JP2005070469A - 光導波路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 直線導波路と曲線導波路との接続部分の光損失を大幅に抑制しながらも光回路全体の小型化を図ることができる光導波路を提供する。
【解決手段】 直線導波路1と曲線導波路3とが接続された光導波路において、局所的な曲率(半径の逆数)が、直線導波路1から曲線導波路3にかけて一定の割合で0から1/R(ただしRは曲線導波路3の半径である)に連続的に変化する遷移導波路2を直線導波路1と曲線導波路3との間に設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信システムや光信号処理装置等に用いられる光導波路に関し、特に、損失の低減やフィルタの波長精度向上等の光学特性の改善可能な光導波路に関する。
基板上に形成される光導波路からなる平面型の光回路は、従来のレンズや干渉膜フィルタ等の光学部品を組み立てるタイプと比較して、小型で量産性が高いだけでなく、長期信頼性にも優れているため、光通信システムや光信号処理装置における中心的な部品として用いられるようになってきた。
特に、熱光学効果を利用したマッハツェンダー干渉計(Mach−Zehnder Interferometer:MZI)型の光スイッチやアレイ導波路回折格子(arrayed waveguide grating:AWG)型の波長合分波器はすでに商用化されており、更なる特性の向上を目的に活発な研究開発が行われている。
図4にMZI型の光スイッチ素子の概略構造を示す。図4に示すように、MZI型の光スイッチ素子10は、二本の入力導波路11a,11b、第一の方向性結合器12、平行する二本の導波路13a,13b、第二の方向性結合器14、二本の出力導波路15a,15bを順次接続した構造となっている。また、平行する二本のうちの一方の導波路13a上には、薄膜ヒータ16が形成されている。
このような光スイッチ素子10においては、薄膜ヒータ16に電力を印加し、導波路13aを加熱して屈折率を変化させ、第二の方向性結合器14で合流する際の光の位相を制御することにより、スイッチング(二つの出力導波路15a,15bのどちらから光を出力するかを選択すること)することができる。
このような2×2のMZI型の光スイッチ素子10を基本構造として、例えば、図5に示すようにして16×16のマトリクスのように構成することにより大規模なスイッチが作製される(例えば、下記非特許文献1等参照)。このような大規模なスイッチにおいては、消光比を向上させるため、一対の上記光スイッチ素子10でクロス/スルー切替用スイッチ20を構成し、これらが16×16のメッシュ状に配置されて相互に接続された構造をなしている。
なお、図5においては、便宜上、光スイッチ素子10の間の接続を折れ線で表わしているが、実際には緩やかな曲線状に接続されている。このような構造により、任意の16個の入力光信号を任意の16個の出力光信号に切り替えることができる。
また、図6にAWG型の波長合分波器の概略構造を示す。図6に示すように、AWG型の波長合分波器30は、入力導波路群31、入力側スラブ導波路32、アレイ導波路回折格子(AWG)33、出力側スラブ導波路34、出力導波路群35を順次接続した構造となっている。波長多重光が伝搬する入力ファイバ36は、入力導波路群31のうちの一本の入力導波路に接続されている。
このような波長合分波器30においては、上記入力ファイバ36からの波長多重光が入力側スラブ導波路32内で回折して、AWG33を構成する複数の導波路に同位相で入射する。これら導波路は、その長さが、隣接する導波路と一定の値だけ異なるように設計されており、AWG33の出口において波長に応じた位相差を生じさせることができるようになっている。
このため、AWG33からの放射光が、多重干渉により出力側スラブ導波路34の入射端部で集光するものの、上述の位相差により集光位置が波長により異なるようになる。その結果、波長の異なる光を出力導波路群35の異なる出力導波路から出力ファイバアレイ37を介して取り出すことができる。
