JP2005073412A - 回転電機用ウエッジおよびステータ - Google Patents

回転電機用ウエッジおよびステータ Download PDF

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Abstract

【課題】 環状ステータのスロット内に備えられるウエッジにおいて、ウエッジの挿入時にスロット紙を損傷することや、挿入時の力でウエッジが座屈することを防止可能なウエッジおよび前記ウエッジを備えてなる環状ステータを提供することである。
【解決手段】 ウエッジ部材8の先端部8cは、基部8aがなく、立ち上がり部8bが直結されて形成される頂部8hを備え底辺の幅WH0を有する2つ折りにされてなる三角形形状を有する。またウェッジ部材8の位置X1からX2までは、基部8aの幅がゼロから幅Wまで連続的に増加するため、ウェッジ部材8の(スロット紙稜線9bで構成される面における)断面形状は図6の断面8kから図7の断面8mまで除々に断面形状が遷移する。すなわちステータコア3aの周方向の幅は幅WH1から幅WH2へ除々に増加する。
【選択図】 図1



Description

本発明は、回転電機のステータを構成するステータコア内周面に軸方向に形成されたコイル収容用のスロット内に、その開放側を塞ぐように収容されるウエッジ、および本発明のウエッジを使用するステータに関するものである。
特許文献1に開示されているスロット開口部閉塞体を図10(文献図1(A))に示す。閉塞体本体106は、図示のように横断面形状が台形状をなすように両側から立ち上がる立上がり部106aと、これら立上がり部106aの頂部をつなぐ平坦部106bとに可撓性絶縁体であるアラミド紙を折り曲げて成形される。その頂部の平坦部106bの長手方向の端部に牽引用連結部としての孔107が設けられている。この平坦部106bは、スロット102(図11)内に挿入された状態ではその周面開口部102aに対向し、このため該平坦部106bに牽引用連結部が設けられていると、後述する牽引手段としての牽引治具との連結を支障なく行うことができる。
図11に示すように、積層鉄心101のスロット102内にスロット絶縁シート103を配置しコイル導体104を収納した状態で、スロット102内に、その周面開口部102aを塞ぐようにスロット開口部閉塞体105を該積層鉄心101の積層方向(矢印X方向)に沿って挿入するのであるが、この時、前述したようにスロット開口部閉塞体105の牽引用連結部としての孔107を利用して該スロット開口部閉塞体105の先端に牽引治具110を連結し、該牽引治具110のスロット開口部挿入部材112をスロット102の一方の端側開口部102cから周面開口部102a内に挿入し、治具本体111を例えば作業者が手で掴んで積層鉄心101の内周面に沿って一方の端側開口部102cから他方の端側開口部102cに向けて滑らせながら移動する。これにより、スロット開口部挿入部材112の底部でスロット102内の各コイル導体104の表面を押圧しながら牽引治具110が進行し、この牽引治具110の進行でスロット開口部閉塞体105が牽引されつつスロット102内に、その周面開口部102aを塞ぐように積層鉄心101の積層方向に沿って挿入される。このようにスロット開口部閉塞体105の牽引用連結部としての孔107に牽引治具110を連結して、該牽引治具110で牽引しながらスロット102内に、その周面開口部102aを塞ぐように積層鉄心101の積層方向に沿って挿入する技術が開示されている。
特開平10−23699号公報(段落0027−0039、図1および図5)
しかしながら、前記特許文献1では、スロット開口部挿入部材112を必要とするため、スロット102内にコイル導体104が高密度に収納されるような占積率が高い回転電機の場合には、スロット開口部挿入部材112が厚みを有するためコイル導体104と干渉して挿入作業が難しくなり問題である。また厚みを持ったスロット開口部挿入部材112がスロット102内に挿入できる程度にコイル導体104の収納量を抑えると、占積率を高めることができず回転電機の性能向上が図れずに問題である。
