JP2005071410A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溝又はピットが形成された第1基板101と、第1基板101上に設けられたZnS−SiO2を含有する劣化抑制層102と、光学濃度が60以上の有機色素を含有し、第1基板101側から劣化抑制層102を介して照射された光により情報の記録及び/又は再生が行われる記録層103と、反射層104と、反射層104上に接着剤を用いて貼着された第2基板105とを有する光記録媒体100。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に関し、より詳しくは、短波長青色レーザ光による情報の記録・再生が可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機色素を記録層に用いた光記録媒体は、コスト的に安価で且つ製造工程が簡略できるという点で優位性を有していることから、例えば、有機色素層の上面に高反射率の金属からなる反射層を設けた書き込み型コンパクトディスク(CD−R)が量産化され広く知られている。一方、近年、大量の光情報を収容するために光記録媒体の高密度化が進められ、従来のCD−Rの記録再生に使用されるレーザよりもさらに短い波長のレーザ光を用いて光情報の記録再生が行われるDVD−Rが開発されている。
【0003】
このような光情報の記録再生に、短波長のレーザ光が用いられるのに伴い、光記録媒体の記録層に使用される有機色素についても、従来から使用されているレーザ光の波長より短い波長において吸収特性を有する色素が検討され、このような色素を記録層に用いた光記録媒体が報告されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−287466号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光記録媒体は、今後、更により一層の高密度化が図られている。そのため、光情報の記録再生のために用いられるレーザ光は、例えば、青色半導体レーザによる350nm〜530nm程度の短い波長のレーザ光が使用されるようになることから、特許文献1において報告された光記録媒体をさらに改良する必要性が高まっている。
【0006】
また、有機色素を記録層に用いた光記録媒体は、簡便な製造方法により製造できる利点を有するものの、光情報を記録層に書き込む操作を繰り返すと、記録層に含有される有機色素が劣化し、再生信号の強度が低下する(再生光劣化)という問題が生じることが判明し、対策が必要とされている。
【0007】
このように、本発明は、例えば、青色半導体レーザによる350nm〜530nm程度の短い波長のレーザ光を使用して、高密度の光情報の記録再生を行う光記録媒体を開発する際に浮き彫りになった問題を解決すべくなされたものである。即ち本発明の目的は、350nm〜530nm程度の短い波長のレーザ光によって高密度の光情報の記録再生が可能であり、繰り返し操作による光情報の再生記録信号の強度が低下しない光記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決すべく、本発明においては、記録層を特定の化学構造式で表される有機色素を用いて形成し、さらにこの記録層に含有される色素が入射する光により受けるダメージを除去すべく金属元素からなる劣化抑制層を設けた構成を採用している。即ち、本発明が適用される光記録媒体は、溝又はピットが形成された基板上に設けられ、照射された光により情報の記録及び/又は再生が行われる記録層と、この記録層の光が照射される側に設けられた劣化抑制層と、を有し、記録層は、光学濃度が60以上、好ましくは、75以上の色素を含有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明が適用される光記録媒体において、劣化抑制層は、波長が300nm以下の光を遮る性質を有する物質により形成されていることを特徴とすれば、青色半導体レーザ光を使用することにより生じる再生光劣化現象を低減することができる。劣化抑制層は、Zn、Si、Alから選ばれる金属の窒化物、酸化物又は硫化物を少なくとも1種含有することが好ましく、特に、劣化抑制層は、ZnS−SiO2を含有することが好ましい。また、本発明が適用される光記録媒体は、記録層の基板側とは反対側に形成される反射層及び第2基板とを、この順に備える構造を有することが好ましい。
【0010】
一方、本発明が適用される光記録媒体は、溝又はピットが形成された基板と、このような基板上に設けられ、光が照射される側に劣化抑制層が形成された記録層と、を有し、記録層は、下記一般式(1)で示される構造の色素を含有することを特徴とするものである。
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子又は置換基R8が結合した窒素原子であり、Yは、窒素原子又は置換基R7が結合した炭素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、それぞれ、独立して水素原子又は任意の置換基であり、R1〜R8は、それぞれ隣接する2つの置換基が結合した縮合環を形成することがある。)
【0013】
このような、本発明が適用される光記録媒体の記録層に使用される色素としては、一般式(1)において、R2、R5、R6及びR8は、それぞれ独立して任意の置換基であり、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して水素原子または任意の置換基であり、但し、R1〜R8のうち隣接する2つが結合して縮合環を形成することがり、R4とR5及び/またはR6とR7が結合して縮合環を形成することがある構造を有するものであることが好ましい。
【0014】
また、色素は、一般式(1)において、R8は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、アシル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0015】
さらに、色素は、前記一般式(1)において、R5及びR6は、各々独立に置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基であり、但し、R5とR6、またはR4とR5及び/またはR6とR7が結合して環を形成することがある構造を有するものであることが好ましい。
【0016】
また、色素は、一般式(1)において、R2は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0017】