上記AWG型の波長合分波器30は、誘電体多層膜型や従来のグレーティング型の波長合分波器と比較して、波長間隔が狭く、高密度に多重された波長多重光も分波できるという特徴を有している。実験レベルでは、25GHz間隔、400ch、商用レベルでは、50GHz間隔、64ch程度のものが得られている。
特開平11−133253号公報 T.Goh et al.,"Low loss and high extinction ratio strictly nonblocking 16 × 16 thermooptic matrix switch on 6−in wafer using silica-based planar lightwave circuit technology",IEEE Jornal of Lighwave Technology,vol.19,No.3,pp371-379,2001 IEEE Journal of Quantum Electronics,vol.QE−18,No.10,p1802,1982
上述したような各種の光回路は、曲線導波路と直線導波路とを多数接続して構成されていることから、この接続部分における光の損失を極力小さくすることが極めて重要である。例えば、図4に示したMZI型の光スイッチ素子4の場合でさえ、入力から出力に到達するまでに、光は曲線導波路と直線導波路との接続部分を16箇所通過しなければならない。
この光スイッチ素子4を多数集積した大規模なスイッチの場合にはさらに増え、図5に示したような16×16のマトリクスのように構成した大規模なスイッチの場合、光は曲線導波路と直線導波路との接続部分を450箇所も通過するようになってしまう。そのため、曲線導波路と直線導波路との接続部分の一箇所当りの光の損失が仮にわずか0.004dBだったとしても、合計で1.8dBもの損失となってしまい、無視できない値となってしまう。
また、図6に示したようなAWG型の波長合分波器30の場合、出力導波路群35における曲線導波路と直線導波路との接続部分がスムーズでないと、そこで光の蛇行現象が発生してしまい、得られる波長特性にバラツキを生じるという問題がある(蛇行現象による波長特性バラツキの発生については、上記特許文献1等に詳しく記載されている)。
そこで、直線導波路と曲線導波路との接続をスムーズにするため、図7に示すような二つの手段が知られている。まず一つ目は、図7(a)に示すように、半径Rの円弧状の曲線導波路43における光の強度分布が直線導波路41の中心位置からずれることを補正するように、曲線導波路43と直線導波路41との中心位置をずらして接続するものであり、一般にオフセット接続と言われている。
直線導波路41を横断する方向の光の強度の分布(図7(a)中、左側)は、強度の中心位置が直線導波路41の中心位置と一致している。一方、曲線導波路43を横断する方向の光の強度の分布(図7(a)中、右側)は、強度の中心位置が曲線導波路43の中心位置よりも当該曲線導波路43の湾曲中心から外側へずれている。
このずれによる損失を抑制するため、曲線導波路43と直線導波路41との強度分布の中心を一致させるように、曲線導波路43と直線導波路41との中心位置を接続部分42においてずらして接続している。
ところが、上述したようにして中心位置をずらして接続しても、曲線導波路43の強度分布が歪んでいる(左右非対称)ため、曲線導波路43と直線導波路41との強度分布形状にわずかな不一致を生じてしまう。そのため、直線導波路41の0次モード伝搬光のエネルギーが曲線導波路43の0次モード伝搬光に100%結合せず、損失が発生してしまうだけでなく、結合しなかったエネルギーが高次モードや漏洩モードを励振して蛇行現象を誘発してしまっていた。
なお、現在広く用いられている比屈折率差0.75%の石英系ガラス導波路においては、この損失が一接続箇所当たり約0.004dB程度である。この損失は、先に説明したように、近年、450箇所もの接続箇所を通過するような大規模な光回路が作製されるようになって初めて定量的に明らかになったものであり、小規模の光回路では測定誤差に埋もれて観測されなかったため、現在まで問題視されていなかった。
