JP2005073466A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を、同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子を組み立てる際、永久磁石を支持軸に接着することを必要としないリニアモータを構成する。
【解決手段】 中心軸に平行的な条体である凸部(10a)を内周面に備える永久磁石10を、凸部(10a)に対応する溝部11aを外周面に備える支持軸11に外嵌し、溝部11aに沿った永久磁石10の移動を係止することを可能とするために溝部11aの内側面に設けられた凹部11bに凸部(10a)を嵌合して固定子1を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 中心軸に平行的な条体である凸部(10a)を内周面に備える永久磁石10を、凸部(10a)に対応する溝部11aを外周面に備える支持軸11に外嵌し、溝部11aに沿った永久磁石10の移動を係止することを可能とするために溝部11aの内側面に設けられた凹部11bに凸部(10a)を嵌合して固定子1を構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように連ねてなる固定子と、該固定子の外周に備えられる筒状の可動子とから構成されるリニアモータに関する。
リニアモータは、レールに相当する固定子と固定子に沿って直線運動をする可動子とから構成される。固定子は、複数の永久磁石を一方向に連ね、N極とS極とを周期的に並べたものである。可動子はコイルを備えており、該コイルを流れる電流と固定子を構成する永久磁石が作る磁場とが相互作用をし、可動子は推進力を得る。
従来の固定子は、両面に磁極を有する複数の円盤状の永久磁石を連ねて構成される円柱形状の部材であり、各永久磁石は互いに異種の磁極が対向するように接触設置されている。円柱状である固定子の外周には、筒状の可動子が、固定子の軸方向に沿って摺動自在に備えられている。筒状の可動子は、周方向に巻かれたコイルを備えている(特許文献1)。
このように構成されるリニアモータにおいては、リニアモータの動作中に固定子から可動子が外れず、また、固定子が回転対称形であるため、リニアモータの使用箇所に固定子を設置する際、取り付けられる固定子の向きを考慮する必要がないといった利点を有している。
特開平5−15139号公報
ところが、このように構成される固定子においては、永久磁石が作る磁場を磁力線で考えた場合、N極から伸びる磁力線の一部は固定子の周面外部に伸びることなくS極に達し、可動子が備えるコイルに達しない。また、一部の磁力線は固定子の周面外部に伸びるが、緩い弧を描くようにN極からS極に達するため、磁力線は固定子の径方向に比べ、軸方向に向いているが、軸方向を向いた磁力線は可動子が備えるコイルに流れる電流に推進力を、つまり固定子の軸方向に力を及ぼさない。このため、固定子が作る磁場とコイルに流れる電流とが効果的に相互作用せず、可動子の推進力が効果的に得られないという問題があった。
この問題を解決し、より強い推進力を得ることが可能となる固定子を備えるリニアモータが知られている。図7は、該リニアモータの要部を模式的に示した側面図であり、特に固定子については、断面図で示した。固定子201は、両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石210を、互いに同種の磁極が対向するように、非磁性体である円柱状の支持軸211に外嵌し構成される。各永久磁石210は支持軸211に接着固定されている。円柱状の固定子201の外周には、筒状の可動子202が固定子201の軸方向に摺動自在に備えられている。
このように構成される固定子201が備える永久磁石が作る磁場の様子を、図7中、破線で示した磁力線を用いて説明する。永久磁石210が有するN極同士は対向しているため、各N極から伸びる磁力線の大部分は永久磁石210の径方向に伸び、固定子201の周面外部まで伸びた磁力線は弧を描き、N極と対をなすS極の方向へ伸びる。該S極も他の永久磁石201が有するS極と対向しているため、前記S極に達する磁力線は固定子201の径方向を向きながらS極へと達する。つまり、永久磁石210は効果的に周面外部に磁場を作ることができ、また、各永久磁石210の対向部分では、固定子201の径方向成分が大きい磁場を作ることができる。磁場の成分の内、固定子201の径方向成分は、可動子202が備えるコイルに流れる電流に推進力を及ぼす。従って、異種の磁極が対向するように構成される固定子に比べ、同種の磁極が対向するように構成される固定子201を備えるリニアモータは、強い推進力を得ることが可能となる。
