JP2005070098A - 積層光学フィルム、楕円偏光板および画像表示装置 - Google Patents

積層光学フィルム、楕円偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示装置の画面の法線方向に対して上下左右の斜め方向から画像を見た場合にも、表示画像の色味変化が抑制されており諧調反転領域の少ない画像を表示することができる積層光学フィルムを提供すること。
【解決手段】少なくとも、ホメオトロピック配向液晶層(1)と、
フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、nx >ny ≒nz 、を満足する光学フィルム(2)とが積層されていることを特徴とする積層光学フィルム
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層光学フィルムに関する。本発明の積層光学フィルムは、単独でまたは他の光学フィルムと組み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光板、輝度向上フィルム等の各種光学フィルムとして使用できる。特に、本発明の積層光学フィルムは、偏光板と積層して楕円偏光板として用いる場合に有用である。また本発明は前記積層光学フィルム、楕円偏光板等を用いた液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネセンス)表示装置、PDP等の画像表示装置に関する。本発明の積層光学フィルム、楕円偏光板は、上記の通り、各種液晶表示装置等に適用できるが、特に携帯型情報通信機器、パーソナルコンピュータなどに実装され得る反射半透過型液晶表示装置等に特に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、反射半透過型液晶表示装置等には、広帯域の波長領域を有する入射光(可視光領域)に対してλ/4板やλ/2板として機能する広帯域位相差板が好適に利用されている。かかる広帯域位相差板としては、複数の光学異方性を有するポリマーフィルムを光軸を交差させて積層してなる積層フィルムが提案されている。これら積層フィルムでは2層または複数枚の延伸フィルムの光軸を交差させて広帯域化を実現している(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0003】
しかしながら、前述の特許文献1乃至3に記載の広帯域位相差板を用いた場合であっても、表示装置の画面の法線方向に対して上下左右の斜め方向から画像を見た場合には、一表示画面の色見が変化したり、白画像と黒画像が反転したりする諧調反転する欠点を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−100114号公報
【特許文献2】
特開平10−68816号公報
【特許文献3】
特開平10−90521号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画像表示装置の画面の法線方向に対して上下左右の斜め方向から画像を見た場合にも、表示画像の色味変化が抑制されており諧調反転領域の少ない画像を表示することができる積層光学フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、前記積層光学フィルムと偏光板を積層した楕円偏光板を提供することを目的とする。さらには本発明は、前記積層光学フィルム、楕円偏光板を用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解消するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す積層光学フィルム等により、前記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、少なくとも、ホメオトロピック配向液晶層(1)と、
フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、nx >ny ≒nz 、を満足する光学フィルム(2)とが積層されていることを特徴とする積層光学フィルム、に関する。
【0009】
上記本発明の積層光学フィルムは、ホメオトロピック配向液晶層(1)によって厚み方向の位相差も制御が可能であり、斜めから見たときの色見の変化を抑制することができる。上記本発明の積層光学フィルムは、広視野角を補償する位相差板として有用である。当該積層光学フィルムを適用した液晶表示装置などの画像表示装置は広視野角化を実現でき、かつ表示画面を斜めから見た場合にも表示画像の色味変化が抑制されており諧調反転領域の少ない画像を表示することができる。本発明の積層光学フィルムは、位相差板として要求される広帯域も満足できる。
【0010】
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)としては、ノルボルネン骨格を有するポリマーから形成されたフィルムを用いるがの好ましい。ノルボルネン骨格を有するポリマーから形成されたフィルムは、高温、高温高湿条件下での耐久性に優れるなどの点から好ましい。
【0011】
前記積層光学フィルムにおいて、ホメオトロピック配向液晶層(1)が、面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、
厚み方向の位相差:{((nx +ny )/2)−nz }×d(厚さ:nm)が、−10nm〜−500nmであることが好ましい。
【0012】
斜めから見たときの色見の変化を抑制するには、前記ホメオトロピック配向液晶層(1)の厚み方向の位相差は、−10nm〜−500nmであることが好ましく、−30nm〜−300nmであるのがより好ましい。さらには−50nm〜−200nmが好ましい。
【0013】
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)としては、λ/4板を用いることができる。光学フィルム(2)が、λ/4板の場合には、これを偏光板と積層して楕円偏光板とすることができる。
【0014】
前記積層光学フィルムにおいて、光学フィルム(2)は2枚以上積層することができる。光学フィルム(2)は、2枚以上積層する場合には、ホメオトロピック配向液晶層(1)を、2枚以上積層されている光学フィルム(2)の間に位置するように積層するのが好ましい。前記のように光学フィルム(2)を2枚以上積層し、また前記配置で積層した場合には、より視野角が広がり好ましい。