また、二つ目は、図7(b)に示すように、直線導波路51と半径Rの曲線導波路53との間を、y=H/L・x−sin(2π/L・x)の関数で表わされるS字型曲線の一部分の形状をなす遷移導波路52により接続するものである。この遷移導波路52の局所的な曲率k(x)は、近似的にk(x)≒y″(x)=2πH/L2 ・sin(2π/L・x)で表わされることが知られている(例えば、上記非特許文献2等参照)。
上記遷移導波路52は、その形状を上述したような比較的簡単な数式で表わすことができるため、光回路の設計を容易に行うことができるものの、曲率の増加がsin関数的であるため、一様な増加ではない。光が曲線上を伝搬する際の放射損失特性は曲率で決まると考えられるため、曲率の増加が一様でない場合には、放射損失がわずかながらも発生してしまう。
また、自由なパラメータであるHとLとの比率H/Lが小さくなるように当該HとLとを設定した場合、曲率の変化がsin関数であるものの非常に緩やかであるため、上述した放射損失を抑制できる可能性がある。しかしながら、そのような場合には、遷移導波路52の長さが非常に長くなってしまい、光回路全体の小型化を図ることが難しくなってしまう。
このようなことから、本発明は、直線導波路と曲線導波路との接続部分の光損失を大幅に抑制しながらも光回路全体の小型化を図ることができる光導波路を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための、本発明による光導波路は、直線導波路と曲線導波路とが接続された光導波路において、局所的な曲率(半径の逆数)が、前記直線導波路から前記曲線導波路にかけて一定の割合で0から1/R(ただしRは前記曲線導波路の半径である)に連続的に変化する遷移導波路を当該直線導波路と当該曲線導波路との間に設けたことを特徴とする。
また、本発明による光導波路は、半径の異なる曲線導波路が接続された光導波路において、局所的な曲率(半径の逆数)が、一方の前記曲線導波路から他方の前記曲線導波路にかけて一定の割合で1/R1(ただしR1は一方の前記曲線導波路の半径である)から1/R2(ただしR2は他方の前記曲線導波路の半径である)に連続的に変化する遷移導波路を一方の当該曲線導波路と他方の当該曲線導波路との間に設けたことを特徴とする。
また、本発明による光導波路は、上述した光導波路において、前記遷移導波路が、所定の長さΔLの微小直線を連続させたものであることを特徴とする。
また、本発明による光導波路は、上述した光導波路において、前記微小直線の前記長さΔLが、放射損失を生じさせない範囲の最長の大きさであることを特徴とする。
また、本発明による光導波路は、上述した光導波路において、高次モード伝搬光又は漏洩モード伝搬光と基本モード伝搬光との位相差が2nπ(ただしnは1〜4の整数)となるように、前記遷移導波路の長さが設定されていることを特徴とする。
本発明による光導波路においては、遷移導波路の長さを必要最小限にとどめ、かつ、直線導波路と曲線導波路との接続部分における光の損失を低減することができる。
まず、遷移導波路における局所的な曲率を一定の割合で変化させた場合、光は伝搬しながらその強度分布の中心が一定の割合で進行方向と直交する方向に移動して、最終的に、曲線導波路における強度分布の中心(先に説明したように、これは導波路の中心からずれている。)に一致する。そのため、光の伝搬がスムーズになり放射損失を誘発しなくなる。これは、背景技術で説明した図7(a)の右側に示した強度分布のずれ量が曲率に比例するという理由による(第1の作用)。
また、一般にフォトマスクのデータ量を減らすため、円弧状の曲線導波路を多数の微小直線で近似させることはよく知られており、その際には、円弧状の曲線導波路を等角度で分割する方法が行われている。例えば、比屈折率差が0.75%の石英導波路で円弧状の曲線を作製する場合、損失を生じない最小半径が5mmとなり、これを0.2度で分割する方法が行われている。この場合、微小直線の長さは17.45μmとなる。
