本発明の開閉装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
図1ないし図4において、1は手動開閉式の開閉装置で、この開閉装置1は、例えば有効開口(特に有効高さ)を大きくとれる2軸式シャッタとしての車載シャッタで、図示しない構造物である消防自動車等の車体が後部に有する略箱状の被取付部である収容箱部(物入れや荷台等)2の略矩形状の開口部3の周縁に取り付けられている。
そして、車体の収容箱部2は、開閉装置1の前方(例えば車体に対して左方向)に向って開口した略箱状に形成されている。収容箱部2は、底板部5を有し、この底板部5の左右方向両端部から側板部6が立ち上がり、両側板部6の上端部間に天板部7が配設されている。天板部7には、複数(例えば4つ)の孔部8が形成されている。天板部7の前端部からは、突出板部9が下方に向って突出している。そして、収容箱部2の内側空間が収容物等を入れておくための収容空間10となっており、収容箱部2の前面開口部が開閉装置1にて開閉される開口部3となっている。
一方、開閉装置1は、図1ないし図5に示されるように、予め工場で組み立てられて1ユニット化された1ユニット状の本体ユニット11と、本体ユニット11を支持する互いに離間対向した左右一対のユニット支持体(ブラケット受け)12と、互いに離間対向した左右一対で2本の上下方向のガイドレール13と、1本の左右方向のまぐさ14とを備えている。
ユニット支持体12は、ボルト21およびナット22にて収容箱部2の天板部7にこの天板部7の下面に沿って取り付けられた略矩形状の取付板部23を有している。取付板部23には、複数(例えば2つ)の孔部24が形成されている。そして、互いに上下に対向した孔部8,24にボルト21が通され、このボルト21にナット22が螺合されている。
また、取付板部23の対向端部とは反対側の端部である外端部からは、略矩形状の支持板部25が下方に向って突出している。支持板部25には、複数(例えば3つ)の孔部26およびこの孔部26より大きい1つの配線用孔部27が形成されている。支持板部25の後側上部には、この支持板部25の対向面である内面から突出した引掛受け部である引掛受け突部28が設けられている。引掛受け突部28は例えば支持板部25に螺着されたねじ29にて構成されている。
本体ユニット11は、ユニット支持体12の支持板部25にこの支持板部25の内面に沿って取り付けられた互いに離間対向した左右一対の略板状のブラケット31を備えている。
ブラケット31には前後方向に長手状の複数(例えば2つ)の長孔部32が形成され、ブラケット31の下側前縁部には前後方向に長手状の切欠部33が形成されている。そして、互いに左右に対向した支持板部25の孔部26およびブラケット31の長孔部32と、互いに左右に対向した支持板部25の孔部26およびブラケット31の切欠部33とに、それぞれ固定具としてのボルト35が螺着されている。
また、ブラケット31の後側上部には、上縁部から下方および後方に向って略L字状に切り欠かれることによりフック状の引掛部36が形成され、この引掛部36がユニット支持体12の引掛受け突部28に引っ掛けられている。
さらに、ブラケット31の上側前縁部における下端位置には、本体ユニット11のブラケット31に対してガイドレール13を位置合わせするためのレール位置合わせ部である切欠段部37がガイドレール13の上端部に対応した形状に形成され、この切欠段部37内にガイドレール13の上端部が配設され、ガイドレール13の上端部と切欠段部37とが当接している。また、ブラケット31には、内方に向って突出した突出状の突出部である突出板部38が切欠段部37に近接して形成され、この突出板部38は例えば垂直板部39と水平板部40とにて構成されている。
また一方、本体ユニット11は、開口部3に沿って昇降して開口部3を開閉する略面状の昇降可能な開閉体(シャッタカーテン)41を備えるとともに、開口部3の全閉時に開閉体41の上端側を下方から支持し、開閉体41の昇降の際には左右方向の回転中心軸線Xを中心として回転しながら開閉体41を案内して開閉体41の移動方向を変更する左右一対のホイール状の方向変更用回転体(ガイドローラ)42を備えている。