しかしながら、同種の磁極が対向するように構成される固定子においては、互いに同種の磁極同士が反発するため、固定子を組み立てる際、各永久磁石を支持軸に固定する接着剤が固化するまでの間、各永久磁石及び支持軸を治具で保持する必要があり、リニアモータの生産性が低いという問題があった。
また、固定子を組み立てる際、固化した接着剤が剥がれた場合、各永久磁石が互いに反発し、支持軸から飛び出すという危険があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、固定子の組み立ての際、永久磁石を支持軸に接着する必要がなく、永久磁石が支持軸から飛び出さない固定子を備えるリニアモータを提供することを目的とする。
本発明に係るリニアモータは、両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子と、該固定子の外周に備えられ、前記固定子の軸方向に摺動自在である可動子とを備えるリニアモータにおいて、前記永久磁石は内周面に凸部を備え、前記支持軸は前記凸部に対応する溝部を外周面に備え、該溝部は、前記凸部に嵌合し、溝に沿った前記永久磁石の移動を係止する凹部を内側面に有することを特徴とする。
本発明にあっては、支持軸は、永久磁石が備える凸部に対応する溝部を外周面に備えているため、固定子の組み立ての際、永久磁石の凸部を溝部に合わせ、永久磁石を前記溝部に沿って移動させることができる。
また、溝部は凸部に嵌合する凹部を内側面に有しており、該凹部の形状は、溝に沿った永久磁石の移動を係止するような形状であるため、固定子の組み立ての際、永久磁石の凸部を前記凹部に嵌合させることにより、永久磁石が備える凸部を凹部の一側面に当接させ、溝に沿った永久磁石の移動を係止することが可能となる。複数の中空円盤状の永久磁石が支持軸に外嵌されている場合、各永久磁石が互いに反発し、溝部の溝に沿って移動する方向の力を受けた時も、永久磁石が備える凸部を凹部に嵌合させることにより、永久磁石が備える凸部を凹部の一側面に当接させ、永久磁石が該溝に沿って移動することを係止することが可能となる。
更に、前記溝に沿った永久磁石の移動を係止する形状を有する凹部に凸部が嵌合している場合、永久磁石同士の反発力により、永久磁石が前記溝に沿って移動する方向の力を受けている時、互いに当接する凸部及び凹部は前記溝に沿う方向の圧を受ける。従って、中空円盤状の永久磁石が備える凸部が凹部から外れる方向の力、例えば溝の内側面に垂直的な力を受けた時であっても、凸部及び凹部には摩擦力が働き、凸部は凹部から外れない。
本発明に係るリニアモータは、両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子と、該固定子の外周に備えられ、前記固定子の軸方向に摺動自在である可動子とを備えるリニアモータにおいて、前記永久磁石は内周面に凸部を備え、前記支持軸は前記凸部に対応する溝部を外周面に備え、該溝部は、溝に沿った段状部を内側面に有することを特徴とする。
本発明にあっては、固定子の組み立ての際、永久磁石の凸部を、溝部の溝に沿った段状部に係合させることにより、凸部を段状部の一側面に当接させ、該溝に沿った永久磁石の移動を係止することが可能となる。複数の中空円盤状の永久磁石が支持軸に外嵌されている場合、各永久磁石が互いに反発し、前記溝に沿って移動する方向の力を受けた時も、永久磁石が備える凸部を段状部の一側面に当接させることにより、前記溝に沿った永久磁石の移動を係止することができる。
また、段状部に永久磁石の凸部が係合している場合、永久磁石同士の反発力により、永久磁石が前記溝に沿って移動する方向の力を受けている時、凸部及び段状部の一側面は互いに圧を及ぼし合う。従って、永久磁石が備える凸部が段状部から外れる方向の力を受けた時であっても、凸部及び段状部の一側面には摩擦力が働き、凸部は段状部から外れない。
本発明に係るリニアモータにおいて、前記凸部は、前記永久磁石の中心線と平行的な条体であることを特徴とする。
本発明にあっては、凸部は永久磁石の中心線と平行的な条体であるため、簡単な製造工程で凸部を簡易に形成することができる。一方、該凸部は、永久磁石の反発により凸部にかかる圧により強く耐え、より強い磁力を有する永久磁石を支持軸に係止させることが可能となる。
本発明にあっては、リニアモータを構成する固定子の組み立ての際、互いに反発する永久磁石を、支持軸に接着することなく、支持軸に係止させることができるため、リニアモータの生産性を向上させることができる。また、永久磁石が支持軸から不意に飛び出す恐れを低くすることができる。
本発明にあっては、リニアモータの生産性を向上させ、より強い推進力を有するリニアモータを構成することが可能となる。
(実施の形態1)
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、実施の形態1に係るリニアモータを模式的に示す側面断面図である。リニアモータは円柱状の固定子1と、固定子1の外周に備えられ、固定子1に沿って摺動可能な筒状の可動子2とから構成される。
