本発明は、無線通信に用いられ、第1の変調方式である多値直交変調方式(多値QAM;Quadrature Amplitude Modulation)に、規則的に第2の変調方式である位相変調(PSK;Phase Shift keying)方式をパイロット信号として挿入する変調方式であって、前記第2の変調方式の信号に情報を付加するとともに、前記第1の変調方式の信号の振幅及び位相歪み量を、前記パイロット信号を用いて直接求めることを特徴とする変調方式であり、PSK変調方式において、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより準同期検波を行うことで、既知のデータをパイロットシンボルとする方式と比較し、データ伝送量の低下を抑えることができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における無線通信システムの構成概念図である。図1において、10は送信機であり、11は送信ディジタル信号、12は直交ベースバンド変調部で、送信ディジタル信号11を入力して送信直交ベースバンド信号の同相成分13と直交成分14を出力し、この同相成分13と直交成分14を送信無線部15で送信信号16に変換し、アンテナ17から送信する。20は受信機であり、21はアンテナ、22は受信無線部で、アンテナで受信した信号を入力して受信直交ベースバンド信号の同相成分23と直交成分24を出力する。25は振幅歪み量推定部で、同相成分23と直交成分24を入力して、振幅歪み量を推定し、振幅歪み量推定信号27を出力する。26は周波数オフセット量推定部で、同相成分23と直交成分24を入力して、周波数オフセット量を推定し、周波数オフセット量推定信号28を出力する。29は準同期検波部で、同相成分23と直交成分24、及び振幅歪み量推定信号27と周波数オフセット量推定信号28を入力して、準同期検波を行い、受信ディジタル信号を出力する。
図2は、8値以上の多値変調方式の一例である8相PSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図2において、101は8相PSK変調方式の信号点である。図3は、PSK変調方式の一例である二値位相変調(BPSK: Binary Phase Shift Keying)方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図3において、201はBPSK変調方式の信号点である。図4は、8相PSK変調シンボルとBPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。そして、図5は、差動符号化した際のBPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例を示している。図6(a)および(b)は直前のBPSK変調シンボルの信号点と8相PSK変調方式の信号点の情報系列の関係の一例であり、図6において、501はBPSK変調方式の信号点、502は8相PSK変調方式の信号点である。
図1〜図6を用いて、8値以上の多値変調方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入する変調方式において、PSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
図2は、同相I−直交Q平面における8相PSK変調方式の信号点101の配置を示しており、信号点101の配置位置は(数1)で表される。ただし、8相PSK変調方式の信号点101は(I8PSK,Q8PSK)で表し、kは整数、およびpは定数とする。
図3は、同相I−直交Q平面におけるBPSK変調方式の信号点201の配置を示しており、信号点201の配置位置は(数2)で表される。ただし、BPSK変調方式の信号点201は(IBPSK,QBPSK)で表し、kは整数、およびrは定数とする。
図4は、Nシンボル内における8相PSK変調シンボルとBPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図5のように定めることができる。
図6は、直前のBPSK変調シンボルの信号点501と8相PSK変調方式の信号点502の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のBPSK変調シンボルの信号点501とi+1からi+N−1番目の8相PSK変調シンボルの信号点502の情報系列は、図6(a)または(b)のように、直前のBPSK変調シンボルの信号点によって8相PSK変調シンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、8相PSK変調方式ではデータを伝送し、BPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の8相PSK変調シンボルとBPSK変調シンボルの構成は、図4に限ったものではない。また、8値以上の多値変調方式の例として8相PSK変調方式で説明したが、8値以上の多値変調方式はこれに限ったものではなく、PSK変調方式の例としてBPSK変調方式で説明したが、PSK変調方式はこれに限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値変調方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入し、PSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、PSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、PSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、PSK変調シンボル間で差動符号化したPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
図7は、8値以上の多値QAM方式の一例である22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図7において、601は22m値QAM方式の信号点である。また、PSK変調方式の一例であるBPSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は実施の形態1の図3と同様である。図8は16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図8において、701は16QAM方式の信号点である。図9は、16QAMシンボルとBPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際のBPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は実施の形態1の図5と同様である。図10(a)および(b)は直前のBPSK変調シンボルの信号点と16QAM方式の信号点の情報系列の関係の一例であり、図10において、901はBPSK変調方式の信号点、902は16QAM方式の信号点である。
図1、図3、図5、図7〜図10を用いて、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入する変調方式において、PSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入する変調方式において、PSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
図7は、同相I−直交Q平面における22m値QAM方式の信号点601の配置を示しており、信号点601の配置位置は(数4)で表される。ただし、22m値QAM方式の信号点401は(IQAM,QQAM)で表し、mは整数、(a1,b1),(a2,b2),・・・,(am,bm)は1,−1のバイナリ符号、rは定数とする。
図8は、同相I−直交Q平面における16QAM方式の信号点701の配置を示しており、信号点701の配置位置は(数5)で表される。ただし、16QAM方式の信号点701は(I16QAM,Q16QAM)で表し、(a1,b1),(a2,b2)は1,−1のバイナリ符号、sは定数とする。