また、本体ユニット11は、方向変更用回転体42に近接して配設され、開閉体41の上昇の際に開閉体41が方向変更用回転体42にて案内されるように補助する左右一対のコーナーガイド体43を備えるとともに、方向変更用回転体42より後方に配設され、開閉体41の上昇の際には左右方向の回転中心軸線Yを中心として回転しながら開閉体41を略円筒状に巻き取り、開閉体41の下降の際には左右方向の回転中心軸線Yを中心として回転しながら開閉体41を巻き戻すドラム状の巻取用回転体(巻取ドラム)44を備えている。
なお、方向変更用回転体42の回転中心である回転中心軸線Xと、巻取用回転体44の回転中心である回転中心軸線Yとは、略前後に並んだ状態で互いに平行状に位置する。
ここで、開閉体41は、互いに回動可能に連結された複数の開閉体構成部材である金属製のスラット51を有している。開閉体41の先端のスラット51には、先端構成部材である水切りスラット52が取り付けられている。水切りスラット52は、例えば一方側分割部材である金属製の前側水切り形材53と、他方側分割部材である金属製の後側水切り形材54とで構成されている。そして、水切りスラット52の前側水切り形材53の前面中央には、押しボタン55が付いた手掛け部材(ハンドル)56が取り付けられている。
また、水切りスラット52の左右方向両端側には、図4に示されるように、カバー部材である樹脂製のラッチバーガイド57がその一部が露出した状態に取り付けられている。ラッチバーガイド57には、施錠部材としての係合部材である金属製のラッチバー58が施錠位置および解錠位置間で左右スライド可能(移動可能)に取り付けられている。そして、ラッチバー58は、図示しない付勢体であるスプリングにて施錠位置に位置するように付勢され、ラッチバー58の先端側の係合部59はラッチバーガイド57内に対して出入り可能となっている。
さらに、水切りスラット52の下端部には、開口部3の全閉時に収容箱部2の底板部5の前端部上面に当接する緩衝部材であるシール部材50が取り付けられている。なお、開閉体41の基端のスラット51は、バンド60を介して巻取用回転体44の2箇所の部分に取り付けられている。
そして、このような開閉体41は、図1から明らかなように、開口部3の全閉時に方向変更用回転体42から垂下がった状態で垂直面状に位置して開口部3を閉鎖する本体部46を有するとともに、開口部3の全閉時に方向変更用回転体42から後下方に向って傾斜した傾斜面状で巻取用回転体44と方向変更用回転体42とに跨って位置する延長部47を有している。そして、延長部47の左右方向端部近傍には、下方に向って膨出状の検知用接触部(ドグ)48が設けられている。
なお、膨出状の検知用接触部48は、開口部3の開口時、すなわち開閉体41を巻取用回転体44で巻き取った際には、その開閉体41の巻径が大きくなることがないよう巻取用回転体44の端縁部側方に位置する。
巻取用回転体44は、開閉体41を巻き戻し可能に巻き取るもので、両ブラケット31間に架設された左右方向の水平状の固定軸61の外周側に回転可能に取り付けられている。そして、手動操作による開閉体41の上昇を容易にするための図示しない付勢体であるスプリングの一端部が固定軸61に取り付けられ、スプリングの他端部が巻取用回転体44に取り付けられている。なお、巻取用回転体44は、例えば左右一対のホイール64、両ホイール64間にわたって位置する円筒状のホイールカバー65、座金66およびホイール64間に位置する樹脂ピース67等にて構成されている。
方向変更用回転体42は、対応するブラケット31から内方に向って突出した左右方向の水平状の固定支軸71の外周側に回転可能に取り付けられている。すなわち、方向変更用回転体42は、ブラケット31の内面に近接してこのブラケット31の前端部の近傍位置に回転可能に配設されている。そして、方向変更用回転体42の外周面の一部に開閉体41が略円弧状に掛け渡され、開閉体41が左右両側の方向変更用回転体42にて下方から支持されている。なお、固定軸61と固定支軸71とは互いに平行に配設されている。
コーナーガイド体43は、対応するブラケット31にこのブラケット31の内面に沿って取り付けられた略正方形状の取付板部76を有し、この取付板部76には固定支軸71を中心とする略円弧状のガイド板部77が内方に向って突設されている。そして、ガイド板部77は、開閉体41が方向変更用回転体42から離反した場合にこの開閉体41と当接する。