しかしながら、このような従来の等角度分割による手段を上述した「局所的に曲率が変化する遷移導波路」に適用してしまうと、前記微小直線の長さも変化してしまうため、「光は伝搬しながらその強度分布の中心が一定の割合で進行方向と直交する方向に移動する」という作用が得られなくなってしまう。
これに対し、遷移導波路を多数の微小直線で近似的に構成する際に、すべての微小直線の長さΔLを放射損失を生じさせない範囲の最長の大きさにすると、「光は伝搬しながらその強度分布の中心が一定の割合で進行方向と直交する方向に移動する」という作用が得られるので、放射損失を抑制することができる。つまり、過剰損失を生じさせることなくフォトマスクのデータ量を小さくすることが可能になるのである(第2の作用)。
さらに、接続部分で発生した高次モード伝搬光又は漏洩モード伝搬光が導波路で再結合した際の基本モード伝搬光との位相差が2nπ(ただしnは1〜4の整数)となるように前記遷移導波路の長さを設定することにより、わずかに発生した高次モード伝搬光や漏洩モード伝搬光が基本モード伝搬光に再結合することを促すことが可能になるので、損失を一段と低減することができる(第3の作用)。
したがって、本発明によれば、直線導波路と曲線導波路との間の接続部分における光の伝搬をスムーズにすることができ、接続損失の低減及び蛇行現象の発生を防止することができる。
本発明に係る光導波路の実施形態を図面を用いて以下に説明するが、本発明に係る光導波路は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明に係る光導波路の説明図である。図1(a)は直線導波路と曲線導波路との接続部分の拡大図である。図1(a)に示すように、直線導波路1と曲線導波路3との間は、遷移導波路2で接続されている。すべての導波路1〜3の幅は7μmである。
図1(b)は遷移導波路2を構成する複数の連続した微小直線2αの位置や傾きを示す図である。なお、円弧状の曲線導波路3の放射損失を無視できる最小の曲率半径をRmin とし、微小直線2αを多数繋げて半径Rmin の曲線導波路3に近似させる際の、放射損失を生じさせない範囲の最長の微小直線2αの長さをΔLとする。図1(b)に示すように、遷移導波路2は、長さΔLの微小直線2αを底辺とした二等辺三角形を隣接させるように当該微小直線2αを連続させて配置した形状をなしている。
ここで、第i番目に位置する二等辺三角形の等辺の長さをRi とし、Ri と比較してΔLを非常に小さい値とすると、この二等辺三角形は、開き角(頂角)が非常に小さい扇形とみなすことができるので、第i番目に位置する微小直線2αi における局所的な曲率Ki は近似的にKi =1/Ri と表わすことができる。
曲線導波路3の半径がRmin であることから、遷移導波路2の曲線導波路3に最も近い部分においては、曲率が1/Rmin である必要がある。従って、微小直線の総数をNとすると、Ki =1/Ri =(1/Rmin )・(i/N)を満足するように微小直線2αの位置が定められている。
図1(c)は本発明の効果を確認するために試験用に作製した多数の曲線導波路及び直線導波路を有する光導波路の全体概略図である。図1(c)に示すように、光導波路は、波状をなしており、直線導波路1と曲線導波路3との接続部分(遷移導波路2)を120箇所設け、接続損失を120倍にして精度よく測定できるようにする。そして、遷移導波路2の微小直線2αの数による影響を求めるため、遷移導波路2の微小直線2αの数を変えた各光導波路をそれぞれ作製して比較試験を行うようにした。
上記光導波路は、以下の手順に従って作製した。まず、シリコン基板上に火炎加水分解堆積(Flame Hydrolysis Deposition:FHD)法により石英系ガラス膜を形成し、引き続き、ゲルマニウムをドープした石英系ガラス膜を同様に形成し、次に、図1(c)に示した構造をなすパターンの描かれたフォトマスクを用いて、フォトリソグラフィ及びドライエッチングによりコアを形成した後、FHD法により石英系ガラス膜を堆積して、コアを石英系ガラスで包囲する。完成した光導波路は、コアの断面サイズが7μm×7μm、コアの比屈折率差が0.75%であった。