色素は、一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0018】
また、色素は、一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、各々独立して水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、飽和または不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメイト基、スルホン酸アミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0019】
さらに、色素は、一般式(1)において、Xは、酸素原子または置換基R8が結合した窒素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するものが好ましい。
【0020】
中でも、色素としては、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するカルボスチリル系色素であることが好ましい。
【0021】
また、色素としては、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するクマリン系色素であることが好ましい。
【0022】
さらに、色素としては、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが窒素原子である構造を有する1,8−ナフチリジン系色素であることが好ましい。
【0023】
また、色素としては、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、窒素原子である構造を有するピリジノ−α−ピロン系色素であることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される光記録媒体について詳述する。
図1は、本実施の形態が適用される光記録媒体の第1の実施形態を説明するための図である。図1に示された光記録媒体100は、溝又はピットが形成された第1基板101と、この第1基板101上に順番に積層された劣化抑制層102と、有機色素からなる記録層103と、反射層104と、第2基板105とを有する。
【0025】
第1基板101は光透過性材料により成形される。光透過性材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂;ガラス、又は、ガラス上に光硬化性樹脂等の樹脂層を設けたもの等を使用することができる。
【0026】
これらの中でも、高生産性、コスト、耐吸湿性等の点からは、射出成型ポリカーボネートが好ましい。耐薬品性、耐吸湿性等の点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答等の点からは、ガラス基板が好ましい。第1基板101上に形成された溝がスパイラル状の場合、この溝ピッチが0.5〜1.2μm程度であることが好ましい。
【0027】
劣化抑制層102は、通常のスパッタ法、蒸着法等により第1基板101と記録層103との間に設けられる。劣化抑制層102は、記録層103に第1基板101側から入射するレーザ光106の、光情報の記録再生に用いられる光の波長以外の波長の光を、具体的には、波長300nm以下の光を遮る役割を有するものと考えられる。このため、劣化抑制層102は、波長300nm以下の光を遮る性質を有する物質としては、例えば、Si、Zn、Ag、Al、Ti、Sn、W、Cu、Ge、Mn、Sb、Zrの金属単体又はこれらの化合物(例えば、酸化物、窒化物、硫化物等)が挙げられる。これらの材料は、融点又は剛性等の諸物性を考慮し、適宜、選択して使用することができ、単独または二種以上を組合せて使用してもよい。これらの中でも、Si、Zn、Alから選ばれる金属の窒化物、酸化物及び硫化物を少なくとも1種含有することが好ましく、さらに好ましくはSiO2、Al2O3、ZnSを含有することであり、特に好ましくはZnSとSiO2を含有することである。
劣化防止層中のZnSとSiO2の含有比は、ZnSとSiO2の含有量全体を100%としたときのSiO2の含有比が、通常20%以上、好ましくは30%以上であり、通常80%以下、好ましくは70%以下である。SiO2の含有量がこの範囲以内にあれば、本発明の効果である再生光劣化の抑制効果を十分に期待することが出来る。
【0028】
劣化抑制層102の厚さは、通常、10nm以上、好ましくは、50nm以上である。但し、通常、200nm以下、好ましくは、150nm以下である。劣化抑制層102の厚さが過度に小さい場合は、本発明の効果である再生光劣化の抑制効果が薄れる傾向がある。劣化抑制層102の厚さが過度に大きい場合は、劣化抑制層102での光の吸収の為に、光記録媒体100の感度が下がる傾向がある。
【0029】
劣化抑制層102が記録層103のレーザ光106が入射する側に接して設けられることにより、記録層103に光情報を書き込む操作を繰り返す場合においても、記録層103に含有される有機色素が劣化する現象が低減される。さらに、劣化抑制層102を、第1基板101に使用する材料と比べて硬度が高い、例えばZnS−SiO2等の材料を用いて形成することにより、記録層103に含有される色素の体積増加を原因として生ずるクロストーク(信号の漏れ込み)の発生を防止することができる。
なお、劣化抑制層の材料として用いられるSi、Zn、Ag、Al、Ti、Sn、W、Cu、Ge、Mn、Sb、Zrの金属単体又はこれらの化合物(例えば、酸化物、窒化物、硫化物等)、特に、ZnSとSiO2は一般に吸水性が高いため、劣化抑制層を形成後、長時間放置しておくと水分を吸収してしまい、記録層へ悪影響を与える虞がある。よって、劣化抑制層の吸水を出来るだけ抑えるために、劣化抑制層を形成した後、素早く記録層、反射層を設け、第2基板を貼り合わせるのが好ましい。
また、劣化抑制層の吸水を更に効果的に抑えるために、劣化抑制層、記録層、反射層を形成後、これらの層を完全に被うように紫外線硬化樹脂等からなる撥水性を持つ保護コートを設けた後、第2基板を張り合わせることも好ましい。
【0030】
記録層103は、有機色素を用いて劣化抑制層102上に形成される。記録層103の厚さは、記録方法等により適宜選択され特に限定されないが、十分な変調度を得るためには通常10nm以上が好ましく、より好ましくは30nm以上であり、特に好ましくは50nm以上である。但し、適度な反射率を得るためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。
【0031】