また、BPSK変調方式の信号点配置は図3に示したもので、実施の形態1の説明と同様である。
図9は、Nシンボル内における16QAMシンボルとBPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図5のように定めることができる。
図10は、直前のBPSK変調シンボルの信号点901と16QAM方式の信号点902の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のBPSK変調シンボルの信号点901とi+1からi+N−1番目の16QAMシンボルの信号点902の情報系列は、図10(a)または図10(b)の2通りで表される。
このように、16QAM方式ではデータ伝送し、BPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の16QAMシンボルとBPSK変調シンボルの構成は、図9に限ったものではない。また、16QAM方式を例に説明したが、22m値QAM方式についても同様で、このとき8値以上の多値QAM方式は22m値QAM方式に限ったものではない。そして、PSK変調方式の例としてBPSK変調方式で説明したが、PSK変調方式はこれに限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入し、PSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入し、PSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、PSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、PSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれもPSK変調シンボル間では差動符号化したPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
図11は、同相I−直交Q平面において8値以上の多値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた8値以上の多値QAM方式の一例である同相I−直交Q平面において22m値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図11において、1001は前記22m値QAM方式の信号点である。また、PSK変調方式の一例であるBPSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は実施の形態1の図3と同様である。図12は、同相I−直交Q平面において16QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置を示し、図12において1101は前記16QAM方式の信号点である。前記16QAMシンボルとBPSK変調シンボルのNシンボル内の構成は、実施の形態2の図9と同様である。差動符号化した際のBPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は実施の形態1の図5と同様である。図13(a)および(b)は直前のBPSK変調シンボルの信号点と前記16QAM方式の信号点の情報系列の関係の一例であり、図13において、1201はBPSK変調方式の信号点、1202は前記16QAM方式の信号点である。
図1、図3、図5、図9、図11〜13を用いて、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入する変調方式において、PSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入する変調方式において、PSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
図11は、同相I−直交Q平面における前記22m値QAM方式の信号点1001の配置を示しており、信号点1001の配置位置は(数6)で表される。ただし、前記22m値QAM方式の信号点1001は(IQAMR,QQAMR)で表し、(IQAM,QQAM)は(数4)で表され、nは整数とする。
図12は、同相I−直交Q平面における前記16QAM方式の信号点1101の配置を示しており、信号点1101の配置位置は(数7)で表される。ただし、前記16QAM方式の信号点1101は(I16QAMR,Q16QAMR)で表し、(I16QAM,Q16QAM)は(数5)で表され、nは整数とする。
また、BPSK変調方式の信号点配置は図3に示したもので、実施の形態1の説明と同様である。
図9は、Nシンボル内における前記16QAMシンボルとBPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のBPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図5のように定めることができる。
図13は、直前のBPSK変調シンボルの信号点1201と前記16QAM方式の信号点1202の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のBPSK変調シンボルの信号点1201とi+1からi+N−1番目の前記16QAMシンボルの信号点1202の情報系列は、図13(a)または図13(b)の2通りで表される。
このように、前記16QAM方式ではデータ伝送し、BPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の前記16QAMシンボルとBPSK変調シンボルの構成は、図9に限ったものではない。また、前記16QAM方式を例に説明したが、前記22m値QAM方式についても同様で、このとき前記8値以上の多値QAM方式は前記22m値QAM方式に限ったものではない。そして、PSK変調方式の例としてBPSK変調方式で説明したが、PSK変調方式はこれに限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入し、PSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的にPSK変調方式を挿入し、PSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、PSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、PSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれもPSK変調シンボル間で差動符号化したPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
8値以上の多値変調方式の一例である8相PSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は実施の形態1の図2と同様である。図14は、同相I−直交Q平面におけるQPSK変調方式の信号点配置を示し、図14において1301はQPSK変調方式の信号点である。図15は、8相PSK変調シンボルとQPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。図16は、差動符号化した際QPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例を示している。
図17(a)、(b)、(c)および(d)は直前のQPSK変調シンボルの信号点と8相PSK変調方式の信号点の情報系列の関係の一例であり、図17において、1601はQPSK変調方式の信号点、1602は8相PSK変調方式の信号点である。
図1、図2、図14〜図17を用いて、8値以上の多値変調方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
8相PSK変調方式の信号点配置は図2に示したとおりで、実施の形態1と同様である。
図14は、同相I−直交Q平面におけるQPSK変調方式の信号点1301の配置を示しており、信号点1301の配置位置は、(数8)で表される。ただし、QPSK変調方式の信号点1301は(IQPSK,QQPSK)で表し、kは整数、およびuは定数とする。
