JP2005069219A - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで従来よりも高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストン、あるいは従来よりも高い燃焼圧力と燃焼温度との両者に対する耐久性を備えたピストンを得ると共に、ピストンの軽量化を図る。
【解決手段】 ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備するピストンにおいて、鋳鋼製で接合部のない一体構造としたピストンであって、前記ピストンの材質は疲労強度が400℃にて300MPa以上を有する鋳鋼材を用いることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備するピストンにおいて、鋳鋼製で接合部のない一体構造としたピストンであって、前記ピストンの材質は疲労強度が400℃にて300MPa以上を有する鋳鋼材を用いることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、内燃機関用ピストンに関し、特に燃焼ガスの高圧高熱負荷に耐え、かつ軽量化を図った内燃機関用ピストンに関する。
内燃機関の爆発工程時の最高燃焼圧力は、機種やエンジン出力により異なるものの、例えば自動車用ディーゼル機関の場合おおよそ10〜15MPa程度であり、ピストンの最高温度は300〜350℃である。この条件下で使用される内燃機関用ピストンの材料と製法は、非特許文献1に記載のようにJIS AC8A相当品を代表とするアルミニウム合金を鋳造するものが多く、またアルミニウム合金鍛造製や鋳鉄製ピストンなども高負荷機関に使用されている。さらに合金鋼を用いた鍛造製ピストンも使用されており、例えば、図1に示すようなディーゼル機関用合金鋼鍛造ピストンが使用されている。図1に示すピストンのように自動車用ディーゼル機関のピストンでは、オイルを循環させてピストン頭部15を冷却するための冷却空洞6を設けることが一般的となっている。また、特許文献1に記載の発明のようにピンボス部を含む頭部とスカート部とを別体で製造した後にピストンピンを介して一体に組み立てる2ピースピストンなども使用されている。さらに、特許文献2に記載の考案のように、鋳鉄製ピストンにガス軟窒化処理を施すことにより、該処理を施した部分の疲労強度を1.5倍に高くしたピストンが知られている。
米国特許第5,136,992号明細書 第2欄31行から52行
実開平03−87848号公報
自動車技術ハンドブック(第2分冊)設計編 第59頁第1欄3行から8行
昨今地球環境の保護を目的として、排気ガスのクリーン化と低燃費化のために、内燃機関の燃焼温度及び圧力は上昇してきており、ディーゼル機関の場合近い将来、最高燃焼圧力は18MPa以上となり、燃焼温度の上昇によりピストンの最高温度は400℃以上となる見込みである。
燃焼温度の上昇によりピストンの最高温度が400℃以上となると、従来例のアルミニウム合金からなるピストンでは、熱的及び機械的な耐久温度が350℃と低く、また熱膨張量も大きいので、焼付きやカジリが発生しやすくなり耐久性に問題がある。鋳鉄製ピストンの場合では、温度の上昇とともに疲労強度が低くなるため、高応力を受ける部分の肉厚を増したり補強リブの追加が必要となり、ピストンの重量が増加する。また、450℃以上では黒鉛を起点として内部酸化が発生することにより、これが熱亀裂に成長し、さらに長時間この温度域にさらされるとパーライトの分解が促進されて材質が劣化するため、変形や熱亀裂を助長し、耐久性を悪化させる問題を生じる。
一方、最高燃焼圧力の上昇は、ピストンの変形や破損に対応するため、ピストンの肉厚増加やリブの追加を必要とさせ、ピストン重量の増加を招く。例えば高い燃焼圧力は図2に模式的に示すようにピストン頭部15を変形させ、このピストン頭部の変形に伴いスラスト方向および反スラスト方向のスカート下端部23はピストン内側方向へ変形する。前記スカート下端部23の変形はスカートとシリンダー内壁との隙間を増加させ、ピストンピンを軸としたピストンの傾動角度が大きくなるため、スカートとシリンダー内壁との間に焼き付きが生じやすくなり耐久性を悪化させる問題を生じる。スカート下端部の変形を抑制するためにスカート部の肉厚を増加すると、ピストンの重量が増加し機関の性能が悪化する問題を生じる。特許文献2に記載の発明は鋳鉄製ピストンにガス軟窒化を施し、ピストンの疲労強度を向上させることにより、前記の問題を解決しようとするものであるが、ガス軟窒化処理の工程を追加することにより、工程の複雑化と生産コストの上昇を招く。
また、図1に示す合金鋼鍛造ピストンは、18MPa以上の高い燃焼圧力と、400℃以上の高いピストン最高温度の下での使用に対応可能であるものの、冷却空洞部6を切削加工で形成するために、ピンボス5と頭部15との間に切削工具を挿入する空間26が必要であり、そのためピストン頭部の直径に対するコンプレッションハイトの比率(以下圧縮高さ比と略す)は鋳造一体ピストンの0.5〜0.6に対し、0.65〜0.7と高くなるので、ピストンの重量が増加する問題がある。また、図1に示す合金鍛造ピストンに限らず、一般に鍛造法では、鍛造工程と、冷却空洞6の加工工程と、空洞を塞ぐための蓋34を取り付ける工程など、製造工程が多く製造コストが上昇する。
また特許文献1に記載された2ピースピストンでは、高い燃焼圧力と高いピストン最高温度に対応するため、ピストン頭部を鍛鋼で製造し、ピストン重量の低減のためにスカート部をアルミニウムなどの軽合金にて製造しているものの、頭部とスカート部を別体で製造するため製造コスト面で不利である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、低コストで従来よりも高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストン、あるいは従来よりも高い燃焼圧力と燃焼温度との両者に対する耐久性を備えたピストンを得ると共に、ピストンの軽量化を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関用ピストンは、ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、鋳鋼製で一体構造とするとともに、疲労強度が400℃にて300MPa以上である鋳鋼からなることを特徴とする。