JP2005071506A - 再生装置及びその記録フォーマット判別方法 - Google Patents

再生装置及びその記録フォーマット判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 2種類の記録フォーマットが選択可能な記録媒体について、ユーザが何れの記録フォーマットであるかを識別可能とする。
【解決手段】 カートリッジ91の所定の隅部には、ディスクが従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかをユーザが視認可能とするためのスライダ94が設けられている。カートリッジ91の挿入時には、ディスクドライブ装置の蓋側に設けられた爪部100が押し下げられ、スライダ94が従来のミニディスクを示す方向にスライドする。取出時には、ディスクが従来のミニディスクである場合には、爪部100が押し下げられず、カートリッジ91は、スライダ94が従来のミニディスクを示す位置のまま排出される。一方、ディスクがHi-MD1である場合には、挿入時と同様に爪部100が押し下げられ、スライダ94がHi-MD1を示す方向にスライドし、その状態で排出される。
【選択図】 図14


Description

本発明は、カートリッジに収納された形態のディスク状の光磁気記録媒体を再生可能な再生装置及びその記録フォーマット判別方法に関する。
現在、直径略64mmのディスクがカートリッジに収納された形態の小型のディスク状記録媒体が広く知られるようになった。この小型のディスク状記録媒体は、ミニディスク(登録商標)と呼ばれ、例えば光磁気記録(MO)方式によりデータが記録され再生も可能な記録再生型の光磁気ディスクがある。
さらに近年では、従来のミニディスクよりもさらに記録容量を上げた次世代MDが開発されつつある。この次世代MDとしては、従来の媒体(ディスクやカートリッジ)はそのままに、変調方式や論理構造などを変更してユーザエリア等を倍密度にし、記録容量を従来の約2倍の300MBに増加させたMD(Hi-MD1)が挙げられる。また、近い将来、Hi-MD1に比してさらに記録容量を増加させたMD(Hi-MD3)が、外形、光学系は互換性を保ちながらも、トラックピッチを従来の1.6μmから1.2μmに狭め、且つ例えばグルーブ(ディスク盤面上の溝)から磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detection:DWDD)によって記録マークを検出することによって開発されようとしている。
上記Hi-MD1は、従来のミニディスクと記録媒体の物理的仕様が同一であり、その記録フォーマットを変更することで、記録容量を増加させるものである。しかしながら、このHi-MD1はリムーバブルメディアであるため、記録媒体単体で保管した場合など、ユーザがその記録フォーマットを知ることができない。その一方で、従来の記録フォーマットと異なる記録フォーマットに対応していないディスクドライブ装置では、Hi-MD1を再生することができないため、ユーザが予めその記録フォーマットを知ることができない場合には不便を生じる。
ここで、記録フォーマットを判別する従来の方法としては、例えば下記特許文献1のように、カートリッジ表面に磁気ストライプを形成し、ディスクドライブ装置側でその磁気ストライプに記録されている媒体情報を読み出す方法が挙げられる。
特開平7−29290号公報
しかしながら、この特許文献1における磁気ストライプは、ユーザが記録媒体の記録フォーマットを知るために設けられたものではないため、ユーザがその記録フォーマットを知ることができず、不便を生じるという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、2種類の記録フォーマットが選択可能な記録媒体について、ユーザが何れの記録フォーマットであるかを識別可能とする再生装置及びその記録フォーマット判別方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る再生装置は、第1の記録フォーマットと第2の記録フォーマットとが選択可能とされ、カートリッジに収納された形態の記録媒体を再生する再生装置において、上記カートリッジの所定位置には、上記第1の記録フォーマットに対応する第1の位置と上記第2の記録フォーマットに対応する第2の位置との間をスライド可能なスライダが設けられており、上記記録媒体の記録フォーマットを判別する判別手段と、上記判別手段による判別結果に応じて上記スライダをスライドさせるスライド手段とを備え、上記スライド手段は、上記カートリッジの挿入時に、上記スライダを上記第1の位置にスライドさせ、上記カートリッジの取出時に、上記判別結果が上記第1の記録フォーマットであれば上記カートリッジをそのまま排出し、上記判別結果が上記第2の記録フォーマットであれば上記スライダを上記第2の位置にスライドさせて上記カートリッジを排出するものである。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る記録フォーマット判別方法は、第1の記録フォーマットと第2の記録フォーマットとが選択可能とされ、且つカートリッジに収納された形態の記録媒体を再生する再生装置の記録フォーマット判別方法であって、上記カートリッジの所定位置には、上記第1の記録フォーマットに対応する第1の位置と上記第2の記録フォーマットに対応する第2の位置との間をスライド可能なスライダが設けられており、上記カートリッジの挿入時に、上記スライダを上記第1の位置にスライドさせる挿入工程と、上記記録媒体の記録フォーマットを判別する判別工程と、上記カートリッジの取出時に、上記判別工程における判別結果が上記第1の記録フォーマットであれば上記カートリッジをそのまま排出し、上記判別結果が上記第2の記録フォーマットであれば上記スライダを上記第2の位置にスライドさせて上記カートリッジを排出する取出工程とを有する。
このような再生装置及びその記録フォーマット判別方法では、2種類の記録フォーマットが選択可能とされ、且つカートリッジに収納された形態の記録媒体が挿入される毎に、記録媒体の記録フォーマットを判別し、その判別結果に応じてカートリッジに設けられたスライダをスライドさせる。
本発明に係る再生装置及びその記録フォーマット判別方法によれば、2種類の記録フォーマットが選択可能とされ、且つカートリッジに収納された形態の記録媒体が挿入される毎に、記録媒体の記録フォーマットを判別し、その判別結果に応じてカートリッジに設けられたスライダをスライドさせるため、ユーザは、記録媒体のカートリッジのスライダを確認するのみで、何れの記録フォーマットであるかを識別することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、カートリッジに収納された形態のディスク状の光磁気記録媒体に対する記録再生が可能なディスクドライブ装置に適用したものである。
このディスクドライブ装置は、従来の光磁気記録方式を採用したディスク状記録媒体に対して、このディスク状記録媒体の記録再生方式として通常用いられる記録フォーマットを適用するほか、この記録フォーマットとは異なる記録フォーマットを適用することによって、従来の光磁気記録媒体の記録容量を増加することをも実現したものである。