【0015】
また、2枚以上積層されている光学フィルム(2)は、λ/4板とλ/2板を積層することができる。光学フィルム(2)は、λ/4板やλ/2板を2枚以上積層することにより、全体としてλ/4板として機能させることができる。
【0016】
また本発明は、上記積層光学フィルムと、偏光板とが積層されていることを特徴とする楕円偏光板、に関する。光学フィルム(2)として、λ/4板とλ/2板が積層されている場合には、偏光板側から、λ/2板、λ/4板の順で積層されていることが好ましい。かかる配置で積層した場合には、より視野角が広がり好ましい。
【0017】
さらには本発明は、上記積層光学フィルム、または楕円偏光板が積層されていることを特徴とする画像表示装置、に関する。楕円偏光板等は、液晶表示装置では液晶セル、有機EL表示装置では金属電極に配置されるが、楕円偏光板は、液晶セルや金属電極から最も離れた位置に積層するのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の積層光学フィルムおよび楕円偏光板を図1乃至図6を参照しながら説明する。いずれの図面も積層光学フィルムと偏光板(P)を積層した楕円偏光板として示されている。
【0019】
図1乃至図2に示すように、本発明の積層光学フィルムは、ホメオトロピック配向液晶層(1)と、光学フィルム(2)とが積層されている。図1乃至図2では、光学フィルム(2)が1枚用いられている。この場合、楕円偏光板とするには、光学フィルム(2)として、λ/4板(2(1))が用いられる。
【0020】
図1乃至図2に示す楕円偏光板において、前記積層光学フィルムに対する偏光板(P)の積層位置は特に制限されないが、液晶表示装置に実装した時に、より視野角が広がる点から、図2のようにホメオトロピック配向液晶層(1)側に積層するのが好ましい。
【0021】
図1乃至図2では、光学フィルム(2)を1枚用いた場合を例示したが、本発明の積層光学フィルムでは、光学フィルム(2)を2枚以上用いることができる。この場合、積層した2枚以上の光学フィルムは、全体としてλ/4板として機能するように、用いる光学フィルム(2)の波長特性に応じて、それら光軸の積層角度を変えて配置する。図3乃至図5は、光学フィルム(2)として、λ/4板(2(1))とλ/2板(2(2))が積層されている場合を例示している。光学フィルム(2)を2枚積層する場合には、図3に示すように、2枚の光学フィルム(2)の間にホメオトロピック配向液晶層(1)を配置するのが、広視野角の点から好ましい。一方、図4、図5に示すように、2枚の光学フィルム(2)を順に積層することができる。
【0022】
また、前記積層光学フィルムに対する偏光板(P)の積層位置は特に制限されないが、図3乃至図5に示すように、光学フィルム(2)として、λ/4板(2(1))とλ/2板(2(2))を用いる場合には、偏光板(P)側から、λ/2板(2(2))、λ/4板(2(1))の順で積層されている楕円偏光板とするのが、広視野角の点から好ましい。
【0023】
なお、図1乃至図5において、ホメオトロピック配向液晶層(1)、光学フィルム(2)、偏光板(P)は粘着剤層(a)を介して積層されている。粘着剤層(a)は1層でもよく、また2層以上の重畳形態とすることができる。
【0024】
ホメオトロピック配向液晶層(1)は、液晶材料を、たとえば、垂直配向剤により配向させることにより得られる。ホメオトロピック配向させることができる液晶化合物としては、たとえば、ネマチック液晶化合物が知られている。かかる液晶化合物の配向技術にかかわる概説は、例えば、化学総説44(表面の改質,日本化学会編,156〜163頁)に記載されている。
【0025】
またホメオトロピック配向液晶層(1)の液晶材料としては、たとえば、正の屈折率異方性を有する、液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(a)と非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(b)を含有する側鎖型液晶ポリマーにより形成することができる。前記側鎖型液晶ポリマーは、垂直配向膜を用いなくても、液晶ポリマーのホメオトロピック配向を実現することができる。
【0026】
前記モノマーユニット(a)はネマチック液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一般式(a):
【化1】
Figure 2005070098
(ただし、R は水素原子またはメチル基を、aは1〜6の正の整数を、X は−CO −基または−OCO−基を、R はシアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、bおよびcは1または2の整数を示す。)で表されるモノマーユニットがあげられる。
【0027】
またモノマーユニット(b)は、直鎖状側鎖を有するものであり、たとえば、一般式(b):
【化2】
Figure 2005070098
(ただし、R は水素原子またはメチル基を、R は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のフルオロアルキル基、または一般式(b1):
【化3】
Figure 2005070098
ただし、dは1〜6の正の整数を、R は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で表されるモノマーユニットがあげられる。
【0028】
また、モノマーユニット(a)とモノマーユニット(b)の割合は、特に制限されるものではなく、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノマーユニット(b)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリマーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、(b)/{(a)+(b)}=0.01〜0.8(モル比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.5とするのがより好ましい。
【0029】
またホメオトロピック配向液晶フィルムを形成しうる液晶ポリマーとしては、前記液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(a)と脂環族環状構造を有する液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(c)を含有する側鎖型液晶ポリマーがあげられる。