鋳鉄からなるピストンの場合は、温度の上昇に伴い疲労強度が低下してくるため、高応力を受ける部分の肉厚を増したり補強リブの追加が必要となり、ピストンの重量が増加するが、本発明の内燃機関用ピストンは、400℃における疲労強度が鋳鉄より高い鋳鋼を用いることにより、高応力を受ける部分の肉厚の増加量は鋳鉄製ピストンの場合に比べ少なくすることが可能であり、補強リブの大きさも小さくすることが可能となり、重量の低減が図れる。また本発明の内燃機関用ピストンは、鋳鋼を用いることにより、鋳鉄からなるピストンのように、ピストン温度が450℃以上となる場合においても、内部酸化が発生することがなく材質が劣化することがない。しかしながら単に材質を鋳鉄から鋳鋼に変更しただけでは、鋳鋼製ピストンは鋳鉄の比重に対して鋳鋼の比重が大きいため鋳鉄製ピストンより重くなることがある。本発明の内燃機関用ピストンは、疲労強度が400℃にて300MPa以上の鋳鋼を用いることにより、スカートの肉厚を増したり補強リブを追加する必要が少なく、さらに鋳鉄製ピストンよりも肉厚を薄くすることも可能となり、高い燃焼温度に耐久性を備え、かつ鋳鉄製ピストンより重量を低減したピストンを得ることができる。
また、燃焼圧力が上昇し18MPa以上になる場合には、従来の鋳鉄からなるピストンではピストン頭部の変形量が増大し、これに伴いスラスト方向および反スラスト方向のスカート下端部のピストン内側方向への変形量が増大するため、スカート下端部の変形量を抑制するためにスカート部の肉厚を増したり補強リブを追加する必要があり、ピストンの重量が増大する。これに対し鋳鋼からなるピストンの場合は、剛性が大きくピストン頭部やスカート部の変形量が小さくなるため、スカート部の肉厚を増したり補強リブを追加する必要がなく、さらに肉厚を薄くすることも可能となり、鋳鉄製ピストンより重量を低減したピストンを得ることができる。ただし燃焼圧力の増加により、さらには肉厚を薄くすることにより、ピストンに部分的に加わる応力は増加するため疲労強度は高くすることが必要であり、本発明の内燃機関用ピストンは、400℃にて300MPa以上の疲労強度を有する鋳鋼を用いることにより高い燃焼圧力に対する耐久性を備え、かつ鋳鉄製ピストンより重量を低減したピストンを得ることができる。疲労強度が400℃にて300MPa未満の鋳鋼からなるピストンの場合は、高い燃焼圧力の下ではピストンに加わる応力に耐えられずに亀裂が発生し、これに対応するために肉厚の増加などの処置を講ずると、従来の鋳鉄ピストンより重量が増加する虞がある。
また本発明の内燃機関用ピストンは、疲労強度が400℃にて300MPa以上の鋳鋼を用いることにより、鋳鉄で疲労強度を上げるためのガス軟窒化の工程を追加することによる工程の複雑化と生産コストの上昇を招くこともない。また、疲労強度が450℃にて300MPa以上の鋳鋼を用いると、さらに燃焼温度が高くなった場合でも高い燃焼圧力と高い燃焼温度に対する耐久性を備えたピストンを得ることができ好適である。
疲労強度が400℃にて300MPa以上の鋳鋼として、例えばJIS SCS24を鋳造後1040℃で1時間保持し急冷する固溶化処理を行い、さらに600℃で4時間保持し空冷する時効処理を行うものや、JIS SCMnなどの構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼等を用いることができる。
また本発明の内燃機関用ピストンは、ピストンを鋳造により図3に示すように一体構造とすることにより、例えば特許文献1に記載の発明のようにピストン頭部15とスカート部16とを別体で製造した後に組立てる必要がなく、製造コストの低減に効果がある。さらに、鋳造一体構造の場合はピストン頭部15に冷却空洞6を形成するような場合には冷却空洞6を鋳造中子または鋳包みパイプを用いて形成するため、鍛造ピストンの場合のように冷却空洞6の加工工程や冷却空洞6を塞ぐ蓋の取り付け工程が不要となり、製造コストの低減に効果があり、また、冷却空洞6を加工で形成するときに切削工具を挿入する空間が不要となり、ピストンの全高を低くできるのでピストンの重量の低減を可能とする他、内燃機関の全高を低くすることが可能となるとともに内燃機関の重量が増加することを防ぐことが出来る。
また本発明の内燃機関用ピストンは、前記ピストンのスカート部に、前記スカート部を貫通する開口部を設けることが好ましく、更に、前記開口部は、スカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられていることが好ましい。開口部を設けることによりピストン重量の低減が可能となり、さらに図5に示すように開口部7は、スカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分を除肉するように対向して設けることにより下記の効果がある。
ピストン頂面に加わる高い燃焼圧力は、図2に模式的に示すようにピストン頭部15を変形させ、このピストン頭部の変形に伴いスラスト方向および反スラスト方向のスカート下端部23は内側へ変形する。前記スカート下端部23の変形はスカートとシリンダー内壁(図示せず)との隙間を増加させ、ピストンピンを軸としたピストンの傾動角度を大きくさせ、スカート部とシリンダー壁との間に焼き付きが発生しやすくなり耐久性を悪化させる問題を生じる。一方本発明の内燃機関用ピストンは図4および図5に示すように開口部7をスカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分、すなわちスカート部のスラスト方向と反スラスト方向部分へ対向するよう設けることにより、ピストン頭部15の変形の影響を開口部が伝達しにくくするために、スカートの肉厚を増加するなどの強度を高める手段を講じる必要が無くなり、ピストンの重量を増加させることなく、燃焼圧力が高い場合でもスカート下端部の変形を小さくでき、高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。
