する酸素供給を行うとともに、微細気泡の空気によって生じる固気液混相の上向流によって活性汚泥混合液を槽内で循環させながら活性汚泥の微生物により汚濁物中の有機物(BOD)を生物処理して除去する。
膜分離槽106の生物処理過程では、浸漬型膜分離装置109の下方に配置した微細気泡散気装置108の散気孔(数μm〜数百μm径)から空気を微細気泡で散気することによって酸素の溶解効率を高め、少量の空気で生物処理に必要な酸素量を確保して活性汚泥混合液に対する酸素供給を行うとともに、微細気泡の空気によって生じる固気液混相の上向流によって活性汚泥混合液を槽内で循環させながら活性汚泥の微生物により汚濁物中の有機物(BOD)を生物処理して除去する。
微細気泡散気装置108から散気する空気量はブロア107の駆動の制御や配管途中に設けたバルブの開閉によって調整し、膜分離槽106に設けた酸素濃度計(DO計)110によって槽内の活性汚泥混合液中に溶解した酸素濃度を計測し、酸素濃度が所定値となるように散気する空気量を制御する。この制御によって、流入汚水の濃度変動などで必要な酸素量が変化する場合にあっても、常に必要な酸素量を確保できる。
浸漬型膜分離装置109には上向流によって活性汚泥混合液を膜カートリッジ7の間の流路に膜面に沿ったクロスフローで供給し、クロスフロー流が所定流速で掃流として膜面に作用することで膜面の洗浄を行いつつ、ろ過の駆動力として吸引ポンプ10で吸引圧力を作用させて膜カートリッジ7で混合液を固液分離し、膜カートリッジ7のろ過膜を透過した膜ろ液を滅菌槽111を経て放流する。
生物処理において微生物はBODを分解するとともに、代謝産物(糖タンパク等)を体外に放出する。この糖タンパクを主体とするバイオポリマーは、特に対象汚水の水温が低い場合に、微生物の活性が低下して流入汚水中の有機物が完全に分解されないで残る有機物とともに、微生物が異常に放出することで増加する。
膜分離槽106においてバイオポリマーの濃度が増加し過ぎると、浸漬型膜分離装置109のろ過膜に付着するバイオポリマー量が過剰となりろ過膜の膜抵抗が異常に大きくなって固液分離操作を阻害するとともに、活性汚泥混合液の粘度が上昇してクロスフロー流が遅くなり膜面洗浄効果が弱くなる。
このため、膜分離槽106の活性汚泥混合液にその粘度を低下させる薬剤112を添加する。バイオポリマーは比較的小さなフロックを形成しており、無機系の凝集剤(PAC等)、有機系の凝集剤等の薬剤によって活性汚泥混合液中のバイオポリマーを凝集させて大きなフロックに形成することで活性汚泥混合液の粘度が低下する。粘度の低下により活性汚泥混合液の流動性が高くなりクロスフロー流の流速が高まって十分な膜面洗浄効果を確保できる。
使用する凝集剤は活性汚泥混合液の流動性を悪化させる原因物質に対して凝集効果を持つものであれば無機系、有機系のいずれでも良いが、無機系凝集剤で効果がある場合や、有機系凝集剤で効果がある場合など、活性汚泥混合液の性状によって粘性(流動性)改善効果は異なるので、運転状況に合わせて添加量や種類を調整する。
特に有機系凝集剤を使用する場合は、曝気による強攪拌はフロックを破壊することがあるので、凝集剤の添加によって活性汚泥混合液の流動性を高めた後は、膜面洗浄のための空気量を減らすことで粘性(流動性)改善効果を長く維持できる。
つまり、活性汚泥混合液の粘度を凝集薬によって低下させることで膜面洗浄に必要なクロスフロー流の流速を得るのに必要な空気量を抑制でき、空気を微細気泡で散気して酸素の溶解効率を高めることで抑制した少量の空気量の下でも生物処理に必要な酸素量を確保でき、空気量を低減し、空気を微細気泡で散気することにより、活性汚泥混合液に対する攪拌強度を小さくしてフロックの破壊を抑制でき、フロックの破壊を抑制することで活性汚泥混合液の粘度が低下する状態を長く維持できる。
60mPa・secの粘度の活性汚泥混合液に対して、浸漬型膜分離装置109の膜面の単位面積(1m2)当たりに最低12.5L/min程度の空気を粗大気泡散気管(3〜10mm径の散気孔)から粗大気泡で供給し、0.5〜0.6m/sのクロスフロー流を得ている場合において、無機凝集剤としてPACを20〜30mg/L添加し、活性汚泥混合液の粘度を30mPa・secにまで低下させると、粗大気泡散気管に代えて微細気泡散気管(数μm〜数百μm径の散気孔)から同量もしくは抑制した量の空気を微細気泡で散気してもクロスフロー流による膜面への洗浄効果は変らず、気泡径の減少によって攪拌強度が抑制させることでフロックの破壊が減り、凝集剤添加による粘性(流動性)改善効果が長時間持続した。
6 ケース
7 平板状の膜カートリッジ
10 吸引ポンプ
101 有機性汚水
102 前処理設備
103 流量調整槽
104 生物処理設備
105 脱窒槽
106 膜分離槽
107 ブロア
108 微細気泡散気装置
109 浸漬型膜分離装置
110 酸素濃度計(DO計)
111 滅菌槽
112 凝集剤
7 平板状の膜カートリッジ
10 吸引ポンプ
101 有機性汚水
102 前処理設備
103 流量調整槽
104 生物処理設備
105 脱窒槽
106 膜分離槽
107 ブロア
108 微細気泡散気装置
109 浸漬型膜分離装置
110 酸素濃度計(DO計)
111 滅菌槽
112 凝集剤
Claims (2)
- 生物処理槽において有機性汚水を活性汚泥処理し、生物処理槽内に浸漬設置した浸漬型膜分離装置で活性汚泥混合液を固液分離し、生物処理槽内の活性汚泥量を高濃度に維持する汚水の処理方法において、生物処理槽の活性汚泥混合液中のバイオポリマーを薬剤で凝集させて活性汚泥混合液の粘度を低下させるとともに、活性汚泥混合液に対する酸素供給と浸漬型膜分離装置の膜面洗浄とを浸漬型膜分離装置の下方に配置した散気装置から散気する微細気泡の空気で行うことを特徴とする汚水の処理方法。
- 膜分離槽に設けた酸素濃度計(DO計)によって計測する活性汚泥混合液中の酸素濃度が所定値を維持するように微細気泡散気装置から散気する空気量を増減調整することを特徴とする請求項1に記載の汚水の処理方法。
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2003
- 2003-09-02 JP JP2003309450A patent/JP2005074345A/ja active Pending
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