さらに、本体ユニット11は、検知用接触部48との接触により、開閉体41の全閉状態を検知つまり本体部46にて開口部3全体が閉鎖されていることを検知して検知信号(全閉検知信号)を出力する検知手段であるマイクロスイッチ81を備えている。
そして、マイクロスイッチ81は、左右一対の方向変更用回転体42のうちの例えば正面視左側の方向変更用回転体42の近傍位置に配設されており(図2参照)、側面視で巻取用回転体44と方向変更用回転体42との間に位置する(図1参照)。
また、マイクロスイッチ81は、方向変更用回転体42から後下方に向って傾斜した傾斜面状の延長部47の下面の近傍位置でその下面に沿った方向の位置(略前後方向の位置)が調節可能となっているとともに、その傾斜面状の延長部47の下面に沿った方向と直交(交差)する方向の位置(略上下方向の位置)も調節可能となっている。
すなわち、ブラケット31から内方に向って突出した突出部83に対して、2つの略楕円形の長孔84と2つの略円形の孔85とが形成された回動支持板86が1つの孔85を中心として上下回動調節可能に2本のねじ87にて取り付けられている。そして、この回動支持板86に2本の平行な長孔88が形成された固定支持板89が固着され、この固着された固定支持板89に対して、マイクロスイッチ81が長孔88に沿って前後移動調節可能に2本のねじ90にて取り付けられている。なお、マイクロスイッチ81の略前後方向の位置は、例えば最大で1枚のスラット51の幅寸法程度調節可能となっている。
ここで、マイクロスイッチ81は、外形略直方体状のスイッチ本体部91を有し、このスイッチ本体部91の上面からは検知用接触部48に対して接離する作動片部92が突出している。
また、スイッチ本体部91には、一端側が制御手段(図示せず)に接続された配線93の他端側が接続されている。制御手段には、車体の運転席にいる者に対して開閉体41の全閉状態を報知するための報知手段であるランプ(図示せず)が接続されている。
そして、開口部3の全閉時に開閉体41が全閉状態になると、マイクロスイッチ81の作動片部92が開閉体41の検知用接触部48にて押圧され、マイクロスイッチ81がオン状態となる。その結果、マイクロスイッチ81から検知信号が出力され、この検知信号に基づいて制御手段が運転席のランプを点灯させる。一方、開口部3の全閉時以外の時には、作動片部92と検知用接触部48とが離間してマイクロスイッチ81がオフ状態にあるため、ランプは消えている。
なお、マイクロスイッチ81に接続された配線93は、支持板部25の配線用孔部27および収容箱部2の側板部6の配線用孔部6aから、収容箱部2外に導出されている。
一方、ガイドレール13は、収容箱部2の側板部6に取り付けられた上下方向に長手状の金属製の縦枠であるレール部材101と、レール部材101にこのレール部材101に沿って取り付けられた上下方向に長手状の樹脂製のシール部材(レール用止水ゴム)102と、レール部材101の下端部に取り付けられた金属製の係合受け部材であるラッチバー受け部材103とを備えている。
そして、レール部材101には、開口部3側に向って開口した横断面略コ字状の上下方向のガイド溝部104が形成され、このガイド溝部104内に開閉体41の側端部にて構成された挿入部41aが挿入されている。なお、ガイド溝部104内に挿入された挿入部41aの下端部は、ラッチバーガイド57の水切りスラット52から露出した露出部分にて構成され、このラッチバーガイド57の露出部分の前後面の所定部分がガイドレール13のガイド溝部104の前後面104a,104bの対応する部分と接触する。
また、レール部材101には、互いに左右に離間対向した抜止め片105を有し収容空間10側(後方)に向って開口した横断面略C字状の上下方向のシール取付用溝部106が形成されている。そして、シール取付用溝部106に開閉体41とレール部材101との隙間を閉塞するシール部材102が嵌合され、このシール部材102はシール取付用溝部106の抜止め片105にて抜止めされている。