また本発明の別の発明の内燃機関用ピストンは、ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部を貫通する開口部がスカート部の外周面のピン孔の軸と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられ、前記開口部の高さ(ピストン上下方向の長さ)は5mm以上であり、かつ前記開口部同士の距離が、ピストン頭部の直径の0.4倍以上であることを特徴とする。本発明の内燃機関用ピストンは図4および図5に示すように開口部をスカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分、すなわちスカート部のスラスト方向と反スラスト方向部分へ対向するよう設けることにより、ピストン頭部の変形の影響を開口部が伝達しにくくするために、ピストン頭部の変形の影響がスカート部の変形におよび難くなるため、スカートの肉厚を増加するなどの強度を高める手段を講じる必要が無くなり、ピストンの重量を増加させることなく、燃焼圧力が高い場合でもスカート下端部の変形を小さくできる。図4に示す前記開口部7の高さ7hの大小は、燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の内側への変形量には大きな影響はないが、開口部7hが小さくなるに従い開口部7の左右端7sに生じる圧縮応力は切り欠き効果により急激に増加する。開口部7の左右端7sに生じる圧縮応力が大きくなると、材料によっては開口部7の左右端7sは圧縮応力により破壊してしまう可能性もあり、前記開口部の左右端の応力を減少させるために、前記開口部の高さ7hは可能な限り大きくすることが望ましく、前記開口部の高さを5mm以上にすることにより、燃焼圧力が作用したときに開口部の左右端に生じる過大な圧縮の応力を避けることができ、より高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることが可能となる。あるいは、上記開口部は燃焼圧力が従来と同じ条件の下では、従来のピストンの更なる軽量化に応用することも可能である。また、前記開口部の高さ7hの上限はスカート部高さ(ピストン頭部の下端からスカート部最下端部までの高さ)の半分以下が好ましい。開口部の高さをスカート部の高さの半分以下とすることにより、ピストンがシリンダー内を往復運動するときの案内の役割を効果的に確保できる。
また、開口部同士の距離は、燃焼圧力により図2に示すようにピストン頭部が下方へ変形する大きさに影響する。ピストン頭部の下方への変形量が大きくなると、図2に示すようにピストン頭部15のスラスト方向、反スラスト方向の径は増加するため、ピストン頭部とシリンダー壁(図示せず)との間で焼き付きが発生する虞がある。開口部同士の距離は大きいほどピストン頭部の下方への変形量は小さくなり、ピストン頭部のスラスト方向、反スラスト方向の径の増加量が低減するため、ピストン頭部の直径の0.4倍以上であることが好ましい。ここで開口部同士の距離とは、図5に示すように1つの開口部の左右端のスカート内面部とピン穴の軸を挟んで反対側の開口部の左右端のスカート内面部との直線距離L3である。燃焼圧力がピストン頭部を下方へ変形しようとしたとき、ピストン頭部の下方に接続したスカート部はピストン頭部の変形を抑制する方向へ作用するが、開口部の上方のピストン頭部はスカート部の上記抑制作用を受けないため、下方への変形量が大きくなる。また、ピストン頭部に燃焼室を有するピストンの場合には、燃焼圧力によるピストン頭部の変形とともに図5に示す燃焼室エッジ部2eに高応力部位が生じる虞がある。L3がピストン頭部の直径の0.4倍以上であるとピストン頭部の下方への変形量が小さくり、燃焼圧力が高い場合においてもピストン頭部のスラスト方向、反スラスト方向の径の増加によるピストン頭部とシリンダー壁との間に焼き付きが発生する虞がより小さくなる。また、ピストン頭部に燃焼室を有したピストンの場合には、燃焼室エッジ部2eの応力を低減し、高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。
また本発明の別の発明の内燃機関用ピストンは、ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部を貫通する開口部がスカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられ、前記開口部は略山形形状であることを特徴とする。開口部の形状は上記と同様にピストン頭部の下方への変形量に影響を与える。図6に示すように開口部7を略山形形状にすることにより、略山形形状をした開口部の上部の斜面とピストン頭部との間にあるスカート部が、ピストン頭部の下方へ変形を抑制する方向へ作用するため、燃焼圧力によるピストン頭部の下方への変形量は図4に示すような開口部が略四角形状の場合よりも小さくすることができる。また、ピストン頭部に燃焼室を有するピストンの場合は開口部7を略山形形状にすることにより燃焼室エッジ部の最大応力を開口部が略四角形の場合よりも小さくすることができるため高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることが可能となる。開口部の略山形形状とは、図6に示すような除肉孔の下辺が上辺より長い台形形状の他、下辺が直線で上辺が円弧状の形状、下辺が円弧でありその円弧半径が上辺の円弧半径よりも大きい形状などを取ることができる。
また本発明の内燃機関用ピストンは、スカート部のピンボス部周方向両側の下端面が、凹形状であることが好ましい。図7に示すようにピンボス部のスカート周方向両側のスカート部の下端面が、ピストン上方向に凹形状部を有する、すなわちスカート下端部を除肉することにより、ピストンの軽量化に貢献する。
また本発明の内燃機関用ピストンは、前記ピストン頭部は燃焼室を有するとともに、前記燃焼室とピン孔に挟まれたピンボス部に除肉凹部を有することが好ましい。図7および図8に示すように前記燃焼室とピン孔に挟まれたピンボス部に除肉凹部9を有することにより、ピストンの軽量化に貢献する。
また本発明の内燃機関用ピストンは、スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくしたことが好ましい。図9に示すようにスカート部におけるピン孔軸線方向の寸法L1を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の寸法L2よりも小さくすることにより、スカート部がL2を直径とした円筒形であるピストンよりも重量を軽減することができる。