図2は、実施の形態1に係るリニアモータを構成する固定子1の要部を模式的に示す分解斜視図である。固定子1は、両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石10を非磁性体である円柱状の支持軸11に外嵌し構成されており、各永久磁石10は互いに同種の磁極が対向するように接触設置されている。永久磁石10は、永久磁石10の中心軸に平行的な条体である凸部10aを内周面に備える。支持軸11は、凸部10aに対応する一条の溝部11aを、支持軸11の両端に亘って、支持軸11の外周面に備える。更に、溝部11aは、凸部10aに嵌合し、溝に沿った中空円盤状の永久磁石10の移動を係止する複数の凹部11b、すなわち、支持軸11の外周面側から見て矩形状の断面を有し、支持軸11の径方向及び周方向に開口した凹部であり、その幅が中空円盤状の永久磁石10の両環状面間の幅に等しい凹部11bを、内側面に有している。複数の凹部11bは、溝部11aに沿って、内側面の一方側と他方側と交互に設けられている。
永久磁石10及び支持軸11は次の要領で組み立てられ、固定子1を構成する。凸部10aを溝部11aに合わせ、一つ目の永久磁石10を溝部11aの溝に沿って移動させることにより、永久磁石10を支持軸11の端部(図1中、支持軸11の左端部)まで嵌挿した後、永久磁石10を、図中右方向から見て反時計回りに回転させることにより凸部10aを凹部11bに嵌合させる。同様に、2つ目の永久磁石10を一つ目の永久磁石10と接触する位置まで嵌挿し、永久磁石10を、図中右方向から見て時計回りに回転させることにより凸部10aを凹部11bに嵌合させる。以下同様にして、全ての永久磁石10を支持軸11に嵌挿させ、各永久磁石10を周方向に回転させ、各永久磁石10が備える凸部10aを凹部11bに嵌合させる。全ての永久磁石10を支持軸11に外嵌した後、支持軸11の一端部にCリング12を取り付ける。
図3は図1中のIII−III線断面図であり、図1中、左方から3番目の永久磁石10の断面図である。永久磁石10が備える凸部10aは、図3中において溝部11aの右方内側面に設けられた凹部11bに嵌合している。永久磁石10は隣接する永久磁石10との間に働く磁力による反発力、この場合、紙面の奥向きの力を受け、凹部11bの一側面に凸部10aの一側面が押し付けられた状態で、凸部10a及び凹部11bが嵌合している。また、図1中左方から奇数番目の永久磁石10も、図3に示す永久磁石10と同様な状態にある。
図4は図1中のIV−IV線断面図であり、図1中、左方から4番目の永久磁石10の断面図である。永久磁石10が備える凸部10aは、図4中において溝部11aの左方内側面に設けられた凹部11bに嵌合している。凸部10a及び凹部11bは、図3で示した場合と同様に、凹部11bの一側面に凸部10aの一側面が押し付けられた状態にある。また、図1中、左方から偶数番目の永久磁石10も、図4に示す永久磁石10と同様な状態にある。
可動子2は、固定子1に比べ径が僅かに大きい筒上のバックヨーク24と、バックヨーク24を固定子1の軸方向に沿って摺動自在に支持する非磁性体の摺動リング22とを備えており、バックヨーク24は、永久磁石10が作る磁場と相互作用をする8つのコイル20a〜20d、21a〜21bを外周に備える。コイル20a〜20dは、バックヨーク24の外周面に巻かれた筒状のコイルであり、その幅は永久磁石10の両環状面間の幅τより短く、固定子1に対する可動子2の相対位置が所定の位置にある場合、各コイル20a〜20d夫々が永久磁石10同士の接触面の外周に位置するように配置されている。コイル20a及びコイル20cはコイル20b及びコイル20dと逆向きにコイルが巻かれている。コイル21a〜21dは、コイル20a〜20dが巻かれた層の更に外周に備えられた筒状のコイルであり、各コイル21a〜21dはコイル20a〜20dの位置からτ/2だけ可動子2の軸方向にずれた位置に配置され、コイル21a〜21dの幅及び各コイル21a〜21dの位置関係はコイル20a〜20dと同様である。コイル21a及び21cはコイル21b及びコイル21dと逆向きにコイルが巻かれている。また、コイル21a〜21dの外周には被覆部材25が設けられており、可動子2の端部に、固定子1に対する可動子2の相対位置を検出するホール素子23を備えている。更に、可動子2は、導線を通じて、コイル20a〜20d、21a〜21dに電力を供給する電源(不図示)、及びホール素子23の信号から固定子1に対する可動子2の相対位置を検出し、コイル20a〜20d、21a〜21dに加える電圧を制御する制御装置(不図示)に繋がっている。
このように構成されるリニアモータの動作を説明する。図5は、本発明に係るリニアモータの動作説明図である。