またスロット開口部挿入部材112を用いずにスロット102内にスロット開口部閉塞体105を挿入すると、挿入時にスロット開口部閉塞体105とスロット絶縁シート103とが接触・干渉し、スロット絶縁シート103が破れる事態や、スロット絶縁シート103とスロット102の内壁との間にスロット開口部閉塞体105が入り込んでしまう事態等が発生し問題である。またスロット開口部閉塞体105は可撓性があり、押し込む途中でスロット開口部閉塞体105の先端部がスロット絶縁シート103等と接触し挿入抵抗が上がると、挿入時の力でスロット開口部閉塞体105が座屈する事態が発生し問題である。
本発明は前記従来技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、
絶縁紙によって形成されるスロット開口部閉塞体(ウエッジ)において、スロットへの挿入性を高め、挿入時の力でウエッジが座屈する事態や、スロット紙に傷等のダメージを与えることを防止できることが可能なウエッジおよびステータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係るウエッジは、両側から立ち上がる立ち上がり部と、立ち上がり部の頂部をつなぐ基部とを備え、ロータに対向してロータ回転軸方向に開口されてなる周面開口部を有する環状ステータのスロット内に周面開口部を塞いで備えられるウエッジにおいて、ロータ回転軸方向の端部のうち少なくとも何れか一方の端部における基部の幅が、ロータ回転軸方向の中央部における基部の幅に比して狭いことを特徴とする。ウエッジの端部から、スロット内にウエッジが挿入される。ウエッジは、ウエッジの基部がスロットの周面開口部に向き合い、立ち上がり部が基部に対して環状ステータの外周方向に存在するように挿入される。またウエッジの挿入方向の中心線と、スロットの周面開口部におけるロータ回転軸方向の中心線とが一致するように挿入される。
また請求項4に係る環状ステータは、両側から立ち上がる立ち上がり部と、立ち上がり部の頂部をつなぐ基部とを備え、ロータに対向してロータ回転軸方向に開口されてなる周面開口部を有する環状ステータのスロット内に周面開口部を塞いで備えられるウエッジにおいて、ロータ回転軸方向の端部のうち少なくとも何れか一方の端部における基部の幅が、ロータ回転軸方向の中央部における基部の幅に比して狭いことを特徴とするウエッジを備えてなる。
これにより、ウエッジの端部での基部の幅が、ウエッジ中央部の基部の幅より狭いため、ウエッジの挿入時にウエッジ先端部の位置がぶれた場合等に先端部がスロット紙等に接触することを防止でき、スロット紙が破損する事態や、ウエッジの挿入時の抵抗が上がってウエッジが座屈する事態を防ぐことができる。またウエッジを挿入する案内部材が不要となるため、案内部材がスロット内を通過するために必要な空間が不要となり、コイル巻線の占積率を高めることが可能である。
また請求項2に係るウエッジは、請求項1に記載のウエッジにおいて、端部において、基部の幅は先端部に向かうに従い狭くなることを特徴とする。スロット内壁面のある固定観測点から見た場合、スロットにウエッジが挿入されることに応じて除々にウエッジの幅が増加する。
これにより、ウエッジとスロット内の壁面とが急激に接触することを防止できるため、挿入時の抵抗が急激に上がり挿入時の力でウエッジが座屈する事態や、スロット内に備えられるスロット紙に傷等のダメージを与えることを防止できる。
また請求項3に係るウエッジは、請求項2に記載のウエッジにおいて、先端部は、立ち上がり部の頂部が直結されて形成される屈曲頂部を備えることを特徴とする。先端部には基部はなく、2辺の立ち上がり部により構成され、少なくとも一箇所以上の折れ曲がりを有している。
これにより、スロット内にウエッジが挿入される際にウエッジ先端部がスロット紙等に接触した場合に、ウエッジの折れ曲がりを支点としてウエッジが変形することにより接触した際の力を吸収することができ、スロット紙やウェッジが破損する等の事態を防止することができる。
本発明によれば、環状ステータのスロット内に備えられるウエッジにおいて、ウエッジのスロットへの挿入性を高めることで、スロット紙を破損する事態や、挿入時の力でウエッジが座屈する事態を防止できることが可能なウエッジおよび前記ウエッジを備えてなる環状ステータを提供することが可能となる。