シール部材102は、例えばシール取付用溝部106の内側に嵌合された嵌合部111と、この嵌合部111から突出し開閉体41の前面と接触する略板状の接触部112とにて構成されている。嵌合部111は、レール部材101に対するシール部材102の着脱を容易に行えるように軟質樹脂(ゴム)にて成形され、この嵌合部111には、テーパ状の案内面113が形成されているとともに、抜止め片105に対応した凹溝114が形成されている。また、接触部112は、開閉体41との間に生じる摩擦を減少できるように嵌合部111より硬い硬質樹脂にて成形されている。この接触部112の先端面は、略円弧面状に形成されている。
ラッチバー受け部材103は、開口部3の全閉時に開閉体41のラッチバー58との係合により開閉体41の上昇を規制するもので、レール部材101のガイド溝部104の下端部にこのガイド溝部104の底面104cに沿ってねじ120にて取り付けられた取付板部115を有し、この取付板部115にはラッチバー58の係合部59と係脱する側面視略三角状の係合受け部116が開口部3側に向って突設されている。係合受け部116の上面が、開閉体41の下降時にこの開閉体41のラッチバー58の係合部59をラッチバーガイド57側に向けて案内する傾斜状の案内面117となっている。なお、ガイドレール13と収容箱部2の側板部6との間には、意匠性や密閉性向上のためのシール材として発砲ウレタン系の防水シール118が配設されている。
まぐさ14は、収容箱部2の突出板部9の下端部に取り付けられた左右方向に長手状の金属製の横枠であるまぐさ部材121と、まぐさ部材121にこのまぐさ部材121に沿って取り付けられた左右方向に長手状の樹脂製のシール部材122とを有している。
そして、まぐさ部材121には、互いに上下に離間対向した抜止め片124を有し収容空間10側(後方)に向って開口した縦断面略C字状の左右方向のシール取付用溝部125が形成されている。そして、シール取付用溝部125に開閉体41とまぐさ部材121との隙間を閉塞するシール部材122が嵌合され、このシール部材122はシール取付用溝部125の抜止め片124にて抜止めされている。
シール部材122は、例えばゴムにて一体に成形されたもので、まぐさ部材121のシール取付用溝部125の内側に嵌合された嵌合部127と、この嵌合部127から突出し開閉体41の前面と接触する中空状の接触部128とにて構成されている。なお、まぐさ14は、本体ユニット11の方向変更用回転体42の前方近傍位置に配設されている。
次に、車体の収容箱部(被取付部)2への開閉装置1の取付について説明する。
なお、開閉装置1の取付現場(例えば車体の組立工場等)には、開閉装置1の構成部品である本体ユニット11、ユニット支持体12、ガイドレール13およびまぐさ14は、図示しない梱包材にて梱包された状態で搬入される。
まず最初に、車体の収容箱部2の天板部7の所定位置に孔部8を形成する。
次いで、車体の収容箱部2の天板部7にこの天板部7の下面に沿って左右一対のユニット支持体12を取り付ける。すなわち、天板部7の孔部8とユニット支持体12の取付板部23の孔部24とを一致させてから、両孔部8,24にボルト21を通し、このボルト21にナット22を螺合し、天板部7に取付板部23を固定する。
なお、このユニット支持体12の取付の際に、治具(図示せず)を使用して、ユニット支持体12の支持板部25を収容箱部2の側板部6の内面に押え付け、支持板部25の外面と側板部6の内面とを面接触させる。
次いで、左右一対のユニット支持体12にこれら両ユニット支持体12間にわたって位置するように1ユニット状の本体ユニット11を取り付ける。
すなわち、1ユニット状の本体ユニット11を所定高さ位置まで持ち上げ、左右一対のユニット支持体12に本体ユニット11の左右方向両端部のブラケット31を引っ掛けてから、左右3本づつで計6本のボルト35を使用してユニット支持体12の支持板部25に本体ユニット11のブラケット31を仮固定し、この仮固定後、位置合わせ治具を使用して収容箱部2に対して本体ユニット11を位置合わせしてから、ユニット支持体12の支持板部25に本体ユニット11のブラケット31をボルト35で本固定する。
より詳細に説明すると、本体ユニット11の左右方向両端側の梱包材を取り外してから、本体ユニット11を車体の収容箱部2に取り付けられたユニット支持体12の下方に配置して所定高さ位置まで持ち上げ、ユニット支持体12の引掛受け突部28に本体ユニット11のブラケット31の引掛部36を引っ掛けて係合させる。