可動子2に繋がる制御装置は、左右方向に固定された固定子1に対する可動子2の相対位置をホール素子23により検出し、可動子2の相対位置に応じた電圧をコイル20a〜20d、21a〜21dに加え、可動子2を推進させる。
例えば、ホール素子を貫く磁場に応じて出力されるホール素子23の信号から、可動子2が図5(a)に示す相対位置にあること、つまり、N極同士が対向する永久磁石10の接触面の外周近傍にコイル21a、21cが位置し、S極同士が対向する永久磁石10の接触面の外周近傍にコイル21b、21dが位置することを制御装置が検出した場合、コイル21a〜21dに電圧が加えられる。電圧の向きは、コイル21a、21cに電流が流れた場合、コイル21a、21cの左方向にN極、右方向にS極が励磁される向きである。コイル21b、21dには、コイル21a及びコイル21cと逆向きに電流が流れ、従って、左方向にS極、右方向にN極が励磁される。コイル21a〜21dを流れる電流は、コイル21a〜21dを貫く磁束と相互作用をし、つまり、該電流に、図中右向きのローレンツ力が働き、可動子2は固定子1に沿って右方向に移動する。なお、コイル21a〜21dに供給される電力は、制御装置により制御される電源により供給される。
可動子2が右方向にτ/2移動した場合、可動子2に働く左右方向の力が釣り合う。固定子1に対する可動子2の相対位置が、図5(b)にあること、つまり、N極同士が対向する永久磁石10の接触面の外周にコイル20a、20cが位置することをホール素子23からの信号により制御装置が検出した場合、コイル20a〜20dに電圧が加えられる。電圧の向きは、コイル20a、20cに電流が流れた場合、コイル20a、20cの左方向にN極、右方向にS極が励磁される向きである。コイル20b、20dには、コイル20a、20cと逆向きの電流が流れ、左方向にS極、右方向にN極が励磁される。コイル20a〜20dを流れる電流には、図5(a)の場合と同様にローレンツ力が働き可動子2は固定子1に沿って右方向に移動する。
可動子2が更に右方向にτ/2移動した場合、可動子2に働く左右方向の力が釣り合う。固定子1に対する可動子2の相対位置が、図5(c)にあること、つまり、S極同士が対向する永久磁石10の接触面の外周近傍にコイル21a、21cが位置することをホール素子23からの信号により制御装置が検出した場合、コイル21a〜21dに電圧が加えられる。電圧の向きは、図5(a)の場合と逆向きである。つまり、コイル21a、21cに電流が流れた場合、コイル21a、21cの左方向にS極、右方向にN極が励磁される向きである。コイル21b、21dには、コイル21a、21cと逆向きの電流が流れる。コイル21a〜21dを流れる電流には、図5(a)の場合と同様にローレンツ力が働き可動子2は固定子1に沿って右方向に移動する。
可動子2が更に右方向にτ/2移動した場合、可動子2に働く左右方向の力が釣り合う。固定子1に対する可動子2の相対位置が、図5(d)にあること、つまり、S極同士が対向する永久磁石10の接触面の外周近傍にコイル20a、20cが位置することをホール素子23からの信号により制御装置が検出した場合、コイル20a〜20dに電圧が加えられる。電圧の向きは、図5(b)の場合の逆向きである。つまり、コイル20a、20cに電流が流れた場合、コイル20a、20cの左方向にS極、右方向にN極が励磁される向きである。コイル20a〜20dを流れる電流には、図5(a)の場合と同様にローレンツ力が働き可動子2は固定子1に沿って右方向に移動する。
可動子2が更に右方向にτ/2移動した場合、可動子2は図5(a)に示す相対位置に達し、可動子2に働く左右方向の力が釣り合う。以後、同様に図5(a)乃至図5(d)に示す過程を繰り返し、可動子2は固定子1に沿って右方向に運動する。
なお、可動子2を固定子1に沿って左方向に移動させたい場合、コイル20a〜20d又はコイル21a〜21dに加える電圧の向きを、図5(a)乃至図5(d)において説明した電圧の向きと逆向きにすればよい。
本実施の形態に示すように構成されるリニアモータにあっては、固定子1の組み立ての際、互いに反発する複数の中空円盤状の永久磁石10を支持軸11に接着する必要がなく、固定子1を効率良く組み立てることができる。つまり、永久磁石10が備える凸部10aを溝部11aの溝に沿って移動させることにより永久磁石10を支持軸11に外嵌させ、凸部10aを凹部11bに嵌合させることによって、永久磁石10が前記溝に沿って移動することを係止することができ、このため、永久磁石10を支持軸11に接着し、接着剤が固化するまで固定子1を治具で保持する必要がなくなり、固定子1を備えるリニアモータの生産性を向上させることが可能となる。
また、固定子1の組み立ての際、永久磁石10を支持軸11に接着剤を使用して固定する必要がないため、固定子1の組み立ての際、接着剤が剥がれ、永久磁石10が支持軸11から不意に飛び出すという危険がない。