以下、本発明のウエッジおよび環状ステータについて具体化した実施形態を図1乃至図10に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明にかかるウエッジ部材を図1に示す。ウェッジ部材8は、絶縁性の樹脂成型体であり、後述するステータコア3aの軸方向の厚さに対応したウエッジ長Lを有している。そしてウェッジ部材8のうち、コイル巻回済スロットに挿入される先端部8cでは、テーパ状に切り欠いた切り欠き部8dが立ち上がり部8bに形成される形状である。一方、後端部8eは先端部8cとは逆に、テーパ状に延びた飛び出し部8fが立ち上がり部8bに形成される形状である。先端部8cを位置X0とすると、位置X0は基部8aがなく、また切り欠き部8dが形成されている。よって位置X0におけるA−A線における断面図Aは、頂部8hを備え底辺の幅WH0を有する2つ折りにされてなる三角形形状を有する。なお先端部8cにおいて立ち上がり部8bが直結されて形成される頂部8hは、屈曲頂部の一例である。また位置X1から位置X2までの領域は幅が変化する基部8aと立ち上がり部8bとを備える形状であり、位置X1から位置X2に位置が変化するに応じて基部8aの幅が連続的に増加する。すなわち位置X1におけるB−B線における断面図Bは、頂部8hを備え底辺の幅WH1を有する2つ折りにされてなる三角形形状を有するが、位置X2におけるC−C線における断面図Cでは、基部8aとその両端部に立ち上がり部8bとを備え底辺の幅がWH2である台形形状を有する。そして位置X2から位置X3までの領域は、基部8aの幅が一定値Wである。
また、従来のウエッジの一例であるウエッジ部材108を図12に示す。ウエッジ部材108は位置X0から位置X3までの領域において一定の幅Wを有する基部8aと立ち上がり部8bとを備える形状である。またウエッジ部材108の先端部108cの位置X0におけるD−D線における断面図Dは、幅WJ0を有する直線の形状を有し、位置X1におけるE−E線における断面図Eでは、基部108aとその両端部に立ち上がり部108bとを備え底辺の幅がWJ1である台形形状を有する。その他の部分の形状は図1における本発明のウェッジ部材8と同様である。
図2に環状ステータ3の全体斜視図を示す。ウェッジ部材8は、環状ステータ3の裏面3B側から、コイル巻回済の全てのスロット5に不図示の装置にて挿入される。このときウェッジ部材8の先端部8cを先端として挿入される。
図3に環状ステータ3が備えるステータコア3aの一部拡大図を示す。ステータコア3aは複数のティース4、及び隣り合うティース4で構成されるスロット5を備える。スロット5はステータコア3aの内周面に周面開口部5aを備える。なお、周面開口部5aの開口幅をスロット開口幅WSとする。スロット5の各々には絶縁体で作られたスロット紙9が、ステータコア3aの軸方向の両端部で折り返されて、周面開口部5aを開口しスロット5の内壁を覆う様に挿入される。このときスロット紙9が折り返されることで形成されてなる稜線をスロット紙稜線9bと定義する。またスロット紙9の折り返しによって、スロット紙9はスロット5から脱落しない状態とされる。
そして図4において、スロット紙9がスロット5に挿入されてから、不図示の巻線がティース4に巻回される。このときスロット紙9により巻線とティース4との間の絶縁が確保される。しかしこのままでは、その後に、一旦スロット5内に挿入された巻線が、周面開口部5aから外側にはみ出るおそれがある。そこで絶縁体からなるウェッジ部材8を配置して、スロット5の内側から周面開口部5aを閉塞し、巻線がスロット5からはみ出るのを防止する。また、ウェッジ部材8のスロット5への挿入は、巻線の巻回の後であれば、いずれの時でも可能である。しかし一旦巻線がスロット5からはみ出ると、はみ出た巻線をスロット5内に戻すのを自動化するのは困難であり、作業者の手作業となり易いことを考慮すると、各巻線の挿入と同時および各巻線を巻回した直後にウェッジ部材8を巻回済のスロット5内に挿入するのが好ましい。
本発明のウェッジ部材8の挿入時の動作を説明する。図4においてスロット紙稜線9bを含む面を考え、ステータコア3aの軸方向の上方から下方へ向かってウェッジ部材8がスロット5に挿入される場合において、ウェッジ部材8の位置X0(図1)がスロット紙稜線9bで構成される面に到達した時点でのその面での断面図を矢印Z方向から見た図を図5に、位置X1がスロット紙稜線9bで構成される面に到達した時点での断面図を図6に、位置X2がスロット紙稜線9bで構成される面に到達した時点での断面図を図7にそれぞれ示す。
