JP2005071781A - 電気抵抗体 - Google Patents
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Abstract
【課題】
セラミック絶縁基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造の抵抗体では、抵抗値の変化が大きい欠点があった。
【解決方法】
電気絶縁性のセラミックス基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造からなる電気抵抗体において、該Si基合金の中にBを0.03〜5%含有させることを特徴とする。
セラミック絶縁基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造の抵抗体では、抵抗値の変化が大きい欠点があった。
【解決方法】
電気絶縁性のセラミックス基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造からなる電気抵抗体において、該Si基合金の中にBを0.03〜5%含有させることを特徴とする。
Description
本発明は、電気抵抗体に係り、更に詳しくは、セラミックス絶縁基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造の電気抵抗体に係るものである。
窒化アルミ等のセラミック基材にSi合金の被膜を被覆してセラミックスヒーターとして利用したり、あるいは導電性という特性を生かして被膜に電圧を印加する電極として利用する発明は本発明者らの発明(特許文献1、特許文献2)に係わるものであるが、これらの発明で加熱冷却を繰り返すと、被膜の抵抗値が変化(大きくなる)する欠点があつた。 セラミックス基材と被膜の線膨張特性の違いが原因するものと推察されるので、基材の線膨張係数を変えて解決を試みたが根本的な解決には至っていないの実情である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、繰り返し加熱冷却してもSi基合金被膜の抵抗増加を抑制できる新しい被膜の成分組成を提供せんとするものである。
上記問題点は下記(1)〜(4)の手段で解決できる。
電気絶縁性のセラミックス基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造からなる電気抵抗体であって、該Si基合金の中に、Bが0.03〜5%含有されてなることを特徴とする電気抵抗体。
上記皮膜に(Ti、Zr、Nb、Ta)の中から選択された元素が0.5〜5%含有されてなることを特徴とする上記(1)に記載の電気抵抗体。
上記皮膜に、セラミックスの粉末、繊維を混合してなることを特徴とする上記(1)〜(2)に記載の電気抵抗体。
上記セラミックス基材が(窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、マグネシア)の中から選ばれたセラミックスを主成分とするセラミックスである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電気抵抗体。
電気絶縁性のセラミックス基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造からなる電気抵抗体であって、該Si基合金の中に、Bが0.03〜5%含有されてなることを特徴とする電気抵抗体。
上記皮膜に(Ti、Zr、Nb、Ta)の中から選択された元素が0.5〜5%含有されてなることを特徴とする上記(1)に記載の電気抵抗体。
上記皮膜に、セラミックスの粉末、繊維を混合してなることを特徴とする上記(1)〜(2)に記載の電気抵抗体。
上記セラミックス基材が(窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、マグネシア)の中から選ばれたセラミックスを主成分とするセラミックスである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電気抵抗体。
本願発明は、繰り返し加熱冷却しても抵抗値は安定しており、発熱抵抗体としての用途
および安定した抵抗値を要求される各種電極の被膜として大いに活用できるものである。
および安定した抵抗値を要求される各種電極の被膜として大いに活用できるものである。
本発明のSi合金とは、下記(1)〜(4)のミクロ組織を持つ合金である。
Siの共晶が存在する亜共晶、共晶、過共晶組織
Siと珪化物を作らないAg,AlとSiの共晶が存在する亜共晶、共晶、過共晶組織
上記(1)、(2)が混ざった組織
Si珪化物単体組織
Siの共晶が存在する亜共晶、共晶、過共晶組織
Siと珪化物を作らないAg,AlとSiの共晶が存在する亜共晶、共晶、過共晶組織
上記(1)、(2)が混ざった組織
Si珪化物単体組織
本発明Si合金は、必須成分としてBを0.03〜5%含有する。その他の合金元素として、
珪化物生成元素であるFe,Ni,Co,Cr,Mo,W, Ti, Zr,V,Nb,Ta,Cu,Pd,Pt,Y,希土類元素,Ca,Mg,P等を目的に応じて任意に添加できる。又その他Au,Ag,Al,Ge,等の珪化物を形成しない元素も目的に応じて適宜使用できる。
