JP2005073565A - 釣竿用肘当てグリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、釣り姿勢の多様化を実現したうえで、肘の横ぶれ及び縦ぶれの防止を図り得るようにして、安定した竿操作に寄与し得るようにすることにある。
【解決手段】グリップ本体10に竿軸と略直交する方向及び竿軸方向に迫り上がる如きリング状の輪郭103を有する内壁が湾曲状に窪んだ略お椀状の肘当て部102を設けて構成したものである。
【選択図】図2
【解決手段】グリップ本体10に竿軸と略直交する方向及び竿軸方向に迫り上がる如きリング状の輪郭103を有する内壁が湾曲状に窪んだ略お椀状の肘当て部102を設けて構成したものである。
【選択図】図2
Description
この発明は、例えば黒鯛釣り等に用いるのに好適する釣竿用肘当てグリップに関する。
一般に、黒鯛釣り等の釣り形態には、釣り人が、釣竿を片手で操作して、所謂当たりを取る釣り形態が知られている。このような釣り形態においては、釣り時における手ぶれを防止するために、釣竿の元竿管のリールシートと略180°対向した位置に肘当てグリップを設け、この肘当てグリップで釣り人の肘を押し当てて元竿管をリールシート近傍を保持する構造が採られている。このような肘当てグリップ構造としては、釣竿の元竿管に帯状の湾曲した肘当て部を配し、この肘当て部で釣り人の肘の両側部を抑える構造のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、元竿管に竿軸方向に湾曲状に突出した肘当てを設け、この突出して配した肘当てに釣り人の肘近傍を押し付けることで、手ぶれの防止を図るようにした肘当て構造もある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−125708号公報
特開2001−197850号公報
しかしながら、上記特許文献1では、その肘当て部の構造上、肘部の左右方向の所謂横ぶれに対して効果的であるが、竿軸方向の所謂、縦ぶれに対して不安定であるうえ、その肘当て部を配した状態で、脇に挟んだ釣り形態が困難で、その釣り形態に制約を与えるという不都合を有する。
また、特許文献2では、釣り人の肘の位置を変えたり、脇に挟むことも可能であることで、多様な釣り形態に対応可能であるが、上記特許文献1と同様に、左右方向の横ぶれを防止することが可能であるが、竿軸方向の縦ぶれに対して不安定であるという不都合を有する。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、釣り形態の多様化を実現したうえで、肘の横ぶれ及び縦ぶれの防止を図り得るようにして、安定した竿操作に寄与し得るようにした釣竿用肘当てグリップを提供することを目的とする。
この発明の釣竿用肘当てグリップは、釣竿の元竿管後端部に配されるものであって、竿軸と略直交する方向及び竿軸方向の少なくとも後端側に輪郭を有した内壁が湾曲状に窪んだ肘当て部が設けられたグリップ本体を備えて構成した。
上記構成によれば、釣り人が、肘あるいは肘近傍をグリップ本体の肘当て部に押し当てて元竿管を保持すると、肘の竿軸と略直交する横方向及び竿軸方向の少なくとも後端側が、輪郭に接触されることにより、元竿管に対する横ぶれ及び縦ぶれが防止されて安定した竿操作が可能となる。そして、これによれば、肘当て部に押し当てた肘の横方向及び縦方向が固定されないことにより、竿軸に対する肘の押し当て位置を、釣り姿勢に応じて適宜に移動調整することができ、可及的に釣り姿勢の多様化を実現することが可能となる。
上述したように、この発明によれば、釣り姿勢の多様化を実現したうえで、肘の横ぶれ及び縦ぶれの防止を図り得るようにして、安定した竿操作に寄与し得るようにした釣竿用肘当てグリップを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る釣竿用肘当てグリップの配置構成を示すもので、詳細を後述するグリップ本体10は、例えば小径竿管を順に大径の竿管内に収容する例えば振出式の釣竿11の元竿管12の竿尻側(後端側)に取り付け配置される。この釣竿11は、先端から順に穂先竿である小径竿管13と、例えば3本である複数本の中竿管141〜143と、最も大径の上記元竿管12とを有し、釣人が握持する握り部15をこの元竿管12の竿尻側に形成してある。この釣竿11は、例えば海釣用に適した釣竿として形成してあり、元竿管12に形成したリールシート16に、釣糸を収容する片軸リールを魚釣用リール17として取り付けてある。このリール17に代えて、図示しない両軸リールやスピニングリールを用いることも可能である。
この釣竿11は、炭素繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグ(以下の説明では、単にプリプレグと称する)を周方向、軸方向あるいは軸線に対して適宜角度に傾斜した偏向方向に引き揃えて巻回し、これらの複数の本体層を積層した中空竿管から形成してある。これに代え、特に小径竿管13については、このような中空構造に限らず、釣竿11を大きく撓ませることが可能な中実構造に形成することもできる。勿論、このような釣竿11は、振出式の他にも、並継ぎ式あるいは印籠継ぎ式等の他の適宜の継合形式を採用することもできる。
さらに、この釣竿11には、中竿管141,142,143及び元竿管12の外面に釣り糸が付着するのを防止する固定釣糸ガイド18が、魚釣用リール17と同じ側で、釣竿11の穂先に向けて所定間隔をおいて固定され、その小径竿管13の先端には、トップガイド131が固定されている。このうち固定釣糸ガイド18は、各中竿管141,142,143及び元竿管12の先端側にそれぞれ固定される。そして、これら小径竿管13、中竿管141,142,143は、大径の元竿管12から振出されたときに、その中間部のガイド止まり位置に保持可能な遊動釣糸ガイド19がそれぞれ移動可能に設けられている。