本実施の形態では、ディスク状の光磁気記録媒体として、ミニディスク(登録商標)方式の光磁気記録媒体に適用した場合に関して説明する。以下では特に、従来の記録フォーマットでフォーマット化されたディスクを「従来のミニディスク」とし、従来の記録フォーマットとは異なる記録フォーマットを適用することによって記録容量を増加することを実現したディスクを「Hi-MD1」とする。なお、この記録フォーマットは、ユーザ操作によっても変更可能である。
さらに、本実施の形態では、後述するように、ディスク状記録媒体が挿入されたカートリッジにスライダが設けられており、このスライダの位置によりユーザが記録フォーマットを知ることができるようになされている。
以下、Hi-MD1の仕様例を説明するとともに、本発明を適用して、従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかを判別し、これをユーザに視認可能とする方法について説明する。
1.ディスク仕様及びエリア構造
先ず、従来のミニディスク及びHi-MD1の仕様について図1を用いて説明する。ミニディスク(及びMD-DATA)の物理フォーマットは、以下のように定められている。トラックピッチは、1.6μm、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45としている。記録方式としては、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式としては、ディスク盤面上にシングルスパイラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対して所定の周波数(22.05KHz)で蛇行したウォブル(Wobble)を形成し、絶対アドレスを上記周波数を基準にFM変調してウォブルドグルーブトラックに記録する方式を採っている。なお、本明細書では、ウォブルとして記録される絶対アドレスをADIP(Address in Pre-groove)ともいう。
従来のミニディスクでは、メインデータ部である32セクタにリンクセクタである4セクタを付加して合計36セクタを1クラスタ単位として記録を行っている。上記ADIP信号はクラスタアドレス、セクタアドレスから構成される。上記クラスタアドレスは、8ビットのクラスタHと8ビットのクラスタLとから構成され、セクタアドレスは、4ビットのセクタから構成される。
また、従来のミニディスクでは、記録データの変調方式としてEFM(8-14変換)変調方式が採用されている。また、誤り訂正方式としては、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を用いている。データインタリーブには、畳み込み型を採用している。これにより、データの冗長度は、46.3%となっている。
また、従来のミニディスクにおけるデータの検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディスク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Velocity)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/sである。
記録再生時の標準のデータレートは、133kB/s、記録容量は、164MB(MD-DATAでは、140MB)である。また、データの最小書換単位(単位クラスタ)は、上述のように32個のメインセクタと4個のリンクセクタによる36セクタで構成されている。
続いて、本具体例として示すHi-MD1に関して説明する。Hi-MD1は、上述した従来のミニディスクと記録媒体の物理的仕様は、同一である。そのため、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIPを利用する。このように、ディスクドライブ装置における光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処理は、従来のミニディスクと同様であるため、従来のミニディスクとの互換性が達成されている。
Hi-MD1は、記録データの変調方式として、高密度記録に適合したRLL(1-7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))を採用している。また、誤り訂正方式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indicator Subcode)付きのRS-LDC(Reed Solomon-Long Distance Code)方式を用いている。
具体的には、ホストアプリケーション等から供給されるユーザデータの2048バイトに4バイトのEDC(Error Detection Code)を付加した2052バイトを1セクタ(データセクタ、後述するディスク上の物理セクタとは異なる)とし、図2に示すように、Sector0〜Sector31の32セクタを304列×216行のブロックにまとめる。ここで、各セクタの2052バイトに対しては、所定の疑似乱数との排他的論理和(Ex-OR)をとるようなスクランブル処理が施される。このスクランブル処理されたブロックの各列に対して32バイトのパリティを付加して、304列×248行のLDC(Long Distance Code)ブロックを構成する。このLDCブロックにインタリーブ処理を施して、152列×496行のブロック(Interleaved LDC Block)とし、これを図3に示すように38列ずつ1列の上記BISを介して配列することで155列×496行の構造とし、さらに先頭位置に2.5バイト分のフレーム同期コード(Frame Sync)を付加して、1行を1フレームに対応させ、157.5バイト×496フレームの構造とする。この図3の各行が、後述する図8に示す1レコーディングブロック(クラスタ)内のデータ領域のFrame10〜Frame505の496フレームに相当する。
以上のデータ構造において、データインタリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータの冗長度は、20.50%になる。また、データの検出方式として、PR(1,2,1)MLによるビタビ復号方式を用いる。
ディスク駆動方式には、CLV方式を用い、その線速度は、2.4m/sとする。記録再生時の標準データレートは、4.4MB/sである。この方式を採用することにより、総記録容量を300MBにすることができる。変調方式をEFMからRLL(1-7)PP変調方式とすることによって、ウインドウマージンが0.5から0.666となるため、1.33倍の高密度化が実現できる。また、データの最小書換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成される。このように記録変調方式をCIRC方式からBIS付きのRS-LDC方式及びセクタ構造の差異とビタビ復号を用いる方式にすることで、データ効率が53.7%から79.5%となるため、1.48倍の高密度化が実現できる。
これらを総合すると、Hi-MD1は、記録容量を従来のミニディスクの約2倍である300MBにすることができる。