図5において、スロット紙9のスロット紙稜線9bにおける、周面開口部5a側の開口部の両端部を開口端部9jとし、開口端部9j間の幅を開口幅WPとする。またウェッジ部材8の位置X0における先端部8cが、周面開口部5aを塞ぐ位置に存在する。先端部8cは略三角形形状を有し、三角形形状の頂部8hが周面開口部5aと向き合うような向きで、頂部8hが周面開口部5aの中心線5cを通るように配置される。そしてスロット5内に多数の巻線6が挿入されて、スロット5内の空き空間が少なくなればなるほど(スロット5における巻線6の占積率が大きくなるほど)、先端部8cはスロット5内の周面開口部5aの近傍を通って挿入されるようになる。
ここで本発明に係るウェッジ部材8(図1)の先端部8c(図5実線)と、従来のウェッジ部材108(図12)の先端部108c(図5点線)とを比較して説明する。ウェッジ部材の挿入時において、挿入装置(不図示)の精度やウェッジ部材の挿入装置への保持位置のずれ等によって、ウエッジの先端部8cや108cの位置が中心線5cに対して左右にずれてしまう場合がある。このような場合に、本発明のウエッジの先端部8cと、従来のウエッジの先端部108cとを比較すると、第1に先端部8cのステータコア3aの周方向の幅WH0は、先端部108cの幅WJ0に比して狭い特徴がある。このためウエッジ部材の挿入時に先端部が中心線5cから左右へぶれても、先端部8cの方が先端部108cに比してスロット紙9に接触しにくくなる利点がある。
また第2に、本発明の先端部8cの端部8jと従来の先端部108cの端部108jの位置とを比較すると、スロット紙稜線9bの開口端部9jに対して、端部8jの方が端部108jよりもステータコア3aの外周側の位置に存在する。このためウエッジ部材の挿入時にウエッジの先端部が中心線5cから左右へぶれた場合、端部108jに比して端部8jは開口端部9jと接触しにくくなり、開口端部9jが破損する事態を防止できる。また端部8jが開口端部9jとスロット5の内壁面5bとの間に入り込んでしまう等の事態を防ぐことができる。
また第3に、本発明のウエッジの先端部8cは二つ折りにされた略三角形の形状を備えるため、ウエッジ部材の挿入時に中心線5cから左右へぶれて端部8jがスロット紙9に押し付けられた場合においても、頂部8hを支点として端部8j同士が近づくように変形することにより接触した際の力を吸収することができ、スロット紙9やウェッジ部材8が破損する等の事態を防止することができる。一方、従来のウエッジの先端部108cは直線状の形状を備えるため、端部108jがスロット紙9に押し付けられた場合に変形して接触した際の力を吸収することができず、スロット紙9やウェッジ部材8が破損しやすいという問題点がある。
そして引き続きウェッジ部材8がスロット5の軸方向下方へ挿入され、ウェッジ部材8の位置X1がスロット紙稜線9bで構成される面に到達する場合の断面図を図6に示す。このとき本発明に係るウェッジ部材8の位置X1における断面を断面8kとすると、位置X1では切り欠き部8d(図1)が存在しないため、断面8kの有するステータコア3aの周方向の幅は幅WH0からWH1へと広くなる。同様に従来のウェッジ部材108の位置X1における断面を断面108kとすると、位置X1では切り欠き部108d(図12)が存在しないため、断面108kの有するステータコア3aの周方向の幅は幅WJ0からWJ1へと広くなる。そして両者を比較すると、断面8kのステータコア3aの周方向の幅WH1は断面108kの幅WJ1に比して狭い特徴がある。このためウエッジ部材の挿入時にウエッジ部材が中心線5cから左右へぶれても、スロット紙9に接触しにくくなる利点がある。