このようにして作製した光導波路を用いて直線導波路1と曲線導波路3との接続部分(遷移導波路2)一箇所当たりの損失を測定した。その結果を図2に示す。図2において、横軸は遷移導波路2中の微小直線2αの数を表わし、縦軸は接続損失を表わす。図2からわかるように、微小直線2αの数が増加するにしたがって、接続損失がうねりながら減少する傾向が見られた。
これは、前述の第3の作用で説明した高次モード伝搬光又は漏洩モード伝搬光が基本モード伝搬光と干渉し、遷移導波路2の長さが特定の距離となって、位相が整合(位相差が2nπ(nは整数))するときに損失が減少することを示している。
全体的に見れば、微小直線2αの数を多くすることにより、接続損失を限りなく0に近づけることが可能である。しかしながら、微小直線2αの数を非常に多くしてしまうと(例えば200以上)、遷移導波路2が非常に長くなってしまい、光回路の小型化が困難となってしまう。よって、実用的な範囲を考慮すると、微小直線2αの数を130(位相差を8π)程度までとすることが好ましい。
特に、微小直線2αの数が30(位相差が2π)以外の極小値においては、接続損失値に大差がないので、微小直線2αの数が70(位相差が4π)のときが最も好ましく、最も現実的である。なお、このときの接続部分一箇所当たりの接続損失値は0.00055dBであった。
また、図1(c)に示した光導波路において、直線導波路1と曲線導波路3との接続部分の構造を、背景技術で説明した図7(a)のオフセット接続構造としたものも作製して評価したところ、接続部分一箇所当たりの接続損失値が0.00457dBであった。よって、本実施形態に係る光導波路によれば、接続部分一箇所当たりの接続損失を大幅に低減できる(約1/8)ことが確認された。
また、本発明に係る光導波路の効果を実際の大規模な光回路で確認するため、背景技術で説明した図5に示した16×16のマトリクスの大規模なスイッチを作製した。この大規模なスイッチは、合計512個のMZI型の光スイッチ素子4から構成されており、一つの光スイッチ素子4の構造は、背景技術で説明した図4に示したものと同様である。なお、上記スイッチの機能、動作原理、パターン構造、ヒータ寸法等の設計事項は、前記非特許文献1に記載されているものと同様である。
16×16のマトリクスの大規模なスイッチは、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ16あり、任意の入力ポートから任意の出力ポートに到達するまでの間、直線導波路1と曲線導波路3との接続部分が450箇所ある。これらすべての直線導波路1と曲線導波路3との間を上述した遷移導波路2で接続している。また、先に説明した実験結果に基づき、遷移導波路2を構成する微小直線2αの数を70とした。
入力ポート及び出力ポートがそれぞれ16あるため、経路が合計256となる。これら各経路における接続損失は平均で3.8dBであった。背景技術で説明した図7(a)のオフセット接続構造による16×16のマトリクスの大規模なスイッチの場合、各経路における接続損失が平均で5.6dBであった。よって、本実施形態に係る大規模なスイッチによれば、接続損失を大幅に低減できる(1.8dB)ことが確認された。
なお、背景技術で説明した図7(b)に示した接続構造は、遷移導波路52の長さが長く、16×16のマトリクスの大規模なスイッチを6インチのウェハに作製することができなかった。
さらに、本発明に係る光導波路における蛇行抑制効果を確認するため、背景技術で説明した図6に示したAWG型の波長合分波器の作製を行った。ただし、図6における出力導波路群35の各出力導波路は、図3に示すような形状とした。
具体的には、図6に示すように、出力側スラブ導波路34と接続する出力導波路群65の各出力導波路68は、その接続部分が当該出力側スラブ導波路34側ほど広がるテーパ状をなすテーパ導波路68jとなっている。この各出力導波路68のテーパ導波路68jの開口端部の幅が20μm(一般的なAWG型の波長合分波器で適用されている大きさ)であるため、当該出力側スラブ導波路34と接続する出力導波路群65の各出力導波路68のピッチ間隔は20μmとなっている。