ここで、この発明の特徴とする上記グリップ本体10について図2及び図3を参照して詳細に説明する。即ち、グリップ本体10は、例えば上記釣竿11に比して軟質なエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、コルク、合成樹脂、ゴム、エラストマー等の軟性材料で成形され、上記釣竿11の元竿管12の竿尻側に、リールシート16と略180°対向した位置に肘当て面側が取り付け配置される(図1参照)。このグリップ本体10には、嵌着部101が元竿管12の竿尻側に対応して設けられ、この嵌着部101上には、手ぶれ防止用の肘当て部102が積層状に設けられる。この肘当て部102は、少なくとも硬度が、釣竿11の元竿管12に比して柔らかい、例えばJIS K6253デュロメータ硬さ試験タイプEで75°±5°に設定される。
この肘当て部102は、竿軸と略直交する方向及び竿軸方向を含む全周に亘って迫り上がる如き突出した、例えば元竿管12の竿尻側に対応する一方が、竿軸に対して略直交状に切り欠かれた略小判状の輪郭103を有し、その輪郭103から内壁が釣り人の肘形状に対応して湾曲状に窪んだ略お椀形状に形成される(図3参照)。この肘当て部102の輪郭103は、例えば元竿管12の竿尻側の略直交状に切り欠かれた角部にアール(R)が形成される。
そして、この肘当て部102は、その輪郭103の作用により、窪みの深さ寸法Hを、小さく形成し、且つ、その横方向の寸法Bを元竿管12よりも、若干、突出する程度の小さな寸法で、しかも、縦方向の寸法Lも小さな寸法に形成するだけで、釣り人の肘の直交する二方向の手ぶれを防止することが可能となる。また、肘当て部102の輪郭103は、例えば角部がRを有し、しかも、その押し当て面が略小判形状に形成される(図2(b)参照)。これにより、グリップ本体10は、例えば釣り人が脇に挟んだ釣り形態においても、その肘当て部102が衣服に引っ掛かったりすることが防止される。
また、上記グリップ本体10は、上述したように軟性材料で形成していることにより、その肘当て部102の輪郭103に対して釣り人の肘が強く押し付けられても、その肘当て部102のクッション作用により、釣り人の肘に痛みを与えることもなく、同様の釣り姿勢を長時間にわたって、継続することが可能となる。そして、このグリップ本体10は、上述したように釣り人が脇に挟む釣り形態においても、そのクッション作用により、釣り人に痛さを与えることなく、同様の釣り姿勢を長時間にわたって継続することができる。
上記構成において、グリップ本体10は、その嵌着部101が釣竿11の元竿管12の竿尻側に、例えば接着剤を用いて接着されて、その肘当て部102がリールシート16と略180°対向した位置に配置される。そして、釣り人は、元竿管12の握り部15を把持した状態で、その肘部をグリップ本体10の肘当て部102上に押し当てて、魚釣りを実行する。この際、釣り人は、その肘部の横方向(竿軸と略直交する方向)及び縦方向(竿軸方向)が肘当て部102の輪郭103に接触されて、各方向のぶれが防止される。
なお、上記グリップ本体10の嵌着部101を釣竿11の元竿管12に組付け配置する手段としては、接着剤を用いることなく、両面テープ等を用いて取り付けるように構成してもよい。
また、釣り形態、即ち、握り部15の把持形態を変える場合には、その肘当て部102上に押し当てた肘の位置や、向きを変えることで、姿勢に応じた把持形態が容易に可能となる。この把持形態においても、釣り人は、その肘部を、グリップ本体10の肘当て部102の輪郭103に押し当てることで、同様に、その直交する二方向の手ぶれを防止することができる。
このように、上記釣竿用肘当てグリップは、グリップ本体10に竿軸と略直交する方向及び竿軸方向に迫り上がる如きリング状の輪郭103を有する内壁が湾曲状に窪んだ略お椀状の肘当て部102を設けて構成した。
これによれば、釣り人が、肘の一部をグリップ本体10の肘当て部102に押し当てて元竿管12の握り部15を把持すると、肘の竿軸と略直交する横方向及び竿軸方向の縦方向が、輪郭103にフィットするように接触されることにより、肘の元竿管12に対する横ぶれ及び縦ぶれが防止されて、長時間に亘る安定した竿操作が実現される。
そして、これによれば、肘当て部102に対して釣り人の肘の横方向及び縦方向のいずれも元竿管12に対して位置決めされないことにより、竿軸に対する肘の押し当てを、釣り形態に応じて適宜に移動調整することができるため、可及的に釣り形態の多様化の促進を図ることができる。
また、これによれば、肘当て部102を含むグリップ本体10を小型化したうえで、横ぶれ及び縦ぶれの防止が実現されることにより、例えば釣竿11の収納・組立て時においてもグリップ本体10が邪魔になることなく、竿取扱いの簡便にして容易な取扱い操作が実現される。
なお、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、図4乃至図6に示すように構成してもよい。但し、図4乃至図6においては、上記図1乃至図3と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
先ず、図4の実施の形態では、グリップ本体10の肘当て部102の表面に竿軸方向に線状の複数の滑り止め用突条部20を所定の間隔に複数列設けて構成したものである。これによれば、釣り人の肘との間の摩擦力が向上され、肘当て部102の輪郭103と協働して手ぶれ防止の促進が図れることにより、さらに、竿操作の安定性の向上を図ることができる