また本発明の内燃機関用ピストンは、ピストン頭部は燃焼室と冷却空洞部を有するとともに、ピストン頭部の直径に対するコンプレッションハイトの比率(圧縮高さ比)が0.6以下としたことが好ましい。コンプレッションハイトとは図8に示すピストン頂面からピン孔の軸までの高さ14であり、コンプレッションハイトが小さいほどピストンの全高は小さくできる。圧縮高さ比を0.6以下とすることにより、従来の燃焼室と冷却空洞を有した鍛造ピストンより、より確実に軽量化が可能となるとともに、内燃機関の全高が低くなり内燃機関の重量低減に貢献する。
また本発明の内燃機関用ピストンは、ピストン頭部は燃焼室と冷却空洞部を有するとともにピストン頭部の直径の3乗(cm3)に対するピストンの質量(g)の比率(以下K値と略す)が1.5以下であることが好ましい。K値を1.5以下とすることで、従来の燃焼室と冷却空洞を有した鍛造ピストンより軽量で高温と高燃焼圧に耐えるピストンを得ることができる。
本発明によれば、低コストで従来よりも高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストン、あるいは従来よりも高い燃焼圧力と燃焼温度との両者に対する耐久性を備えたピストンを得ると共に、ピストンの軽量化を図った内燃機関用ピストンを得ることができる。
以下、本発明を具体化した内燃機関用ピストンの例について説明する。
(実施例1)
本実施例は、排気量10リッターの直列6気筒ディーゼル機関用に使用されるピストンに鋳鋼製で一体構造としたピストンを適用した例である。図3の本実施例のピストンにおいて概略寸法を説明すると、ピストン径12は115mm、ピストン全高13は100mm、コンプレッションハイト14は69mmであり、圧縮高さ比は0.6である。ピストンの肉厚は例えばスカート部16において3mmであり、鋳鉄よりも剛性の高い鋳鋼を用いることで従来の鋳鉄ピストンの肉厚3.5〜4mmよりも薄肉化することが可能となる。この形状において、頭部15と前記スカート部16の外周面、頂面18、燃焼室2、ピン孔20に加工代2〜3mm設け、さらに湯口と湯道を追加した鋳造用模型を制作し、これを用いて砂鋳型を製作した。さらに冷却空洞6を形成するための砂中子を砂鋳型に設置したが、鋳包みパイプにより冷却空洞を形成することも可能である。ピストンの材質はJIS SCMn 5B(Fe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.11、Si:0.49、Mn:1.37、P:0.01、S:0.02とした。)とし、高周波溶解炉を用いて溶解した後、1550℃で取鍋に出湯し、直ちに前記砂鋳型に1500℃で注湯した。その後、鋳造品に対して900℃での焼入れと600℃での焼戻しの処理を行った。本実施例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて300MPaであった。次に前記加工代付加個所を切削加工した後、研削加工を行った。加工後のピストン重量、K値を表1に示す。
本実施例は、排気量10リッターの直列6気筒ディーゼル機関用に使用されるピストンに鋳鋼製で一体構造としたピストンを適用した例である。図3の本実施例のピストンにおいて概略寸法を説明すると、ピストン径12は115mm、ピストン全高13は100mm、コンプレッションハイト14は69mmであり、圧縮高さ比は0.6である。ピストンの肉厚は例えばスカート部16において3mmであり、鋳鉄よりも剛性の高い鋳鋼を用いることで従来の鋳鉄ピストンの肉厚3.5〜4mmよりも薄肉化することが可能となる。この形状において、頭部15と前記スカート部16の外周面、頂面18、燃焼室2、ピン孔20に加工代2〜3mm設け、さらに湯口と湯道を追加した鋳造用模型を制作し、これを用いて砂鋳型を製作した。さらに冷却空洞6を形成するための砂中子を砂鋳型に設置したが、鋳包みパイプにより冷却空洞を形成することも可能である。ピストンの材質はJIS SCMn 5B(Fe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.11、Si:0.49、Mn:1.37、P:0.01、S:0.02とした。)とし、高周波溶解炉を用いて溶解した後、1550℃で取鍋に出湯し、直ちに前記砂鋳型に1500℃で注湯した。その後、鋳造品に対して900℃での焼入れと600℃での焼戻しの処理を行った。本実施例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて300MPaであった。次に前記加工代付加個所を切削加工した後、研削加工を行った。加工後のピストン重量、K値を表1に示す。
次に上記ピストンを用いて、ピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を確認するための試験を、図10に示す試験装置を用いて実施した。試験方法を図10により説明する。ピストン1はピストンピン42を介して治具43に取り付け、ピストン頭部を圧力容器44に挿入し、圧力容器内に最大燃焼圧力18MPaに相当する油圧45を加え、スカート下端部の内面側への変形量をダイヤルゲージ46で測定した。スカート下端部の変形量の測定値を表1に示す。
次に本実施例のピストンを直列6気筒10リッターディーゼル機関に搭載して燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件にて400時間の耐久試験を実施し、耐久性に問題がないことを確認した。
(実施例2)
本実施例は、実施例1と同じ鋳造用模型を用い、ピストンの材質のみを異ならせ、実施例1と同一形状、同一寸法のピストンを製作した。ピストンの材質はJIS SCS24(Fe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.07、Si:0.49、Mn:0.41、P:0.01、S:0.02、Ni:3.15、Cr:16.71、Cu:3.22、Nb:0.29とした。)とし、高周波溶解炉を用いて溶解した後、1550℃で取鍋に出湯し、直ちに前記砂鋳型に1500℃で注湯した。その後、鋳造品を1040℃で1時間保持し急冷する固溶化処理を行い、さらに600℃で4時間保持し空冷する時効処理を行った。本実施例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて320MPa、450℃にて300MPaであった。次に前記加工代付加個所を切削加工した後、研削加工を行った。加工後のピストン重量、K値を表1に示す。