本実施の形態が適用される光記録媒体100の記録層103に使用する有機色素としては、記録用のレーザ波長域に適度な吸収を有するものの中から、光学密度(OD:Optical Density)が60以上、好ましくは75以上の有機色素が使用される。但し、光学密度は、通常300以下である。ここで光学密度(OD)は、有機色素1g/lのクロロホルム溶液の吸光度として測定される。一般に、有機色素の光学密度(OD)が過度に小さい場合は、照射光に対する吸収最大波長のピークが小さくなり、再生信号を精度良く読み取ることが困難になる。特に、本実施の形態が適用される高密度された光記録媒体100においては、光学密度(OD)は少なくとも60であることが必要である。
【0032】
光学密度(OD)が60以上である有機色素の具体例としては、例えば、含金属アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられる。
【0033】
さらに、記録層103には、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。好ましいバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0034】
光学密度(OD)が60以上である有機色素の中でも、下記一般式(1)で示される構造の色素は、波長350〜530nmの青色光領域に吸収を有し、青色半導体レーザを用いる記録に好適な色素として使用することができる。
【0035】
【化3】
【0036】
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子又は置換基R8が結合した窒素原子であり、Yは、窒素原子又は置換基R7が結合した炭素原子であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、それぞれ、独立して水素原子又は任意の置換基であり、R1〜R8は、それぞれ隣接する2つの置換基が結合した縮合環を形成することがある。)
【0037】
一般式(1)において、R1〜R8で表される置換基としては次のようなものが例示される。水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−へプチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基等が挙げられる。
【0038】
また、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアシル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルコキシ基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の炭素数3〜18の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキルチオ基等が挙げられる。
【0039】
さらに、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;−OCOR9で表されるアシルオキシ基;−NR10R11で表されるアミノ基;−NHCOR12で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR13で表されるカーバメート基;−NHSO2R14で表されるスルホンアミド基;−COOR15で表されるカルボン酸エステル基;−CONR16R17で表されるカルバモイル基;−SO2NR18R19で表されるスルファモイル基;−SO3R20で表されるスルホン酸エステル基等が挙げられる。
【0040】
これらの置換位置は特に限定されず、複数の置換基を有する場合、同種でも異なってもよい。また、R1〜R8の内、隣接する2つが環を形成する場合としては、基本骨格であるキノリン環や1,8−ナフチリジン環に縮合する、飽和または不飽和の炭化水素環または複素環、R7とR8が窒素原子と共に形成するピペリジニル基、ピロリジニル基等の含窒素複素環やさらに酸素原子を含んだモルホリニル基、或いはR7とR8、R7とR6、またはR8とR5が結合して形成するジュロリジン環等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していても良い。
【0041】
また、各化合物においてR1〜R8のうち隣接する2つが結合して形成した環は、置換基を有していても良い。R9〜R20はそれぞれ水素原子、置換されてもよい直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換されてもよい直鎖、分岐または環状のアルケニル基、置換されてもよいアリール基、または置換されてもよいアラルキル基を表す。また、R1〜R20で示される基に含まれるアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基は、更に置換されていても良い。
【0042】
この場合の置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;アリルオキシ基等が挙げられる。
【0043】
また、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基(これらは置換基でさらに置換されていてもよい。);フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;アリルオキシ基、ビニルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;テトラヒドロフリル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0044】
さらに、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0045】
一般式(1)において、R2、R5、R6及びR8は、それぞれ独立して任意の置換基であり、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して水素原子または任意の置換基であり、但し、R1〜R8のうち隣接する2つが結合して縮合環を形成することがあり、R4とR5及び/またはR6とR7が結合して縮合環を形成することがある構造を有するものであることが好ましい。
【0046】
また、有機色素は、一般式(1)において、R8は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、アシル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0047】