【0030】
前記モノマーユニット(c)はネマチック液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一般式(c):
【化4】
Figure 2005070098
(ただし、R 水素原子またはメチル基を、hは1〜6の正の整数を、X は−CO −基または−OCO−基を、eとgは1または2の整数を、fは0〜2の整数を、R はシアノ基、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)で表されるモノマーユニットがあげられる。
【0031】
また、モノマーユニット(a)とモノマーユニット(c)の割合は、特に制限されるものではなく、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノマーユニット(c)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリマーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、(c)/{(a)+(c)}=0.01〜0.8(モル比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.6とするのがより好ましい。
【0032】
ホメオトロピック配向液晶層(1)を形成しうる液晶ポリマーは、前記例示のモノマーユニットを有するものに限られず、また前記例示モノマーユニットは適宜に組み合わせることができる。
【0033】
前記側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子量(GPC)は、2千〜10万であるのが好ましい。重量平均分子量をかかる範囲に調整することにより液晶ポリマーとしての性能を発揮する。側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子量が過少では配向層の成膜性に乏しくなる傾向があるため、重量平均分子量は2.5千以上とするのがより好ましい。一方、重量平均分子量が過多では液晶としての配向性に乏しくなって均一な配向状態を形成しにくくなる傾向があるため、重量平均分子量は5万以下とするのがより好ましい。
【0034】
なお、前記例示の側鎖型液晶ポリマーは、前記モノマーユニット(a)、モノマーユニット(b)、モノマーユニット(c)に対応するアクリル系モノマーまたはメタクリル系モノマーを共重合することにより調製できる。なお、モノマーユニット(a)、モノマーユニット(b)、モノマーユニット(c)に対応するモノマーは公知の方法により合成できる。共重合体の調製は、例えばラジカル重合方式、カチオン重合方式、アニオン重合方式などの通例のアクリル系モノマー等の重合方式に準じて行うことができる。なお、ラジカル重合方式を適用する場合、各種の重合開始剤を用いうるが、そのうちアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどの分解温度が高くもなく、かつ低くもない中間的温度で分解するものが好ましく用いられる。
【0035】
前記側鎖型液晶ポリマーには、光重合性液晶化合物を配合して液晶性組成物として用いることができる。光重合性液晶化合物は、光重合性官能基として、たとえば、アクリロイル基またはメタクリロイル基等の不飽和二重結合を少なくとも1つ有する液晶性化合物であり、ネマチック液晶性のものが賞用される。かかる光重合性液晶化合物としては、前記モノマーユニット(a)となるアクリレートやメタクリレートを例示できる。光重合性液晶化合物として、耐久性を向上させるには、光重合性官能基を2つ以上有するものが好ましい。このような光重合性液晶化合物として、たとえば、下記化5:
【化5】
Figure 2005070098
(式中、Rは水素原子またはメチル基を、AおよびDはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−COO−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’−ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン基を、mおよびnはそれぞれ独立して2〜6の整数を示す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー等を例示できる。また、光重合性液晶化合物としては、前記化5における末端の「H C=CR−CO −」を、ビニルエーテル基またはエポキシ基に置換した化合物や、「−(CH −」および/または「−(CH −」を「−(CH −C H(CH )−(CH −」または「−(CH −C H(CH )−(CH −」に置換した化合物を例示できる。
【0036】
上記光重合性液晶化合物は、熱処理により液晶状態として、たとえば、ネマチック液晶層を発現させて側鎖型液晶ポリマーとともにホメオトロピック配向させることができ、その後に光重合性液晶化合物を重合または架橋させることによりホメオトロピック配向液晶フィルムの耐久性を向上させることができる。
【0037】
液晶性組成物中の光重合性液晶化合物と側鎖型液晶ポリマーの比率は、特に制限されず、得られるホメオトロピック配向液晶フィルムの耐久性等を考慮して適宜に決定されるが、通常、光重合性液晶化合物:側鎖型液晶ポリマー(重量比)=0.1:1〜30:1程度が好ましく、特に0.5:1〜20:1が好ましく、さらには1:1〜10:1が好ましい。
【0038】
前記液晶性組成物中には、通常、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は各種のものを特に制限なく使用できる。光重合開始剤としては、たとえば、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア(Irgacure)907,同184、同651、同369などを例示できる。光重合開始剤の添加量は、光重合液晶化合物の種類、液晶性組成物の配合比等を考慮して、液晶性組成物のホメオトロピック配向性を乱さない程度に加えられる。通常、光重合性液晶化合物100重量部に対して、0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3重量部以上が好ましい。