本実施例は、実施例1と同じ鋳造用模型を用い、ピストンの材質のみを異ならせ、実施例1と同一形状、同一寸法のピストンを製作した。ピストンの材質はJIS SCS24(Fe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.07、Si:0.49、Mn:0.41、P:0.01、S:0.02、Ni:3.15、Cr:16.71、Cu:3.22、Nb:0.29とした。)とし、高周波溶解炉を用いて溶解した後、1550℃で取鍋に出湯し、直ちに前記砂鋳型に1500℃で注湯した。その後、鋳造品を1040℃で1時間保持し急冷する固溶化処理を行い、さらに600℃で4時間保持し空冷する時効処理を行った。本実施例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて320MPa、450℃にて300MPaであった。次に前記加工代付加個所を切削加工した後、研削加工を行った。加工後のピストン重量、K値を表1に示す。
次に上記ピストンを用いて、実施例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定した。スカート下端部の変形量の測定値を表1に示す。
次に本実施例2のピストンを実施例1と同じ内燃機関に搭載して、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件にて、及び燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が450℃の条件にて、それぞれ400時間の耐久試験を実施し、それぞれ耐久性に問題がないことを確認した。
(比較例1)。
実施例1と同じ鋳造用模型を用いて、比較例としてダクタイル鋳鉄製のピストンを製作した。加工後のピストンの寸法は実施例1と同一である。なお、本比較例のピストンと共込めして同時に鋳造した試験片の疲労強度は198MPaであった。比較例1のピストンの重量、K値を表1に示す。次に実施例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともに、本比較例ではピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方(図10上で右方向)への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部に歪ゲージを貼り付け、歪を測定し、応力を算出した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件で耐久試験を実施したところ、試験開始直後に異常音を生じたため耐久試験を中止した。試験後のピストンを観察すると、スカート部に強い当りを示すスカッフ痕が観察された。
実施例1と同じ鋳造用模型を用いて、比較例としてダクタイル鋳鉄製のピストンを製作した。加工後のピストンの寸法は実施例1と同一である。なお、本比較例のピストンと共込めして同時に鋳造した試験片の疲労強度は198MPaであった。比較例1のピストンの重量、K値を表1に示す。次に実施例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともに、本比較例ではピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方(図10上で右方向)への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部に歪ゲージを貼り付け、歪を測定し、応力を算出した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件で耐久試験を実施したところ、試験開始直後に異常音を生じたため耐久試験を中止した。試験後のピストンを観察すると、スカート部に強い当りを示すスカッフ痕が観察された。
(比較例2)
実施例1に対しピストンのスカート部の肉厚が4mmとなるようにし、さらにスカート部に図11に示す補強リブ35を追加して鋳造用模型を変更し、他は比較例1と同じにして、ダクタイル鋳鉄製のピストンを製作した。比較例2のピストンの重量、K値を表1に示す。次に比較例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともにピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部の応力を測定した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が450℃の条件で耐久試験を5時間実施し、試験後のピストンを観察すると、燃焼室エッジ部に微小な亀裂の発生が観察された。
実施例1に対しピストンのスカート部の肉厚が4mmとなるようにし、さらにスカート部に図11に示す補強リブ35を追加して鋳造用模型を変更し、他は比較例1と同じにして、ダクタイル鋳鉄製のピストンを製作した。比較例2のピストンの重量、K値を表1に示す。次に比較例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともにピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部の応力を測定した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が450℃の条件で耐久試験を5時間実施し、試験後のピストンを観察すると、燃焼室エッジ部に微小な亀裂の発生が観察された。
(比較例3)
実施例1に対し、疲労強度が400℃にて250MPaの鋳鋼を用い、他は実施例1と同一にしてピストンを製作した。本比較例では、ピストンの材質をJIS SCMn 2Bとし900℃での焼入れと600℃での焼戻しの処理を行った。本比較例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて250MPaとなった。また前記試験片のFe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.29、Si:0.42、Mn:1.33、P:0.01、S:0.02であった。比較例3のピストンの重量、K値を表1に示す。次に比較例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともにピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部の応力を測定した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件で耐久試験を20時間実施し、試験後のピストンを観察すると、燃焼室エッジ部に微小な亀裂の発生が観察された。