また、図5の実施の形態では、グリップ本体10の肘当て部102の表面に凸状の複数の滑り止め用突起部21を所定の間隔に設けて構成したものである。これによれば、上記図4の実施の形態と略同様に釣り人の肘との間の摩擦力が向上され、肘当て部102の輪郭103と協働してぶれ防止の促進が図れることにより、さらに、竿操作の安定性の向上を図ることができる。
また、図5の実施の形態では、グリップ本体10の肘当て部102の表面に凸状の複数の滑り止め用突起部21を所定の間隔に設けて構成したものである。これによれば、上記図4の実施の形態と略同様に釣り人の肘との間の摩擦力が向上され、肘当て部102の輪郭103と協働してぶれ防止の促進が図れることにより、さらに、竿操作の安定性の向上を図ることができる。
さらに、図6の実施の形態では、図2と略同様に迫り上がる如きリング状の輪郭103を有する内壁が湾曲状に窪んだ肘当て部102を、グリップ本体10の嵌着部101に対して所定の傾斜角θ(竿軸に対して所定の傾斜角θ)を有して設けるように構成したものである。この肘当て部102の竿軸に対する傾斜角θは、例えば釣り人が握り部15を把持した状態において、その腕と竿軸の関係から人間工学的に設定される。
この図6の実施の形態においても、上記図5の実施の形態と同様に複数の滑り止め用突起部21を、肘当て部102の表面に所定の間隔を有して配することで、さらに、良好な効果が期待される。さらに、この肘当て部102の表面には、滑り止めとして、その他、例えば図4と略同様の線状の突条部20を所定の間隔に複数列設けるように構成してもよい。
また、上記各実施の形態では、いずれも肘当て部102の輪郭103として、略小判状の竿尻側を竿軸に対して略直交状に切り欠いて、その角部にアール(R)を形成するように構成した場合で説明したが、この輪郭形状に限ることなく、構成可能である。即ち、迫り上がって形成される輪郭を、竿軸と略直交する方向及び竿軸方向の少なくとも竿尻側(後端側)に設けるように構成することで、略同様の効果が期待される。
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…グリップ本体、101…嵌合部、102…肘当て部、103…輪郭、11…釣竿、12…元竿管、13…小径竿管、131…トップガイド、141〜143…中竿管、15…握り部、16…リールシート、17…リール、18…固定釣糸ガイド、19…遊動釣糸ガイド、20…突条部、21…突起部。
Claims (4)
- 釣竿の元竿管後端部に配されるものであって、竿軸と略直交する方向及び竿軸方向の少なくとも後端側に輪郭を有した内壁が湾曲状に窪んだ肘当て部が設けられたグリップ本体を備えることを特徴とする釣竿用肘当てグリップ。
- 前記グリップ本体の肘当て部は、元竿管に比して柔軟性を有することを特徴とする請求項1記載の釣竿用肘当てグリップ。
- 前記グリップ本体の肘当て部の表面には、複数の凸状部が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の釣竿用肘当てグリップ。
- 前記グリップ本体の肘当て部は、竿軸に対して傾斜されて設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の釣竿用肘当てグリップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003307339A JP2005073565A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 釣竿用肘当てグリップ |
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JP2003307339A JP2005073565A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 釣竿用肘当てグリップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005073565A true JP2005073565A (ja) | 2005-03-24 |
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Family Applications (1)
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JP2003307339A Pending JP2005073565A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 釣竿用肘当てグリップ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008048619A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Shimano Inc | 釣り竿用肘ホルダー及び釣り竿 |
US7980018B2 (en) * | 2007-07-12 | 2011-07-19 | Selfors Robert | Handle for fishing rod |
-
2003
- 2003-08-29 JP JP2003307339A patent/JP2005073565A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008048619A (ja) * | 2006-08-22 | 2008-03-06 | Shimano Inc | 釣り竿用肘ホルダー及び釣り竿 |
US7980018B2 (en) * | 2007-07-12 | 2011-07-19 | Selfors Robert | Handle for fishing rod |
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