【0039】
ホメオトロピック配向液晶層(1)の作製は、基板上に、ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーを塗工し、次いで当該側鎖型液晶ポリマーを液晶状態においてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維持した状態で固定化することにより行う。また前記側鎖型液晶ポリマーと光重合性液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配向液晶性組成物を用いる場合には、これを基板に塗工後、次いで当該液晶性組成物を液晶状態においてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維持した状態で光照射することにより行う。
【0040】
前記側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物を塗工する基板は、ガラス基板、金属箔、プラスチックシートまたはプラスチックフィルムのいずれの形状でもよい。プラスチックフィルムは配向させる温度で変化しないものであれば特に制限はなく,たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーポネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。基板上に垂直配向膜は設けられていなくてもよい。基板の厚さは、通常、10〜1000μm程度である。
【0041】
前記側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物を基板に塗工する方法は、当該側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物を溶媒に溶解した溶液を用いる溶液塗工方法または当該液晶ポリマーまたは液晶性組成物を溶融して溶融塗工する方法が挙げられるが、この中でも溶液塗工方法にて支持基板上に側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物の溶液を塗工する方法が好ましい。
【0042】
上記の溶媒を用いて所望の濃度に調整した側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物の溶液を、基板上に塗工する方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、バーコート法などを採用することができる。塗工後、溶媒を除去し、基板上に液晶ポリマー層または液晶性組成物層を形成させる。溶媒の除去条件は、特に限定されず、溶媒をおおむね除去でき、液晶ポリマー層または液晶性組成物層が流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレート上での加熱などを利用して溶媒を除去する。これらの塗工方法のなかでも本発明ではグラビアコート法を採用するのが、大面積を均一に塗工しやすい点で好ましい。
【0043】
次いで、支持基板上に形成された側鎖型液晶ポリマー層または液晶性組成物層を液晶状態とし、ホメオトロピック配向させる。たとえば、側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物が液晶温度範囲になるように熱処理を行い、液晶状態においてホメオトロピック配向させる。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方法で行うことができる。熱処理温度は、使用する側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物と支持基板の種類により異なるため一概には言えないが、通常60〜300℃、好ましくは70〜200℃の範囲において行う。また熱処理時間は、熱処理温度および使用する側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物や基板の種類によって異なるため一概には言えないが、通常10秒〜2時間、好ましくは20秒〜30分の範囲で選択される。10秒より短い場合、ホメオトロピック配向形成が十分に進行しないおそれがある。これらの配向温度、その処理時間のなかでも本発明では、配向温度80〜150℃で、その処理時間を30秒〜10分間程度行うのが、作業性、量産性の点で好ましい。
【0044】
熱処理終了後、冷却操作を行う。冷却操作としては、熱処理後のホメオトロピック配向液晶フィルムを、熱処理操作における加熱雰囲気中から、室温中に出すことによって行うことができる。また空冷、水冷などの強制冷却を行ってもよい。前記側鎖型液晶ポリマーのホメオトロピック配向層は、側鎖型液晶ポリマーのガラス転移温度以下に冷却することにより配向が固定化される。
【0045】
液晶性組成物の場合には、このように固定化されたホメオトロピック液晶配向層に対して、光照射を行い光重合性液晶化合物を重合または架橋させて光重合性液晶化合物を固定化して、耐久性を向上したホメオトロピック配向液晶層を得る。光照射は、たとえば、紫外線照射により行う。紫外線照射条件は、十分に反応を促進するために、不活性気体雰囲気中とすることが好ましい。通常、約80〜160mW/cm の照度を有する高圧水銀紫外ランプが代表的に用いられる。メタハライドUVランプや白熱管などの別種ランプを使用することもできる。なお、紫外線照射時の液晶層表面温度が液晶温度範囲内になるように、コールドミラー、水冷その他の冷却処理あるいはライン速度を速くするなどして適宜に調整する。
【0046】
このようにして、側鎖型液晶ポリマーまたは液晶性組成物の薄膜が生成され、配向性を維持したまま固定化することにより、ホメオトロピック配向液晶層(1)が得られる。本発明のホメオトロピック配向液晶フィルムの厚みは、特に制限されないが、塗工された前記側鎖型液晶ポリマーからなるホメオトロピック配向液晶フィルム層の厚みは0.5〜200μm程度とするのが好ましい。0.5μm以下では膜厚が薄すぎるため厚み制御が困難である。200μmを超える場合には楕円偏光板として組み合わせて、画像表示装置に実施凹した場合に、上下左右の視野角が広がる方位がある一方、逆に狭くなる方位が発生してしまう場合がある。ホメオトロピック配向液晶層(1)は、基板から剥離して、または剥離することなく用いることができる。
【0047】