本具体例に示すHi-MD1の盤面上のエリア構造例を図4に模式的に示す。Hi-MD1は、従来のミニディスクと同じ媒体であって、ディスクの最内周側は、プリマスタードエリアとして、PTOC(Premastered Table Of Contents)が設けられている。ここには、ディスク管理情報が物理的な構造変形によるエンボスピットとして記録されている。
プリマスタードエリアより外周は、光磁気記録可能なレコーダブルエリアとされ、記録トラックの案内溝としてのグルーブが形成された記録再生可能領域である。このレコーダブルエリアの最内周側は、UTOC(User Table Of Contents)領域であって、このUTOC領域には、UTOC情報が記述されるとともに、プリマスタードエリアとの緩衝エリアや、レーザ光の出力パワー調整等のために用いられるパワーキャリブレーションエリアが設けられている。
なお、ここでは、Hi-MD1に音楽データ用のオーディオトラックとデータトラックとをディスク上に混在記録することもできる。この場合、例えば、図5に示すように、データエリアに少なくとも1つのオーディオトラックが記録されたオーディオ記録領域AAと、少なくとも1つのデータトラックが記録されたPC用データ記録領域DAとがそれぞれ任意の位置に形成されることになる。
一連のオーディオトラックやデータトラックは、ディスク上で必ずしも物理的に連続して記録される必要はなく、図5に示すように複数のパーツに分割して記録されていてもよい。パーツとは、物理的に連続して記録される区間を示す。すなわち、図5のように物理的に離れた2つのPCデータ記録領域が存在する場合でも、データトラックの数としては、1つの場合もあり、複数の場合もある。
2.ディスクの管理構造
図6に基づいて、本具体例に示すHi-MD1のデータ管理構造を説明する。
Hi-MD1では、上述したように、従来のミニディスクと同一の媒体であるため、Hi-MD1では、従来のミニディスクで採用されているように書き換え不可能なエンボスピットによりPTOCが記録されている。このPTOCには、ディスクの総容量、UTOC領域におけるUTOC位置、パワーキャリブレーションエリアの位置、データエリアの開始位置、データエリアの終了位置(リードアウト位置)等が管理情報として記録されている。
Hi-MD1では、ADIPアドレス0000〜0002には、レーザの書込出力を調整するためのパワーキャリブレーションエリア(Rec Power Calibration Area)が設けられている。続く0003〜0005には、UTOCが記録される。UTOCには、トラック(オーディオトラック/データトラック)の記録・消去等に応じて書き換えられる管理情報が含まれ、各トラック及びトラックを構成するパーツの開始位置、終了位置等を管理している。また、データエリアにおいて未だトラックが記録されていないフリーエリア、すなわち書込可能領域のパーツも管理している。UTOC上では、PC用データ全体をMDオーディオデータによらない1つのトラックとして管理している。そのため、仮にオーディオトラックとデータトラックとを混在記録したとしても、複数のパーツに分割されたPC用データの記録位置を管理できる。
また、UTOCデータは、このUTOC領域における特定のADIPクラスタに記録され、UTOCデータは、このADIPクラスタ内のセクタ毎に、その内容が定義されている。具体的には、UTOCセクタ0(このADIPクラスタ内の先頭のADIPセクタ)は、トラックやフリーエリアにあたるパーツを管理しており、UTOCセクタ1及びセクタ4は、トラックに対応した文字情報を管理している。また、UTOCセクタ2には、トラックに対応した記録日時を管理する情報が書き込まれる。
UTOCセクタ0は、記録されたデータや記録可能な未記録領域、さらにデータの管理情報等が記録されているデータ領域である。例えば、ディスクにデータを記録する際、ディスクドライブ装置は、UTOCセクタ0からディスク上の未記録領域を探し出し、ここにデータを記録する。また、再生時には、再生すべきデータトラックが記録されているエリアをUTOCセクタ0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行う。
なお、Hi-MD1では、PTOC及びUTOCは、従来のミニディスクシステムに準拠する方式、ここではEFM変調方式により変調されたデータとして記録されている。したがって、Hi-MD1は、EFM変調方式により変調されたデータとして記録された領域と、RS-LDC及びRLL(1-7)PP変調方式で変調された高密度データとして記録された領域とを有することになる。
また、ADIPアドレス0032に記述されるアラートトラックには、従来のミニディスクのディスクドライバ装置にHi-MD1を挿入したとしても、この媒体が従来のミニディスクのディスクドライバ装置に対応していないことを知らせるための情報が格納されている。この情報は、「このディスクは、この再生装置に対応していないフォーマットです。」等の音声データ、或いは警告音データとしてもよい。また、表示部を備えるディスクドライバ装置であれば、この旨を表示するためのデータであってもよい。このアラートトラックは、従来のミニディスクに対応したディスクドライバ装置でも読取可能なように、EFM変調方式によって記録されている。
ADIPアドレス0034には、Hi-MD1のディスク情報を表したディスクディスクリプションテーブル(Disc Description Table;DDT)が記録される。DDTには、フォーマット形式、ディスク内論理クラスタの総数、媒体固有のID、このDDTの更新情報、不良クラスタ情報等が記述される。
DDT領域からは、RS-LDC及びRLL(1-7)PP変調方式で変調された高密度データとして記録されるため、アラートトラックとDDTとの間には、ガードバンド領域が設けられている。
また、RLL(1-7)PP変調方式で変調された高密度データが記録される最も若いADIPアドレス、すなわち、DDTの先頭アドレスには、ここを0000とする論理クラスタ番号(Logical Cluster Number;LCN)が付される。1論理クラスタは、65,536バイトであり、この論理クラスタが読み書き最小単位となる。なお、ADIPアドレス0006〜0031は、リザーブされている。
続くADIPアドレス0036〜0038には、認証によって公開可能となるセキュアエリア(Secure Area)が設けられている。このセキュアエリアによって、データを構成する各クラスタの公開可・不可等の属性を管理している。特に、このセキュアエリアでは、著作権保護のための情報、データ改竄チェックのための情報等を記録する。また、このほかの各種の非公開情報を記録することができる。この公開不可領域は、特別に許可された特定外部機器のみが限定的にアクセスできるようになっており、このアクセス可能な外部機器を認証する情報も含まれる。
ADIPアドレス0038からは、書込及び読取自由なユーザエリア(User Area)(任意データ長)とスペアエリア(Spare Area)(データ長8)とが記述される。ユーザエリアに記録されたデータは、LCNの昇順に並べたとき、先頭から2,048バイトを1単位としたユーザセクタ(User Sector)に区切られており、PC等の外部機器からは、先頭のユーザセクタを0000とするユーザセクタ番号(User Sector Number;USN)を付してFATファイルシステムにより管理されている。