実施例1に対し、疲労強度が400℃にて250MPaの鋳鋼を用い、他は実施例1と同一にしてピストンを製作した。本比較例では、ピストンの材質をJIS SCMn 2Bとし900℃での焼入れと600℃での焼戻しの処理を行った。本比較例のピストンと共込めして同時に鋳造し、上記と同じ熱処理を行った試験片の疲労強度は400℃にて250MPaとなった。また前記試験片のFe以外の主な成分組成(重量%)は、C:0.29、Si:0.42、Mn:1.33、P:0.01、S:0.02であった。比較例3のピストンの重量、K値を表1に示す。次に比較例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定するとともにピストン頭部のピン孔軸と直交方向部のピストン下方への変形量と、燃焼室エッジ部2eのピン孔の軸方向部の応力を測定した。測定結果を表1に示す。次に本比較例のピストンを実施例1と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が400℃の条件で耐久試験を20時間実施し、試験後のピストンを観察すると、燃焼室エッジ部に微小な亀裂の発生が観察された。
表1において実施例1の鋳鋼製ピストンと比較例1のダクタイル製ピストンとを比較すると、両者は寸法が同一であるため両者の比重の差により、実施例1の鋳鋼ピストンの方が重量が大きくなっておりK値も大きくなっているが、スカート下端部の変形量が実施例1の鋳鋼製ピストンの0.120mmに対して比較例1のダクタイル鋳鉄製ピストンのスカート下端部の変形量は、0.151mmと大きいことがわかる。このため比較例1ではシリンダー内壁とピストンスカート部との隙間が増大し、ピストンピンを軸としたピストンの傾動角度が大きくなるため、耐久試験において異常音が発生しピストンスカート部にスカッフ痕が発生したものと推定される。
表1において実施例1および実施例2と比較例2とを比較すると、比較例2のダクタイル鋳鉄製ピストンはスカート部の肉厚を増加し補強リブを追加したことにより、スカート下端部の変形量は実施例1および実施例2の鋳鋼製ピストンとほぼ同じになるが、ピストンの重量においては鋳鋼製ピストンが軽くなることがわかる。また、比較例2のピストンではダクタイル鋳鉄製であるがために、ピストンの温度が450℃以上になるような条件下では材質が劣化し耐久性が悪化するため、燃焼室エッジ部の応力は比較的低いものの、耐久試験において該エッジ部に微小な亀裂が発生したものと推定される。
また表1において比較例3では燃焼室エッジ部の応力が401MPaとなり、これは完全片振りの応力であるので平均応力200.5MPa、応力振幅200.5MPaとなる。本比較例3で用いた疲労強度が250MPaの鋳鋼に200.5MPaの平均応力を加えた場合、疲労限度線図を描くと応力振幅170MP以上で亀裂が発生すると判断され、本比較例3の応力振幅は170MPaを超えている。このため耐久試験において燃焼室エッジ部に微小な亀裂が発生したものと推定される。
(実施例3〜5)
本実施例は、図4aまたは図4bに示すように開口部7をスカートに開け、他は実施例2と同様にしてピストンを製作した。開口部以外の加工後のピストンの寸法は実施例2と同一である。ただし開口部7は図4aまたは図4bに示すような長円または略四角形状とし、開口部の図の左右方向の幅7wは72mmとし、開口部の高さ7hを実施例3では2mm、実施例4では5mm、実施例5では18mmとした。また、図4に示す開口部7の左右端部の7rの大きさは実施例3ではR=1mm、実施例4ではR=2.5mm、実施例5ではR=5mmとしている。実施例3〜5のピストンの重量、K値を表1に示す。次に実施例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定すると同時に、本実施例では開口部の左右端部に歪ゲージを貼り付け歪を測定し、応力を算出した。また、実施例5では比較例1〜3と同様にピストン頭部の変形量、燃焼室エッジ部の応力を測定した。結果を表1に示す。次に実施例3〜5のピストンを実施例2と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が450℃の条件で400時間の耐久試験を実施し、耐久性に問題がないことを確認した。
本実施例は、図4aまたは図4bに示すように開口部7をスカートに開け、他は実施例2と同様にしてピストンを製作した。開口部以外の加工後のピストンの寸法は実施例2と同一である。ただし開口部7は図4aまたは図4bに示すような長円または略四角形状とし、開口部の図の左右方向の幅7wは72mmとし、開口部の高さ7hを実施例3では2mm、実施例4では5mm、実施例5では18mmとした。また、図4に示す開口部7の左右端部の7rの大きさは実施例3ではR=1mm、実施例4ではR=2.5mm、実施例5ではR=5mmとしている。実施例3〜5のピストンの重量、K値を表1に示す。次に実施例1と同様にピストンに燃焼圧力が作用したときのスカート下端部の変形量を測定すると同時に、本実施例では開口部の左右端部に歪ゲージを貼り付け歪を測定し、応力を算出した。また、実施例5では比較例1〜3と同様にピストン頭部の変形量、燃焼室エッジ部の応力を測定した。結果を表1に示す。次に実施例3〜5のピストンを実施例2と同じディーゼル機関に搭載し、燃焼圧力が18MPa、ピストン最高温度が450℃の条件で400時間の耐久試験を実施し、耐久性に問題がないことを確認した。
表1において実施例2〜5を比較すると、スカートの開口部によりピストンの重量は低減し、かつスカート下端部の変形量は低減することがわかる。また、実施例3〜5より、開口部の高さが5mm以上になると開口部の左右端部の応力が著しく減少しており、より高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。
(実施例6)