さらにウェッジ部材8がスロット5の下方へ挿入されると、ウェッジ部材8の位置X1から位置X2までの領域がスロット紙稜線9bで構成される面を通過する。そして位置X2がスロット紙稜線9bで構成される面に到達した時点での断面図を図7に示す。またウェッジ部材8の位置X2における断面を8mとする。このときウェッジ部材8の位置X1からX2までは、基部8aの幅がゼロから幅Wまで連続的に増加するため、ウェッジ部材8の(スロット紙稜線9bで構成される面における)断面形状は図6の断面8kから図7の断面8mまで除々に断面形状が遷移する。すなわちステータコア3aの周方向の幅は幅WH1から幅WH2へ除々に増加する。同時に断面8kの端部8lの位置も除々に断面8mの端部8nの位置へ移動する。これにより端部8l(図6)が除々にスロット紙9に接触し、端部8n(図7)の状態となる。一方、従来のウェッジ部材108では、ウェッジ部材108の位置X1がスロット紙稜線9bで構成される面に到達する時点で端部108lがスロット紙9に接触してしまう(図6)ことが分かる。
よって本発明のウェッジ部材8を用いることにより、ウェッジ部材8の位置X1から位置X2までがスロット紙稜線9bで構成される面を通過する際に、ウェッジ部材8の端部が除々にスロット紙9に接触するため、スロット紙9に大きな力が加わりスロット紙9が破れる等の事態を防ぐことができる。またこのとき、図7においてウェッジ部材8の基部8aの幅Wはスロット開口幅WSよりも大きいため、基部8aがスロット5の周面開口部5aを通り抜けることはないため、ウエッジ部材8が周面開口部5aから抜けてしまうことを防止する。
以上により本実施形態では、ウェッジ部材8がスロット5内の周面開口部5aの近傍部を通って挿入される場合において、ウエッジ部材8の挿入時にウエッジ部材8が中心線5cから左右へぶれて挿入されても、ウエッジ部材8の先端部8cの端部8jと、スロット紙9の開口部の端部である開口端部9jとが接触しにくくなる。また、ウエッジ部材の先端部の端部8jが開口端部9jとスロット5の内壁面との間に入り込んでしまう等の事態や、ウエッジ部材8を挿入する途中でウエッジ部材8の先端部がスロット紙9等に接触するなどして挿入抵抗が上がり、挿入時の力でウエッジ部材8が座屈する事態を防止することができる。またウェッジ部材8を挿入するための案内部材が不要なため、案内部材がスロット5内を通過するために必要な空間が不要なため、巻線6の占積率を上げることができ回転電機の性能向上が図れる。
なお、ウェッジ部材8の先端部8cの三角形形状の底辺の幅WH0は、スロット紙稜線9bの開口幅WPに比して小さいことが好ましく、またスロット開口幅WSより小さくてもよい。また基部8aの幅Wはスロット開口幅WSに比して大きいことが好ましい。
本発明のウェッジ部材8の製造装置20について図8および図9を用いて説明する。図8(A)に製造装置20の平面図、図8(B)に正面図、図8(C)に左側面図を示す。図8(A)の平面図に示すようにウェッジ部材製造装置20は、ウエッジ成形部品21、平行に形成されてなるウエッジ押し出し孔22を備えるガイドプレート23、固定カッター24、可動カッター26から形成される。固定カッター24はボルト27によってガイドプレート23に取り付けられる。また図8(B)の正面図に示すように、ガイドプレート23の下方にはウエッジ成形部品21が上下動可能に備えられる。そしてガイドプレート23のウエッジ紙溝23bに沿って成形前のウエッジ紙25が挿入される。ウエッジ紙25は不図示のウエッジ紙供給装置にロール状等にして配置され、図8の右方向から連続したテープ状として送られ、ウエッジ紙25の先端部25aとウエッジ成形部品21の先端部21aとガイドプレート23の先端部23aとが同一平面上に並ぶ位置まで送り出される。また図8(B)の矢印Y方向からみた左側面図を図8(C)に示す。図8(C)のようにウエッジ押し出し孔22の幅WGはウエッジ成形部品21の幅Wに対して所定値の余裕を持たせた値が用いられる。よってウエッジ成形部品21はウエッジ押し出し孔22を通ってガイドプレート23上方に突き抜けるように移動することが可能である。
また図9は本発明に係るウェッジ部材8を製造する際に用いられるウエッジ成形部品21の斜視図である。ウエッジ成形部品21の幅Wは成形後のウエッジ部材8の基部の幅Wと同一である。またウエッジ成形部品21中の位置X0乃至X2は、図1におけるウェッジ部材8の位置X0乃至X2と一致している。そしてウエッジ成形部品21の位置X0から位置X1は稜線のみから形成される形状を有し、また位置X1から位置X2までの領域は幅が連続的に増加する形状を有し、位置X2から位置X3までの領域は一定の幅Wを有する形状を有している。