なお、Hi-MD1のファイルは、FATファイルシステムに基づいて管理される。例えば、各データトラックは、それぞれ独自にFATファイルシステムを持つ。或いは、複数のデータトラックにわたって1つのFATファイルシステムを記録するようにもできる。
3.ADIPセクタ/クラスタ構造とデータブロック
続いて、本具体例として示すHi-MD1のADIPセクタ構造とデータブロックとの関係について図7を用いて説明する。従来のミニディスク(MD)システムでは、ADIPとして記録された物理アドレスに対応したクラスタ/セクタ構造が用いられている。本具体例では、説明の便宜上、ADIPアドレスに基づいたクラスタを「ADIPクラスタ」と記す。また、Hi-MD1におけるアドレスに基づくクラスタを「レコーディングブロック(Recording Block)」或いは「Hi-MDクラスタ」と記す。
Hi-MD1では、データトラックは、図7に示すようにアドレスの最小単位であるクラスタの連続によって記録されたデータストリームとして扱われている。具体的には、従来の1クラスタ(36セクタ)を2分割して、1レコーディングブロックを18セクタで構成する。
図7に示す1レコーディングブロック(1Hi-MDクラスタ)のデータ構造としては、10フレームのプリアンブルと、6フレームのポストアンブルと、496フレームのデータ部とからなる512フレームから構成されている。さらにこのレコーディングブロック内の1フレームは、同期信号領域と、データ、BIS、DSVとからなる。
また、1レコーディングブロックの512フレームのうち、メインデータが記録される496フレームを16等分した各々をアドレスユニット(Address Unit)とよぶ。各アドレスユニットは、31フレームからなる。また、このアドレスユニットの番号をアドレスユニットナンバ(Address Unit Number;AUN)とよぶ。このAUNは、全てのアドレスユニットに付される番号であって、記録信号のアドレス管理に使用される。
Hi-MD1のように、ADIPに記述された物理的なクラスタ/セクタ構造を有する従来のミニディスクに対して、1-7PP変調方式で変調された高密度データを記録する場合、ディスクに元々記録されたADIPアドレスと、実際に記録するデータブロックのアドレスとが一致しなくなるという問題が生じる。ランダムアクセスは、ADIPアドレスを基準として行われるが、ランダムアクセスでは、データを読み出す際、所望のデータが記録された位置近傍にアクセスしても、記録されたデータを読み出せるが、データを書き込む際には、既に記録されているデータを上書き消去しないように正確な位置にアクセスする必要がある。そのため、ADIPアドレスに対応付けしたHi-MDクラスタ/Hi-MDセクタからアクセス位置を正確に把握することが重要となる。
そこで、Hi-MD1の場合、媒体表面上にウォブルとして記録されたADIPアドレスを所定規則で変換して得られるデータ単位によって高密度データクラスタを把握する。この場合、ADIPセクタの整数倍が高密度データクラスタになるようにする。この考え方に基づいて、従来のミニディスクに記録された1ADIPクラスタに対してHi-MDクラスタを記述する際には、各Hi-MDクラスタを1/2ADIPクラスタ(18セクタ)区間に対応させる。
したがって、Hi-MD1では、従来のMDクラスタの1/2クラスタが最小記録単位(レコーディングブロック(Recording Block))として対応付けされている。
なお、本具体例では、前述したように、ホストアプリケーションから供給される2048バイト単位のデータブロックを1論理データセクタ(Logical Data Sector;LDS)とし、このとき同一レコーディングブロック中に記録される32個の論理データセクタの集合を論理データクラスタ(Logical Data Cluster;LDC)としている。
以上説明したようなデータ構造とすることにより、Hi-MDデータを任意位置へ記録する際、媒体に対してタイミングよく記録できる。また、ADIPアドレス単位であるADIPクラスタ内に整数個のHi-MDクラスタが含まれるようにすることによって、ADIPクラスタアドレスからHi-MDデータクラスタアドレスへのアドレス変換規則が単純化され、換算のための回路又はソフトウェア構成が簡略化できる。
なお、図7では、1つのADIPクラスタに2つのHi-MDクラスタを対応付ける例を示したが、1つのADIPクラスタに3以上のHi-MDクラスタを配することもできる。このとき、1つのHi-MDクラスタは、16ADIPセクタから構成される点に限定されず、EFM変調方式とRLL(1-7)PP変調方式におけるデータ記録密度の差やHi-MDクラスタを構成するセクタ数、また1セクタのサイズ等に応じて設定することができる。
図7においては、記録媒体上に記録するデータ構造を示したが、次に記録媒体上のグルーブウオ―ブルトラックに記録されているADIP信号を、後述する図10のADIP復調器38で復調した際のデータ構造に関してデータ構造に関して説明する。
図8には、Hi-MD1のADIPのデータ構造が示されている。
Hi-MD1では、同期信号と、ディスクにおけるクラスタ番号等を示すクラスタH(Cluster H)情報及びクラスタL(Cluster L)情報と、クラスタ内におけるセクタ番号等を含むセクタ情報(Sector)とが記述されている。同期信号は、4ビットで記述され、クラスタHは、アドレス情報の上位8ビットで記述され、クラスタLは、アドレス情報の下位8ビットで記述され、セクタ情報は、4ビットで記述される。また、後半の14ビットには、CRCが付加されている。以上、42ビットのADIP信号が各ADIPセクタに記録されている。
ADIPのデータ構造では、上述したクラスタH(Cluster H)情報及びクラスタL(Cluster L)情報の構成は、任意に決定できる。また、ここに他の付加情報を記述することもできる。例えば、下位8ビットで表されるクラスタLに替えて、ディスクコントロール情報を記述することもできる。ディスクコントロール情報としては、サーボ信号補正値、再生レーザパワー上限値、再生レーザパワー線速補正係数、記録レーザパワー上限値、記録レーザパワー線速補正係数、記録磁気感度、磁気−レーザパルス位相差、パリティ等が挙げられる。
4.ディスクドライブ装置
図9及び図10を用いて、Hi-MD1の記録再生に対応したディスクドライブ装置10の具体例について説明する。ここでは、ディスクドライブ装置10は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記す。)100と接続でき、Hi-MD1をオーディオデータのほか、PC等の外部ストレージとして使用できる。
ディスクドライブ装置10は、メディアドライブ部11と、メモリ転送コントローラ12と、クラスタバッファメモリ13と、補助メモリ14と、USBインターフェース15、16と、USBハブ17と、システムコントローラ18と、オーディオ処理部19とを備える。