本実施例は、実施例5に対して開口部7の左右方向の幅7wを広げることにより、対向した2つの開口部7同士の距離を狭め、該距離をピストン頭部の直径の0.4倍として、他は実施例5と同様にしてピストンを製作した。実施例6におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例5と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
本実施例は、実施例5に対して開口部7の左右方向の幅7wを広げることにより、対向した2つの開口部7同士の距離を狭め、該距離をピストン頭部の直径の0.4倍として、他は実施例5と同様にしてピストンを製作した。実施例6におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例5と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
(実施例7)
本実施例は、実施例6に対して開口部7の左右方向の幅7wをさらに広げることにより、対向した2つの開口部7同士の距離をさらに狭め、該距離をピストン頭部の直径の0.38倍として、他は実施例6と同様にしてピストンを製作した。実施例7におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例6と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例6と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
本実施例は、実施例6に対して開口部7の左右方向の幅7wをさらに広げることにより、対向した2つの開口部7同士の距離をさらに狭め、該距離をピストン頭部の直径の0.38倍として、他は実施例6と同様にしてピストンを製作した。実施例7におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例6と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例6と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
実施例5〜7により、対向した2つの開口部同士の距離をピストン頭部の直径の0.4倍以上とすることにより、ピストン頭部の下方への変形量が急激に低下し、また燃焼室を有する各実施例のピストンの場合は燃焼室エッジ部の応力が低下するため、より高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。また、実施例6〜7において鋳鋼を用いたピストンにて効果を確認したが、開口部をスカート部の外周面のピン孔の軸と略並行となる部分を除肉するように対向して設け、開口部の高さを5mm以上とし、開口部同士の距離をピストン頭部の直径の0.4倍以上とすることによる、燃焼圧力に対する効果は鋳鋼製以外のピストンにおいても同様であり、従来の鋳鋼製以外のピストンでの燃焼温度範囲では、従来のピストンよりもより高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。
(実施例8)
本実施例では、図6に示すようにスカートの開口部7を略山形形状とし、他は実施例5と同じにしてピストンを製作した。なお開口部の高さ7hと幅7wは実施例5と同じく、高さを18mm、幅を72mmとし、開口部上端の幅7Uは30mmである。なお7rはR=5とした。実施例8におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例5と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
本実施例では、図6に示すようにスカートの開口部7を略山形形状とし、他は実施例5と同じにしてピストンを製作した。なお開口部の高さ7hと幅7wは実施例5と同じく、高さを18mm、幅を72mmとし、開口部上端の幅7Uは30mmである。なお7rはR=5とした。実施例8におけるピストンの重量とK値を表1に示す。このピストンを用い実施例5と同様にスカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
実施例5と実施例8とにより、開口部を略山形形状にすることでピストン頭部の変形量は開口部が略四角形のピストンに比べピストン頭部の変形量がさらに低減し、また本実施例のように燃焼室を有するピストンの場合は燃焼室エッジ部の応力がさらに低減し、より高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。また、実施例8において鋳鋼を用いたピストンにて効果を確認したが、開口部をスカート部の外周面のピン孔の軸と略並行となる部分を除肉するように対向して設け、開口部は略山形形状とすることによる、燃焼圧力に対する効果は鋳鋼製以外のピストンにおいても同様であり、従来の鋳鋼製以外のピストンでの燃焼温度範囲では、従来のピストンよりもより高い燃焼圧力に対する耐久性を備えたピストンを得ることができる。
(実施例9)
本実施例は、実施例8のピストンに対し、図7に示すようにピンボスのスカート周方向両側のスカート部下端面を、ピストン上方向に凹形状8としたものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。
本実施例は、実施例8のピストンに対し、図7に示すようにピンボスのスカート周方向両側のスカート部下端面を、ピストン上方向に凹形状8としたものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。
(実施例10)
本実施例は、実施例9のピストンに対し、図8および図9に示すように燃焼室とピン孔に挟まれたピンボス部に除肉凹部9を追加したものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
本実施例は、実施例9のピストンに対し、図8および図9に示すように燃焼室とピン孔に挟まれたピンボス部に除肉凹部9を追加したものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、開口部の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。
実施例9及び10より、それぞれ凹形状部、除肉凹部を追加することにより、耐久性を満足しながら、さらにピストン重量を低減可能であることがわかる。