さらに、有機色素は、前記一般式(1)において、R5及びR6は、各々独立に置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基であり、但し、R5とR6、またはR4とR5及び/またはR6とR7が結合して環を形成することがある構造を有するものであることが好ましい。
【0048】
また、有機色素は、一般式(1)において、R2は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0049】
有機色素は、一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0050】
また、有機色素は、一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、各々独立して水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、飽和または不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメイト基、スルホン酸アミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基から選ばれる基である構造を有するものであることが好ましい。
【0051】
さらに、有機色素は、一般式(1)において、Xは、酸素原子または置換基R8が結合した窒素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するものが好ましい。
【0052】
中でも、有機色素としては、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが置換基R7が結合した炭素原子である下記構造を有するカルボスチリル系色素であることが好ましい。
【0053】
【化4】
【0054】
また、有機色素としては、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子である下記構造を有するクマリン系色素であることが好ましい。
【0055】
【化5】
【0056】
さらに、有機色素としては、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが窒素原子である下記構造を有する1,8−ナフチリジン系色素であることが好ましい。
【0057】
【化6】
【0058】
また、有機色素としては、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、窒素原子である下記構造を有するピリジノ−α−ピロン系色素であることが好ましい。
【0059】
【化7】
【0060】
記録層103の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式製膜法;ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の湿式製膜法が挙げられる。量産性、コスト面からは湿式製膜法が好ましく、特に、スピンコート法が好ましい。また、厚みの均一な記録層が得られるという点からは、真空蒸着法等が好ましい。
【0061】
湿式製膜法において使用する溶媒は、特に限定されないが、通常、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。尚、スピンコート法による成膜の場合、回転数は500〜15000rpmが好ましく、スピンコートの後、場合によっては加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。
【0062】
真空蒸着法の場合は、例えば、記録層103を形成する有機色素その他各種添加剤等の成分を、10−2〜10−5Pa程度の減圧下で加熱・蒸発させて、劣化抑制層102上に蒸着させることにより記録層103を形成する。また、記録層103の安定及び耐光性向上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α−ジケトン等)等や、記録感度向上のために金属系化合物等の記録感度向上剤を含有していても良い。
【0063】
このような記録感度向上剤として使用する金属系化合物とは、遷移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれるものを言う。具体例としては、例えば、エチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体等の有機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定されないが、遷移金属であることが好ましい。
【0064】
反射層104は、記録層103上に形成される。反射層104を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。反射層104の厚さは、通常、50〜300nm、好ましくは、80〜200nmである。反射層104の材料としては、再生光の波長に対して反射率の十分高いものが用いられ、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Cr及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として好ましい。さらに、例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を含有してもよい。
【0065】
第2基板105は、反射層104上に形成される。第2基板105を形成する材料は、第1基板101と同様な光透過性材料を用いることができ、適当な接着剤により反射層104上に貼着される。第2基板105の厚さは、通常0.1〜1.0mm、好ましくは、0.5〜0.7mmである。
【0066】
図2は、本実施の形態が適用される光記録媒体の第2の実施形態を説明するための図である。図2に示された光記録媒体200は、溝又はピットが形成された第1基板201と、この第1基板201上に順番に積層された反射層204と、有機色素からなる記録層203と、劣化抑制層202と、保護層205とを有する。有機色素からなる記録層203は、保護層205側から入射するレーザ光206により光情報の記録再生が行われる。また、劣化抑制層202は、記録層203のレーザ光206が入射する側に接して設けられている。
【0067】