一方、出力ファイバアレイ37の間隔が250μm(一般的な大きさ)であるため、当該出力ファイバアレイ37と接続する出力導波路群65の各出力導波路68の隣り合う間隔(チップ端部側間隔)は、250μmとなっている。
そして、出力側スラブ導波路34と出力ファイバアレイ37との間の接続距離をできるだけ短くして全体面積を小さくするため、出力ファイバアレイ37側(チップ端部側)に凸状となる、言い換えれば、出力側スラブ導波路34側に凹状となる曲線導波路68aと、出力側スラブ導波路34側に凸状となる、言い換えれば、出力ファイバアレイ37側(チップ端部側)に凹状となる曲線導波路68bとをそれぞれ一箇所ずつ用い、これら曲線導波路68a,68bと直線導波路68c〜68eとの間を本発明に係る遷移導波路68f〜68i(微小直線の数:70)で接続した。
このようにして波長間隔100GHz(1550nm帯において約0.8nm)、出力ポート数40のAWG型の波長合分波器を作製し、各ポートにおける通過中心波長をそれぞれ測定して、設計値からの誤差を求めた。その結果、誤差は±0.01nm以下であった。また、背景技術で説明した図7(a)のオフセット接続構造によるAWG型の波長合分波器の場合、誤差は±0.03nmであった。
なぜなら、背景技術で説明した図7(a)のオフセット接続構造によるAWG型の波長合分波器の場合、曲率の向きが逆となる曲線導波路を遷移導波路なしで接続しているため、急激な曲率変化によって蛇行が発生して、波長精度が低下してしまうものの、本実施形態に係るAWG型の波長合分波器の場合、曲線導波路68a,68bと直線導波路68c〜68eとの間を遷移導波路68f〜68iで接続しているため、曲率の向きが逆の2つの曲線導波路68a,68bがあるにもかかわらず蛇行の発生を抑制することができるからである。
よって、本実施形態に係る光導波路によれば、波長誤差を低減(1/3)することができると同時に、光回路の小型化も図ることができる。
なお、本実施形態においては、直線導波路と円弧状の曲線導波路との接続を中心に説明したが、本発明に係る光導波路は、これに限らず、半径の異なる曲線導波路同士の接続の場合にも適用することがもちろんできる。
具体的には、二つの曲線導波路の曲がる向き(光の進行方向に対して右か左か)が同じ場合には、遷移導波路の局所的な曲率を一方の曲線導波路から他方の曲線導波路にかけて一定の割合で1/R1(ただしR1は一方の曲線導波路の半径である)から1/R2(ただしR2は他方の曲線導波路の半径である)に連続的に変化させるのである。これは、本実施形態における遷移導波路(局所的な曲率を直線導波路から曲線導波路にかけて一定の割合で0から1/Rに連続的に変化させる)の一部に相当するものである。
他方、二つの曲線導波路の曲がる向きが異なる場合には、遷移導波路の局所的な曲率を一方の曲線導波路から他方の曲線導波路にかけて一定の割合で−(1/R1)から+(1/R2)又は+(1/R1)から−(1/R2)に連続的に変化させる。なお、上記符号は、曲線導波路の曲がる向きを表わしている。これは、本実施形態における遷移導波路を2つ(ただし曲がる向きを異ならせたもの)接続したものに相当する。
すなわち、前者は、−(1/R1)から0と、0から+(1/R2)との2つを併せたものであり、後者は、+(1/R1)から0と、0から−(1/R2)との2つを併せたものである。
ここで、記述を一般化するため、右曲がり又は左曲がりのいずれか一方の半径を正、他方の半径を負で表わせば、二つの曲線導波路を接続する遷移導波路について、局所的な曲率の変化を「1/R1から1/R2」と表わすことができる。
また、本実施形態では、光導波路の材料として石英系ガラスを用いて、FHD法及びドライエッチングにより作製するようにしたが、本発明に係る光導波路は、このような材料や作製法に限らず、他の材料や作製法による光導波の場合にも適用することができる。なお、その場合の遷移導波路における微小直線の数は、コアの比屈折率差や断面寸法等の各種条件により、本実施形態の場合と異なる最適値となるため、当該条件に応じて適宜選定すればよい。