更に、永久磁石10が備える凸部10aと支持軸11が備える凹部11bとに働く摩擦力により、永久磁石10に凸部10aが凹部11bから外れる方向の力が働いた場合であっても、容易に永久磁石は回転せず、永久磁石10の凸部10aが凹部11bから外れ、不意に支持軸から永久磁石10が飛び出す危険性はない。例えば、支持軸11に取り付けられたCリング12が外れた場合であっても、永久磁石10が支持軸11から飛び出す危険はない。
更にまた、凸部10aは永久磁石10の中心線と平行的な条体であるため、凸部10aを比較的簡易に形成することができ、リニアモータの生産性を向上させることができる。
更にまた、永久磁石10の中心線と平行的な条体である凸部10aは、強い磁力を有する永久磁石10を支持軸11に係止させることが可能であるため、強い推進力を有するリニアモータを構成することができる。
なお、実施の形態の説明においては、溝部11aは凸部10aに嵌合し、溝部11aに沿った永久磁石10の移動を係止する凹部11bを内側面に備えるとしているが、溝部11aは段状部を内側面に備えていると考えても良い。
なお、永久磁石10が備える凸部は、永久磁石の中心軸に平行的な条体に限るものではなく、例えば、略円柱状の凸部であってもよいことは言うまでもない。この場合、該凸部に対応し、所定位置に永久磁石を支持軸に係止することができるように溝部の内側面に凹部を設けると良い。
また、溝部が備える凹部の形状についても、実施の形態1で示した形状である必要はなく、凸部が嵌合し、溝部に沿った永久磁石の移動を係止することが可能な形状であればどのような形状であってもよい。例えば、支持軸の径が小さい部分を、軸に沿って周期的に設けることで形成される凹部であってもよい。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係るリニアモータを模式的に示す側面断面図である。非磁性体の支持軸111は、凸部10aに対応する一条の溝部111aを、支持軸111の両端に亘って、支持軸111の外周面に備えており、溝部111aは、溝に沿った複数の段状部111bを両内側面に有している。溝部111aが備える内側面の段部分の溝に沿う方向の幅は永久磁石10の環状面間の幅に等しい。
図6は、実施の形態2に係るリニアモータを模式的に示す側面断面図である。非磁性体の支持軸111は、凸部10aに対応する一条の溝部111aを、支持軸111の両端に亘って、支持軸111の外周面に備えており、溝部111aは、溝に沿った複数の段状部111bを両内側面に有している。溝部111aが備える内側面の段部分の溝に沿う方向の幅は永久磁石10の環状面間の幅に等しい。
永久磁石10及び支持軸111は次の要領で組み立てられ、固定子101を構成する。凸部10aを溝部111aに合わせ、一つ目の永久磁石10を溝部111aの溝に沿って移動させることにより、永久磁石10を支持軸111の端部(図6中左端部)まで外嵌した後、永久磁石10を、図中右方向から見て反時計回りに回転させることにより凸部10aを段状部111bに係合させる。同様に、2つ目の永久磁石10を一つ目の永久磁石10に接触する位置まで嵌挿し、永久磁石10を、図中右方向から見て反時計回りに回転させることにより凸部10aを段状部111bに係合させる。以下同様にして、全ての永久磁石10を支持軸111に嵌挿させ、各永久磁石10を周方向に回転させ、各永久磁石10が備える凸部10aを段状部111bに係合させる。なお、支持軸111以外の構成は実施の形態1と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
実施の形態2に係る固定子101を備えるリニアモータにあっては、固定子101の組み立ての際、互いに反発する複数の永久磁石10を支持軸111に接着する必要がなく、固定子101を効率良く組み立てることができる。つまり、永久磁石10が備える凸部10aを溝部111aの溝に沿って移動させることにより永久磁石10を支持軸111に外嵌させ、凸部10aを段状部111bに係合させることによって、永久磁石10が前記溝に沿って移動することを係止することができ、このため、永久磁石10を支持軸111に接着し、接着剤が固化するまで固定子101を治具で保持する必要がなくなり、従って、固定子101を備えるリニアモータの生産性を向上させることが可能となる。
また、固定子101の組み立ての際、永久磁石10を支持軸111に接着剤を使用して固定する必要がないため、固定子101の組み立ての際、接着剤が剥がれ、永久磁石10が支持軸111から不意に飛び出すという危険がない。
更に、永久磁石10が備える凸部10aの側面のうち中心軸方向の側面と、段状部111b、則ち溝部111aの内側面のうち、支持軸111の中心軸方向の側面との間に働く摩擦力により、永久磁石10に凸部10aが段状部111bから外れる方向の力、例えば支持軸111の周方向の力が働いた場合であっても、容易に永久磁石10は回転せず、永久磁石10の凸部10aが段状部111bから外れ、不意に支持軸111から永久磁石10が飛び出す危険性はない。