第1基板201、反射層204、有機色素からなる記録層203及び劣化抑制層202を形成する材料は、図1に示した光記録媒体100の場合と同様な材料を使用することができる。また、保護層205を形成する材料は、有機材料及び無機材料が挙げられる。有機材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機材料しては、例えば、SiO2、SiN4、MgF2、SnO2等が挙げられる。
【0068】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂は、そのまま又は適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独で、又は、混合して用いても良い。また、1層だけではなく多層膜にして用いても良い。保護層205の形成方法としては、記録層203と同様に、スピンコート法、キャスト法等の湿式製膜法;スパッタ法、化学蒸着法等の乾式製膜法等が用いられる。この中でもスピンコート法が好ましい。保護層205の厚さは、通常、0.1〜100μm、好ましくは、3〜30μmである。
【0069】
尚、第1基板101、第1基板201の鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系薄膜等を成膜してもよい。なお、記録再生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて記入(印刷)が可能な印刷受容層を設けてもよい。
【0070】
本実施の形態が適用される光記録媒体100、光記録媒体200について使用されるレーザ光は、高密度記録のため波長は短いほど好ましいが、特に350〜530nmのレーザ光が好ましい。このようなレーザ光の代表例としては、中心波長410nm、515nmのレーザ光が挙げられる。波長350〜530nmの範囲のレーザ光の一例としては、410nmの青色または515nmの青緑色の高出力半導体レーザを使用することにより得ることができる。その他、例えば、(a)基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な半導体レーザ、または(b)半導体レーザによって励起され、且つ基本発振波長が740〜960nmの連続発振可能な固体レーザのいずれかを第二高調波発生素子(SHG)により波長変換することによっても得ることができる。このようなSHGとしては、反転対称性を欠くピエゾ素子であればいかなるものでもよいが、KDP、ADP、BNN、KN、LBO、化合物半導体等が好ましい。第二高調波の具体例としては、基本発振波長が860nmの半導体レーザの場合、その倍波の430nm、また半導体レーザ励起の固体レーザの場合は、CrドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の430nm等が挙げられる。なお、本願発明は、必要に応じて任意の他の層を挟んでも良い。或いは媒体の最外面に任意の他の層を設けても良い。例えば反射層と記録層の間、記録層と劣化抑制層との間などに2つの層の混和を防止し、相溶を防ぐ目的でバッファー層を設けても良い。さらに他の目的を持つ任意の層を形成しても良い。
さらに、本実施形態は上記の態様に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、光記録媒体が3つ以上の複数の記録層を有していても良い。
【0071】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態が適用される光記録媒体を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。また、実施例中の%は、特に断らない限り総て重量基準である。
(有機色素からなる塗布膜の最大吸収波長λmaxの測定)
表1に示した9種類の有機色素(有機色素A〜I)の、それぞれ1%オクタフルオロペンタノール溶液を調製し、これをろ過し、直径120mm、厚さ1.2mmの射出成型ポリカーボネート樹脂基板上にスピンコート法により塗布し、その後、30分間乾燥して調製した塗布膜について最大吸収波長λmaxを測定した(単位:nm)。結果を表1に示す。
表1から、光学濃度(OD値)が60以下の有機色素では塗布膜状態のスペクトルに吸収が見られないため、レーザー光による光情報の記録再生が困難であることが分かる。
【0072】
【表1】
【0073】
なお、表1中に示した各有機色素の化学構造は以下のとおりである。
【0074】
【化8】
【0075】
【化9】
【0076】
【化10】
【0077】
【化11】
【0078】
【化12】
【0079】
【化13】
【0080】
【化14】
【0081】
【化15】
【0082】
【化16】
【0083】
(光記録媒体の作製)
ポリカーボネートを用いて、射出成形法により、直径120mmの第1基板を作製した。第1基板には光の案内溝として、溝幅200nm、深さ90nmの溝が形成されている。次に、第1基板上に、ZnSとSiO2(50:50)の混合物からなる、厚さ約100nm層の劣化抑制層をスパッタ法により形成した。続いて、この劣化抑制層上に、表1に示した有機色素Aのオクタフルオロペンタノール0.6%溶液をスピンコート法により塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱して溶媒を蒸発させ、厚さ約90nmの色素記録層を形成した。さらに、この色素記録層上に、銀合金を用いたスパッタ法により、厚さ約100nmの反射層を形成した。最後に、この反射層上に、第1基板と同じ形状且つポリカーボネート製のダミー基板(厚さ1.2mm)を接着剤により貼り合わせた。
【0084】
(実施例1)
表1で示された構造式の有機色素Aを含有する記録層と、この記録層のレーザ光が入射する側に接して設けた劣化抑制層とを有する光記録媒体について、波長405nm、NA0.65の光学系を用いて、記録信号の記録強度(C/N)と、レーザ光を照射しながら記録したデータを再生し、記録直後のC/Nの値と、約105回再生した後のC/Nとの差をみることにより、C/Nの時間的な変化について評価を行った。結果を表2に示す。尚、評価の条件は、線速5.7m/sで、8T=690nmのマークを記録パワー11mWで記録した。これを、再生強度0.2mWのレーザー光で照射しながらデータを読み出した。
【0085】
(実施例2)
表1に示した有機色素Hを使用した以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、この光記録媒体について実施例1と同様な条件で記録再生特性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0086】
(比較例1)