光学フィルム(2)は、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、nx >ny ≒nz 、を満足するものを用いる。すなわち、三次元屈折率楕円体において一方向の主軸の屈折率が他の2方向の屈折率よりも大きい、光学的に正の一軸性を示す材料が用いられる。
【0048】
光学フィルム(2)は、たとえば、高分子ポリマーフィルムを、面方向に一軸または二軸延伸処理することにより得られる。光学フィルム(2)を形成する高分子ポリマーとしては、たとえば、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ノルボルネン系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマーまたはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。これらのなかでもノルボルネン系ポリマーが好適である。
【0049】
また、棒状ネマチック液晶性化合物を利用することもできる。棒状ネマチック液晶性化合物は傾斜配向させることができ、その傾斜配向状態は、その分子構造、配向膜の種類および光学異方性層内に適宜く加えられる添加剤(たとえば、可塑剤、バインダー、界面活性剤)の使用によって制御できる。
【0050】
光学フィルム(2)の正面位相差((nx −ny )×d (厚さ:nm))は、0〜500nmであることが好ましく、1〜350nmであることがさらに好ましい。厚み方向の位相差((nx −nz )×d )は、0〜500nmであることが好ましく、1〜350nmであることがさらに好ましい。
【0051】
光学フィルム(2)の厚さ(d )は特に制限されないが、1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは2〜100μmである。
【0052】
光学フィルム(2)として、λ/4板、λ/2板を用いる場合には、正面位相差が、それぞれ所定位相差になるように適宜に調整されたものが用いられる。
【0053】
偏光板(P)は、通常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するものである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
【0054】
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
【0055】
前記偏光子の片側または両側に設けられている保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化したものなどがあげられる。
【0056】
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
【0057】
偏光特性や耐久性などの点より、特に好ましく用いることができる保護フィルムは、表面をアルカリなどでケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムである。保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より10〜500μm程度である。特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
【0058】
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
【0059】
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
【0060】
前記保護フィルムとしては、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものを用いることができる。
【0061】
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
【0062】
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
【0063】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護層とは別体のものとして設けることもできる。
【0064】
粘着剤層(a)を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
【0065】
粘着剤層の形成は、適宜な方式で行うことができる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で前記基板または液晶フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを前記液晶層上移着する方式などがあげられる。
【0066】
また粘着剤層には、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されることの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などであってもよい。
【0067】
粘着剤層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
【0068】
粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0069】
なお、上記光学フィルム、粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせることができる。
【0070】
本発明の楕円偏光板は、画像表示装置において好適に用いられる。たとえば、反射半透過型の液晶表示装置などの各種装置の形成に好ましく用いうる。反射半透過型液晶表示装置等は携帯型情報通信機器、パーソナルコンピュータとして好適に利用される。反射型半透過型液晶表示装置を形成する場合、本発明による楕円偏光板は、液晶セルの視認側に配置される。
【0071】