図15は、Nシンボル内における8相PSK変調シンボルとQPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図17は、直前のQPSK変調シンボルの信号点1601と8相PSK変調方式の信号点1602の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のQPSK変調シンボルの信号点1601とi+1からi+N−1番目の8相PSK変調シンボルの信号点1602の情報系列は、図17(a)、(b)、(c)または(d)のように、直前のQPSK変調シンボルの信号点によって8相PSK変調シンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、8相PSK変調方式ではデータを伝送し、QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の8相PSK変調シンボルとQPSK変調シンボルの構成は、図15に限ったものではない。また、8値以上の多値変調方式の例として8相PSK変調方式で説明したが、8値以上の多値変調方式はこれに限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値変調方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入し、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、QPSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、QPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
8値以上の多値QAM方式の一例である22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態2の図7と同様である。また、QPSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態4の図14と同様である。16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態2の図8と同様である。図18は、16QAMシンボルとQPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際のQPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は、実施の形態4の図16と同様である。
図19(a)、(b)、(c)および(d)は直前のQPSK変調シンボルの信号点と16QAMの信号点の情報系列の関係の一例であり、図19において、1801はQPSK変調方式の信号点、1802は16QAM方式の信号点である。
図1、図7、図8、図14、図16、図18、図19を用いて、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
22m値QAM方式の信号点配置は図7に示したとおりで、実施の形態2の説明と同様である。16QAM方式の信号点配置は図8に示したとおりで、実施の形態2の説明と同様である。そして、QPSK変調方式の信号点配置は図14に示したとおりで、実施の形態4の説明と同様である。
図18は、Nシンボル内における16QAMシンボルとQPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図19は、直前のQPSK変調シンボルの信号点1801と16QAM方式の信号点1802の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のQPSK変調シンボルの信号点1801とi+1からi+N−1番目の16QAMシンボルの信号点1802の情報系列は図19(a)、(b)、(c)または(d)の4通りに定まるというように、直前のQPSK変調シンボルの信号点によって16QAMシンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、16QAM方式ではデータを伝送し、QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の16QAMシンボルとQPSK変調シンボルの構成は、図18に限ったものではない。また、16QAM方式を例に説明したが22m値QAM方式についても同様で、このとき8値以上の多値QAMは22m値QAM方式に限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入し、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、QPSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれもQPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
8値以上の多値変調方式の一例である8相PSK変調方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態1の図2と同様である。図20は、同相I−直交Q平面において同相I軸および直交Q軸上に信号点をもつQPSK変調方式の信号点配置を示し、図20において1901は前記QPSK変調方式の信号点である。図15は、8相PSK変調シンボルと前記QPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際の前記QPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は、実施の形態4の図16と同様である。図21(a)、(b)、(c)および(d)は直前の前記QPSK変調シンボルの信号点と8相PSK変調方式の信号点の情報系列の関係の一例であり、図21において、2001は前記QPSK変調方式の信号点、2002は8相PSK変調方式の信号点である。
図1、図2、図15、図16、図20、図21を用いて、8値以上の多値変調方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入する変調方式において、前記QPSK変調シンボルでは差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
8相PSK変調方式の信号点配置は図2に示したとおりで、実施の形態1の説明と同様である。
図20は、同相I−直交Q平面における前記QPSK変調方式の信号点1901の配置を示しており、信号点1901の配置は、(数9)で表される。ただし、前記QPSK変調方式の信号点1901は(IQPSKR,QQPSKR)で表し、(IQPSK,QQPSK)は(数2)で表され、nは整数とする。
図15は、Nシンボル内における8相PSK変調シンボルと前記QPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図21は、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点2001と8相PSK変調方式の信号点2002の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目の前記QPSK変調シンボルの信号点2001とi+1からi+N−1番目の8相PSK変調シンボルの信号点2002の情報系列は、図21(a)、(b)、(c)または(d)のように、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点によって8相PSK変調シンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、8相PSK変調方式ではデータを伝送し、前記QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の8相PSK変調シンボルと前記QPSK変調シンボルの構成は図15に限ったものではない。また、8値以上の多値変調方式の例として8相PSK変調方式で説明したが、8値以上の多値変調方式はこれに限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値変調方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入し、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、前記QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことが
できる。
なお、本実施の形態では、前記QPSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値変調方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、前記QPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
8値以上の多値QAM方式の一例である22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態2の図7と同様である。同相I−直交Q平面において同相I軸および直交Q軸上に信号点をもつQPSK変調方式の信号点配置は、実施の形態6の図20と同様である。16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態2の図8と同様である。図18は、16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際の前記QPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は、実施の形態4の図16と同様である。図22(a)、(b)、(c)および(d)は直前の前記QPSK変調シンボルの信号点と16QAMの信号点の情報系列の関係の一例であり、図22において、2101は前記QPSK変調方式の信号点、2102は16QAM方式の信号点である。
図1、図7、図8、図16、図18、図20、図22を用いて、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入する変調方式において、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入する変調方式において、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
22m値QAM方式の信号点配置は図7に示したとおりで、実施の形態2の説明と同様である。16QAM方式の信号点配置は図8に示したとおりで、実施の形態2の説明と同様である。前記QPSK変調方式の信号点配置は図20に示したとおりで、実施の形態6の説明と同様である。
図18は、Nシンボル内における16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相をθi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図22は、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点2101と16QAM方式の信号点2102の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目の前記QPSK変調シンボルの信号点2101とi+1からi+N−1番目の16QAMシンボルの信号点2102の情報系列は、図22(a)、(b)、(c)または(d)のように、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点によって16QAMシンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、16QAM方式ではデータを伝送し、前記QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルの構成は図18に限ったものではない。また、16QAM方式を例に説明したが22m値QAM方式についても同様で、このとき8値以上の多値QAMは22m値QAM方式に限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、8値以上の多値QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入し、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは16QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入し、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、前記QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、前記QPSK変調シンボル間で差動符号化し、8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれも前記QPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
同相I−直交Q平面において8値以上の多値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた8値以上の多値QAM方式の一例である同相I−直交Q平面において22m値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態3の図11と同様である。同相I−直交Q平面におけるQPSK変調方式の信号点配置は、実施の形態4の図14と同様である。同相I−直交Q平面において16QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態3の図12と同様である。図18は、前記16QAMシンボルとQPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際のQPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は、実施の形態4の図16と同様である。図23(a)、(b)、(c)および(d)は直前のQPSK変調シンボルの信号点と前記16QAMの信号点の情報系列の関係の一例であり、図23において、2201はQPSK変調方式の信号点、2202は前記16QAM方式の信号点である。
図1、図11、図12、図14、図16、図18、図23を用いて、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入する変調方式において、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
前記22m値QAM方式の信号点配置は図11に示したとおりで、実施の形態3の説明と同様である。前記16QAM方式の信号点配置は図12に示したとおりで、実施の形態3の説明と同様である。QPSK変調方式の信号点配置は、図14に示したとおりで、実施の形態4の説明と同様である。