メディアドライブ部11は、装填された従来のミニディスク及びHi-MD1等の個々のディスク90に対する記録/再生を行う。メディアドライブ部11の内部構成は、図10で後述する。
メモリ転送コントローラ12は、メディアドライブ部11からの再生データやメディアドライブ部11に供給する記録データの送受制御を行う。クラスタバッファメモリ13は、メディアドライブ部11によってディスク90のデータトラックから高密度データクラスタ単位で読み出されたデータをメモリ転送コントローラ12の制御に基づいてバッファリングする。補助メモリ14は、メディアドライブ部11によってディスク90から読み出されたUTOCデータ、CATデータ、ハッシュ値等の各種管理情報や特殊情報をメモリ転送コントローラ12の制御に基づいて記憶する。
システムコントローラ18は、USBインターフェース16、USBハブ17を介して接続されたPC100との間で通信可能とされ、このPC100との間の通信制御を行って、書込要求、読出要求等のコマンドの受信やステイタス情報、その他の必要情報の送信等を行うとともに、ディスクドライブ装置10全体を統括制御している。
システムコントローラ18は、例えば、ディスク90がメディアドライブ部11に装填された際に、ディスク90からの管理情報等の読出をメディアドライブ部11に指示し、メモリ転送コントローラ12によって読み出されたPTOC、UTOC等の管理情報等を補助メモリ14に格納させる。
システムコントローラ18は、これらの管理情報を読み込むことによって、ディスク90のトラック記録状態を把握できる。また、CATを読み込ませることにより、データトラック内の高密度データクラスタ構造を把握でき、PC100からのデータトラックに対するアクセス要求に対応できる状態となる。
システムコントローラ18は、PC100から、あるFATセクタの読出要求があった場合、メディアドライブ部11に対して、このFATセクタを含む高密度データクラスタの読出を実行する旨の信号を与える。読み出された高密度データクラスタは、メモリ転送コントローラ12によってクラスタバッファメモリ13に書き込まれる。但し、既にFATセクタのデータがクラスタバッファメモリ13に格納されていた場合、メディアドライブ部11による読出は必要ない。
このとき、システムコントローラ18は、クラスタバッファメモリ13に書き込まれている高密度データクラスタのデータから、要求されたFATセクタのデータを読み出す信号を与え、USBインターフェース15、USBハブ17を介して、PC100に送信するための制御を行う。
また、システムコントローラ18は、PC100から、あるFATセクタの書込要求があった場合、メディアドライブ部11に対して、このFATセクタを含む高密度データクラスタの読出を実行させる。読み出された高密度データクラスタは、メモリ転送コントローラ12によってクラスタバッファメモリ13に書き込まれる。但し、既にこのFATセクタのデータがクラスタバッファメモリ13に格納されていた場合は、メディアドライブ部11による読出は必要ない。
また、システムコントローラ18は、PC100から送信されたFATセクタのデータ(記録データ)をUSBインターフェース15を介してメモリ転送コントローラ12に供給し、クラスタバッファメモリ13上で該当するFATセクタのデータの書き換えを実行させる。
また、システムコントローラ18は、メモリ転送コントローラ12に指示して、必要なFATセクタが書き換えられた状態でクラスタバッファメモリ13に記憶されている高密度データクラスタのデータを記録データとしてメディアドライブ部11に転送させる。このとき、メディアドライブ部11は、装着されている媒体が従来のミニディスクであればEFM変調方式で、Hi-MD1であればRLL(1-7)PP変調方式で高密度データクラスタの記録データを変調して書き込む。
なお、本具体例として示すディスクドライブ装置10において、上述した記録再生制御は、データトラックを記録再生する際の制御であり、MDオーディオデータ(オーディオトラック)を記録再生する際のデータ転送は、オーディオ処理部19を介して行われる。
オーディオ処理部19は、入力系として、例えば、ライン入力回路/マイクロフォン入力回路等のアナログ音声信号入力部、A/D変換器、及びデジタルオーディオデータ入力部を備える。また、オーディオ処理部19は、ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダ、圧縮データのバッファメモリを備える。さらに、オーディオ処理部19は、出力系として、デジタルオーディオデータ出力部、D/A変換器及びライン出力回路/ヘッドホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備えている。
ディスク90に対してオーディオトラックが記録されるのは、オーディオ処理部19にデジタルオーディオデータ(又は、アナログ音声信号)が入力される場合である。入力されたリニアPCMデジタルオーディオデータ、或いはアナログ音声信号で入力された後、A/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーディオデータは、ATRAC圧縮エンコードされ、バッファメモリに蓄積される。その後、所定タイミング(ADIPクラスタ相当のデータ単位)でバッファメモリから読み出され、メディアドライブ部11に転送される。
メディアドライブ部11では、転送された圧縮データをEFM変調方式又はRLL(1-7)PP変調方式で変調してディスク90にオーディオトラックとして書き込む。
メディアドライブ部11は、ディスク90からオーディオトラックを再生する場合、再生データをATRAC圧縮データ状態に復調してオーディオ処理部19に転送する。オーディオ処理部19は、ATRAC圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータとし、デジタルオーディオデータ出力部から出力する。或いは、D/A変換器によりアナログ音声信号としてライン出力/ヘッドホン出力を行う。
なお、この図9に示す構成は、一例であって、例えば、ディスクドライブ装置10をPC100に接続してデータトラックのみ記録再生する外部ストレージ機器として使用する場合は、オーディオ処理部19は、不要である。一方、オーディオ信号を記録再生することを主たる目的とする場合、オーディオ処理部19を備え、さらにユーザインターフェースとして操作部や表示部を備えることが好適である。また、PC100との接続は、USBに限らず、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.:アメリカ電気・電子技術者協会)の定める規格に準拠した、いわゆるIEEE1394インターフェースのほか、汎用の接続インターフェースが適用できる。
続いて、従来のミニディスク及びHi-MD1を記録再生するためのメディアドライブ部11の構成を図10を用いて、さらに詳細に説明する。