また、本実施形態では、具体的な応用例として、16×16のマトリクスのスイッチや40chのAWG型の波長合分波器に適用した場合について説明したが、本発明に係る光導波路は、これらに限らず、直線導波路と曲線導波路とが接続された場合や、半径の異なる曲線導波路が接続された光導波路を含む光回路であれば、本実施形態の場合と同様にして適用することができる。
本発明の光導波路によれば、大規模な光回路(例えば、16×16のマトリクスのスイッチ等)の損失低減や、AWG型の波長合分波器の波長誤差低減が、作製工程を新たに追加することなく設計を変更するだけで、簡便かつ効果的に行うことができる。その結果、高性能な光導波回路デバイスを低コストで提供することが可能となり、光通信や光信号処理の分野に多大な貢献が期待できる。
本発明に係る光導波路の実施形態の説明図であり、(a)は直線導波路と曲線導波路との接続部分の拡大図、(b)は遷移導波路を構成する複数の連続した微小直線の位置や傾きを示す図、(c)は光導波路の全体概略図である。 図1の光導波路における遷移導波路の微小直線の数と接続損失との関係を表わすグラフである。 本発明に係る光導波路を適用したアレイ導波路回折格子型の波長合分波器の要部の概略構成図である。 マッハツェンダ干渉計型の2×2の光スイッチ素子の概略構成図である。 16×16マトリクススイッチの概略構成図である。 アレイ導波路回折格子型の波長合分波器の概略構成図である。 直線導波路と曲線導波路との従来の接続手段の説明図であり、(a)はオフセット接続、(b)はS字関数による遷移導波路接続である。
符号の説明
1 直線導波路
2 曲線導波路
2α 微小直線
3 遷移導波路
10 光スイッチ素子
11a,11b 入力導波路
12 第一の方向性結合器
13a,13b 導波路
14 第二の方向性結合器
15a,15b 出力導波路
16 薄膜ヒータ
20 クロス/スルー切替用スイッチ
30 波長合分波器
31 入力導波路群
32 入力側スラブ導波路
33 アレイ導波路回折格子(AWG)
34 出力側スラブ導波路
35 出力導波路群
36 入力ファイバ
37 出力ファイバアレイ
41 直線導波路
42 接続部
43 曲線導波路
51 直線導波路
52 遷移導波路
53 曲線導波路
65 出力導波路群
68 出力導波路
68a,68b 曲線導波路
68c〜68e 直線導波路
68f〜68i 遷移導波路
68j テーパ導波路

Claims (5)

  1. 直線導波路と曲線導波路とが接続された光導波路において、
    局所的な曲率が、前記直線導波路から前記曲線導波路にかけて一定の割合で0から1/R(ただしRは前記曲線導波路の半径である)に連続的に変化する遷移導波路を当該直線導波路と当該曲線導波路との間に設けた
    ことを特徴とする光導波路。
  2. 半径の異なる曲線導波路が接続された光導波路において、
    局所的な曲率が、一方の前記曲線導波路から他方の前記曲線導波路にかけて一定の割合で1/R1(ただしR1は一方の前記曲線導波路の半径である)から1/R2(ただしR2は他方の前記曲線導波路の半径である)に連続的に変化する遷移導波路を一方の当該曲線導波路と他方の当該曲線導波路との間に設けた
    ことを特徴とする光導波路。
  3. 請求項1及び請求項2において、
    前記遷移導波路が、所定の長さΔLの微小直線を連続させたものである
    ことを特徴とする光導波路。
  4. 請求項3において、
    前記微小直線の前記長さΔLが、放射損失を生じさせない範囲の最長の大きさである
    ことを特徴とする光導波路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、
    高次モード伝搬光又は漏洩モード伝搬光と基本モード伝搬光との位相差が2nπ(ただしnは1〜4の整数)となるように、前記遷移導波路の長さが設定されている
    ことを特徴とする光導波路。
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