(実施例11)
本実施例は、実施例10のピストンに対し、スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくする変更を施した、すなわち図9に示すL1の寸法を99mm、L2の寸法を115mmとしたものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、除肉孔の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。本実施例により、ピストンの強度を低下させることなく、さらにピストン重量を低減できた。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。本実施例より、スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくすることにより、耐久性を満足しながら、さらにピストン重量を低減可能であることがわかる。
本実施例は、実施例10のピストンに対し、スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくする変更を施した、すなわち図9に示すL1の寸法を99mm、L2の寸法を115mmとしたものである。本実施例のピストンの重量、K値、スカート下端部の変形量、除肉孔の左右端部の応力、ピストン頭部の下方への変形量および燃焼室エッジ部の応力を表1に示す。本実施例により、ピストンの強度を低下させることなく、さらにピストン重量を低減できた。次に本実施例のピストンを用いて実施例5と同様の条件で400時間の耐久試験を行い、耐久性に問題のないことを確認した。本実施例より、スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくすることにより、耐久性を満足しながら、さらにピストン重量を低減可能であることがわかる。
1 :ピストン
2 :燃焼室
2e:燃焼室エッジ部
5 :ピンボス部
6 :冷却空洞部
7 :除肉孔
7h:除肉孔の高さ
7w:除肉孔の幅
8 :スカート下端面凹形状部
9 :除肉凹部
12:ピストン頭部の直径
14:コンプレッションハイト
15:ピストン頭部
16:スカート部
18:ピストン頂面
19:ピストン頭部変形時のピストン頂面
20:ピン孔
23:スカート下端部
26:冷却空洞部加工用空間
34:冷却空洞部塞ぎ蓋
35:補強リブ
42:ピストンピン
44:圧力容器
46:ダイヤルゲージ
L :ピン孔の軸線
L3:開口部間の距離
2 :燃焼室
2e:燃焼室エッジ部
5 :ピンボス部
6 :冷却空洞部
7 :除肉孔
7h:除肉孔の高さ
7w:除肉孔の幅
8 :スカート下端面凹形状部
9 :除肉凹部
12:ピストン頭部の直径
14:コンプレッションハイト
15:ピストン頭部
16:スカート部
18:ピストン頂面
19:ピストン頭部変形時のピストン頂面
20:ピン孔
23:スカート下端部
26:冷却空洞部加工用空間
34:冷却空洞部塞ぎ蓋
35:補強リブ
42:ピストンピン
44:圧力容器
46:ダイヤルゲージ
L :ピン孔の軸線
L3:開口部間の距離
Claims (12)
- ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、鋳鋼製で一体構造とするとともに、疲労強度が400℃にて300MPa以上である鋳鋼からなることを特徴とする内燃機関用ピストン。
- 前記ピストンのスカート部に、前記スカート部を貫通する開口部を設けることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストン。
- 前記開口部は、スカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用ピストン。
- 前記開口部の高さ(ピストン上下方向の長さ)は5mm以上であり、かつ前記開口部同士の距離が、ピストン頭部の直径の0.4倍以上であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用ピストン。
- ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部を貫通する開口部がスカート部の外周面のピン孔の軸と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられ、前記開口部の高さ(ピストン上下方向の長さ)は5mm以上であり、かつ前記開口部同士の距離が、ピストン頭部の直径の0.4倍以上であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
- ピストン頭部の下部にピン孔が形成されたピンボス部とスカート部を具備する内燃機関用ピストンにおいて、前記スカート部を貫通する開口部がスカート部の外周面のピン孔の軸線と略並行となる部分を除肉するように対向して設けられ、前記開口部は略山形形状であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
- 前記開口部は略山形形状であることを特徴とする請求項2〜5に記載の内燃機関用ピストン。
- スカート部のピンボス部周方向両側の下端面が、凹形状であることを特徴とする請求項1〜7に記載の内燃機関用ピストン。
- 前記ピストン頭部は燃焼室を有するとともに、前記燃焼室とピン孔に挟まれたピンボス部に凹部を有することを特徴とする請求項1〜8に記載の内燃機関用ピストン。
- スカート部におけるピン孔軸線方向の外径寸法を、スカート部におけるピン孔軸線の直角方向の外径寸法よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜9に記載の内燃機関用ピストン。
- ピストン頭部は燃焼室と冷却空洞部を有するとともに、ピストン頭部の直径に対するコンプレッションハイトの比率(圧縮高さ比)が0.6以下としたことを特徴とする請求項1〜10に記載の内燃機関用ピストン。
- ピストン頭部は燃焼室と冷却空洞部を有するとともにピストン頭部の直径の3乗(cm3)に対するピストンの質量(g)の比率が1.5以下であることを特徴とする請求項1〜11に記載の内燃機関用ピストン。
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