図7は、図1乃至図5に示す本発明の楕円偏光板(P1)を、反射半透過型液晶表示装置において、液晶セル(L)のバックライト(BL)側に粘着剤層を介して配置したものである。下側(バックライト側)の液晶セル(L)に積層する楕円偏光板(P1)の側は特に制限されないが、楕円偏光板(P1)の偏光板(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。液晶セル(L)には、液晶が封入されている。上側の液晶セル基板には透明電極が設けられており、下側の液晶セル基板には電極を兼ねる反射層が設けられている。一方、上側にも楕円偏光板(P2)を有する。楕円偏光板(P2)も、偏光板(P)が液晶セル(L)側から最も離れるようにするのが好ましい。その他各種光学フィルムを用いることができる。下側の液晶セル基板の下部には、反射半透過型液晶表示装置に用いられる、バックライトシステム(BL)を有する。上記図7の反射半透過型液晶表示装置は、液晶セルの一例を示したものであり、本発明の積層光学フィルム、楕円偏光板はその他各種の液晶表示装置に適用できる。
【0072】
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ、前記透明保護フィルム等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0073】
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ、前記透明保護フィルム等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0074】
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。
【0075】
反射板は前記偏光板の透明保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0076】
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
【0077】
また、偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
【0078】
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
【0079】
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
【0080】
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
【0081】
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
【0082】
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
【0083】
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0084】
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学素子、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。本発明の楕円偏光板を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
【0085】
液晶セルの裏側には、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明の楕円偏光板は液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学素子を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0086】
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
【0087】
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
【0088】
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
【0089】
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
【0090】
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
【0091】
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4 波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0092】
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏光となる。
【0093】
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0094】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明の一態様について説明するが、本発明は実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0095】
なお、各光学フィルムの屈折率、位相差の測定は、フィルム面内と厚さ方向の主屈折率nx、ny、nzを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により、λ=590nmにおける特性を測定した。
【0096】
(ホメオトロピック配向液晶層(1))
【化6】
Figure 2005070098
上記の化6(式中の数字はモノマーユニットのモル%を示し、便宜的にブロック体で表示している、重量平均分子量5000)に示される側鎖型液晶ポリマー5重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(Paliocolor LC242,BASF製)20重量部および光開始剤(イルガキュア907,チバスペシャルティケミカルズ社製)を前記重合性液晶に対して3重量部を、シクロへキサノン75重量部に溶解した溶液を調製した。そして、当該溶液を、レシチンを塗布したポリエチレンテレフタレート基材にバーコーターにて塗布し、100℃で10分間、乾燥配向させた後、メタルハライドランプにて1mJ/cm の光を照射し、厚さ約0.7μmのホメオトロピック配向液晶層を得た。ホメオトロピック配向液晶層の厚み方向位相差は、−70nmであった。
【0097】
(光学フィルム(2))
厚さ100μmのノルボルネン系無延伸フィルム(JSR株式会社製,製品名アートン)を、170℃で1.3倍に一軸延伸した。得られた延伸フィルムは、厚さ:80μm、正面位相差:140nm、厚み方向の位相差:140nmであった。この延伸フィルムを光学フィルム(2(1))とした。