図18は、Nシンボル内における前記16QAMシンボルとQPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目のQPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図23は、直前のQPSK変調シンボルの信号点2201と前記16QAM方式の信号点2202の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目のQPSK変調シンボルの信号点2201とi+1からi+N−1番目の前記16QAMシンボルの信号点2202の情報系列は、図23(a)、(b)、(c)または(d)のように、直前のQPSK変調シンボルの信号点によって前記16QAMシンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、前記16QAM方式ではデータを伝送し、QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の前記16QAMシンボルとQPSK変調シンボルの構成は図18に限ったものではない。また、前記16QAM方式を例に説明したが前記22m値QAM方式についても同様で、このとき前記8値以上の多値QAMは前記22m値QAM方式に限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入し、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的にQPSK変調方式を挿入し、QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、QPSK変調シンボル間で差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前のQPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれもQPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態における無線通信システムの構成は、実施の形態1における図1に示すものと同様である。
同相I−直交Q平面において8値以上の多値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた8値以上の多値QAM方式の一例である同相I−直交Q平面において22m値QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた22m値QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態3の図11と同様である。同相I−直交Q平面において同相I軸および直交Q軸上に信号点をもつQPSK変調方式の信号点配置は、実施の形態6の図20と同様である。同相I−直交Q平面において16QAM方式の信号点をπ/4ラジアン回転させた16QAM方式の同相I−直交Q平面における信号点配置は、実施の形態3の図12と同様である。図18は、前記16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルのNシンボル内の構成の一例を示している。差動符号化した際の前記QPSK変調方式の信号点の情報系列配置の一例は、実施の形態4の図16と同様である。図24(a)、(b)、(c)および(d)は直前の前記QPSK変調シンボルの信号点と前記16QAMの信号点の情報系列の関係の一例であり、図24において、2301は前記QPSK変調方式の信号点、2302は前記16QAM方式の信号点である。
図1、図11、図12、図16、図18、図20、図24を用いて、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入する変調方式において、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入する変調方式において、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式について説明する。
前記22m値QAM方式の信号点配置は図11に示したとおりで、実施の形態3の説明と同様である。前記16QAM方式の信号点配置は図12に示したとおりで、実施の形態3の説明と同様である。前記QPSK変調方式の信号点配置は図20に示したとおりで、実施の形態6の説明と同様である。
図18は、Nシンボル内における前記16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルの構成の一例を示したものである。このとき、i番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi、i+N番目の前記QPSK変調シンボルの同相I−直交Q平面における位相をφi+Nとすると、x−y平面におけるi+N番目の位相θi+Nを(数3)とすると、θi+Nにより情報系列を図16のように定めることができる。
図24は、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点2301と前記16QAM方式の信号点2302の情報系列の関係の一例を示したものである。i番目の前記QPSK変調シンボルの信号点2301とi+1からi+N−1番目の前記16QAMシンボルの信号点2302の情報系列は、図24(a)、(b)、(c)または(d)のように、直前の前記QPSK変調シンボルの信号点によって前記16QAMシンボルの信号点の情報系列が定まる。
このように、前記16QAM方式ではデータを伝送し、前記QPSK変調方式ではデータを伝送すると同時に復調側ではパイロットシンボルとして送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定し、準同期検波を行う。ここで、Nシンボル中の前記16QAMシンボルと前記QPSK変調シンボルの構成は図18に限ったものではない。また、前記16QAM方式を例に説明したが前記22m値QAM方式についても同様で、このとき前記8値以上の多値QAMは前記22m値QAM方式に限ったものではない。
以上のように本実施の形態によれば、前記8値以上の多値QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入し、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式、あるいは前記16QAM方式の中に、定期的に前記QPSK変調方式を挿入し、前記QPSK変調シンボル間では差動符号化し、前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する変調方式で、前記QPSK変調方式では、データを伝送すると同時に復調側で送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するためのパイロットシンボルとすることにより、送受信機間の周波数オフセット量および振幅歪み量を推定するために既知データをパイロットシンボルとする方式に比べて、データ伝送量を低下させずに準同期検波を行うことができる。
なお、本実施の形態では、前記QPSK変調シンボル間で差動符号化し、前記8値以上の多値QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式、あるいは前記16QAM方式の信号点の情報系列を直前の前記QPSK変調シンボルの信号点位置を基準に配置する方式を説明したが、いずれも前記QPSK変調シンボル間で差動符号化したQPSK変調シンボルを挿入すれば同様の効果が得られる。
また、このような変調方式を用いることにより、データ伝送量の低下を抑えた通信システムを構築することができる。
次に、本発明について具体的にシミュレーションを行った例を説明する。
本実施例では、多値QAM方式の一例として16QAM方式を選択し、パイロットシンボルの挿入方法について、従来のシンボル挿入方式と本発明によるQPSK変調シンボル挿入方式の2つの方法を比較検討した結果を示す。その際、既知またはQPSK変調シンボル長を1とし、データシンボル長をnとした。
従来のシンボル挿入方式は、16QAMの最大信号点振幅の一信号点をパイロットシンボルとした方法で、受信側では、16QAMを準同期検波する。
本発明によるQPSK変調シンボルの挿入方式は、QPSK変調シンボルを、パイロットシンボルとすると同時にデータ伝送を行う方法で、16QAMのマッピングは直前のQPSK変調シンボルに依存する。また、QPSK変調シンボル同士は差動符号化する。受信側では、16QAMを準同期検波し、QPSKを遅延検波する。
図25は本実施例による変調方式の1ビットあたりの信号エネルギー(Eb)に対する雑音電力密度(N0)におけるビット誤り率(BER:Bit Error Ratio )特性図を示し、上述の方法において、n=1,7,15としたときのそれぞれの特性を示す。図25より、既知である従来のシンボル挿入方式と本発明のQPSK変調シンボル挿入方式のデータシンボル長が等しい場合を比較すると、QPSK変調シンボル挿入方式は、QPSK変調シンボルでデータ伝送を行う分、データ伝送効率が優れており、BER特性が優れていることがわかる。