珪化物生成元素であるFe,Ni,Co,Cr,Mo,W, Ti, Zr,V,Nb,Ta,Cu,Pd,Pt,Y,希土類元素,Ca,Mg,P等を目的に応じて任意に添加できる。又その他Au,Ag,Al,Ge,等の珪化物を形成しない元素も目的に応じて適宜使用できる。
抵抗皮膜の線膨張係数の調整は、皮膜のミクロ組織がSi相と珪化物相が混ざった組成の場合は、ミクロ組織中の珪化物の体積率(あるいはSiの体積率)を調整することによって行うことができる。又珪化物を生成しない成分の場合、たとえばSi−Al,Ag,Auの場合、ミクロ組織中のAl,Ag,Auの相の体積率(あるいはSiの体積率)を調整することによって行うことができる。又両者が共存する場合、両者の各々の体積率を調整することによって行うことができる。Geの場合は全率固溶体を作るのでGe成分量の割合で調整することができる。
皮膜が珪化物単体の場合、珪化物の種類を変えることによって調整する。
皮膜が珪化物単体の場合、珪化物の種類を変えることによって調整する。
抵抗被膜には、線膨張係数の調整、抵抗値の調整等の目的で、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、硼化ジルコニウム、その他線膨張係数の小さい酸化物、窒化物、炭化物、硼化物あるいは炭素等の粉末、繊維、ウイスカー等を混合しても良い。本発明のSi合金は溶融すると窒化物、炭化物、酸化物等の粉末、繊維に濡れて融着する性質があることを利用して、これらの粉末、繊維を被膜の合金に濡らして融着させることが好ましい。
上記したように、本発明被膜は溶融するとセラミックス基材に融着する性質があるので、この性質を利用してセラミックス基材に融着させた被膜でも良いし、あるいはスパッタリング等の手段でセラミックス基材に被覆したものでも良い。またBの添加は、予めBを含有する合金組成のものを融着させても良いし、あるいは被膜形成後にBを拡散、ドーピングさせる等の方法でも良い。いずれにせよ、被膜の中にBが含有されれば良い。
本発明のBの含有量は、0.03〜5%の範囲が好ましい。
下限値未満では抵抗値の増加を抑制する実用的な効果がない。上限を超えると皮膜の濡れが阻害されてセラミックス基材に融着しなくなるので好ましくない。
下限値未満では抵抗値の増加を抑制する実用的な効果がない。上限を超えると皮膜の濡れが阻害されてセラミックス基材に融着しなくなるので好ましくない。
B添加は濡れ性を阻害して皮膜にピンホールが生成されやすい。
ピンホールの抑制にはTi,Zr,Nb,Ta等の活性金属の添加(0.5〜5%)が有効である。
下限値未満ではピンホールの生成を阻止する効果がない。また上限を超えると皮膜の抵抗値が高くなるので、用途が制限されてくる場合もある。
ピンホールの抑制にはTi,Zr,Nb,Ta等の活性金属の添加(0.5〜5%)が有効である。
下限値未満ではピンホールの生成を阻止する効果がない。また上限を超えると皮膜の抵抗値が高くなるので、用途が制限されてくる場合もある。
基材セラミックスには、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、マグネシア等々、あるいはこれらを主成分にする電気絶縁性窒化物、炭化物、酸化物セラミックス全てを使用できる。
実施例によって本発明を説明する。
セラミック基材:窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ
基材の寸法 :100×100×厚さ1mmの板
抵抗回路の印刷
下記表1に示した組成のSi合金粉末にPVPのアルコール溶液を混ぜて印刷用のペーストを作製した。
上記セラミックス基材に図1に示した回路模様にペーストをスクリーン印刷し、乾燥後、表1に示した条件で融着させた。
スクリーン印刷の総厚は130μm、線幅は5mmである。
通電テスト
抵抗回路端末のボルト穴にボルトを差し込んでリード線とつなぎ、回路に交流電圧を印加して通電して2時間で850℃まで加熱し、60分保持した後、常温まで冷却した。これを1000回繰り返して回路の抵抗変化を調べた。
結果は表2に示すとおりである。
図中、雰囲気とは融着雰囲気である。温度とは融着温度である。
図中、Vは真空、Hは水素雰囲気、Arはアルゴン雰囲気である。
図中、基材のAlNは窒化アルミ、SNは窒化珪素、AlOはアルミナである。
セラミック基材:窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ
基材の寸法 :100×100×厚さ1mmの板
抵抗回路の印刷
下記表1に示した組成のSi合金粉末にPVPのアルコール溶液を混ぜて印刷用のペーストを作製した。
上記セラミックス基材に図1に示した回路模様にペーストをスクリーン印刷し、乾燥後、表1に示した条件で融着させた。
スクリーン印刷の総厚は130μm、線幅は5mmである。
通電テスト
抵抗回路端末のボルト穴にボルトを差し込んでリード線とつなぎ、回路に交流電圧を印加して通電して2時間で850℃まで加熱し、60分保持した後、常温まで冷却した。これを1000回繰り返して回路の抵抗変化を調べた。
結果は表2に示すとおりである。
図中、雰囲気とは融着雰囲気である。温度とは融着温度である。
図中、Vは真空、Hは水素雰囲気、Arはアルゴン雰囲気である。
図中、基材のAlNは窒化アルミ、SNは窒化珪素、AlOはアルミナである。
抵抗の変化率は次式によって計算した。
抵抗の変化率=(R2−R1)/R1 ×100%
R1:試験前の電気抵抗値 R2: 試験後の電気抵抗値