メディアドライブ部11は、従来のミニディスク及びHi-MD1を記録再生するために、特に、記録処理系として、従来のミニディスクの記録のためのEFM変調・ACIRCエンコードを実行する構成と、Hi-MD1の記録のためのRLL(1-7)PP変調・RS-LDCエンコードを実行する構成とを備える点が特徴的である。また、再生処理系として、従来のミニディスクの再生のためのEFM復調・ACIRCデコードを実行する構成と、Hi-MD1の再生にPR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1-7)復調・RS-LDCデコードを実行する構成を備えている点が特徴的である。
メディアドライブ部11は、装填されたディスク90をスピンドルモータ21によってCLV方式又はZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、このディスク90に対して、光学ヘッド22からレーザ光が照射される。
光学ヘッド22は、記録時に記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には、磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド22は、レーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド22に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
ディスク90を挟んで光学ヘッド22と対向する位置には、磁気ヘッド23が配置されている。磁気ヘッド23は、記録データによって変調された磁界をディスク90に印加する。また、図示しないが光学ヘッド22全体及び磁気ヘッド23をディスク半径方向に移動させためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。
このメディアドライブ部11では、光学ヘッド22、磁気ヘッド23による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ21によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。記録処理系としては、従来のミニディスクに対する記録時にEFM変調、ACIRCエンコードを行う部位と、Hi-MD1に対する記録時にRLL(1-7)PP変調、RS-LDCエンコードを行う部位とが設けられる。
また、再生処理系としては、従来のミニディスクの再生時にEFM変調に対応する復調及びACIRCデコードを行う部位と、Hi-MD1の再生時にRLL(1-7)PP変調に対応する復調(PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL(1-7)復調)、RS-LDCデコードを行う部位とが設けられる。
光学ヘッド22のディスク90に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ24に供給される。RFアンプ24では、入力された検出情報に対して電流-電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク90にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
従来のミニディスクの再生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、コンパレータ25、PLL回路26を介して、EFM復調部27及びACIRCデコーダ28で処理される。再生RF信号は、EFM復調部27で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、さらにACIRCデコーダ28で誤り訂正及びデインタリーブ処理される。オーディオデータであれば、この時点でATRAC圧縮データの状態となる。このとき、セレクタ29は、従来のミニディスク信号側が選択されており、復調されたATRAC圧縮データがディスク90からの再生データとしてデータバッファ30に出力される。この場合、図9のオーディオ処理部19に圧縮データが供給される。
一方、Hi-MD1の再生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、A/D変換回路31、イコライザ32、PLL回路33、PRML回路34を介して、RLL(1-7)PP復調部35及びRS-LDCデコーダ36で信号処理される。再生RF信号は、RLL(1-7)PP復調部35において、PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1-7)符号列としての再生データを得て、このRLL(1-7)符号列に対してRLL(1-7)復調処理が行われる。さらに、RS-LDCデコーダ36にて誤り訂正及びデインタリーブ処理される。
この場合、セレクタ29は、Hi-MD1側が選択され、復調されたデータがディスク90からの再生データとしてデータバッファ30に出力される。このとき、図9のメモリ転送コントローラ12に対して復調データが供給される。
RFアンプ24から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サーボ回路37に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコータ38に供給される。
ADIPデコータ38は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、MDアドレスデコーダ39を介してドライブコントローラ40に供給される。
ドライブコントローラ40では、各ADIPアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。またグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサーボ回路37に戻される。
サーボ回路37は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御及びZCAVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路37は、スピンドルエラー信号や、上記のようにRFアンプ24から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いはドライブコントローラ40からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ42に対して出力する。すなわち、上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ41では、サーボ回路37から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ21を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。このようなサーボドライブ信号により、ディスク90に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ21に対するCLV制御又はZCAV制御が行われる。
ディスク90に対して記録動作が実行される際には、図9に示したメモリ転送コントローラ12から高密度データ、或いはオーディオ処理部19からの通常のATRAC圧縮データが供給される。