【0098】
また、厚さ100μmのノルボルネン系無延伸フィルム(JSR株式会社製,製品名アートン)を、170℃で1.6倍に一軸延伸した。得られた延伸フィルムは、厚さ:70μm、正面位相差:280nm、厚み方向の位相差:280nmであった。この延伸フィルムを光学フィルム(2(2))とした。
【0099】
実施例1
(積層光学フィルム)
上記で得られたホメオトロピック配向液晶フィルム(1)と、光学フィルム(2(1))および光学フィルム(2(2))とを、図3に示すように、粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介しに積層して積層光学フィルムを得た。なお、貼り合わせは、光学フィルム(2(1))および光学フィルム(2(2))板の遅相軸が75°に交差するように行った。
【0100】
(楕円偏光板)
上記積層光学フィルムに、図3に示すように、偏光板(日東電工(株)製,SEG1465DU)を粘着剤層(アクリル系粘着剤,厚さ30μm)を介して貼り合わせて楕円偏光板を得た。なお、貼り合わせは、偏光板の吸収軸に対して光学フィルム(2(2))の遅相軸が30°に交差するように行った。
【0101】
実施例2
実施例1において、フィルムの積層順を図4に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、積層光学フィルムおよび楕円偏光板を得た。
【0102】
実施例3
実施例1において、フィルムの積層順を図5に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして、積層光学フィルムおよび楕円偏光板を得た。
【0103】
比較例1
偏光板、光学フィルム(2(1))および光学フィルム(2(2))を用い、図6に示すように、粘着剤層を介して偏光板に貼り合わせて楕円偏光板を得た。なお、貼り合わせは、実施例と同様に偏光板の吸収軸に対して光学フィルム(2(2))の遅相軸が30°に交差するように行った。
【0104】
(評価)
実施例、比較例で得られた楕円偏光板を、図7に示すように、反射半透過型TFT−TN型液晶表示装置のバックライト側の楕円偏光板(P1)として実装した。一方、比較例1で作製した楕円偏光板を視認側の楕円偏光板(P2)として実装した。楕円偏光板(P1)、楕円偏光板(P2)はいずれも、偏光板側が液晶セル(L)側から最も離れた積層位置となるように実装した。
【0105】
次いで、上記液晶表示装置に、白画像、黒画像を表示させて、ELDIM社製のEZcontrast160Dにて、正面および上下左右、視野角0〜70°におけるXYZ表示系におけるY値、x値、y値を測定した。
【0106】
そのときのコントラスト(Y値(白画像)/Y値(黒画像))の値が10以上となる角度を視野角とした。結果を表1に示す。
【0107】
また、白画像について、画面の正面の色度(x ,y )に対して上下左右にそれぞれ40°傾斜したとき色度(x40,y40)の色度変化量を比較評価した。色度変化量は下記式にて求めた。結果を表1に示す。
色度変化量=√{(x40−x +(y40−y
【0108】
【表1】
Figure 2005070098

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図2】本発明の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図3】本発明の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図4】本発明の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図5】本発明の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図6】比較例の楕円偏光板の断面図の一態様である。
【図7】実施例の反射半透過型液晶表示装置例の断面図である。
【符号の説明】
1:ホメオトロピック配向液晶層
2:nx >ny ≒nz 、を満足する光学フィルム
a:粘着剤層
P:偏光板
L:液晶セル
BL:バックライト

Claims (10)

  1. 少なくとも、ホメオトロピック配向液晶層(1)と、
    フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、nx >ny ≒nz 、を満足する光学フィルム(2)とが積層されていることを特徴とする積層光学フィルム。
  2. 光学フィルム(2)が、ノルボルネン骨格を有するポリマーから形成されたフィルムであることを特徴とする請求項1記載の積層光学フィルム。
  3. ホメオトロピック配向液晶層(1)が、面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx 、ny 、nz とした場合に、
    厚み方向の位相差:{((nx +ny )/2)−nz }×d(厚さ:nm)が、−10nm〜−500nmであることを特徴とする請求項1または2記載の積層光学フィルム。
  4. 光学フィルム(2)として、λ/4板が積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層光学フィルム。
  5. 光学フィルム(2)が、2枚以上積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層光学フィルム。
  6. ホメオトロピック配向液晶層(1)を、2枚以上積層されている光学フィルム(2)の間に位置するように積層していることを特徴とする請求項5記載の積層光学フィルム。
  7. 2枚以上積層されている光学フィルム(2)は、λ/4板とλ/2板を積層したものであることを特徴とする請求項5または6記載の積層光学フィルム。
  8. 請求項1〜7の積層光学フィルムと、偏光板とが積層されていることを特徴とする楕円偏光板。
  9. 光学フィルム(2)として、λ/4板とλ/2板が積層されており、偏光板側から、λ/2板、λ/4板の順で積層されていることを特徴とする請求項8記載の楕円偏光板。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層光学フィルム、請求項8または9記載の楕円偏光板が積層されていることを特徴とする画像表示装置。
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