以上の結果より、本願発明の抵抗被膜は、加熱冷却に伴う電気抵抗の変化が極めて小さいことを確認できた。
実施例2
セラミック基材:窒化アルミニウム基板
基板の寸法 : 100×100×厚さ0.65mm(下)
100×90×厚さ0.65(上)
表3の組成のペーストを、スクリーンの総厚130μm、5mm幅でセラミック基板(下)に図2に示すパターン模様に印刷し、次に図3に示すごとく、上記印刷したパターンの上にセラミックス基材(上)を整合させて重ね合せ、乾燥後、表3の融着温度で2枚の板を融着させた。
図4は融着後の完成図である。
融着後、基材(下)の二つの孔にボルトを差し込んでリード線と結び加熱テストした。
基板の寸法 : 100×100×厚さ0.65mm(下)
100×90×厚さ0.65(上)
表3の組成のペーストを、スクリーンの総厚130μm、5mm幅でセラミック基板(下)に図2に示すパターン模様に印刷し、次に図3に示すごとく、上記印刷したパターンの上にセラミックス基材(上)を整合させて重ね合せ、乾燥後、表3の融着温度で2枚の板を融着させた。
図4は融着後の完成図である。
融着後、基材(下)の二つの孔にボルトを差し込んでリード線と結び加熱テストした。
上記3種類の試料に交流を通電して2時間で800℃まで加熱し、30分保持して常温まで冷却した。これを1000回繰り返して抵抗値の変化を測定した。
No1,2,3,5の試料はいずれも抵抗値の変化はなかったが、No4の試料は30%抵抗値が大きくなった。
本願発明は電気抵抗値が安定していることを確認できた。
実施例3(皮膜の成分と抵抗変化が始まる温度に関するテスト)
100×100×厚さ1mmのセラミック基材(窒化アルミニウム)に図1に示した回路模様にペーストをスクリーン印刷し、乾燥後、表1に示した条件で融着させた。
抵抗回路の印刷
Si−9%Co組成のSi合金粉末にBを添加した粉末にPVPのアルコール溶液を混ぜて印刷用のペーストを作製した。スクリーン印刷の総厚は130μm、線幅は5mmである。
通電テスト
抵抗回路端末のボルト穴にボルトを差し込んでリード線とつなぎ、回路に交流電圧を印加して通電して700℃に加熱して60分保持した後、常温まで冷却するテストを1000回繰り返して皮膜の抵抗値の変化を調べた。
下表4にその結果を示す。
抵抗回路の印刷
Si−9%Co組成のSi合金粉末にBを添加した粉末にPVPのアルコール溶液を混ぜて印刷用のペーストを作製した。スクリーン印刷の総厚は130μm、線幅は5mmである。
通電テスト
抵抗回路端末のボルト穴にボルトを差し込んでリード線とつなぎ、回路に交流電圧を印加して通電して700℃に加熱して60分保持した後、常温まで冷却するテストを1000回繰り返して皮膜の抵抗値の変化を調べた。
下表4にその結果を示す。
Claims (4)
- 電気絶縁性のセラミックス基材の表面にSi基合金からなる抵抗被膜を被覆した構造からなる電気抵抗体であって、該Si基合金の中に、Bが0.03〜5%含有されてなることを特徴とする電気抵抗体。
- 上記皮膜に(Ti、Zr、Nb、Ta)の中から選択された元素が0.5〜5%含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の電気抵抗体。
- 上記皮膜に、セラミックスの粉末、繊維を混合してなることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電気抵抗体。
- 上記セラミックス基材が(窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、マグネシア)の中から選ばれたセラミックスを主成分とするセラミックスである請求項1〜3のいずれかに記載の電気抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003299680A JP2005071781A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 電気抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003299680A JP2005071781A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 電気抵抗体 |
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JP2005071781A true JP2005071781A (ja) | 2005-03-17 |
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JP (1) | JP2005071781A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010129290A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Kyushu Nissho:Kk | 加熱装置 |
-
2003
- 2003-08-25 JP JP2003299680A patent/JP2005071781A/ja active Pending
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