劣化抑制層を設けない他は、実施例1において用いた光記録媒体と同様な構造の光記録媒体について、実施例1と同様な条件で光記録媒体に光情報の記録再生特性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0087】
(比較例2)
実施例2において、劣化抑制層を設けない他は、実施例2と同様にして光記録媒体を作製し、この光記録媒体について実施例1と同様に記録再生特性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】
表2の結果から、光学濃度(OD値)が60以上の有機色素を含有する記録層と、この記録層のレーザ光が入射する側に接して設けた劣化抑制層とを有する光記録媒体(実施例1、2)は、350nm〜530nm程度の短い波長のレーザ光によって高密度の光情報の記録再生が可能であり、また、繰り返し操作により光情報の再生記録信号の強度(C/NdB)が低下しないことが分かる。
【0090】
これに対して、記録層のレーザ光が入射する側に接して劣化抑制層を設けない光記録媒体(比較例1、2)の場合は、繰り返し操作により光情報の再生記録信号の強度が低下することが分かる。
【0091】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、350nm〜530nm程度の短い波長のレーザ光によって高密度の光情報の記録再生が可能であり、繰り返し操作により光情報の再生記録信号の強度が低下しない光記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される光記録媒体の第1の実施形態を説明するための図である。
【図2】本実施の形態が適用される光記録媒体の第2の実施形態を説明するための図である。
【符号の説明】
100,200…光記録媒体、101,201…第1基板、102,202…劣化抑制層、103,203…記録層、104,204…反射層、105…第2基板、205…保護層、106,206…レーザ光
Claims (16)
- 溝又はピットが形成された基板上に設けられ、照射された光により情報の記録及び/又は再生が行われる記録層と、
前記記録層の光が照射される側に設けられた劣化抑制層と、を有し、
前記記録層は、光学濃度が60以上の色素を含有することを特徴とする光記録媒体。 - 前記劣化抑制層は、波長が300nm以下の光を遮る性質を有する物質により形成されていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記劣化抑制層は、Zn、Si、Alから選ばれる金属の窒化物、酸化物又は硫化物を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記劣化抑制層は、ZnSとSiO2を含有することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R2、R5、R6及びR8は、それぞれ独立して任意の置換基であり、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して水素原子または任意の置換基であり、但し、R1〜R8のうち隣接する2つが結合して縮合環を形成することがあり、R4とR5及び/またはR6とR7が結合して縮合環を形成していても良いことを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R8は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アラルキル基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、アシル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R5及びR6は、各々独立に置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基であり、但し、R5とR6、またはR4とR5及び/またはR6とR7が結合して環を形成することがあることを特徴とする、請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R2は、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、アリール基、飽和もしくは不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメート基、スルホンアミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基、スルファモイル基及びスルホン酸エステル基、スルホニル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、R1、R3、R4及びR7は、各々独立して水素原子、置換基を有することがあるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、飽和または不飽和の複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、カーバメイト基、スルホン酸アミド基、カルバモイル基、カルボン酸エステル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、前記一般式(1)において、Xは、酸素原子または置換基R8が結合した窒素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するカルボスチリル系色素であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、置換基R7が結合した炭素原子である構造を有するクマリン系色素であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、一般式(1)において、Xは、置換基R8が結合した窒素原子であり、Yが窒素原子である構造を有する1,8−ナフチリジン系色素であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
- 前記色素は、一般式(1)において、Xは、酸素原子であり、Yは、窒素原子である構造を有するピリジノ−α−ピロン系色素であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体。
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2003
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