なお、永久磁石の磁力が比較的弱い場合、両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子と、該固定子の外周に備えられ、前記固定子の軸方向に摺動自在である可動子とを備えるリニアモータにおいて、前記支持軸は端部にピン穴を備え、該ピン穴に嵌挿された抜け止めピンと前記永久磁石との間に弾性体が介装され、前記永久磁石が付勢されていることを特徴とするリニアモータによっても、リニアモータの生産性を向上させることが可能である。
該リニアモータにあっては、永久磁石は、弾性体の弾性力によって支持軸の軸方向に付勢され、永久磁石間の反発力に抗して各永久磁石は互いに接触した状態となる。従って、永久磁石を支持軸に接着固定する必要がないため、生産性が向上する。なお、前記抜け止めピンをCリングに代えても良い。
1 固定子
2 可動子
10 永久磁石
10a 凸部
11 支持軸
11a 溝部
11b 凹部
111b 段状部
2 可動子
10 永久磁石
10a 凸部
11 支持軸
11a 溝部
11b 凹部
111b 段状部
Claims (3)
- 両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子と、該固定子の外周に備えられ、前記固定子の軸方向に摺動自在である可動子とを備えるリニアモータにおいて、
前記永久磁石は内周面に凸部を備え、
前記支持軸は前記凸部に対応する溝部を外周面に備え、
該溝部は、前記凸部に嵌合し、溝に沿った前記永久磁石の移動を係止する凹部を内側面に有することを特徴とするリニアモータ。 - 両環状面に磁極を有する複数の中空円盤状の永久磁石を同種の磁極が対向するように支持軸に外嵌してなる固定子と、該固定子の外周に備えられ、前記固定子の軸方向に摺動自在である可動子とを備えるリニアモータにおいて、
前記永久磁石は内周面に凸部を備え、
前記支持軸は前記凸部に対応する溝部を外周面に備え、
該溝部は、溝に沿った段状部を内側面に有することを特徴とするリニアモータ。 - 前記凸部は、前記永久磁石の中心線と平行的な条体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003303622A JP2005073466A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | リニアモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003303622A JP2005073466A (ja) | 2003-08-27 | 2003-08-27 | リニアモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005073466A true JP2005073466A (ja) | 2005-03-17 |
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ID=34407566
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005073466A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006243356A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Nidec Sankyo Corp | レンズ駆動装置 |
US8643453B2 (en) | 2008-12-08 | 2014-02-04 | Nichia Corporation | Cylindrical bonded magnet, method for producing a cylindrical bonded magnet, and rod-shaped magnet device |
US8830019B2 (en) | 2010-09-29 | 2014-09-09 | Nichia Corporation | Cylindrical bonded magnet structure |
JP2016134984A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | 修二 小畑 | ソレノイド駆動装置 |
-
2003
- 2003-08-27 JP JP2003303622A patent/JP2005073466A/ja active Pending
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