図8においてウェッジ部材製造装置20の動作を説明する。まず図8(B)においてウエッジ紙25がガイドプレート23に保持されている状態から可動カッター26を上方に移動させると、ウエッジ紙25は可動カッター26と固定カッター24とで挟まれることにより切断される。次にウエッジ成形部品21を上方へ移動させると、図8(C)の左側面図において、ウエッジ成形部品21の上端面がウエッジ押し出し孔22を通ってウエッジ紙25の下面に当接する。そして当接後さらにウエッジ成形部品21を上方へ移動させると、ウエッジ紙25はウエッジ押し出し孔22を通過後、図示しないメス型に押し付けられ、ウエッジ成形部品21の上面の表面形状に沿うようにウエッジ紙25に折り目が形成される。すなわちウエッジ成形部品21の表面の形状がウエッジ紙25に転写される。そしてウエッジ成形部品21をウエッジ押し出し孔22に貫通させ、ガイドプレート23の上面から突出させると、ウエッジ紙25もウエッジ押し出し孔22を通過し終えて加工が終了する。すなわち図9に示すウエッジ成形部品21の形状がウエッジ紙25に転写され、図1に示す本発明のウエッジ部材8が完成する。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。本発明のウェッジ部材8が備える立ち上がり部8bは直線形状を有するとしたが、曲線形状でもよく、または折れ曲がり部を有してもよい。また本発明のウェッジ部材8の先端部8cは頂部8hを折り部として二つ折りにされた略三角形の形状を備えるとしたが、三角形に限らず多数の折り部を有する形状でもよい。また本実施形態では折り部は直線と直線が合わさった曲率を有さない面であるとしているが、曲率を有する曲面によって折り部が構成されてもよい。
本発明のウエッジを示す図である。 環状ステータ3の全体斜視図である。 ステータコア3aの一部拡大図である。 本発明のウェッジ部材8およびスロット5を示す図である。 本発明のウェッジ部材の位置X0がスロット紙稜線9bで構成される面に 到達した時点の断面図である。 本発明のウェッジ部材の位置X1がスロット紙稜線9bで構成される面に 到達した時点の断面図である。 本発明のウェッジ部材の位置X2がスロット紙稜線9bで構成される面に 到達した時点の断面図である。 本発明のウェッジ部材製造装置20を示す図である。 本発明のウエッジ成形部品21の斜視図である。 従来技術におけるスロット開口部閉塞体を示す図である。 従来技術におけるスロット102内にスロット開口部閉塞体を挿入する 動作を説明する図である。 従来のウエッジを示す図である。
符号の説明
3a ステータコア
5 スロット
5a 周面開口部
8 ウェッジ部材
8c 先端部
8d 切り欠き部
8h 頂部
9 スロット紙
9b スロット紙稜線
9j 開口端部
WP 開口幅
20 ウェッジ部材製造装置
21 ウエッジ成形部品
23 ガイドプレート
25 ウエッジ紙

Claims (4)

  1. 両側から立ち上がる立ち上がり部と、前記立ち上がり部の頂部をつなぐ基部とを備え、ロータに対向してロータ回転軸方向に開口されてなる周面開口部を有する環状ステータのスロット内に前記周面開口部を塞いで備えられるウエッジにおいて、
    ロータ回転軸方向の端部のうち少なくとも何れか一方の端部における前記基部の幅が、ロータ回転軸方向の中央部における前記基部の幅に比して狭いことを特徴とするウエッジ。
  2. 前記端部において、前記基部の幅は先端部に向かうに従い狭くなることを特徴とする請求項1に記載のウエッジ。
  3. 前記先端部は、前記立ち上がり部の頂部が直結されて形成される屈曲頂部を備えることを特徴とする請求項2に記載のウエッジ。
  4. 両側から立ち上がる立ち上がり部と、前記立ち上がり部の頂部をつなぐ基部とを備え、ロータに対向してロータ回転軸方向に開口されてなる周面開口部を有する環状ステータのスロット内に前記周面開口部を塞いで備えられるウエッジにおいて、
    ロータ回転軸方向の端部のうち少なくとも何れか一方の端部における前記基部の幅が、ロータ回転軸方向の中央部における前記基部の幅に比して狭いことを特徴とするウエッジを備えてなる環状ステータ。


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