従来のミニディスクに対する記録時には、セレクタ42が従来のミニディスク側に接続され、ACIRCエンコーダ43及びEFM変調部44が機能する。この場合、オーディオ信号であれば、オーディオ処理部19からの圧縮データは、ACIRCエンコーダ43でインタリーブ及びエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部44においてEFM変調される。EFM変調データがセレクタ42を介して磁気ヘッドドライバ45に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことで変調されたデータが記録される。
Hi-MD1に対する記録時には、セレクタ42がHi-MD1側に接続され、RS-LCDエンコーダ46及びRLL(1-7)PP変調部47が機能する。この場合、メモリ転送コントローラ12から送られた高密度データは、RS-LCDエンコーダ46でインタリーブ及びRS-LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1-7)PP変調部47にてRLL(1-7)変調される。
RLL(1-7)符号列に変調された記録データは、セレクタ42を介して磁気ヘッドドライバ45に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記録される。
レーザドライバ/APC48は、上記のような再生時及び記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Laser Power Control)動作も行う。具体的には、図示しないが、光学ヘッド22内には、レーザパワーモニタ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号がレーザドライバ/APC48にフィードバックされるようになっている。レーザドライバ/APC48は、モニタ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることによって、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるように制御している。ここで、レーザパワーは、ドライブコントローラ40によって、再生レーザパワー及び記録レーザパワーとしての値がレーザドライバ/APC48内部のレジスタにセットされる。
ドライブコントローラ40は、システムコントローラ18からの指示に基づいて、以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように各構成を制御する。なお、図10において一点鎖線で囲った各部は、1チップの回路として構成することもできる。
ところで、ディスク90が図5のように、予めデータトラック記録領域とオーディオトラック記録領域とが分割して領域設定されている場合、システムコントローラ18は、記録再生するデータがオーディオトラックかデータトラックかに応じて、設定された記録領域に基づいたアクセスをメディアドライブ部11のドライブコントローラ40に指示することになる。
また、装着されたディスク90に対して、PC用のデータ又はオーディオデータの何れか一方のみを記録許可し、これ以外のデータの記録を禁止する制御を行うようにもできる。すなわち、PC用のデータとオーディオデータとを混在しないように制御することもできる。
したがって、本具体例として示すディスクドライブ装置10は、上述した構成を備えることにより、従来のミニディスク及びHi-MD1の間の互換性を実現できる。
5.ディスク判別手法
図11(A)、(B)を用いて、従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかのディスク判別手法について説明する。なお、図11(B)は、図11(A)のA−A’断面図である。
上述したディスク90は、実際には図11(A)に示すような扁平なカートリッジ91に収納され、その内部で回転可能とされている。カートリッジ91にはスライド式のシャッタ92が設けられ、このシャッタ92が開けられることで内部のディスク90が表出する。なお、このシャッタ92は、通常は閉じてディスク90を隠蔽しており、ディスクドライブ装置10に挿入されると、そのデッキ内の機構によりスライドされて開けられるものとされる。カートリッジ91上の矢印マーク93は、カートリッジ91の挿入方向を表している。
ここで、上述したように、従来のミニディスクとHi-MD1とは同一の媒体であるため、ディスクドライブ装置10から取り出した状態では、ユーザは、何れの記録フォーマットであるかを知ることができない。そこで、カートリッジ91の所定の隅部には、ディスク90が従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかをユーザが視認可能とするためのスライダ94が設けられている。このスライダ94は、図11(B)に示すように、カートリッジ91の厚み方向に僅かに突出した突出部94aを有している。
上述したディスクドライブ装置10は、カートリッジ91の挿入時及び取出時にこのスライダ94をスライドさせるスライド機構を有しており、ディスク90が従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかに応じて、スライダ94を図11(A)に示す各々の方向にスライドさせる。
先ず、カートリッジ91の挿入時のスライド機構の動作について、図12、図13を用いて説明する。ディスクドライブ装置10のディスク挿入部が開くと、ディスクドライブ装置10の蓋側に設けられた爪部100が蓋部から離隔する方向に押し下げられる。そして、この状態で図中矢印aで示す方向にカートリッジ91を挿入すると、爪部100がスライダ94の突出部94aに当接し、スライダ94が図中矢印bで示す方向、すなわち従来のミニディスクを示す方向にスライドする。つまり、カートリッジ91の挿入前にスライダ94が従来のミニディスクの位置にあるかHi-MD1の位置にあるかに関わりなく、挿入後には従来のミニディスクの位置にスライドした状態となる。
この爪部100を押し下げる機構は、例えば図13に示すように構成することができる。図13(A)に示すように、プランジャー101の先端に可撓性を有する例えば金属板が接続され、その先に上述した爪部100が接続される。そして、ディスクドライブ装置10のディスク挿入部が開くと、図13(B)に示すようにプランジャー101の先端が伸長し、蓋部に設けられた凸部102によって爪部100が蓋部から離隔する方向に押し下げられる。
続いて、カートリッジ91の取出時のスライド機構の動作について、図14を用いて説明する。図中矢印cで示す方向にカートリッジ91を取り出す際に、ディスク90が従来のミニディスクである場合には、図14(A)に示すように、爪部100が押し下げられず、カートリッジ91は、スライダ94が挿入時の位置、すなわち従来のミニディスクを示す位置のまま排出される。一方、ディスク90がHi-MD1である場合には、図14(B)に示すように、挿入時と同様に爪部100が蓋部から離隔する方向に押し下げられ、再び爪部100とスライダ94の突出部94aが当接し、スライダ94が図中矢印dで示す方向、すなわちHi-MD1を示す方向にスライドする。そして、カートリッジ91は、スライダ94がHi-MD1を示す位置にスライドした状態で排出される。