続いて、本体ユニット11のブラケット31の切欠部33の開口周縁部分をユニット支持体12の支持板部25の対応する孔部26の開口周縁部分にボルト35で仮固定する。その後、本体ユニット11のブラケット31の長孔部32の開口周縁部分をユニット支持体12の支持板部25の対応する孔部26の開口周縁部分にボルト35で仮固定する。
なお、この仮固定の状態で、本体ユニット11はユニット支持体12に対して前後位置調節可能である。
次に、位置合わせ治具を使用して、収容箱部2の垂直面状の基準面(例えば側板部6の前面および突出板部9の前面を含む平面)からのブラケット31の位置を合わせる。つまりユニット支持体12に対して本体ユニット11をスライドさせることにより、収容箱部2の基準面と本体ユニット11のブラケット31の突出板部38の垂直板部39との距離を予め決められた一定距離に設定する。
このように本体ユニット11の収容箱部2に対する位置合わせをした後、本体ユニット11のブラケット31の切欠部33の開口周縁部分をユニット支持体12の支持板部25の対応する孔部26の開口周縁部分にボルト35で本固定し、その後、本体ユニット11のブラケット31の長孔部32の開口周縁部分をユニット支持体12の支持板部25の対応する孔部26の開口周縁部分にボルト35で本固定する。なお、本固定後に、本体ユニット11の左右方向中央側の梱包材を取り外す。
次いで、車体の収容箱部2の側板部6にこの側板部6の前端部内面に沿って左右一対のガイドレール13を取り付ける。すなわち、ユニット支持体12に吊下げられた本体ユニット11の開閉体41の挿入部41aの下端部をガイドレール13のガイド溝部104内に挿入し、このガイドレール13の上端部を本体ユニット11のブラケット31の切欠段部37内にこの切欠段部37と当接させた状態として配置してから、ガイドレール13を側板部6に治具(例えばシャコ万等の挟持治具等)で仮固定する。
そして、この仮固定後、位置合わせ治具を使用して収容箱部2の基準面に対してガイドレール13を位置合わせする。続いて、収容箱部2の側板部6の前端部におけるガイドレール13のレール部材101の取付用孔部(図示せず)と対応する位置に例えばタップ加工等を施してから、ガイドレール13のレール部材101を側板部6にねじ(図示せず)で本固定する。
次いで、車体の収容箱部2の突出板部9の下端部にまぐさ14を取り付ける。すなわち、収容箱部2の突出板部9とガイドレール13との間にまぐさ14を嵌め込むようにして仮固定する。その後、収容箱部2の突出板部9の下端部におけるまぐさ14のまぐさ部材121の取付用孔部(図示せず)と対応する位置に例えばタップ加工等を施してから、まぐさ14のまぐさ部材121を突出板部9にねじ(図示せず)で本固定する。
次いで、マイクロスイッチ81の配線93を配線用孔部6a,27を介して収容箱部2外に導き出して制御手段に接続する。
次に、本体ユニット11の開閉体41を巻取用回転体44から巻き戻しつつ下限位置まで下降させ、ラッチバー58にて施錠されたかどうかを確認し、必要に応じてガイドレール13のラッチバー受け部材103の高さ位置を調節する。
次いで、開閉体41の昇降によりマイクロスイッチ81のオン・オフを確認し、必要に応じてマイクロスイッチ81の位置を調節する。
なお、開閉体41の塗装を行う場合、開閉体41の一部または全部を交換等する場合には、開閉体41を巻取用回転体44から巻き戻しつつ下降させてから、ボルト(図示せず)をホイール64の固定用孔部64aおよび固定軸61に形成された孔部にねじ込み、開閉体41が上昇しないようにする。
次に、開閉装置1を使用して開口部3を開閉する場合について説明する。
車体の収容箱部2の開口部3を閉鎖する場合、本体ユニット11の開閉体41をスプリングの付勢力に抗して巻き戻しつつ開口部3に沿って下降させ、開閉体41の水切りスラット52をシール部材50を介して収容箱部2の底板部5の前端部上面に当接させる(図6ないし図8参照)。
この開閉体41の下降途中で、左右のラッチバー58の係合部59は、ガイドレール13のラッチバー受け部材103の係合受け部116の案内面117にて案内されることによりスプリングの付勢力に抗して解錠位置まで一旦移動するが、案内面117から離れると、スプリングの付勢力により施錠位置に復帰して係合受け部116の下方位置に入り込み、こうしてラッチバー58による施錠が開閉体41の下降によって自動的にかかる。