なお、ディスク90が従来のミニディスクであるかHi-MD1であるかは、UTOCを参照することで判別することができる。UTOCの所定のバイト位置には、メーカーコードとして製造メーカに割り振られたコードナンバが記録されるが、特にHi-MD1では、このメーカーコードのエリアにHi-MD1のディスクであることの識別子が記録される。したがって、このUTOCにHi-MD1を示すコードが存在しなければ、ディスク90は従来のミニディスクであり、Hi-MD1を示すコードが存在すれば、ディスク90はHi-MD1であると分かる。
このような操作をカートリッジ91が挿入される毎に行うことで、保管時にスライダ93が実際の記録フォーマットとは異なる位置にスライドしてしまった場合であっても、カートリッジ91の取出時には正しい位置に戻るため、ユーザは、カートリッジ91を取り出した状態で常にディスク90の記録フォーマットを知ることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態では、カートリッジ91の挿入時に自動的にスライダ93が従来のミニディスクを示す位置にスライドするものとして説明したが、逆に、挿入時にHi-MD1を示す位置にスライドさせても構わない。この場合、ディスク90の記録フォーマットが従来のミニディスクであれば検出スイッチ100が押し下げられるが、Hi-MD1であれば検出スイッチ100は押し下げられない。
また、上述した実施の形態では、従来のミニディスクとHi-MD1との2段階でスライダ94を切り替えるものとして説明したが、何れにもフォーマット化されてない状態の空のディスク90を含めて、3段階でスライダ94を切り替えるようにしても構わない。
また、上述した実施の形態では、カートリッジ91の主面上にスライダ94を設けたが、カートリッジ91の側面にスライダ94を設けるようにしても構わない。この際、スライダ94のスライド方向は、カートリッジ91の挿入方向と一致することが好ましい。
少なくとも2種類の記録フォーマットが選択可能な記録媒体について、ディスクドライブ装置に挿入しなくても、カートリッジに設けられたスライダの位置を確認するのみで、何れの記録フォーマットであるかを識別することができる。
本実施の形態における具体例として示すHi-MD1及び従来のミニディスクの仕様を説明する図である。 Hi-MD1における誤り訂正方式のBIS付きRS-LDCブロックを説明する図である。 Hi-MD1の1レコーディングブロック内のBIS配置を説明する図である。 Hi-MD1のディスク盤面上のエリア構成を説明する模式図である。 Hi-MD1のディスクにオーディオデータとPC用データとを混在記録した場合の盤面上のエリア構成を説明する模式図である。 Hi-MD1のデータ管理構造を説明する模式図である。 Hi-MD1のADIPセクタ構造とデータブロックとの関係を説明する模式図である。 Hi-MD1のADIPデータ構造を示す模式図である。 従来のミニディスク及びHi-MD1に対して互換性を有して記録再生を行うディスクドライブ装置を説明するブロック図である。 上記ディスクドライブ装置のメディアドライブ部を説明するブロック図である。 ディスクが収納されるカートリッジを説明する図であり、同図(A)は、カートリッジの平面図を示し、同図(B)は、同図(A)のA−A’断面図を示す。 カートリッジの挿入時におけるスライド機構の動作を説明する模式図である。 スライド機構を拡大して説明する模式図であり、同図(A)は、通常の状態を示し、同図(B)は、爪部が押し下げられた状態を示す。 カートリッジの取出時におけるスライド機構の動作を説明する模式図であり、同図(A)は、従来のミニディスクの場合を示し、同図(B)は、Hi-MD1の場合を示す。
符号の説明
10 ディスクドライブ装置、90 ディスク、91 カートリッジ、92 シャッタ、94 スライダ、94a 突出部、100 爪部、101 プランジャー、102 凸部

Claims (4)

  1. 第1の記録フォーマットと第2の記録フォーマットとが選択可能とされ、且つカートリッジに収納された形態の記録媒体を再生する再生装置において、
    上記カートリッジの所定位置には、上記第1の記録フォーマットに対応する第1の位置と上記第2の記録フォーマットに対応する第2の位置との間をスライド可能なスライダが設けられており、
    上記記録媒体の記録フォーマットを判別する判別手段と、
    上記判別手段による判別結果に応じて上記スライダをスライドさせるスライド手段とを備え、
    上記スライド手段は、上記カートリッジの挿入時に、上記スライダを上記第1の位置にスライドさせ、上記カートリッジの取出時に、上記判別結果が上記第1の記録フォーマットであれば上記カートリッジをそのまま排出し、上記判別結果が上記第2の記録フォーマットであれば上記スライダを上記第2の位置にスライドさせて上記カートリッジを排出する
    ことを特徴とする再生装置。
  2. 上記スライダは、上記カートリッジの主面上の所定の隅部に該カートリッジの挿入方向にスライド可能に設けられており、
    上記スライド手段は、上記カートリッジの挿入時又は取出時に上記スライダをスライド可能に出現する爪部を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
  3. 第1の記録フォーマットと第2の記録フォーマットとが選択可能とされ、且つカートリッジに収納された形態の記録媒体を再生する再生装置の記録フォーマット判別方法であって、
    上記カートリッジの所定位置には、上記第1の記録フォーマットに対応する第1の位置と上記第2の記録フォーマットに対応する第2の位置との間をスライド可能なスライダが設けられており、
    上記カートリッジの挿入時に、上記スライダを上記第1の位置にスライドさせる挿入工程と、
    上記記録媒体の記録フォーマットを判別する判別工程と、
    上記カートリッジの取出時に、上記判別工程における判別結果が上記第1の記録フォーマットであれば上記カートリッジをそのまま排出し、上記判別結果が上記第2の記録フォーマットであれば上記スライダを上記第2の位置にスライドさせて上記カートリッジを排出する取出工程と
    を有することを特徴とする記録フォーマット判別方法。
  4. 上記スライダは、上記カートリッジの主面上の所定の隅部に該カートリッジの挿入方向にスライド可能に設けられており、
    上記挿入工程及び取出工程では、上記再生装置の所定位置に設けられた爪部が上記スライダをスライド可能に出現して、上記スライダを上記第1の位置又は上記第2の位置にスライドさせる
    ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007020750A1 (ja) * 2005-08-19 2007-02-22 Konica Minolta Opto, Inc. 記録再生システム

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