そして、このような施錠状態では、例えば収容箱部2の外部から開閉体41を無理やり持ち上げようとしても、ラッチバー58の係合部59とラッチバー受け部材103の係合受け部116との係合によって、開閉体41の上昇が規制される。
また、図1および図8に示すように、開口部3の全体が開閉体41の本体部46にて閉鎖されると、マイクロスイッチ81は、開閉体41の基端側の延長部47から下方に向って膨出した検知用接触部48にて作動片部92が押圧されてオン状態となり、その結果、マイクロスイッチ81から全閉検知信号が出力され、運転席のランプが点灯する。このため、運転席にいる者は、ランプの点灯によって、開閉体41が全閉状態にあることを確認することができる。
一方、車体の収容箱部2の開口部3を開口させる場合は、開閉体41の手掛け部材56に手を掛けて押しボタン55を押すことにより左右のラッチバー58の係合部59を解錠位置まで移動させてから、開閉体41の本体部46を開口部3に沿って上昇させる。
なお、巻取用回転体44による巻取りにより開閉体41の本体部46が上昇して検知用接触部48がマイクロスイッチ81の作動片部92から離れると、マイクロスイッチ81はオフ状態となり、運転席のランプが消灯する。
そして、上記開閉装置1によれば、開閉体41の全閉状態を検知して検知信号を制御手段へ出力するマイクロスイッチ81が、方向変更用回転体42の近傍位置に配設されているため、マイクロスイッチ81に故障等の不具合が生じにくく、開閉体41の全閉状態を適切に検知でき、その開閉体41の全閉状態を適切に報知できる。よって、例えば車体の走行中の振動で開口部3が開口して収容物等が落ちるようなことを防止でき、安全性の向上を図ることができる。
また、取付現場での取付誤差に応じてマイクロスイッチ81の位置の微調節を行うことができ、マイクロスイッチ81の誤作動等を適切に防止できる。
また一方、車体の収容箱部2にユニット支持体12を取り付け、この取り付けられたユニット支持体12に予め工場で1ユニット化された1ユニット状の本体ユニット11を取り付ければよいので、開閉装置本体が1ユニット化されていない場合等に比べて、開閉装置1を車体の収容箱部2に対して容易に取り付けることができ、取付現場での取付作業の容易化を図ることができる。
また、本体ユニット11を予め工場で1ユニット化したため、取付現場での取付誤差を最小限に抑えることができ、取付現場での調整も容易にできる。さらに、1ユニット状の本体ユニット11のユニット支持体12への取付は、収容箱部2の開口部3を介して下方からの作業のみで行うことができる。また、本体ユニット11のブラケット31にはレール位置決め用の切欠段部37が形成されているため、本体ユニット11に対するガイドレール13の位置合わせを容易に行うことができる。
なお、開閉装置1は、車体に搭載する車載シャッタには限定されず、建物、航空機、船舶等の構造物に備え付けるものでもよく、また、ブラインド装置やスクリーン装置等でもよい。
また、開閉体41の状態を検知する検知手段は、接触式のマイクロスイッチ81には限定されず、光等を利用した非接触式のもの等でもよい。
さらに、マイクロスイッチ81等の検知手段は、開閉体41の全閉状態を検知するものには限定されず、開閉体41の全開状態や半開状態等の状態を検知するもの等でもよい。
また、開閉装置1は、両方向変更用回転体42の近傍位置に配設された左右一対の検知手段を備えたもの等でもよく、この場合、例えば、両検知手段から全閉検知信号が出力されていることを条件として運転席のランプが点灯する構成や、一方が運転席側、他方が開閉装置1の近傍側にてランプが点灯する構成等とする。
また、方向変更用回転体42は、ホイール状のものには限定されず、例えば、左右方向に長手状の1本の軸状のもの等でもよい。
さらに、開閉装置1は、開口部3の全閉時にマイクロスイッチ81がオン状態でランプが消灯し、開口部3の全閉時以外の時にマイクロスイッチ81がオフ状態でランプが点灯するような構成のもの等でもよい。
また、開閉体41の状態を報知するための報知手段は、ランプには限定されず、警報を鳴らすブザーや、ハンドルを振動させる振動手段等でもよく、また、ランプ等の報知手段は、操作者や使用者等にとって報知されていることが認識しやすい場所や位置に設けることが好ましい。